【実施例】
【0031】
以下、実施例および比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。a成分およびb成分として下記のものを用いた。なお、各種物性値については、下記に示す方法によって測定した。
【0032】
<ヨウ素価>
JIS K0070のヨウ素価試験方法に準じる。
<沸点範囲>
JIS K2254の蒸留試験方法に準じる。
<引火点>
JIS K2265の密閉式引火点測定法に準じる。
【0033】
<数平均分子量>
島津製GPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)測定装置を用いて数平均分子量(ポリスチレン換算)を測定した。
【0034】
<鉄分含量分析>
所定量の試料を白金皿中で緩やかに燃焼させた後に、電気炉で完全に燃焼した灰分を濃塩酸で溶解し、測定試料とした。次にICP発光分析装置を使用し、所定操作により分析した。
【0035】
〔a成分の調製〕
調製例1;パラフィン混合物1
工程1)イソブテン30質量%、1−ブテン18質量%、2−ブテン類25質量%を含む炭素数4のブテン混合ガスとブタンガス27質量%を含む混合ガスをオートクレーブに仕込み、塩化アルミニウム触媒の存在下に共重合し、さらに未反応ガスおよび炭素数20以上の高沸点成分を除去して、炭素数16以下のポリブテン混合物を調製した。このポリブテン混合物は、数平均分子量が185であった。
【0036】
工程2)さらに、このポリブテン混合物をオートクレーブ中で水素化触媒(0.5%Pd担持アルミナ触媒)10質量%により水素圧3MPa、220℃で水素添加した。ポリブテンの水素化物、すなわちパラフィン混合物は、ヨウ素価が0.1であり、数平均分子量が180であった。
【0037】
工程3)外径4cm、長さ30cmのガラス筒に、アタパルガスクレイと活性白土を50:50の体積比で充填した吸着カラムに、毎分1mLの流速、25℃で連続的に送液して、触媒・装置由来の微量金属成分の吸着処理を行った。処理後のパラフィン混合物の鉄分は1ppmであった。
【0038】
工程4)その後、15段のオールダーショー棚段精留塔のボトム容器に仕込み、オイルバスにつけ、容器内の液温度が110℃になるまで乾燥窒素ガスによりバブリングを行い、空気との接触を避けて加熱した。ボトム内液が110℃に達したら、減圧10kPaで還流比を5とし、減圧蒸留精製した。この状態を保持しつつ低沸分の除去を行う操作を2時間続けて、仕込み量に対し5質量%の低沸点物を留去した。続いて、乾燥窒素ガスを吹き込みながら、還流比を10とし減圧蒸留を8時間行い、仕込み全量の20質量%を留去した。総量として仕込み量の25質量%を留去した後、再び乾燥窒素ガスを減圧下バブリングして蒸留ボトム内容液を冷却した。
得られたパラフィン混合物1の沸点範囲は187.5〜205℃、引火点は64℃で、2,2,4,6,6−ペンタメチルヘプタンの含有量は2質量%であった。
なお、メチル基の個数の分析に際しては、日本電子株式会社製のJMS−AX505HA質量分析計を用いてそれぞれの化合物のメチル基の数を確認した。また、2,2,4,6,6−ペンタメチルヘプタンは株式会社島津製GC−14Bガスクロマトグラフィー分析により測定した。
【0039】
調製例2;パラフィン混合物2
調製例1記載の工程3)において、吸着剤の種類を粒子径が異なる2種のアタパルガスクレイに変更した。異なる粒子径のアタパルガスクレイのうち一方は粒子径840μmから1000μmのものであり、他方は粒子径200μmから480μmのものである。まず、粒子径840μmから1000μmのものを吸着カラムの体積割合で80%充填して仕込み、次に残り20%の割合を粒子径200μmから480μmのもので充填した吸着カラムとした。この吸着カラムに、毎分1mLの流速、25℃で連続的送液して、触媒・装置由来の微量金属成分の吸着処理を行った以外は、すべて調製例1と同様の操作をした。
また、工程4)の蒸留工程において、容器内の液温度を130℃、減圧度を20KPa、還流比を4、留出最高温度を115℃、留去率を30質量%として蒸留を行い、目的の化合物(パラフィン混合物2)を得た。得られたパラフィン混合物2は、鉄分3ppm、ヨウ素価0.1、沸点範囲188〜207℃、引火点64℃で、2,2,4,6,6−ペンタメチルヘプタンの含有量2.3質量%であった。
【0040】
[b成分]
非イオン性界面活性剤1;
ポリオキシエチレン(7モル)モノヤシ油脂肪酸グリセリン(HLB=13.0)
非イオン性界面活性剤2;
ポリオキシエチレン(8モル)モノ(カプリル/カプリン酸)グリセリン(HLB=15.0)
非イオン性界面活性剤3;
モノイソステアリン酸ポリオキシエチレン(8モル)グリセリン(HLB=12.2)
非イオン性界面活性剤4;
モノヤシ油脂肪酸ポリオキシエチレン(30モル)グリセリン(HLB=17.4)
非イオン性界面活性剤5;
ポリオキシエチレン(78モル)モノヤシ油脂肪酸グリセリン(HLB=18.9)
非イオン性界面活性剤6;
トリイソステアリン酸ポリオキシエチレン(10モル)グリセリン(HLB=7.2)
非イオン性界面活性剤7;
ポリオキシエチレン(20モル)オクチルドデシルエーテル(HLB=14.9)
非イオン性界面活性剤8;
ポリオキシエチレン(40モル)硬化ヒマシ油(HLB=13.3)
【0041】
〔実施例1〜10および比較例1〜9〕
表2〜3に示すクレンジング料を調製し、5項目について下記評価基準により評価を行った。但し、クレンジング料の調整に際し、共通添加成分として表1に示す8成分を使用した。実施例の評価結果を表2、比較例の評価結果を表3に示す。なお、下記表記中の%は質量%を意味する。
【0042】
【表1】
【0043】
(1)メイク汚れとなじむ早さ
メイクをした20名の女性(22才〜37才)をパネラーとし、クレンジング料を使用した時にメイク汚れとなじむ早さについて下記のように判定し、20名の合計点を求めた。合計点が30点以上をメイク汚れが早く落ちるクレンジング料であると判定して表中に「○」を表示し、合計点が29点以下をメイク汚れとのなじみが遅いクレンジング料であると判定して表中に「×」を表示した。
2点:メイク汚れとすぐになじんだと感じた場合。
1点:メイク汚れとなじむのに少し時間がかかったと感じた場合。
0点:メイク汚れとなじむのにかなり時間がかかったと感じた場合。
【0044】
(2)洗い流し易さ
メイクをした20名の女性(22才〜37才)をパネラーとし、クレンジング料を使用し、ぬるま湯で洗い流した時の洗い流し易さについて下記のように判定し、20名の合計点を求めた。合計点が30点以上をクレンジング力の高いクレンジング料であると判定して表中に「○」を表示し、合計点が29点以下をクレンジング力の低いクレンジング料であると判定して表中に「×」を表示した。
2点:非常に洗い流し易いと感じた場合。
1点:洗い流し易いと感じた場合。
0点:洗い流し難いと感じた場合。
【0045】
(3)洗い流し後のすっきり感
メイクをした20名の女性(22才〜37才)をパネラーとし、クレンジング料を使用し、ぬるま湯で洗い流した後のすっきり感について下記のように判定し、20名の合計点を求めた。合計点が30点以上を洗い流し後の感触がすっきりとしたクレンジング料であると判定して表中に「○」を表示し、合計点が29点以下を洗い流し後のすっきり感の弱いクレンジング料であると判定して表中に「×」を表示した。
2点:とてもすっきりしたと感じた場合。
1点:すっきりしたと感じた場合。
0点:すっきり感が感じられなかった場合。
【0046】
(4)洗い流し後のエモリエント感
メイクをした20名の女性(22才〜37才)をパネラーとし、クレンジング料を使用し、ぬるま湯で洗い流した後のエモリエント感について下記のように判定し、20名の合計点を求めた。合計点が30点以上を洗い流し後にエモリエント感のあるクレンジング料であると判定して表中に「○」を表示し、合計点が29点以下を洗い流し後のエモリエント感の弱いクレンジング料であると判定して表中に「×」を表示した。
2点:エモリエント感が十分にあると感じた場合。
1点:エモリエント感がややあると感じた場合。
0点:エモリエント感がないと感じた場合。
【0047】
(5)洗い流し後の感うるおい感の持続
メイクをした20名の女性(22才〜37才)をパネラーとし、クレンジング料を使用し、ぬるま湯で洗い流し、拭き取った後30分経過した時点でうるおい感の持続について下記のように判定し、20名の合計点を求めた。合計点が30点以上を洗い流し後にうるおい感が持続するクレンジング料であると判定して表中に「○」を表示し、合計点が29点以下を洗い流し後の感うるおい感が持続し難いクレンジング料であると判定して表中に「×」を表示した。
2点:うるおい感がとても持続していると感じた場合。
1点:うるおい感がやや持続していると感じた場合。
0点:うるおい感が持続していないと感じた場合。
【0048】
【表2】
【0049】
【表3】
【0050】
※1:「パールリーム4」日油株式会社製、[炭素数16、沸点範囲220〜252.5℃、引火点96℃、2,2,4,6,6−ペンタメチルヘプタン含有量0%]
※2:「マルカゾールR」丸善石油化学株式会社製、[炭素数12、沸点177℃、引火点48℃、2,2,4,6,6−ペンタメチルヘプタン含有量95%以上]
※3:「SH 245」東レダウコーニング株式会社製、[引火点77℃]
【0051】
実施例1〜10の評価結果より、本発明のクレンジング料は、メイク汚れと素早くなじみ、洗い流し易く、洗い流し後の感触がすっきりとし、洗い流し後のエモリエント感があるとともに、洗い流し後にうるおい感が持続するものであった。
【0052】
一方、比較例1〜9では充分な性能が得られていない。つまり、比較例1ではa成分とは異なるパラフィン混合物3を使用しているので、メイク汚れとなじみ難く、洗い流し後のすっきり感が弱く、洗い流し後のエモリエント感が弱く、洗い流し後のうるおい感が持続し難い結果となった。
比較例2ではa成分とは異なる成分(イソドデカン)を使用しているので、洗い流し後のすっきり感が弱く、洗い流し後のエモリエント感が弱く、洗い流し後のうるおい感が持続し難い結果となった。
比較例3ではa成分とは異なる成分(デカメチルシクロペンタシロキサン)を使用しているので、メイク汚れとなじみ難く、洗い流し後のすっきり感が弱く、洗い流し後のエモリエント感が弱く、洗い流し後のうるおい感が持続し難い結果となった。
比較例4ではa成分が50質量%を超えて配合されているので、洗い流し難く、洗い流し後のうるおい感が持続し難い結果となった。
【0053】
比較例5および6ではb成分とは異なる非イオン性界面活性剤7および8を使用しているので、メイク汚れとのなじみが遅く、洗い流し難く、洗い流し後のすっきり感が弱い結果となった。
比較例7ではb成分が60質量%を超えて配合されているので、洗い流し後のエモリエント感が弱く、洗い流し後のうるおい感が持続し難い結果となった。
比較例8ではc成分とは異なる成分(グリセリン)が配合されているので、メイク汚れとなじみ難く、洗い流し難く、洗い流し後のうるおい感が持続し難い結果となった。
比較例9ではc成分が30質量%を超えて配合されているので、洗い流し後のすっきり感が弱い結果となった。