(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5994513
(24)【登録日】2016年9月2日
(45)【発行日】2016年9月21日
(54)【発明の名称】鉛蓄電池
(51)【国際特許分類】
H01M 10/12 20060101AFI20160908BHJP
H01M 2/02 20060101ALI20160908BHJP
H01M 2/24 20060101ALI20160908BHJP
H01M 2/28 20060101ALI20160908BHJP
【FI】
H01M10/12 Z
H01M2/02 B
H01M2/24
H01M2/28
【請求項の数】3
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2012-206552(P2012-206552)
(22)【出願日】2012年9月20日
(65)【公開番号】特開2014-63579(P2014-63579A)
(43)【公開日】2014年4月10日
【審査請求日】2015年2月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】507151526
【氏名又は名称】株式会社GSユアサ
(74)【代理人】
【識別番号】100121441
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 竜平
(74)【代理人】
【識別番号】100113468
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 明子
(74)【代理人】
【識別番号】100154704
【弁理士】
【氏名又は名称】齊藤 真大
(72)【発明者】
【氏名】春山 洋志
(72)【発明者】
【氏名】中山 恭秀
【審査官】
赤樫 祐樹
(56)【参考文献】
【文献】
特開平11−283587(JP,A)
【文献】
特開2010−287511(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 10/04−10/22
H01M 2/02− 2/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部が隔壁によって複数のセル室に区画された電槽と、
前記各セル室に収容された電極群と、
前記電槽の側壁及び前記隔壁に溶着される蓋とを備え、
互いに隣接する一方のセル室に収容された電極群と他方のセル室に収容された電極群とにおいて、それらセル室間の隔壁を介して互いに接続される異極性のストラップ同士である接続ストラップ対と、互いに接続されない異極性のストラップ同士である非接続ストラップ対とを有し、
前記隔壁における前記非接続ストラップ対により挟まれる部分が、前記電槽の側壁の上端よりも上方に形成された上り勾配の第1傾斜辺を有する第1段部とされており、
前記隔壁における前記接続ストラップ対により挟まれる部分が、前記第1段部に連続して当該第1段部の上端よりも上方に形成された上り勾配の第2傾斜辺を有する第2段部とされており、
前記第2段部に前記接続ストラップ対を接続するための隔壁貫通孔が形成されており、
前記第1段部の第1傾斜辺の傾斜角度が、前記第2段部の第2傾斜辺の傾斜角度よりも小さく、15度以下である鉛蓄電池。
【請求項2】
前記電槽における前記隔壁に対向する短側壁の上端部に、上方に延びる凸部が形成されており、当該凸部を形成する傾斜辺の傾斜角度が15度以下である請求項1記載の鉛蓄電池。
【請求項3】
前記第1段部の第1傾斜辺及び前記凸部の傾斜辺が略同一の傾斜角度である請求項2記載の鉛蓄電池。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鉛蓄電池に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、鉛蓄電池の容量向上が求められており、鉛蓄電池の容量向上のための方策としては、例えば電槽内の電解液の液量を増やす、或いは、電解液の比重を高くする等が考えられる。ところが、上記の方策では、電解液と活物質量とのバランスが崩れてしまうため、低温高率放電特性又は寿命性能の低下という懸念がある。
【0003】
このため、鉛蓄電池の容量を向上させるために、特許文献1に示すようなものが考えられている。この鉛蓄電池は、内部が隔壁によって複数のセル室に区画された電槽と、各セル室に収容された電極群と、電槽の側壁及び前記隔壁に熱溶着(ヒートシール)される蓋とを備えており、各隔壁において、当該隔壁に形成された貫通孔により接続される異極性のストラップに挟まれる部分に第1の凸部を形成し、隔壁を介して互いに接続されない異極性のストラップに挟まれる部分に第2の凸部を形成したものである。このような構成により、第1の凸部及び第2の凸部が蓋側に食い込んだ構成となり、極板ストラップの位置を高くすることができる。これにより、極板を大きくして容量を向上させることができる。また、第1の凸部及び第2の凸部を設けることで、ヒートシール時にストラップや蓋下面に設けられた排気室等を損傷することが無く、また電槽に取り付けられる前の蓋の強度を確保することができる。
【0004】
ここで、蓋下面に設けられた排気室等の破損を防止し、或いは電槽に取り付けられる前の蓋の強度を確保するためには、第1の凸部及び第2の凸部の立ち上がり角度、つまり、凸部の傾斜辺の傾斜角度を出来るだけ大きくして、第1の凸部及び第2の凸部の幅を小さくすることが望ましい。
【0005】
しかしながら、第1の凸部及び第2の凸部の立ち上がり角度を大きくすると、電槽に蓋をヒートシールさせる場合に、電槽に対して蓋が少しでもずれてしまうと、第1の凸部及び第2の凸部の傾斜辺でのヒートシールの強度が弱くなってしまうという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平11−283587号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで本発明は、極板を大きくして電池容量を向上させるとともに、隔壁と蓋との熱溶着を確実にすることをその主たる所期課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
すなわち本発明に係る鉛蓄電池は、内部が隔壁によって複数のセル室に区画された電槽と、前記各セル室に収容された電極群と、前記電槽の側壁及び前記隔壁に溶着される蓋とを備え、互いに隣接する一方のセル室に収容された電極群と他方のセル室に収容された電極群とにおいて、それらセル室間の隔壁を介して互いに接続される異極性のストラップ同士である接続ストラップ対と、互いに接続されない異極性のストラップ同士である非接続ストラップ対とを有し、前記隔壁における前記非接続ストラップ対により挟まれる部分が、前記電槽の側壁の上端よりも上方に形成された上り勾配の第1傾斜辺を有する第1段部とされており、前記隔壁における前記接続ストラップ対により挟まれる部分が、前記第1段部に連続して当該第1段部の上端よりも上方に形成された上り勾配の第2傾斜辺を有する第2段部とされており、前記第2段部に前記接続ストラップ対を接続するための隔壁貫通孔が形成されており、前記第1段部の第1傾斜辺の傾斜角度が、前記第2段部の第2傾斜辺の傾斜角度よりも小さいことを特徴とする。
【0009】
このような鉛蓄電池であれば、非接続ストラップ対により挟まれる部分が第1傾斜辺を有する第1段部とされており、接続ストラップ対により挟まれる部分が第2傾斜辺を有する第2段部とされているので、非接続ストラップ対及び接続ストラップ対の両方を蓋側に配置する構成にでき、極板を大きくすることができる。したがって、鉛蓄電池の容量を向上させることができる。このとき、第1段部の第1頂辺が非接続ストラップ対の上方に位置し、第2段部の第2頂辺が接続トラップ対の上方に位置するため、それらストラップが蓋に形成された隔壁に接触することも無い。
また、この鉛蓄電池は、第1段部の第1傾斜辺の傾斜角度を、第2段部の第2傾斜辺の傾斜角度よりも小さくして、第1傾斜辺の傾斜角度と第2傾斜辺の傾斜角度を個別に設定するように構成されている。これにより、第2段部の第2傾斜辺の傾斜角度を大きくして、第2段部の幅を小さくし、蓋下面に設けられた排気室等の破損を防止し、又は電槽に取り付けられる前の蓋の強度を確保することができる。一方で、第1段部の第1傾斜辺の傾斜角度を第2傾斜辺の傾斜角度をよりも小さくしているので、電槽に蓋をヒートシールする場合に、電槽に対して蓋の位置が少々ずれたとしても、第1傾斜辺により熱溶着の強度を確保することができる。
【0010】
前記第1段部の第1傾斜辺の傾斜角度が15度以下であることが望ましい。このように第1段部の第1傾斜辺を15度以下とすることにより、第1段部と蓋の隔壁との溶け代を多くすることができ、熱溶着の強度を強くすることができる。
【0011】
前記電槽における前記隔壁に対向する短側壁の上端部に、上方に延びる凸部が形成されており、当該凸部を形成する傾斜辺の傾斜角度が15度以下であることが望ましい。これにより、電槽の両側のセル室に収容された電極群のストラップが、蓋の側壁、蓋の隔壁又は蓋の裏面に接触しないようにすることができる。また、この構成において、凸部の傾斜辺が15度以下であるので、電槽の短側壁と蓋との溶け代を多くすることができ、熱溶着の強度を向上させることができる。なお、熱溶着の強度の向上を示す詳細な耐圧試験結果については後述する。
【発明の効果】
【0012】
このように構成した本発明によれば、電槽内に収容される電極群の極板を大きくすることができ、電池容量を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本実施形態の鉛蓄電池の蓋を外した状態の斜視図。
【
図3】同実施形態の接続ストラップ対及び非接続ストラップ対を示す模式図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に本発明に係る鉛蓄電池の一実施形態について図面を参照して説明する。
【0015】
本実施形態の鉛蓄電池100は、自動車等に用いられるモノブロック式鉛蓄電池であって、
図1及び
図2に示すように、内部が複数(図においては5つ)の隔壁21によって複数(図においては6つ)のセル室2Sに区画された電槽2と、各セル室2Sに収容された電極群3と、電槽2の側壁2a〜2d及び隔壁21に溶着される蓋(不図示)とを備えている。なお、電槽2及び蓋は、PP、ABS、PE等の熱可塑性樹脂からなる。また、蓋は、電槽2の側壁(短側壁2a、2b及び長側壁2c、2dからなる4つの側壁)に熱溶着(ヒートシール)されるとともに、前記複数の隔壁21の上縁に熱溶着される複数の隔壁が形成されている。また、蓋には、両端部のセル室2Sに収容された電極群3の極板ストラップ31に設けられた極柱311が接続される外部端子が設けられている。なお、各電極群3は、極板ストラップ31として、複数の正極板の耳部が連結された正極ストラップ31Pと、複数の負極板の耳部が連結された負極ストラップ31Nとを有する。
【0016】
この鉛蓄電池100は、
図3に示すように、互いに隣接する一方のセル室2S(2Sa)に収容された電極群3(3a)と他方のセル室2S(2Sb)に収容された電極群3(3b)とにおいて、それらセル室2S(2Sa、2Sb)間の隔壁21を介して互いに接続される異極性のストラップ31P、31N同士である接続ストラップ対31Xと、互いに接続されない異極性のストラップ31P、31N同士である非接続ストラップ対31Yとを有する。なお、非接続ストラップ対31Yを構成する極板ストラップ31P、31Nは、当該隔壁21に隣接する他の隔壁21を介して隣接する電極群3の極板ストラップ31P、31Nに接続されて、当該他の隔壁21を介して接続ストラップ対31Xを構成するか、或いは、極柱311が設けられて、蓋に形成された外部端子に接続される。
【0017】
しかして本実施形態の鉛蓄電池100において、特に
図4に示すように、各隔壁21は、非接続ストラップ対31Yにより挟まれる部分に、電槽2の側壁2cの上端よりも上方に形成された上り勾配の第1傾斜辺4aを有する第1段部4が形成されている。また各隔壁21は、接続ストラップ対31Xにより挟まれる部分に、第1段部4に連続して当該第1段部4の上端よりも上方に形成された上り勾配の第2傾斜辺5aを有する第2段部5が形成されている。
【0018】
具体的に第1段部4は、一方の長側壁2dの上端に連続する平坦かつ水平な上辺21uから上方に形成された上り勾配の直線状をなす第1傾斜辺4aと、当該第1傾斜辺4aの上端に連続する平坦な第1頂辺4bとにより形成される。そして、第1段部4は、その第1頂辺4bが非接続ストラップ対31Yの上面よりも高い位置となるように形成されている。
【0019】
また、第2段部5は、第1段部4の第1頂辺4bの端部に連続する上り勾配の直線状をなす第2傾斜辺5aと、当該第2傾斜辺5aの上端に連続する平坦かつ水平な第2頂辺5bと、当該第2頂辺5bの端部に連続し、他方の長側壁2cの上端に連続する平坦かつ水平な上辺21vまで延びる下がり勾配の直線状をなす第3傾斜辺5cとにより形成される。そして、第2段部5は、その第2頂辺5bが接続ストラップ対31Xに形成されたセル間接続片312の上端よりも高い位置となるように形成されている。また、第2段部5には、接続ストラップ対31Xに形成されたセル間接続片312同士を接続するための隔壁貫通孔21Hが形成されている。
【0020】
そして、第1段部4の第1傾斜辺4aにおける水平方向に対する傾斜角度θ
1が、第2段部5の第2傾斜辺5aにおける水平方向に対する傾斜角度θ
2よりも小さくなるように構成している。また、本実施形態の第2傾斜辺5aの傾斜角度θ
2と、第3傾斜辺5cの傾斜角度θ
2’とを同一角度としている。このように第1傾斜辺4aの傾斜角度θ
1を第2傾斜辺5aの傾斜角度θ
2よりも小さくすることにより、少なくとも第2段部5の第2傾斜辺5a、第3傾斜辺5cを除く部分、具体的には、上辺21u、21v、第1傾斜辺4a、第1頂辺4b及び第2頂辺5bにおける溶け代を確保して、熱溶着の強度を向上させる構成としている。
【0021】
また、本実施形態では、特に
図5に示すように、電槽2の短側壁2a、2bの上端部に上方に延びる凸部6を形成している。この凸部6は、短側壁2a、2bの平坦な上壁から上方に形成された上り勾配の前後2つの概略直線状をなす傾斜辺6a、6bと、当該傾斜辺6a、6bの上端に連続する平坦かつ水平な頂辺6cとからなる。前後2つの傾斜辺6a、6bは、側面視において、中央に対して対称位置に形成されており、同一の傾斜角度を有する。そして、一方(前側)の傾斜辺6aの立ち上がり位置は、側面視において、前側に第1段部4が形成された隔壁21における当該第1段部4の第1傾斜辺4aの立ち上がり位置と略同じである。また、他方(後側)の傾斜辺6bの立ち上がり位置は、側面視において、後側に第1段部4が形成された隔壁21における当該第1段部4の第1傾斜辺4aの立ち上がり位置と略同じである。また、前後2つの傾斜辺6a、6bの水平方向からの傾斜角度θ
3は、前記第1傾斜辺4aの傾斜角度θ
1と略同じである。また、凸部6の頂辺6cの高さ位置は、第1段部4の第1頂辺4bの高さ位置と略同じである。このように凸部6の形状を構成することで、熱板による隔壁21の第1段部4の溶融量と短側壁2a、2bの凸部6の溶融量とを同一にすることができる。なお、この第1段部4及び凸部6に対向する形状を有する蓋の隔壁及び側壁においても同様である。
【0022】
そして、本実施形態の第1段部4の第1傾斜辺4aにおける水平方向に対する傾斜角度θ
1及び凸部6の左右2つの傾斜辺6a、6bにおける水平方向に対する傾斜角度θ
3は、ともに15度以下としてある。これにより、電槽2の隔壁21と蓋の隔壁との熱溶着の強度を向上させるとともに、電槽2の側壁2a〜2dと蓋の側壁との熱溶着の強度を向上させる構成としている。なお、第2段部5の第2傾斜辺5a及び第3傾斜辺5cの傾斜角度θ
2、θ
2’は、45度〜70度としている。
【0023】
以下に、傾斜角度θ
1、θ
3を15度以下にする根拠となる実験結果を示す。
この実験においては、短側壁2a、2bの凸部6の傾斜辺6a、6bの傾斜角度θ
3を以下に示す角度として、熱板(不図示)に対して電槽2を前後0.4mmずらして熱溶着を行い、電池内に294kPaの圧力をかけて、熱溶着部分が外れるか否かを確認した。
【0024】
この実験結果を以下の表1に示す。この表1から分かるように、凸部6の傾斜辺6a、6bの傾斜角度θ
3を15度以下にすることで、耐内圧試験合格率が50%以上となることが分かった。つまり、ヒートシール時に熱板に対して電槽2が前後0.4mmずれても(言い換えれば、ヒートシール時に電槽2に対して蓋が前後に0.4mmずれても)、耐内圧試験で信頼性が得られるのが15度以下であることが必要であることが分かった。また、このためには、凸部6の傾斜辺6a、6bの溶け代として0.4mm以上確保する必要があることが分かった。なお、この実験では、短側壁2a、2bの凸部6の傾斜辺6a、6bについての検討であるが、第1段部4の第1傾斜辺4aの傾斜角度θ
1についても同様である。
【0026】
このように構成した本実施形態に係る鉛蓄電池100によれば、非接続ストラップ対31Yにより挟まれる部分が第1傾斜辺4aを有する第1段部4とされており、接続ストラップ対31Xにより挟まれる部分が第2傾斜辺5aを有する第2段部5とされているので、非接続ストラップ対31Y及び接続ストラップ対31Xの両方を蓋側に配置する構成にでき、極板の高さ寸法を大きくすることができる。したがって、鉛蓄電池100の容量を向上させることができる。このとき、第1段部4の第1頂辺4bが非接続ストラップ対31Yの上方に位置し、第2段部5の第2頂辺5bが接続トラップ対31Xの上方に位置するため、それらストラップ31P、31Nが蓋に形成された隔壁に接触することも無い。
【0027】
また、本実施形態の鉛蓄電池100は、第1傾斜辺4aの傾斜角度θ
1と第2傾斜辺5aの傾斜角度θ
2を個別に設定するように構成されており、第2段部5の第2傾斜辺5aの傾斜角度θ
2を大きくして、第2段部5の幅を小さくし、蓋下面に設けられた排気室等の破損を防止し、又は電槽2に取り付けられる前の蓋の強度を確保することができる。一方で、第1段部4の第1傾斜辺4aの傾斜角度θ
1を第2傾斜辺5aの傾斜角度θ
2をよりも小さくしているので、電槽2に蓋をヒートシールする場合に、電槽2に対して蓋の位置が少々ずれたとしても、第1傾斜辺4aにより熱溶着の強度を確保することができる。
【0028】
なお、本発明は前記実施形態に限られるものではない。
例えば、前記実施形態では、第1段部4の第1傾斜辺4aの傾斜角度θ
1及び凸部6の傾斜辺6a、6bの傾斜角度θ
3を同一角度としているが、それぞれ15度以下の角度範囲において異なるようにしても良い。
【0029】
また、前記実施形態では、第2段部5の一方側にのみ第1段部4が形成されたものであったが、
図6に示すように、第2段部5の両側に第1段部4を形成したものであっても良い。この場合、第2段部5の両側に形成された第1段部4の第1傾斜辺4aは対称形状をなすように形成しても良いし、それぞれ異なる傾斜角度となるように形成しても良い。
【0030】
さらに、第1段部4の第1頂辺4b及び第2段部5の第2頂辺5bを、平坦かつ水平な形状とすることなく、湾曲した形状としても良い。
【0031】
加えて、第2段部5の第2傾斜辺5a及び第3傾斜辺5cの傾斜角度を互いに異ならせても良いし、凸部6の前後2つの傾斜辺6a、6bの傾斜角度を互いに異ならせても良い。
【0032】
その他、本発明は前記実施形態に限られず、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。
【符号の説明】
【0033】
1・・・鉛蓄電池
2・・・電槽
2S・・・セル室
21・・・隔壁
2a〜2d・・・側壁
3・・・電極群
31P・・・極板ストラップ(正極ストラップ)
31N・・・極板ストラップ(負極ストラップ)
31X・・・接続ストラップ対
31Y・・・非接続ストラップ対
4・・・第1段部
4a・・・第1傾斜辺
θ
1・・・第1傾斜辺の傾斜角度
5・・・第2段部
5a・・・第2傾斜辺
θ
2・・・第2傾斜辺の傾斜角度
6・・・凸部
6a、6b・・・傾斜辺
θ
3・・・傾斜辺の傾斜角度