【実施例】
【0020】
つぎに、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、これらの実施例は本発明を限定するものではない。
なお、実施例において得られた生成物は核磁気共鳴スペクトル(
1H−NMR、JEOL社製、100MHz)により同定した。
【0021】
実施例1
(モノエチルアダマンタン無水マレイン酸1付加物〔ETAMA〕の製造1)
1−エチルアダマンタン1.6molに対して無水マレイン酸1molの比で仕込み、160℃に保持し、ラジカル発生剤として、ジ−tert−ブチルパーオキシド3質量%(無水マレイン酸基準)を少量の1−エチルアダマンタンに溶解したもの(希釈濃度:20質量%)を1時間かけて滴下した。滴下終了から1時間で反応を終了した。薄膜蒸留後、5段の精密蒸留により対応する目的物を得た。反応終了後のエチルアダマンタン無水マレイン酸1付加物のGC収率は63mol%(無水マレイン酸基準)であった。
1H−NMR(CCl
4/TMS)δ 0.90(t、3H,CH
3);1.1−1.7(m,16H);2.0−2.7(m,3H,CH
2,CH)
【化6】
【0022】
実施例2
(ジメチルアダマンタン無水マレイン酸1付加物〔DMAMA〕の製造1)
1,3−ジメチルアダマンタン6molに対して無水マレイン酸1molの比で仕込み、160℃に保持し、ラジカル発生剤として、ジ−tert−ブチルパーオキシド1.8質量%(無水マレイン酸基準)を少量の1,3−ジメチルアダマンタンに溶解したもの(希釈濃度:20質量%)を1時間かけて滴下した。滴下終了から1時間で反応を終了した。薄膜蒸留後、5段の精密蒸留により対応する目的物を得た。反応終了後のジメチルアダマンタン無水マレイン酸1付加物のGC収率は80mol%(無水マレイン酸基準)であった。
1H−NMR(CCl
4/TMS)δ 0.85(s、6H,CH
3);1.1−1.7(m,13H);2.0−2.7(m,3H,CH
2,CH)
【化7】
【0023】
実施例3
(モノエチルアダマンタン無水マレイン酸1付加物〔ETAMA〕の製造2)
1−エチルアダマンタン6molに対して無水マレイン酸1molの比で仕込み、160℃に保持し、ラジカル発生剤として、ジ−tert−ブチルパーオキシド3質量%(無水マレイン酸基準)を少量の1−エチルアダマンタンに溶解したもの(希釈濃度:20質量%)を1時間かけて滴下した。滴下終了から1時間で反応を終了した。薄膜蒸留後、5段の精密蒸留により対応する目的物を得た。反応終了後のエチルアダマンタン無水マレイン酸1付加物のGC収率は75mol%(無水マレイン酸基準)であった。
【0024】
実施例4
(モノエチルアダマンタン無水マレイン酸1付加物〔ETAMA〕の製造3)
1−エチルアダマンタン6molに対して無水マレイン酸1molの比で仕込み、130℃に保持し、ラジカル発生剤として、ジ−tert−ブチルパーオキシド3質量%(無水マレイン酸基準)を少量の1−エチルアダマンタンに溶解したもの(希釈濃度:20質量%)を1時間かけて滴下した。滴下終了から1時間で反応を終了した。薄膜蒸留後、5段の精密蒸留により対応する目的物を得た。反応終了後のエチルアダマンタン無水マレイン酸1付加物のGC収率は50mol%(無水マレイン酸基準)であった。
【0025】
実施例5
(モノエチルアダマンタン無水マレイン酸1付加物〔ETAMA〕の製造4)
1−エチルアダマンタン10molに対して無水マレイン酸1molの比で仕込み、160℃に保持し、ラジカル発生剤として、ジ−tert−ブチルパーオキシド5.5mmol(0.8質量%(無水マレイン酸基準))を少量の1−エチルアダマンタンに溶解したもの(希釈濃度:20質量%)を3時間かけて滴下した。滴下終了から3時間で反応を終了した。薄膜蒸留後、5段の精密蒸留により対応する目的物を得た。反応終了後のエチルアダマンタン無水マレイン酸1付加物のGC収率は85mol%(無水マレイン酸基準)であった。
【0026】
実施例6
(モノエチルアダマンタン無水マレイン酸1付加物〔ETAMA〕の製造5)
1−エチルアダマンタン6molに対して無水マレイン酸1molの比で仕込み、ラジカル発生剤として、ジ−tert−ブチルパーオキシド3質量%(無水マレイン酸基準)を加え、160℃に保持し、2時間で反応を終了した。薄膜蒸留後、5段の精密蒸留により対応する目的物を得た。反応終了後のエチルアダマンタン無水マレイン酸1付加物のGC収率は50mol%(無水マレイン酸基準)であった。
【0027】
比較例1
(アダマンタン無水マレイン酸1付加物〔ADMA〕の合成1)
アダマンタン1.6molに対して無水マレイン酸1molの比で仕込み、160℃に保持し、ラジカル発生剤として、ジ−tert−ブチルパーオキサイド3質量%(無水マレイン酸基準)を少量のクロロベンゼンに溶解したもの(希釈濃度:20質量%)を1時間かけて滴下した。滴下終了から3時間で反応を終了した。反応終了後のアダマンタン無水マレイン酸1付加物のGC収率は0mol%(無水マレイン酸基準)であった。
【化8】
【0028】
比較例2
(アダマンタン無水マレイン酸1付加物〔ADMA〕の合成2)
アダマンタン6molに対して無水マレイン酸1molの比で仕込み、160℃に保持し、ラジカル発生剤として、ジ−tert−ブチルパーオキサイド10質量%(無水マレイン酸基準)を少量のクロロベンゼンに溶解したもの(希釈濃度:20質量%)を1時間かけて滴下した。滴下終了から3時間で反応を終了した。減圧蒸留により対応する目的物を得た。反応終了後のジメチルアダマンタン無水マレイン酸1付加物のGC収率は1mol%(無水マレイン酸基準)であった。
【0029】
比較例3
(ジメチルアダマンタン無水マレイン酸1付加物〔ADMA〕の合成)
1,3−ジメチルアダマンタン0.5molに対して無水マレイン酸0.1molの比で仕込み、クロロベンゼンを10Lで希釈し、160℃に保持し、ラジカル発生剤として、ジ−tert−ブチルパーオキサイド10質量%(無水マレイン酸基準)を少量のクロロベンゼンに溶解したもの(希釈濃度:20質量%)を1時間かけて滴下した。滴下終了から3時間で反応を終了した。減圧蒸留により対応する目的物を得た。反応終了後のジメチルアダマンタン無水マレイン酸1付加物のGC収率は60mol%(無水マレイン酸基準)であった。しかしながら、容積効率は1%以下であり、工業生産が困難なプロセスであった。
【0030】
比較例4
(モノエチルアダマンタン無水マレイン酸1付加物〔ETAMA〕の合成)
1−エチルアダマンタン6molに対して無水マレイン酸1molの比で仕込み、120℃に保持し、ラジカル発生剤として、ジ−tert−ブチルパーオキシド3質量%(無水マレイン酸基準)を少量の1−エチルアダマンタンに溶解したもの(希釈濃度:20質量%)を1時間かけて滴下した。滴下終了から1時間で反応を終了した。薄膜蒸留後、5段の精密蒸留により対応する目的物を得た。反応終了後のエチルアダマンタン無水マレイン酸1付加物のGC収率は35mol%(無水マレイン酸基準)であった。