特許第5994608号(P5994608)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5994608
(24)【登録日】2016年9月2日
(45)【発行日】2016年9月21日
(54)【発明の名称】通信支援プログラムおよび通信装置
(51)【国際特許分類】
   H04M 1/00 20060101AFI20160908BHJP
【FI】
   H04M1/00 R
【請求項の数】12
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2012-261753(P2012-261753)
(22)【出願日】2012年11月29日
(65)【公開番号】特開2014-107846(P2014-107846A)
(43)【公開日】2014年6月9日
【審査請求日】2015年3月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000534
【氏名又は名称】特許業務法人しんめいセンチュリー
(72)【発明者】
【氏名】浅井 紀彦
【審査官】 白川 瑞樹
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−097167(JP,A)
【文献】 特開2001−197150(JP,A)
【文献】 特開2010−283413(JP,A)
【文献】 特開2011−146991(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F3/01
3/048−3/0489
H03J9/00−9/06
H04B7/24−7/26
H04M1/00
1/24−3/00
3/16−3/20
3/38−3/58
7/00−7/16
11/00−11/10
99/00
H04Q9/00−9/16
H04W4/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1通信経路を用いて外部のデバイスと通信する第1通信部と、
第2通信経路を用いて外部のデバイスと通信する第2通信部と、
ユーザからの入力を受け付ける入力部と、
各種情報を表示する表示部と、
制御部とを備える通信装置について、前記制御部によって実行される通信支援プログラムにおいて、
前記制御部に実行させる機能として、
前記第1通信経路および前記第2通信経路について、各々の通信経路を用いて通信するデバイスを設定するデバイス設定機能と、
前記入力部を介した入力により、前記第1通信経路および第2通信経路のうち、いずれかを選択可能な状態とする選択支援機能と、
前記選択支援機能により選択可能な状態である前記第1通信経路および前記第2通信経路のうち、前記第1通信経路が選択されたとき、前記第1通信経路について前記デバイス設定機能による前記デバイスの設定がなされていない場合、前記デバイス設定機能によるデバイスの設定を可能とする設定支援機能と、
前記選択支援機能により選択可能な状態である前記第1通信経路および前記第2通信経路のうち、前記第1通信経路が選択されたとき、前記第1通信経路について前記デバイス設定機能による前記デバイスの設定がなされている場合、前記選択された通信経路を通信に用いる経路として設定する経路設定機能と、
を有することを特徴とする通信支援プログラム。
【請求項2】
前記選択支援機能は、前記第1通信経路および前記第2通信経路のそれぞれについて、デバイス選択領域および通信選択領域を備える選択支援領域を前記表示部に表示させるものであり、
前記設定支援機能は、前記選択支援機能により選択可能な状態である前記第1通信経路および前記第2通信経路のうち、前記第1通信経路に関する前記デバイス選択領域、および前記通信選択領域のいずれかが選択されたとき、前記第1通信経路について前記デバイス設定機能による設定がなされていない場合、前記第1通信経路を用いて通信するデバイスとして、前記デバイス設定機能によるデバイスの設定を可能とするものであり、
前記経路設定機能は、前記選択支援機能により選択可能な状態である前記第1通信経路および前記第2通信経路のうち、前記第1通信経路に関する前記通信選択領域が選択されたとき、前記第1通信経路について前記デバイス設定機能による前記デバイスの設定がなされている場合、前記第1通信経路を前記デバイスとの通信に用いる経路として設定する
ことを特徴とする請求項1記載の通信支援プログラム。
【請求項3】
前記経路設定機能は、前記デバイス設定機能により前記第1通信経路を用いて通信するデバイスが設定されたとき、該デバイスの設定以前において前記第2通信経路が通信に用いる経路として設定されている場合であっても、前記第1通信経路を通信に用いる経路として設定することを特徴とする請求項1または2記載の通信支援プログラム。
【請求項4】
前記選択支援機能は、前記第1通信経路および前記第2通信経路のそれぞれについて、デバイス選択領域および通信選択領域を備える選択支援領域を前記表示部に表示させるものであり、
前記設定支援機能は、前記選択支援機能により選択可能な状態である前記第1通信経路および前記第2通信経路のうち、前記第1通信経路に関する前記通信選択領域が選択されたとき、前記第1通信経路について前記デバイス設定機能による前記デバイスの設定がなされていない場合であって且つ、前記第1通信経路を用いた通信の機能が無効とされている場合、前記通信の機能が有効とされることを条件に、前記デバイス設定機能による前記第1通信経路に関するデバイスの設定を可能とすることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の通信支援プログラム。
【請求項5】
前記選択支援機能により選択可能な状態である前記第1通信経路および前記第2通信経路のうち、前記第1通信経路が選択されたとき、前記第1通信経路について前記デバイスの設定がなされていない場合、前記表示部に、前記第1通信経路を用いて通信するデバイスの候補を表示する候補表示機能を有し、
前記デバイス設定機能は、前記候補表示機能によって前記表示部に表示されたデバイスの候補の中から、前記第1通信経路を用いて通信するデバイスを設定することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の通信支援プログラム。
【請求項6】
第1通信経路を用いて外部のデバイスと通信する第1通信部と、
第2通信経路を用いて外部のデバイスと通信する第2通信部と、
ユーザからの入力を受け付ける入力部と、
各種情報を表示する表示部と、
制御部とを備える通信装置について、前記制御部によって実行される通信支援プログラムにおいて、
前記制御部に実行させる機能として、
前記第1通信経路および前記第2通信経路について、各々の通信経路を用いて通信するデバイスを設定するデバイス設定機能と、
前記第1通信経路および前記第2通信経路のうちのいずれかを通信に用いる経路として設定する経路設定機能と、
前記第1通信経路および前記第2通信経路のそれぞれについて、デバイス選択領域および通信選択領域を備える選択支援領域を前記表示部に表示させることで、いずれかの通信経路を選択可能な状態とする選択支援機能と、
を有し、
前記経路設定機能は、前記デバイス設定機能により前記第1通信経路を用いて通信するデバイスが設定されたとき、該デバイスの設定以前において前記第2通信経路が通信に用いる経路として設定されていた場合であっても、前記第1通信経路を通信に用いる経路として設定することを特徴とする通信支援プログラム。
【請求項7】
前記デバイス設定機能は、前記デバイス選択領域が操作される場合、該領域が前記経路設定機能によって設定された経路に関するものであるか否かにかかわらず、操作された領域に対応する通信経路を用いて通信するデバイスを設定可能とすることを特徴とする請求項2,4,のいずれか1項に記載の通信支援プログラム。
【請求項8】
前記選択支援機能は、経路設定機能によって設定されている経路に対応する前記通信選択領域と、設定されていない経路に対応する前記通信選択領域とで表示を相違させることで、いずれの経路が設定されているかを可視化することを特徴とする請求項2,4,6,7のいずれか1項に記載の通信支援プログラム。
【請求項9】
前記選択支援機能は、前記デバイス設定機能によってデバイスが設定されると、その旨を前記表示部に表示するデバイス表示機能を有することを特徴とする請求項1から5,からのいずれか1項に記載の通信支援プログラム。
【請求項10】
前記選択支援機能は、前記デバイス設定機能によってデバイスが設定されていない場合、その旨を前記表示部に表示する未設定表示機能を有することを特徴とする請求項1から5,からのいずれか1項に記載の通信支援プログラム。
【請求項11】
第1通信経路を用いて外部のデバイスと通信する第1通信部と、
第2通信経路を用いて外部のデバイスと通信する第2通信部と、
ユーザからの入力を受け付ける入力部と、
各種情報を表示する表示部と、
制御部とを備える通信装置において、
前記制御部は、
前記第1通信経路および前記第2通信経路について、各々の通信経路を用いて通信するデバイスを設定するデバイス設定機能と、
前記入力部を介した入力により、前記第1通信経路および第2通信経路のうち、いずれかを選択可能な状態とする選択支援機能と、
前記選択支援機能により選択可能な状態である前記第1通信経路および前記第2通信経路のうち、前記第1通信経路が選択されたとき、前記第1通信経路について前記デバイス設定機能による前記デバイスの設定がなされていない場合、前記デバイス設定機能によるデバイスの設定を可能とする設定支援機能と、
前記選択支援機能により選択可能な状態である前記第1通信経路および前記第2通信経路のうち、前記第1通信経路が選択されたとき、前記第1通信経路について前記デバイス設定機能による前記デバイスの設定がなされている場合、前記選択された通信経路を通信に用いる経路として設定する経路設定機能と、
を備えることを特徴とする通信装置。
【請求項12】
第1通信経路を用いて外部のデバイスと通信する第1通信部と、
第2通信経路を用いて外部のデバイスと通信する第2通信部と、
ユーザからの入力を受け付ける入力部と、
各種情報を表示する表示部と、
制御部とを備える通信装置において、
前記制御部は、
前記第1通信経路および前記第2通信経路について、各々の通信経路を用いて通信するデバイスを設定するデバイス設定機能と、
前記第1通信経路および前記第2通信経路のうちのいずれかを通信に用いる経路として設定する経路設定機能と、
前記第1通信経路および前記第2通信経路のそれぞれについて、デバイス選択領域および通信選択領域を備える選択支援領域を前記表示部に表示させることで、いずれかの通信経路を選択可能な状態とする選択支援機能と、
を備え、
前記経路設定機能は、前記デバイス設定機能により第1通信経路を用いて通信するデバイスが設定されたとき、該デバイスの設定以前において前記第2通信経路が通信に用いる経路として設定されていた場合であっても、前記第1通信経路を通信に用いる経路として設定することを特徴とする通信装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信支援プログラムおよび通信装置に関し、特にユーザによる操作性を向上させることのできる通信支援プログラムおよび通信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
たとえば下記特許文献1には、外部の機器との通信に、Bluetooth(登録商標)および無線LANのいずれをも利用可能な携帯電話機が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−146991号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のように複数の通信経路を利用可能な装置において、外部の機器との通信を行うためには通信経路を選択する入力操作と、通信経路において通信相手となる機器を特定する入力操作とをユーザが行うことが要求される。このため、これらの入力操作が煩わしいものとなりやすいという問題点があった。
【0005】
本発明は、上記問題点を解決する過程でなされたものであり、その目的は、ユーザによる入力操作を簡素化することのできる通信支援プログラムおよび通信装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的を達成するために、本発明の通信支援プログラムは、第1通信経路を用いて外部のデバイスと通信する第1通信部と、第2通信経路を用いて外部のデバイスと通信する第2通信部と、ユーザからの入力を受け付ける入力部と、各種情報を表示する表示部と、制御部とを備える通信装置について、前記制御部によって実行されるものにおいて、前記制御部に実行させる機能として、前記第1通信経路および前記第2通信経路について、各々の通信経路を用いて通信するデバイスを設定するデバイス設定機能と、前記入力部を介した入力により、前記第1通信経路および第2通信経路のうち、いずれかを選択可能な状態とする選択支援機能と、前記選択支援機能により選択可能な状態である前記第1通信経路および前記第2通信経路のうち、前記第1通信経路が選択されたとき、前記第1通信経路について前記デバイス設定機能による前記デバイスの設定がなされていない場合、前記デバイス設定機能によるデバイスの設定を可能とする設定支援機能と、前記選択支援機能により選択可能な状態である前記第1通信経路および前記第2通信経路のうち、前記第1通信経路が選択されたとき、前記第1通信経路について前記デバイス設定機能による前記デバイスの設定がなされている場合、前記選択された通信経路を通信に用いる経路として設定する経路設定機能と、を有する。
【0007】
また、本発明の通信支援プログラムは、第1通信経路を用いて外部のデバイスと通信する第1通信部と、第2通信経路を用いて外部のデバイスと通信する第2通信部と、ユーザからの入力を受け付ける入力部と、各種情報を表示する表示部と、制御部とを備える通信装置について、前記制御部によって実行される通信支援プログラムにおいて、前記制御部に実行させる機能として、前記第1通信経路および前記第2通信経路について、各々の通信経路を用いて通信するデバイスを設定するデバイス設定機能と、前記第1通信経路および前記第2通信経路のうちのいずれかを通信に用いる経路として設定する経路設定機能と、前記第1通信経路および前記第2通信経路のそれぞれについて、デバイス選択領域および通信選択領域を備える選択支援領域を前記表示部に表示させることで、いずれかの通信経路を選択可能な状態とする選択支援機能と、を有し、前記経路設定機能は、前記デバイス設定機能により第1通信経路を用いて通信するデバイスが設定されたとき、該デバイスの設定以前において前記第2通信経路が通信に用いる経路として設定されていた場合であっても、前記第1通信経路を通信に用いる経路として設定することを特徴とする。
【0008】
また、本発明の通信装置は、第1通信経路を用いて外部のデバイスと通信する第1通信部と、第2通信経路を用いて外部のデバイスと通信する第2通信部と、ユーザからの入力を受け付ける入力部と、各種情報を表示する表示部と、制御部とを備えるものにおいて、前記第1通信経路および前記第2通信経路について、各々の通信経路を用いて通信するデバイスを設定するデバイス設定機能と、前記入力部を介した入力により、前記第1通信経路および第2通信経路のうち、いずれかを選択可能な状態とする選択支援機能と、前記選択支援機能により選択可能な状態である前記第1通信経路および前記第2通信のうち、前記第1通信経路が選択されたとき、前記第1通信経路について前記デバイス設定機能による前記デバイスの設定がなされていない場合、前記デバイス設定機能によるデバイスの設定を可能とする設定支援機能と、前記選択支援機能により選択可能な状態である前記第1通信経路および前記第2通信経路のうち、前記第1通信経路が選択されたとき、前記第1通信経路について前記デバイス設定機能による前記デバイスの設定がなされている場合、前記選択された通信経路を通信に用いる経路として設定する経路設定機能と、を備える。
【0009】
また、本発明の通信装置は、第1通信経路を用いて外部のデバイスと通信する第1通信部と、第2通信経路を用いて外部のデバイスと通信する第2通信部と、ユーザからの入力を受け付ける入力部と、各種情報を表示する表示部と、制御部とを備えるものにおいて、前記制御部に実行させる機能として、前記第1通信経路および前記第2通信経路について、各々の通信経路を用いて通信するデバイスを設定するデバイス設定機能と、前記第1通信経路および前記第2通信経路のうちのいずれかを通信に用いる経路として設定する経路設定機能と、前記第1通信経路および前記第2通信経路のそれぞれについて、デバイス選択領域および通信選択領域を備える選択支援領域を前記表示部に表示させることで、いずれかの通信経路を選択可能な状態とする選択支援機能と、を備え、前記経路設定機能は、前記デバイス設定機能により第1通信経路を用いて通信するデバイスが設定されたとき、該デバイスの設定以前において前記第2通信経路が通信に用いる経路として設定されていた場合であっても、前記第1通信経路を通信に用いる経路として設定する。
【発明の効果】
【0010】
請求項1記載の通信支援プログラムでは、選択支援機能により選択可能な状態である前記第1通信経路および前記第2通信経路のうち、第1通信経路が選択されたとき、第1通信経路についてデバイスの設定がなされていない場合、設定支援機能によって、デバイス設定機能によるデバイスの設定を可能とする一方、デバイスが設定されている場合、経路設定機能によって、選択された通信経路を通信に用いるものに設定する。これにより、ユーザによる入力操作を簡素化することができる。
【0011】
請求項2記載の通信支援プログラムでは、デバイス選択領域と通信選択領域とを設ける。これにより、請求項1記載の通信支援プログラムの効果に加えて、デバイスの選択を希望する場合と通信経路の選択を希望する場合とのそれぞれにおいてユーザがなすべき操作をわかりやすく伝えることができる。しかも、デバイス設定がなされていない場合、通信選択領域が選択された場合であっても、デバイスの設定を可能とすることで、ユーザによる入力操作を簡素化することができる。
【0012】
請求項3記載の通信支援プログラムは、デバイス設定機能によってデバイスが設定される場合、設定されたデバイスに対応する通信経路が実際に通信に用いられる経路として用いられる可能性が高いことに着目する。この点に鑑み、第2通信経路が通信に用いる設定されている場合であっても、第1通信経路を用いて通信するデバイスが設定されることで第1通信経路を実際に通信に用いる経路として設定することで、請求項1または2記載の通信支援プログラムの効果に加えて、さらにユーザの入力操作を簡素化することができるという効果を奏する。
【0013】
請求項4記載の通信支援プログラムは、第1通信経路に関する通信選択領域が選択されたとき、第1通信経路を用いた通信の機能が無効とされている場合、通信の機能が有効とされるまではデバイスの設定を可能としない。そして通信の機能が有効とされた場合、デバイスの設定が可能となるようにすることで、通信の機能が有効とされた後、通信経路の選択前の状態に戻る場合と比較して、ユーザによる入力操作が簡素化される。したがって、請求項4記載の通信支援プログラムによれば、請求項1から3のいずれか1項に記載の通信支援プログラムの効果に加えて、通信の機能が有効とされた状態でデバイス設定を行う旨の条件を課しつつも、ユーザによる入力操作を簡素化することができるという効果を奏する。
【0014】
請求項5記載の通信支援プログラムは、デバイス表示機能によって、通信するデバイスの候補を表示する。これにより、請求項1から4のいずれか1項に記載の通信支援プログラムの効果に加えて、通信するデバイスの選択が容易となるという効果を奏する。
【0015】
請求項6記載の通信支援プログラムでは、第1通信経路を用いて通信するデバイスが設定される場合、第1通信経路が実際に通信に用いられる経路として用いられる可能性が高いことに着目する。この点に鑑み、第1通信経路が通信に用いる経路として設定されていない場合であっても、第1通信経路を実際に通信に用いる経路として設定することで、ユーザの入力操作を簡素化することができるという効果を奏する。
【0016】
また、請求項記載の通信支援プログラムでは、表示部にデバイス選択領域と通信選択領域とを表示する。これによりデバイスの選択を希望する場合と通信経路の選択を希望する場合とのそれぞれにおいてユーザがなすべき操作をわかりやすく伝えることができるという効果を奏する。
【0017】
請求項記載の通信支援プログラムでは、設定されていない経路に対応するデバイス選択領域の選択によりその経路に対応するデバイスを設定可能とすることで、通信経路を選択した後、デバイスを設定可能とする場合と比較して、ユーザの入力操作を簡素化することができる。したがって、請求項8記載の通信支援プログラムによれば、請求項2,4,のいずれか1項に記載の通信支援プログラムの効果に加えて、さらに、いずれか1つの通信経路が通信に用いる経路として必ず設定されるものとしつつも、ユーザの入力操作を簡素化することができる。
【0018】
請求項記載の通信支援プログラムでは、通信に用いる経路として設定されている経路と設定されていない経路とで表示を相違させることで、請求項2,4,6,7のいずれか1項に記載の通信支援プログラムの効果に加えて、設定された通信経路をユーザが把握することが容易となるという効果を奏する。
【0019】
請求項記載の通信支援プログラムでは、選択支援機能にデバイス表示機能を設けることで、請求項1から5,からのいずれか1項に記載の通信支援プログラムの効果に加えて、設定されたデバイスをユーザが把握することが容易となるという効果を奏する。
【0020】
請求項10記載の通信支援プログラムでは、未設定表示機能を設けることで、請求項1から5,からのいずれか1項に記載の通信支援プログラムの効果に加えて、デバイスが設定されていない場合に、その旨をユーザが把握することが容易となるという効果を奏する。
【0021】
請求項11記載の通信装置では、選択支援機能により選択可能な状態である前記第1通信経路および前記第2通信経路のうち、第1通信経路が選択されたとき、第1通信経路についてデバイスの設定がなされていない場合、設定支援機能によって、デバイス設定機能によるデバイスの設定を可能とする一方、デバイスが設定されている場合、経路設定機能によって、選択された通信経路を通信に用いるものに設定する。これにより、ユーザによる入力操作を簡素化することができる。
【0022】
請求項1記載の通信装置では、第1通信経路を用いて通信するデバイスが設定される場合、第1通信経路が実際に通信に用いられる経路として用いられる可能性が高いことに着目する。この点に鑑み、第1通信経路が通信に用いる経路として設定されていない場合であっても、第1通信経路を実際に通信に用いる経路として設定することで、ユーザの入力操作を簡素化することができるという効果を奏する。
また、請求項12記載の通信支援プログラムでは、表示部にデバイス選択領域と通信選択領域とを表示する。これにより、デバイスの選択を希望する場合と通信経路の選択を希望する場合とのそれぞれにおいてユーザがなすべき操作をわかりやすく伝えることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】第1の実施形態にかかるシステム構成図。
図2】プリンタ設定モードにおけるLCDの表示を示す平面図。
図3】WiFi通信支援処理の手順を示す流れ図。
図4】プリンタ未設定時におけるラジオボタンのタッチに伴う処理を示す図。
図5】プリンタ未設定時におけるラジオボタンのタッチに伴う処理を示す図。
図6】WiFi設定処理の手順を示す流れ図。
図7】プリンタ選択領域のタッチに伴う処理を示す図。
図8】Bluetooth通信支援処理の手順を示す流れ図。
図9】プリンタ未設定時におけるラジオボタンのタッチに伴う処理を示す図。
図10】プリンタ未設定時におけるラジオボタンのタッチに伴う処理を示す図。
図11】Bluetooth設定処理の手順を示す流れ図。
図12】プリンタ選択領域のタッチに伴う処理を示す図。
図13】第2の実施形態にかかるWiFi通信支援処理の手順を示す流れ図。
【発明を実施するための形態】
【0024】
<第1の実施形態>
以下、本発明にかかる第1の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0025】
図1に、本実施形態にかかる通信装置としての携帯電話機10の構成を示す。携帯電話機10において、入出力ポート12を介して、中央処理装置(CPU14)、メモリ16、WiFi通信部18、Bluetooth通信部20、ユーザインターフェース22が通信可能となっている。CPU14は、メモリ16に格納されたプログラムを実行するハードウェア処理手段であり、本実施形態において制御部を構成する。また、WiFi通信部18は、通信経路として、WiFi(wireless fidelity:登録商標)を用いた通信を行うためのトランシーバである。一方、Bluetooth通信部20は、通信経路として、Bluetoothを用いた通信を行うトランシーバである。また、ユーザインターフェース22として、表示部としての液晶表示装置(LCD)22bと、ユーザによる入力を受け付ける入力部としてのタッチパネル22aとを備えている。本実施形態では、特にLCD22bにタッチパネル22aを重ねて構成している。
【0026】
上記WiFiを用いた通信と、Bluetoothを用いた通信とは、携帯電話機10が外部のプリンタと通信するためにも用いられる。すなわち、携帯電話機10は、図示しない外部の複数のプリンタと通信可能である。各プリンタは、WiFiを用いた通信と、Bluetoothを用いた通信とのいずれかが可能であり、いずれかによって携帯電話機10と通信する。
【0027】
ここで、WiFiを用いた通信と、Bluetoothを用いた通信とのいずれかの選択操作と、選択された通信経路によって通信を行うプリンタの機種設定とを行うに際し、タッチパネル22aへの入力操作を簡素化すべく、本実施形態では、メモリ16内に記憶されたアプリケーションプログラム(通信支援プログラム)が設計されている。なお、通信支援プログラムは、フラッシュメモリ等、給電の有無にかかわらずデータを記憶保持する書き換え可能なメモリである不揮発性メモリに記憶することが望ましい。これは、メモリ16に、不揮発性メモリを備えることで実現することができる。
【0028】
図2に、LCD22b上における表示画面のうち、特に、WiFiを用いたプリンタとの通信とBluetoothを用いたプリンタとの通信とを選択する選択画面を例示する。この場合、図示されるように、タイトル表示領域34に「Print Settings」と記載される。図示されるように、本実施形態では、WiFiを用いる場合に対応する領域(選択支援領域30)と、Bluetoothを用いる場合に対応する領域(選択支援領域32)とが並列表示されている。ここで、これら選択支援領域30,32は、いずれもプリンタの機種を選択するプリンタ選択領域PAと、通信経路を選択するためのラジオボタンRAとを備えている。
【0029】
選択支援領域30のプリンタ選択領域PAは、WiFiによって携帯電話機10と通信するプリンタ(以下、WiFiプリンタ)を選択するための操作が可能な領域である。一方、選択支援領域32のプリンタ選択領域PAは、Bluetoothによって携帯電話機10と通信するプリンタ(以下、Bluetoothプリンタ)を選択するための操作が可能な領域である。
【0030】
また、選択支援領域30のラジオボタンRAは、WiFiを通信に用いる経路として設定するための領域である。一方、選択支援領域32のラジオボタンRAは、Bluetoothを通信に用いる経路として設定するための領域である。なお、ラジオボタンRAは、通信に用いるものとして設定された場合に通信に用いるものとして設定されていない場合と比較して、色を相違させることで、表示を相違させる。これは、通信に用いる経路として設定されているのがいずれの経路であるかを視覚表示するための設定である。ちなみに、図2では、通信に用いる経路としてWiFiが設定されていることを例示した。
【0031】
ここで、本実施形態では、WiFiとBluetoothとのいずれかが必ず通信に用いる経路として設定される。このため、選択支援領域30,32のラジオボタンRAのいずれか一方において必ず通信に用いる経路として設定されている旨の表示がなされる。ちなみに、通信支援プログラムを携帯電話機10にインストールした際には、初期設定としてたとえばWiFiが通信に用いる経路として設定される。
【0032】
なお、図2に示すプリンタ選択領域PAとラジオボタンRAとの和集合は、選択支援領域30,32と一致することが望ましい。これは、たとえばプリンタ選択領域PAに選択支援領域30,32を一致させ、その内部にラジオボタンRAを埋め込むことで実現することができる。ただし、この場合、選択支援領域30,32の図中右側の角部にユーザが触れた場合に、ラジオボタンRAが選択されたと認識可能なように、ラジオボタンRAを矩形状に構成することが望ましい。もっとも、プリンタ選択領域PAに選択支援領域30,32を一致させ、その内部にラジオボタンRAを埋め込むことは必須ではない。
【0033】
上記プリンタ選択領域PAには、その領域において図の下方の部分に、通信先として設定されているプリンタ名が表示される領域が設けられている。ただし、プリンタが設定されていない場合、この領域には、未だ設定されていない旨が表示される。図2では、WiFiプリンタおよびBluetoothプリンタのいずれも設定されていない場合の表示を想定しており、未だ設定されていない旨として、「No Device selected」と表示される例が示されている。なお、この表示を実現する機能は、本実施形態において、未設定表示機能を構成する。また、図2の表示全体を実現する機能は、本実施形態において選択支援機能に対応する。
【0034】
以下、上記タッチパネル22aへの入力操作によってプリンタとの通信を設定する処理を簡素化することのできる本実施形態にかかる通信支援プログラムを用いた機能について説明する。
【0035】
図3に、本実施形態にかかるWiFi通信支援処理の手順を示す。この処理は、メモリ16に記憶された通信支援プログラムがCPU14によってたとえば所定周期で繰り返し実行されることで実現される。
【0036】
この一連の処理では、まずステップS10において、WiFi側である選択支援領域30のラジオボタンRAがユーザによりタッチされるなど、ユーザによる入力操作がなされることでラジオボタンRAが選択されたか否かを判断する。そして、ステップS10において肯定判断される場合、ステップS12に移行する。ステップS12においては、携帯電話機10と通信するWiFiプリンタが既に設定されているか否かを判断する。そして、ステップS12において否定判断される場合、ステップS14において、WiFiを用いた通信の機能が有効か否かを判断する。ここで、通信の設定が有効とは、たとえばWiFi通信部18の電源がオフでないことや、WiFi通信部18が利用される通信手段としてOSに認識されていること等のことである。そして、ステップS14において否定判断される場合、ステップS16においてLCD22bにWiFi設定画面を表示する。この状況は、たとえば図4(a)、図4(d)に例示する状況である。すなわち、図4(a)に示すように、WiFi側のラジオボタンRAが選択された時点で、WiFiが無効である場合、図4(d)に示すWiFi設定画面となり、WiFiを用いた通信の機能を有効とすることが促される。これに対し、ユーザは、WiFi設定画面の案内に従ってタッチパネル22aを操作することで、WiFiを用いた通信の機能を有効とすることができる(図4(e))。ちなみに、図4(e)では、WiFiを用いた通信を行う旨の入力操作がなされる実行ボタンの領域がLCD22bに表示される例を示している。
【0037】
WiFi設定画面が表示されると、先の図3に示すように、ユーザによってWiFiを用いた通信を行う操作がなされ、WiFiを用いた通信の機能が有効となるまで待機する(ステップS18)。そしてユーザの操作によってWiFiを用いた通信の機能が有効とされステップS18において肯定判断されるか、ステップS14において肯定判断される場合、ステップS20に移行する。
【0038】
ステップS20においては、WiFiプリンタの検索画面を表示する。すなわち、図4(b)に例示するように、LCD22bに、通信可能なWiFiプリンタが一覧表示される画面を表示する。ちなみに、この画面は、図4(a)に示した画面との切り替えによって表示されるものであるため、タイトル表示領域34に、別の画面であることを示す別のタイトル「WiFi Printer」が表示されている。これに対し、ユーザが特定のWiFiプリンタ領域を選択して入力操作を行うと、先の図3のステップS22に示す処理によって、プリンタが選択されたと判断され、ステップS24に移行する。ステップS24においては、選択されたプリンタが設定され、図4(c)に示すように、前画面に戻る。なお、ステップS20〜S24の処理は、本実施形態において、デバイス設定機能を構成し、ステップS12において否定判断されることでステップS20に移行する処理は、本実施形態において、設定支援機能を構成する。また、ステップS20の処理は、本実施形態において候補表示機能を構成する。
【0039】
図4(a)には、当初プリンタが設定されていない状況を例示している。このため、選択支援領域30に、WiFiプリンタが設定されていない旨が表示される(未設定表示機能)。これに対し、図4(c)においては、設定されたWiFiプリンタ名(ここでは、「WiFiP−2」を例示)が表示される(デバイス表示機能)。
【0040】
先の図3のステップS24の処理が完了する場合や、ステップ12の処理において肯定判断される場合には、ステップS26において、上記ステップS10の処理において肯定判断される時点で、具体的には、WiFi側のラジオボタンRAが選択される直前に、プリンタとの通信を行うための通信経路としてWiFiが設定されていたか否かを判断する。そして、ステップS26において否定判断される場合、ステップS28においてプリンタとの通信を行う経路を、WiFiに切り替える。なお、WiFiへの切り替えがなされる場合、プリンタとの通信に用いる通信経路がWiFiである旨がメモリ16に記憶される。これにより、これ以後、プリンタとの通信を実行し、通信を停止した後、新たにプリンタとの通信を行うための操作がなされる場合には、初期設定として、プリンタとの通信経路としてWiFiが設定されることとなる。ちなみに、ステップS28の処理は、本実施形態において、経路設定機能を構成する。
【0041】
図5に、ステップS26において否定判断される状況を示す。すなわち、当初、図5(a)においてBluetooth側のラジオボタンRAの表示に示されるように、通信経路としてBluetoothが設定されている場合であっても、WiFiプリンタの設定がなされることで(図5(b))、WiFiに切り替えられる(図5(c))。ちなみに、図4に示す例のように当初から通信経路としてWiFiが設定されている場合には、WiFiプリンタの選択がなされた後にも、継続してWiFiが選択され、切り替え処理はなされない。
【0042】
なお、ステップS28の処理が完了する場合や、ステップS10において否定判断される場合、さらには、ステップS26において肯定判断される場合には、この一連の処理を一旦終了する。
【0043】
図6に、本実施形態にかかるWiFi設定処理の手順を示す。この処理は、メモリ16に記憶された通信支援プログラムがCPU14によってたとえば所定周期で繰り返し実行されることで実現される。なお、図6に示す処理は、先の図3に示した処理と並行して行われる。
【0044】
この一連の処理では、まずステップS30において、WiFi側である選択支援領域30のプリンタ選択領域PAがユーザによりタッチされるなど、ユーザによる入力操作によってプリンタ選択領域PAが選択されたか否かを判断する。そして、ステップS30において肯定判断される場合、ステップS32〜S42の処理において、先の図3のステップS14〜S24の処理と同様の処理を行う。そして、ステップS42の処理が完了する場合、ステップS46〜S48の処理において、先の図3のステップS26〜S28に対応する処理を行う。なお、ステップS48の処理は、本実施形態において、経路設定機能を構成する。
【0045】
ここで、ステップS46において否定判断される状況を、図7に例示する。すなわち、当初、図7(a)においてBluetooth側のラジオボタンRAの表示に示されるように、通信経路としてBluetoothが設定されている場合であっても、WiFiプリンタの設定がなされることで(図7(b))、WiFiに切り替えられる(図7(c))。
【0046】
図8に、本実施形態にかかるBluetooth通信支援処理の手順を示す。この処理は、メモリ16に記憶された通信支援プログラムがCPU14によってたとえば所定周期で繰り返し実行されることで実現される。なお、図8に示す処理は、先の図3および図6に示した処理と並行して行われる。
【0047】
この一連の処理では、まずステップS50において、Bluetooth側である選択支援領域32のラジオボタンRAが選択されたか否かを判断する。そして、ステップS50において肯定判断される場合、ステップS52においては、携帯電話機10と通信するBluetoothプリンタが既に設定されているか否かを判断する。そして、ステップS52において否定判断される場合、ステップS54において、Bluetoothを用いた通信の機能が有効か否かを判断する。そして、ステップS54において否定判断される場合、ステップS56においてLCD22bにBluetooth設定画面を表示する。この状況は、たとえば図9(a)、図9(d)に例示する状況である。すなわち、図9(a)に示すように、Bluetooth側のラジオボタンRAに対する入力操作がなされた時点で、Bluetoothが非接続である場合、図9(d)のBluetooth設定画面となり、Bluetoothを用いた通信の機能を有効とするよう促される。これに対し、ユーザは、Bluetooth設定画面の案内に従ってタッチパネル22aを操作することで、Bluetoothを用いた通信の機能を有効とすることができる。
【0048】
Bluetooth設定画面が表示されると、先の図8に示すように、ユーザによってBluetoothを用いた通信の機能を有効とする操作がなされ、Bluetoothを用いた通信の機能が有効となるまで待機する(ステップS58)。そしてユーザの操作によってBluetoothを用いた通信の機能が有効とされステップS58において肯定判断されるか、ステップS54において肯定判断される場合、ステップS60に移行する。
【0049】
ステップS60においては、Bluetoothプリンタの検索画面を表示する。すなわち、図9(b)に例示するように、LCD22bに、通信可能なBluetoothプリンタが一覧表示される画面を表示する。ただし、Bluetoothの場合、OSによって記憶されているペアリングされたプリンタが表示されるため、実際には通信不可能なプリンタも表示される。なお、一覧表示されたBluetoothプリンタとは相違するBluetoothプリンタを通信先として設定することが望まれる場合に備え、この画面においては、新たにBluetoothプリンタを追加する画面へのリンクを張ることが望ましい。
【0050】
これに対し、ユーザが特定のBluetoothプリンタ領域を選択し、入力操作がなされることで、先の図9のステップS62に示す処理によって、プリンタが選択されたと判断され、ステップS64に移行する。ステップS64においては、選択されたプリンタが設定され、図9(c)に示すように、前画面に戻る。
【0051】
図9(a)には、当初プリンタが設定されていない状況を例示している。このため、選択支援領域32に、Bluetoothプリンタが設定されていない旨が表示される(未設定表示機能)。これに対し、図9(c)においては、設定されたBluetoothプリンタ名(ここでは、「BuP−1」を例示)が表示される(デバイス表示機能)。
【0052】
先の図8のステップS64の処理が完了する場合や、ステップ52の処理において肯定判断される場合には、ステップS66において、上記ステップS50の処理において肯定判断される時点で、具体的には、Bluetooth側のラジオボタンRAが選択される直前に、プリンタとの通信を行うための通信経路としてBluetoothが設定されていたか否かを判断する。そして、ステップS66において否定判断される場合、ステップS68においてプリンタとの通信を行う経路を、Bluetoothに切り替える。なお、Bluetoothへの切り替えがなされる場合、プリンタとの通信に用いる通信経路がBluetoothである旨がメモリ16に記憶される。これにより、これ以後、プリンタとの通信を実行し、通信を停止した後、新たにプリンタとの通信を行うための操作がなされる場合には、初期設定として、プリンタとの通信経路としてBluetoothが設定されることとなる。また、ステップS68の処理は、本実施形態において経路設定機能を構成する。
【0053】
図10に、上記ステップS66において否定判断される状況を示す。すなわち、当初、図10(a)においてWiFi側のラジオボタンRAの表示から分かるように通信経路としてWiFiが設定されている場合であっても、Bluetoothプリンタの設定がなされることで(図10(b))、Bluetoothに切り替えられる(図10(c))。ちなみに、図9に示す例のように、当初からBluetoothが選択されている場合には、Bluetoothプリンタの選択がなされた後にも、継続してBluetoothが選択され、切り替え処理はなされない。
【0054】
なお、ステップS68の処理が完了する場合や、ステップS50において否定判断される場合、さらには、ステップS66において肯定判断される場合には、この一連の処理を一旦終了する。
【0055】
図11に、本実施形態にかかるBluetooth設定処理の手順を示す。この処理は、メモリ16に記憶された通信支援プログラムがCPU14によってたとえば所定周期で繰り返し実行されることで実現される。なお、図11に示す処理は、先の図3図6および図8に示した処理と並行して行われる。
【0056】
この一連の処理では、まずステップS70において、Bluetooth側である選択支援領域32のプリンタ選択領域PAが選択されたか否かを判断する。そして、ステップS70において肯定判断される場合、ステップS72〜S82の処理において、先の図8のステップS54〜S64の処理と同様の処理を行う。そして、ステップS82の処理が完了する場合、ステップS84〜S86の処理において、先の図8のステップS66〜S68に対応する処理を行う。なお、ステップS86の処理は、本実施形態において、経路設定機能を構成する。
【0057】
ここで、ステップS84において否定判断される状況を、図12に例示する。すなわち、図12(a)に示すように、当初、WiFi側のラジオボタンRAの表示が示すように通信経路としてWiFiが設定されている場合であっても、Bluetoothプリンタの設定がなされることで(図12(b))、Bluetoothに切り替えられる(図12(c))。
【0058】
以上説明した本実施形態によれば、以下の効果が得られるようになる。
【0059】
(1)ラジオボタンRAに対する入力操作がなされたときに、これに対応する通信経路(WiFi、Bluetooth)を用いた通信先のプリンタの設定がなされていない場合、プリンタの設定が可能となるプリンタ検索画面に移行した(図4(b)、図5(b)、図7(b)、図9(b)、図10(b))。これにより、ユーザによる入力操作を簡素化することができる。
【0060】
(2)ユーザインターフェース22をLCD22bとタッチパネル22aとを重ねて構成することで、いずれの領域によって所望の操作をすることができるのかをユーザにわかりやすく表示することができる。また、LCD22b上において選択支援領域30,32と同一の表示位置をプリンタ検索画面におけるプリンタの表示領域とすることができるメリットもある。
【0061】
(3)選択支援領域30,32のそれぞれを、プリンタの種類を選択するためのプリンタ選択領域PAと、通信経路を選択するためのラジオボタンRAとを備えて構成した。これにより、プリンタの選択や通信経路の選択を容易に行うことができる。
【0062】
(4)プリンタの検索画面においてプリンタが設定される場合、それ以前にそのプリンタに対応する通信経路が通信に用いる経路とされていなかった場合であっても、これを通信経路に切り替えた。これにより、ユーザによる入力操作を簡素化することができる。
【0063】
(5)プリンタが設定されていない通信経路が選択されたときに、選択された通信経路を用いた通信の機能が有効でない場合、有効とするための画面を表示をし、有効とするように促し、有効となることで、プリンタ検索画面に遷移した。これにより、通信の機能が有効な状態でプリンタ設定を行う旨の条件を課しつつも、ユーザによる入力操作を簡素化することができる。
【0064】
(6)WiFiとBluetoothとのいずれかがプリンタとの通信に用いられる通信経路として必ず設定されるようにして且つ、プリンタ選択領域PAへの入力操作に応じて、通信経路として設定されていない経路であっても、デバイス検索画面にダイレクトに移行した。これにより、ユーザの入力操作を簡素化することができる。
【0065】
(7)WiFiとBluetoothとのいずれがプリンタとの通信に用いられる経路として選択されているかに応じて、ラジオボタンRAの表示を相違させた。これにより、設定された通信経路をユーザが把握することが容易となる。
【0066】
(8)プリンタ選択領域PAに、設定されているプリンタ名を表示した(デバイス表示機能)。これにより、設定されたプリンタをユーザが把握することが容易となる。
【0067】
(9)プリンタが設定されていない場合に、プリンタ選択領域PAにその旨を表示した(未設定表示機能)。これにより、プリンタが設定されていない場合に、その旨をユーザが把握することが容易となる。
【0068】
<第2の実施形態>
以下、第2の実施形態について、先の第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
【0069】
図13に、本実施形態にかかるWiFi通信支援処理の手順を示す。この処理は、メモリ16に記憶された通信支援プログラムがCPU14によってたとえば所定周期で繰り返し実行されることで実現される。なお、図13において、先の図3に示した処理に対応するものについては、便宜上、同一のステップ番号を付している。
【0070】
この一連の処理では、まずステップS10aにおいて、WiFi側である選択支援領域30が選択されたか否かを判断する。そして、ステップS10aにおいて肯定判断される場合、ステップS12に移行する。また、ステップS12において肯定判断される場合、ステップS19において、ステップS10aにおいて選択されたのが、WiFi側のラジオボタンRAであるか否かを判断する。そしてステップS19において肯定判断される場合、ステップS26に移行する一方、ステップS19において否定判断される場合、ステップS14に移行する。
【0071】
こうした処理によっても、ユーザがタッチパネル22aを操作するに際し、先の図3および図6の処理と同様の操作性を実現することができる。
【0072】
なお、Bluetooth通信支援処理についても、図13の処理と同様にして行うことができるため、その記載を省略する。
【0073】
<その他の実施形態>
以上、実施の形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。以下、変形例を例示列挙する。
【0074】
「経路設定機能について」
経路設定機能としては、必ずいずれかの通信経路を設定するものに限らない。たとえば初期状態においては、前回の設定の記憶がないため、いずれの経路をも設定しないようにしてもよい。この場合、たとえば各通信経路のラジオボタンRA同士の表示を同一としてもよい。
【0075】
また、一旦設定がなされると、これが記憶され変更がなされない限り、この設定が維持するものにも限らない。たとえば、携帯電話機10内の蓄電エネルギ量が所定以下となる場合、設定された情報が消去されるものであってもよい。この場合、設定情報をフラッシュメモリ等、給電の有無にかかわらずデータを保持するメモリ(不揮発性メモリ)に記憶させる必要がないため、不揮発性メモリの記憶領域を削減することができる。
【0076】
「表示領域について」
矩形状の領域に限らず、たとえば円形状の領域であってもよい。この場合、たとえば各半円をそれぞれ、プリンタ選択領域(デバイス選択領域)およびラジオボタン(通信選択領域)のそれぞれとすればよい。
【0077】
また、外部との通信経路として設定されている側のラジオボタンと設定されていないラジオボタンとで、表示を相違させるものに限らず、たとえば選択支援領域30,32全体の背景色を相違させるものであってもよい。
【0078】
「第1通信経路および第2通信経路について」
上記各実施形態では、BluetoothとWiFiとを例示したが、これに限らない。また、LCD22bに並列表示される通信経路としては、2つに限らず、3つ以上であってもよい。
【0079】
「選択支援機能について」
選択支援機能としては、選択可能とする通信経路を2つとするものに限らず、たとえば3つ以上とするものであってもよい。この際、それらすべてが表示部において並列表示されることで、同一画面で選択可能なものでなくてもよい。特に、通信経路の数が多い場合には、見やすさの観点から選択支援領域の表示領域の大きさを所定以上とする場合、単一の画面に一括表示することは困難となることもありうる。この場合、表示画面の非連続的な変更(切り替え)によって、通信経路を表示可能としてもよいが、タッチパネル22aのフリック操作等によって、画面をスクロールすることで表示内容を連続的に変更するものであることが望ましい。
【0080】
「設定支援機能について」
設定支援機能に、通信の機能が有効とされることを条件にデバイス設定機能によるデバイスの設定を可能とする機能を設ける手法としては、上記各実施形態において例示したものに限らない。たとえば先の図3に示した処理において、ステップS10において肯定判断されることで、ステップS14〜S18の処理を実行し、その後、ステップS12に移行するようにしてもよい。もっとも、上記手法自体必須ではなく、たとえば、先の図3に示した処理において、ステップS26の処理の後にステップS14〜S18の処理を実行してもよい。
【0081】
「ユーザインターフェース(入力部および表示部)について」
ユーザインターフェースとしては、タッチパネル22aおよびLCD22bを重ねて構成するものに限らない。たとえば、表示部と入力部とが平面視において各別の領域に形成されるものであってもよい。この場合であっても、たとえばプリンタ選択領域PAおよびラジオボタンRAに対応する入力部を備え、ラジオボタンが操作されたときに対応する通信経路のプリンタが設定されていない場合、表示部にプリンタ検索画面を表示すればよい。この際、プリンタ検索画面中におけるプリンタの指定が上記プリンタ選択領域PAおよびラジオボタンRAに対応する入力部によって実行可能なようにすればよい。またたとえば、こうしてプリンタが設定される場合、プリンタの設定がなされた通信経路を通信に用いる経路に自動設定するようにしてもよい。
【0082】
また、デバイス選択用の領域と、通信選択用の領域とを、通信経路ごとに設けるものに限らない。たとえば、通信経路にかかわらずデバイスを選択する共通領域と、通信選択用の領域とを有するものであってもよい。この場合、通信選択用の領域への入力操作がなされる際、その通信経路のデバイスが未だ設定されていない場合、その通信経路のデバイス選択を可能とするなら、ユーザの入力操作を簡素化することができる。またたとえば、通信経路ごとに各別のデバイス選択用の領域のみを有するものであってもよい。この場合、デバイス選択用の領域への入力操作によって特定のデバイスが選択された場合、これに対応する通信経路を自動的に設定するなら、通信経路の設定のための入力操作を回避することができ、ユーザの入力操作を簡素化することができる。なお、既に設定されているデバイスを通信先とする場合、たとえば先の図4(b)の画面において既に選択されているデバイスを再度選択(承認)すればよい。
【0083】
「デバイスについて」
通信対象となるデバイスとしては、プリンタに限らない。要は通信装置との通信を行うデバイスであればよい。
【0084】
「通信装置について」
通信装置としての多機能携帯端末としては、携帯電話機10に限らず、たとえば電話機能を有しないタブレット端末等であってもよい。
【0085】
「通信支援プログラムについて」
アプリケーションプログラムに限らず、OS自体に、デバイス設定機能や、選択支援機能、設定支援機能、および経路設定機能の全てまたは一部を搭載してもよい。
【0086】
「そのほか」
デバイス設定機能や、選択支援機能、設定支援機能、および経路設定機能の全てまたは一部を、ソフトウェア処理とすることなく、専用のハードウェア手段によって構成してもよい。
【符号の説明】
【0087】
10…携帯電話機(通信装置の一実施形態)、14…CPU(制御部の一実施形態)、18…WiFi通信部(通信部の一実施形態)、20…Bluetooth通信部(通信部の一実施形態)、22a…タッチパネル(入力部の一実施形態)、22b…LCD(表示部の一実施形態)、S20,S38,S60,S78…デバイス設定機能の一実施形態、S12,S52…設定支援機能の一実施形態、S28,S48,S68,S88…経路設定機能の一実施形態。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13