特許第5994611号(P5994611)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5994611
(24)【登録日】2016年9月2日
(45)【発行日】2016年9月21日
(54)【発明の名称】搬送装置および画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   B41J 11/70 20060101AFI20160908BHJP
   B41J 11/42 20060101ALI20160908BHJP
【FI】
   B41J11/70
   B41J11/42
【請求項の数】3
【全頁数】25
(21)【出願番号】特願2012-263855(P2012-263855)
(22)【出願日】2012年11月30日
(65)【公開番号】特開2014-108561(P2014-108561A)
(43)【公開日】2014年6月12日
【審査請求日】2015年3月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士ゼロックス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104880
【弁理士】
【氏名又は名称】古部 次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100125346
【弁理士】
【氏名又は名称】尾形 文雄
(74)【代理人】
【識別番号】100166981
【弁理士】
【氏名又は名称】砂田 岳彦
(72)【発明者】
【氏名】久保田 敏
(72)【発明者】
【氏名】山田 知弘
(72)【発明者】
【氏名】小野 歩
【審査官】 冨江 耕太郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−211752(JP,A)
【文献】 特開2003−260833(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J11/42、11/66−11/70、15/04−15/14
B65H23/18−23/198、26/00−26/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
切断して使用する用紙を供給する供給部と、
前記供給部から供給されてくる用紙を指定された用紙長となる理想切断箇所で切断する切断部と、
前記供給部から供給されてくる用紙を搬送するとともに当該用紙を停止させ前記理想切断箇所を前記切断部に配置する第1搬送部と、
前記切断部よりも搬送方向下流側にて用紙を搬送するとともに、当該用紙の先端を待機が必要な際に待機位置で用紙を停止させる第2搬送部と、
前記第1搬送部および前記第2搬送部を制御する制御部と
を備え、
前記制御部は、前記第2搬送部が前記先端を前記待機位置に停止させるとともに前記第1搬送部が前記理想切断箇所を前記切断部よりも搬送方向上流側で前記用紙を停止させた後に当該第1搬送部および当該第2搬送部が当該用紙の搬送を再開し当該理想切断箇所を当該切断部に到達させる第1搬送制御を行い、当該第1搬送制御を行うと、当該再開後であって当該第1搬送部および当該第2搬送部が当該用紙の加速を行っている際に、当該理想切断箇所を当該切断部に到達させるため当該用紙の減速を開始する時機となる場合に、当該第2搬送部が当該先端を前記待機位置よりも搬送方向上流側で停止させるとともに当該第1搬送部が当該用紙を停止させ当該第1搬送部および当該第2搬送部が当該用紙の搬送を再開し当該理想切断箇所を当該切断部に到達させる第2搬送制御を行う
ことを特徴とする搬送装置。
【請求項2】
用紙搬送経路における前記切断部よりも搬送方向下流側に、用紙に撓みが生じることを許容する許容部を備えことを特徴とする請求項1記載の搬送装置。
【請求項3】
切断して使用する用紙を供給する供給部と、
前記供給部から供給されてくる用紙を指定された用紙長となる理想切断箇所で切断する切断部と、
前記供給部から供給されてくる用紙を搬送するとともに当該用紙を停止させ前記理想切断箇所を前記切断部に配置する第1搬送部と、
前記切断部よりも搬送方向下流側にて用紙を搬送するとともに、当該用紙の先端を待機が必要な際に待機位置で用紙を停止させる第2搬送部と、
前記第1搬送部および前記第2搬送部を制御する制御部と、
前記第2搬送部から搬送される用紙に画像を形成する画像形成部と
を備え
前記制御部は、前記第2搬送部が前記先端を前記待機位置に停止させるとともに前記第1搬送部が前記理想切断箇所を前記切断部よりも搬送方向上流側で前記用紙を停止させた後に当該第1搬送部および当該第2搬送部が当該用紙の搬送を再開し当該理想切断箇所を当該切断部に到達させる第1搬送制御を行い、当該第1搬送制御を行うと、当該再開後であって当該第1搬送部および当該第2搬送部が当該用紙の加速を行っている際に、当該理想切断箇所を当該切断部に到達させるため当該用紙の減速を開始する時機となる場合に、当該第2搬送部が当該先端を前記待機位置よりも搬送方向上流側で停止させるとともに当該第1搬送部が当該用紙を停止させ当該第1搬送部および当該第2搬送部が当該用紙の搬送を再開し当該理想切断箇所を当該切断部に到達させる第2搬送制御を行う
ことを特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、搬送装置および画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、給紙搬送された用紙がレジスト装置で停止する際に給紙搬送装置にまたがって停止するような給紙手段においても、生産性を損なうことなく安定した用紙の給紙搬送が行なえる給紙搬送制御方法として、先行用紙の先端がレジスト手段で停止するとき、用紙センサが、先行用紙の後端の用紙センサあるいは搬送手段の通過の有無を検知し、その検知結果に応じて、次用紙の給紙開始タイミングを計るトリガを変えることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−161479号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、ロール紙を切断する際に、用紙の理想切断箇所が切断部の上流近傍で停止することにより、理想切断箇所からずれて用紙が切断されてしまう事を防止する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明は、切断して使用する用紙を供給する供給部と、前記供給部から供給されてくる用紙を指定された用紙長となる理想切断箇所で切断する切断部と、前記供給部から供給されてくる用紙を搬送するとともに当該用紙を停止させ前記理想切断箇所を前記切断部に配置する第1搬送部と、前記切断部よりも搬送方向下流側にて用紙を搬送するとともに、当該用紙の先端を待機が必要な際に待機位置で用紙を停止させる第2搬送部と、前記第1搬送部および前記第2搬送部を制御する制御部とを備え、前記制御部は、前記第2搬送部が前記先端を前記待機位置に停止させるとともに前記第1搬送部が前記理想切断箇所を前記切断部よりも搬送方向上流側で前記用紙を停止させた後に当該第1搬送部および当該第2搬送部が当該用紙の搬送を再開し当該理想切断箇所を当該切断部に到達させる第1搬送制御を行い、当該第1搬送制御を行うと、当該再開後であって当該第1搬送部および当該第2搬送部が当該用紙の加速を行っている際に、当該理想切断箇所を当該切断部に到達させるため当該用紙の減速を開始する時機となる場合に、当該第2搬送部が当該先端を前記待機位置よりも搬送方向上流側で停止させるとともに当該第1搬送部が当該用紙を停止させ当該第1搬送部および当該第2搬送部が当該用紙の搬送を再開し当該理想切断箇所を当該切断部に到達させる第2搬送制御を行うことを特徴とする搬送装置である。
【0006】
請求項に記載の発明は、用紙搬送経路における前記切断部よりも搬送方向下流側に、用紙に撓みが生じることを許容する許容部を備えことを特徴とする請求項1記載の搬送装置である。
【0009】
請求項に記載の発明は、切断して使用する用紙を供給する供給部と、前記供給部から供給されてくる用紙を指定された用紙長となる理想切断箇所で切断する切断部と、前記供給部から供給されてくる用紙を搬送するとともに当該用紙を停止させ前記理想切断箇所を前記切断部に配置する第1搬送部と、前記切断部よりも搬送方向下流側にて用紙を搬送するとともに、当該用紙の先端を待機が必要な際に待機位置で用紙を停止させる第2搬送部と、前記第1搬送部および前記第2搬送部を制御する制御部と、前記第2搬送部から搬送される用紙に画像を形成する画像形成部とを備え、前記制御部は、前記第2搬送部が前記先端を前記待機位置に停止させるとともに前記第1搬送部が前記理想切断箇所を前記切断部よりも搬送方向上流側で前記用紙を停止させた後に当該第1搬送部および当該第2搬送部が当該用紙の搬送を再開し当該理想切断箇所を当該切断部に到達させる第1搬送制御を行い、当該第1搬送制御を行うと、当該再開後であって当該第1搬送部および当該第2搬送部が当該用紙の加速を行っている際に、当該理想切断箇所を当該切断部に到達させるため当該用紙の減速を開始する時機となる場合に、当該第2搬送部が当該先端を前記待機位置よりも搬送方向上流側で停止させるとともに当該第1搬送部が当該用紙を停止させ当該第1搬送部および当該第2搬送部が当該用紙の搬送を再開し当該理想切断箇所を当該切断部に到達させる第2搬送制御を行うことを特徴とする画像形成装置である。
【発明の効果】
【0010】
請求項1の発明によれば、用紙を停止する際に、切断部に対する理想切断箇所の位置を調整しない場合に比較して、理想切断箇所からずれて用紙が切断されてしまう事を防止する。
請求項の発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、用紙の先端が停止する位置のばらつきを抑制できる。
【0011】
請求項の発明によれば、用紙を停止する際に、切断部に対する理想切断箇所の位置を調整しない場合に比較して、理想切断箇所からずれて用紙が切断されてしまう事を防止する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本実施の形態が適用される画像形成システムの全体構成を示した図である。
図2】総合制御部の機能ブロック図である。
図3】可動式搬送経路の概略構成を示した図である。
図4】給紙装置の動作を説明するための図である。
図5】第1モータの動作を説明するための図である。
図6】第1モータの動作状態と減速開始タイミングとの関係を示す図である。
図7】第1搬送モードにおける第1モータの動作を示すタイミングチャートである。
図8-1】第2搬送モードにおける第1モータの動作を説明するためのタイミングチャートである。
図8-2】図8−1の待機のための停止している区間における用紙とカッタの状態を示した図である。
図9】搬送制御部の処理の流れを示すフローチャートである。
図10】短い用紙を搬送する状態を説明するための図である。
図11】第3搬送モードにおける第1モータおよび第3モータの動作を示すタイミングチャートである。
図12-1】第4搬送モードの第1モータおよび第3モータの動作を説明するためのタイミングチャートである。
図12-2】図12−1の待機のための停止している区間における用紙とカッタの状態を示した図である。
図13】搬送制御部の処理の流れを示すフローチャートである。
図14】搬送制御部の処理の流れを示すフローチャートである。
図15-1】第5搬送モードの第1モータの動作を説明するためのタイミングチャートである。
図15-2】図15−1の待機のための停止している区間における用紙とカッタの状態を示した図である。
図16-1】第6搬送モードの第1モータおよび第3モータの動作を説明するためのタイミングチャートである。
図16-2】図16−1の待機のための停止している区間における用紙とカッタの状態を示した図である。
図17】変形例の概略構成を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本実施の形態においては、ロール状に形成された用紙Pを搬送し、予め定めた用紙長となるように切断部によって切断する。この用紙Pを搬送する際に、例えば用紙Pの先端を待機させる待機位置に用紙Pの先端が到達した際等、用紙Pにおける切断すべき箇所が切断部に到達する前に、用紙Pを一旦停止させることがある。
この停止した用紙Pにおける切断すべき箇所が切断部に近すぎると、用紙Pの搬送を再開後すぐに用紙Pを停止させたとしても、切断すべき箇所を切断部で停止できずに、切断部を通過した位置で切断すべき箇所が停止する。つまり、切断された用紙Pの長さが、予め定めた用紙長よりも長くなり得る。
そこで、本実施の形態においては、用紙Pにおける切断すべき箇所が切断部に近くなる場合に、待機位置よりも手前となる位置で用紙Pを一旦停止させ、切断すべき箇所から切断部までの距離を確保するように制御する。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
<画像形成システム1>
図1は、本実施の形態が適用される画像形成システム1の全体構成を示した図である。
図1に示す画像形成システム1は、指示に基づいて、切断して使用するロール状に形成されていた用紙Pに画像を形成する。この画像形成システム1は、用紙Pを供給する給紙装置100と、給紙装置100から供給される用紙Pに画像を形成する画像形成装置200と、画像形成システム1全体を制御する制御装置300とを備えている。また、この画像形成システム1は、給紙装置100から画像形成装置200にわたって、用紙Pを搬送する用紙搬送経路Rを備えている。
【0014】
給紙装置(搬送装置)100は、用紙Pの搬送方向上流側から下流側に沿って、ロール状に巻かれた用紙Pを搭載する給紙部(供給部)10と、回転駆動することにより用紙Pを搬送する、第1ロール11、第2ロール13、第3ロール15および第4ロール17と、画像形成装置200に向けて用紙Pを排出する排出口27とを備える。
また、図示の例においては、給紙装置100は、本実施例における切断部として、用紙搬送経路Rにおける第2ロール13および第3ロール15の間に、用紙Pの通過を検知するセンサ21と、用紙Pを指示部に指示された用紙長で切断するカッタ23とを備える。このカッタ23は、刃が用紙Pに対して垂直方向に移動するゲロチン型でも、刃が用紙Pの幅方向に移動するロータリカッタ型等いろいろな型を適用することができる。また、用紙搬送経路Rにおける第3ロール15および第4ロール17の間に、用紙Pに撓みが生じることを許容する可動式搬送経路25を備える。
【0015】
さらに、給紙装置100は、第1ロール11および第2ロール13を駆動させる第1モータM1と、第3ロール15を駆動させる第2モータM2と、第4ロール17を駆動させる第3モータM3とを有する。なお、第1モータM1〜第3モータM3はステッピングモータにより構成される。
また、給紙装置100は、給紙装置100の各構成部材を制御する搬送制御部30を備える。
【0016】
なお、第1ロール11および第1モータM1と、第4ロール17および第3モータM3とは搬送部の一例である。第1モータM1は第1搬送部および第3搬送部の一例である。また、第3モータM3は第2搬送部の一例である。また、搬送制御部30は本実施例において、制御部および変更手段の一例である。
【0017】
画像形成装置200は、回転駆動することにより給紙装置100の排出口27から排出される用紙Pを受け取り搬送する受取ロール51と、受取ロール51から搬送される用紙Pに画像を形成する本実施例における画像形成部である画像形成機構55と、画像形成機構55により画像が形成された用紙Pを画像形成装置200の外部へ排出する排出ロール53とを備える。
また、画像形成装置200は、画像形成装置200の各構成部材を制御する画像形成制御部60を備える。
ここで、画像形成機構55は、インクジェット方式による画像形成を行うものであるが、電子写真等他の方式により画像を形成してももちろんよい。
【0018】
制御装置300は、画像形成システム1の各構成部材を制御する総合制御部90を備える。また、制御装置300は、ユーザからの指示情報を受け付けるとともに、その指示情報に基づいて他の給紙装置100等に指示情報を出す。
さて、図示の例においては、給紙装置100、画像形成装置200および制御装置300は、それぞれ別体の装置として設けている。画像形成システム1は、画像形成装置200における画像形成が終了すると、次の用紙Pの給紙指示を出すように構成している。次の用紙Pは画像形成が終了していない場合や、画像形成装置200において用紙Pを受け入れる準備が整っていない場合は、給紙指示待ちで待機をし、給紙指示が出ている場合には、待機をせず給紙装置100から画像形成装置200に搬送される。
なお、図示の例においては、制御装置300が総合制御部90を備える構成としたが、総合制御部90の機能を、給紙装置100の搬送制御部30、あるいは画像形成装置200の画像形成制御部60によって実現する構成であってもよい。
【0019】
<総合制御部90の機能ブロック>
図2は、総合制御部90の機能ブロック図である。
本実施の形態の総合制御部90には、ユーザから指示情報を受けたユーザインターフェイスUIあるいはパーソナルコンピュータによって画像形成に関するデータ信号である画像形成データが入力される。なお、総合制御部90は、入力された画像形成データから、画像を形成指示するための情報、例えば出力する用紙Pの用紙長、用紙幅等を取得する。ここで、用紙長は例えば1mm単位で設定でき、A系列等の定型でなくても指定できるようにしている。
【0020】
また、総合制御部90には、搬送制御部30を介して、センサ21から用紙Pの検知信号が入力されるとともに、第1モータM1〜第3モータM3からそれぞれ出力パルス数OTP(後述)に関する信号が入力される。さらに、総合制御部90には、搬送制御部30から、指示情報あるいは用紙Pの搬送状況(正常/異常)が入力される。
また、総合制御部90には、画像形成制御部60から、データ信号のファイルフォーマットおよび手順を指定する情報が入力される。
【0021】
一方で、総合制御部90は、搬送制御部30に対して、用紙長や搬送の開始等を出力するようになっている。また、総合制御部90は、搬送制御部30を介して、第1モータM1〜第3モータM3およびカッタ23に、それぞれ制御信号を出力する。
また、総合制御部90は、画像形成制御部60を介して、画像形成機構55に、制御信号を出力する。さらに、総合制御部90は、画像形成制御部60に対して、画像形成制御部60から指定されたファイルフォーマットおよび手順でデータ信号を出力するようになっている。
【0022】
また、搬送制御部30は、画像形成制御部60から制御信号が入力される。さらに説明をすると、搬送制御部30は、画像形成制御部60から、画像形成機構に対して用紙Pを受け入れる指示(I/O)と、画像形成あるいは用紙Pの搬送の終了についての信号(I/O)が入力される。なお、本実施の形態の給紙装置100は、画像形成制御部60からの次の用紙Pを受け付ける給紙指示を契機として、画像形成装置200に対して給紙を行う。
【0023】
なお、総合制御部90、搬送制御部30、および画像形成制御部60は、それぞれ、例えば図示しないCPU(Central Processing Unit)が、予め定められたプログラムをRAM(Random Access Memory)に読み込んで実行することにより、実現される。
【0024】
<可動式搬送経路25>
次に、給紙装置100が備える可動式搬送経路25について説明をする。
図3は、可動式搬送経路25の概略構成を示した図である。
図3(a)に示すように、可動式搬送経路(許容部)25は、用紙搬送経路Rに沿って設けられる板状部材であり、用紙搬送経路Rを挟んで対向して設けられる可動板251および固定板253を備える。
可動板251は、用紙Pの搬送方向における一方の端部に回転軸255を備える。そして、可動板251が回転軸255を中心として回転することで、回転軸255とは反対の端部が、用紙搬送経路Rに対して接離するように移動する。また、固定板253は、用紙搬送経路Rに対して固定されて設けられる。
【0025】
ここで、図3(b)に示すように、第3ロール15と第4ロール17(図1参照)とにおける用紙Pの搬送速度の差によって、搬送されてくる用紙Pに撓み、いわゆるループを形成する。このとき、可動式搬送経路25の可動板251は、用紙Pの撓みにより回転軸255を中心として、用紙搬送経路Rを広げる向きに回転する。この結果、用紙Pの撓みは、少なくとも一部が可動式搬送経路25内に形成された空間に位置する状態となる。
なお、本実施の形態においては、可動式搬送経路25が用紙Pの撓みを覆うことにより、用紙Pの撓みが他の部材と接触し紙詰まりが発生することが抑制される。
【0026】
<画像形成システム1の動作>
次に、図1乃至図4を参照しながら、画像形成システム1の動作について説明をする。なお、図4は、給紙装置100の動作を説明するための図である。
まず、総合制御部90は、ユーザからの入力操作により、ユーザインターフェイスUIあるいはパーソナルコンピュータを介して、画像形成データを受信する。画像形成データを受信した総合制御部90は、画像形成制御部60に対して、予め定められたファイルフォーマットで画像形成データを転送する。また、総合制御部90は、画像形成制御部60への画像形成データの転送と並行して、画像形成データから取得した指示情報を搬送制御部30へ出力する。
【0027】
画像形成制御部60は、転送された画像形成データを受信し、画像形成の準備が完了した時点で、搬送制御部30に対して、用紙Pを給紙する指示情報信号(給紙信号)を出力する。搬送制御部30が画像形成制御部60から給紙信号を受けると、給紙装置100は画像形成装置200へ給紙を開始する。
【0028】
そして、画像形成装置200において、用紙Pに画像が形成され、画像が形成された用紙Pは画像形成装置200の外部へと排出される。そして、画像形成制御部60は、搬送制御部30に対して、画像形成および用紙搬送の終了についての信号を出力する。この信号を受信した搬送制御部30は、総合制御部90に対してジョブ終了についての信号を出力する。また、総合制御部90は、次の用紙Pに画像を形成することが必要な場合には、指示情報を出す。
【0029】
ここで、図4(a)に示すように、給紙装置100における用紙搬送経路R上の距離は、給紙部10から排出口27までが距離X1、カッタ23から排出口27までが距離X2であり、給紙部10およびカッタ23は排出口27から用紙搬送経路R上において離間して配置される。したがって、搬送制御部30が、画像形成制御部60から用紙Pを給紙する指示情報信号を出力してから、用紙Pの搬送を開始した場合には、画像形成装置200への給紙が開始されるまでに時間を要することとなる。
【0030】
そこで、本実施の形態における給紙装置100は、図4(b)に示すように、画像形成装置200への給紙タイミングを早めるため、画像形成制御部60(図1参照)から受け付ける信号を受信する前に、給紙部10からの給紙を開始し、予め用紙Pの搬送方向における先端PLを排出口27まで搬送し、待機させる。なお、第4ロール17を駆動する第3モータM3は、先端PLが排出口27に到達すると停止する。
【0031】
給紙装置100の各構成部材の動作を具体的に説明すると、搬送制御部30が画像形成制御部60(図1参照)からの給紙信号を受信する前に、搬送制御部30は第1モータM1を駆動させ用紙Pの搬送を開始する。なお、用紙Pの先端PLがカッタ23の前まできている時には第2モータM2も回転させる。また、搬送制御部30が、搬送された用紙Pの検知信号をセンサ21から受信すると、用紙Pの先端PLが送られてくるタイミングで第2モータM2および第3モータM3を駆動させる。
【0032】
そして、搬送制御部30は、用紙Pの先端PLが排出口27付近に到達するタイミングで第3モータM3を停止させる。また、搬送制御部30は、用紙Pの搬送量が、総合制御部90からの情報により指定された用紙長に到達するタイミングで、第1モータM1および第2モータM2の駆動を停止させる(詳細は後述)。このことにより、用紙Pの後端側においては、切断すべき箇所である理想切断箇所がカッタ23に配置される。
【0033】
用紙Pの先端PLが排出口27に到達している状態で、搬送制御部30が画像形成制御部60から給紙信号を受けると、給紙装置100が給紙信号を受けてから画像形成装置200への給紙が開始されるまでの時間が短縮される。
なお、図示の例においては、搬送制御部30が画像形成制御部60から給紙信号を受けた後に、カッタ23が用紙Pを切断するが、距離X2よりも短い用紙Pは、給紙信号を受ける前に予め切断される。
【0034】
ここで、図示の例においては、画像形成装置200において先行する用紙Pに対する画像形成が行われている場合には、この先行する用紙Pが、画像形成機構55から排出された後にのみ、画像形成制御部60が給紙信号を出力できるようになっている。また画像形成にかかる時間も用紙長やデータ量等によって異なるため、予めタイミングが予測できない場合がある。上述のように予め用紙Pを搬送して待機位置に待機させることで、先行する用紙Pが画像形成機構55を通過してから後続の用紙Pが画像形成機構55に供給される時間が短縮される。付言すると、用紙Pどうしの距離である用紙間隔が狭まる。
【0035】
また、図4(b)に示す給紙装置100は、上述のように可動式搬送経路25において用紙Pに撓み(ループ)ができることを許容する。このことにより、用紙Pの搬送経路において可動式搬送経路25を挟んで配置される第2ロール13および第3ロール15と第4ロール17とに用紙Pの搬送速度差を設けることが可能となる。
【0036】
具体的には、本実施の形態においては、用紙Pにおける先端PL側を第4ロール17によって画像形成装置200へと搬送しながら、用紙Pにおける後端側を第2ロール13および第3ロール15によって停止させた状態においてカッタ23が切断することができる。さらに説明をすると、形成された撓みによって用紙Pの搬送速度差が吸収できる範囲であれば、カッタ23での切断動作のために用紙Pが停止することとは関係なく、用紙Pの先端PL側を画像形成装置200へ搬送できる。このことにより、用紙Pが画像形成機構55に供給される時間間隔(用紙間隔)を短縮している。
【0037】
<第1モータM1の動作>
次に、第1モータM1の動作について説明する。
なお、図5は、第1モータM1の動作を説明するための図である。より詳細には、図5(a)は第1モータM1の出力パルス数OTPと時間との関係を示した図であり、図5(b)は第1モータM1の加速期間の各ステップ(単位時間:10ms)におけるパルス数の変化を示した図であり、図5(c)は第1モータM1の減速期間の各ステップ(単位時間:20ms)におけるパルス数の変化を示した図である。なお、図5(b)および図5(c)における「パルス」は、各ステップあたりに第1モータM1が出力するパルス数を示す。
【0038】
上述のように、第1モータM1はステッピングモータである。この第1モータM1を予め定めた速度(定速速度)で回転させようとする場合、図5(a)に示すように、第1モータM1は停止している状態から加速期間を経て、定速速度に到達する。そして、第1モータM1は、定速速度での回転が維持(定速期間)された後、減速期間を経て停止する。
【0039】
ここで、第1モータM1が停止状態から定速状態となる加速期間に必要なパルス数を加速パルス数ACPとする(図5(a)参照)。また、第1モータM1が定速状態から停止状態となる減速期間に必要なパルス数を減速パルス数DCPとする(図5(a)参照)。また、加速期間および減速期間に必要なパルス数、すなわち加速パルス数ACPおよび減速パルス数DCPの和を、加減速パルス数ADPとする。
【0040】
なお、加速パルス数ACP、減速パルス数DCPおよび加減速パルス数ADPは、第1モータM1固有の値であり、それぞれ定速速度が決定されることで一義的に定まる。また、加速パルス数ACP、減速パルス数DCPおよび加減速パルス数ADPに関する情報は、例えば画像形成システム1のセットアップ時に、第1モータM1から搬送制御部30へと送信される。
【0041】
また、指定用紙長に応じて定められ、第1モータM1を停止させるべきときの第1モータM1の出力パルス数OTPを、停止パルス数STPとする。さらに、定速速度で回転している第1モータM1を停止パルス数STPで停止させるために、第1モータM1の減速を開始させるときの第1モータM1の出力パルス数OTPを、減速開始パルス数DSPとする。
【0042】
次に、搬送制御部30からの制御信号を受けて第1モータM1が駆動し用紙Pを搬送する際の、搬送制御部30および第1モータM1の動作について説明をする。
まず、搬送制御部30は、総合制御部90から指示情報を取得すると、指示情報に含まれる指定用紙長に基づき停止パルス数STPを算出する。また、算出した停止パルス数STPと、減速パルス数DCPとの差から、減速開始パルス数DSPが定まる。
【0043】
そして、搬送制御部30は、給紙信号を受信すると、第1モータM1を駆動し用紙Pの搬送を開始するとともに、第1モータM1の出力パルス数OTPのカウント(監視)を開始する。この監視している出力パルス数OTPが減速開始パルス数DSPに到達した際に、搬送制御部30は、第1モータM1の減速を開始する。そして、用紙Pの理想切断箇所がカッタ23へと配置された状態で用紙Pが停止する。なお、このときの第1モータM1の出力パルス数OTPは、停止パルス数STPとなる。
【0044】
例として、指定用紙長1800mmで用紙Pを切断する場合であって、図5(b)および図5(c)に示すパルス数の変化で第1モータM1が加速および減速を行う場合を説明する。
この場合、第1モータM1の1パルスで用紙Pを搬送する距離を10mmとした場合、指定用紙長分の用紙Pを搬送するには、第1モータM1の出力パルス数OTPが180パルスとなった時点で第1モータM1を停止させる必要がある。また、図5(c)に示すように、第1モータM1は、減速パルス数DCPとして56パルスを必要とする。したがって、第1モータM1の減速開始タイミング(減速開始パルス数DSPに到達するタイミング、図5(a)の符号S1参照)は、出力パルス数OTPのカウントを開始してから124パルス(=180パルス−56パルス)出力した時点となる。付言すると、減速開始タイミングは、第1モータM1が停止するまでに搬送される用紙Pの長さを考慮して決定される。
【0045】
<第1モータM1の動作状態および停止位置の関係>
ここで、第1モータM1は、減速開始タイミングとの関係によって、意図した位置(停止パルス数STP)と異なる位置で第1モータM1が停止する場合がある。以下、具体的に説明をする。
図6は、第1モータM1の動作状態と減速開始タイミングとの関係を示す図である。より詳細には、図6(a)は第1モータM1の加速期間に減速開始タイミングに到達する場合を示す図であり、図6(b)は第1モータM1の減速期間に減速開始タイミングに到達する場合を示す図である。
【0046】
図6(a)に示すように、第1モータM1の加速期間において、減速開始タイミングS1に到達(t611)した場合、加速している最中の第1モータM1は、減速開始タイミングS1に到達した時点から直ちに減速動作を開始することができない。具体的には、第1モータM1は、一旦定速まで加速し、加速が完了した後に減速が開始される(t612)。
【0047】
一方、上述のように、減速開始タイミングS1は、定速状態から減速を開始することを想定している減速パルス数DCP(図5(a)参照)に基づいて定められる。このことから、図示の例においては、第1モータM1が減速開始タイミングS1に到達(t611)してから減速が開始される(t612)までの間のパルス数(図中着色部)だけ、停止させるべきパルス数である停止パルス数STPと、実際に第1モータM1が停止するパルス数とがずれる。より詳細には、第1モータM1が停止パルス数STPを超えて停止する。
【0048】
また、図6(b)に示すように、第1モータM1の減速期間において、減速開始タイミングS1に到達(t622)した場合、この時点で第1モータM1は既に定速速度よりも遅い速度で回転している。したがって、減速開始タイミングS1に到達(t622)してから実際に第1モータM1が停止するまでに必要とするパルス数が、定速状態から減速を開始することを想定している減速パルス数DCP(図5(a)参照)よりも少ない。
さらに説明をすると、図示の例においては、第1モータM1が実際に減速を開始してから(t621)、減速開始タイミングS1に到達する(t622)までの間のパルス数(図中着色部)だけ、停止パルス数STPと、実際に第1モータM1が停止するパルス数とがずれる。より詳細には、第1モータM1が停止パルス数STPに到達する前に停止する。
【0049】
このように第1モータM1が停止パルス数STPとは異なる位置で停止した場合、第1モータM1の駆動を受けて搬送される用紙Pの停止位置が意図した位置とずれることになる。本実施例では画像形成前で待機しなければならない場合があるので、その結果として、停止後に切断された用紙Pの用紙長にばらつきが生じる。
そこで、本実施の形態の給紙装置100は、用紙Pを搬送する態様である搬送モードを複数備える。そして、給紙装置100は、第1モータM1の動作状態と減速開始タイミングS1との関係に応じて、搬送モードを切り替える。
さらに説明をすると、第1モータM1の動作状態と減速開始タイミングS1との関係は、指定用紙長により定まる。したがって、本実施の形態は、指定用紙長に応じて搬送モードを切り替えるものである。
以下、各搬送モードにつき具体的に説明をする。
【0050】
<第1搬送モード>
まず、図7を参照しながら第1搬送モードについて説明をする。なお、図7は、第1搬送モードにおける第1モータM1の動作を示すタイミングチャートである。
この第1搬送モード(第1態様、第1搬送制御)では、用紙Pの先端PLを待機位置である排出口27に到達させて第3モータM3を停止させることにともない、第1モータM1が停止する。そして、第1モータM1が再び用紙Pを搬送させた後に、用紙Pが切断される。
【0051】
具体的には、第1モータM1は次のように動作する。
まず、第1モータM1は、用紙Pの搬送を開始した後、先端PLが排出口27に到達するタイミングに基づき定められる減速開始タイミングS1で減速を開始し(t711)、停止する(t712)。なお、このとき用紙Pにおいては、第1モータM1と第3モータM3との停止タイミングが異なることにより、可動式搬送経路25にループが形成される。
【0052】
次に、画像形成制御部60からの給紙信号を受信した搬送制御部30からの指示情報を受け、第1モータM1は再び用紙Pの搬送を開始する(t713)。そして、搬送制御部30が監視する出力パルス数OTPが減速開始パルス数DSPに達する(t714、減速開始タイミングS2参照)と、第1モータM1は減速を開始する。そして、第1モータM1が停止した際(t715)には、用紙Pにおける理想切断箇所がカッタ23へ到達する。すなわち、用紙Pの切断位置への搬送が完了する。この状態において、用紙Pは、カッタ23によって理想切断箇所で切断される(t716、符号C1参照)。そして、切り離された残りの用紙Pにおける先端PLを待機位置に搬送するため、第1モータM1が再び加速する(t717)。
【0053】
<第2搬送モード>
次に、図8−1および図8−2を参照しながら第2搬送モードについて説明をする。なお、図8−1は、第2搬送モードにおける第1モータM1の動作を説明するためのタイミングチャートである。また、図8−2は、図8−1の待機のための停止している区間における用紙Pとカッタ23の状態を示した図である。
まず、図8−1(a)に示すように、比較例として、第1搬送モードで用紙Pを搬送した場合、用紙Pの理想切断箇所をカッタ23へ搬送するまでに第1モータM1を一旦停止させた後、第1モータM1を再び駆動させる(二段階で搬送する)。このとき、指定用紙長によっては、第1モータM1が加速している際に、出力パルス数OTPが減速開始パルス数DSPに到達する場合(t811、減速開始タイミングS2参照)がある。
【0054】
この場合、上述のように第1モータM1は、すぐに減速を開始できずに一旦定速までの加速が完了した後に減速を開始する(t812)ことから、停止パルス数STPと、実際に第1モータM1が停止するパルス数とがずれる(着色部参照)。その結果として、切断された用紙Pの用紙長が指定用紙長よりも長くなる。
【0055】
さらに説明すると、図8−2(a)に示すように、第1モータM1を一旦停止させた後、再び駆動させる際に、停止している用紙Pの理想切断箇所からカッタ23までの距離aが短いために、第1モータM1が駆動を再開してからすぐに理想切断箇所がカッタ23に到達する場合がある。そして、この場合、第1モータM1の停止タイミングが遅れることにより、用紙Pにおいて実際に切断される箇所である実質切断箇所が、理想切断箇所よりも後端側にずれる。なお、図8−2(a)における実質切断箇所と理想切断箇所との距離が、図8−1(a)における着色部に対応する。
【0056】
付言すると、図8−1(a)および図8−2(a)に示す状態は、第1モータM1を駆動させてから最も短い期間で停止させた場合に、第1モータM1の駆動を受け用紙Pが搬送される最小搬送距離よりも、停止している用紙Pの理想切断箇所からカッタ23までの距離aが短い場合である。
【0057】
そこで、第2搬送モード(第2態様、第2搬送制御)においては、図8−1(b)に示すように用紙Pの搬送を行う。具体的には、用紙Pの先端PLを、待機位置である排出口27まで搬送させずに、排出口27よりも搬送方向上流側で停止させる(t813)。すなわち待機位置よりも手前で用紙Pを一旦停止させる(図8−2(b)の距離X5参照)。
次に、画像形成制御部60からの給紙信号を受信した搬送制御部30からの指示情報を受け、第1モータM1は再び用紙Pの搬送を開始する(t814)。そして、定速までの加速が完了した後に、出力パルス数OTPが減速開始パルス数DSPに達する(t815、減速開始タイミングS2参照)と、第1モータM1は減速を開始する。
【0058】
さらに説明をすると、図8−2(b)に示すように、第2搬送モードにおいては、理想切断箇所からカッタ23までの距離を、第1モータM1を駆動させてから最も短い期間で停止させた場合に、第1モータM1の駆動を受け用紙Pが搬送される最小搬送距離よりも短くならないようにする。ことのことにより、実質切断箇所と理想切断箇所とのずれを抑制し、図示の例においては、用紙長が指定用紙長よりも長くなることが抑制される。
【0059】
<第1搬送モードおよび第2搬送モードの切り替え>
次に、図9を参照しながら、第1搬送モードおよび第2搬送モードの切り替え動作を説明する。なお、図9は、搬送制御部30の処理の流れを示すフローチャートである。
まず、搬送制御部30は、総合制御部90から指定用紙長を含む情報を受け付ける(ステップ901)。
【0060】
次いで、搬送制御部30は、指定用紙長に基づき、停止パルス数STPを算出する(ステップ902)とともに、減速開始パルス数DSPを算出する(ステップ903)。そして、第1モータM1が駆動され、用紙Pの搬送が開始される(ステップ904)。また、搬送制御部30は、第1モータM1の出力パルス数OTPの監視を開始する(ステップ905)。
次いで、搬送制御部30は、監視している出力パルス数OTPが減速開始パルス数DSPと等しいか否かを判断する(ステップ906)。出力パルス数OTPが減速開始パルス数DSPと等しくない場合(NO)、搬送制御部30は出力パルス数OTPの監視を継続する。
【0061】
一方、出力パルス数OTPが減速開始パルス数DSPと等しい場合(YES)、搬送制御部30は、出力パルス数OTPおよび加減速パルス数ADPの和が、停止パルス数STP以下であるか否かを判断する(ステップ907)。そして、出力パルス数OTPおよび加減速パルス数ADPの和が、停止パルス数STP以下である場合(YES)、搬送制御部30は第1搬送モードで第1モータM1を動作させ(ステップ908)、停止パルス数STPよりも大きい場合(NO)、第2搬送モードで第1モータM1を動作させる(ステップ909)。
【0062】
なお、図示の例においては、用紙Pの搬送を開始した後に、適用する搬送モード(第1搬送モードおよび第2搬送モード)を決定することを説明したが、これに限定されない。例えば、用紙Pの搬送を開始する前に、適用する搬送モードを決定してもよい。
さらに、第1搬送モードおよび第2搬送モードは、第1モータM1が理想切断箇所をカッタ23に配置するため用紙Pを停止させるタイミングよりも前に、第3モータM3が用紙Pの先端PLを停止するタイミングとなる場合に適用されるものとして把握することができる。
【0063】
<短い用紙長の搬送>
次に、図10を参照しながら、給紙装置100が予め定めた用紙長よりも短い指定用紙長を供給する場合について説明をする。なお、図10は、短い用紙Pを搬送する状態を説明するための図である。
用紙長の短い用紙P(例えばA4横等)に画像形成を行う場合、用紙搬送経路R上におけるカッタ23から排出口27までの間で、複数枚の用紙Pを同時に搬送する場合がある。
【0064】
なお、この複数枚の用紙Pを同時に搬送する場合とは、用紙P間の距離(用紙間距離X3)と先行用紙P1の用紙長(長さL)との和、あるいは先行用紙P1の指定用紙長と後続用紙P2の指定用紙長との和が、カッタ23から排出口27までの距離X2よりも小さい場合として把握することができる。
また、第1モータM1が先行用紙P1の理想切断箇所をカッタ23に配置するため用紙Pを停止させるタイミングよりも後に、第3モータM3(図1参照)が先行用紙P1の先端P1Lを停止するタイミングとなる場合として把握することができる。
【0065】
ここで、例えば、図10に示すように、カッタ23から排出口27までの間に2枚の用紙を搬送する場合を説明する。図示の状態は、先行用紙P1は既に切断されており、後続用紙(図示の例では2枚目の用紙P)P2は切断されていない。この先行用紙P1の先端P1Lが待機位置に到達した場合、先行用紙P1と後続用紙P2との用紙間距離X3を維持するため、先行用紙P1を停止させることにともない後続用紙P2も停止する必要がある。
【0066】
このような用紙長の短い用紙Pを供給する場合、本実施の形態の給紙装置100は、上述の第1搬送モードおよび第2搬送モードとは異なる搬送モードで用紙Pの搬送を行う。
以下では、第1搬送モードおよび第2搬送モードとは異なる、第3搬送モードおよび第4搬送モードについてそれぞれ説明をする。
【0067】
<第3搬送モード>
まず、図11を参照しながら、第3搬送モードついて説明をする。なお、図11は、第3搬送モードにおける第1モータM1および第3モータM3の動作を示すタイミングチャートである。また、図11(および後述する図12−1)においては、先行用紙P1を符号(1)で示し、後続用紙P2を符号(2)で示す。
【0068】
第3搬送モード(第3搬送制御)では、先行用紙P1を切断した後、先行用紙P1を待機位置に搬送しながら、後続用紙P2の理想切断箇所をカッタ23へと搬送する。そして、理想切断箇所がカッタ23へ搬送された状態で後続用紙P2を停止させ、カッタ23によって切断が行われる。
【0069】
具体的には、第1モータM1および第3モータM3は次のように動作する。
まず、第1モータM1が駆動することで先行用紙P1の搬送を開始(t111)し、第2モータM2も回転させた後、第1モータM1および第2モータM2を停止させ、先行用紙P1の理想切断箇所をカッタ23で停止させる(t112)。すなわち、先行用紙P1の切断位置への搬送が完了する。この状態においてカッタ23により、先行用紙P1が理想切断箇所で切断される(t113、符号C1参照)。
【0070】
次に、切断された先行用紙P1は、第3モータM3(および第2モータM2)の駆動を受け搬送が開始される(t114)。なお、本実施例では第3モータM3が用紙Pの切断後に駆動される例を示したが、第3モータM3および第1モータM1で駆動される搬送ロールの距離が近い場合などは、予めループを形成しておき、第1モータM1停止時もカットループがなくならない程度に第3モータM3を駆動させ続けることによって、生産性を向上させてもよい。そして、先行用紙P1の後端P1T(図10参照)が、後続用紙P2の先端P2Lから予め定めた用紙間距離X3(図10参照)となる位置まで搬送された後に、第1モータM1が駆動し、後続用紙P2の搬送が開始される(t115)。
【0071】
そして、搬送制御部30が監視する出力パルス数OTPが減速開始パルス数DSPに達する(t116、減速開始タイミングS1参照)と、第1モータM1は減速を開始する。そして、後続用紙P2の理想切断箇所をカッタ23で停止させる(t118)。すなわち、後続用紙P2の切断位置への搬送が完了する。この状態においてカッタ23により、後続用紙P2が理想切断箇所で切断される(t119、符号C2参照)。
【0072】
また、第3モータM3は、先行用紙P1の先端P1Lを待機位置に搬送するため、減速を開始して(t117、減速開始タイミングS2参照)停止する。そして、画像形成制御部60からの給紙信号を受けることにより、第3モータM3が駆動され先行用紙P1が画像形成装置200へと排出される(t110)。
【0073】
<第4搬送モード>
次に、図12−1および図12−2を参照しながら第4搬送モードについて説明をする。なお、図12−1は、第4搬送モードの第1モータM1および第3モータM3の動作を説明するためのタイミングチャートである。また、図12−2は、図12−1の待機のための停止している区間における用紙Pとカッタ23の状態を示した図である。
まず、図12−1(a)に示すように、比較例として、指定用紙長が予め定めた範囲にある場合に、第3搬送モードで搬送すると、先行用紙P1を切断後(t1210)、後続用紙P2をカッタ23へ搬送している際に、第3モータM3が先行用紙P1の先端P1Lが待機位置に到達するための減速開始タイミングS1に到達する(t1211)。そして、用紙間隔を維持するため、第3モータM3とともに第1モータM1を減速させ、停止させる。
【0074】
停止した第1モータM1は、待機が解除され先行用紙P1が搬送開始されるとともに、後続用紙P2の理想切断箇所をカッタ23へ到達させるため、再び後続用紙P2の搬送も開始する(t1212)。ここで、第1モータM1を加速させている際に、第1モータM1の出力パルス数OTPが減速開始パルス数DSPに到達する(t1213、減速開始タイミングS2参照)場合がある。
【0075】
さらに説明すると、図12−2(a)に示すように、第1モータM1を一旦停止させた後、再び駆動させた際に、停止している後続用紙P2の理想切断箇所からカッタ23までの距離aが短いために、第1モータM1が駆動を再開してからすぐに理想切断箇所がカッタ23に到達する場合がある。
そして、この場合、図12−1(a)に示すように、第1モータM1は、一旦定速までの加速が完了した後に減速を開始する(t1214)。したがって、停止パルス数STPと、実際に第1モータM1が停止するパルス数とがずれる(着色部参照)。その結果として、切断された用紙Pの用紙長が指定用紙長よりも長くなる。なお、図12−2(a)における実質切断箇所と理想切断箇所との距離が、図12−1(a)における着色部に対応する。
【0076】
そこで、第4搬送モード(第4搬送制御)においては、図12−1(b)に示すように用紙Pの搬送を行う。具体的には、先行用紙P1の先端P1Lを、排出口27まで搬送させずに、排出口27よりも搬送方向上流側で停止させる(t1221)。すなわち待機位置よりも手前で先行用紙P1を一旦停止させる(図12−2(b)の距離X5参照)。このとき、先行用紙P1と後続用紙P2との用紙間隔X3を維持するため、後続用紙P2を搬送する第1モータM1も停止させる。
次に、第1モータM1が再び後続用紙P2の搬送を開始する(t1222)。そして、定速までの加速が完了した後に、出力パルス数OTPが減速開始パルス数DSPに達する(t1223、減速開始タイミングS2参照)と、第1モータM1は減速を開始する。
【0077】
さらに説明をすると、図12−2(b)に示すように、この実施の形態においては、後続用紙P2の理想切断箇所からカッタ23までの距離を、第1モータM1の最小搬送距離よりも短くならないようにする。ことのことにより、実質切断箇所と理想切断箇所とのずれを抑制し、図示の例においては、用紙長が指定用紙長よりも長くなることが抑制される。
【0078】
なお、第2搬送モードにおいては、図12−1(c)に示すように用紙Pの搬送を行ってもよい。具体的には、図12−1(a)に示す場合と比較して、先行用紙P1を切断した(t1210)後に、後続用紙P2の理想切断箇所をカッタ23へ搬送をする搬送開始タイミングを遅らせる。すなわち、先行用紙P1と後続用紙P2との距離を広げ、用紙間距離X3より大きい用紙間隔X6とする。
図示の例においては、第3モータM3先行用紙P1の先端P1Lが待機位置に到達するための減速開始タイミングS1に到達した後に(t1232)、後続用紙P2の搬送を開始する(t1233)。このことにより、後続用紙P2の用紙長が指定用紙長よりも長くなることが抑制される。
【0079】
<第3搬送モードおよび第4搬送モードの切り替え>
次に、図13を参照しながら、第3搬送モードおよび第4搬送モードの切り替え動作を説明する。なお、図13は、搬送制御部30の処理の流れを示すフローチャートである。
まず、搬送制御部30は、総合制御部90から指定用紙長を含む指示情報を受け付ける(ステップ1301)。
【0080】
次いで、搬送制御部30は、第1モータM1を駆動させ用紙Pの搬送を開始する(ステップ1302)とともに、第1モータM1および第3モータM3の出力パルス数OTPの監視を開始する(ステップ1303)。そして、カッタ23により先行用紙P1を指定用紙長で切断する(ステップ1304)。
次いで、搬送制御部30は、後続用紙P2の指定用紙長に基づき、後続用紙P2の停止パルス数STPを算出する(ステップ1305)。また、先行用紙P1の指定用紙長に基づき、先行用紙P1を待機位置に配置するまでに要する所要パルス数WTP(=先行用紙P1の減速開始パルス数DSP−第3モータM3の出力パルス数OTP)を算出する(ステップ1306)。
【0081】
そして、搬送制御部30は、第1モータM1の出力パルス数OTP、所要パルス数WTPおよび加減速パルス数ADPの和が、停止パルス数STP以下であるか否かを判断する(ステップ1307)。そして、第3モータM3の出力パルス数OTP、所要パルス数WTPおよび加減速パルス数ADPの和が、停止パルス数STP以下である場合(YES)、搬送制御部30は第3搬送モードで第1モータM1を動作させ(ステップ1308)、停止パルス数STPよりも大きい場合(NO)、第4搬送モードで第1モータM1を動作させる(ステップ1309)。
【0082】
なお、図示の例においては、先行用紙P1を切断した後に、適用する搬送モード(第3搬送モードおよび第4搬送モード)を決定することを説明したが、これに限定されない。例えば指示情報を受け付けた後であって先行用紙P1を切断する前に、搬送モードを決定してもよい。
【0083】
<第1搬送モード〜第4搬送モードの切り替え>
さて、上述の実施の形態においては、第1搬送モードおよび第2搬送モードの切り替えと、第3搬送モードおよび第4搬送モードの切り替えとをそれぞれ説明した。
ここで、搬送制御部30は、指定用紙長に応じて、第1搬送モード〜第4搬送モードを切り替えるものとして把握することができる。
【0084】
例えば、総合制御部90からの指定用紙長が、用紙Pの理想切断箇所をカッタ23へ搬送する際に、第1モータM1の加速時に減速開始パルス数DSPに到達する長さL1以上である場合と、指定用紙長が長さL1よりも小さくかつカッタ23から排出口27までの距離X2と等しい長さL2以上である場合と、指定用紙長が長さL2より小さくかつ後続用紙P2を搬送している第1モータM1の加速時に第1モータM1が先行用紙P1を待機位置に配置するための減速開始パルス数DSPに達する長さL3以上である場合と、指定用紙長が長さL3よりも小さい場合とで、搬送モードを切り替えてもよい。
【0085】
具体的には、図14に示すように、搬送制御部30を動作させる。なお、図14は、搬送制御部30の処理の流れを示すフローチャートである。
まず、搬送制御部30が、総合制御部90からの指定用紙長を含む指示情報を受け付ける(ステップ1401)。そして、指定用紙長が長さL1以上であるか否かを判断する(ステップ1402)。指定用紙長が長さL1以上である場合(YES)、第1搬送モードで第1モータM1を動作させる(ステップ1405)。
【0086】
一方、指定用紙長が長さL1よりも小さい場合(NO)、指定用紙長が長さL2以上であるか否かを判断する(ステップ1403)。指定用紙長が長さL2以上である場合(YES)、第2搬送モードで第1モータM1を動作させる(ステップ1406)。
一方、指定用紙長が長さL2よりも小さい場合(NO)、指定用紙長が長さL3以上であるか否かを判断する(ステップ1404)。指定用紙長が長さL3以上である場合(YES)は、第3搬送モードで第1モータM1を動作させ(ステップ1407)、指定用紙長が長さL3よりも小さい場合(NO)は、第4搬送モードで第1モータM1を動作させる(ステップ1408)。
【0087】
<他の実施形態>
さて、上述の実施の形態における第2搬送モードおよび第4搬送モードでは、それぞれ用紙Pにおける理想切断箇所をカッタ23まで送り込むことで、実質切断箇所と理想切断箇所とのずれを抑制することを説明したが、実質切断箇所を、理想切断箇所とのずれが生じないカッタ23の搬送方向上流側の位置で予め停止させる構成であってもよい。
【0088】
<第5搬送モード>
まず、図15−1および図15−2を参照しながら他の実施形態における第2搬送モードに対応する第5搬送モードについて説明をする。なお、図15−1は、第5搬送モードの第1モータM1の動作を説明するためのタイミングチャートである。また、図15−2は、図15−1の待機のための停止している区間における用紙Pとカッタ23の状態を示した図である。
【0089】
図15−1(a)に比較例として示すように、第1モータM1が加速している際に、出力パルス数OTPが減速開始パルス数DSPに到達する場合(t1511、減速開始タイミングS2参照)、図15−2(a)に示すように、用紙Pの実質切断箇所が理想切断箇所よりも後端側にずれ、切断された用紙Pの用紙長が指定用紙よりも長くなる。
【0090】
そこで、この実施の形態においては、図15−1(b)に示すように用紙Pの搬送を行う。すなわち、第5搬送モードにおいては、第1搬送モードとは異なり、第1モータM1が用紙Pの理想切断箇所をカッタ23へ搬送するよりも前に停止させない。このとき、先端PLが排出口27に到達するタイミングに基づき定められる減速開始タイミングS1(t1521)よりも、実際に第1モータM1が減速を開始するタイミング(t1522、減速開始タイミングS2参照)を遅らせ、第1モータM1を停止パルス数STPで停止させる。
【0091】
さらに説明をすると、図15−2(b)に示すように、この実施の形態においては、第1モータM1の駆動を継続し、用紙Pの理想切断箇所をカッタ23まで送り込む。このことにより、上述した実質切断箇所と理想切断箇所とのずれを抑制し、図示の例においては、用紙長が指定用紙長よりも長くなることが抑制される。ここで、第5搬送モードでは、用紙Pの理想切断箇所を予めカッタ23まで送り込むことから、停止させた第1モータM1を、理想切断箇所をカッタ23に配置するために再度駆動させることが必要なくなり、生産性を向上させ得る。
【0092】
なお、第1モータM1が減速を開始するタイミングを遅らせることで、用紙Pにたるみが発生するが、図示の例においては、このたるみを第1モータM1だけでなく第2モータM2も動かし、通常のカットのためのループよりも大きなループを可動式搬送経路25で生じさせる。
【0093】
また、第5搬送モードは、第1モータM1の加速期間あるいは減速期間に、減速開始パルス数DSPに到達することを回避するため、第1搬送モードとの比較において、可動式搬送経路25に形成されるループの量(撓み量)を変化させる態様として捉えることができる。また、上記では、用紙Pの理想切断箇所を予めカッタ23まで送り込むこと、すなわちループの量を第1搬送モードと比較して増加させることを説明したが、いずれの場所でたるみを吸収しても構わない。
【0094】
また、第5搬送モードで動作させた場合に、理想切断箇所をカッタ23に到達させるまでに、可動式搬送経路25が許容(吸収)できる最大撓み量以上(例えば可動板251(図3(a)参照)の移動可能範囲以上)に用紙を撓ませることが必要な場合には、第1搬送モードで動作させるようにしてもよい。
【0095】
<第6搬送モード>
次に、図16−1および図16−2を参照しながら第4搬送モードに対応する第6搬送モードについて説明をする。なお、図16−1は、第6搬送モードの第1モータM1および第3モータM3の動作を説明するためのタイミングチャートである。また、図16−2は、図16−1の待機のための停止している区間における用紙Pとカッタ23の状態を示した図である。
【0096】
図16−1(a)に比較例として示すように、第3モータM3が先行用紙P1の先端P1Lが待機位置に到達することにともない第1モータM1を停止させた後(t1611)、第1モータM1が加速している際に、出力パルス数OTPが減速開始パルス数DSPに到達する場合(t1612、減速開始タイミングS2参照)がある。この場合、図16−2(a)に示すように、後続用紙Pの実質切断箇所が、理想切断箇所よりも後端側にずれ、切断された用紙Pの用紙長が指定用紙よりも長くなる。
【0097】
そこで、この実施の形態においては、図16−1(b)に示すように用紙Pの搬送を行う。具体的には、第6搬送モードにおいては、第3搬送モードと異なり、第1モータM1が後続用紙P2の理想切断箇所をカッタ23へ搬送するよりも前に停止させない。このとき、先行用紙P1の先端P1Lが排出口27に到達するタイミングに基づき定められる減速開始タイミングS1(t1621)よりも、実際に第1モータM1が減速を開始するタイミング(t1622、減速開始タイミングS2参照)を遅らせて、第1モータM1を停止パルス数STPで停止させる。
このとき、図16−2(b)に示すように、後続用紙P2の理想切断箇所をカッタ23まで送り込むことで、用紙間距離X4は、用紙間距離X3よりも小さくなるものの、ゼロよりは大きくすることにより、先行用紙P1と後続用紙P2とが接触し紙詰まりが発生することが抑制される。
【0098】
なお、この第4搬送モードにおいては、先行用紙P1の先端P1Lが排出口27に到達するタイミングで、後続用紙P2の先端P2Lの搬送を停止させ、用紙間距離X3を維持しながら用紙Pどうしが重ならないようにしつつ、後続用紙P2の理想切断箇所が搬送されるようにしてもよい。この場合、可動式搬送経路25において後続用紙P2に通常のカットループよりも大きなループを発生させることにより、余分な長さの用紙Pを吸収する。
【0099】
<変形例>
次に、図17を参照しながら、上記実施の形態の変形例を説明する。なお、図17は、変形例の概略構成を示した図である。
上記の説明においては、第1モータM1、第2モータM2および第3モータM3を設け、これらの速度差により、用紙Pに撓みを形成することを説明した。しかしながら、第2モータM2を設けることは必須ではなく、第2モータM2を設けない構成であってもよい。
【0100】
また、図17に示すように、第1モータM1のみを設けるとともにクラッチのオン/オフにより、用紙Pに撓みを形成する構成であってもよい。なお、図17に示す例においては、第1モータM1が、給紙部10と、給紙部10に対して搬送方向下流側に設けられた第1ロール11とをそれぞれ駆動するように構成されている。
【0101】
また、上記の説明においては、可動式搬送経路25を設ける構成を説明したが、用紙Pの撓みの発生が許容される空間が用紙搬送経路Rに対峙して形成されていれば、他の構成であってもよい。例えば、図17に示すように、用紙Pを搬送する経路を構成する第1用紙搬送経路31および第2用紙搬送経路33が、カッタ23を挟んで設けられる構成において、第2用紙搬送経路33の片側が開放部33aを設け、この開放部33aにおいて用紙Pに撓みを形成させてもよい。なお、開放部33aよりも用紙搬送方向上流側であって、用紙Pのカッタ23よりも用紙搬送方向下流側に第1ロール11を設けると、用紙Pのカッタ23に対向する部分において用紙Pが撓むことが抑制される。
【0102】
さて、図8−1および図12−1等の説明においては、用紙Pの後端側をカッタ23まで多く送り込むことで対応することを説明した。ここで、上記では待機位置を排出口27に定めたが、排出口27よりも用紙搬送方向上流側に待機位置を定めてもよい。この場合、用紙長が閾値より短い場合には、用紙Pの先端PLを、排出口27から突出させることなく、待機位置よりも用紙搬送方向下流側まで送り込むことができる。
なお、上記の説明においては、第1モータM1および第2モータM2を、第3モータM3よりも後に停止させることにより、用紙Pを送り込むことを説明したが、より用紙搬送方向上流側に位置する第1モータM1および第2モータM2の回転数を、第3モータM3の回転数よりも早くすることで、第1モータM1乃至第3モータM3を同時に停止させてもよい。
【0103】
また、上記の説明においては、ステッピングモータを用いることを説明したが、DCモータ等他の態様のモータを用いてもよい。その場合は、DCモータをオンからオフに切り替えることにともない、モータが慣性でどの程度回転するかを予め実験により求めて、その結果に応じて閾値を定めてもよい。
【0104】
上記の説明においては、第1搬送モード乃至第4搬送モードのいずれかを適用して第1モータM1を動作させることを説明したが、例えば、先行用紙P1に第1搬送モードあるいは第2搬送モードを適用し、後続用紙P2に第3搬送モードあるいは第4搬送モードを適用するように、搬送モードを用紙Pごとに切り替える構成であってもよい。また、先行用紙P1に第1搬送モードあるいは第2搬送モードを適用し、後続用紙P2に第3搬送モードあるいは他の実施例に記載している第6搬送モードを適用するように、搬送モードを用紙Pごとに切り替える構成であってもよい。そのように構成した場合、常にぎりぎりの位置で待機ができ、かつ用紙間隔も狭まらないという状態になる。
【0105】
また、上記の説明においては、第1モータM1の動作として説明をしたが、例えば第2モータM2に、上記と同様に第1搬送モード乃至第4搬送モードを適用してももちろんよい。
また、先行用紙P1と後続用紙P2とで指定用紙長が異なる場合であっても、本実施の形態を適用することができる。
【0106】
また、上記の説明においては、画像形成装置200の画像形成制御部60からの指示情報を契機として、給紙装置100からの給紙を開始することを説明したが、これに限定されない。例えば、図示の例とは異なり、用紙Pに綴じ処理等を施す所謂後処理装置からの給紙指示情報を契機とする場合等、用紙Pの先端PLを停止させた後に給紙装置100から給紙を開始する構成において、本実施の形態を適用してもよい。
【0107】
さらに、先行用紙P1が紙詰まりを起こし次に切断される後続用紙P2が待機する場合に適用してもよい。この場合、先行用紙P1のジャムを検出して、後続用紙P2を停止させる際に、カッタ23と理想切断箇所の位置が近すぎる場合は、総合制御部90がカッタ23まで理想切断箇所を送ってから、後続用紙P2を止め、紙詰まりを起こした先行用紙P1を取り除いた後に、後続用紙P2に画像を形成してもよい。なお、先行用紙P1と後続用紙P2との用紙長が同じ場合は、紙詰まりを起こした用紙P1形成する画像を、後続用紙P2に形成してもよい。
【符号の説明】
【0108】
1…画像形成システム、10…給紙部、23…カッタ、25…可動式搬送経路、27…排出口、30…搬送制御部、60…画像形成制御部、90…総合制御部、100…給紙装置、200…画像形成装置、300…制御装置、P…用紙、UI…ユーザインターフェイス
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8-1】
図8-2】
図9
図10
図11
図12-1】
図12-2】
図13
図14
図15-1】
図15-2】
図16-1】
図16-2】
図17