(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第2ネットワークと前記第1ネットワークとが異なる場合に、前記第2種のインターフェイスを利用して前記通信対象デバイスと通信を実行するために用いる第3識別情報を前記第2通信手段によって取得し、取得した前記第3識別情報に基づいて前記第2種のインターフェイスを利用して前記通信対象デバイスとの間の通信を実行する第3通信手段と、
前記第2ネットワークと前記第1ネットワークとが異なる場合に、前記第2識別情報を、前記複数の属性の種類の少なくとも1つに対応付けて前記記憶部の第2記憶領域に記憶させるとともに、所定の条件が成立することに応じて前記第2識別情報を前記第2記憶領域から削除させる第3記憶制御手段と、
して前記情報処理装置をさらに機能させ、
前記第1表示制御手段は、前記第2記憶領域に記憶されている前記第2識別情報であって、前記属性指定操作が指定した一の属性の種類に対応付けられている前記第2識別情報を示す識別情報画像を前記表示部にさらに表示させ、
第1通信手段は、前記第1表示制御手段によって前記表示部に表示された識別情報画像のうち何れか1つを指定する画像指定操作を前記操作部が受け付けた場合に、画像指定操作が指定した識別情報画像に対応する第2識別情報が識別するデバイスへ、前記属性指定操作が指定した一の属性の種類に応じた処理を実行する指示を、前記第2種のインターフェイスを用いて送信させることを特徴とする請求項1に記載の情報処理プログラム。
前記所定の条件は、前記第2記憶領域に前記第2識別情報を記憶させてから、予め定められた設定時間が経過することであることを特徴とする請求項2に記載の情報処理プログラム。
前記所定の条件は、前記第2種のインターフェイスを用いた前記通信対象デバイスへの接続が切断されることであることを特徴とする請求項2に記載の情報処理プログラム。
前記第2通信手段は、前記第2ネットワークを識別する第2ネットワーク識別情報を、前記第1種のインターフェイスを利用した通信によって前記通信対象デバイスへさらに送信し、
前記第2記憶制御手段は、前記第1ネットワークと前記第2ネットワークとが異なることを示す第1情報を前記第1種のインターフェイスを利用して前記通信対象デバイスから受信することに応じて、前記第1ネットワークと前記第2ネットワークとが異なると判断することを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の情報処理プログラム。
前記第2通信手段は、前記第1ネットワークを識別する第1ネットワーク識別情報を、前記第1種のインターフェイスを利用した通信によって前記通信対象デバイスからさらに取得し、
前記第2記憶制御手段は、前記第2通信手段で取得した前記第1ネットワーク識別情報と、前記第2ネットワークを識別する第2ネットワーク識別情報とが異なる場合に、前記第1ネットワークと前記第2ネットワークとが異なると判断することを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の情報処理プログラム。
前記第1表示制御手段は、前記第2識別情報を示す識別情報画像を前記表示部に表示させる場合には、前記第1識別情報を示す識別情報画像を前記表示部に表示させないことを特徴とする請求項2に記載の情報処理プログラム。
【発明を実施するための形態】
【0018】
<ネットワーク10の構成>
図1は、ネットワーク10の構成を示すブロック図である。ネットワーク10は、情報処理装置100、MFP51および52、第1アクセスポイント501、第2アクセスポイント502、を備えている。ここで、MFPとは、印刷機能、スキャン機能、コピー機能を備える多機能周辺装置(Multifunction Peripheral)を示す。
【0019】
情報処理装置100のNFC通信I/F112は、NFC(Near Field Communicationの略)方式の無線通信153を介して、MFP51のNFC通信I/F36と通信を行うことができる。本実施例では、ISO/IEC21481又は18092の国際標準規格に基づいて、NFC方式に従った無線通信が実行される。
【0020】
情報処理装置100の無線LAN_I/F105は、無線LAN方式の無線通信151および154を介して、MFP51の無線LAN_I/F34とインフラストラクチャーモードの無線通信を行うことができる。また、無線LAN_I/F105は、無線LAN方式の無線通信152を介して、MFP52とインフラストラクチャーモードの無線通信を行うことができる。また、無線LAN_I/F105は、WiFi Direct(以下、WFDと記載する)方式の無線通信155を介して、MFP51の無線LAN_I/F34と直接に通信を行うことができる。また、情報処理装置100は、WFD方式に従って、MFP51との接続を確立することによって、WFDネットワークを構築することができる。
【0021】
WFD方式の無線通信は、ワンタイムSSIDを用いて確立される場合がある。ワンタイムSSIDは、WFD方式の無線通信の確立を試行するたびに、異なる文字列が使用されるSSIDである。あるWFD方式の無線通信を確立するために使用したワンタイムSSIDは、他のWFD方式の無線通信を確立する際に用いることはできない。また、WFD方式の無線通信では、切断条件(例:所定の通信の完了、所定の時間の経過)が成立すると、通信の接続が切断される場合がある。これは、WFD方式の無線通信のセキュリティ性を向上させるためである。従って、WFD方式の無線通信は、後で使用できなくなる可能性のある通信経路であると言える。なお、WFDでは、IEEE(The Institute of Electrical and Electronics Engineers, Inc.の略)の802.11の規格、及び、それに準ずる規格(例えば802.11a,11b,11g,11n等)に基づいて、無線通信が実行される。
【0022】
第1アクセスポイント501、MFP51、スキャナ61およびカラーレーザープリンタ71によって、ネットワークN1が形成されている。第2アクセスポイント502、MFP52、スキャナ62およびカラーレーザープリンタ72によって、ネットワークN2が形成されている。第1アクセスポイント501および第2アクセスポイント502の各々は、SSID(Service Set Identifierの略)を有している。SSIDは、第1アクセスポイント501および第2アクセスポイント502の各々を識別するための名前である。情報処理装置100は、プリント&スキャンアプリケーション121を実行することで、印刷要求やスキャン要求を、無線LAN_I/F105を用いた通信によって、MFP51および52、スキャナ61および62、カラーレーザープリンタ71および72、に送信することができる。
【0023】
<情報処理装置100の構成>
情報処理装置100は、例えば携帯電話や携帯端末装置などの携帯型の装置である。情報処理装置100は、表示手段102、タッチパネル103、入力I/F104、無線LAN_I/F105、NFC通信I/F112、CPU(Central Processing Unitの略)106、ROM(Read Only Memoryの略)107、RAM(Random Access Memoryの略)108、記憶部109、タイマー111などを備えている。これらの要素は、入出力ポート110を介して互いに接続されている。
【0024】
表示手段102は、CPU106から出力される画信号を受信し、受信した画信号に基づく画像を表示する。表示手段102としては、例えばLCDや、有機ELパネルなどを用いることができる。タッチパネル103は透明な部材により形成され、表示手段102の表面を覆うようにして配設されている。タッチパネル103は、ユーザの指などによりタッチされた位置を検出し、検出した位置情報をCPU106へ出力する。入力I/F104は、例えば操作ボタンである。タイマー111は、予め定められた設定時間の経過を測定する部位である。
【0025】
NFC通信I/F112は、NFC方式の無線通信153を実行するためのインターフェイスである。NFC方式の無線通信153を確立するためには、通信設定のための各種の情報(例:IPアドレス、SSIDなど)は不要である。無線LAN_I/F105は、無線LAN方式の無線通信151、152、155を実行するためのインターフェイスである。無線LAN方式の無線通信151、152、155の通信可能な距離は、NFC方式の無線通信153の通信可能な距離よりも大きい。また、無線LAN方式の無線通信151、152、155の通信速度は、NFC方式の無線通信153の通信速度よりも速い。また、NFC方式と無線LAN方式では、使用する周波数帯が異なる。
【0026】
CPU106は、記憶部109に記憶されるプログラムを実行する。RAM108はCPU106の処理に必要な情報を一時的に記憶する。記憶部109は、フラッシュメモリ、HDD(ハードディスク)、CPU106が備えるバッファなどが組み合わされて構成されている。記憶部109には、画像データや、文書データなどが記憶可能である。記憶部109は、プログラム120を記憶している。プログラム120は、プリント&スキャンアプリケーション121(以下、アプリケーション121と記載する)、および、オペレーティングシステム124(以下、OS124と記載する)を含んでいる。CPU106は、プログラム120に従って処理を実行する。ここで以降、アプリケーション121やOS124など、プログラムを実行するCPU106のことを、単にプログラム名でも記載することにする場合がある。例えば「アプリケーション121は」という記載は、アプリケーション121を実行するCPU106は」を意味する場合がある。
【0027】
アプリケーション121は、情報処理装置100からMFP51等へ印刷命令を送信する処理などを、CPU106に実行させるためのアプリケーションである。OS124は、アプリケーション121等に共通して利用される、基本的な機能を提供するプログラムである。OS124は、無線LAN_I/F105やNFC通信I/F112に無線通信を実行させるためのプログラム等を含んでいる。またOS124は、各種のハードウェアが取得した情報を各プログラムが取得するための、もしくは、各プログラムが各種ハードウェアに指示をするためのAPI(Application Programming Interfaceの略)を提供するプログラムでもある。
【0028】
また記憶部109は、デフォルトデバイステーブルTB1、一時使用デフォルトデバイステーブルTB2を記憶する。デフォルトデバイステーブルTB1は、デフォルトデバイスを識別するためのデフォルトデバイス識別情報600や、デフォルトネットワークを識別するためのデフォルトネットワークSSIDを記憶しておくテーブルである。デフォルトデバイスは、用途ごとに設定される1のデバイスである。デフォルトデバイスは、ある用途に関する処理を実行可能なデバイスが、その用途に対して複数存在する場合に、当該複数のデバイスの中で優先的に使用されるデバイスである。デフォルトネットワークは、情報処理装置100の無線LAN_I/F105を利用した通信の通信先として設定されているネットワークである。デフォルトデバイスが含まれているネットワークを、デフォルトネットワークとして設定してもよい。
【0029】
図6に、デフォルトデバイステーブルTB1の一例を示す。デフォルトデバイステーブルTB1は、写真印刷611、ウェブ印刷612、スキャン613、の3種類の用途のそれぞれに対して、記憶領域を備える。写真印刷611の用途の記憶領域には、写真印刷に対して設定されているデフォルトデバイスを識別するための情報が記憶される。写真印刷では、情報処理装置100がJPEGやBitmap、GIFなどの画像データの印刷要求を、印刷機能を有するデバイスへ送信し、デバイスに印刷を実行させる処理が行われる。ウェブ印刷612の用途の記憶領域には、ウェブ印刷に対して設定されているデフォルトデバイスを識別するための情報が記憶される。ウェブ印刷では、情報処理装置100がウェブページの印刷要求を、印刷機能を有するデバイスへ送信し、デバイスに印刷を実行させる処理が行われる。スキャン613の用途の記憶領域には、スキャンに対して設定されているデフォルトデバイスを識別するための情報が記憶される。スキャンでは、情報処理装置100が、スキャン機能を有するデバイスへスキャン要求を送信し、デバイスにスキャンを実行させる処理が行われる。
【0030】
デフォルトデバイステーブルTB1では、デバイスに関する情報として、デフォルトデバイス識別情報600、デフォルトネットワークSSID603、処理設定604、が記憶されている。デフォルトデバイス識別情報600は、デフォルトデバイスを識別するための情報であり、型番601およびIPアドレス602を備える。型番601は、各デバイスの種類を識別するための情報である。第1の実施形態では、MFP51のデバイスの型番601は、「Ink-MFP1」である。また、スキャナ61のデバイスの型番601は、「Scan-1」である。また、カラーレーザープリンタ71のデバイスの型番601は、「Laser-1」である。IPアドレス602は、各デバイスに割り当てられた、通信に用いられる識別番号である。デフォルトネットワークSSID603は、デフォルトネットワークを構成しているアクセスポイントを識別するための、当該アクセスポイントの名称である。処理設定604は、各用途を実行する際の各種の設定を表す情報である。処理設定604の一例としては、カラーモードや、画像処理サイズ(例:A4サイズ、L判サイズ)などが挙げられる。
【0031】
図6のデフォルトデバイステーブルTB1の例では、写真印刷611の用途に関する処理を実行可能なデバイスが、写真印刷611の用途に対して複数存在(MFP51および52、カラーレーザープリンタ71および72)する場合に、当該複数のデバイスの中で優先的に使用されるデバイスとして、MFP51が設定されていることが分かる。
【0032】
図7の一時使用デフォルトデバイステーブルTB2は、一時使用デフォルトデバイスを識別するための一時使用デフォルトデバイス識別情報や、一時使用デフォルトネットワークを識別するための一時使用デフォルトネットワークSSIDを記憶しておくテーブルである。一時使用デフォルトデバイスは、一時的な通信経路を用いて各種の処理を実行する場合における、用途ごとに設定される1のデバイスである。一時的な通信経路の一例としては、ワンタイムSSIDを用いて確立される、WFD方式の通信経路が挙げられる。なお、一時使用デフォルトデバイステーブルTB2の記憶内容は、デフォルトデバイステーブルTB1と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0033】
<MFP51の構成>
MFP51の構成について説明する。MFP51は、CPU32、記憶部33、無線LAN_I/F34、NFC通信I/F36、ボタン入力部38、パネル39、プリンタ19、スキャナ20、を主に備えている。これらの構成要素は、入出力ポート43を介して互いに通信可能とされている。
【0034】
CPU32は、記憶部33に記憶されるプログラム21を実行する。記憶部33は、RAM、ROM、フラッシュメモリ、HDD(ハードディスクの略)、CPU32が備えるバッファなどが組み合わされて構成されている。記憶部33は、プログラム21を記憶する。プログラム21は、OS29等を含んでいる。
【0035】
NFC通信I/F36は、NFC方式の無線通信153を実行するためのインターフェイスである。無線LAN_I/F34は、無線LAN方式の無線通信154、155を実行するためのインターフェイスである。ボタン入力部38は、MFP51の各機能を実行するためのキーである。ボタン入力部38は、タッチパネルとして、パネル39と一体に構成されていてもよい。パネル39は、MFP51の各種機能情報を表示する。プリンタ19は、記憶部33に記憶されている画像データを用いて印刷を実行する部位である。スキャナ20は、読み取りを実行する部位である。なおMFP52も、MFP51と同様の構成を備えているが、図面の簡略化のため、
図1への図示を省略している。
【0036】
<アプリケーション121の動作>
以下、
図2ないし
図5を用いて、アプリケーション121に従いCPU106が各部を制御する処理について説明する。アプリケーション121が起動されると、
図2のフローが開始される。S601においてアプリケーション121は、「写真印刷」、「ウェブ印刷」、「スキャン」の3種類の用途のうち、何れの用途を指定する用途指定操作を受け付ける。例えば、アプリケーション121は、表示手段102において、上記の3種類の用途の各々に対応するアイコンを表示手段102に表示させる。そして、アイコンが表示されている部位がタッチされたことを受け付けると、タッチされたアイコンが示す用途が指定されたと判断する。指定用途として「スキャン」が指定された場合はS618へ進む。一方、指定用途として「写真印刷」または「ウェブ印刷」が指定された場合は、S610へ進む。
【0037】
S610において、指定用途が「写真印刷」の場合には、アプリケーション121は、記憶部109に記憶されている画像データのサムネイルを表示手段102に一覧表示させる。またS610において、指定用途が「ウェブ印刷」の場合には、アプリケーション121は、ユーザから指示されたウェブページを表示手段102に表示させる。そして、表示させたウェブページを印刷対象とするよう指示するアイコンを、表示手段102へ表示させる。ウェブページ等の表示方法は、本発明の本質ではないのでここではその記載を省略する。
【0038】
S614においてアプリケーション121は、印刷対象の選択を受け付けたかを判断する。具体的には、アプリケーション121は、表示手段102においてサムネイルまたはアイコンが表示されている部位が、ユーザによりタッチされた否かを判断する。タッチされた場合は、タッチされた部位に表示されていたサムネイルの画像データを印刷対象とする指示、または、表示しているウェブページを印刷対象とする指示を受け付けたと判断し(S614:YES)、S618に進む。一方、印刷対象の選択を受け付けていないと判断した場合は(S614:NO)、S614へもどり判断を繰り返す。
【0039】
S618においてアプリケーション121は、S601で指定された指定用途に対して、一時使用デフォルトデバイスが設定されているか否かを判断する。具体的には、アプリケーション121は、一時使用デフォルトデバイステーブルTB2(
図7の例を参照)において、指定用途に対応する記憶領域を参照する。そして、型番701やIPアドレス702が記憶されているか否かを判断する。一時使用デフォルトデバイスが設定されていないと判断した場合(S618:NO)にはS703へ進み、設定されていると判断した場合(S618:YES)にはS622へ進む。S622においてアプリケーション121は、一時使用デフォルトデバイスに設定されているデバイスを識別するための情報(例:型番701)や、指示用途の実行命令を受け付けるアイコンなどを、表示手段102に表示させる。
【0040】
S703においてアプリケーション121は、S601で指定された指定用途に対して、デフォルトデバイスが設定されているか否かを判断する(S703)。具体的には、アプリケーション121は、デフォルトデバイステーブルTB1(
図6の例を参照)において、指定用途に対応する記憶領域を参照する。そして、型番601やIPアドレス602が記憶されているか否かを判断する。デフォルトデバイスが設定されていないと判断した場合(S703:NO)にはS806へ進み、デフォルトデバイスが設定されていると判断した場合(S703:YES)にはS704へ進む。S704において、アプリケーション121は、デフォルトデバイスに設定されているデバイスを識別するための情報(例:型番601)や、指示用途の実行命令を受け付けるアイコンなどを、表示手段102に表示させる。
【0041】
S806においてアプリケーション121は、NFC通信を開始することの報知情報を、OS124から受信したか否かを判断する。NFC通信は、情報処理装置100が、NFC通信I/Fを中心とする所定距離内に近接することによって開始される。所定距離は、例えば10cm程度であってもよい。報知情報をOS124から受信していない場合(S806:NO)には、S807へ進む。
【0042】
S807においてアプリケーション121は、表示されている型番等を選択する操作(デバイス指定操作)を、タッチパネル103が受け付けたか否かを判断する。これらの操作を受け付けていない場合(S807:NO)にはS806へ戻り、受け付けた場合(S807:YES)には、S910へ進む。
【0043】
S910においてアプリケーション121は、指定用途を実行する。例えば、指定用途が「写真印刷」の場合には、S702で選択を受け付けた画像データの印刷要求を、デフォルトデバイステーブルTB1または一時使用デフォルトデバイステーブルTB2から読み出したIPアドレス等を用いて、無線LAN_I/F105を用いた通信によって、デフォルトデバイスまたは一時使用デフォルトデバイスへ送信する。また指定用途が「ウェブ印刷」の場合には、S702で印刷対象とする指示を受け付けたウェブページの印刷要求を、無線LAN_I/F105を用いた通信によって、デフォルトデバイスまたは一時使用デフォルトデバイスへ送信する。また指定用途が「スキャン」の場合には、スキャン要求を、デフォルトデバイスまたは一時使用デフォルトデバイスへ送信する。そして、デフォルトデバイスまたは一時使用デフォルトデバイスから返信されたスキャンデータを、無線LAN_I/F105に受信させる。そして、S601へ戻る。
【0044】
一方、S806において、NFC通信を開始することの報知情報をOS124から受信した場合(S806:YES)には、S808へ進む。S808においてアプリケーション121は、S601で指定された指定用途に対して、一時使用デフォルトデバイスが設定されているか否かを判断する。判断方法は、前述したS618で行なわれる方法と同様であるため、説明を省略する。一時使用デフォルトデバイスが設定されていない場合(S808:NO)にはS816へ進み、設定されている場合(S808:YES)にはS810へ進む。
【0045】
S810においてアプリケーション121は、NFC通信を開始するデバイスと、指定用途に対して設定されている一時使用デフォルトデバイスと、が同一であるか否かを判断する。当該判断は、例えば、型番やIPアドレスが両デバイスで一致するか否かを判断することで行われても良い。両デバイスが一致する場合(S810:YES)にはS840へ進み、一致しない場合(S810:NO)にはS812へ進む。S812においてアプリケーション121は、タイマー111をオフにする。また、S814においてアプリケーション121は、一時使用デフォルトデバイステーブルTB2に記憶されている情報を全て削除する。そして、S816へ進む。
【0046】
S816においてアプリケーション121は、情報処理装置100が現在接続中のネットワークのSSIDを、OS124から取得する。S820においてアプリケーション121は、NFC方式の無線通信153を用いて、取得したSSIDを、通信対象デバイスへ送信する。
【0047】
S821においてアプリケーション121は、NFC方式の無線通信153を用いて、通信対象デバイスから通信対象デバイス識別情報を受信する。通信対象デバイス識別情報は、通信対象デバイスを識別するための情報である。通信対象デバイス識別情報の一例としては、通信対象デバイスの型番、通信対象デバイスのIPアドレス、通信対象デバイスが含まれているネットワークのSSIDおよび当該SSIDに対するパスワード、などが挙げられる。またアプリケーション121は、後述する一致判断情報を、通信対象デバイスから受信してもよい。
【0048】
S822においてアプリケーション121は、通信対象デバイスが含まれているネットワークと、情報処理装置100が現在接続中のネットワークと、が一致するか否かを判断する。当該判断は、例えば、
S821において通信対象デバイスから受信した、一致判断情報に基づいて行われても良い。一致判断情報は、通信対象デバイスが含まれているネットワークと、情報処理装置100が接続中のネットワークと、が一致するか否かを示す情報である。一致判断情報は、通信対象デバイスによって生成される。例えば、通信対象デバイスは、情報処理装置100が接続中のネットワークのSSID(当該SSIDは、S820において通信対象デバイスへ送信される)と、通信対象デバイスが属しているネットワークのSSID(当該SSIDは、例えば、通信対象デバイスの記憶部に記憶されている)と、が一致している場合に、両ネットワークが一致することを示す一致判断情報を生成してもよい。
【0049】
両ネットワークが一致する場合(S822:YES)には、情報処理装置100が接続中のネットワークを介して、情報処理装置100が、通信対象デバイスと通信を実行することができる場合であると判断される。よって、新たに通信経路を確立する処理を行う必要がないため、S824へ進む。
【0050】
S824においてアプリケーション121は、通信対象デバイスが含まれているネットワークのSSIDと、通信対象デバイスを識別するデバイス識別情報を、デフォルトデバイステーブルTB1における指定用途の欄に記憶させる。
【0051】
S826では、1つ目の非指定用途に対応付けてデフォルトデバイスを記憶させる、第1の登録処理が行われる。また、S828では、2つ目の非指定用途に対応付けてデフォルトデバイスを記憶させる、第2の登録処理が行われる。
【0052】
ここで、登録されるデフォルトデバイスは、S806において通信対象として選択された通信対象デバイス(すなわち、情報処理装置100がかざされたデバイス)である。例えば、S601で選択された指定用途が「写真印刷」の場合には、第1の登録処理では「ウェブ印刷」(1つ目の非指定用途)に対応付けてデフォルトデバイスが記憶され、第2の登録処理では「スキャン」(2つ目の非指定用途)に対応付けてデフォルトデバイスが記憶される。また、S601で選択された指定用途が「ウェブ印刷」の場合には、第1の登録処理では「スキャン」(1つ目の非指定用途)に対応付けてデフォルトデバイスが記憶され、第2の登録処理では「写真印刷」(2つ目の非指定用途)に対応付けてデフォルトデバイスが記憶される。また、S601で選択された指定用途が「スキャン」の場合には、第1の登録処理では「写真印刷」(1つ目の非指定用途)に対応付けてデフォルトデバイスが記憶され、第2の登録処理では「ウェブ印刷」(2つ目の非指定用途)に対応付けてデフォルトデバイスが記憶される。
【0053】
例として、「ウェブ印刷」の非指定用途に対応付けてデフォルトデバイスを記憶する処理を説明する。当該処理は、第1の登録処理(S826)または第2の登録処理(S828)で行われる。アプリケーション121は、デフォルトデバイステーブルTB1のウェブ印刷612の記憶領域に、型番601などが既に記憶されているか否かを判断する。既に記憶されている場合には、処理を終了する。まだ記憶されていない場合には、デフォルトデバイス識別情報600、デフォルトネットワークSSID603、および処理設定604を、デフォルトデバイステーブルTB1のウェブ印刷612の記憶領域にも記憶させる。
【0054】
なお、「スキャン」や「写真印刷」の非指定用途に対応付けてデフォルトデバイスを記憶する処理の内容は、前述した、「ウェブ印刷」の非指定用途に対応付けてデフォルトデバイスを記憶する処理の内容と同様である。
よってここでは説明を省略する。
【0055】
S840へ進むと、アプリケーション121は、無線LAN_I/F105を用いて、指定用途を実行するための各種データを、通信対象デバイスとの間で通信する。無線LAN_I/F105を用いた通信は、NFC通信I/F112を用いた通信よりも高速であるため、各種データをより短時間で通信することができる。指定用途の実行が完了するとS842へ進み、アプリケーション121は、トップメニュー画面を表示手段102に表示させる。そして、S601へ戻る。
【0056】
一方、S822において、通信対象デバイスが含まれているネットワークと、情報処理装置100が現在接続中のネットワークと、が一致しないと判断される場合(S822:NO)には、S823へ進む。S823においてアプリケーション121は、指定SSIDを、NFC方式の無線通信153を介して通信対象デバイスから受信する。指定SSIDは、通信対象デバイスによって指定されたSSIDである。また指定SSIDは、無線LAN_I/F105を利用して通信対象デバイスと通信を実行するために用いるSSIDである。
【0057】
S825においてアプリケーション121は、通信対象デバイスから受信した指定SSIDが、ワンタイムSSIDであるか否かを判断する。ワンタイムSSIDは、発行されるたびに異なる文字列を有するSSIDである。また、ワンタイムSSIDは、前述したWFD方式の無線通信を行うためのSSIDである。指定SSIDがワンタイムSSIDであるか否かを見分ける方法の一例としては、指定SSIDの文字列中に、ワンタイムSSIDであることを示す所定の文字列が含まれているか否かを判断する方法が挙げられる。また、所定の文字列の一例としては、ノードネームに含まれる“onetime”などの文字列が挙げられる。
【0058】
指定SSIDがワンタイムSSIDではない場合(S825:NO)には、アクセスポイントを介したインフラストラクチャーモードの無線LAN通信を、通信対象デバイスが指定してきた場合であると判断できる。よってS827へ進み、インフラストラクチャーモードの無線LAN通信を確立する。そして、S824へ進む。一方、S825において、指定SSIDがワンタイムSSIDである場合(S825:YES)には、WFD方式の無線通信を、通信対象デバイスが指定してきた場合であると判断され、S830へ進む。
【0059】
S830においてアプリケーション121は、ワンタイムSSIDと、通信対象デバイスを識別するデバイス識別情報を、一時使用デフォルトデバイステーブルTB2における指定用途の欄に記憶させる。
【0060】
S834では、1つ目の非指定用途に対応付けて一時使用デフォルトデバイスを記憶させる、第1の登録処理が行われる。また、S835では、2つ目の非指定用途に対応付けて一時使用デフォルトデバイスを記憶させる、第2の登録処理が行われる。なお、S834およびS835で行われる処理の内容は、前述したS826およびS828で行われる処理の内容と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0061】
S836においてアプリケーション121は、WFD方式の無線通信によって、通信対象デバイスと通信を実行する。具体的には、アプリケーション121は、S823で受信したワンタイムSSIDをOS124に提供することで、無線LAN_I/F105を用いたWFD方式の無線通信を、通信対象デバイスとの間で実行する。またアプリケーション121は、タイマー111をオンにすることで、設定時間の測定を開始する。そして、S840へ進む。
【0062】
図5を用いて、タイマー処理を説明する。
図5のフローは、S836においてタイマー111がオンにされることで開始されるフローである。S510においてアプリケーション121は、タイマー111がタイムアップしたか否か(すなわち、予め定められた設定時間が経過したか否か)を判断する。タイムアップしていない場合(S510:NO)にはS510へ戻り、タイムアップした場合(S510:YES)にはS514へ進む。
【0063】
S514においてアプリケーション121は、タイマー111をオフにする。S518においてアプリケーション121は、一時使用デフォルトデバイステーブルTB2に記憶されている情報を全て削除する。そしてフローを終了する。
【0064】
<第1の動作例>
第1の動作例では、情報処理装置100が、無線通信151によって、ネットワークN1に含まれている第1アクセスポイント501と接続状態である場合を説明する。また、ユーザが情報処理装置100をMFP51にかざす場合(すなわち、通信対象デバイスとしてMFP51が選択される場合)を説明する。また、ユーザが、1回目に「写真印刷」を実行し、2回目に「スキャン」を実行する場合を説明する。また、デフォルトデバイステーブルTB1に、何れの情報も記憶されていない場合を説明する。
【0065】
ユーザによって指定用途として「写真印刷」が指定され(S601:写真印刷)、印刷対象の選択が受け付けられる(S614:Y)。一時使用デフォルトデバイスは設定されておらず(S618:N)、デフォルトデバイスは設定されていないため(S703:N)、デフォルトデバイスを識別するための情報などは表示手段102に表示されない。ユーザが情報処理装置100をMFP51にかざすと、(S806:Y)、情報処理装置100が現在接続中のネットワークN1のSSID(すなわち、第1アクセスポイント501のSSID−1)がOS124から取得される(S816)。また、取得されたSSIDが、通信対象デバイスであるMFP51へ送信される(S820)。アプリケーション121は、NFC方式の無線通信153を用いて、MFP51から、MFP51を識別するための通信対象デバイス識別情報を受信する(S821)。
【0066】
通信対象デバイスであるMFP51が含まれているネットワークと、情報処理装置100が現在接続中のネットワークと、が共にネットワークN1であり一致するため(S822:Y)、MFP51のデフォルトデバイス識別情報600、ネットワークN1のSSID、および処理設定604が、デフォルトデバイステーブルTB1の写真印刷611の欄に記憶される(S824)(
図6、領域R1)。1つ目の非指定用途である「ウェブ印刷」に対応付けて、デフォルトデバイス識別情報600、ネットワークN1のSSID、および処理設定604が、デフォルトデバイステーブルTB1に記憶される(S826)(
図6、領域R2)。2つ目の非指定用途である「スキャン」に対応付けて、デフォルトデバイス識別情報600、ネットワークN1のSSID、および処理設定604が、デフォルトデバイステーブルTB1に記憶される(S828)(
図6、領域R3)。「写真印刷」を実行するためのデータが、無線通信151および154を介して、MFP51へ送信される(S840)。「写真印刷」の処理が完了すると、トップメニュー画面が表示手段102に表示される(S842)。
【0067】
ユーザが、2回目の処理として「スキャン」を指定すると(S601:スキャン)、デフォルトデバイスが設定されているため(S703:Y)、「スキャン」の指定用途に対応するデフォルトデバイスであるMFP51の型番などが、表示手段102に表示される(S704)(
図8、画像P11)。ユーザが、画像P11をタッチすると(S807:Y)、スキャン要求が、無線通信151および154を介して、デフォルトデバイスであるMFP51へ送信される(S910)。そしてS601へ戻る。
【0068】
<第2の動作例>
第2の動作例では、情報処理装置100が、無線通信152によって、ネットワークN2に含まれている第2アクセスポイント502と接続状態である場合を説明する。また、ユーザが情報処理装置100をMFP51にかざす場合(すなわち、通信対象デバイスとしてMFP51が選択される場合)を説明する。また、ユーザが、1回目に「写真印刷」を実行し、2回目に「スキャン」を実行する場合を説明する。また、デフォルトデバイステーブルTB1の写真印刷611およびスキャン613の用途に対して、MFP52がデフォルトデバイスとして登録されている場合を説明する。また、指定SSIDとして、ワンタイムSSIDを受信する場合を説明する。
【0069】
ユーザによって指定用途として「写真印刷」が指定され(S601:写真印刷)、印刷対象の選択が受け付けられる(S614:Y)。「写真印刷」に対してMFP52がデフォルトデバイスとして設定されているため(S703:Y)、「写真印刷」の指定用途に対応するMFP52の型番などが、表示手段102に表示される(S704)(
図9、画像P21)。ユーザが情報処理装置100をMFP51にかざすと、(S806:Y)、情報処理装置100が現在接続中のネットワークN2のSSID(すなわち、第2アクセスポイント502のSSID−2)が、OS124から取得される(S816)。また、取得されたSSIDが、通信対象デバイスであるMFP51へ送信される(S820)。アプリケーション121は、NFC方式の無線通信153を用いて、MFP51から、MFP51を識別するための通信対象デバイス識別情報を受信する(S821)。
【0070】
通信対象デバイスであるMFP51が含まれているネットワーク(すなわち、ネットワークN1)と、情報処理装置100が現在接続中のネットワーク(すなわち、ネットワークN2)とが異なるため(S822:N)、指定SSIDを、NFC方式の無線通信153を介してMFP51から受信する(S823)。受信した指定SSIDがワンタイムSSIDであるため(S825:Y)、MFP51の識別情報、ワンタイムSSID、および処理設定が、一時使用デフォルトデバイステーブルTB2の写真印刷611の欄に記憶される(S830)(
図7、領域R11)。1つ目の非指定用途である「ウェブ印刷」に対応付けて、MFP51の識別情報、ワンタイムSSID、および処理設定が、一時使用デフォルトデバイステーブルTB2に記憶される(S834)(
図7、領域R12)。2つ目の非指定用途である「スキャン」に対応付けて、MFP51の識別情報、ワンタイムSSID、および処理設定が、一時使用デフォルトデバイステーブルTB2に記憶される(S835)(
図7、領域R13)。
【0071】
WFD方式の無線通信155によって、情報処理装置100とMFP51との通信が確立される(S836)。また、タイマー111がオンにされる(S836)。「写真印刷」を実行するためのデータが、無線通信155を介して、MFP51へ送信される(S840)。「写真印刷」の処理が完了すると、トップメニュー画面が表示手段102に表示される(S842)。
【0072】
ユーザが、2回目の処理として「スキャン」を指定すると(S601:スキャン)、一時使用デフォルトデバイス(すなわちMFP51)およびデフォルトデバイス(すなわちMFP52)の両方が設定されているため(S618:Y、S703:Y)、一時使用デフォルトデバイスの型番等およびデフォルトデバイスの型番等が、「スキャン」の指定用途に対応して、表示手段102に表示される(S704)(
図10、画像P31およびP32)。ユーザが画像P31をタッチすると(S807:Y)、スキャン要求が、無線通信152を介して、デフォルトデバイスであるMFP52へ送信される(S910)。またユーザが画像P32をタッチすると(S807:Y)、スキャン要求が、無線通信155を介して、一時的デフォルトデバイスであるMFP51へ送信される(S910)。また、タイマー111がオン状態にされてから設定時間が経過すると(S510:Y)、一時使用デフォルトデバイステーブルTB2に記憶されている情報が全て削除される(S518)。よって、
図10において、画像P32は表示されなくなる。
【0073】
<効果>
以上説明した、アプリケーション121の効果を説明する。アプリケーション121では、通信対象デバイス(すなわち情報処理装置100がタッチされたデバイス)が含まれているネットワークと、情報処理装置100が無線LAN_I/F105を利用して接続中のネットワークと、が同一である場合(S822:Y)には、接続中のネットワークを利用して通信対象デバイスと通信を実行できる場合であると判断することができる。換言すると、新たな無線通信を確立する必要がないため、後で使用できなくなる可能性のある無線通信(例:WFD方式の無線通信155)が使用されない場合である、と判断することができる。よって、通信対象デバイスを識別する情報を、デフォルトデバイスを識別する情報として、S601で指定された指定用途以外の他の用途に対応付けて、デフォルトデバイステーブルTB1に記憶させることができる(S826、S828)。これにより、用途の種類(例:写真印刷、ウェブ印刷、スキャン)ごとに、デフォルトデバイスを登録する等の作業を行う必要性を無くすことができるため、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0074】
また、後で使用できなくなる可能性のある無線通信(例:WFD方式の無線通信155)が使用される場合(S836)においても、通信対象デバイス(すなわち情報処理装置100がタッチされたデバイス)の識別情報を、S601で指定された指定用途以外の他の用途に対応付けて、一時使用デフォルトデバイステーブルTB2に記憶させることができる(S834、S835)。また、後で使用できなくなる可能性のある無線通信が開始されてから、設定時間が経過することに応じて(S510:Y)、一時使用デフォルトデバイステーブルTB2に記憶されている情報を全て削除することができる(S518)。これにより、用途の種類(例:写真印刷、ウェブ印刷、スキャン)ごとに、一時使用デフォルトデバイスを登録する等の作業を行う必要性を無くすことができる。そして、設定時間が経過するまでは、一時使用デフォルトデバイスの型番などを選択するだけで(S807:Y)、各種の処理を実行することが可能となる(S910)。また、設定時間が経過するまでの間だけ、一時使用デフォルトデバイステーブルTB2を使用することができるように制御することで、後に使えなくなる可能性がある通信経路がユーザに使用され続けてしまう、という事態を防止することができる。
【0075】
アプリケーション121では、通信対象デバイスから受信した一致判断情報に基づいて、通信対象デバイスが含まれているネットワークと、情報処理装置100が現在接続中のネットワークと、が一致するか否かを判断することができる(S822)。これにより、両ネットワークの一致判断を通信対象デバイスに行わせることができるため、情報処理装置100の処理負荷を低減させることが可能となる。
【0076】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。以下に変形例を説明する。
【0077】
<変形例>
本実施形態では、通信対象デバイスが含まれているネットワークと、情報処理装置100が現在接続中のネットワークと、が一致しないと判断される場合(S822:NO)に、通信対象デバイスを識別する情報を、一時使用デフォルトデバイステーブルTB2に記憶させるとしたが、この形態に限られない。両ネットワークが一致しない場合には、何れのテーブルにも情報を記憶させないとしてもよい。この場合、S622において、一時使用デフォルトデバイスは表示手段102に表示されなくなる。また、この場合、S830、S834、S835、S618、S622、などを省略することが可能となる。
【0078】
一時使用デフォルトデバイステーブルTB2に記憶されている情報を全て削除する条件は、設定時間の経過(S510:Y)に限られず、各種の条件を用いることができる。例えば、S836において確立されたWFD方式の無線通信155が、切断されることに応じて、一時使用デフォルトデバイステーブルTB2に記憶されている情報を削除してもよい。これにより、WFD方式の無線通信155を用いた通信対象デバイスへの接続が確立されている間は、指定用途を実行させるデバイスとして、一時使用デフォルトデバイスを指定する(S807)ことが可能となる。
【0079】
本実施形態では、一時使用デフォルトデバイスの型番等およびデフォルトデバイスの型番等の両方を表示(S622およびS704)する形態を説明したが、この形態に限られない。一時使用デフォルトデバイスが設定されている期間中(S618)は、デフォルトデバイスが設定されている場合であっても、一時使用デフォルトデバイスの型番等のみが表示されるとしてもよい。一時使用デフォルトデバイスの型番等のみが表示されている期間中では、指定用途を実行するためのデバイスをユーザが指定する必要がない。よって、指定用途を実行するデバイスとして、一時使用デフォルトデバイスが自動的に選択される形態としてもよい。あるいは、一時使用デフォルトデバイスの型番等を選択する操作が受け付けられることに応じて、指定用途を実行するデバイスとして、一時使用デフォルトデバイスが選択される形態としてもよい。その後、一時使用デフォルトデバイスの設定が解除されると(S518)、デフォルトデバイスの型番等が表示される(S704)としてもよい。これにより、一時使用デフォルトデバイスとデフォルトデバイスの両方が設定されている場合には、一時使用デフォルトデバイスに優先的に処理を実行させることが可能となる。このような制御を行うためには、
図2のフローにおいて、S622のステップの実行後にS806へ進めばよい。
【0080】
通信対象デバイスが含まれているネットワークと、特定ネットワークとの一致判断は、通信対象デバイスで実行される形態に限られない。一致判断を、アプリケーション121で実行してもよい。この場合、S816においてアプリケーション121は、通信対象デバイスが含まれているネットワークを識別するSSIDを、通信対象デバイスから受信すればよい。またS822においてアプリケーション121は、情報処理装置100が現在接続中のネットワークのSSID(当該SSIDは、例えば、記憶部109から読み出される)と、通信対象デバイスが属しているネットワークのSSID(当該SSIDは、S816において取得される)と、が一致するか否かを判断すればよい。これにより、一致判断をアプリケーション121で実行することが可能となる。
【0081】
デフォルトデバイステーブルTB1へのデフォルトデバイスの登録は、S826、S828で行われる形態に限られない。例えば、ユーザがタッチパネル103などを操作してIPアドレス等を入力することにより、デフォルトデバイスを登録することも可能である。
【0082】
アプリケーション121が、情報処理装置100が現在接続中のネットワークのSSIDをOS124から取得するタイミングは、S816のタイミングに限られない。例えば、印刷プレビューを表示するタイミングや、アプリケーション121が起動されるタイミングで取得してもよい。
【0083】
S822やS825の処理は省略することができる。この場合、指定SSIDは、常にワンタイムSSIDとして扱われることになる。よって、通信対象デバイスとの通信には、常にWFD方式の無線通信が用いられることとなる。
【0084】
本実施形態では、ユーザが情報処理装置100をかざしてNFC通信を実行したデバイスを、通信対象デバイスとして選択し、当該通信対象デバイスに印刷処理を実行させる形態を説明した。このようにNFC通信を用いて印刷処理を実行する場合には、NFC通信を用いた印刷処理であることをユーザに認識させるための情報を、表示手段102に表示させるとしてもよい。例えば、情報処理装置100をかざしたデバイスで印刷実行中であることを示す文字列を、表示手段102に表示するとしてもよい。
【0085】
本実施形態で用いたIPアドレスの値やSSIDの文字列は一例であり、様々な値や文字列を用いることが可能である。
【0086】
本実施形態では、情報処理装置100の無線LAN_I/F105は、MFP51および52とインフラストラクチャーモードの無線通信を行う形態を記載したが、この形態に限られない。無線LAN_I/F105は、第1アクセスポイント501や第2アクセスポイント502を介さずに、MFP51および52とアドホックモードの無線通信を行ってもよい。
【0087】
第1アクセスポイント501と、MFP51、スキャナ61、カラーレーザープリンタ71と、の間の通信や、第2アクセスポイント502と、MFP52、スキャナ62、カラーレーザープリンタ72と、の間の通信は、無線または有線のどちらで行ってもよい。
【0088】
図8〜
図10の表示手段102の表示例は一例である。表示手段102には、様々な表示形態の画像が表示されるとしてもよい。
【0089】
型番601および701は、デバイスを区別することができるものであれば、どのようなものでもよく、例えば、番号を含まないもの、記号だけで構成されるものでもよい。また、デバイス名などのデバイスを区別することができる名称を、型番の代わりに用いてもよい。
【0090】
デバイスを識別する情報はIPアドレス602および702に限られず、URLやMACアドレスを用いる構成としてもよい。
【0091】
情報処理装置100は、メモリカードなどの外部メモリを接続可能な構成としてもよい。そして、記憶部109に代えて、外部メモリへ各種データを記憶する構成としてもよい。
【0092】
アプリケーション121は、情報処理プログラムの一例である。MFP51および52、スキャナ61および62、カラーレーザープリンタ71および72は、デバイスの一例である。NFC通信I/F112は、第1種のインターフェイスの一例である。無線LAN_I/F105は、第2種のインターフェイスの一例である。デフォルトデバイステーブルTB1は、第1記憶領域の一例である。写真印刷、ウェブ印刷、スキャンは、複数の属性の種類の一例である。デフォルトデバイス識別情報600、デフォルトネットワークSSID603は、第1識別情報の一例である。S826、S828を実行するCPUは、第1記憶制御手段の一例である。S601を実行するCPUは、受付手段の一例である。表示手段102は、表示部の一例である。S704を実行するCPUは、第1表示制御手段の一例である。S910を実行するCPUは、第1通信手段の一例である。S821を実行するCPUは、第2通信手段の一例である。型番701、IPアドレス702は、第2識別情報の一例である。S826、S828を実行するCPUは、第2記憶制御手段の一例である。ワンタイムSSIDは、第3識別情報の一例である。S836を実行するCPUは、第3通信手段の一例である。一時使用デフォルトデバイステーブルTB2は、第2記憶領域の一例である。S518を実行するCPUは、第3記憶制御手段の一例である。
【0093】
なお、各プログラムは一つのプログラムモジュールから構成されるものであってもよいし、複数のプログラムモジュールから構成されるものであってもよい。また、各一例は置換可能な他の構成であってもよく、本発明の範疇である。画像処理プログラム(アプリケーション121など)に基づく処理を実行するコンピュータ(CPU106など)であってもよいし、オペレーティングシステムや他のアプリケーションなど、画像処理プログラム以外のプログラムに基づく処理を実行するコンピュータであってもよいし、コンピュータの指示に従って動作するハード構成(タッチパネル103など)であってもよいし、コンピュータとハード構成とが連動した構成であってもよい。もちろん、複数のプログラムに基づく処理を連動させて処理を実行するコンピュータであってもよいし、複数のプログラムに基づく処理を連動させて処理を実行するコンピュータの指示に従って動作するハード構成であってもよい。