(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記検証手段(40B)は、前記データラインの前記制御回路(30)の前記電源バス上に配置され、また当該電源バスに電圧を供給する各電源と前記データラインの前記制御回路に設けられたデジタル/アナログ変換の回路(33)との間に配置される請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
前記データラインの制御回路(30)の電源バスにおける電流消費を検証する検証手段(40B)は、前記データラインの制御回路の前記電源バス上に配置され、また当該電源バスに電圧を供給する各電源と前記データラインの前記制御回路に設けられたデジタル/アナログ変換の回路(33)との間に配置される請求項12または13に記載の液晶表示装置。
【背景技術】
【0002】
液晶カラースクリーンは、航空機およびヘリコプターのコックピットの視認システムに広く使用されている。液晶カラースクリーンは、必須のマンマシンインターフェースを構成し、操縦士に、精巧な記号画像によって、操縦士が様々な任務を遂行するために必要な情報を提供する。それゆえ、この表示された情報は極めて信頼性の高いものである必要がある。
【0003】
現在のところ、これらのスクリーンは、
ビデオ表示部における欠陥に対応して、表示欠陥、特にフリーズ画像と呼ばれる欠陥をもたらすことがある。これは一般的に、スクリーンへのビデオ表示を管理する行または列制御集積回路(ドライバ)のシフトレジスタにおける動作欠陥によるものであるか、またはLCDスクリーンの入力側において垂直走査同期信号が欠如していることによる。
【0004】
シフトレジスタの構造はよく知られている。nビットのシフトレジスタを考えてみると:これは、カスケードにnステージを含む半導体素子であり、各ステージの出力側は、次のステージの入力側を形成する。各ステージは複数の半導体トランジスタを含む。これらのトランジスタは、確実に多数の切り替えをする必要がある。これらのトランジスタの一部は持続的にゲート応力を受け、このため、トランジスタの閾値電圧にドリフトを引き起こし、それゆえトランジスタに機能不全を引き起こすことがある:トランジスタはもはや切り替えを行わなくなる。トランジスタがもはや切り替えを行わない切り替えステージでは、もはやデータ伝送が行われない;それゆえ、このステージによっておよびこれに続くステージによって出力されるデータは、もはや変更されない。これらは行選択制御回路のシフトレジスタであるため、これらのステージの出力によって制御されるラインは、常に同じ非選択状態にある:マトリクス選択ラインの走査はもはや行われない。そのようなライン走査の中断が発生すると仮定する。オフ状態における液晶およびトランジスタの非常に高い固有抵抗を考慮すると、LCDスクリーンの画素は情報記憶性能が優れている。それゆえ、この中断後も、同じ画像が数秒間表示されたままにできる。
【0005】
別の表示欠陥は、
画像伝送部におけるビデオ情報の損失であり、例えばカラービデオ信号経路の不良に関する。例えば、赤い色を使用して警告信号を表示する。赤色ビデオ信号経路の不良を、動作中の画像上では操縦士が迅速に検知できないであろうことが考えられる。この場合、操縦士の反応は遅くなりすぎるであろう。それゆえ、この欠陥を識別できる必要がある。
【0006】
操縦士は、操縦士に有用な情報に関連したある種の記号画像があまり迅速に変化しないときにはなおさら、表示欠陥に気づかないであろう。それゆえ、操縦士は表示された画像を、それが間違っているまたはもはや正しくなくても、引き続き信用する可能性がある。民間航空電子工学(civil
avionics)の安全勧告では、この種の事象を禁止している。それゆえ、表示欠陥を検出するシステムを提供することが必要である。
【0007】
従来技術によれば、選択ラインアドレス指定回路の場合には、この欠陥の検出は、シフトレジスタの最終ステージの出力信号中に、この出力の行走査信号を確実に同期させることによって、通常行われる。
【0008】
この方式には様々な欠点がある。最終ステージの出力側において信号を物理的に測定可能にすることにより、この測定に専用の追加的な導体線を設ける必要がある。さらに、測定された情報は、シフトレジスタの最終ラインの情報である。しかし、欠陥はもっと先の部分、電圧昇圧回路のレベルに存在する可能性もある。この電圧昇圧回路は、通常シフトレジスタの出力側とマトリクスの行との間に設けて、シフトレジスタにおけるデジタル電圧レベルから、画像ドットの制御に必要なアナログ電圧レベルにするものである。
【0009】
列のビデオデータの表示を制御する回路の場合、欠陥の検出は、列制御回路の入力側にビデオ信号が存在するかどうか検出することにあり、これはかなり不十分である。特にこれは、シフトレジスタおよび/またはデジタルアナログ変換回路および/または列制御装置用の増幅回路の動作に関する情報を全く与えず、具体的には一色の表示のインテグリティ(integrity)を確実にすることができない。そこで、民間航空電子工学においては、赤色は安全性関連情報の表示に対応する。それゆえ、少なくともこの色のための
表示部のインテグリティを確実にできるという明確な利益がある。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1に、LCDスクリーンの構成を示す。この構成はよく知られている。これは、それぞれがスイッチング素子および電気光学セルからなる画素または画像ドットのマトリクスアレイを含み、電気光学セルの画素電極と呼ばれる一方の電極はスイッチング素子に接続され、かつ対向電極CEと呼ばれる他方の電極は全画素に共通の電極である。画素電極およびそれらのスイッチング素子を含むマトリクス10は基板プレートに実装される。対向電極CEは、色フィルタも支持するスクリーンの対向プレートに実装される。そのようなスクリーンでの画像の表示は表示手段によって行われ、画素の電極へ適切な制御レベルを与えることができるようにする。
【0017】
この電極は共通の画素電極、すなわち対向電極CEであるため、各直流電圧供給バスを通してスクリーンのアドレス指定モードに適切な制御電圧V
CEを受け取る。
【0018】
それら電極は画素電極であるため、それらのアドレス指定は、選択ラインL
i(iは整数であり、i∈[1、...n])を経ておよびデータ列またはデータラインCol
Rj、Col
Gj、Col
Bjを経て実行される。選択ラインはそれぞれ、このラインに配置されたスイッチング素子のオンまたはオフ状態を制御する。データ列はそれぞれ、列に配置された、選択された画素の電極に、表示されるべき濃淡レベルに対応する電圧を伝送する。この例では、赤R、緑Gおよび青Bの三色の色フィルタのマトリクス(対向プレートに実装)を持ったカラースクリーンが選択されている。それゆえ、選択された色配列に対応する列の配置がある。この例では、列上でかつ行から行へRGBパターンが繰り返される縞タイプの単純な配列が選択されている。
【0019】
これらの画素電極のためのアドレス指定回路は、技術文献では「行ドライバ」と呼ばれている選択ライン制御回路20と、技術文献では「列ドライバ」と呼ばれているデータ制御回路30とを含む。これらの制御回路を、アクティブマトリクスに組み込まれた集積回路とすることも(すなわち制御回路をアクティブマトリクスと同じ基板プレートに実装する)、または外部回路とすることもできる。後者の場合は、制御回路は、適切な接続モードによって、例えば熱接着、COG(「チップオングラス」)トランスファと呼ばれるガラスへ集積回路を移すこと、または任意の他の接続モードによって、アクティブマトリクスにつながれている。
【0020】
選択ライン(行ドライバ)用の制御回路20は主に、垂直走査周波数でマトリクスの各グリッド行を連続的にアドレス指定するためのシフトレジスタ21(実際には、マトリクスの行の数nに応じていくつかの
回路から形成され得る)を含む:走査信号S
swpはレジスタの第1のステージへの入力として与えられ、かつ行ドライバの制御クロックによって定められた走査周波数(行の周波数)で、それに続くステージに順次に転送される。回路20は、レジスタとラインとの間に接続された電圧昇圧回路22も含む。電圧昇圧回路の機能は、シフトレジスタの出力端子における低電圧レベル(一般にロジック3ボルト)を、画素スイッチング素子(トランジスタ)の技術に適切な電圧レベルVgonおよびVgoffのアナログ信号に変換することである。具体的には電圧Vgonは、選択された行L
iのトランジスタをオン状態(閉成)に切り替えることであり、それにより、列に印加されるビデオ電圧を、対応する画素に印加して、ゲートが電圧Vgoffにされる他の行L
k(k≠i)の全トランジスタを、オフ状態(開放)に保たせることが可能となる。
【0021】
データ制御回路31は入力として、表示されるべきビデオ信号S
videoを受信して、各画像に表示される濃淡レベルに対応するマトリクスの列に電圧を印加するようにする。データ制御回路31は主にシフトレジスタ(実際には、マトリクスの列の数mに応じていくつかの
回路または構成部品から形成できる)を含み、シフトレジスタは、サンプルホールド回路を駆動する。サンプルホールド回路により、列上で表示されるべきビデオ信号の回路30に含まれる回路32に蓄積できるようになる。記憶された各データはマトリクスの列に、適用されるべき濃淡レベルを示す。記憶データは、行選択速度で、デジタル/アナログ変換器を含む回路33に伝達される。一般に、濃淡レベルは6ビットまたは8ビットに符号化される。それゆえ回路33は、デジタル/アナログ変換器と、符号化表に関連付けられた電流増幅器とを含み、符号化表は、選択ライン選択速度で、対応するレベルのアナログ電圧を列に提供しかつ印加する:各新しく選択された行の場合、それ以前にサンプリングされたデータレジスタの内容が変換器に入力として印加され、変換器はそれぞれ出力として、対応するアナログ電圧レベルを生じる。これらの変換器の出力端子は、行の選択中に列を迅速に充電するように機能する電流増幅器に接続される。デジタル/アナログ変換器ならびに電流増幅器が、直流電圧供給バスV
DDAによって電圧(一例では13ボルト)が供給される。
【0022】
スクリーンの画素をアドレス指定するための回路は、公知の方法では、他の制御装置、特に画素に印加された電圧の極性を反転させる(行、列または点の反転)ための制御装置、またはマトリクスの色フィルタの構造(カッド、縞構造など)を考慮するための制御装置などを含む。
【0023】
本発明は特定の配置構成にも、または製品およびそれらの応用に従って変化するアドレス指定オプションにも制限されないことに留意されたい。当業者は、
図2aを参照して以下提示する本発明を、以下に述べる様々な技術を適用することによって所与の特定のスクリーンへ適用する方法を理解している。
【0024】
マトリクスビデオ表示部のインテグリティを検証するために、具体的には画像欠陥を検出するために、本発明による統合されたテスト法は、アクティブな関連の電源バスの電流を測定する一方、列は、画像において望ましい濃淡レベルに対応するアナログ電圧に充電されている。この電流測定により、
ビデオ表示部全体のインテグリティの検証が可能となることを示す。
【0025】
実際に、マトリクスの行および列は容量性ラインであり、それらはラインまたは水平周波数で充電および/または放電される。各行の静電容量および列の等価の静電容量は高い。さらに、列は、対向電極に印加される信号V
CEと強力な容量性結合をする。それゆえ、対応する電源バス:行のためのVgon;列のためのV
DDAおよび/またはV
CEにおいて、これらのラインの充電または放電に対応する正または負の電流の流入を測定することが可能である。この電流の流入は、電圧が実際に、マトリクスの行および/または列に印加される場合にのみ発生し得る:すなわち、実際に行が選択される場合および/または実際にビデオデータが列に印加される場合である。
【0026】
それゆえ、この電流測定によって、シフトレジスタ21または31が適切に動作しているかどうかだけでなく、一般的には、入力信号S
swpまたはS
videoをもたらす上流の回路、およびアナログ電圧を、対応する行/または列に印加する下流の回路が適切に動作しているかについても検証可能となる:行のアドレス指定の場合は電圧昇圧回路22を使用する。列のアドレス指定の場合は、結合性(connectivity)と
記憶部、切り替え、デジタルアナログ変換および増幅(回路32および33)の全体を使用する。
【0027】
図2に、本発明による
電流測定部40の原理を示す。
電流測定部は主に、測定信号Smを生じる電流測定回路Aに関連した
抵抗Rmを含む。
抵抗Rmは、電源バスV
DDおよび容量性ラインLCのドライバDRVに直列に接続されている。次いでこの信号を、予測信号Sc、すなわち一般にライン走査信号と同期しているパルス信号と比較して(回路42)、欠陥検出信号Sdを生じる。次いでこの欠陥検出信号を、一般に(一般的に外部の、関係しているスクリーンを使用するアプリケーションに特有の)警報管理装置50によって処理し、適切な場合には、警報信号ALを生じる。航空電子工学応用では、それゆえこの検出信号Sdは一般に視認システム、具体的には警報管理部分まで可聴警報および/または警告灯などによる安全性のメッセージで届けられる。
【0028】
実際には、測定回路40を、行制御回路20および列制御回路または対向電極回路30の上流に、すなわち「アナログ」電源バスと、制御回路の対応する電源入力端子との間に配置する。実際にこの上流部では、一方は、マトリクスのアクティブゾーンを支持するガラスから離れておりかつかなり全体的にプリント回路上にあり、それにより、
測定部の統合が容易になる。
【0029】
それゆえ、
図2bに、本発明による
測定部を組み込んでいる、アクティブマトリクスを備えるLCDスクリーンの対応する構成を示す:
・第1の
測定部40Aは、行制御回路20の電圧昇圧回路22に給電する電源バスVgonに配置されている。第1の
測定部40Aは、電源バスに直列に、バスと回路22の電源入力端子との間に配置された
抵抗RmAを含む。第1の
測定部40Aは、対応する検出信号SdAを出力として提供する。
・第2の
測定部40Bは、列制御回路30のデジタル/アナログ変換器の回路33に給電する電源バスV
DDAに配置されている。第2の
測定部40Bは、電源バスに直列に、バスと回路33の電源入力端子との間に配置された
抵抗RmBを含む。第2の
測定部40Bは、対応する検出信号SdBを出力として提供する。
【0030】
第2の
測定部40Bを、図面において破線で示しかつ対向電極CEを給電する電源バスV
CEに配置された別の
測定部40Cで置き換えるまたは補足することも可能である。第2の
測定部40Cは、電源バスに直列に、バスと対向電極の電源入力端子との間に配置された
抵抗RmCを含む。第2の
測定部40Cは、対応する検出信号SdCを出力として提供する。実際に第2の
測定部40Cでは、列が対向電極と強力な容量性結合を有することが分かっている。それゆえ、列の電流測定は、一方のバスV
DDAおよび/または他方のバスV
CEで行うことができる。
【0031】
本発明による画像欠陥の検出方法の実施には、
図2bに示すように、行のための
測定部と列のための
測定部とを含み得る。これは、フリーズ画像問題をもたらす欠陥を検出するための最適な構成である。しかしながら、意図するアプリケーションの条件によって、行に関連するまたは列に関連する、いずれかの単一の
回路で間に合わせることも可能である。
【0032】
検出方法の実施は、行または列のチャージングがテストされるかどうかによって異なる。LCDスクリーンへの画像の表示は、選択ラインが次々と1つずつ選択されかつ対応するビデオデータが列に供給される画像表示期間VWと、行が選択されない表示オフ期間NVWとを含むフレーム期間Tにおいてシーケンス画像様であることが思い出される。そのようなシーケンスを一例として
図3に示す。50Hzのビデオ表示は20ミリ秒のフレーム期間Tを生じ、そのうちの約16ミリ秒は、表示期間VWにおいて実際の画像表示に使用される。
【0033】
行に係わっているので、行に関連する
測定部40Aを、行が実際に選択される表示期間VWで
稼動させる必要がある:この期間外では、すなわち期間NVWでは、行は選択されない;従って電源バスVgonへの電流の流入を全く検出しないことは当然である。他方で、列に係わっているので、表示期間VW中、重要な電流の測定を行うことは不可能である。これは、所与の画像に表示される様々な濃淡レベルに対応する様々な電圧レベルが、表示される画像の性質に依存して充電/放電に関して多かれ少なかれ互いに補償し得るためである。さらに、特に画像を妨害せずに一色の表示をテストすることはできない。それゆえ、「表示オフ」期間N
VWにおいて、列に関連した
測定部40Bおよび/または40Cを
稼動させることを提供する。
【0034】
そこで、
図4および
図5に具体的に選択ライン制御回路のテスト法を示す。この方法は、上述の
測定部40A(
図2b)を組み込んで統合している。期間
VWにおいて、
図4に示すように、行が次々と1つずつ選択される:垂直走査周波数で電圧パルスVgonが各行に印加される。表示オフ期間N
VWでは、行は全てVgoffにある。
【0035】
各電圧パルスに関して、
測定部40Aは、対応する選択ラインの充電によって引き起こされた電流の流入に対応する電流を測定することができる。電源バスVgonにおける、各パルスVgonに対応するこれらの電流の流入Iを
図4に示す。
【0036】
それゆえ、
電流測定回路41を、各パルスが電流の流入の検出に対応するパルス測定信号Smを出力としてもたらすように設計する。
【0037】
この信号を、一般に走査信号S
swpと同期するクロック信号に由来する行の周波数信号Scと比較する。この例では、この信号は表示オフ
期間NVWにおいて「フラット」である。この比較回路を、一般にNANDゲートタイプの論理回路によって供し得る。測定信号にパルスがないとき、この比較回路は、出力として論理電圧パルスを提供する:これは検出信号Sdである。
【0038】
この信号を警報管理装置(
図2aの装置50)によって処理する。この管理装置は、対応する警報信号AL
Aを発生させるためのルールを実行し得る。例えば、あるルールは、警報を発生するための、(欠陥パルスSdの)欠陥の最小数を規定し得る。測定法の一例として
図5に示す例では、1つの警報を発生するためには4つの欠陥が連続することが必要であり、次いで、それは、関連のアプリケーションの安全システムによって適切な方法で処理される。警報は、もしあったとしても、測定/検出期間、すなわち期間VW中に発生されることに留意されたい。
【0039】
実用的な例では、例えば10オーム程度の低インピーダンスの
抵抗RmAで十分である。10インチのスクリーンの場合であって、しかも、選択ラインの等価容量が、0.5μsで30ボルトに等しい電圧Vgonまで充電する200ピコファラッド程度である場合、12mA程度の充電スパイク電流I(Vgon)が得られる。
【0040】
図6および
図7に、具体的に列制御回路30のテスト法を示す。この方法は、上述の
測定部40Bおよび/または
測定部40C(
図2b)を組み込んでおり、検出原理はこれら
回路の双方に同一に適用する。
【0041】
この検出原理は、表示オフ期間N
VWにテスト画像S
testを表示することを指示することにある:このテスト画像は、行の周波数で交互に(すなわち、行が選択されていない場合を除いて行選択周波数で)マトリクスの列における同一の第1の濃淡レベルまたは同一の第2の濃淡レベルを制御するために決定され、プログラムされる。第1および第2の濃淡レベルはそれぞれ、グレイスケールの最低および最高レベルに、すなわち最大の電圧変動に対応する。フレームの期間N
VW中、これら列は全て行の周波数で交互に、最大電圧まで上昇しそして最低電圧になる。行の周波数での列信号のこの有意な変更によって、電源バスV
DDAおよびV
CEに有意な電流の流入を生じさせ、この電流の流入が検出される。
【0042】
実際には、この方法の実施はこのようにフレーム全体を通して列ドライバ30を動作させて、期間VWにおいてビデオ画像S
videoを表示し、かつ期間NVWにおいてテスト画像S
testを偽って表示する。この表示は、これらの期間NVWでは行が選択されていないため、「偽り」である:テスト画像は実際にはスクリーンに表示されない。
【0043】
最大/最小の交互テストシーケンスは、
回路の両端において濃淡レベルの制御をテストすることを可能とするため、有益である。
【0044】
しかしながら、テストシーケンスは、行から行へ同じである予め定められた1つの濃淡レベルのみの表示を提供し得る。これは好ましくはグレイスケールの最高または最低の濃淡レベルであり、電流の流入の十分な充電または放電を引き起こすようにする。
【0045】
少なくとも列反転を用いるタイプのアドレス指定モードを使用するスクリーンの場合には、ビデオテスト画像は、2つの表示からの1つの列に対応する。
【0046】
カラースクリーンを考慮する場合には、特定の色の表示をテストできることが有益である。本発明によれば、テスト画像を表示するための列は、一意の色に対応するように選択され、他の一色または他の複数色に関連する列は選択されていない。一般に、
図6に示すように、赤をテストしたい場合、表示されるデータは、赤の列Col
Rjのみに関連する。他の列Col
Gj、Col
Bjは、電流の流入への寄与を低減するように、これらの期間NVW中は安定した電圧レベルのままである。例えば、テスト画像は、行の周波数において赤の列が黒レベルから白レベルへ交互に切り替えられて、電圧変動が最大となるようにし、かつ他の列は、安定した濃淡レベル、例えば白を維持するようなものである。考えられるアプリケーションに関する各色の重要性に従って選択され得るテスト周波数において、連続的なテストシーケンス、各色それぞれを連続的にテストすることが提供され得る。
【0047】
図7に、行ドライバ(
図5)のものと同様の信号Sm、SdおよびAL
Bによる検出方法を示す。使用される比較信号Scもまた同様である。
【0048】
さらに、列ドライバ30のテストシーケンスは、テストされるスクリーンのアドレス指定モードに依存し得る。
【0049】
少なくとも列反転を用いるタイプのアドレス指定モードを使用するスクリーンにおいて、マトリクスでの色の配列が縞タイプ、一般には赤R、緑G、青Bパターンの一列に並んだ繰り返しパターンである場合には、2つの連続的な赤の列の一方が正極性の電圧および他方が負極性の電圧で駆動される。この場合、電流の充電および放電の補償があることを理解されたい:バスV
DDAで電流の流入は検出されない。この場合、テストシーケンスは、赤色の2つの表示からの1つの列に対応するようにプログラムされたビデオテスト画像を使用する。これは、当然のことながら各色において行われる。
【0050】
一般的に、本発明によるテスト画像の表示により、テストに選択された列の列信号が行の周波数で変調することにより、適切な状態にある他の列が任意選択的に電流の流入への寄与を低減させる状態で、電源バスV
DDAおよびV
CEにおいて対応する有意な電流の流入を生じさせるようにする。
【0051】
最後に、電源バスV
DDAがフレーム周波数で周期的に遮断されるスクリーンが公知である(図示せず)。この場合、これら遮断中に電流の測定を非
稼動にして、偽の欠陥の検出を生成しないようにすることが提供される。
【0052】
本発明のこれらの様々な代替的な実施は、実際の実施形態に特に問題をもたらさない。
【0053】
実際に、
測定部40Bおよび/または40Cは、少なくとも1つのテスト画像S
testを記憶/生成するための手段に関連する。各色それぞれをテストしたい場合、対応する色の列の選択と一緒に毎回同じ画像を使用できる。これらの記憶/生成手段は、当業者に公知のいずれかの方法において供される。
【0054】
大きなスクリーンの場合、列制御回路または列ドライバは実際には複数の
回路構成部品から形成され、そのそれぞれが列のグループを制御する。
【0055】
改良形態では、列40Bおよび/または40Cのための
測定部により、列ドライバの構成部品を別々にテストすることが可能となり、もしあるならば欠陥を検出する。対応するテスト法は、列ドライバのこの特定の構成部品の列の選択に対応するテスト画像を表示するための命令を含む。それゆえ、一連のテスト画像によって、列制御回路の各構成部品をテストすることが可能となり、各画像は、
図6および
図7に関連して上述のテスト法を使用することによってドライバの定められた構成部品のために規定されている。
【0056】
図8に、本発明において使用することができる
測定部の実用的な例を示す。
抵抗Rmを、テストされるドライバの電源V
DDに直列に挿入する。差動増幅器1、例えばアナログ素子AD817増幅器により、電源におけるグリッチを拒絶することが可能となる。増幅器はかなり狭い通過帯域(ウィーンネットワーク)によって選択されて増幅器の出力OutのS/N比を改善する。閾値がLCDスクリーンおよびアプリケーションに応じて調整され得る比較器2が、アナログ信号Outをデジタル信号Smに変換する。比較器2の出力におけるパルスの存在および持続期間は、測定
抵抗Rmへの電流の流入に依存する。
【0057】
上述の画像欠陥の検出方法は、インテグリティを保証するいずれかの液晶スクリーンに簡単に組み込むことができる。