特許第5994989号(P5994989)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5994989クリーニングユニット及びこれを備えた画像形成装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5994989
(24)【登録日】2016年9月2日
(45)【発行日】2016年9月21日
(54)【発明の名称】クリーニングユニット及びこれを備えた画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 21/10 20060101AFI20160908BHJP
   G03G 21/00 20060101ALI20160908BHJP
【FI】
   G03G21/10
   G03G21/00
【請求項の数】6
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2012-217384(P2012-217384)
(22)【出願日】2012年9月28日
(65)【公開番号】特開2014-71294(P2014-71294A)
(43)【公開日】2014年4月21日
【審査請求日】2015年6月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006297
【氏名又は名称】村田機械株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】特許業務法人 ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中島 丈裕
【審査官】 三橋 健二
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−212802(JP,A)
【文献】 特開2002−023579(JP,A)
【文献】 特開2001−083854(JP,A)
【文献】 米国特許第06418297(US,B1)
【文献】 特開2012−018339(JP,A)
【文献】 特開2010−217574(JP,A)
【文献】 特開2003−195715(JP,A)
【文献】 特開2000−181310(JP,A)
【文献】 特開平10−003239(JP,A)
【文献】 特開2007−093640(JP,A)
【文献】 特開2009−223224(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0238617(US,A1)
【文献】 特開2008−185856(JP,A)
【文献】 特開2008−242056(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0222939(US,A1)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
感光ドラム表面の廃トナーを回収するクリーニング部材と、前記クリーニング部材により回収された廃トナーを導入口を介して逐次貯留する貯留ケース体と、前記貯留ケース体内に設けられるとともに、回転動作により貯留ケース体内の廃トナーを回転軸方向に搬送する搬送部材を備え、
前記搬送部材は、回転軸と、前記回転軸の周囲に螺旋状に設けられた羽根部材とを備え、少なくとも回転軸方向の中央部と両側部との間の連結部が弾性体で構成されており、前記中央部が前記両側部よりも前記導入口側に凸となるように湾曲した状態で回転することを特徴とするクリーニングユニット。
【請求項2】
前記搬送部材は、全体が弾性体で構成された搬送スクリューであることを特徴とする請求項に記載のクリーニングユニット。
【請求項3】
前記搬送部材の両側部は、感光ドラムの両端部に固定されたドラムフランジと向かい合うように位置することを特徴とする請求項1又は2に記載のクリーニングユニット。
【請求項4】
前記搬送部材は、前記貯留ケース体の内面に設けられたスペーサにより湾曲されることを特徴とする請求項1〜の何れか1項に記載のクリーニングユニット。
【請求項5】
前記搬送部材は、前記感光ドラムの上方又は側方に配置されることを特徴とする請求項1〜の何れか1項に記載のクリーニングユニット。
【請求項6】
請求項1〜の何れか1項に記載のクリーニングユニットを備える画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、感光ドラムの表面に残留するトナー及び紙粉を除去するためのクリーニングユニット及びこれを備えた画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
複写機、レーザープリンタ等の電子写真方式の画像形成装置では、まず、帯電器によって帯電された感光ドラムの表面に、露光器から画像情報に基づいた光像が露光されることで潜像が形成され、現像器からトナーが供給されることで潜像がトナー像化される。そして、感光ドラム周面上のトナー像が転写ローラによって記録紙に転写され、更に、加熱及び加圧を受けることによりトナー像が記録紙に定着される。
【0003】
画像形成装置には、記録紙に転写されずに感光ドラムの表面に残留するトナー(廃トナーともいう)及び紙粉を、回収、一時貯留、及び廃トナー回収容器等に向けた搬送を行うクリーニングユニットを備える。クリーニングユニットは、廃トナーを搬送方向下流側に送り出すために直線状の搬送スクリューを備える(例えば、下記特許文献1)。
【0004】
上記クリーニングユニットには以下の問題がある。つまり、一般的に搬送スクリューは、感光ドラムの上方に間隔を空けて配設されるため、廃トナーを搬送するためには、搬送スクリューの配設領域に達するまで多くの廃トナーを溜め込む必要がある。そのため、熱蓄積により廃トナーが固着し、又は紙粉が蓄積され、結果として、廃トナー及び紙粉の搬送性が低下する。
【0005】
上記問題を解消するためには、搬送スクリューを感光ドラム側に近付けて間隔を空けないようにすれば良い。しかしながら、搬送スクリューの両端部を支持する支持フレームには、シール部材等の他部品を取り付ける取付スペース、支持フレームの剛性の確保等種々の制約があり、上記対応が取れない場合がある。
【0006】
一方、上記制約下でも、搬送スクリューの外径を拡大させることで、感光ドラム近傍の廃トナーを搬送させるように構成する事が可能である。しかし、上記構成を採用した場合、搬送スクリューの占有スペースが増大するため、クリーニングユニットのコンパクト化に反するという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2010−210867号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで、本発明の目的は、コンパクトに構成しつつ、廃トナー及び紙粉の蓄積量を減らすことにより廃トナー及び紙粉の搬送性を向上させたクリーニングユニット及びこれを備えた画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するための本発明に係るクリーニングユニットは、感光ドラム表面の廃トナーを回収するクリーニング部材と、前記クリーニング部材により回収された廃トナーを導入口を介して逐次貯留する貯留ケース体と、前記貯留ケース体内に設けられるとともに、回転動作により貯留ケース体内の廃トナーを回転軸方向に搬送する搬送部材を備え、前記搬送部材は、回転軸方向の中央部が両側部よりも前記導入口側へ突出した状態で回転することを特徴とする。したがって、コンパクトに構成しつつ、廃トナー及び紙粉の蓄積量を減らすことにより廃トナー及び紙粉の搬送性を向上させたクリーニングユニットを提供することができる。
【0010】
この構成によれば、搬送部材の回転軸方向の中央部が、両側部よりも導入口側に突出していることで、搬送部材と感光ドラムとの間の空間を狭くすることができるため、廃トナー及び紙粉の蓄積量を減らすことができ、搬送性を向上させることができる。また、搬送部材の外径を大きくする必要がないため、クリーニングユニットをコンパクト化することができる。
【0011】
本発明において、前記搬送部材は、少なくとも前記中央部と前記両側部との間の連結部が弾性体で構成されていることが好ましい。少なくとも連結部を弾性体で構成することで、搬送部材は、回転軸方向の中央部が両側部よりも導入口側へ突出した状態で回転することが可能となる。
【0012】
本発明において、前記搬送部材は、全体が弾性体で構成された搬送スクリューであることが好ましい。この構成によれば、搬送部材を一体で成形することが可能となるため、部品数の削減となり、製造も容易となる。さらに、全体を弾性体で構成することで、仮に搬送部材が感光ドラムに接触した場合にも感光ドラムを傷付けにくい。
【0013】
本発明において、前記搬送部材の両側部は、感光ドラムの両端部に固定されたドラムフランジと向かい合うように位置することが好ましい。搬送部材の両側部がドラムフランジと向かい合うように位置する場合、搬送部材全体を導入口側、すなわち感光ドラム側へ近付けるのが難しいため、本発明のように搬送部材の中央部を導入口側へ突出させ、感光ドラム側へ近付けることが有用である。
【0014】
本発明において、前記搬送部材は、前記貯留ケース体の内面に設けられたスペーサにより湾曲されることが好ましい。この構成によれば、回転軸方向の中央部が両側部よりも導入口側へ突出した状態で搬送部材を回転させることが容易となる。
【0015】
本発明において、前記搬送部材は、前記感光ドラムの上方又は側方に配置されることが好ましい。搬送部材が、感光ドラムの上方又は側方に配置される場合、搬送部材と感光ドラムとの間の空間に廃トナーが溜まりやすいため、本発明のように搬送部材の中央部を導入口側へ突出させ、感光ドラム側へ近付けることが有用である。
【0016】
また、上記課題を解決するための本発明に係る画像形成装置は、上記クリーニングユニットを備えることを特徴とする。
【0017】
この構成によれば、搬送部材の回転軸方向の中央部が、両側部よりも導入口側に突出していることで、搬送部材と感光ドラムとの間の空間を狭くすることができるため、廃トナー及び紙粉の蓄積量を減らすことができ、搬送性を向上させることができる。また、搬送部材の外径を大きくする必要がないため、クリーニングユニットをコンパクト化することができる。したがって、コンパクトに構成しつつ、廃トナー及び紙粉の蓄積量を減らすことにより廃トナー及び紙粉の搬送性を向上させたクリーニングユニットを備えた画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】画像形成装置の内部構成を示した概略断面図
図2】クリーニングユニット及び感光ドラムの斜視図
図3】クリーニングユニット及び感光ドラムの側面図
図4図3のクリーニングユニット及び感光ドラムのA−A断面図
図5図2のクリーニングユニット及び感光ドラムのB−B断面図
図6】他の実施形態に係るクリーニングユニットの断面図
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明に係るクリーニングユニット及びこれを備えた画像形成装置の実施形態につき、図面を参照して説明する。なお、以下の各図は、あくまで模式的に示したものであり、例えば図面の寸法比は実際の寸法比と必ずしも一致しない。
【0020】
[全体構成]
図1は、画像形成装置1の内部構成を示した概略断面図の一例である。画像形成装置1は、原稿読取部30で読み取った原稿の画像データに基づいて記録紙に画像形成などを行う複合機であり、その外形が本体ハウジング2により規定されている。本体ハウジング2内には、給紙部3、画像形成部4及び定着部5等が収容されている。
【0021】
給紙部3は、記録紙を収容するための記録紙カセット31を備えており、当該記録紙カセット31内に設けられた支持板32上に、記録紙を積層した状態で収容できる構成である。支持板32は、その一端部に設けられた支軸33を中心に回転可能となっており、支軸33側とは反対側の端部が上方へ付勢されることにより、最上部の記録紙が給紙ローラ34に対して押圧される。この状態で給紙ローラ34が回転駆動されることにより、記録紙カセット31内に収容されている記録紙が、給紙ローラ34と分離パッド(不図示)により分離され、本体ハウジング2の内部に形成された搬送路6に1枚ずつ送り出される。
【0022】
記録紙カセット31から搬送路6に送り出された記録紙は、当該搬送路6を通って画像形成部4側へ搬送される。そしてレジストローラ7によって、記録紙は画像形成部4の直前で一旦停止され、画像形成部4により記録紙に画像を形成するタイミングに合わせて、画像形成部4に送り出される。
【0023】
画像形成部4は、感光ドラム41を有し、その周囲に帯電器42、光書込みユニット43、現像装置44、転写器45及びクリーニングユニット46を配置した構成となっており、電子写真方式により記録紙に画像を形成する。
【0024】
円筒状の感光ドラム41の表面には感光体が形成されており、画像形成時には、回転駆動される感光ドラム41の表面が帯電器42により一様に、例えば負に帯電される。光書込みユニット43は、電話回線を介して受信したファクシミリ原稿の画像データや、原稿読取部30で読み取った画像データに対応して、LED(Light-Emitting Diode)又はレーザ光源から選択的に光を出力させる。帯電器42により一様に帯電された感光ドラム41の表面には、光書込みユニット43から出力される光で露光されることにより、静電潜像が形成される。
【0025】
静電潜像が形成された感光ドラム41の表面には、現像装置44から供給されるトナーが付着することによりトナー像が形成され、当該トナー像が転写器45を用いて記録紙に転写される。転写後に感光ドラム41の表面に残留するトナーは、クリーニングユニット46により取り除かれる。転写器45によりトナー像が転写された記録紙は、搬送路6を通って定着部5へ搬送される。
【0026】
なお、現像装置44は、非磁性一成分現像方式を採用しており、トナー貯留室49、トナー貯留室49内に設けられたアジテータ51、供給ローラ53、現像剤担持体としての現像ローラ54を備える。アジテータ51は回転駆動され、これによってトナーをトナー貯留室49内で攪拌させている。また、供給ローラ53も回転駆動されて、現像ローラ54と規制ブレードとの接触部においてトナーを摩擦帯電させ、現像ローラ54上にトナーを吸着させるように構成されている。
【0027】
定着部5には、所定の温度に加熱される加熱ローラ18と、当該加熱ローラ18に対して所定の圧力で接する加圧ローラ19とが備えられている。トナー像が転写された記録紙は、加熱ローラ18と加圧ローラ19の間を通過することによりトナーが定着された後、排出ローラ8を介して、本体ハウジング2の外部に形成された排出トレイ9上に排出される。
【0028】
本実施形態では、トナーが内部に収容されたトナーカートリッジ10を現像装置44に取り付けることにより、現像装置44内にトナーを供給することができるようになっている。トナーカートリッジ10は、現像装置44に対して着脱自在に構成されており、トナー貯留室11、トナー貯留室11内のトナーを撹拌するためのアジテータ12、及びトナー貯留室11内のトナーを現像装置44に移送するための移送スクリュー13を備えている。この移送スクリュー13は、他の搬送系や画像形成部から独立したモータであるTPモータによって駆動される。
【0029】
上述した画像形成部4の構成のうち、例えば、感光ドラム41、帯電器42、現像装置44、及びクリーニングユニット46が、プロセスカートリッジ20として一体にまとめられて構成されてもよい。このプロセスカートリッジ20は、画像形成装置1の本体(筺体)に対して着脱自在に設けられており、例えば現像剤や感光ドラム41の寿命が到来したときに、画像形成装置1から取り外して新品と交換できる。
【0030】
[クリーニングユニットの構成]
次に、クリーニングユニット46の構成について説明する。図2は、クリーニングユニット46及び感光ドラム41の斜視図である。図3は、図2のクリーニングユニット46及び感光ドラム41を紙面右側から見た側面図である。図4は、図3のクリーニングユニット46及び感光ドラム41のA−A断面図である。図5は、図2のクリーニングユニット46及び感光ドラム41のB−B断面図である。
【0031】
本実施形態のクリーニングユニット46は、感光ドラム41の上方に配置されている。クリーニングユニット46は、感光ドラム41と一体化され、画像形成装置1の装置本体から着脱自在なドラムユニットとして構成されてもよい。
【0032】
クリーニングユニット46は、クリーニングブレード461(クリーニング部材の一例)と、貯留ケース体462と、搬送スクリュー463(搬送部材の一例)を備える。
【0033】
クリーニングブレード461は、感光ドラム41の表面の廃トナーを回収する。クリーニングブレード461は、例えばゴム等の弾性材料からなる板状の部材であり、その先端部を感光ドラム41の表面に接触させた状態で、根元部が貯留ケース体462に固定されている。この状態で、感光ドラム41が回転することで、感光ドラム41の表面に付着した廃トナーは、クリーニングブレード461により掻き取られ、回収される。
【0034】
貯留ケース体462は、内部が中空となっており、クリーニングブレード461により回収された廃トナーを貯留する。貯留ケース体462の下面には、感光ドラム41の軸方向に沿ってスリット状の導入口4621が形成されている。貯留ケース体462は、廃トナーを導入口4621を介して逐次貯留する。
【0035】
搬送スクリュー463は、貯留ケース体462内に設けられるとともに、回転動作により貯留ケース体462内の廃トナーを回転軸方向に搬送する。廃トナーの搬送方向は、図4の紙面右側から紙面左側である。搬送スクリュー463の廃トナー搬送方向下流部は、貯留ケース体462に形成された廃トナー排出口4622に対向している。貯留ケース体462の廃トナー搬送方向下流側には不図示の廃トナーボックスが固定されており、廃トナーは、廃トナー排出口4622を通り、廃トナーボックスの内部に落下して貯留される。
【0036】
搬送スクリュー463は、回転駆動される駆動軸4631(回転軸に相当)の周囲に、径方向外方に突出する羽根部材が螺旋状に設けられて構成されている。駆動軸4631が回転駆動されると、羽根部材により廃トナーが搬送される。駆動軸4631の両端は、貯留ケース体462の両側面に回転可能に支持されている。駆動軸4631の廃トナー搬送方向上流側には、不図示のモータが設けられており、駆動軸4631は、このモータによって回転駆動される。なお、搬送スクリュー463の駆動源として、感光ドラム41を回転駆動するためのモータを使用してもよい。
【0037】
搬送スクリュー463の両側部463sは、感光ドラム41の両端部に固定されたドラムフランジ411,412と向かい合うように位置する。ドラムフランジ411,412は、円筒状の感光ドラム41の両端部に嵌合されている。ドラムフランジ411の外周面には、ギアが形成されており、このギアは、不図示の感光ドラム駆動用の駆動ギアと噛み合うようになっている。
【0038】
搬送スクリュー463は、感光ドラム41の上方に間隔を空けて配置される。感光ドラム41の表面から回収された廃トナーは、導入口4621を介して貯留ケース体462に逐次貯留されるが、廃トナーを搬送するためには、搬送スクリュー463の配設領域に達するまで多くの廃トナーを溜め込む必要がある。そのため、熱蓄積により廃トナーが固着し、又は紙粉が蓄積され、結果として、廃トナー及び紙粉の搬送性が低下するという問題があった。
【0039】
上記問題を解消するためには、搬送スクリュー463を感光ドラム41側に近付けて間隔を空けないようにすれば良い。しかし、搬送スクリュー463の両側部463sが上記のドラムフランジ411,412と向かい合うように位置するために、搬送スクリュー463全体を導入口4621側、すなわち感光ドラム41側へ近付けるのが難しい。
【0040】
本発明の搬送スクリュー463は、図4に示すように、回転軸方向の中央部463cが両側部463sよりも導入口4621側へ突出した状態で回転する。すなわち、搬送スクリュー463は、回転軸方向の中央部が両側部より導入口4621側に突出した回転軸線の周りで回転する。本実施形態の搬送スクリュー463は、全体が弾性体で構成されている。弾性体としては、熱可塑性のスチレン系エラストマー、ウレタン系エラストマー
が例示される。全体が弾性体で構成されることで、搬送スクリュー463は、回転軸方向の中央部463cが両側部463sよりも導入口4621側へ突出した状態で回転することができる。
【0041】
貯留ケース体462の上部内面には、スペーサ464が設けられている。スペーサ464は、ABS樹脂等で構成される。スペーサ464の下面の断面は、図5に示すように、搬送スクリュー463の上面の形状に対応するように円弧状となっている。また、スペーサ464の高さは、廃トナー搬送方向の中央部が両側部よりも高くなっている。スペーサ464の廃トナー搬送方向の長さは、搬送スクリュー463の中央部463cの長さに対応する。また、スペーサ464の廃トナー搬送方向の長さは、感光ドラム41よりも短い。このようなスペーサ464を設けることで、搬送スクリュー463は、中央部463cが両側部463sよりも導入口4621側に凸となるように湾曲した状態を維持しながら回転することができる。
【0042】
なお、上記特許文献1には、ハウジングの内部に廃トナーの搬送部材である搬送スパイラルを備えたトナー搬送機構が記載されている。ハウジングは途中で略直角に湾曲しており、これに合わせて搬送スパイラルは途中で湾曲している。これは、搬送経路が湾曲している場合であっても、1つの搬送部材で廃トナーを搬送できるようにするためである。よって、特許文献1の搬送スパイラルは湾曲しているが、本発明のように搬送スパイラルを湾曲させることで感光ドラムに近付けて、廃トナー及び紙粉の蓄積量を減らすことを意図するものではない。さらに、特許文献1の搬送スパイラルは、クリーニングユニットに設けられるものでもない。
【0043】
[他の実施形態]
(1)前述の実施形態では、搬送スクリュー463は、全体が弾性体で構成されているが、搬送スクリュー463は、少なくとも回転軸方向中央部463cと両側部463sとの間の連結部が弾性体で構成されていればよい。具体的には、図6に示すように、直線状の中央部463cと直線状の両側部463sとの間の連結部463jを弾性体で構成することで、搬送スクリュー463は、中央部463cが両側部463sよりも導入口4621側へ突出した状態で回転することができる。このような連結部463jはフレキシブルジョイントと称されることもある。
【0044】
(2)前述の実施形態では、搬送スクリュー463は、感光ドラム41の上方に配置されているが、感光ドラム41の側方に配置されてもよい。
【0045】
(3)前述の実施形態では、搬送部材として搬送スクリュー463を使用しているが、これに限定されない。その他の搬送部材としては、コイルばねが例示される。
【0046】
(4)前述の実施形態では、スペーサ464は、貯留ケース体462と別部材としているが、貯留ケース体462と一体として形成してもよい。
【符号の説明】
【0047】
1 画像形成装置
41 感光ドラム
46 クリーニングユニット
411 ドラムフランジ
412 ドラムフランジ
461 クリーニングブレード
462 貯留ケース体
463 搬送スクリュー
463s 搬送スクリューの両側部
463c 搬送スクリューの中央部
464 スペーサ
4621 導入口
4622 廃トナー排出口
4631 駆動軸
図1
図2
図3
図4
図5
図6