特許第5994990号(P5994990)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社ノーリツの特許一覧

<>
  • 特許5994990-機能パネル用化粧カバー 図000002
  • 特許5994990-機能パネル用化粧カバー 図000003
  • 特許5994990-機能パネル用化粧カバー 図000004
  • 特許5994990-機能パネル用化粧カバー 図000005
  • 特許5994990-機能パネル用化粧カバー 図000006
  • 特許5994990-機能パネル用化粧カバー 図000007
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5994990
(24)【登録日】2016年9月2日
(45)【発行日】2016年9月21日
(54)【発明の名称】機能パネル用化粧カバー
(51)【国際特許分類】
   E04D 13/00 20060101AFI20160908BHJP
   E04D 13/18 20140101ALI20160908BHJP
【FI】
   E04D13/00 J
   E04D13/18ETD
【請求項の数】3
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2012-229376(P2012-229376)
(22)【出願日】2012年10月17日
(65)【公開番号】特開2014-80796(P2014-80796A)
(43)【公開日】2014年5月8日
【審査請求日】2015年9月28日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004709
【氏名又は名称】株式会社ノーリツ
(74)【代理人】
【識別番号】100089004
【弁理士】
【氏名又は名称】岡村 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】矢部 文彦
(72)【発明者】
【氏名】荒井 達朗
【審査官】 西村 隆
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−298098(JP,A)
【文献】 特開平05−167095(JP,A)
【文献】 特開昭57−208308(JP,A)
【文献】 実開平06−067914(JP,U)
【文献】 特開2003−329025(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04D 13/00
E04D 13/18
H02S 30/10
F16B 23/00−43/02
H02G 3/00−3/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
太陽電池パネルと集熱パネルの少なくとも一方を含む機能パネルの周囲に配置される機能パネル用化粧カバーであって、表面側に固定用ビスをねじ込むことによって部品又は部材が固定される機能パネル用化粧カバーにおいて、
前記機能パネル用化粧カバーの裏面側のうちの前記固定用ビスの突出した部分の近傍部に、前記固定用ビスの突出高さ以上の高さを有するリブが一体的に設けられたことを特徴とする機能パネル用化粧カバー。
【請求項2】
前記リブは、前記機能パネル用化粧カバーの長手方向の全長に亙って設けられていることを特徴とする請求項1に記載の機能パネル用化粧カバー。
【請求項3】
前記機能パネル用化粧カバーの外表面に、前記固定用ビスのねじ込む位置を示す為の凹溝が形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の機能パネル用化粧カバー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は機能パネル用化粧カバーに関し、特に化粧カバー内部に配設された電力線や集熱配管が固定用ビスの先端により損傷するのを防止する構造を備えたものに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、太陽光から発電を行う太陽電池パネルや太陽熱を利用する集熱パネル等の種々の機能パネルが、屋根等の平坦又は傾斜した設置面上に固定用架台を介して設置されている。この固定用架台は、設置面に固定具を介して固定される複数の縦ラックと、これら縦ラックの上に固定される複数の横ラックとで構成されている。
【0003】
一般的に、上記の機能パネルは、発電機能や集熱機能を備えた1枚のパネル本体と、このパネル本体の外周に設けられた枠状フレームとを有し、前記パネル本体から外部に延びる電力を外部に出力可能な電力線や熱媒体が流通する集熱配管を介して、家庭内の種々の機器に電力や熱を供給している。
【0004】
ところで、屋根上に複数の機能パネルを設置する構造上、これら機能パネルから延びる電力線や集熱配管が屋根上に露出してしまい、紫外線や風雨に晒されて劣化したり、外観が悪化するという問題がある。このため、機能パネルの周囲に化粧カバーを取り付け、この化粧カバーの内部に電力線や集熱配管を収納して、劣化を防止すると共に外観を向上させている場合が多い。
【0005】
上記の化粧カバーは、必要に応じて部品や部材(例えば、ネームプレートや別のカバー部材等)が追加的に設けられる場合があり、この場合は化粧カバーの外表面から固定用ビスをねじ込むことによって部品又は部材を固定している。しかし、化粧カバーの内部には電力線や集熱配管が収納されているので、固定用ビスの先端で誤って電力線や集熱配管を損傷させてしまう虞がある。
【0006】
そこで、固定用ビスによる電力線や集熱配管の損傷を防止する為に、例えば、特許文献1には、カバー受け手段を備えた構造が開示されている。即ち、このカバー受け手段を備えた構造においては、機能パネルの側面部の長手方向の複数箇所にブラケット(カバー受け手段)を取り付け、これらブラケットの上端部に機能パネルの長手方向に沿うように化粧カバーを取り付けることで、電力線及び集熱配管用収容部とビス脚用収容部とを区画形成し、固定用ビスの先端をビス脚用収容部に収容されるようにねじ込むことで電力線や集熱配管が損傷するのを防止している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2003−298098号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、上記の特許文献1の構造では、固定用ビスの先端をブラケットにより区画形成されたビス脚収容部に収容することで、電力線や集熱配管が損傷するのを防止しているが、この構造では、特殊な形状のブラケットを必要とするので、化粧カバーを取り付ける為の部品点数が増加すると共に取付け構造が複雑化してしまい、故に、機能パネルの据付け作業の工程数が増加して据付け作業に手間がかるので、コスト高となってしまう。
【0009】
ところで、化粧カバーの内部の電力線や集熱配管を保護する為に、ブラケット等を設けずに化粧カバーの裏面側のうちの固定用ビスがねじ込まれる位置に緩衝材を貼り付け、この緩衝材に固定用ビスの先端をねじ込む場合もある。しかし、緩衝材を裏面側に貼付ける構造は、上記と同様に部品点数が増加する上、化粧カバーの裏面側に緩衝材を貼付ける作業に手間がかかるので、結果的にコストが上昇してしまう。
【0010】
本発明の目的は、機能パネル用化粧カバーにおいて、低コストで且つ簡単な構造で内部に配設された電力線や集熱配管の保護を実現可能な構造を備えたものを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
請求項1の機能パネル用化粧カバーは、太陽電池パネルと集熱パネルの少なくとも一方を含む機能パネルの周囲に配置される機能パネル用化粧カバーであって、表面側に固定用ビスをねじ込むことによって部品又は部材が固定される機能パネル用化粧カバーにおいて、前記機能パネル用化粧カバーの裏面側のうちの前記固定用ビスの突出した部分の近傍部に、前記固定用ビスの突出高さ以上の高さを有するリブが一体的に設けられたことを特徴としている。
【0012】
請求項2の機能パネル用化粧カバーは、請求項1の発明において、前記リブは、前記機能パネル用化粧カバーの長手方向の全長に亙って設けられていることを特徴としている。
【0013】
請求項3の機能パネル用化粧カバーは、請求項1又は2の発明において、前記機能パネル用化粧カバーの外表面に、前記固定用ビスのねじ込む位置を示す為の凹溝が形成されていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0014】
請求項1の発明によれば、機能パネル用化粧カバーの裏面側のうちの固定用ビスの突出した部分の近傍部に、固定用ビスの突出高さ以上の高さを有するリブが一体的に設けられたので、固定用ビスを機能パネル用化粧カバーの外表面からねじ込んだ場合、裏面側のリブによって、固定用ビスの先端に内部に収容された電力線や集熱配管が接近しなくなり、固定用ビスの先端が電力線や集熱配管と干渉するのを防止することができ、故に、簡単な構造で電力線や集熱配管を保護することができる。
【0015】
また、機能パネル用化粧カバーに一体的にリブを設ける構造上、ブラケットや緩衝材等の追加的な部材を使用する場合と比較すると、低コストで電力線や集熱配管を保護する構造が実現できる。
【0016】
請求項2の発明によれば、リブは、機能パネル用化粧カバーの長手方向の全長に亙って設けられているので、機能パネル用化粧カバーの外表面に対する固定用ビスのねじ込み位置の選択性が向上すると共に、リブを長手方向の全長に亙って設けるので、機能パネル用化粧カバーを押し出し成形材を用いて製作する場合に有利となる。
【0017】
請求項3の発明によれば、機能パネル用化粧カバーの外表面に、固定用ビスのねじ込む位置を示す為の凹溝が形成されているので、外表面からでもリブの位置が明確になり、据付け現場にて、固定用ビスの先端を凹溝に確実に係合して穿孔を安定的に行うことができる。凹溝により固定用ビスの先端が滑ることもなく、機能パネル用化粧カバーの表面が損傷するのを防止でき、機能パネル用化粧カバーの品質低下を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】実施例1に係る架台に設置された複数の機能パネルと機能パネル用化粧カバーの平面図である。
図2図1の軒側部分の側面拡大図である。
図3】機能パネル用化粧カバーの部分斜視図である。
図4】部分変更形態に係る軒側部分の側面拡大図である。
図5】部分変更形態に係る軒側部分の側面拡大図である。
図6】部分変更形態に係る軒側部分の側面拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明を実施するための形態について実施例に基づいて説明する。
【実施例】
【0020】
先ず、各種建物の屋上等に設置された固定用架台2に複数の機能パネル1が設置された全体構造について簡単に説明する。
図1に示すように、複数の機能パネル1が、屋根の設置面S上に固定用架台2を介して設置されている。複数の機能パネル1は、例えば、3行4列のマトリックス状に並べられており、パネル行の各々は2条の横ラック8(図2参照)により縦方向両端を支持する状態に設置されている。
【0021】
図1図2に示すように、機能パネル1は、太陽熱を利用して熱媒体を加熱可能な集熱パネルから構成されている。即ち、機能パネル1(集熱パネル)は、熱媒体を流通させる為の内部配管が組み込まれた1枚のパネル本体3と、このパネル本体3の外周に設けられた枠状フレーム4とを有し、パネル本体3の内部配管の上流側端部と下流側端部には、往き側及び戻り側集熱配管5が夫々接続されている。
【0022】
図1に示すように、湯水を貯留可能な貯湯タンク6が、例えば、各種建物の軒下や建物間の隙間等に配設されている。貯湯タンク6の内部には、熱媒体の循環経路の一部を形成する熱交換通路部(熱交換器)が設けられ、この熱交換通路部に往き側及び戻り側集熱配管5が夫々連通され、機能パネル1で加熱された熱媒体と貯湯タンク6内の湯水との間で熱交換が行われ、家庭内の種々の機器に貯湯タンク6内の湯水が供給される。
【0023】
尚、機能パネル1の形状は、長方形状に限らず正方形状や台形状のものであっても良く、特にサイズを限定する必要はない。機能パネル1を構成する集熱パネルは、既存のものなので、これ以上の詳細な説明は省略する。
【0024】
次に、固定用架台2について説明する。
図1図2に示すように、固定用架台2は、設置面Sに複数の機能パネル1を取り付ける為のものであり、縦方向向きに延びる複数の縦ラック7と、横方向向きに延びる複数の横ラック8とを有する。複数の縦ラック7は、横方向に適当間隔おきに配設されている。複数の横ラック8は、複数の縦ラック7の上に機能パネル1の上下幅(縦幅)とほぼ等しい間隔おきに配設されている。
【0025】
縦ラック7と横ラック8は、夫々、アルミニウム又はアルミニウム合金を押し出し成形した条材である。縦ラック7は複数の固定金具7aを介して設置面Sに固定されている。縦ラック7と横ラック8の各交差部において、横ラック8は縦ラック7に対して1対の連結金具9により固定されている。
【0026】
次に、本発明に係る機能パネル用化粧カバー10について説明する。
図1図3に示すように、機能パネル用化粧カバー10(以下、化粧カバー10という)は、機能パネル1の周囲に配置されるものであり、パネル行とパネル行の間の横ラック8の上面側を覆う複数の間カバー21、最上段の横ラック8の上面側を覆う棟カバー22、最下段の横ラック8の上面側を覆う軒カバー23を有している。
【0027】
化粧カバー10は、複数の機能パネル1から延びる電力線や集熱配管を収容して屋根等の外観性を向上させる為のものであり、アルミニウム又はアルミニウム合金を押し出し成形した条材である。尚、この実施例において、軒カバー23に本願特有の構造が適用されているので、以下では、軒カバー23の構造について主に説明する。また、以下の説明では、図2の上下左右を上下左右として説明する。
【0028】
図2図3に示すように、軒カバー23は、上方に向って湾曲した係合板部24と、この係合板部24の左端部から設置面Sと略平行な方向へ延びる上面板部25と、この上面板部25の左端部から下り傾斜状に延びる傾斜板部26と、この傾斜板部26の下端部から設置面Sと略直交する方向へ延びる側面板部27と、この側面板部27の途中部から内側に向って延びる側面視L字状の内側板部28とから一体的に形成されている。
【0029】
次に、1対のリブ35a,35bについて説明する。
図2図3に示すように、傾斜板部26の外表面には、ネームプレート等の薄板状の部品36が複数の固定用ビス37を介して取り付けられ、傾斜板部26の裏面側のうちの固定用ビス37の突出した部分の近傍部に、1対のリブ35a,35bが軒カバー23の長手方向の全長に亙って一体的に設けられている。この1対のリブ35a,35bは、軒カバー23を押し出し成形する際に形成されるものである。
【0030】
図2に示すように、1対のリブ35a,35bは、傾斜板部26と直交状に且つ互いに平行状に内側に向って延びるように夫々形成されている。1対のリブ35a,35b間は、固定用ビス37のネジ部37aの外径より大きい幅に設定されている。各リブ35a,35bは、固定用ビス37のネジ部37aが軒カバー23の内部に最大限突出した突出高さ以上の高さ(例えば10mm程度の高さ)を有している。但し、各リブ35a,35bの高さは、固定用ビス37の突出高さ以上の高さであれば、前記のサイズに限定される訳ではない。
【0031】
このように、1対のリブ35a,35bを傾斜板部26の裏面側に一体的に設けることで、化粧カバー10の内部に収納された集熱配管5が傾斜板部26の裏面側に移動してきても、リブ35a,35bの先端部が集熱配管5の表面に当接するので、固定用ビス37の先端部が集熱配管5の表面に接触するのを防止することができる。
【0032】
次に、凹溝41について説明する。
図3に示すように、化粧カバー10の傾斜板部26の外表面に、固定用ビス37のねじ込む位置を示す為の凹溝41が形成されている。即ち、凹溝41は、裏面側の1対のリブ35a,35bの中心部に対応する傾斜板部26の外表面の長手方向の全長に亙って延びるように形成されている。この凹溝41は、軒カバー23を押し出し成形する際に形成される。
【0033】
凹溝41は、断面V字状の溝であり、固定用ビス37の先端が係合可能なように形成されている。凹溝41は、例えば、深さ0.3〜0.5mm程度、幅1〜3mm程度に形成されている。尚、凹溝41は、断面V字状に形成しているが、特にこの形状に限定する必要はなく、断面U字状に形成しても良いし、他の形状に形成しても良い。
【0034】
次に、化粧カバー10の機能パネル1への固定構造について説明する。
図2に示すように、上面板部25の裏面側には、L字形壁部25aと縦壁部25bとから構成される係合溝部25cが長手方向の全長に亙って形成され、上面板部25の長手方向の複数箇所には、軒カバー23を機能パネル1へ固定する為の複数の固定機構31が取り付けられている。
【0035】
各固定機構31は、固定用ボルト32と断面視L字形の固定金具33とから構成され、固定用ボルト32は上面板部25に形成された挿通孔を挿通して、固定金具33の横板部33aに形成されたネジ穴に螺合され、固定金具33の縦板部33bが係合溝部25cに下方から挿入され、固定用ボルト32の操作を介して機能パネル1への固定・固定解除可能なものである。
【0036】
図2に示すように、機能パネル1の縦方向両端部において、上端部には、化粧カバー10を取り付け可能な外側に突出する取付突部1aが長手方向の全長に亙って夫々形成され、下端部には、固定用架台2に係合又は載置可能な外側に突出する係合突部1bが長手方向の全長に亙って夫々形成されている。
【0037】
軒カバー23を機能パネル1に固定する場合は、係合板部24と固定金具33の横板部33aとの間に機能パネル1の取付突部1aを挿入して、係合板部24の下端部を取付突部1aの上方凸状の上端部に係合し、この状態で固定用ボルト32を締め付けると、横板部33aの上端面が取付突部1aの下端部に下方から当接して押圧し、係合板部24と横板部33aとで取付突部1aを挟持することで、横ラック8の上方を覆うように軒カバー23を機能パネル1に固定することができる。
【0038】
図2に示すように、傾斜板部26の裏面側には、2つの断面視C字形のビス螺合部38a,38bが1対のリブ35a,35bを挟んで長手方向の全長に亙って夫々形成されている。軒カバー23の長手方向両端部に別のカバー部材を取り付ける場合、固定用ビスを別のカバー部材の挿通孔を挿通して、先端をビス螺合部38a,38bに螺合することで、別のカバー部材を軒カバー23に取り付けることができる。
【0039】
側面板部27は、縦ラック7の軒側(左側)端部の近傍部まで延びるように形成されている。この側面板部27に形成された内側板部28は、横板部28aと縦板部28bとから一体的に構成され、軒カバー23を機能パネル1に固定した状態では、縦板部28bは横ラック8の縦壁部に右方から僅かな間隔を空けて係合される。
【0040】
次に、本発明の化粧カバー10の作用及び効果について説明する。
先ず、複数の縦ラック7を設置面Sの縦方向向きに且つ横方向に適当間隔おきに配設し、次に、複数の横ラック8を複数の縦ラック7の上に横方向向きに且つ機能パネル1の縦幅とほぼ等しい間隔おきに配設し、次に、図1に示すように、複数の機能パネル1を2条の横ラック8の間に上下両端を支持する状態に配置して固定金具(図示略)により横ラック8に固定していく。
【0041】
次に、機能パネル1の設置位置に応じて、パネル行とパネル行の間の各横ラック8に間カバー21を取り付ける。次に、最上段の複数の機能パネル1に棟カバー22を取り付け、次に、最下段の複数の機能パネル1に軒カバー23を取り付ける。これら化粧カバー10を取り付ける際には、機能パネル1から延びる集熱配管5を化粧カバー10の内部に収納していく。
【0042】
ここで、軒カバー23の表面側に固定用ビス37をねじ込むことによって部品36を固定する場合、部品36を所定の取り付け位置に配置し、固定用ビス37の先端を部品36に予め形成された挿通孔36aに挿通して凹溝41に係合させる。次に、ドライバーなどの工具を頭部37bに係合させて、固定用ビス37を回転させて、傾斜板部26の1対のリブ35a,35b間に穿孔しながら固定用ビス37を螺合させることで、部品36を軒カバー23に固定する。
【0043】
以上説明したように、化粧カバー10の裏面側のうちの固定用ビス37の突出した部分の近傍部に、固定用ビス37の突出高さ以上の高さを有するリブ35a,35bが一体的に設けられたので、固定用ビス37を化粧カバー10の外表面からねじ込んだ場合、裏面側のリブ35a,35bによって、固定用ビス37の先端の方に内部に収容された集熱配管5が接近しなくなり、固定用ビス37の先端が集熱配管5と干渉するのを防止することができ、故に、簡単な構造で集熱配管5を保護することができる。
【0044】
また、化粧カバー10に一体的にリブ35a,35bを設ける構造上、ブラケットや緩衝材等の追加的な部材を使用する場合と比較すると、低コストで集熱配管5を保護する構造が実現できる。
【0045】
さらに、リブ35a,35bは、化粧カバー10の長手方向の全長に亙って設けられているので、化粧カバー10の外表面に対する固定用ビス37のねじ込み位置の選択性が向上すると共に、リブ35a,35bを長手方向の全長に亙って設けるので、化粧カバー10を押し出し成形材を用いて製作する場合に有利となる。
【0046】
加えて、化粧カバー10の外表面に、固定用ビス37のねじ込む位置を示す為の凹溝41が形成されているので、外表面からでもリブ35a,35bの位置が明確になり、据付け現場にて、固定用ビス37の先端を凹溝41に確実に係合して穿孔を安定的に行うことができる。凹溝41により固定用ビス37の先端が滑ることもなく、化粧カバー10の表面が損傷するのを防止でき、化粧カバー10の品質低下を防止できる。
【0047】
次に、前記実施例を部分的に変更した形態について説明する。
[1]前記実施例では、軒カバー23の裏面側に1対のリブ35a,35bを設けた構造について説明したが、図4に示すように、軒カバー23Aにおいて、1対のリブ35a,35bのうちの傾斜方向下側のリブ35bを省略して、傾斜板部26Aの裏面側に1つのリブ35aを設けた構造であっても良い。尚、1対のリブ35a,35bのうちの傾斜方向上側のリブ35aを省略して、傾斜板部26Aの裏面側に1つのリブ35bを設けた構造であっても良い。
【0048】
また、図5に示すように、軒カバー23Bにおいて、傾斜板部26Bの裏面側に固定用ビス37のネジ部37aの先端を覆うような断面視L字形のリブ35cを設けた構造であっても良い。これらの構造によれば、リブ35a,35cによって固定用ビス37の先端が化粧カバー10の内部に配設された集熱配管5と干渉するのを防止することができる。
【0049】
[2]図6に示すように、軒カバー23Cにおいて、傾斜板部26に代えて(又は加えて)側面板部27Cに1対のリブ45a,45bを一体的に設けた構造であっても良い。即ち、側面板部27Cに軒下カバー等の部材43が複数の固定用ビス37Cを介して取り付けられ、側面板部27Cの裏面側のうちの固定用ビス37Cの突出した部分の近傍部に、固定用ビス37Cの突出高さ以上の高さを有する1対のリブ45a,45bが一体的に設けられている。
【0050】
この1対のリブ45a,45bは、前記実施例の1対のリブ35a,35bと同様な形状のものであり、同様な効果を奏するものである。また、側面板部27Cの1対のリブ45a,45bの中心部に対応する外表面に、固定用ビス37Cのねじ込む位置を示す為の前記凹溝41と同様な凹溝を形成しても良い。
【0051】
[3]前記実施例では、機能パネル1は、集熱パネルから構成されているが、この集熱パネルに代えて、太陽光から発電を行う太陽電池パネルで構成されても良い。太陽電池パネルは、発電機能を備えたパネル本体と、このパネル本体の外周に設けられた枠状フレームとを有している。
【0052】
太陽電池パネルは、パネル本体から外部に延び且つ電力を外部に出力可能な電力線を介して、家庭内の種々の機器に電力を供給可能である。即ち、機能パネル1が太陽電池パネルで構成される場合は、軒カバー23の1対のリブ35a,35bにより固定用ビス37の先端が電力線と干渉するのを防止することができる。
【0053】
また、機能パネル1として、発電機能と集熱機能との両方を兼ね備えたハイブリッドパネルを採用しても良い。この場合、軒カバー23の1対のリブ35a,35bにより固定用ビス37の先端が電力線と集熱配管との両方と干渉するのを防止することができる。
【0054】
[4]前記化粧カバー10は、機能パネル1に対して着脱可能な構造であるが、この構造に限定する必要はなく、固定用架台2に対して着脱可能な構造であっても良い。
【0055】
[5]その他、当業者であれば、本発明の趣旨を逸脱することなく、前記実施例に種々の変更を付加した形態で実施可能であり、本発明はそのような変更形態を包含するものである。
【符号の説明】
【0056】
S 設置面
1 機能パネル
2 固定用架台
10 機能パネル用化粧カバー
35a,35b,35c リブ
36 部品
37,37C 固定用ビス
41 凹溝
43 部材
45a,45b リブ
図1
図2
図3
図4
図5
図6