特許第5995059号(P5995059)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5995059
(24)【登録日】2016年9月2日
(45)【発行日】2016年9月21日
(54)【発明の名称】アンテナ装置
(51)【国際特許分類】
   H01Q 5/10 20150101AFI20160908BHJP
   H01Q 1/38 20060101ALI20160908BHJP
【FI】
   H01Q5/10
   H01Q1/38
【請求項の数】5
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2012-111346(P2012-111346)
(22)【出願日】2012年5月15日
(65)【公開番号】特開2013-239882(P2013-239882A)
(43)【公開日】2013年11月28日
【審査請求日】2015年3月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006264
【氏名又は名称】三菱マテリアル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100120396
【弁理士】
【氏名又は名称】杉浦 秀幸
(72)【発明者】
【氏名】斉藤 嶺
(72)【発明者】
【氏名】行本 真介
【審査官】 緒方 寿彦
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2011/086723(WO,A1)
【文献】 特開2011−097392(JP,A)
【文献】 特開2012−089956(JP,A)
【文献】 特開2005−318336(JP,A)
【文献】 特開2009−081702(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0021216(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01Q 1/00 − 25/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁性の基板本体と、該基板本体に金属箔でパターン形成されたグランド面と、該グランド面が形成されていない領域として前記基板本体上に該基板本体の一辺に接して設けられたアンテナ占有領域と、該アンテナ占有領域内に金属箔でパターン形成されたアンテナエレメントと、該アンテナエレメントに接続され前記基板本体に実装された誘電体アンテナのアンテナ素子とを備え、
該アンテナエレメントが、中央パターンと、一対のランド部と、一対のグランド接続パターンと、一対のループ用パターンとを有し、
前記中央パターンが、前記グランド面の近傍に配された基端側に給電点が設けられると共に前記基板本体の一辺に向けて延在し、
前記アンテナ素子が、誘電体基体と、該誘電体基体の両端に形成された一対の両端電極部と、前記誘電体基体の中間部に形成され前記中央パターンの先端部に接続された中間電極部とを備えて前記両端電極部と前記中間電極部との間にそれぞれ容量成分を有し、
一対の前記ランド部が、前記中央パターンの先端部の両側に配されて一対の前記両端電極部が接続され、
一対の前記グランド接続パターンが、一対の前記ランド部と前記ランド部に隣接する前記グランド面とを第1受動素子を介してそれぞれ接続してインダクタンス成分を有し、
一対のループ用パターンが、一対の前記グランド接続パターンの前記グランド面から離れた位置に先端が接続されていると共に他端が前記中央パターンの途中に接続され、途中にそれぞれ第2受動素子が接続されており、
一対の前記グランド接続パターンによるインダクタンス成分と、一対の前記ランド部及び一対の前記ループ用パターンと前記グランド面との間の浮遊容量とで一対の並列共振が生じることを特徴とするアンテナ装置。
【請求項2】
請求項1に記載のアンテナ装置において、
前記中央パターンの途中であって一対の前記ループ用パターンとの接続部よりも先端側に、第3受動素子が接続されていることを特徴とするアンテナ装置。
【請求項3】
請求項1又は2のいずれか一項に記載のアンテナ装置において、
前記アンテナ素子が、前記基板本体の一辺に設置され、
前記グランド接続パターンが、前記基板本体の一辺に接して形成されていることを特徴とするアンテナ装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項に記載のアンテナ装置において、
前記アンテナ素子が、前記誘電体基体の表面及び内部の少なくとも一方に形成され互いに離間し対応する前記両端電極部に接続された一対の両端導体パターン及び前記中間電極部に接続された中間導体パターンとを備えていることを特徴とするアンテナ装置。
【請求項5】
請求項4に記載のアンテナ装置において、
前記アンテナ素子が、前記誘電体基体の表面及び内部の少なくとも一方に形成され前記両端導体パターンと前記中間導体パターンとの間にこれらと離間して配された浮遊導体パターンを備えていることを特徴とするアンテナ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、誘電体アンテナを用いたデュアルバンドのアンテナ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、通信機器において、無線回路基板に実装されるアンテナ素子の一つに、誘電体を用いた表面実装型アンテナ、いわゆる誘電体アンテナが挙げられる。この誘電体アンテナは、誘電体の基材にアンテナ動作を行う放射電極が設けられている。また、従来、この誘電体アンテナを用いたモノポール型または逆F型のアンテナといった開放型のアンテナ形式が主流である。
【0003】
通常、モノポール型や逆F型等の開放型のアンテナの場合、開放端のインピーダンスが高いため、実装したアンテナ素子とグランドとの間の距離をできる限り長く確保する必要がある。そのため、アンテナ性能を十分確保するためには、グランド面が形成された基板において、実装されたアンテナ素子の周辺のグランドを抜いてグランド面からアンテナ素子を離す必要がある。しかしながら、実際、誘電体アンテナをアンテナ素子として基板上に実装する場合、機器の小型化を考慮すると、アンテナとして利用できるスペース(アンテナ占有領域)は限られる場合が多く、アンテナ素子周辺のグランドの影響によってアンテナ性能が十分に発揮できない不都合があった。そのため、少しでもグランドの影響を少なくするために、アンテナ素子を実装する位置を基板の端部等に実装する場合が多い。
【0004】
このため、従来、例えば特許文献1には、アンテナ動作を行う容量給電タイプの放射電極が基体に設けられ、その基体は回路基板の非グランド領域に搭載されており、回路基板の接地電極と基体の放射電極とを電気的に接続するための接地用ラインが設けられているアンテナ構造が提案されている。このアンテナ構造の接地用ラインは、折り返し部を有する形状とされている。また、特許文献2には、アンテナ動作を行う放射電極が基体に形成されている表面実装型アンテナと、グランド電極が形成されているグランド領域とグランド電極が形成されていない非グランド領域とを有する基板とを有し、放射電極の一端側がグランド電極に接地されるグランド接続部とされているアンテナ構造が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】国際公開第WO2006/120762号
【特許文献2】国際公開第WO2008/035526号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記従来の技術においても、以下の課題が残されている。
上記特許文献1に記載の技術では、アンテナ性能が接地用ラインの折り返し部に多く依存するため、折り返し部の状態によってアンテナ性能の劣化や不安定要素の増加が生じてしまう問題があった。すなわち、折り返し部の長さを確保してアンテナ占有領域を大きくする必要があるため、アンテナ占有領域が限られている場合には十分なアンテナ性能が得られない。
【0007】
また、上記特許文献2に記載の技術では、基板上の給電電極から容量結合されアンテナ素子自体に給電点がなく、放射電極が直接グランドと接続されているため、アンテナ性能がグランド面の状態に左右され、アンテナ性能を改善することが困難であるという不都合があった。なお、共振周波数を調整するために、インダクタ、コンデンサを経由してグランドに接続する形態も記載されているが、グランドへ広がる高周波電流の流れを抑制することは困難となり、やはりアンテナ占有領域を大きくする必要がある。また、グランドとの浮遊容量を抑制しているため、アンテナ素子の放射分に依存し、アンテナ素子周辺の状態に影響を受け、アンテナ性能を改善することが困難である。
このように、従来、アンテナ性能を改善するためには、アンテナ素子および周辺素子を含めたアンテナ占有領域を大きくするという対策が必要であり、設計の自由度が小さく、アンテナ性能の改善も困難であった。
【0008】
さらに、近年、異なる2つの周波数で独立して動作するデュアルバンドアンテナを通信機器に搭載することが求められており、このデュアルバンドアンテナにおいても小さいアンテナ占有領域とすることが要求されている。しかしながら、デュアルバンドアンテナでは、各周波数で独立して動作するアンテナエレメントが必要になるため、必然的にアンテナ占有領域が大きくなる傾向がある。また、アンテナ性能は、アンテナ部分とグランド面との距離に依存するため、アンテナ性能を得るにはある程度の間隔が必要となる。そのため、アンテナエレメントが比較的多いデュアルバンドアンテナでは、シングルバンドのアンテナに比べ、より広いアンテナ占有面積が必要となる。上述したように、通信機器の小型化が進んでおり、電子部品はより高密度に実装され、アンテナに割り当てられる領域も限られていることから、アンテナ占有面積の更なる省スペース化が求められている。
【0009】
従来、アンテナにおいて小型化しようとすると、そのアンテナの持つインピーダンスが変化してしまうため、通常はアンテナの根元付近に受動素子を設けて変化したインピーダンスの調整を行っている。しかしながら、デュアルバンドアンテナの場合、インピーダンス調整用の受動素子は、2つの周波数に対して共通となり、個別にインピーダンス調整することが困難であった。この場合、インピーダンスは、アンテナの周辺環境によっても変化するため、2つの周波数で個別にインピーダンスがずれた場合は調整し難いという不都合がある。
【0010】
例えば、図17に示すように、基板本体2上にグランド面Gと該グランド面Gが形成されていないアンテナ占有領域AOAを設け、該アンテナ占有領域AOAに、グランド面Gの近傍に配された基端側に給電点FPが設けられると共に基板本体2の一辺に向けて延在したエレメントE102と、該エレメントE102の先端から両側に延在した一対のエレメントE103とを金属箔でパターン形成したデュアルバンドアンテナを例にして説明する。このデュアルバンドアンテナでは、一対のエレメントE103を追加することで2つの周波数で放射可能になるが、アンテナ占有面積が拡大してしまう不都合がある。また、一対のエレメントE103には、1つのエレメントE102及びこれとグランド面Gとを接続するグランド接続部E101を介してインピーダンス調整用の受動素子P0に接続されているため、各周波数の個別のインピーダンスを調整困難であり、最適なアンテナ状態を得ることが難しかった。
【0011】
本発明は、前述の課題に鑑みてなされたもので、デュアルバンドアンテナにおいてアンテナ占有領域を最大限に利用して省スペース化できると共に、十分なアンテナ性能を確保することができるアンテナ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、前記課題を解決するために以下の構成を採用した。すなわち、第1の発明に係るアンテナ装置は、絶縁性の基板本体と、該基板本体に金属箔でパターン形成されたグランド面と、該グランド面が形成されていない領域として前記基板本体上に該基板本体の一辺に接して設けられたアンテナ占有領域と、該アンテナ占有領域内に金属箔でパターン形成されたアンテナエレメントと、該アンテナエレメントに接続され前記基板本体に実装された誘電体アンテナのアンテナ素子とを備え、該アンテナエレメントが、中央パターンと、一対のランド部と、一対のグランド接続パターンと、一対のループ用パターンとを有し、前記中央パターンが、前記グランド面の近傍に配された基端側に給電点が設けられると共に前記基板本体の一辺に向けて延在し、前記アンテナ素子が、誘電体基体と、該誘電体基体の両端に形成された一対の両端電極部と、前記誘電体基体の中間部に形成され前記中央パターンの先端部に接続された中間電極部とを備えて前記両端電極部と前記中間電極部との間にそれぞれ容量成分を有し、一対の前記ランド部が、前記中央パターンの先端部の両側に配されて一対の前記両端電極部が接続され、一対の前記グランド接続パターンが、一対の前記ランド部と前記ランド部に隣接する前記グランド面とを第1受動素子を介してそれぞれ接続してインダクタンス成分を有し、一対のループ用パターンが、一対の前記グランド接続パターンに先端が接続されていると共に他端が前記中央パターンの途中に接続され、途中にそれぞれ第2受動素子が接続されていることを特徴とする。
【0013】
このアンテナ装置では、一対のループ用パターンが、一対のグランド接続パターンに先端が接続されていると共に他端が中央パターンの途中に接続され、途中にそれぞれ第2受動素子が接続されているので、一対の第2受動素子を個別に設定することで、一対のループ用パターンを流れる異なる周波数の2つの高周波電流に関してインピーダンスを個別に調整することができる。すなわち、一対のループ用パターンと中央パターンとアンテナ素子と一対のランド部とで構成された中央パターンの両側の一対のループ状経路において、それぞれループ状に高周波電流の流れが発生する。したがって、一対の第1受動素子を個別に設定することで、2つの周波数を個別に調整可能であると共に、各ループ用パターンに接続された第2受動素子を個別に設定することで、2つの周波数に関してインピーダンスを個別に調整することが可能になる。
【0014】
また、このアンテナ装置では、アンテナ占有領域内に電流分布が集中すると共にグランド面への高周波電流の流れを抑制することができる。つまり、実装時の周辺部品等の影響も低減することが可能になる。
すなわち、本アンテナ装置では、一対のグランド接続パターンによるインダクタンス成分とアンテナ素子の両端側の電極部が接続されるランド部とグランド面との間のギャップによる浮遊容量で得られる一対の並列共振と、アンテナ素子からループ用パターンの内縁部、中央パターンの縁部を介してアンテナ素子に至るループ形状による共振とが生じる。
したがって、アンテナ素子と受動素子とによる開口面の短縮されたループ形状の共振と、一対の両端電極部が接続されるランド部及びループ用パターンとグランド面との間の浮遊容量とによる一対の並列共振により、グランド面へ広がる高周波電流の流れを抑制し、限られたアンテナ占有領域を最大限に利用して高いアンテナ性能を得ることができる。
さらに、アンテナ素子は、両端側の一対の両端電極部が共に放射電極として動作し、方向性が無く、かつ効果的な放射電力を実現することができる。
【0015】
また、第2の発明に係るアンテナ装置は、第1の発明において、前記中央パターンの途中であって一対の前記ループ用パターンとの接続部よりも先端側に、第3受動素子が接続されていることを特徴とする。
すなわち、このアンテナ装置では、中央パターンの途中であって一対のループ用パターンとの接続部よりも先端側に、第3受動素子が接続されているので、第3受動素子の設定により2つの周波数に対して共に周波数調整及びインピーダンス調整を行うことができる。
【0016】
第3の発明に係るアンテナ装置は、第1又は第2の発明のいずれかにおいて、前記アンテナ素子が、前記基板本体の一辺の近傍に設置され、前記グランド接続パターンが、前記基板本体の一辺に接して形成されていることを特徴とする。
すなわち、このアンテナ装置では、アンテナ素子が、基板本体の一辺の近傍に設置され、グランド接続パターンが、基板本体の一辺に接して形成されているので、アンテナ素子およびグランド接続パターンが基板端に配されることで、アンテナ素子の性能を最大限に引き出して利用することができる。特に、接地ラインである一対のグランド接続パターンが基板本体の一辺に接して直線的になり、接地ラインの影響、不安定要素を低減し、低損失を実現することができる。
【0017】
第4の発明に係るアンテナ装置は、第1から第3の発明のいずれかにおいて、前記アンテナ素子が、前記誘電体基体の表面及び内部の少なくとも一方に形成され互いに離間し対応する前記両端電極部に接続された一対の両端導体パターン及び前記中間電極部に接続された中間導体パターンとを備えていることを特徴とする。
すなわち、このアンテナ装置では、アンテナ素子が、誘電体基体の表面及び内部の少なくとも一方に形成され互いに離間し対応する両端電極部に接続された一対の両端導体パターン及び中間電極部に接続された中間導体パターンとを備えているので、両端導体パターンと中間導体パターンとの形状や配置に応じてこれらの間に複合的な容量成分を形成することができる。
【0018】
第5の発明に係るアンテナ装置は、第4の発明において、前記アンテナ素子が、前記誘電体基体の表面及び内部の少なくとも一方に形成され前記両端導体パターンと前記中間導体パターンとの間にこれらと離間して配された浮遊導体パターンを備えていることを特徴とする。
すなわち、このアンテナ装置では、アンテナ素子が、誘電体基体の表面及び内部の少なくとも一方に形成され両端導体パターンと中間導体パターンとの間にこれらと離間して配された浮遊導体パターンを備えているので、浮遊導体パターンにより、両端導体パターンや中間導体パターンとの間に複合的な容量結合やインピーダンス成分を生じさせることができる。これにより、周波数及びインピーダンス調整ができると共に、小型化や高利得化が可能になる。また、受動素子の低減や最適な誘電率材料を選択することによって、安価な材料の使用や多層構造の層数削減等を行い、コストを低減することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、以下の効果を奏する。
すなわち、本発明のアンテナ装置によれば、一対のループ用パターンが、一対のグランド接続パターンに先端が接続されていると共に他端が中央パターンの途中に接続され、途中にそれぞれ第2受動素子が接続されているので、一対の第2受動素子を個別に設定することで、一対のループ用パターンを流れる異なる周波数の2つの高周波電流に関してインピーダンスを個別に調整することができる。
また、本発明のアンテナ装置によれば、グランド面への高周波電流を抑制することができると共に、小さいアンテナ占有領域であっても高いアンテナ性能を得ることができる。
したがって、本発明のアンテナ装置は、デュアルバンドアンテナとして省スペースでも最大限のアンテナ性能を実現し、高い設置自由度も得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明に係るアンテナ装置の一実施形態を示す平面図である。
図2】本実施形態において、アンテナ装置を示す底面図である。
図3】本実施形態において、アンテナ装置を示す模式的な等価回路図である。
図4】本実施形態において、アンテナ素子を示す内部を透視した斜視図である。
図5】本実施形態において、アンテナ素子を示す導体パターンに沿って切断した状態の斜視図(a)及び実装面に対して垂直に切断した状態の斜視図(b)である。
図6】本実施形態において、アンテナ素子内部の複合的な容量結合とインダクタンス成分とを示す説明図である。
図7】本実施形態において、グランド接続パターンによる並列共振を説明するための模式的な等価回路図である。
図8】本実施形態において、アンテナ装置の表面における電流分布を示すシミュレーション結果の高周波電流の流れを簡易的に示す説明図である。
図9】本発明に係るアンテナ装置の実施例において、VSWR特性(電圧定在波比)を示すグラフである。
図10】本実施例において、アンテナ装置の1.5GHz帯放射パターン(a)及び2.4GHz帯放射パターン(b)を示すグラフである。
図11】本実施例において、第1受動素子P1b(a)、P1a(b)及び第3受動素子P3(c)の各設定値を変えた場合の周波数変化のシミュレーション結果を示すグラフである。
図12】本実施例において、第2受動素子P2b(a)、P2a(b)の各設定値を変えた場合の周波数変化のシミュレーション結果を示すグラフである。
図13】本発明のアンテナ装置に係る比較例1(a)及び比較例2(b)を示す平面図である。
図14】本実施例において、比較例1、比較例2及び本実施例のアンテナ利得を比較したグラフである。
図15】本発明に係るアンテナ装置の一実施形態において、アンテナ素子の他の例を示す導体パターンに沿って切断した状態の斜視図である。
図16図15のアンテナ素子内部の複合的な容量結合とインダクタンス成分とを示す説明図である。
図17】本発明に係るアンテナ装置の従来例を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明に係るアンテナ装置の一実施形態を、図1から図8を参照しながら説明する。
【0022】
本実施形態におけるアンテナ装置1は、図1に示すように、絶縁性の基板本体2と、該基板本体2に銅箔等の金属箔でパターン形成されたグランド面Gと、該グランド面Gが形成されていない領域として基板本体2上に該基板本体2の一辺の近傍に接して設けられたアンテナ占有領域AOAと、該アンテナ占有領域AOA内に銅箔等の金属箔でパターン形成されたアンテナエレメント3と、該アンテナエレメント3に接続され基板本体2に実装された誘電体アンテナのアンテナ素子ATとを備えている。
【0023】
上記アンテナエレメント3は、中央パターンE1と、一対のランド部E2と、一対のグランド接続パターンE3と、一対のループ用パターンE4とを有している。
上記中央パターンE1は、グランド面Gの近傍に配された基端側に給電点FPが設けられると共に基板本体2の一辺2aに向けて延在している。
【0024】
上記アンテナ素子ATは、図4及び図5に示すように、アンテナ動作の所望の共振周波数に自己共振しないアンテナ素子であって、チップ形状とされたセラミックス等の誘電体基体11と、該誘電体基体11の両端に形成された一対の両端電極部12と、誘電体基体11の中間部に形成され中央パターンE1の先端部に接続された中間電極部13とを備え、両端電極部12と中間電極部13との間にそれぞれ容量成分Cを有している。
【0025】
また、このアンテナ素子ATは、誘電体基体11の内部に形成され互いに離間し対応する両端電極部12に接続された一対の両端導体パターン14及び中間電極部13に接続された中間導体パターン15と、誘電体基体11の内部に形成され両端導体パターン14と中間導体パターン15との間にこれらと離間して配された浮遊導体パターン16とを備えている。すなわち、両端導体パターン14と中間導体パターン15と浮遊導体パターン16とは、同一面内に形成されており、これら導体パターンが単層構造となっている。
【0026】
一対の両端導体パターン14及び中間導体パターン15は、それぞれ長方形状とされ、浮遊導体パターン16は、両端導体パターン14及び中間導体パターン15の間に配されたH字状に形成されている。
このアンテナ素子ATは、基板本体2の一辺2aの近傍に設置され、グランド接続パターンE3が、基板本体2の一辺2aに接して形成されている。
上記中間電極部13は、誘電体基体11の側面に互いに対向状態に一対設けられている。また、中間導体パターン15は、一対の中間電極部13に端部が接続されて互いに対向状態に一対設けられている。したがって、このアンテナ素子ATは、対称構造を有しており、極性及び表裏の方向性が無い。
【0027】
また、アンテナ素子ATは、図3に示すように、各導体パターン間に容量Cが発生し、さらに図6に示すように、複合的な容量Cのみではなく、インダクタンス成分Lも存在しており、各導体パターンの形状や間隔等で容量やインピーダンスが決定される。なお、アンテナ素子ATのインピーダンスは、使用周波数に対して高インピーダンスに設定されることが望ましい。また、上記アンテナ素子ATでは、内部に各導体パターンが埋め込まれているが、表面や裏面にパターン形成しても構わない。また、アンテナ素子サイズは、使用周波数、使用する誘電体材料等から選定される。
【0028】
一対の上記ランド部E2は、中央パターンE1の先端部の両側に配されて一対の両端電極部12が接続されている。
一対の上記グランド接続パターンE3が、一対のランド部E2とランド部E2に隣接するグランド面Gとを第1受動素子P1a,P1bを介してそれぞれ接続してインダクタンス成分を有している。
【0029】
一対の上記ループ用パターンE4は、一対のグランド接続パターンE3に先端が接続されていると共に他端が中央パターンE1の途中に接続され、途中にそれぞれ第2受動素子P2a,P2bが接続されている。
また、上記中央パターンE1の途中には、一対のループ用パターンE4との接続部よりも先端側に、第3受動素子P3が接続されている。
【0030】
なお、上記給電点FPは、高周波回路(図示略)の給電点に接続される。また、グランド面Gには、高周波回路が実装される。
上記第1受動素子P1a,P1b、第2受動素子P2a,P2bおよび第3受動素子P3は、例えばインダクタ、コンデンサまたは抵抗が採用される。これらの第1〜第3受動素子により、2つの異なる周波数およびインピーダンスの調整を行う。
なお、所望のアンテナ性能が得られれば、第3受動素子P3を省略しても構わない。
【0031】
上記基板本体2は、一般的なプリント基板であって、本実施形態では、長方形状のガラスエポキシ樹脂等からなるプリント基板の本体を採用している。この基板本体2の表面には、略矩形状にグランド面Gが抜かれて上記アンテナ占有領域AOAが設けられている。また、基板本体2の裏面には、図2に示すように、グランド面Gが表面と同様にパターン形成されており、上記アンテナ占有領域AOAの直下に相当する部分のグランド面Gが抜かれている。
なお、グランド面Gは、図2に示すように、表面側と裏面側とがそれぞれ図示しないスルーホールで電気的に導通されている。
【0032】
本実施形態のアンテナ装置1では、図7に示すように、一方のグランド接続パターンE3によるインダクタンス成分L1と、一方のループ用パターンE4とグランド面Gとの間の浮遊容量C1と、他方のグランド接続パターンE3によるインダクタンス成分L2と、他方のループ用パターンE4とグランド面Gとの間の浮遊容量C2とが発生する。
【0033】
すなわち、インダクタンス成分L1と浮遊容量C1とで得られる並列共振(図中の符号R1部分)と、インダクタンス成分L2と浮遊容量C2とで得られる並列共振(図中の符号R2部分)と、中央パターンE1、アンテナ素子AT、ランド部E2及びループ用パターンE4で構成されるループ形状による共振(図中の符号R3部分)とが生じる。
【0034】
したがって、中央パターンE1の左右にそれぞれ得られる一対の並列共振と、上記ループ形状による共振と、第2受動素子P2a,P2bによる最終的なインピーダンス調整とにより、グランド面Gへ広がる高周波電流の流れを抑制し、限られたアンテナ占有領域AOAを最大限に利用して高いアンテナ性能を得ることができる。
【0035】
次に、本実施形態のアンテナ装置1の表面における任意の位相での電流分布をシミュレーションにより解析した結果について、高周波電流の流れを簡易的に矢印で示したものを図8に示す。この図から判るように、アンテナ占有領域AOA内に電流分布が集中し、グランド面Gへ広がる高周波電流の流れが抑制されると共に、アンテナ素子ATとランド部E2とループ用パターンE4とによる2つのループ形状の部分には、それぞれ矢印方向にループ状に高周波電流が流れる。
【0036】
このように本実施形態のアンテナ装置1では、一対のループ用パターンE4が、一対のグランド接続パターンE3に先端が接続されていると共に他端が中央パターンE1の途中に接続され、途中にそれぞれ第2受動素子P2a,P2bが接続されているので、一対の第2受動素子P2a,P2bを個別に設定することで、一対のループ用パターンE4を流れる異なる周波数の2つの高周波電流に関してインピーダンスを個別に調整することができる。
【0037】
すなわち、一対のループ用パターンE4と中央パターンE1とアンテナ素子ATと一対のランド部E2とで構成された中央パターンE1の両側の一対のループ状経路において、それぞれループ状に高周波電流の流れが発生する。したがって、一対の第1受動素子P1a,P1bを個別に設定することで、2つの周波数を個別に調整可能であると共に、各ループ用パターンE4に接続された第2受動素子P2a,P2bを個別に設定することで、2つの周波数に関してインピーダンスを個別に調整することが可能になる。
【0038】
また、アンテナ占有領域AOA内に電流分布が集中すると共にグランド面Gへの高周波電流の流れを抑制することができる。つまり、実装時の周辺部品等の影響も低減することが可能になる。
すなわち、本アンテナ装置1では、一対のグランド接続パターンE3によるインダクタンス成分とアンテナ素子ATの両端電極部12が接続されるランド部E2とグランド面Gとの間のギャップによる浮遊容量で得られる一対の並列共振と、アンテナ素子ATからループ用パターンE4の内縁部、中央パターンE1の縁部を介してアンテナ素子ATに至るループ形状による共振とが生じる。
【0039】
したがって、アンテナ素子ATと受動素子とによる開口面の短縮されたループ形状の共振と、一対の両端電極部12が接続されるランド部E2及びループ用パターンE4とグランド面Gとの間の浮遊容量とによる一対の並列共振により、グランド面Gへ広がる高周波電流の流れを抑制し、限られたアンテナ占有領域AOAを最大限に利用して高いアンテナ性能を得ることができる。
【0040】
さらに、アンテナ素子ATは、両端側の一対の両端電極部12が共に放射電極として動作し、方向性が無く、かつ効果的な放射電力を実現することができる。
また、中央パターンE1の途中であって一対のループ用パターンE4との接続部よりも先端側に、第3受動素子P3が接続されているので、第3受動素子P3の設定により2つの周波数に対して共に周波数調整及びインピーダンス調整を行うことができる。
【0041】
また、アンテナ素子ATが、両端電極部12に接続された一対の両端導体パターン14及び中間電極部13に接続された中間導体パターン15とを備えているので、両端導体パターン14と中間導体パターン15との形状や配置に応じてこれらの間に複合的な容量成分を形成することができる。
さらに、アンテナ素子ATが、誘電体基体11の内部に形成され両端導体パターン14と中間導体パターン15との間にこれらと離間して配された浮遊導体パターン16を備えているので、浮遊導体パターン16により、両端導体パターン14や中間導体パターン15との間に複合的な容量結合やインピーダンス成分を生じさせることができる。これにより、周波数及びインピーダンス調整ができると共に、小型化や高利得化が可能になる。また、受動素子の低減や最適な誘電率材料を選択することによって、安価な材料の使用や多層構造の層数削減等を行い、コストを低減することができる。
【0042】
また、アンテナ素子ATが、基板本体2の一辺2aの近傍に設置され、グランド接続パターンE3が、基板本体2の一辺2aに接して形成されているので、アンテナ素子ATおよびグランド接続パターンE3が基板端に配されることで、アンテナ素子ATの性能を最大限に引き出して利用することができる。特に、接地ラインである一対のグランド接続パターンE3が基板本体2の一辺2aに接して直線的になり、接地ラインの影響、不安定要素を低減し、低損失を実現することができる。
【0043】
なお、アンテナ素子ATは、該アンテナ素子ATからの放射空間を広く確保するため、できるだけ基板本体2の端、すなわち一辺2aに近づけて設置することが望ましい。
また、グランド接続パターンE3は、最短である必要はないが、直線で隣接するグランド面Gへ繋げることが望ましい。
さらに、アンテナ占有領域AOAは、できるだけ大きい方が望ましい。また、ループ用パターンE4を用いた上記ループ形状による開口面積は広い方が望ましい。
【実施例】
【0044】
次に、本実施形態のアンテナ装置を実際に作製した実施例において評価した結果を、図9から図16を参照して説明する。
【0045】
まず、基板本体2のサイズを、上記一辺2aを130mmとすると共に上記一辺2aに直交する辺を70mmとした実施例を作成し、アンテナ占有領域AOAのサイズを10mm×10mmとした。また、この際の第1受動素子P1a,P1bは、それぞれ30pFのコンデンサ及び1.3pFのコンデンサを採用した。また、第2受動素子P2a,P2bは、それぞれ5.0nHのインダクタ及び1.0nHのインダクタを採用した。さらに、第3受動素子P3は、3.0pFのコンデンサを採用した。
【0046】
この本実施例におけるVSWR特性を、図9に示す。また、本実施例における放射パターンを図10に示す。なお、この際、基板本体2の一辺2aの延在方向をY方向とし、中央パターンE1の延在方向をX方向とし、基板本体2の表面に直交する方向をZ方向とした場合のZX面に対する垂直偏波を1.5GHz帯と2.4GHz帯とで測定した。
これらの結果から、本実施例のVSWR特性では、1.5GHz帯においてVSWRmin.1.61及び放射効率−0.71dBiが得られていると共に、2.4GHz帯においてVSWRmin.1.56及び放射効率−0.83dBiが得られ、高いアンテナ利得が実現されていることが判る。また、1.5GHz帯及び2.4GHz帯の両方とも、無指向性の放射パターンが得られている。
【0047】
次に、受動素子の設定値を変えた際の2つの共振周波数のシミュレーション結果を、図11及び図12に示す。なお、図11の(a)(b)(c)は、それぞれ第1受動素子P1a、第1受動素子P1b、第3受動素子P3の設定値を変えた場合のシミュレーション結果である。また、図12の(a)(b)は、それぞれ第2受動素子P2a、第2受動素子P2bの設定値を変えた場合のシミュレーション結果である。これらのシミュレーション結果から、各受動素子の設定値を変更することで、周波数やインピーダンスの調整が可能であることが判る。
【0048】
次に、本発明の実施例と、図13の(a)(b)に示す従来の開放型である逆Fタイプのデュアルバンドアンテナである比較例1及び比較例2とについて、同一の基板本体サイズでアンテナ利得について比較した。
【0049】
上記比較例1は、図13の(a)に示すように、アンテナ占有領域AOAのサイズを本実施例と同様に10mm×10mmに設定したものであり、アンテナ占有領域AOA内にアンテナエレメントとして、グランド面Gの近傍に配して給電点とされる基端部を有する第1エレメントE11と、該第1エレメントE11の先端に接続され第1エレメントE11に対して直交する左右に延在する第2エレメントE12と、該第2エレメントE12の両端から受動素子P12を介して第1エレメントE11の延在方向に沿って延びる一対の第3エレメントE13と、第1エレメントE11の途中に受動素子P11を介して一端が接続され他端が第1エレメントE11の基端部から離間した位置でグランド面Gに接続されたグランド接続部E10とを有している。
【0050】
上記比較例2は、図13の(b)に示すように、アンテナ占有領域AOAのサイズを20mm×10mmに設定し、本発明の実施例よりも大きくしたものであり、アンテナエレメントとして比較例1と異なる点は、一対の第3エレメントE13の先端から互いに離間する方向に延在する一対の第4エレメントE14を有している点である。
【0051】
本実施例と比較例1および2とのアンテナ利得を比較したグラフを、図14に示す。この結果から判るように、比較例1(図14中の「逆F10×10mm」)では、全方位アンテナ利得が1.5GHz帯で−8.49dBi、2.4GHz帯で−1.59dBiと低く、これを改善するためにアンテナ占有領域AOAを広げた比較例2(図14中の「逆F型20×10mm」)でも、全方位アンテナ利得が2.4GHz帯で−0.38dBiまで改善したものの、1.5GHz帯では−2.25dBiしか改善されていない。
【0052】
これらに対し、本発明の実施例(図14中の「本発明10×10mm」)では、比較例1と同様の小さなアンテナ占有領域AOAであるが、全方位アンテナ利得が1.5GHz帯で−0.71dBi、2.4GHz帯で−0.83dBiと高いアンテナ利得が得られている。このように、本実施例では、アンテナ占有領域AOAが小さい場合でも高いアンテナ性能が実現可能である。
【0053】
なお、本発明は上記実施形態および上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることができる。
【0054】
例えば、図15及び図16に示すように、アンテナ素子として、より複雑な導体パターンを設けたものでも構わない。すなわち、このアンテナ素子は、一対の両端導体パターン24が対向方向に突出した部分を有し、一対の中間導体パターン25が十字形状とされ、浮遊導体パターン26が、H字形状の各先端部からさらに両端側に延在してから直交する方向に屈曲した4つのL字状部を有している。このアンテナ素子では、図16に示すように、複雑な各導体パターンによって、さらに複合的な容量結合を大きくすることができると共に、多くのインダクタンス成分も得られる。
【0055】
また、上記実施形態では、導体パターンが単層構造であり、同一面の電極間距離で容量結合を構成しているのに対し、多層構造を利用して上下の電極間において容量結合を構成しても構わない。すなわち、誘電体層を挟んで上下に形成された両端導体パターン、中間導体パターン及び浮遊導体パターンにより、層間の導体パターンで容量を発生させても良い。
【符号の説明】
【0056】
1…アンテナ装置、2…基板本体、2a…基板本体の一辺、3…アンテナエレメント、11…誘電体基体、12…両端電極部、13…中間電極部、14,24…両端導体パターン、15,25…中間導体パターン、16,26…浮遊導体パターン、AOA…アンテナ占有領域、AT…アンテナ素子、E1…中央パターン、E2…ランド部、E3…グランド接続パターン、E4…ループ用パターン、FP…給電点、G…グランド面、P1a,P1b…第1受動素子、P2a,P2b…第2受動素子、P3…第3受動素子
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図13
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図16
図17
図9
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図11
図12
図14