(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
[0008]上記に鑑みて、ポリマーステントをバルーンカテーテルにクリンピングする場合などの既存のクリンピング処理には、改善の必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
[0009]本発明は、ステントをバルーンカテーテルにクリンピングするための装置、システム及び方法を提供する。本開示の1つの態様によれば、ステント取り付けシステムは、クリンパーヘッド及び、第1及び第2のステント及びカテーテルアセンブリを配置し、ステントをバルーンにクリンピングする前に、第1及び第2のステントを各々のバルーンカテーテル上で位置合わせするための、クリンパーヘッドの両側に置かれた一対のステーションを含む。クリンパーヘッドは、クリンピング処理を同時に実施するように、ステント及びカテーテルアセンブリを両方のステーションから受け取るように構成されている。システムは、クリンピングのためにステント及びカテーテルを準備するとき、及びクリンピング処理を監視するとき、通常は例えば技術者などのオペレータによって行う必要のある作業の多くを軽減するために、コンピュータ制御された処理を組み込んでいる。手作業によるプレクリンピング処理を、自動化されコンピュータ制御された処理に置き換えることにより、ステント及びカテーテルがクリンパーヘッド内で不適正に置かれ、それによりステントの長さにわたって不均一なクリンピングを生じることがある可能性、又はステントがクリンピング前にバルーンマーカーと適正に位置合わせされない可能性が低くなるため、生産数を増加することができる。自動化され、コンピュータ制御された処理を使用することによって、クリンピングに必要な時間を低減し、生産数を増加することができる。さらに、オペレータがより多くの時間を利用できるようになり、同じオペレータによって複数のクリンピング手順を監視することができる。
【0010】
[0010]本発明のこれら及び他の利点は、ポリマーステントをクリンピングするとき、特に注目に値する。金属ステントとは対照的に、ポリマーステントは、材料に固有の制限により、金属と比較して非常に遅い速度でクリンピングしなければならない。この遅い処理によって、ステント−カテーテル製造中、重大な障害が生じることがある。手作業によるクリンピング作業を自動化することによって、ポリマーステントをクリンピングするのに必要な全体時間を著しく短縮することができる。例えばPLLAなどの耐力性ステントに適したポリマー材料は金属よりもはるかに脆弱であるため、クリンピングでストラットの不規則な屈曲又はねじれを処理するとき、ポリマーステントは、破断する恐れが非常に高い。従って、例えば、ステント及びカテーテルがクリンパーヘッド内に適正に置かれず、又は配置されないとき、クリンパージョーによって不均一な力がかかるなど、クリンパーヘッド内での不適切なクリンピングは、ポリマーステントストラットを破断させる可能性が高くなる。従って、ポリマーステントの生産数を高めるために、クリンピング処理では正確性及び反復性が、金属ステントより重要である。本発明の1つの態様によれば、金属ステントのクリンピングには自動化の必要性は低いが、ポリマーステントのクリンピング処理にはさらなる自動化が必要であることが認識されている。ポリマーステントのクリンピング手順は、金属ステントより約5倍長くかかることがある。この5倍のクリンピング時間に、生産工程でクリンピングされるポリマーステント−バルーンアセンブリの数をかけると、金属ステントのクリンピングに必要な時間及び資源の割当てとは対照的な、独自の計画及び資源割当ての課題が明らかになる。遅延の主要な理由は、亀裂の発生又は伝播を抑えるため、及びクリンピングジョーがステント表面から離れたときの反動を抑えるために、ポリマー材料をよりゆっくりとクリンピングする必要があることである。
【0011】
[0011]ステントをバルーンにクリンピングするための既存のシステムでは、オペレータが、ステントをバルーンマーカーの間に位置合わせし、ステント及びバルーンアセンブリをクリンパーヘッド内に適正に挿入し、次いでステントが適正にクリンピングされていることを中間処理で確認することを手作業で行う必要がある。本発明は、クリンピングのためにステント及びカテーテルを配置し、位置合わせするための自動化された処理を導入することによって、オペレータがこれらの作業を実施しなければならないことの欠点の多くを実質的に克服することができる。
【0012】
[0012]本開示によれば、システムは以下の手作業による作業を自動化するように構成することができる。
【0013】
[0013]カテーテル遠位端を開口部の入口に手作業で配置し、次いでステント及びカテーテルをクリンパーヘッド内に手作業で前進させる。本発明の1つの態様によれば、例えば、基準点に対するカテーテルの近位側バルーン封止部の適正な位置を識別するレーザー光によって、カテーテルがコンピュータ制御下でカテーテル及びステントをクリンパーヘッド内へと前進させるキャリッジ内に適正に置かれていることをオペレータが確認した後、コンピュータが、ステント及びカテーテルをクリンパーヘッド内へと自動的に前進させる。レーザー配置システム又はカメラを使用して、キャリッジに対するカテーテルの適正な位置を突き止めるとともに、クリンパーヘッド内へ前進するキャリッジの動作を制御するプロセッサにステント−カテーテルがクリンパーヘッド内に適正に配置されていることを信号で知らせることができる。この信号を受け取ると、アクチュエータはステント−カテーテルアセンブリをクリンパーヘッド内へと前進させる。対照的に、
図1A〜1Bに示すデバイスは、ステント−カテーテルアセンブリがクリンパーヘッド内で適正に置かれていることをオペレータに示すために、機械的止め具275を使用する。しかし、ステント−カテーテルアセンブリをクリンパーヘッド内に配置するこの方法によって、ステントがバルーンに対して変位することがあり、それによりステントが位置合わせから外れることが明らかになっている。本発明は、機械的止め具が、金属ステントをクリンパーヘッド内に配置するために適切であることが明らかであっても、特にポリマーステントの直径がバルーンよりはるかに大きい場合、ポリマーステントに問題を生じさせることを認識している。この問題の解決策として、サーボ機構を使用して、ステントがバルーンに対して移動する可能性が低い速度で、ステント−カテーテルアセンブリをクリンパーヘッド内へと前進させる。
【0014】
[0014]ステントをバルーンマーカーの間に手作業で位置合わせする。本発明の1つの態様によれば、撮像システムを使用して、ステント及びカテーテルを撮影し、次いで、例えばパターン認識アルゴリズムソフトウェアを使用して、ステントが適正に位置合わせされているかどうかを判断する。ステントが適正に位置合わせされていない場合、コンピュータ制御されたアクチュエータを使用して、バルーンマーカーに対するステントの位置が調整される。アクチュエータは、プロセッサによって駆動されるサーボ機構によって制御することができ、プロセッサはカメラ又はレーザー位置合わせシステムを使用することができ、調整中、フィードバックループを有する、又は有さない制御装置論理を組み込むことができる。
【0015】
[0015]クリンパー内でステントがバルーンマーカーに対して移動していないことを確認するために、初期又はプレクリンピング後にバルーン上のステントを手作業で検査する。ステントが移動している場合、次いでオペレータが、ステント及びカテーテルをクリンパー内へと再び置く前にステントを手作業で調整する。本発明の別の態様によれば、ステント−カテーテルアセンブリがキャリッジ上に置かれ、オペレータが処理を起動した後、クリンピング処理はコンピュータ制御される。ステント−カテーテルアセンブリをクリンパーヘッド内に置き、プレクリンピングを実施し、次いでステント−カテーテルをクリンパーヘッドから引き抜く。次いで撮像システムを起動し、ステントがバルーンマーカーと位置合わせされていることを確認する。ステントがバルーンマーカーの間にあることを確認した後、ステント−カテーテルアセンブリを再びクリンパーヘッド内へと前進させて、最終的なクリンピングを実施する。オペレータによる操作は不要である。
【0016】
[0016]上記の手作業処理を第1のステントに、次いで第1のステントがバルーンにクリンピングされた後、第2のステントに次々に実施する。本発明の別の態様によると、第1及び第2のステント及びカテーテルアセンブリを1つのクリンピング手順で同時にクリンピングするクリンパーヘッドが提供される。従って、自動化された配置、位置合わせ、及び上記のプレクリンピングステップ後の確認を、2つのステント及びカテーテルアセンブリで同時に実施することができる。
【0017】
[0017]本発明は、より小さい位置合わせ誤差が要求されるステント−カテーテルアセンブリの位置合わせ処理の向上の必要性に対処する。短いバルーン先細部及び短いマーカーバンドではより精密なステント配置が必要とされる。ステントの精密な位置補正はオペレータが手作業で実施するのは困難であり、特別な訓練を要する。手作業による配置は、正確に行われないと、ステント、コーティング及び/又はバルーンの損傷を招くことがある。この配置作業は、ステントが展開又は超展開直径を有するように製造されるとき(ステントが展開直径へと拡張されたときの機械的特性を高めるために、より大きい開始直径が選択される)、より困難になる。ステントと折り畳まれたバルーンとの間に比較的大きい環状の隙間があることにより、配置に大きな問題が生じる。
【0018】
[0018]これらの目的に合わせて、及び本発明が対処/直面する当技術分野における上記の問題及び/又は必要性に鑑みて、本発明は、1つの態様では、クリンパーヘッドと、クリンパーヘッドに隣接して配設され、第1のステント及び第1のバルーンカテーテルアセンブリ、並びに第2のステント及び第2のバルーンカテーテルアセンブリをそれぞれ受けるように構成され、位置合わせ部分及び配置部分をそれぞれ含む第1のステーション及び第2のステーションと、クリンパーヘッドを使用して、第1のステントを第1のバルーンカテーテルに、第2のステントを第2のバルーンカテーテルに同時にクリンピングするためのプロセッサとを提供する。プロセッサが、例えばクリンピング手順を開始するなどのユーザコマンドを受け取ると、例えばローカルコンピュータなどのプロセッサは、(a)第1及び第2のステーション位置合わせ部分をそれぞれ使用して、第1のステーションが第1のステントを第1のバルーンカテーテルと位置合わせし、第2のステーションが第2のステントを第2のバルーンカテーテルと位置合わせし、(b)第1及び第2のステーション配置部分をそれぞれ使用して、第1のステーションが第1のステント及び第1のバルーンカテーテルをクリンパーヘッド内へと挿入し、第2のステーションが第2のステント及び第2のバルーンカテーテルをクリンパーヘッド内へと挿入し、(c)クリンパーヘッドが、第1のステントを第1のバルーンカテーテルにクリンピングし、第2のステントを第2のバルーンカテーテルにクリンピングするクリンピング手順を実施するようにさせる。
【0019】
[0019]本発明の別の態様によれば、(a)、(b)及び(c)の作業を実施するために、機械読取可能な記憶媒体内にある機械実行可能なコードが提供される。機械読取可能なコードは、(フィードバックループを有する、又は有さない)制御システムを使用して、位置合わせ部分を操作するためのコードを含むことができる。
【0020】
[0020]位置合わせ部分は、バルーン上のステントの画像を取得するためのカメラと、画像を分析してステントがバルーン上で位置がずれているかどうかを判断するためにプロセッサがアクセス可能な機械読取可能な命令と、分析された画像からバルーンに対するステントの位置ずれが検出された場合、ステント及びバルーンの一方をステント及びバルーンの他方に対して変位させるためのアクチュエータと、バルーンに対するステントのオフセットに従って、アクチュエータを使用してステント及びバルーンの一方を他方に対して変位させるためのアクチュエータの動作を制御するための制御装置とを含むことができる。
【0021】
[0021]本発明の別の態様によれば、ステントをバルーンカテーテルのバルーンにクリンピングするための方法があり、バルーンがステントとバルーンとの適正な位置合わせを識別するバルーンマーカーを有し、方法は、カテーテルを可動キャリッジ上に置くサブステップを含む、バルーンカテーテルをクリンピングのために準備するステップと、ステント及びバルーンの少なくとも1つの画像を収集するサブステップと、次いで画像を分析してステントがバルーンマーカーの間にあることを確認するサブステップとを含む、ステントがバルーンと位置合わせされていることを確認するステップと、確認するステップの後、ステント及びバルーンをクリンパーへと挿入するステップと、ステントをバルーンにクリンピングするステップとを含む。
【0022】
[0022]本発明の別の態様によれば、最終クリンピング及びその後の休止期間を含むポリマーステントのクリンピング方法がある。休止期間中、バルーン及びステントは高温に維持され、ステント−カテーテルアセンブリをクリンパージョーで把持しながら、バルーンのリークテストが実施される。
【0023】
[0023]本発明の別の態様によれば、ポリマーステントをバルーンカテーテルにクリンピングするための装置があり、ジョーを有するクリンパーヘッドと、位置合わせ部分と、配置部分と、クリンパーヘッド、位置合わせ部分及び配置部分と通信するプロセッサと、クリンピング処理を実施するためにプロセッサによって実行可能な機械実行可能なコードとを含む。
【0024】
[0024]機械実行可能なコードは、ポリマーステントをバルーンカテーテルのバルーンと位置合わせし、ポリマーステント及びバルーンをクリンパーヘッド内に配置するための第1のコードと、ポリマーステントをバルーンにクリンピングするための第2のコードであって、クリンパージョーを最終クリンピング直径にし、その後ポリマーステント内に応力の緩和を生じることができるようにし、バルーンをある圧力に膨張し、次いでバルーンのリークを検出するためにある期間にわたって圧力を測定することを含むバルーンテストを実施するための休止時間を設定することを含む、第2のコードとを含む。
【0025】
[0025]本発明の方法及び装置の範囲は、米国特許出願公開第2010/0004735号及び米国特許出願公開第2008/0275537号に実質的に説明されているステントをクリンピングする処理も含む。ステントが形成される管の厚さは0.10mm〜0.18mmとすることができ、より詳しくは約0.152mmである。ステントはPLLAから形成することができる。またステントはPEBAXバルーンにクリンピングすることができる。
【0026】
[0026]本明細書で述べられるすべての公報及び特許出願は、個々の公報又は特許出願がそれぞれ参照によって援用されることが特に個別に示され、個々の公報又は特許出願がそれぞれ図を含めて本明細書に完全に記載されているのと同程度に、参照によって本明細書に援用される。
【発明を実施するための形態】
【0040】
[0040]本開示を通して、バルーン拡張式インプラントを「ステント」と称し、以下の説明は、金属材料又はPLLAなどのポリマー材料によって全体又は一部が形成されるインプラントについて述べる。いくつかの例では「足場」という用語が使用されるが、これは特に生体分解性ポリマーインプラントのことをいう。
【0041】
[0041]
図2は本開示の1つの態様によるステント取り付けシステム10を示す。ステント取り付けシステム10は、ステントを送達バルーン上に配置し、次いでステントをバルーンに自動的にクリンピングするように構成されている。システム10は好ましくは、2つのステントを別個のバルーンカテーテル上に同時に載せることができ、次いで、それぞれがコンピュータ制御された配置及び位置合わせシステムによってクリンパーヘッド内に置かれるように構成される。次いで、両方のステントが、同じクリンパーヘッドを使用して、各々のバルーンにクリンピングされる。従って、1つのクリンピング手順中に2つのステントをカテーテルに同時にクリンピングすることができる。担当オペレータは、ステント及びカテーテルの比較的真っ直ぐな組み付けを行い、次いでステント−カテーテルアセンブリをキャリッジに取り付けるだけでよい。開始手順ボタンを押し、この時点で残りの処理は自動化され、オペレータは、既存のシステムでは通常は必要とされる手動操作のほとんどが軽減される。
【0042】
[0042]
図2を再び参照すると、システム10は、例えばアイリス型クリンパーなどのクリンピングヘッド20、及びクリンピングヘッド20のジョーとクリンピングするステントとの間に非粘着性ポリマー材料の薄いシートを供給するためのローラーを含むクリンピング装置12の左側及び右側にそれぞれ置かれた左右の配置及び位置合わせステーション14、16を含む。配置及び位置合わせステーション14、16のコンピュータ制御された左右の移動キャリッジ42a、42b部分のそれぞれに取り付けられたコイルカテーテル8、9が示されている。キャリッジ部分42a、42bは、カテーテル遠位端(バルーンが置かれる位置)のクリンピングヘッド20の適切な位置への配置、クリンピング手順を開始する前のカテーテルのバルーン上でのステントの位置合わせなど、自動化されたステント配置及び位置合わせ処理に関連する様々な機能を実施することができる。ステントがバルーンマーカーに対して適正に位置合わせされた後、カテーテルをステントとともにクリンパーヘッド20へと前進させ、クリンピング手順を開始する。次いでステントを、クリンパーから引き抜く前に最終的なクリンピング状態になるように直径を縮小し、又は直径を一部縮小し、バルーン上に適正に置かれていることを確認するために取り出し、次いでクリンパーへと再度挿入して、クリンピング処理を終了することができる。
【0043】
[0043]
図3を参照すると、取り付け装置12の斜視図が示されている。上記で述べたように、取り付けシステム10のこの部分はクリンパーヘッド20及び供給ローラーを含む。クリンパーヘッド20はアイリス型クリンパーとすることができ、その一例が米国特許出願公開第2003/0070469号に記載されている。クリンパーヘッド20は、ステント及びカテーテルを左右の配置及び位置合わせシステム14、16を経由してクリンパーヘッド20へと通すための左右開口部をそれぞれ含む(開口部又は開口20aは、
図2及び3の斜視図に見ることができる)。好ましくは、クリンパーヘッド20は、1つ又は2つのステントを適正にクリンピングすることができるようにコンプライアンスオフセット特徴を備えて構成される。コンプライアンスオフセット特徴は、1つのステントのみをクリンピングするとき、一方の端部のクリンパージョーの移動を調整することによって実施することができる。2つのステントのクリンピングと1つのステントのクリンピングを同時に行うときにジョーの負荷を調整しないと、クリンパージョーはステントの長さにわたって不均一な力の分布をもたらすことになる。
【0044】
[0044]
図2及び3に示すように2つのステントを同時にクリンピングするように構成されたクリンパーヘッドの1つの好ましい態様は、ステント及びクリンパーヘッドの軸受にかけられる負荷が均一であることである。ステント設計は、8〜80mmとすることができ、用途によってはそれより長くすることができる。カテーテル固定制限により、すべてのステントサイズのステントの近位端が同じ距離だけクリンパーヘッドへと挿入される。クリンパーヘッドは、左右の一方の側のみに短い長さのステントが配設されるとき、軸受の高いねじり荷重及び右側及び左側の直径の不一致を経験することがある。ステントをクリンパーヘッドの両側に置くことにより、負荷がより均一に分布され、又は均衡されるようになり、クリンピング処理中、より均一な抵抗がもたらされる。
【0045】
[0045]3つのローラー23、24、25を使用して、クリンピングの前にクリンピングジョーとステントとの間に非粘着性材料の清潔なシートを配置する。例えば、上側ローラー25は、裏張りシートに固定されるシートを保持する。シートは、クリンパーヘッド20内の回転機構(図示せず)によって裏張りシートから引っ張られる。使用されたシートはクリンピング後に中間ローラー24によって集められ、裏張りシートは下側ローラー23によって集められる。非粘着性シートを供給するローラーの代わりに、クリンピング前にそれぞれのステントを薄いコンプライアント保護シースで覆うこともできる。
【0046】
[0046]供給された非粘着性材料(又は保護シース)のシートは、ポリマー担体に保持された治療薬でコーティングされたステントのクリンパージョーに、コーティング材料が蓄積されることを防ぐために使用される。シートは、それぞれのクリンピング手順後に新しいシートに交換される。それぞれのクリンピング後に清潔なシートを前進させることによって、前にクリンピングしたステントからのコーティング材料の蓄積を防ぐことができる。ポリマーステントをクリンピングするとき、フィルムも有用である。クリンパーの金属ジョーによってポリマーステントのストラットに圧力をかけるとき、金属とポリマーとの硬さの違いによって、ストラットが損傷することがある。ポリマーフィルムは、クリンピング中、ステントストラットの穿孔を避けるために、ジョーとステントストラットとの間によりコンプライアンスの高い面を提供する。
【0047】
[0047]左の配置及び位置合わせステーション14は、右のステーション16と同じ特性を有する。従って、以下の説明はステーション14又は16のいずれかに適用される。右位置合わせステーション16は、あらかじめプログラムされたステント及びカテーテルのための配置及び位置合わせ手順及びその後のクリンピング手順を修正し、又は単に監視するための対話型ディスプレイ16aとすることができるディスプレイを含む。特定のステントのための処理についての情報は、入力されたステントIDから検索可能である。バーコードによってステントIDをスキャンし、又はステント保持器のRFID送信機によってステントIDを受け取った後、ステーション16は、遠隔記憶領域から、例えばバルーン圧力、休止時間、直径の縮小、温度など、特定のステントをカテーテルにクリンピングするためのパラメータ/方法を含む処理情報をアップロードすることができる。ステント及びバルーンサイズなどの追加情報をステントIDからアップロードすることもでき、それらの追加情報は自動化されたカテーテル上でのステントの位置合わせを補助するために使用される。
【0048】
[0048]クリンピング処理の中間段階を開始又は中断するために、ステーション16の前面パネルに制御ボタン16aを設けることができ、制御ボタンは、例えば、カテーテル上でのステントの位置合わせを開始/中断する、カテーテルをキャリッジ42aに締め付ける/カテーテルをキャリッジ42aから解除する、クリンピングステップを中断する、ステント及びカテーテルをクリンパーヘッド20へと前進させる、又はステント及びカテーテルをクリンパーヘッド20から取り外すなどのためのものである。
【0049】
[0049]上記で述べたように、ポリマーシートはステントとクリンパージョーとの間に配設されている。これらのシートには多くの静電荷が存在することがあることが明らかになっている。さらに、ポリマーステントがバルーン面上を摺動するとき、又はステントの前操作中、静電荷が蓄積することがある。バルーンより著しく大きい直径を有するポリマーステントでは、バルーン上に置かれたとき、又はステント−カテーテルアセンブリが最初にクリンパーヘッドへと導入され、帯電したポリマーシートに近接したとき、これらの静電荷により、ステントが位置合わせから外れることがある。ポリマーステントのクリンピング処理では、ステント−カテーテルアセンブリをクリンパーヘッドへと挿入する前にこの静電荷を除去し、又は最小限化することが望ましい。例えば、帯電防止空気を、クリンピング前にクリンパーヘッド内及びステント−カテーテルアセンブリ上へと送ることができる。
【0050】
[0050]ステーション16は、ステント及びカテーテルをクリンパーヘッド20内へ、及びクリンパーヘッド20から外へと運び、ステント100のバルーン112上での再位置合わせを補助するキャリッジ42a(以下、キャリッジ42又は42aという)を含む。キャリッジ42は、キャリッジ42に接続されたコンピュータ制御の線形駆動機構によって、左右に平行移動する。
図4A〜4Bを参照すると、右配置及び位置合わせステーション16、特に、キャリッジ42及びキャリッジ42とともに使用してステント100のバルーン112上での位置合わせを補助する撮像システム60の要素(カメラ62及び基準面64)の2つの拡大斜視図が示されている。キャリッジ42は、カテーテル9のコイル部分9aを(クリップ41aを介して)保持するためのトレー41を含む。トレー41は、カテーテル9の遠位端9bをクリンパーヘッド20への入口22と位置合わせして保持するための溝46に隣接して配設されたカテーテル9の軸を前及び後把持部48、50へと向ける近位側ガイドフランジ44を含む。カテーテル9の近位端9cは、圧力源(図示せず)及び関連する圧力ゲージをカテーテル遠位端9cと連結するために結合させるルアー延長部を取り付けるためにトレー41上の都合のよい位置に配設されている。圧力源及びゲージは、ステント−カテーテルアセンブリがクリンパーヘッド20内にあるとき、膨張させてバルーン圧力を測定するためのバルーン膨張ルーメンと流体連通して置かれている。クリップ41bは、ルアー延長部と連結するためのホースを取り付けるために設けられている。
【0051】
[0051]キャリッジ42の溝46は、カテーテル9の軸9dをクリンパーヘッド20の入口22と位置合わせするための平行な壁を形成するように配置された、外側溝部46b及び内側溝部46aを含む。遠位側把持部の対48及び近位側把持部の対50は、それぞれがカテーテルの軸に当接するコンプライアントスリーブを受ける一対の対向する支柱を含む。遠位側把持部48は定位置に固定され、カテーテル遠位端9bが嵌まる空間を形成するように離間している。近位側把持部の対50は、遠位側カテーテル軸9dを溝46に固定するように互いに近づき、溝46から解除するように互いから離れるように空気圧式アクチュエータによって可動である。ユーザトグルスイッチ(図示せず)によって、把持部50がカテーテル軸9dから解除され、又はカテーテル軸9dに係合する。従って、把持部50は、カテーテル9の遠位端9dを溝46内に保持するクランプとして動作する。カテーテル9は、バルーン112が遠位端把持部48の前方にくるようにキャリッジ42内に配置される。ステント100は、
図4A〜4Bではバルーン112上にある。位置合わせの補助として、金属棒(図示せず)をカテーテルガイドワイヤルーメンを通って前進させ、カテーテルの遠位端の曲げ剛性を高める。溝46は、カテーテルを溝内で位置合わせし、ガイドワイヤルーメン内に配設された棒に作用する磁力によってこの位置に維持するように、磁性材料で形成されたV字溝を含み、又は溝付近に磁性材料を含む。
【0052】
[0052]バルーン112が把持部48の遠位側に配置された後、ステント100をオペレータが手作業でバルーン112上に置くことができる。バルーン112及びステント100が把持部48の遠位側のキャリッジ42に適正に置かれた後、トグルスイッチを押して、近位側把持部の対50でカテーテル9を定位置で締め付ける。別の実施形態では、ステントをトレー上に置き、(キャリッジ42上に保持された)カテーテルをコンピュータ制御されたアクチュエータによってステントの開口を通って前進させることができる。このステントトレーはステントを受けるための湾曲した受け面、例えば、円筒面の一部分を有することができ、オペレータがステントを受け面の上に単に落下させると、受け面がステントを自然に中心にくるように、例えば、ステントの開口の軸とシリンダーの軸が同一面になるようにすることができる。ステントが遠位側に変位した場合、ステントがフランジに当接するように、この受け面の遠位側縁部に沿ってフランジを形成することができる。カテーテル遠位端を、遠位側バルーンマーカーがステント遠位端の遠位側に見え始めるまで、ステントの開口へと前進させる。このステップ中にカテーテルとステントが接触した場合、遠位側フランジは、カテーテル遠位端をステントの開口に通しながらステントを定位置に保持する止め具として作用する。別の例では、
図6に示し、以下でより詳細に説明するトレーが、ステントを受けることができる。次いで、カテーテル遠位端がステントの開口を通って前進する。上記実施形態のいずれか、例えば
図6のトレー又は湾曲した受け面を有する本体では、ステント位置合わせ処理(以下でより詳細に説明する)は、ステントをカテーテルの遠位端の上に置くのと同時に実施することができる。
【0053】
[0053]
図4Cはキャリッジ42の斜視図である。上記で述べたように、キャリッジ42は、レール部分44を備えたトレー41、レール46及びクリップ41b及び把持部48、50を含む。
図4A〜4Bでは、キャリッジはスロット内に受けられて示されており、ステント−カテーテルアセンブリが開口22に向かって/開口22から離れるように移動すると、スロットに沿って平行移動する。キャリッジ42は、スロット内に受けられ、ボルト44によってリニアアクチュエータに連結されている延長部43を含む。空気圧式に作動される把持部50が、連結具50aによってアクチュエータに連結されている。
【0054】
[0054]クリンパーヘッド20を作動させる前に、クリンパーヘッド20内の指定領域へとバルーン112及びステント100を前進させるように、オペレータが遠位側把持部の対48に対してバルーン112の後方封止部112aの適切な位置を識別することを補助するために、レーザー光(又はカメラ)を使用することができる。
図4Aに示す位置からクリンパーヘッド20内のクリンピング位置までのキャリッジ42の前方の移動長さのための基準点として、便宜上、任意で選択することができるが、カテーテル遠位端9bが把持部48の前方で遠すぎ、又は把持部48に近すぎる場合、ステント及びカテーテルがクリンパーヘッド20内で不正確に配置されることがあり、その結果、ステント及び/又はクリンパーヘッドが損傷を受ける可能性がある。オペレータは、バルーン112の近位側封止部112aが光に照らされるまで、カテーテル軸に向けられ、カテーテル軸と交差する赤線を生成するレーザー光に対して、カテーテル遠位端9bの位置を調整する。このレーザー光は、把持部48の約10mm前方に向けられている。
【0055】
[0055]上述したようにキャリッジ42及び撮像システム60はステントのバルーン上での位置合わせを補助する。
図4Aに示すように、カテーテルバルーン112及びステント100は、基準面64とカメラ62との間にある(基準面は、カメラ62が収集した画像がステント及びバルーン112の遠位側及び近位側封止部、及び/又はバルーンマーカーを明確に区別することができるように、黒い背景又はステント及びカテーテルと対照的な背景になっている)。背景はどのような色とすることもでき、又は正確な寸法の変遷のために所望であれば、製品を背後から照らす別の光源を含むこともできる。
【0056】
[0056]オペレータによってバルーンがレール上に適正に配置されたとき、例えばカテーテル上のバルーンのほぼ遠位側及び近位側の位置などの基準点、又は例えばミリメートルの増加量を示すハッシュなどの長さの測定を表す基準目盛を、背景又は対照面に配設することができる。
【0057】
[0057]カテーテル9が
図4Aに示すようにキャリッジ42に配置された後、ステント100のバルーン112上での位置合わせ、次いでクリンピング手順を、自動化された処理によって開始することができる。従って、カテーテル9をキャリッジ42内に適正に置いた後、オペレータがさらに操作することなく、ステント100及びカテーテルバルーン112の残りのクリンピング処理を開始することができる。
【0058】
[0058]ステントのバルーン上での位置ずれを、撮像システム60及び、バルーン112上のステント100の(1つ又は複数の)デジタル化画像を収集し、(1つ又は複数の)画像を分析してステントが位置合わせされているか、又は位置がずれているかを判断する位置検出ルーチンを含むコンピュータ実行アルゴリズムを使用して、検出することができる。すなわち、収集された(1つ又は複数の)画像を分析して、バルーン112に対するステント縁部104、105(
図5A参照)の位置を突き止める。ステント縁部、バルーン封止部、ステント及びバルーンマーカーなどを画像から識別することを補助するために、ステントについてのデータにアクセスする。ステント及びバルーンの長さ、縁部からマーカーまでの距離など、及び他の識別特性を、ステントIDを通して遠隔でアクセスし、次いで、画像と比較して、ステントがバルーンマーカー114に対して位置がずれているかどうかを判断するために使用されるステント構造を(パターン認識ルーチンを通して)識別することができる。
【0059】
[0059]ステントの位置がずれていると判断された後、配置機構を使用して、ステント100をバルーン112上で自動的に再配置する。ステントを再配置するために使用することができるコンピュータアルゴリズムは、フィードバックループを有する、又はフィードバックループを有さない制御装置を含む。どちらの場合も、制御装置は、バルーンマーカーの間でステントを適正に位置合わせするように、ステントを計算されたオフセット距離だけ移動させようとする。
【0060】
[0060]例えば、フィードバックを有さない制御装置を参照すると、ステント縁部104、106、バルーン封止部112b、112a及び/又はマーカーバンド114a、114bの位置を画像で突き止めた後、バルーンマーカーに対するステント100の位置を探し出し、オフセット距離「d1」を計算することができる(
図5A)。次いで、このオフセットは、キャリッジ42及び/又はステント100の移動を制御する制御装置に入力され、互いに対して移動させる。バルーン112がステント100に対して、又はステント100がバルーン112に対しておそらく距離d1だけ変位した後、第2の画像が取得され、ステントのバルーン112に対する位置が再評価される。ステント100がバルーン112上で、例えばマーカーバンド114a、114bの間など、適正に置かれるまで、同じ手順を複数回実施することができる。オフセットd1が計算された後、ステントのバルーンに対する移動が決定される。第2の画像によって、ステントがまだ位置がずれていることが明らかになった場合、新しいオフセットd1が計算され、処理が繰り返される。
【0061】
[0061]ステントをバルーン112に対して(又はバルーンをステントに対して)抑制し、又は移動するための、ステーション16に組み込むことができるアクチュエータ制御された機構の例が
図5A〜5C、
図6及び
図7A〜7Bに示されている。
【0062】
[0062]
図5A〜5Cを参照すると、ステント100の下方に、ステント100のストラット又はリング要素に係合するように突出した(+y)1つのアーム又は一対のアーム74がある。ステント100の端部104の一対のアーム74が示されている。アーム74a、74bはステントストラットの間に配置され、次いでストラット又はリング要素102(
図5B)を把持するように互いに合わせられる。又は、アーム74a、74bをストラットの間に配置し、次いでステントのリング要素又はストラットに接触するまで遠ざけることができる。同時に操作される、図示されたタイプの2対のアーム(すなわち、アーム74)は、ステントの両方の端部104及び106を抑制することができ、又はそれぞれの端部104、106の1つのアーム(又は支柱)は、バルーン112がステント100に対して移動することができるように、ステント100のバルーン112に対する水平移動(+/−x)を防止する支台として作用するように突出する(+y)ことができる。
図5B〜5Cを参照すると、例えばキャリッジ42が距離d1だけ前方に移動し、ステントがアーム74によって保持されている。キャリッジ42が移動した後、アーム74はそれぞれの開始位置へと後退する。ステント100が現在、図示されるようにマーカーバンド114a、114bの間にあるのかどうかを判断するために、ステント100及びバルーン112の第2の画像が取得される。
図6を参照すると、代替として、複数の上向きに配設された突起部77(例えば、正方形様の延長部、隆起)を有するクレードル76、又は高い摩擦係数を有する粗面化された(ゴム様の)表面77を使用して、バルーン112が再配置される間、ステント100の移動を抑制することができる。或いは、ステント100をバルーン112に対して移動させるように、クレードル76を水平に(−x)移動することができる。上述したようにトレー76を使用して、ステント100をカテーテル9上に置くこともできる。
【0063】
[0063]
図7A〜7Bを参照すると、ステント位置合わせ機構の別の実施形態が示されている。以下でより詳細に説明するが、プレクリンピングステップ後に、直径が開始直径の約1/2のサイズに縮小された後のステント100が示されている。
図7A、7Bに示すフォーク150を使用してステント100の近位端105bに係合し、端部104、105がバルーンマーカー114の間にくるまで、バルーン112上でステント100を前方へと押す。フォーク150は、キャリッジ42の近傍にあらかじめ配置され、次いでリニアアクチュエータによって前方へと移動される。フォーク150は根元から上向きに延びる向かい合うアーム152、154を含む。フォーク150をアクチュエータのアーム(図示せず)に連結するための連結金具156が示されている。フォーク150の内面158は丸みを帯びた面として形成され、バルーンの表面と表面158との間にわずかな隙間があるようなサイズとされている。従って、フォーク150が
図7Aで左へ移動すると、表面158はバルーン112の外面を通過し、ステント100のフォーク150が端部105aに当接するとき、フォーク150及びステント100は、ステント100が
図7Aで示すオフセット距離d2を移動するまで、制御装置論理(以下参照)に従ってバルーン112を超えて遠位側に移動を続ける。
【0064】
[0064]ステント100がさらに遠位側にある場合、すなわち、縁部104がバルーンマーカー114bの遠位側にあるとき、次いで、同様のフォーク150をステントの左側に配設して、フォーク150を近位側バルーンマーカーに向かって押すことができる。遠位側又は近位側の位置ずれを補正するために、同じフォーク150を使用することができる。フォーク150は、必要な位置合わせ補正に応じて、ステント100の遠位側又は近位側に再配置することができる。ステント100がバルーン112に対して移動するにつれてステント−バルーンの干渉があるとき、カテーテルは圧縮するのではなく、張力をかけるので、位置合わせが必要なときは、位置ずれは常に
図7Aに示すタイプのものであることが好ましい可能性がある。
【0065】
[0065]上述したようにプレクリンピングの前は、ポリマーステントの直径はバルーン112の直径よりはるかに大きいことがある(
図5A)。このステント直径での再位置合わせでは、ステント100はバルーン112上で簡単に移動することができるので、近位側又は遠位側での左側又は右側への再位置合わせが必要かどうかには、大きな違いはない。しかし、ポリマーステントの直径がバルーン表面に係合し始める位置まで縮小されているプレクリンピングステップ後に再位置合わせが必要な場合は(
図7A)、ある程度ステント−バルーンの相互作用があることが予想される。これはプレクリンピング直径のために起きる。直径は、ステントが簡単に移動しないが、再位置合わせが必要なときはバルーン表面に対して移動することが可能であるように選択される。先に示唆したように、これは、金属ステントでは見られない、ポリマーステントが直面する別の課題を強調している。上述したように展開された直径での機械的性能の理由から、ポリマーステントには大きい開始直径が使用される。しかし、(バルーンに対する)直径が大きいほど、初期直径の縮小が実施されるとき、ステントがバルーンに対して移動する可能性も高くなる。従って、ステントをそれ以上の調整をしない直径へと縮小する前に、適正に位置合わせされたことを確認するために、初期直径縮小後にステントを取り外す必要がある。
【0066】
[0066]ステントが
図7Aに示すようにバルーンマーカーに対して位置がずれているとき、ステントを前方へと押す。ステント−バルーンの接触によるステントの移動に対するいかなる抵抗もカテーテルに張力を生じさせるが、これは許容可能である。しかし、ステント100が遠位バルーンマーカーの遠位側に配設され、近位側への再位置合わせが必要な場合、バルーン−ステントの接触による移動に対する抵抗は、カテーテル遠位端9bを圧縮させ、カテーテルの先端が軸外へと変位することがあり、(ステントが再配置される間、カテーテルが横方向に移動するため)再位置合わせ処理がより困難になる。
【0067】
[0067]この問題は、フォーク150が近位端に向かって移動しながら遠位端9bを保持することによって、又は、ステント100を移動しているとき遠位側先端を軸上に保持しながらステントを把持し移動する代替機構を(必要に応じて)使用することによって、対処することができる。例えば、代替実施形態では、
図6のトレー76の上面を湾曲させ、又はステント100の表面を把持するように互いに合わせる一対の向かい合う湾曲面を含み、次いで、先端9dを軸上に保持しながら、このトレーを近位側へと変位させる。或いは、ステント100の初期位置合わせを近位側バルーンマーカーの近位側とすることができ、プレクリンピング中のいかなる移動によってもステント100が遠位側バルーンマーカーの遠位側にならないことを確実にする。
【0068】
[0068]1つ又は複数のコンピュータ制御された作動機構を使用する、上記で説明した動作の手順は、例えばパーソナルコンピュータすなわちPC又はDRAM、ディスクストレージ、ハードウェアバス、CPU、例えばタッチスクリーン16a、キーボード、マウス、外部ドライブ及びLANへのネットワーク接続などのユーザ入力デバイス、及び
図5〜6で説明した機構を駆動するために使用されるアクチュエータを制御するためのドライバを有するワークステーションなどのコンピュータによって制御される。ステーション16a内のコンピュータが、LAN、WAN又は他のネットワークタイプを使用して、ステント及びカテーテルについての情報に遠隔でアクセスすることができ、情報はファイルサーバを通してアクセスすることができる。配置システムのアルゴリズムに関連する機械実行可能なコードはソフトウェア又はハードウェアで実行されるもの、又はそれらの組み合わせとすることができる。上述の撮像システム60及びアクチュエータには在庫の機器を使用することができる。
【0069】
[0069]カメラ62で収集した(1つ又は複数の)画像から、ステント縁部104、105及びバルーン遠位側/近位側封止部112、114の位置を判断することは、上述したように画像内でステント100をバルーン112と区別するために、カメラ62の画像をステントの長さ及び/又はパターンについてのあらかじめ保存された情報と比較することができるパターン認識アルゴリズムを使用して、達成することができる。バルーンマーカーを、例えばステント及びカテーテル9の他の部分から区別することは、ステント及びバルーンを光で照らして、バルーンマーカーを周囲の画像と対照的に特定のバンド内で発光させることによって達成することができる。同じ技術を使用して、ステントマーカーの照明に基づき、次いでこれらのマーカーに対するステント縁部の位置を計算することによって、ステント縁部を探し出すことができる。パターン認識アルゴリズムは、入力としてステントの長さ、マーカーの位置及びパターン、プレクリンピング直径、近位側/遠位側封止部とマーカーとの間のバルーン長さを受け取り、ステントがバルーンと位置合わせされていること、又はオフセット距離を示す信号を出力し、次いでステント100をバルーン112に対して再配置するように制御装置が信号を受け取るように、あらかじめプログラムすることができる。
【0070】
[0070]上述したように、フィードバックループを使用する制御装置を使用して、ステントをバルーン上に再配置することができる。この制御装置のフィードバックは、ステント又はバルーンが他方に対して移動するときの、バルーンに対するステントの画像から抽出された中間位置の位置情報である。従って、例えば、ステントが増分距離を移動すると、新しい位置の画像が取得される。例えばサーボ機構への入力など、アクチュエータへの次の入力は、画像から抽出されたフィードバック情報に基づいて計算され、次の増分変位が実施され、第3の画像が取得されるなど、オフセット距離がゼロに近づくまで、すなわち、ステントがバルーンマーカーの間にくるまで行われる。制御システムは、PID制御、又はアクチュエータへの次の入力を計算するための状態空間制御論理を使用することができる。アクチュエータは、アクチュエータの動作を精密に制御するように、サーボ機構又はステッピングモータによって制御することができる。
【0071】
[0071]勿論、ステントがマーカーの間にくるようにするために、対話型閉ループ又は開ループフィードバック制御を必要としない処理を使用することは望ましい。しかし、上記で示唆したような理由により、プレクリンピング後にステントが再配置されるとき、複数の相互作用が必要となり得る。プレクリンピング後に再位置合わせが必要なとき、バルーンは対話型アプローチを必要とするのに十分なヒステリシスをシステムに導入することができる。
【0072】
[0072]上述したように、ステントのプレクリンピングは、ステントが簡単に移動しないが、必要な場合は再配置を妨げるほど高くない摩擦をもたらすことを試みるものである。プレクリンピングは直径を縮小して、ステント縁部とマーカーバンドとの間の距離のより正確な測定を可能にする。ステントのゆがみによる異常及びステント移動の大部分は、プレクリンピングステップ中に起きる。このセクションでは、プレクリンピング後の開示された位置合わせシステムの態様を組み込むことによって、最終的な直径及び形状に非常に近いとき、ステントの微調整を行う機会があることが理解されよう。
【0073】
[0073]
図8〜10は、システム10を使用して、カテーテル及びステントを配置し、再配置し、クリンパーヘッド20でステントをクリンピングするための処理フローを説明する。
【0074】
[0074]
図8を参照すると、カテーテルにクリンピングされる(1つ又は複数の)ステントの識別(ID)をオペレータが読み取ることによって、処理が開始される。システム10の左又は右ステーション14、16に載せられるステント及びカテーテルの配置、位置合わせ、次いでクリンピングの処理は同じである。両方のステーション14、16を使用して、ステントをカテーテル8、9に同時にクリンピングするとき、中央処理装置が両方のステーションを制御することができ、又はそれぞれのステーション14、16の別個のプロセッサが、ステント及びカテーテルをクリンパーヘッド20へと容易に挿入することができるまで処理を制御することができ、そこから中央制御装置がクリンピングステップを引き継ぐ。クリンピング処理の1つの態様であるプレクリンピングステップに続いて、ステント及びカテーテルを取り外して位置合わせを確認する。このステップでは、ステーション14、16のプロセッサが確認及び場合によっては再位置合わせを実施するように制御を戻すことができ、次いで制御は中央処理装置へと戻る(又はステーション14、16の一方のプロセッサのみでクリンピング手順を実施し、他方は待機させる)。
【0075】
[0075]
図8の処理フローを参照すると、ステントIDはコンピュータ制御に入力され、処理制御はユーザディスプレイ16aを介してオペレータによって選択可能である、又はこれらの制御は、入力されたステントIDに基づいて、ストレージから自動的に検索することができる。次いで、カテーテル9を位置合わせキャリッジ42に載せる。カテーテル9のコイル部分9aがトレー41上に置かれる。これはオペレータによって実施される手作業による動作である。カテーテル近位端9cは、クリップ9cに面するように配置され、コイル部分9aはトレー41上に置かれ、近位端9bを含む軸9dはレール44を介して位置合わせされ、把持部48の遠位側に配置される。ルアー延長部が取り付けられ、ルアー延長部に圧力源が連結される。オペレータはボタンを押して把持部の対50を互いに合わせ、カテーテルをキャリッジ42内で締め付ける。次いで、バルーン近位側封止部の位置で照明光が光っているかどうかを調べることによって、バルーン112の近位側封止部112aの遠位側把持部48に対する位置を確認する(又は、カメラによって適正な位置を確認し、この位置を緑色の光で示し、又は位置ずれの場合は赤色の光で示す)。適正に位置合わせされている場合、フローは次にステントの位置合わせ手順(
図10)へと進み、適正に位置合わせされていない場合、クランプは解除され、後方バルーン封止部が基準光と位置合わせするまで、オペレータがカテーテル遠位端9bを再配置する。ステントはカテーテル上に手作業で、又は上記で説明した自動化された取り付け処理によって置くことができる。
【0076】
[0076]
図10の処理フローを参照すると、例えばスタートボタンが押されて、オペレータからの信号を受け取り、クリンピング手順が開始され、次いで制御が、ステントがバルーンマーカーに対して適正に位置合わせされているかどうかを判断するためのステント位置合わせ段階へと移行する(又は、ステントのバルーン上への配置と位置合わせ段階は、同じ機構及び制御システムを使用する)。配置キャリッジ42が、カテーテル遠位端9b及びステント100を位置合わせ、すなわち、ステント及びバルーンが中心に配置されているかどうかをカメラ62の開口位置で確認するために、適切な位置へと前進させる。この位置では、カメラで収集された画像を使用して、距離情報、ステント及びバルーンの相対位置を抽出し、上述のステント位置へと調整することができる。
【0077】
[0077]1つ又は複数のデジタル画像を収集した後、ステント縁部及びバルーンマーカー及び/又は封止部の正確な位置の判断を補助するためにステント及びカテーテル情報が呼び出される。例えば、ステント縁部がバルーンマーカーの上にかかっているためにカメラ60ではっきり見えない場合など(
図5A)、遠位側バルーン封止部及びバルーンマーカーからの距離を使用して、遠位側封止部に対する遠位側バルーンマーカーの位置を判断することができる。ステントの長さ、プレクリンピング直径、ステントパターン、縁部に対するマーカーの位置などについての情報、デジタル画像におけるマーカーの識別、又は画像の情報に一致する他のパターンを使用して、アルゴリズムはステント縁部の位置を判断することができる。
【0078】
[0078]ステント縁部及びバルーンマーカーの位置を使用して、(フィードバックループを有する、又は有さない)制御装置は、(所望に応じて)クリンピング前にステントがバルーンマーカーの間にくるようにステントが位置合わせされているかどうか、又はステント又はバルーンを他方に対して移動する必要があるかどうかを判断することができる。ステントがバルーンマーカーの間で位置合わせされている場合、次いで制御信号が中央制御装置へと送られ、ステント及びバルーンをクリンパーヘッド20へと移動させる。ステントが位置合わせされていないと判断された場合、次いで、例えば
図5〜7で説明した機構を使用して、ステントをバルーンに対して(又はバルーンをステントに対して)移動させる。ステントがバルーンマーカーと位置合わせされた後、ステント及びカテーテルはクリンピングの準備ができる。
【0079】
[0079]クリンピング処理中に行われる2つの可能なステント配置手順がある。第1の手順は、クリンピングされていないステントをマーカーバンドに対してカテーテル上で前配置することを含む。プレクリンピング後の最終的な配置が、常にステントをカテーテルに対して遠位側へと押すことによって行われ、従ってカテーテルを圧縮するのではなく、張力をかけるように、初期位置合わせ段階中にステントを所望の位置へと近位側に付勢することが好ましい。第2の可能な配置手順は、最終的なクリンピングの前に、プレクリンピング後のステントをカテーテル上で再配置することを含む。ステントは最終的なクリンピング後にバルーンに対して移動することはできないため、これは最終的な位置とする必要がある。
【0080】
[0080]
図9のクリンピングの一般的な処理フローを参照すると、ステントがクリンパー内に置かれているときに移動しないように、キャリッジをコンピュータ制御のもとでクリンパーヘッド20へと前方に前進させる。プレクリンピングと呼ばれるクリンパーによる第1の直径の縮小によって、ステント直径は約2分の1に縮小される。上記で述べたように、ステントストラットはバルーン材料へと押し込まれるのではなく、この材料に係合するようになる。プレクリンピング後、ステント及びバルーンは、最終的なクリンピングを開始する前に、バルーンマーカーに対するステント100の位置を再度確認することができるように、クリンパーヘッド20から取り外される。次いで制御を
図10に関して説明される処理へと切り替える。この処理によって、ステントがバルーンと適正に位置合わせされているという信号が再び送られた後、ステント及びバルーンはクリンパーヘッド20内に再び置かれる。最終的なクリンピングステップを開始する。好ましい実施形態のためのこれらのクリンピングステップの例は、
図11に示すように、ガラス転移温度に近い温度でクリンピングされ、プレクリンピング直径の約2.5分の1の直径へと縮小されたPLLAステントである。
【0081】
[0081]クリンピング処理中、1つ又は2つの加熱形態を使用することができる。加熱は、クリンパーヘッドのジョーを加熱することによって達成することができ、又はクリンパージョーの加熱に加えて、加熱された空気を使用することができる。加熱された空気並びにクリンパージョーからの対流及び放射の両方を使用することの利点がある。熱源のこの組み合わせによって、バルーン材料がステントストラットの間の隙間へとより簡単に流れることができる。さらに、加熱されたジョーと同時に高温の空気を使用することによって、ジョーからの対流及び放射によってステント及びバルーンを加熱するために必要な温度が低くなる。これはクリンピング中にステントの表面を過熱せず、損傷しないために望ましい。従って、空気を加熱されたジョーと組み合わせて使用することによって、ジョーの温度を低下させることができる。
【0082】
[0082]
図11から明らかなように、ポリマーステントにとって必要な重要な休止時間を伴ういくつかの中間クリンピングステップがある。これは、直径を縮小する速度が早過ぎる場合、許容不能な亀裂が発生することがあるためである。内部応力が全体的に作用することができるように、ゆっくりとした増加的なクリンピング処理が必要である。理想的には、強度/完全性の観点から、ポリマー材料は非常に遅い速度で(例えば、数時間にわたって)塑性変形させるべきである。しかし、これは生産の観点から実際的ではない。
図11に示すクリンピングステップは、許容可能な生産数を生産することが明らかになった。
図11に示すようにポリマーステントのクリンピング手順を実施するために必要な多大な時間を考えると、自動化されたシステム10の利点が理解されよう。
【0083】
[0083]最終的なクリンピングステップ、すなわち、
図11のクリンピングステージ4は、200秒間休止時間を含む。クリンパージョーは(ジョーをステントから取り外した後の応力を緩和し、反動を最小限にするため)ステントストラットのこの位置に固定したまま、バルーンを約200psiの圧力まで膨張してリークテストを実施する。リークテスト及び200秒間休止の後、ステント及びカテーテルをクリンパーから取り外し、シースをステント上に置き、ステント及びカテーテルを冷却装置内に置く。ポリマーステントがクリンパーヘッド内にあり、休止時間中クリンパージョーによって抑制されているときにリークテストを実施することは、製造処理に必要な時間の短縮に加えて、利点があることが明らかになっている。まず、高温にあるときにバルーン圧力を増加することによって、増加された圧力によってバルーンの折り目がステントストラット間に入り込むので、バルーン−ステントの接触を増加することができる。これによりバルーン上でのステントの維持力を増加することができる。次に、ステント−バルーンの低背化が可能である。
【0084】
[0084]
図1A〜1Bの装置を使用するときなど、一般的な場合では、ステントをクリンパーヘッドから取り外し、抑制シース内に挿入した後、リークテストを実施する。抑制シースはクリンパージョーより径方向のコンプライアンスがはるかに高く、リークテストが実施されるとき、ある程度拡張する。可能な限り最低背に維持することが好ましい。従って、クリンパーヘッド内でリークテストが実施されるとき、バルーン圧力の増加にもかかわらずクリンパージョーは直径を維持するため、最低背が維持される。
【0085】
[0085]以上、本発明の特定の実施形態を図示し説明したが、本開示を読めば、本発明のより広い解釈において、本発明から逸脱することなく、変更及び修正を行うことができることを当業者であれば理解するであろう。従って、添付の特許請求の範囲は、そのようなすべての変更及び修正を、本発明の範囲内にあるものとして包含する。
[発明の例]
[例1]
クリンパーヘッドと、
前記クリンパーヘッドに隣接して配設され、第1のステント及び第1のバルーンカテーテルアセンブリと第2のステント及び第2のバルーンカテーテルアセンブリとをそれぞれ受けるように構成され、位置合わせ部分と配置部分とをそれぞれ含む、第1のステーション及び第2のステーションと、
前記クリンパーヘッドを使用して、前記第1のステントを前記第1のバルーンカテーテルに、前記第2のステントを前記第2のバルーンカテーテルに、同時にクリンピングするためのプロセッサと
を備える装置であって、
前記プロセッサは、ユーザコマンドを受け取ると、
(a)前記第1のステーションの位置合わせ部分及び前記第2のステーションの位置合わせ部分をそれぞれ使用して、前記第1のステーションが前記第1のステントを前記第1のバルーンカテーテルと位置合わせし、前記第2のステーションが前記第2のステントを前記第2のバルーンカテーテルと位置合わせし、
(b)前記第1のステーションの配置部分及び前記第2のステーションの配置部分をそれぞれ使用して、前記第1のステーションが前記第1のステント及び第1のバルーンカテーテルを前記クリンパーヘッド内へと挿入し、前記第2のステーションが前記第2のステント及び第2のバルーンカテーテルを前記クリンパーヘッド内へと挿入し、
(c)前記クリンパーヘッドが、前記第1のステントを前記第1のバルーンカテーテルにクリンピングし、前記第2のステントを前記第2のバルーンカテーテルにクリンピングするクリンピング手順を実施するようにさせる、装置。
[例2]
前記クリンパーヘッドが、一度に1つのステント及びカテーテルのみをクリンピングすることができるように、又は2つのステント−カテーテルアセンブリを同時にクリンピングすることができるように、前記クリンパー内でのジョーの移動を調整するためのコンプライアンス調整デバイスを含む、例1に記載の装置。
[例3]
前記クリンパーヘッドがクリンパージョーを含み、前記プロセッサは、前記クリンパージョーが前記クリンパーヘッド内に配設された前記第1のステント及び第2のステントに力を加えている間、前記第1のバルーンカテーテル及び前記第2のバルーンカテーテルの両方でリークテストを実施するようにさらに構成されている、例1に記載の装置。
[例4]
前記第1のステント及び第2のステントがポリマーステントである、例3に記載の装置。
[例5]
前記第1のステント及び第2のステントがPLLAから形成されている、例4に記載の装置。
[例6]
前記位置合わせ部分が、
バルーン上のステントの画像を取得するためのカメラと、
前記画像を分析して前記ステントが前記バルーン上で位置がずれているかどうかを判断するために前記プロセッサがアクセス可能な機械読取可能な命令と、
前記分析された画像から前記バルーンに対する前記ステントの位置ずれが検出された場合、前記ステント及びバルーンの一方を前記ステント及びバルーンの他方に対して変位させるためのアクチュエータと、
前記バルーンに対する前記ステントのオフセットに従って、前記アクチュエータを使用して前記ステント及びバルーンの一方を他方に対して変位させるための前記アクチュエータの動作を制御するための制御装置と
を含む、例1に記載の装置。
[例7]
前記プロセッサが、前記プロセッサが前記位置合わせ部分から前記ステントが前記バルーン上で位置合わせされていることを示す信号を受け取ると、前記配置部分が前記ステント及びバルーンを前記クリンパーヘッド内へと自動的に前進させるようにさらに構成されている、例6に記載の装置。
[例8]
前記配置部分が、
ステント及びカテーテルを支持するためのキャリッジと、
前記プロセッサから命令信号を受け取ると、前記キャリッジを前記クリンパーヘッドに向かって変位させ、それにより前記ステント及びカテーテルを前記クリンパーヘッド内へと前進させるアクチュエータと
をさらに含む、例7に記載の装置。
[例9]
前記キャリッジが、
コイルカテーテルを受けるためのトレーと、
前記カテーテル遠位端を前記クリンパーヘッドの開口と位置合わせするための前記トレーに連結された溝と、
前記カテーテルを前記レールに挟み込むための把持部と
を含む、例8に記載の装置。
[例10]
前記配置部分は、前記ステント及びカテーテルが前記アクチュエータによって前記クリンパー内の適正な位置へと前進されるようにするように、近位バルーン封止部を前記キャリッジ上の位置に対して位置合わせするための光学位置合わせデバイスをさらに含む、例8に記載の装置。
[例11]
前記プロセッサが、前記ステーションの一方又は両方にあるパーソナルコンピュータ又はワークステーションを含み、前記パーソナルコンピュータ又はワークステーションが、前記配置部分及び前記位置合わせ部分を操作するためのネットワーク接続、記憶媒体、ディスプレイ、入力/出力デバイス及びソフトウェアベースのデバイスドライバを含む、例8に記載の装置。
[例12]
前記プロセッサが、前記第1のステント及び前記第2のステントの識別コードを受け取ると、記憶領域から前記クリンピング手順及びステント及びカテーテル属性を定義するクリンピングパラメータに自動的にアクセスするように構成されている、例1に記載の装置。
[例13]
ステントをバルーンカテーテルのバルーンにクリンピングするための方法であって、
前記バルーンが前記ステントと前記バルーンとの適正な位置合わせを識別するバルーンマーカーを有し、
当該方法は、
前記カテーテルを可動キャリッジ上に置くサブステップを含む、前記バルーンカテーテルをクリンピングのために準備する準備ステップと、
前記ステント及びバルーンの少なくとも1つの画像を収集するサブステップと、次いで前記画像を分析して前記ステントが前記バルーンマーカーの間にあることを確認するサブステップとを含む、前記ステントが前記バルーンと位置合わせされていることを確認する確認ステップと、
前記確認ステップの後、前記ステント及びバルーンをクリンパーへと挿入する挿入ステップと、
前記ステントを前記バルーンにクリンピングするクリッピングステップと
を含む方法。
[例14]
前記クリンピングステップが、第1のクリンピングステップ及び第2のクリンピングステップを含み、前記ステントがポリマーステントであり、
前記第1のクリンピングステップが、前記ステントの直径を完全にクリンピングされた直径より小さい直径へと縮小し、前記ステント及びバルーンを前記クリンパーヘッドから取り外し、次いで確認する前記ステップを繰り返すサブステップを含み、
前記確認ステップの後、前記ステント及びバルーンを前記クリンパーヘッドへと再挿入し、前記第2のクリンピングステップを実施する、例13に記載の方法。
[例15]
前記ステントがポリマーステントであり、
前記クリンピングステップは、前記ポリマーステントの直径がクリンピングされた直径へと縮小される最終クリンピングステップをさらに含み、
前記最終クリンピングステップは、前記ポリマーステントが前記最終クリンピングをされた後、所定の期間にわたって、前記クリンパーのジョーが、前記最終クリンピング直径に対応して定位置に固定される休止期間をさらに含み、前記休止期間中、前記ポリマーステントがクリンピングされている前記バルーンがある圧力に膨張され、次いで前記バルーンのいかなる可能性のあるリークも検出するためにその温度に維持される、例14に記載の方法。
[例16]
前記クリンパーヘッドを使用して、前記バルーン上の前記ステントの直径を縮小するプレクリンピングステップをさらに含み、
前記プレクリンピングステップの後、前記直径が縮小されたステント及びバルーンを前記クリンパーヘッドから取り外し、前記確認ステップを繰り返し、次いで前記ステント及びバルーンを前記クリンパーヘッドへと挿入して最終クリンピングステップを実施する、例13に記載の方法。
[例17]
ポリマーステントをバルーンカテーテルにクリンピングするための装置であって、
ジョーを有するクリンパーヘッドと、
位置合わせ部分と、
配置部分と、
前記クリンパーヘッド、前記位置合わせ部分及び前記配置部分と通信するプロセッサと、
クリンピング処理を実施するために前記プロセッサによって実行可能な機械実行可能なコードと
を備える装置であって、
前記機械実行可能なコードが、
前記ポリマーステントを前記バルーンカテーテルの前記バルーンと位置合わせし、前記ポリマーステント及びバルーンを前記クリンパーヘッド内に配置するための第1のコードと、
前記ポリマーステントを前記バルーンにクリンピングするための第2のコードであり、前記クリンパージョーを最終クリンピング直径にし、その後前記ポリマーステント内に応力の緩和を生じさせることができるようにし、前記バルーンをある圧力に膨張し、次いで前記バルーンのリークを検出するためにある期間にわたって前記圧力を測定することを含むバルーンテストを実施するための休止時間を設定することを含む第2のコードと
を含む、装置。
[例18]
前記位置合わせ部分は、前記バルーン上の前記ポリマーステントの画像を取得するためのカメラと、前記分析された画像から前記バルーンに対する前記ポリマーステントの位置ずれが検出された場合、前記ポリマーステント及びバルーンの一方を前記ポリマーステント及びバルーンの他方に対して変位させるアクチュエータとを含み、
前記第1のコードは、前記画像を分析し、前記ポリマーステントが前記バルーン上で位置がずれているかどうかを判断するためのコードと、前記分析された画像から前記バルーンに対する前記ポリマーステントの位置ずれが検出された場合、前記アクチュエータに、前記ポリマーステント及びバルーンの一方を前記ポリマーステント及びバルーンの他方に対して変位させるコードとを含む、例17に記載の装置。
[例19]
前記準備ステップがステント取り付けステップを含み、前記ステント取り付けステップが、前記ステントを第2のキャリッジ上に置くサブステップと、次いでアクチュエータを使用して前記ステントを前記カテーテル上に置くサブステップとを含む、例13に記載の方法。
[例20]
前記準備ステップが、前記ステントを、前記カテーテル近位端に向かって付勢されるように前記カテーテル上に置くサブステップを含む、例13に記載の方法。
[例21]
前記ポリマーステントがPLLAであり、前記ステントのクリンピング前の直径が、前記バルーンにクリンピングされるときの前記ステントの直径より約2.5倍大きい、例14に記載の方法。