特許第5995223号(P5995223)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5995223太陽エネルギー位置合わせ及び収集システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5995223
(24)【登録日】2016年9月2日
(45)【発行日】2016年9月21日
(54)【発明の名称】太陽エネルギー位置合わせ及び収集システム
(51)【国際特許分類】
   H02S 20/32 20140101AFI20160908BHJP
   H02S 10/20 20140101ALI20160908BHJP
【FI】
   H02S20/32
   H02S10/20
【請求項の数】4
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2014-215950(P2014-215950)
(22)【出願日】2014年10月23日
(62)【分割の表示】特願2010-257836(P2010-257836)の分割
【原出願日】2010年11月18日
(65)【公開番号】特開2015-80406(P2015-80406A)
(43)【公開日】2015年4月23日
【審査請求日】2014年10月23日
(31)【優先権主張番号】12/622472
(32)【優先日】2009年11月20日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390009531
【氏名又は名称】インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】INTERNATIONAL BUSINESS MACHINES CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100108501
【弁理士】
【氏名又は名称】上野 剛史
(74)【代理人】
【識別番号】100112690
【弁理士】
【氏名又は名称】太佐 種一
(72)【発明者】
【氏名】テオドール・ジェラード・ヴァン・ケッセル
(72)【発明者】
【氏名】イブ・シー・マーティン
(72)【発明者】
【氏名】スープラティク・グーハ
(72)【発明者】
【氏名】ロバート・エル・サンドストローム
【審査官】 佐竹 政彦
(56)【参考文献】
【文献】 特開平08−321630(JP,A)
【文献】 国際公開第2009/066720(WO,A1)
【文献】 特開2008−187157(JP,A)
【文献】 特開平08−005366(JP,A)
【文献】 特開昭61−076848(JP,A)
【文献】 特表2008−543029(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0179139(US,A1)
【文献】 特開平11−031838(JP,A)
【文献】 特開昭58−046684(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 31/02−31/078、31/18−31/20、
51/42−51/48
H02S 10/00−10/40、 30/00−50/15、99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
太陽エネルギーアライメント及び集光システムであって、
各々が集光された太陽エネルギーの入力を受け取り、受け取った光エネルギーに基づいてエネルギー出力を生成するように構成及び配置された、重心を有する少なくとも2つの3重接合型太陽集光器セルと、
前記少なくとも2つの3重接合型太陽集光器セルが取り付けられたベース部材に作動可能に結合された、作動システムであって、前記ベース部材を第1の軸に沿ってシフトさせるように構成及び配置される第1アクチュエータと、前記ベース部材を前記第1の軸に対し垂直な第2の軸に沿ってシフトさせるように構成及び配置される第2アクチュエータとを含む、作動システムと、
前記少なくとも2つの3重接合型太陽集光器セル及び前記作動システムに作動可能に接続され、かつ、デジタル・アナログ変換器及びアナログ・デジタル変換器を有し、かつ、信号ラインを介して接続される前記少なくとも2つの3重接合型太陽集光器セルの各々のエネルギー出力を検出し、対応する制御ラインを介して接続される前記第1アクチュエータおよび前記第2アクチュエータを選択的に作動させて、前記ベース部材を前記第1の軸および前記第2の軸に沿って選択的にシフトさせて、太陽放射の強度を前記重心に調整し、太陽放射の強度が前記重心に集まることを保証するアライメントコントローラであって、前記太陽エネルギーが前記重心に向けられると、前記少なくとも2つの3重接合型太陽集光器セルの各々のエネルギー出力は同一となり、当該太陽エネルギーアライメント及び集光システムのエネルギー生成が高められるアライメントコントローラと、
前記少なくとも2つの3重接合型太陽集光器セルに作動可能に結合され、かつ、前記少なくとも2つの3重接合型太陽集光器セルの各々からエネルギー出力の一部を受け取り、前記エネルギー出力の一部を、前記少なくとも2つの3重接合型太陽集光器セルが位置決めされておらず電力を生成しない場合に追跡する電力を供給するために貯蔵するエネルギー貯蔵システムと
を含む、太陽エネルギーアライメント及び集光システム。
【請求項2】
前記第1のアクチュエータ及び前記第2のアクチュエータの少なくとも1つは、圧電素子、油圧アクチュエータ及び空気圧アクチュエータのうちの1つを含む、請求項1に記載の太陽エネルギーアライメント及び集光システム。
【請求項3】
太陽エネルギーとアライメントし、集光する方法であって、
少なくとも2つの3重接合型太陽集光器セルが、該少なくとも2つの3重接合型太陽集光器セル上に集光された太陽エネルギーの入力を受け取ることと、
デジタル・アナログ変換器及びアナログ・デジタル変換器を有するアライメントコントローラが、信号ラインを介して接続される前記少なくとも2つの3重接合型太陽集光器セルの各々からの受け取った光エネルギーに基づいて生成されるエネルギー出力を測定することと、
前記アライメントコントローラが、前記少なくとも2つの3重接合型太陽集光器セルの1つからのエネルギー出力を前記少なくとも2つの3重接合型太陽集光器セルの別のものからのエネルギー出力と比較することと、
前記アライメントコントローラが、前記少なくとも2つの3重接合型太陽集光器セルの前記1つからのエネルギー出力が、前記少なくとも2つの3重接合型太陽集光器セルの別のものからのものと等しくなるまで、対応する制御ラインを介して接続される、前記少なくとも2つの3重接合型太陽集光器セルが取り付けられたベース部材を第1の軸に沿ってシフトさせるように構成及び配置される第1アクチュエータ、および、前記ベース部材を前記第1の軸に対し垂直な第2の軸に沿ってシフトさせるように構成及び配置される第2アクチュエータを選択的に作動させて、前記ベース部材を前記第1の軸および前記第2の軸に沿って選択的にシフトさせて、太陽放射の強度を前記少なくとも2つの3重接合型太陽集光器セルが有する重心に調整し太陽放射の強度が前記重心に集まることを保証し、エネルギー生成を高めることと、
エネルギー貯蔵システムが、前記少なくとも2つの3重接合型太陽集光器セルの各々からエネルギー出力の一部を受け取り、前記エネルギー出力の一部を、前記少なくとも2つの3重接合型太陽集光器セルが位置決めされておらず電力を生成しない場合に追跡する電力を供給するために貯蔵することと、
含む、方法。
【請求項4】
太陽集光器を太陽とアライメントするためのシステムであって、前記システムは、
中央処理装置(CPU)と、デジタル・アナログ変換器と、アナログ・デジタル変換器とを含み、前記CPUは、前記CPUによって実行されるとき、
前記システムに、
少なくとも2つの3重接合型太陽集光器セル上に集光された太陽エネルギーの入力を受け取らせ、
信号ラインを介して接続される前記少なくとも3重接合型太陽集光器セルの各々からの受け取った光エネルギーに基づいて生成されるエネルギー出力を測定させ、
前記少なくとも2つの3重接合型太陽集光器セルの1つからのエネルギー出力を前記少なくとも2つの3重接合型太陽集光器セルの別のものからのエネルギー出力と比較させ、
前記少なくとも2つの3重接合型太陽集光器セルの前記1つからのエネルギー出力が、前記少なくとも2つの3重接合型太陽集光器セルの別のものからのものと等しくなるまで、対応する制御ラインを介して接続される、前記少なくとも2つの3重接合型太陽集光器セルが取り付けられたベース部材を第1の軸に沿ってシフトさせるように構成及び配置される第1アクチュエータ、および、前記ベース部材を前記第1の軸に対し垂直な第2の軸に沿ってシフトさせるように構成及び配置される第2アクチュエータを選択的に作動させて、前記ベース部材を第1の軸および前記第2の軸に沿って選択的にシフトさせて、太陽放射の強度を前記少なくとも2つの3重接合型太陽集光器セルが有する重心に調整し、太陽放射の強度が前記重心に集まることを保証し、エネルギー生成を高めさせ、
1組の命令が格納される少なくとも1つのメモリ・デバイスに、システム・バスを介して機能的に相互接続され
前記少なくとも2つの3重接合型太陽集光器セルの各々からのエネルギー出力の一部は、エネルギー貯蔵システムで受け取られ、前記少なくとも2つの3重接合型太陽集光器セルが位置決めされておらず電力を生成しない場合に追跡する電力を供給するために前記エネルギー貯蔵システムで貯蔵される、システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽集光器システムに関し、より具体的には、太陽集光器システムのための位置合わせ(alignment)及び収集に関する。
【背景技術】
【0002】
太陽光発電システムは、一般的に、2つのカテゴリー、すなわち固定位置型フラットパネル・システム及び追跡型太陽光収集システムの2つのカテゴリーに分類される。固定位置型フラットパネル・システムは、視界に太陽を遮るものがない領域内に配置された1つ又は複数の固定パネルを用いる。地球が自転するにつれて、太陽光線は、地理的位置、一日のうちの時刻、及び一年のうちの時期に応じて様々な程度の強度で固定パネルの上を動いていく。対照的に、追跡型太陽光収集システムは、太陽光線を1つ又は複数のソーラパネルの上に集光し合焦させる。追跡型太陽集光器は、エネルギー収集を高めるために、太陽の見掛けの経路に従う追跡システムを用いる。簡単に言えば、固定位置型フラットパネル・システムは、受動的な太陽光収集システムを表し、追跡型太陽集光器システムは、より能動的なエネルギー収集システムを表す。
【0003】
太陽集光器のための追跡システムは、複雑なコンピュータ及び衛星(GPS)追跡からフォトダイオードの使用に至るまで、様々な形態をとる。GPS追跡は、地上の特定の位置を定め、その位置を一日のうちの所定の既知の時刻における太陽の位置と関連付けることに依存している。より多くの従来のシステムは、フォトダイオードを用いる補助的な位置合わせセンサを利用する。フォトダイオードは、太陽を追跡するために、差動式検出パラメータに依存する。つまり、1つ又は複数のフォトダイオード・セルが太陽光線に曝される。太陽光線がフォトダイオードに当たり、コントローラが、例えば、各フォトダイオード・セルによって生成された電圧の量を判断する。次いで、コントローラは、各セルからの電圧が実質的に同じになるまで、複数のフォトダイオード・セルを配向する。この時点で、オフセット量が計算され、太陽集光器が所望の向きに配向される。オフセット量は、太陽集光器とフォトダイオードとの間の距離を表す。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
オフセット量を計算する必要性により、追跡の複雑さが増し、収集の効率が低下する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一実施形態によれば、太陽集光システムは、各々が受け取った光エネルギーに基づいてエネルギー出力を生成する、中心に焦点がある少なくとも2つの太陽エネルギー・レシーバを含む。作動システムが、少なくとも2つの太陽エネルギー・レシーバに作動可能に結合される。この作動システムは、少なくとも2つの太陽エネルギー・レシーバを少なくとも1つの軸に沿ってシフトさせるように構成及び配置される。制御システムが、少なくとも2つの太陽エネルギー・レシーバ及び作動システムに作動可能に接続される。この制御システムは、少なくとも2つの太陽エネルギー・レシーバの各々のエネルギー出力を検出し、作動システムを少なくとも1つの軸に沿ってシフトさせて、太陽エネルギーを中心の焦点に向ける。太陽エネルギーが中心の焦点に向けられると、少なくとも2つの太陽エネルギー・レシーバの各々のエネルギー出力は実質的に等しくなる。
【0006】
太陽エネルギー・レシーバを太陽と位置合わせするための方法及びシステムも、本明細書において説明され、特許請求される。
【0007】
付加的な特徴及び利点が、本発明の技術を通して実現される。本発明の他の実施形態及び態様は、本明細書において詳細に説明され、特許請求される本発明の一部分であると見なされる。利点及び特徴を有する本発明をより良く理解するために、説明及び図面を参照する。
【0008】
本発明と考えられる主題は、本明細書の最後にある特許請求の範囲において具体的に示され、明確に特許請求される。本発明の前述及び他の目的、特徴並びに利点は、添付の図面と併せて説明される以下の詳細な説明から明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】太陽エネルギーが、焦点から離れた位置において太陽エネルギー・レシーバに当たることを示す、例示的な実施形態による、中心に焦点がある複数の太陽エネルギー・レシーバを含む太陽エネルギー位置合わせ及び収集システムの概略図である。
図2】太陽光位置合わせシステムが、太陽エネルギー・レシーバをシフトさせて、太陽エネルギーを太陽エネルギー・レシーバの焦点に位置させることを示す、例示的な実施形態による、太陽エネルギー位置合わせ及び収集システムの概略図である。
図3】太陽エネルギー・レシーバが、太陽エネルギーを焦点に位置合わせする位置にシフトされたことを示す、例示的な実施形態による、太陽エネルギー位置合わせ及び収集システムの概略図である。
図4】例示的な実施形態による、太陽集光器位置合わせシステムに接続された汎用コンピュータのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
ここで図1を参照すると、例示的な実施形態に従って構築された太陽エネルギー位置合わせ及び収集システムが、全体的に2で示される。太陽エネルギー位置合わせ及び収集システム2は、アレイ状に配置された複数の太陽エネルギー・レシーバ6−9が上に取り付けられたベース部材4を含む。例示的な実施形態によると、太陽エネルギー位置合わせ及び収集システム2は、4つの太陽エネルギー・レシーバを含むが、レシーバの数は、本発明の範囲から逸脱することなく変化し得る。更に別の例示的な実施形態によると、太陽エネルギー・レシーバ6−9は、4象限パターンで配置された、光電池のような3重接合型太陽電池の形態をとる。太陽エネルギー位置合わせ及び収集システム2は、太陽エネルギー・レシーバ6−9のアレイに作動可能に結合された第1のアクチュエータ24及び第2のアクチュエータ25を有する作動システム20をさらに含む。第1のアクチュエータ24及び第2のアクチュエータ25は、各々のアクチュエータ24、25を、第1及び第2の垂直軸の対応するものに沿ってシフトさせるように構成された電子機械システムの形態をとる。勿論、アクチュエータ24及び25は、電気モータ及びギア・アセンブリ、油圧アクチュエータ、及び/又は圧電素子のような様々な形をとり得ることを理解すべきである。さらに図1に示すように、太陽エネルギー位置合わせ及び収集システム2は、コンピュータとして動作するアナログ・デジタル(A−D)変換器42及びデジタル・アナログ(D−A)変換器44を有する位置合わせコントローラ40を含む。最後に、太陽エネルギー位置合わせ及び収集システム2は、下記により十分に述べられるように、太陽エネルギー・レシーバ6−9が受け取った光エネルギーから変換された電気エネルギーを受け取り、貯蔵するエネルギー貯蔵システム50を含む。
【0011】
位置合わせコントローラ40は、信号ライン60−63を介して、複数の太陽エネルギー・レシーバ6−9の各々に作動可能に接続される。位置合わせコントローラ40はまた、対応する制御ライン65及び55を介して各アクチュエータ24、25にも電気的に接続される。この構成により、コントローラ40は、太陽に対する太陽エネルギー・レシーバ6−9の最適な位置を判断し、太陽エネルギー位置合わせ及び収集システム2の最適な位置合わせを保証する。より具体的には、位置合わせコントローラ40により、太陽からの放射強度が太陽エネルギー・レシーバ6−9のアレイの重心に集まることが保証される。その目的のために、位置合わせコントローラ40は、太陽エネルギー・レシーバ6−9の各々からのエネルギー出力を監視する。
【0012】
各太陽エネルギー・レシーバからのエネルギー出力を評価して、複数の太陽エネルギー・レシーバ6−9のいずれか1つが太陽エネルギー・レシーバ6−9の他のものより多くのエネルギーを出力しているかどうかを判断する。例示的な実施形態の1つの様態によると、ホール効果センサを用いる電流検出デバイスを用いて、電流フローに比例する電気的に絶縁された電圧出力を提供する。ホール効果センサは、抵抗が非常に低いため、太陽エネルギー・レシーバ6−9からの電流フローの妨げにはならない。つまり、図1に示すように、太陽エネルギーが、例えば、図1に示すような太陽エネルギー・レシーバ6に集まるイベントにおいては、太陽エネルギー・レシーバ6からのエネルギー出力は、太陽エネルギー・レシーバ7−9からのエネルギー出力よりも高くなる。位置合わせコントローラ40は、各々のセルからのエネルギー出力の偏りを評価し、次にアクチュエータ24及び/又は25を選択的に作動させて、太陽エネルギー・レシーバ6−9のアレイをシフトさせ、太陽放射の強度を重心に再調整し、均衡のとれたエネルギー出力を達成する。エネルギー出力の均衡化を開始するために、位置合わせコントローラ40は、アクチュエータ24及び25を作動させて、ベース部材4を対応する第1及び第2の軸に沿ってシフトさせ、図2に示すように、太陽エネルギー・レシーバ6−9に当たる太陽エネルギーを中心に集める。ベース部材4が移行する際、位置合わせコントローラ40は、各太陽エネルギー・レシーバ6−9からのエネルギー出力を監視し続ける。位置合わせコントローラ40は、太陽エネルギーが、図3に示されるように、太陽エネルギー・レシーバ6−9の重心(1つずつは表記されていない)に集まるまで、各太陽エネルギー・レシーバ6−9からのエネルギー出力の判断及び比較を続ける。太陽エネルギーが太陽エネルギー・レシーバ6−9の重心に集まると、各太陽エネルギー・レシーバ6−9からのエネルギー出力が実質的に同じになる。太陽エネルギー・レシーバ6−9が完全に位置決めされず、電力を生成しない場合、エネルギー出力の一部を貯蔵して、追跡システムに電力を供給するのを助けることができる。例示的な貯蔵装置は、バッテリ及びフライホイール貯蔵装置を含むことができる。
【0013】
この構成を用いて、エネルギー生成を高めるために、例示的な実施形態は、太陽光を受け取るセルを、太陽からの太陽エネルギーと正確に位置合わせするシステムを提供する。特に、集光型太陽エネルギー収集システムを用いる場合、太陽エネルギー集光器を太陽光線と正確に位置合わせすることにより、エネルギー収集が向上する。さらに、太陽エネルギー追跡機能又は位置合わせ機能を、エネルギー生成のために用いられる同じ太陽電池/レシーバと組み合わせることにより、位置合わせを計算するための補助センサに対する必要性がなくなる。このように、例示的な実施形態は、システム全体のコストを低減し、位置合わせ誤差の一因となるオフセット量又は他の要因を計算する必要性を排除する。
【0014】
本明細書に記載される太陽エネルギー・レシーバを太陽光と位置合わせする方法はまた、図4の400で示されるような汎用コンピュータを用いて実施することもでき、この方法は、汎用コンピュータ400によって用いるための、リムーバブル媒体又はハード媒体上の1組の命令としてコード化することができる。図4において、コンピュータ・システム400は、少なくとも1つのマイクロプロセッサ又は中央処理装置(CPU)405を有する。CPU405は、システム・バス410を介して、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)415と、読み出し専用メモリ(ROM)420と、リムーバブル・データ及び/又はプログラム記憶装置430並びに大容量データ及び/又はプログラム記憶装置435を接続するための入力/出力(I/O)アダプタ425と、キーボード445及びマウス450を接続するためのユーザ・インターフェース・アダプタ440と、データ・ポート460を接続するためのポート・アダプタ455と、ディスプレイ装置470を接続するためのディスプレイ・アダプタ465と、第1及び第2のアクチュエータをシフトさせて太陽エネルギー・レシーバ6−9を太陽からの太陽光線と位置合わせするように構成及び配置された位置合わせコントローラ40と、に相互接続される。
【0015】
ROM420は、コンピュータ・システム400のための基本オペレーティング・システムを収容する。当技術分野において周知のように、オペレーティング・システムは、代替的に、RAM415又は他の場所にあってもよい。リムーバブル・データ及び/又はプログラム記憶装置430の例は、フロッピー(登録商標)ドライブ及びテープ・ドライブなどの磁気媒体と、CD ROMドライブなどの光媒体とを含む。大容量データ及び/又はプログラム記憶装置435の例は、ハードディスク・ドライブと、フラッシュ・メモリなどの不揮発性メモリとを含む。キーボード445及びマウス450に加えて、トラックボール、書き込みタブレット、圧力パッド、マイクロフォン、ライトペン、及び位置検出スクリーン・ディスプレイといった他のユーザ入力装置をユーザ・インターフェース440に接続することができる。ディスプレイ装置の例は、陰極線管(CRT)ディスプレイと、液晶ディスプレイ(LCD)とを含む。
【0016】
本発明の実施を簡略化するために、当業者により、適切なアプリケーション・インターフェースを有するコンピュータ・プログラムを作成し、システム或いはデータ及び/又はプログラム記憶装置に格納することができる。動作にあたっては、本発明を実行するための情報又はそのために作成されたコンピュータ・プログラムは、適切なリムーバブル・データ及び/又はプログラム記憶装置430にロードされるか、データ・ポート460を介して与えられるか、又はキーボード445を用いてタイプ入力される。
【0017】
本明細書において用いられる用語は、特定の実施形態を説明する目的だけのためのものであり、本発明を限定することを意図したものではない。本明細書において用いられる場合、文脈から明らかにそうでないことが示されていない限り、単数形「a」「an」、及び「the」は、複数形も同様に含むことが意図される。「含む(comprises)」及び/又は「含んでいる(comprising)」という用語は、この明細書において使用される場合、言明された特徴、整数、ステップ、動作、要素、及び/又はコンポーネントの存在を特定するものではあるが、1つ又は複数の他の特徴、整数、ステップ、動作、要素、コンポーネント、及び/又はそれらの群の存在又は追加を排除するものではないことが、さらに理解されるであろう。
【0018】
本発明の説明は、例示及び説明の目的で提示されたものであり、網羅的であること又は開示された形式の発明に限定することを意図するものではない。本発明の精神及び範囲を逸脱することなく、当業者には、多くの修正及び変形が明らかであろう。実施形態は、本発明の原理及び実際の適用を最も良く説明するために、及び、当業者以外であっても、考えられる特定の用途に適合するような種々の修正を伴う種々の実施形態について本発明を理解することを可能にするように、選択され、説明されたものである。
【0019】
好ましい実施形態が説明されたが、当業者であれば、現在においても将来においても、以下の特許請求の範囲内に含まれる種々の改良及び向上をなし得ることが理解されるであろう。これらの特許請求の範囲は、最初に説明された本発明に関する適切な保護を維持するように解釈されるべきである。
(付記)
(付記1)
各々が、受け取った光エネルギーに基づいてエネルギー出力を生成する、中心に焦点がある少なくとも2つの太陽エネルギー・レシーバと、
前記少なくとも2つの太陽エネルギー・レシーバに作動可能に結合され、かつ、前記少なくとも2つの太陽エネルギー・レシーバを少なくとも1つの軸に沿ってシフトさせるように構成及び配置された、作動システムと、
前記少なくとも2つの太陽エネルギー・レシーバ及び前記作動システムに作動可能に接続され、かつ、前記少なくとも2つの太陽エネルギー・レシーバの各々のエネルギー出力を検出し、前記作動システムを前記少なくとも1つの軸に沿ってシフトさせて、太陽エネルギーを前記中心の焦点に向ける制御システムであって、前記太陽エネルギーが前記中心の焦点に向けられると、前記少なくとも2つの太陽エネルギー・レシーバの各々のエネルギー出力は実質的に同じになる、制御システムと、
を含む太陽エネルギー位置合わせ及び収集システム。
(付記2)
前記少なくとも2つの太陽エネルギー・レシーバに作動可能に結合され、かつ、前記少なくとも2つの太陽エネルギー・レシーバの各々からエネルギー出力を受け取り、貯蔵するエネルギー貯蔵システムをさらに含む、付記1に記載の太陽エネルギー位置合わせ及び収集システム。
(付記3)
前記作動システムは、第1のアクチュエータと、第2のアクチュエータとを含み、前記第1アクチュエータは、前記少なくとも2つの太陽エネルギー・レシーバを第1の軸に沿ってシフトさせるように構成及び配置され、前記第2アクチュエータは、前記少なくとも2つの太陽エネルギー・レシーバを第2の軸に沿ってシフトさせるように構成及び配置され、前記第1の軸は前記第2の軸に対して実質的に垂直である、付記1に記載の太陽エネルギー位置合わせ及び収集システム。
(付記4)
前記第1のアクチュエータ及び前記第2のアクチュエータの各々は、電気機械ソレノイドを含む、付記3に記載の太陽エネルギー位置合わせ及び収集システム。
(付記5)
前記第1のアクチュエータ及び前記第2のアクチュエータの少なくとも1つは、電気モータ及びギア・アセンブリ、油圧アクチュエータ、及び空気圧アクチュエータのうちの1つを含む、付記3に記載の太陽エネルギー位置合わせ及び収集システム。
(付記6)
前記少なくとも2つの太陽エネルギー・レシーバは、少なくとも4つの太陽エネルギー・レシーバを含む、付記1に記載の太陽エネルギー位置合わせ及び収集システム。
(付記7)
前記少なくとも4つの太陽エネルギー・レシーバは、4象限パターンで配置される、付記6に記載の太陽エネルギー位置合わせ及び収集システム。
(付記8)
前記少なくとも2つの太陽エネルギー・レシーバの各々は太陽電池である、付記1に記載の太陽エネルギー位置合わせ及び収集システム。
(付記9)
前記太陽電池は、3重接合型太陽集光器セルである、付記8に記載の太陽エネルギー位置合わせ及び収集システム。
(付記10)
前記コントローラは、デジタル・アナログ変換器及びアナログ・デジタル変換器の少なくとも一方を有する、付記1に記載の太陽エネルギー位置合わせ及び収集システム。
(付記11)
太陽エネルギーを追跡し、収集する方法であって、
少なくとも2つの太陽エネルギー・レシーバ上に太陽エネルギーを受け取ることと、
前記少なくとも2つの太陽エネルギー・レシーバの各々からのエネルギー出力を測定することと、
前記少なくとも2つの太陽エネルギー・レシーバの1つからのエネルギー出力を前記少なくとも2つの太陽エネルギー・レシーバの別のものからのエネルギー出力と比較することと、
前記少なくとも2つの太陽エネルギー・レシーバの前記1つからのエネルギー出力が、前記少なくとも2つの太陽エネルギー・レシーバの別のものからのものと実質的に等しくなるまで、前記少なくとも2つの太陽エネルギー・レシーバをシフトさせることと、
を含む方法。
(付記12)
前記少なくとも2つの太陽エネルギー・レシーバの各々からのエネルギー出力の一部を貯蔵することをさらに含む、付記11に記載の方法。
(付記13)
前記少なくとも2つの太陽エネルギー・レシーバをシフトさせることは、前記少なくとも2つの太陽エネルギー・レシーバを第1の軸及び第2の軸に沿って動かすことを含み、前記第1の軸は前記第2の軸に実質的に垂直である、付記11に記載の方法。
(付記14)
前記少なくとも2つの太陽エネルギー・レシーバをシフトさせることは、中心に焦点がある4象限パターンで配置された少なくとも4つの太陽エネルギー・レシーバを、前記太陽エネルギーが前記中心の焦点に当たるまで、前記第1の軸及び前記第2の軸に沿ってシフトさせることを含む、付記11に記載の方法。
(付記15)
前記少なくとも2つの太陽エネルギー・レシーバをシフトさせるために、電気機械装置を作動させることをさらに含む、付記11に記載の方法。
(付記16)
前記少なくとも2つの太陽エネルギー・レシーバをシフトさせるために、電気モータ及びギア・システム、油圧アクチュエータ、及び空気圧アクチュエータのうちの1つを作動させることをさらに含む、付記11に記載の方法。
(付記17)
前記少なくとも2つの太陽エネルギー・レシーバ上に太陽エネルギーの受け取ることは、少なくとも2つの光電池上に太陽エネルギーを受け取ることを含む、付記11に記載の方法。
(付記18)
前記少なくとも2つの光電池上に太陽エネルギーを受け取ることは、少なくとも2つの3重接合型太陽集光器セル上に太陽エネルギーを受け取ることを含む、付記17に記載の方法。
(付記19)
太陽集光器を太陽と位置合わせするためのシステムであって、前記システムは、
中央処理装置(CPU)を含み、前記CPUは、前記CPUによって実行されるとき、前記システムに、
少なくとも2つの太陽エネルギー・レシーバ上に太陽エネルギーを受け取らせ、
前記少なくとも2つの太陽エネルギー・レシーバの各々からのエネルギー出力を測定させ、
前記少なくとも2つの太陽エネルギー・レシーバの1つからのエネルギー出力を前記少なくとも2つの太陽エネルギー・レシーバの別のものからのエネルギー出力と比較させ、
前記少なくとも2つの太陽エネルギー・レシーバの前記1つからのエネルギー出力が、前記少なくとも2つの太陽エネルギー・レシーバの別のものからのものと実質的に等しくなるまで、前記少なくとも2つの太陽エネルギー・レシーバをシフトさせる、
1組の命令が格納される少なくとも1つのメモリ・デバイスに、システム・バスを介して機能的に相互接続される、システム。
(付記20)
前記命令の組は、前記CPUによって実行されるとき、前記システムに、
中心に焦点がある4象限パターンで配置された少なくとも4つの太陽エネルギー・レシーバを、前記太陽エネルギーが前記中心の焦点に当たるまで、前記第1の軸及び前記第2の軸に沿ってシフトさせる、付記19記載のシステム。
【符号の説明】
【0020】
2:太陽エネルギー位置合わせ及び収集システム
4:ベース部材
6、7、8、9:太陽エネルギー・レシーバ
20:作動システム
24、25:アクチュエータ
40:位置合わせコントローラ
42:アナログ・デジタル(A−D)変換器
44:デジタル・アナログ(D−A)変換器
50:エネルギー貯蔵システム
55、65:制御ライン
60、61、62、63:信号ライン
図1
図2
図3
図4