(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5995274
(24)【登録日】2016年9月2日
(45)【発行日】2016年9月21日
(54)【発明の名称】ノックダウン活性組成物
(51)【国際特許分類】
A01N 35/02 20060101AFI20160908BHJP
A01P 7/04 20060101ALI20160908BHJP
A01N 25/02 20060101ALI20160908BHJP
【FI】
A01N35/02
A01P7/04
A01N25/02
【請求項の数】2
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2012-187824(P2012-187824)
(22)【出願日】2012年8月28日
(65)【公開番号】特開2014-43429(P2014-43429A)
(43)【公開日】2014年3月13日
【審査請求日】2015年7月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】390000527
【氏名又は名称】住化エンバイロメンタルサイエンス株式会社
(72)【発明者】
【氏名】相奈良 賢治
【審査官】
井上 典之
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第03/065804(WO,A1)
【文献】
特開平10−316507(JP,A)
【文献】
特開2005−053813(JP,A)
【文献】
特開平08−109117(JP,A)
【文献】
特開2004−115424(JP,A)
【文献】
国際公開第2012/066690(WO,A1)
【文献】
特開2012−176918(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01N 35/02
A01P 7/04
CAplus(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ファルネシルアセトンを有効成分として2〜10重量%含有し、さらに、エタノール、プロパノール、イソプロパノール及びブタノールから選ばれる少なくとも一種類のアルコールを含有することを特徴とする、ノックダウン活性組成物。
【請求項2】
請求項1に記載の組成物を対象害虫に対し直接噴霧することを特徴とする、ノックダウン活性を利用した害虫駆除方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ノックダウン活性を有する組成物を用いた害虫の駆除方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、害虫防除剤として有機リン系、カーバメート系などの殺虫作用を有する薬剤が多用されてきたが、これらは、ヒトや家畜に対する有害性が問題となっている。近年、低毒性のピレスロイド系の薬剤が多数出現し、その人畜に対する低毒性のため、広く家庭用の噴霧殺虫製剤に使用されている。しかし、その有効性の発現が殺生物活性に基づくものである限り、ヒトや家畜への健康および環境に対する影響の懸念は排除できず、昨今ではさらに消費者の安全志向・天然志向が高まっていることからも、前期薬剤ではかかる消費者の要求を十分に満足するとは言い難い。
【0003】
また、近年の消費者の安全性に対する意識の高まりが示されており、天然成分を有効成分とする薬剤が種々検討されている。例えば、シトロネラ油、オレンジ油、カシア油などから選ばれた天然精油を有効成分とする飛翔害虫忌避剤が開示され、また、シトロネラール、ターピネオール、メントール、リモネン、ゲラニオール、シトロネロール、カンフェン等の害虫忌避剤揮散組成物が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−173407号公報
【特許文献2】特開2003−201203号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、従来から使用されてきた、昆虫の神経系に作用する有機塩素系、有機リン系、ピレスロイド系、カーバメート系、ネオニコチノイド系などのような殺虫成分(以降、従来の殺昆虫成分と記す)を使用しない、安全性の高い天然由来の成分を有効成分とした、使用者への安心感を与え得る、ノックダウン活性を有する新規な組成物、ならびにノックダウン活性組成物を用いる害虫駆除方法を提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、上記課題を解決すべく、鋭意検討を重ねた結果、ファルネシルアセトンを有効成分として含有する組成物が、害虫に対する駆除効果、特にノックダウン活性を有することを見出し、本発明に至った。
【0007】
すなわち、本発明は、
(1)ファルネシルアセトンを有効成分として含有することを特徴とする、ノックダウン活性組成物であり、(2)さらにアルコールを含有することを特徴とする、ノックダウン活性組成物であり、(3)製剤中、ファルネシルアセトンが0.1〜10重量%、アルコールが1〜50重量%含有するノックダウン活性組成物であり、(4)アルコール類が、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノールから選択される少なくとも一種類であるノックダウン活性組成物であり、(5)この組成物を使用するノックダウン活性を利用した駆除方法である。
【発明の効果】
【0008】
本発明のノックダウン活性組成物及びこれを用いる飛翔性昆虫の駆除方法は、飛翔性昆虫だけでなく、広範な害虫を駆除することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本明細書中に記載する「ノックダウン」とは、対象とする昆虫が転倒し、飛翔や歩行などの行動ができない状態となることを意味し、「ノックダウン活性」とは、対象とする昆虫を前述のような状態に至らしめる効力を意味する。
【0010】
本発明のノックダウン活性組成物は、従来の殺昆虫成分を使用せず、特定の構造を有する化合物を有効成分として含有する。かかる成分としては、ファルネシルアセトンが挙げられる。本発明のノックダウン活性組成物は、このファルネシルアセトンを含有することを特徴とし、さらに効力増強成分として、アルコール類を含有することで、相乗的にそのノックダウン効果を増強せしめたことを特徴とする。本発明のノックダウン活性組成物は各種害虫に対して有効であり、特に飛翔性を有する害虫に対して有効である。
【0011】
本発明のノックダウン活性組成物に使用されるファルネシルアセトンには、4種類の幾何異性体(シス−シス体、シス−トランス体、トランス−シス体、トランス−トランス体)が存在する。本発明のノックダウン活性組成物において使用されるファルネシルアセトンは、いずれの幾何異性体であってもよく、またそれらの幾何異性体の2種類以上の混合体であってもよく、またそれらの幾何異性体の混合比率は特に制限されることはない。
【0012】
ファルネシルアセトンは香気性が穏やかであり、例えばタタミ、寝具、カーペット、ふとん綿等の生活資材に使用しても快適性を損なうことはなく、屋内であっても問題なく使用できる。なお、ファルネシルアセトンは公知の化合物であり、例えばビタミンEやビタミンK
2の側鎖合成原料等の用途で化学合成法により多量に製造されている化合物である。
【0013】
本発明に配合できるアルコールは、特に限定されるものではないが、Rが炭素数2〜8、より好ましくは炭素数2〜6、最も好ましくは炭素数2〜5の炭化水素鎖である、化学式R−OHで表わされる。炭化水素鎖は、飽和していてもよく、不飽和でもよく、直鎖状、分岐鎖状、環状、又は多環式であってもよく、ヘテロ原子(炭素及び水素以外の原子)を有しているものを含む置換基を有していてもよい。
【0014】
好適な具体例としては、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール等の一価アルコール;エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、ペンタンジオール類、ヘキサンジオール類等の多価アルコールなどが挙げられる。上記のなかでも、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノールが好ましく、エタノール、イソプロパノールがより好ましい。なお、エタノールとしては、発酵エタノール又は合成エタノールが使用できる。また、各種の変性剤を添加した変性アルコールも使用できる。アルコールの配合量としては、製剤全体に対して1〜50重量%であることが好ましく、2〜30%であればより好ましい。
【0015】
本発明のノックダウン活性組成物は、各種界面活性剤を併用することもできる。使用できる界面活性剤としては、アルキル硫酸エステル類、アルキルスルホン酸塩、アルキルアリールスルホン酸塩、アルキルアリールエーテル類、アルキルアリールエーテル類のポリオキシエチレン化物、ポリエチレングリコールエーテル類、多価アルコールエステル類、糖アルコール誘導体、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油などが挙げられるが、その中でもジアルキルスルホコハク酸ナトリウム塩、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンオレイルエーテルなどの化粧品原料としても使用されている安全性の高いものが好ましい。その界面活性剤の使用量は、製剤全体に対して0.2〜30重量%の範囲であるのが好ましく、0.5〜20重量%の範囲であるのがより好ましく、最も好ましくは2〜15重量%の範囲である。
【0016】
本発明のノックダウン活性組成物は、ファルネシルアセトンを他の成分を加えずにそのまま単独の形で害虫の駆除を要求される区域等に適用することも可能であるが、通常好ましくは使用しやすくするために溶剤、担体、乳化剤、安定化剤などを配合して製剤となし、これを必要に応じて希釈するなどして使用することができる。すなわち、上記有効成分を含有するノックダウン活性組成物としては、例えば油剤、乳剤、水溶剤、フロアブル剤(水中懸濁剤、水中乳濁剤等)、エアゾールなど任意の剤形に調製することができる。
【0017】
製剤化の際に用いられる溶剤または担体としては、ファルネシルアセトンのノックダウン作用に悪影響を与えないものであればいかなるものでも使用可能であるが、溶剤としては、水、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン等)、芳香族炭化水素類(ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、メチルナフタレン、フェニルキシリルエタン等)、脂肪族炭化水素類(ヘキサン、シクロヘキサン、灯油、軽油等)、エステル類(酢酸エチル、酢酸ブチル等)、ニトリル類(アセトニトリル、イソブチロニトリル等)、エーテル類(ジイソプロピルエーテル、ジオキサン等)、酸アミド類(N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等)、ハロゲン化炭化水素類(ジクロロメタン、トリクロロエタン、四塩化炭素等)、ジメチルスルホキシド、植物油(大豆油、綿実油、菜種油等)等が挙げられ、中でも、アセトン、酢酸エチル、シリコーンオイル、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ホホバオイル、スクアラン、流動パラフィン、植物油等の医薬品や化粧品の原料として使用されているような安全性の高いものが望ましい。
【0018】
さらに本発明のノックダウン活性組成物は、製剤の保存安定性を高めるため増粘剤を用いることができる。増粘剤としては、有効成分の害虫駆除作用に悪影響を与えないものであれば、製剤分野で通常使用されるいかなる増粘剤でも使用可能であるが、具体的には、例えば、ポリビニルアルコール、ゼラチン、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、マクロゴール、アラビアゴム、デンプンなどを挙げることができる。
【0019】
加えて、本発明のノックダウン活性組成物の有効成分であるファルネシルアセトンは、保存中に空気酸化を受けて変質する恐れがあり、それを防ぐために酸化防止剤を配合するのが好ましい。酸化防止剤としては、例えばビタミンE類、BHT(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール)、BHA(2−t−ブチル−4−メトキシフェノールと3−t−ブチル−4−メトキシフェノールとの混合物)、タンニン酸、没食子酸などのポリフェノール型の酸化防止剤が使用される。その使用量は、ファルネシルアセトンに対して、好ましくは0.01〜20重量%の範囲、さらに好ましくは0.1〜10重量%の範囲である。
【0020】
本発明のノックダウン活性組成物は、本発明の効果に支障を来たさない限りにおいて必要に応じ、害虫駆除に有効なほかの成分または添加剤などを併用することもできる。併用可能な有効成分としては、ジャスミン油、ネロリ油、ペパーミント油、ベルガモット油、オレンジ油、ゼラニウム油、プチグレン油、レモン油、シトロネラ油、レモングラス油、シナモン油、ユーカリ油、タイム油、シトラール、l−メントール、酢酸シトロネリル、シンナミックアルデヒド、テルピネオール、ノニルアルコール、cis−ジャスモン、チモール、リモネン、リナロール、1,8−シネオール、ゲラニオール、α−ピネン、シトロネラール、シトロネロール、ヒノキチオール、ボルネオール、カンフェン、酢酸リナリル、酢酸ゲラニル、ジャスモン酸メチル、フェニルエチルアセテート、p−メンタン−3,8−ジオール、β−ヨノン、酢酸ノピル、フィトン、ジエチルトルアミド、その他害虫に対して駆除作用を有する化合物等が挙げられ、その他クエン酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム等の防錆剤;ラノリン等の展着剤;ポリフェノール、ラウリルメタアクリレート等の消臭剤;グリーンノート系香料、フルーツノート系香料;又はその含有成分等を用いることができる。
【0021】
本発明のノックダウン活性組成物は、公知の方法により、例えばエアゾール、油剤、マイクロカプセル、水和剤などの任意の剤形とすることができる。
【0022】
本発明のノックダウン活性組成物をエアゾール形態に適用する場合、噴射剤が配合される。噴射剤としては、ジメチルエーテル、液化石油ガス(LPG)、圧縮ガス(窒素ガス、炭素ガス、亜酸化窒素、圧縮空気など)が挙げられる。
【0023】
本発明のノックダウン活性組成物は、トリガースプレーに適応することもできる。充填される容器としては、その用途、使用目的、対象害虫に応じて、適宜バルブ、噴口、ノズルなどの形状を選択すればよい。例えば、広角ノズル付きのトリガースプレータイプを用いれば、一度の操作で広範囲を処理することが可能となり、対象虫に対して噴霧し、虫体にノックダウン活性組成物を付着させることも容易となり便利である。
【0024】
これらの補助剤を用いて得られる各種製剤は、実際の使用に際して、このまま使用してもよく、また、水などの適切な溶剤で所望の濃度に希釈して使用してもよい。本発明のノックダウン活性組成物における有効成分であるファルネシルアセトンの含有量は特に制限されず、製剤形態、適用方法などに応じて広い範囲から適宜選択できるが、例えば、トリガースプレー、エアゾールなどの液剤などとして用いる場合などには、好ましくは0.1〜30重量%、さらに好ましくは1〜20重量%、特に好ましくは2〜10重量%である。また、トリガースプレーやエアゾールなど、駆除対象となる害虫やその発生場所に直接噴霧するような製剤とする場合は、処理後のべたつきや作業者への安全性などの観点から、製剤中に水が含まれていることが望ましい。
【0025】
また、本発明のノックダウン活性組成物は、塗膜形成剤を配合することにより、処理後に塗膜が形成され、有効成分が塗膜中に保持されるような製剤にすることができ、有効成分であるファルネシルアセトンを塗膜中に保持させることにより、酸化による分解を抑制することができ、ノックダウン効果が持続する期間を長くすることが出来る。本発明のノックダウン活性組成物に使用できる塗膜形成剤としては、ノックダウン作用に悪影響を与えないものであれば、製剤分野で通常使用されるいかなる塗膜形成剤でも使用可能であるが、具体的には、例えば、ニトロセルロース、アセチルロース、アセチルブチリルセルロース、メチルセルロース等のセルロース誘導体、酢酸ビニル樹脂等のビニル系樹脂、アルキッド系樹脂、エチレン酢酸ビニル樹脂、ユリア系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、シリコン系樹脂、アクリル系樹脂、塩化ゴム、ポリビニルアルコール等の塗膜形成剤が挙げられる。
【0026】
本発明のノックダウン活性組成物の処理量は、製剤の種類、対象の害虫種、その密度、使用時刻、気象条件または使用する人の年齢などに応じて広い範囲から適宜選択可能であるが、1つの目安としては、通常駆除対象とする害虫が発生している場所1m
2当たり、有効成分が0.05〜10g、好ましくは0.1〜5g含まれる量である。処理される有効成分量が0.05g未満であると期待するノックダウン効果を得がたく、10gを越えると、効力が増強されることがなくなり、かつべたつきなどの問題が発生し、好ましくない。
【0027】
本発明のノックダウン活性組成物は、殺虫原体を必要とせず、安全性について使用者に安心感を与えることができるため、床面、壁面、フローリング、家具、台所、玄関などの一般家庭や、倉庫、工場、蓄鶏舎、飲食店などあらゆる室内空間において用いることが出来る。もちろん、使用場所はこれらに限定されることはなく、ベランダ、ゴミ置き場、資材・機材置き場、駐輪場、駐車場、花壇、庭などの屋外においても用いることが出来る。
【0028】
本発明の対象昆虫の種類としては、以下の昆虫に限定されるわけではないが、アカイエカ、チカイエカ、コガタアカイエカ、ヒトスジシマカ、オオクロヤブカ、シナハマダラカなどの蚊類、イエバエ、ヒメイエバエ、キンバエ、ギンバエ、センチニクバエ、ケブカクロバエ等のハエ類、チョウバエ、ショウジョウバエ、ノミバエ、タマバエ、クロバネキノコバエ、キノコバエ、ニセケバエ、ハヤトビバエ、キモグリバエ、ハモグリバエ、ケバエ、ガガンボ、チーズバエ、ツヤホソバエ、アシナガバエ、トゲハネバエ、ハネフリバエ、ハマベバエ、ミギワバエ、ショクガバエ、ヌカカなどのコバエ類、ノミバエフチグロユスリカ、ウスイロユスリカ、オオユスリカ、シオユスリカ、ヒシモンユスリカ、セスジユスリカ、アカムシユスリカ等のユスリカ類、イガ、コイガ、ノシメマダラメイガ等の蛾類などの飛翔昆虫が挙げられる。なお、上記の飛翔性昆虫以外にも、イエシロアリ、ヤマトシロアリなどのシロアリ類、チャバネゴキブリ、クロゴキブリなどのゴキブリ類、クロオオアリ、アミメアリ、トビイロシワアリなどのクロアリ類、チャコウラナメクジなどの腹足類、ヒラタチャタテムシ、ウスグロチャタテなどのチャタテムシ類、ダンゴムシ、ワラジムシ、ゲジ、ムカデ、ヤスデなどの節足動物などの徘徊性昆虫を対象とすることが出来、これらの徘徊性昆虫に対しても十分な駆除効果を発揮することが出来る。
【実施例】
【0029】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限定されるものではない。
【0030】
(
参考例1)
以下の表1に示すように、ファルネシルアセトン5重量%、ニューコール1210(日本乳化剤株式会社製)8重量%、ニューカルゲンEX−70(竹本油脂株式会社製)4重量%を加え、そこに水を加えて合計100重量%とし、
参考例1のノックダウン活性組成物を調製した。
【0031】
(実施例2)
以下の表1に示すように、ファルネシルアセトンを5重量%、エタノールを10重量%、ニューコール1210(日本乳化剤株式会社製)8重量%、ニューカルゲンEX−70(竹本油脂株式会社製)4重量%を加え、そこに水を加えて合計100重量%とし、実施例2のノックダウン活性組成物を調製した。
【0032】
(実施例3)
以下の表1に示すように、ファルネシルアセトンを5重量%、イソプロパノールを10重量%、ニューコール1210(日本乳化剤株式会社製)8重量%、ニューカルゲンEX−70(竹本油脂株式会社製)4重量%を加え、そこに水を加えて合計100重量%とし、実施例3のノックダウン活性組成物を調製した。
【0033】
(
参考例2)
以下の表1に示すように、ファルネシルアセトンを2重量%、ニューカルゲンD−220K(竹本油脂株式会社製)3重量%、ニューカルゲンCP−80(竹本油脂株式会社製)1.5重量%、ニューカルゲンEP−70G(竹本油脂株式会社製)1.5重量%を加え、そこに水を加えて合計100重量%とし、
参考例2のノックダウン活性組成物を調製した。
【0034】
(実施例5)
以下の表1に示すように、ファルネシルアセトンを2重量%、エタノールを15重量%、ニューコール1210(日本乳化剤株式会社製)6重量%、ニューカルゲンEX−70(竹本油脂株式会社製)2重量%を加え、そこに水を加えて合計100重量%とし、実施例5のノックダウン活性組成物を調製した。
【0035】
(実施例6)
以下の表1に示すように、ファルネシルアセトンを2重量%、プロパノールを7重量%、ニューカルゲンD−220K(竹本油脂株式会社製)3重量%、ニューカルゲンCP−80(竹本油脂株式会社製)1.5重量%、ニューカルゲンEP−70G(竹本油脂株式会社製)1.5重量%を加え、そこに水を加えて合計100重量%とし、実施例6のノックダウン活性組成物を調製した。
【0036】
(実施例7)
以下の表1に示すように、ファルネシルアセトンを2重量%、ブタノールを2重量%、ニューカルゲンD−220K(竹本油脂株式会社製)3重量%、ニューカルゲンCP−80(竹本油脂株式会社製)1.5重量%、ニューカルゲンEP−70G(竹本油脂株式会社製)1.5重量%を加え、そこに水を加えて合計100重量%とし、実施例7のノックダウン活性組成物を調製した。
【0037】
(比較例1)
以下の表1に示すように、エタノール30重量%、ニューコール1210(日本乳化剤株式会社製)8重量%、ニューカルゲンEX−70(竹本油脂株式会社製)4重量%を加え、そこに水を加えて合計100重量%とし、比較例1を調製した。
【0038】
(比較例2)
以下の表1に示すように、イソプロパノール15重量%、ニューコール1210(日本乳化剤株式会社製)8重量%、ニューカルゲンEX−70(竹本油脂株式会社製)4重量%を加え、そこに水を加えて合計100重量%とし、比較例2を調製した。
【0039】
(比較例3)
以下の表1に示すように、プロパノール7重量%、ニューカルゲンD−220K(竹本油脂株式会社製)3重量%、ニューカルゲンCP−80(竹本油脂株式会社製)1.5重量%、ニューカルゲンEP−70G(竹本油脂株式会社製)1.5重量%を加え、そこに水を加えて合計100重量%とし、比較例3を調製した。
【0040】
(比較例4)
以下の表1に示すように、ブタノール2重量%、ニューカルゲンD−220K(竹本油脂株式会社製)3重量%、ニューカルゲンCP−80(竹本油脂株式会社製)1.5重量%、ニューカルゲンEP−70G(竹本油脂株式会社製)1.5重量%を加え、そこに水を加えて合計100重量%とし、比較例3を調製した。
【0041】
【表1】
【0042】
(試験例)
ガラス円筒(直径15cm×高さ15cm)の底面にろ紙を敷き、その内部にあらかじめ麻酔したイエバエ成虫約20頭を放虫し、上から金網を被せた。麻酔が醒めたのを確認後、金網の上に中央に直径3cm程度の穴の開いたガラス板を置き、その上からガラス円筒内に向けて、実施例のノックダウン活性組成物及び
参考例、比較例の組成物について、それぞれを2mL噴霧した。噴霧3分後ガラス板を取り外し、経時的にノックダウンしたイエバエの個体数をカウントし、投入虫数に対するノックダウン虫率(%)を算出した。
表2にこれらの結果を示す。
【0043】
【表2】
【産業上の利用可能性】
【0044】
本発明のノックダウン活性組成物及びこれを用いる飛翔性昆虫の駆除方法は、飛翔性昆虫だけでなく、広範な害虫駆除を目的として利用することが可能である。