(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記操作部の操作によって選択された前記収納部、または、前記操作部の操作によって選択された物品を収納するための前記収納部を解錠する解錠手段を含むことを特徴とする、請求項1または2記載の物品管理装置。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下には、図面を参照して、この発明の実施形態について具体的に説明する。
図1は、この発明の一実施形態に係る物品管理装置100を正面右上方から見た斜視図である。
図1に示す物品管理装置100は、銀行のオフィス等に設置されていて、領収書や電子機器(ここではパソコン)といったオフィスの備品や、通帳や小切手や証書といった貴重品を管理する重要物管理装置である。なお、物品管理装置100に収納される物を、以下では「物品」と総称することにする。
【0015】
物品管理装置100は、第1収納ユニット1と、第2収納ユニット2と、第3収納ユニット3と、操作制御ユニット4とを含んでいる。第1収納ユニット1、第2収納ユニット2、第3収納ユニット3および操作制御ユニット4のそれぞれは、独立したユニットであり、操作制御ユニット4に対して各収納ユニットを連結することによって物品管理装置100が構成されている。
【0016】
第1収納ユニット1、第2収納ユニット2および第3収納ユニット3は、耐火性能を有しており、ある程度の時間内において、収納した物品を保護することができる。第1収納ユニット1、第2収納ユニット2および第3収納ユニット3のそれぞれの全体形状は、直方体形状であって、
図1では比較的縦長である。また、一例として、この実施形態では、第1収納ユニット1、第2収納ユニット2および第3収納ユニット3のそれぞれの天面を面一(同じ高さ)にしている。
【0017】
第1収納ユニット1、第2収納ユニット2および第3収納ユニット3のそれぞれは、物品を収納するための複数の収納部(これから述べる収納部A〜H)で構成されている。物品管理装置100の利用者は、いずれかの収納部に物品を収納したり、収納部から物品を取り出したりする取引を物品管理装置100との間で行うことができる。
第1収納ユニット1は、上から順に、収納部A、収納部Bおよび収納部Cという3つの収納部を含んでいる。第2収納ユニット2は、上から順に、収納部D、収納部E、収納部Fおよび収納部Gという4つの収納部を含んでいる。第3収納ユニット3は、収納部Hという1つの収納部を含んでいる。収納部A〜Hにおける語尾のアルファベットA〜Hは、個々の収納部を識別するための記号であり、以下では、これらのアルファベットを「収納部ID」と総称することがある。
【0018】
収納部Aを参照して、各収納部は、正面に開口部を有する立方体状の空間であって物品を収納する収納スペース5と、収納スペース5の正面の開口部を開閉する扉6とを含んでいる。扉6の正面には、利用者が指を掛けるための凹状の取っ手7と、鍵穴8とが設けられている。なお、
図1では、収納部B〜Hにおいて収納スペース5、扉6、取っ手7および鍵穴8に該当する全ての部分に符号を付すことを、説明の便宜上、省略している。
【0019】
収納部A、B、D〜Gでは、扉6が、その裏側に物品を収容できる引き出し60を構成している。取っ手7に指を掛けて手前に引くと、収納部内の物品が扉6(引き出し60)とともに収納スペース5の外部へ引き出されるようになっていて、このときの収納部は、開いた状態にある。逆に、取っ手7に指を掛けて扉6を逆向き(物品管理装置100の奥側)に押し込むと、収納スペース5が扉6によって正面側から塞がれ、物品が収納スペース5内に収納された状態になり、このときの収納部は、閉じた状態にある。
【0020】
収納部Cでは、扉6が、正面視における右端部で上下に延びる回動軸(図示せず)を中心として回動可能である。
図1の収納部Cは、閉じた状態にあって、扉6が、物品を収納した収納スペース5を正面側から塞いでいる。この状態で取っ手7に指を掛けて手前に引くと、扉6は、前述した回動軸周りに正面側へ回動して、収納スペース5が正面側に露出され、このときの収納部Cは、開いた状態にある。そして、今までとは逆向きに扉6を回動させると、収納部Cは再び閉じる。
【0021】
収納部Hでは、扉6が、左扉6Lと右扉6Rとを含む観音開きの構成になっている。左扉6Lは、正面視における左端部で上下に延びる回動軸(図示せず)を中心として回動可能であり、右扉6Rは、正面視における右端部で上下に延びる回動軸(図示せず)を中心として回動可能である。収納部Hでは、取っ手7および鍵穴8が、右扉6Rだけに設けられているが、左扉6Lおよび右扉6Rの両方に設けられても構わない。
【0022】
図1の収納部Hは、閉じた状態にあって、左扉6Lおよび右扉6Rが、物品を収納した収納スペース5を正面側から塞いでいる。この状態で取っ手7に指を掛けて手前に引くと、最初に、右扉6Rが、前述した回動軸周りに正面側へ回動して、収納スペース5の右半分が正面側に露出される。次いで、左扉6Lの右縁に指を掛けて手前に引くと、左扉6Lが、前述した回動軸周りに正面側へ回動して、収納スペース5の左半分が正面側に露出される。このときの収納部Hは、開いた状態にある。そして、今までとは逆向きに左扉6Lおよび右扉6Rのそれぞれを回動させると、収納部Hは再び閉じる。
【0023】
なお、収納部A〜Hのレイアウトや個々の大きさは、
図1に限らず、任意に設定可能であるし、各収納部の開閉機構は、任意に変更可能である。たとえば、収納部Aが、前述した引き出し式でなく、収納部Hのような観音開き式であっても構わない。また、この実施形態では、第1収納ユニット1〜第3収納ユニット3という3つの収納ユニットを示しているが、収納ユニットの数や、各収納ユニットにおける収納部の数は、管理する物品の種類や数に応じて、任意に設定可能である。
【0024】
収納部A〜Hのそれぞれには、たとえば電磁ロックで構成された施解錠機構9(解錠手段)が内蔵されている。説明の便宜上、
図1では、収納部Dの施解錠機構9だけが図示されている。施解錠機構9は、自身を内蔵する収納部を閉じた状態で施錠したり、収納部を開くことができるように解錠したりすることができる。各収納部の施解錠機構9の施解錠動作は、後述するように操作制御ユニット4によって電気的に自動制御される。しかし、故障や停電等の緊急時には、収納部毎に予め準備された非常鍵(図示せず)を、対応する収納部の鍵穴8に差し込んで操作することによって、各収納部を手動で解錠し、収納部を開くことができる。もちろん、解錠するときとは逆向きに非常鍵(図示せず)を操作することによって再び収納部を施錠することもできる。
【0025】
操作制御ユニット4は、第1収納ユニット1、第2収納ユニット2および第3収納ユニット3のいずれか(
図1では第1収納ユニット1)の天面に載置されている。操作制御ユニット4を構成する部品として、
図1では、操作制御ユニット4の筐体をなすユニット本体10と、表示操作部11(操作部、選択操作部、解錠方法報知手段、表示手段、原因報知手段)と、カードリーダ12と、非常鍵収納ボックス13とが図示されている。
【0026】
ユニット本体10は、奥側上方へ向かって傾斜して延びる正面を有するボックス状である。表示操作部11は、たとえば、液晶のタッチパネルであり、ユニット本体10の正面に設けられている。表示操作部11には、物品管理装置100の動作状況が表示されたり、物品管理装置100を操作するためのボタン(タッチキー)が表示されたりする。
カードリーダ12は、ユニット本体10の正面(
図1では表示操作部11の下方)に設けられている。カードリーダ12に関連して、利用者は、物品管理装置100を利用する際に必要なるIDカード(図示せず)を有している。IDカードには、利用者毎に割り振られた識別情報(利用者ID)を記憶している。カードリーダ12は、利用者が有するIDカードと非接触の状態で、当該IDカードに記憶された情報(ここでは利用者ID)を読み取ることができる。
【0027】
非常鍵収納ボックス13は、前述した非常鍵を収納するものであり、詳しくは、後述する。
図2は、物品管理装置100の電気的な構成を示すブロック図である。
図2を参照して、操作制御ユニット4には、マイクロコンピュータ等で構成された制御部14(解錠手段、受付手段、決定手段、判断手段、解錠方法報知手段、原因報知手段)が備えられている。制御部14は、CPUやメモリ(ROM、RAM)などを含んでいる。制御部14は、操作制御ユニット4だけでなく、物品管理装置100全体の動作を制御するためのものである。操作制御ユニット4では、制御部14に対して、前述した表示操作部11およびカードリーダ12のそれぞれと、I/F(インタフェース)部15と、記憶部16(セキュリティレベル記憶手段、解錠方法記憶手段)と、履歴記録機構46とが電気的に接続されている。表示操作部11、カードリーダ12、I/F部15、記憶部16、履歴記録機構46および制御部14は、操作制御ユニット4に含まれる。
【0028】
制御部14は、表示操作部11の表示を制御したり、利用者が表示操作部11を操作した内容を受け付けたりすることができる。制御部14には、カードリーダ12がカード(前述したIDカード等)から読み取った情報が入力される。
制御部14は、I/F部15を介して、第1収納ユニット1、第2収納ユニット2および第3収納ユニット3のそれぞれと通信できる。具体的には、制御部14は、I/F部15を介して、各収納ユニットの収納部(収納部A〜H)のそれぞれにおける施解錠機構9に対して電気的に接続されており、施解錠機構9の施解錠動作を制御することによって、収納部A〜Hのそれぞれを施解錠することができる。
【0029】
制御部14は、履歴記録機構46からの信号によって、非常鍵収納ボックス13の利用履歴を把握することができる(詳しくは後述する)。
記憶部16は、必要な情報を記憶することができる。この実施形態では、記憶部16は、
図3に示す管理テーブル17と、
図4に示す履歴テーブル18とを主に記憶している。
図3を参照して、収納部A〜Hのそれぞれには、収納部に収納される物品が予め定められている。物品毎に、セキュリティレベルが設定されている。セキュリティレベルとは、物品の重要度であり、この実施形態では、物品を収納する収納部の重要度でもある。セキュリティレベルを示す数字が大きい値になるほど、物品および(当該物品を収納する)収納部の重要度が高くなる。
【0030】
たとえば、この物品管理装置100で管理される物品の種類として、重要度の低い順に、領収書、パソコン、通帳、小切手、証書が存在する。領収書(および領収書を収納する収納部C)のセキュリティレベルは「1」であり、パソコン(およびパソコンを収納する収納部H)のセキュリティレベルは「2」である。通帳(および通帳を収納する収納部AおよびB)のセキュリティレベルは「3」であり、小切手(および小切手を収納する収納部DおよびE)のセキュリティレベルは「4」であり、証書(および証書を収納する収納部FおよびG)のセキュリティレベルは「5」である。
【0031】
管理テーブル17には、収納部A〜Hのそれぞれについて、収納部IDと、収納される物品(物品の種類または名称)と、物品毎に設定されたセキュリティレベルと、当該物品の現時点での在高(在庫数)と、取引数とが記憶されている。取引数とは、物品管理装置100が稼働している当日における現時点までの間において、収納部に収納された物品の数(収納数)、および、収納部から取り出された物品の数(取出数)の少なくともいずれか(この実施形態では両方)を指している。当日の営業時間が終了すると、取引数(収納数および取出数の両方)は、0(零)にリセットされる。
【0032】
セキュリティレベルには所定のしきい値が設定されていて、このしきい値は、記憶部16に記憶されている。しきい値とは、在高および取引数を管理テーブル17で記憶しておく必要があるか否かを物品毎に判断するために設けられたものであり、この実施形態のしきい値は、「1」である。セキュリティレベルがしきい値を超える物品は、在高および取引数を管理テーブル17で記憶しておく必要があり、セキュリティレベルがしきい値以下の物品は、在高および取引数を管理テーブル17で記憶しておく必要がない。そのため、管理テーブル17では、セキュリティレベルがしきい値「1」以下である領収書といった重要度の低い物品については、在高および取引数が記憶されないようになっている。
【0033】
なお、収納部Fは、後述するように、収納部Gから取り出される証書を一時保留するだけのものであるから、取引時以外の収納部Fには物品が在庫として収納されないので、管理テーブル17では、収納部Fについての在高および取出数は記憶されない。
図4に示す履歴テーブル18には、前述した当日の現時点までの間における収納部での物品の収納や取り出しといった取引の履歴を、収納部毎(
図4では収納部Aのみ図示)に記憶している。
図4の収納部Aの場合、各取引について、取引があった時刻(取引時刻)と、取引に関与した利用者のID(利用者ID)と、取引数と、取引後の物品の在高とが、取引時刻順に記録されている。
図4において、正(プラス)の値となった取引数は、収納数を意味しており、負(マイナス)の値となった取引数は、取出数を意味している。
【0034】
図5は、物品管理装置100において行われる制御動作の一例を示すフローチャートである。
図6A〜
図7Cは、物品管理装置100の表示操作部11における表示内容の一例を示す模式図である。
物品管理装置100で取引(物品の収納または取出)を行う場合、取引を行おうとする利用者は、操作制御ユニット4にログインしなければならない。
【0035】
待機状態の物品管理装置100では、一例として、表示操作部11に、利用者が自身のIDカード19をカードリーダ12にタッチするよう促す旨を示した第1案内画面21(
図6A参照)が表示されている。なお、第1案内画面21では、IDカード19やカードリーダ12等のイメージ(イラスト)が表示されている。また、ここでの「タッチ」とは、IDカード19をカードリーダ12に接触させるだけでなく、カードリーダ12がIDカード19から利用者IDを読み取れる位置までIDカード19をカードリーダ12に接近させる場合も含まれている。
【0036】
利用者の利用者IDは、記憶部16に記憶されており、制御部14は、カードリーダ12がIDカード19から読み取った利用者IDと、記憶部16に記憶された利用者IDとを照合して、本人認証を行う。本人認証が済めば、ログインが成功したことになる。なお、本人認証の際にパスワード(事前に決まっている)の入力がさらに必要であってもよい。
【0037】
IDカード19をカードリーダ12にタッチすることによる本人認証以外に、利用者が表示操作部11において自身の利用者IDおよびパスワードを入力するログインによって本人認証をする場合もある。この場合、制御部14は、利用者IDおよびパスワードの入力を促す旨を示した第2案内画面22(
図6B参照)を表示操作部11に表示させる。第2案内画面22には、テンキー23およびログインボタン24が表示されているので、利用者は、テンキー23を押して自分の利用者IDおよびパスワードを入力した後に、ログインボタン24を押してログインを申し込む。利用者の利用者IDおよびパスワードは、記憶部16に記憶されており、制御部14は、利用者によって入力された利用者IDおよびパスワードと、記憶部16に記憶された利用者IDおよびパスワードとを照合して、本人認証を行う。本人認証が済めば、ログインが成功したことになる。
【0038】
なお、第1案内画面21や第2案内画面22は、待機状態の物品管理装置100の表示操作部11において常に表示されるのでなく、物品管理装置100に利用者が接近したときに、表示操作部11に表示されるようになってもよい。
図5を参照して、ログインが成功すると(ステップS1でYES)、制御部14は、表示操作部11に、メニュー画面25を表示させる(ステップS2)。
図6Cに示すように、メニュー画面25には、収納部A〜Hを直接指定して取引(物品の収納や取出)を行いたい場合に押す収納部選択ボタン26と、取引したい物品を選択するために物品毎に設けられた物品選択ボタン27とが表示されている。
【0039】
この実施形態の物品選択ボタン27は、通帳を選択するために押す通帳選択ボタン27Aと、証書を選択するために押す証書選択ボタン27Bと、パソコンを選択するために押すパソコン選択ボタン27Cと、領収書を選択するために押す領収書選択ボタン27Dと、小切手を選択するために押す小切手選択ボタン27Eとを含んでいる。利用者は、収納部選択ボタン26および物品選択ボタン27(27A〜27E)のいずれかを押す。
【0040】
このように、利用者は、これから解錠したい収納部、または、収納部から取り出したり収納部に収納したりしたい物品を選択するために、メニュー画面25において表示操作部11を操作する。
利用者が物品選択ボタン27を押すと、取引する物品が選択されたことになる。
図5を参照して、その場合(ステップS3でYES)、制御部14は、表示操作部11に、選択された物品についての物品選択画面28を表示させる(ステップS4)。たとえば、利用者が通帳選択ボタン27A(
図6C参照)を押した場合には、
図6Dに示すように、通帳についての物品選択画面28が表示される。
【0041】
この実施形態では、通帳は収納部AおよびBに収納されており(
図3参照)、収納部Aに収納された通帳の名称(通帳名)を「通帳0001」といい、収納部Bに収納された通帳の通帳名を「通帳0002」ということにする。
通帳についての物品選択画面28には、通帳名と、各通帳名の通帳が収納される収納部の収納部IDと、現時点における通帳の在高と、取引数とが表示されるとともに、テンキー29と、収納ボタン30と、取出ボタン31と、決定ボタン32とが表示される。
【0042】
物品選択画面28において、通帳名(通帳0001、通帳0002)が表示された部分はボタンになっていて、利用者は、取引したい通帳名が表示された部分を押して、取引したい物品を収納するための収納部の収納部IDを選択する。または、物品選択画面28における各収納部ID(
図6Dでは「A」および「B」)がボタンになっていて、いずれかのボタンを押すことで、取引したい物品を収納するための収納部の収納部IDを選択できてもよい。
【0043】
収納部IDを選択した後、利用者は、物品を収納する取引を行いたい場合には、テンキー29で取引数(収納数)を指定して収納ボタン30を押すと、物品選択画面28では、該当する収納部IDの取引数が、当初の0(零)から、指定した収納数(正の値)に変化する。一方、利用者は、物品を取り出す取引を行いたい場合には、テンキー29で取引数(取出数)を指定して取出ボタン31を押すと、物品選択画面28では、該当する収納部IDの取引数が、当初の0(零)から、指定した取出数(負の値)に変化する。なお、テンキー29を操作するタイミングと、収納ボタン30または取出ボタン31を押すタイミングとは、どちらが先であっても構わない。利用者は、取引数を入力した後に、決定ボタン32を押して今回の取引を決定させることで、この取引を申し込む。
【0044】
図5に戻り、制御部14は、ステップS4で物品選択画面28を表示させると、管理テーブル17(
図3参照)を参照して、ステップS3で選択された物品のセキュリティレベルを確認し、そのセキュリティレベルが(前述した)しきい値を超えているか否かを確認する(ステップS5)。
セキュリティレベルがしきい値(ここでは「1」)を超えた(しきい値より大きい)物品が選択されていた場合がある。この実施形態では、セキュリティレベルが2以上の物品であるパソコン、通帳、小切手および証書のいずれかが選択されていた場合(ステップS5でYES)であって、制御部14は、物品選択画面28において利用者が取引数を入力したか否かを確認する(ステップS6)。
【0045】
つまり、制御部14は、ステップS5では、取引数の入力が必要な物品が選択されたか否かを管理テーブル17で確認し、ステップS6では、取引数の入力が必要な物品についての取引数の入力有無を確認する。
換言すれば、制御部14は、セキュリティレベルがしきい値を超える物品を収納するための少なくとも1つの収納部について、取引のときに、ステップS6において物品の取引数の入力を受け付ける。ここでの「取引のとき」とは、この実施形態では取引開始時としているが、取引が終わるまでのいずれかのタイミングであっても構わない。
【0046】
また、制御部14は、取引のときに利用者による物品の取引数の入力を受け付ける必要があるのか否かを、ステップS5において、管理テーブル17における当該物品のセキュリティレベルに応じて決定する。そのため、この実施形態のように、セキュリティレベルが高い物品の取引の場合には取引数を必ず入力するようにして、セキュリティレベルが低い物品の取引の場合には取引数を入力しなくても済むように設定できる。つまり、セキュリティレベルを設定しておけば、取引数の入力の要否をセキュリティレベルに応じて自動的に設定できるので使い勝手がよい。
【0047】
そして、取引数の入力が必要であるのに、所定時間経過しても取引数の入力がない場合には(ステップS6でNO)、制御部14は、今回の取引がなかったものとするキャンセル処理を実行する(ステップS7)。
取引数の入力が必要な物品について取引数が入力された場合(ステップS6でYES)、または、セキュリティレベルがしきい値を超えていない(取引数の入力が必要でない)物品(ここでは領収書)が選択されていた場合(ステップS5でNO)、制御部14は、利用者が決定ボタン32(
図6D参照)を押して今回の取引を決定させたか否かを確認する(ステップS8)。所定時間経過しても今回の取引が決定しない場合には(ステップS8でNO)、制御部14は、キャンセル処理を実行する(ステップS7)。
【0048】
取引が決定すると(ステップS8でYES)、制御部14は、対象の収納部の施解錠機構9(
図2参照)を動作させ、当該対象の収納部を解錠する(ステップS9)。ここでの「対象の収納部」とは、収納部A〜Hのうち、ステップS3で選択された物品を収納した収納部(複数ある場合は物品選択画面28で収納部IDが選択された収納部)である。利用者は、解錠された収納部を開いて、収納部内に物品を新たに収納したり、収納部内の物品を取り出したりすることができる。
【0049】
このように、制御部14は、利用者による表示操作部11(ステップS3)の操作によって選択された物品を収納するための収納部を解錠する。
なお、制御部14は、収納部を解錠したことを利用者に報知するために、
図6Eに示す解錠報告画面33を表示操作部11に表示させてもよい。解錠報告画面33では、物品管理装置100を正面から見たイメージが表示されていて、解錠された収納部(ここでは収納部Aとする)だけが、強調表示されている(
図6Eにおいてハッチングを付した部分を参照)。
【0050】
また、ステップS9において、制御部14は、記憶部16内のデータを更新する。具体的に、制御部14は、管理テーブル17および履歴テーブル18の該当箇所を更新する。
たとえば、今回の取引が、収納部Aから通帳(取引数の入力が必要な物品)を10冊取り出すことであるとする。この場合、制御部14は、
図3に示す管理テーブル17において、収納部IDが「A」の欄について、取出数を、今回の10冊を加算することで、5冊から15冊に更新し、在高を、今回の10冊を差し引くことで、40冊から30冊に更新する。また、制御部14は、
図4に示す履歴テーブル18において、今回の取引の情報(取引時刻、利用者ID、取引数および取引後の在高)を最新の取引履歴として新たに記憶する。
【0051】
逆に、今回の取引が、収納部Aに通帳を10冊収納することであるとする。この場合、制御部14は、
図3に示す管理テーブル17において、収納部IDが「A」の欄について、収納数を、今回の10冊を加算することで、10冊から20冊に更新し、在高を、今回の10冊を足すことで、40冊から50冊に更新する。また、制御部14は、
図4に示す履歴テーブル18において、今回の取引の情報(取引時刻、利用者ID、取引数および取引後の在高)を最新の取引履歴として新たに記憶する。
【0052】
図5を参照して、セキュリティレベルがしきい値以下の物品(ここでは領収書)についての取引の場合(ステップS5でNO)、前述したように在高および取引数が記憶部16で管理されていないので、ステップS9では、管理テーブル17の更新はされない。ただし、この物品の履歴テーブル18では、今回の取引についての取引時刻および利用者IDは、最新の取引履歴として新たに記憶される。
【0053】
以上によれば、取引のときに物品の取引数を入力することになっている収納部については、物品管理装置を管理する権限を持つ従業員である管理者が営業時間終了後等に物品の現物をいちいち数えなくても済む。具体的には、表示操作部11に表示させたり紙出力させたりした管理テーブル17において、収納部毎に、これまで入力された取引数を累積するだけで物品の在高を確定できる。さらに、このように在高の確定が容易な収納部(この実施形態では収納部A、B、D〜H)が存在するぶん、在高の確定のために物品の現物を数える必要がある収納部を減らすことができる。
【0054】
つまり、在高管理が不要な物品(ここでは領収書)と在高管理が必要な物品(ここでは領収書以外の物品)とを設定し、在高管理が必要な物品の取引では取引数を入力するように設定することで、管理者は全ての物品の在高を数えずに済むので、物品の在高の管理にかかる負担を軽減することができる。さらに、重要度の高い物品については、履歴テーブル18の取引履歴を参照することによって、今までの個別の取引の内容(誰が何個の物品をいつ収納したり取り出したりしたか)が把握できるので、在高に問題がある場合には、原因を追究することができる。
【0055】
制御部14は、ステップS9で収納部を解錠した後、所定時間が経過するまでに当該収納部の扉6が利用者によって閉じられたか否かを監視する(ステップS10)。たとえば、各収納部には、扉6の開閉を検知するセンサが設けられていて、制御部14は、当該センサに基づいて、扉6の開閉を監視する。扉6が閉まると(ステップS10でYES)、制御部14は、この扉6の収納部の施解錠機構9(
図2参照)を動作させて当該収納部を施錠し、
図6Fに示す完了画面34を表示する(ステップS11)。完了画面34には、ログアウトボタン35および操作選択ボタン36が表示されている。利用者は、ログアウトボタン35を押すことによって、今回の取引を終了させることができ、操作選択ボタン36を押すことによって、新たな取引を引き続き行うことができる。
【0056】
図5に戻り、ログイン成功後に表示されたメニュー画面25において、利用者が、収納部選択ボタン26(
図6C参照)を押して(取引したい)収納部を選択した場合、つまり、取引する物品の選択を行わなかった場合がある。この場合(ステップS3でNO)、制御部14は、
図6Gに示す収納部選択画面37を表示操作部11に表示させる(ステップS12)。収納部選択画面37には、物品管理装置100を正面から見たイメージと、前述した決定ボタン32とが表示されている。利用者は、このイメージにおいて、選択したい収納部と一致する部分にタッチすることで、当該収納部を選択することができる。
【0057】
収納部選択画面37では、対象外である収納部がすぐ分かるように、物品管理装置100のイメージにおいて、対象外の収納部に一致する部分だけが常に強調表示されている(ドットを付した収納部BおよびDを参照)。ここでの「対象外の収納部」は、利用不可能な収納部のことであって、故障している収納部や、ステップS1でログインした利用者に利用権限がない収納部が挙げられる。
【0058】
表示操作部11の収納部選択画面37では、複数の収納部のうち、利用可能な収納部(前述したドットが付されていない収納部)と、利用不可能な収納部(ドットが付された収納部)とが、ドットの有無によって、異なる態様で表示されている。この場合、表示操作部11の表示内容によって、収納部が利用可能か否かを収納部毎に把握できるので、利用者にとって使い勝手がよい。なお、変形例として、利用不可能な収納部でなく、利用可能な収納部を強調表示してもよいし、利用不可能な収納部と利用可能な収納部とを異なる色で区別して表示してもよい。
【0059】
利用者は、たとえば、収納部Aを選択したい場合には、このイメージにおいて収納部Aに一致する部分を押す。すると、制御部14は、選択された収納部(ここでは収納部A)を、利用不可能な収納部とは別の態様で強調表示させる(
図6Gにおいてハッチングを付した部分を参照)。
図5に戻り、収納部の選択があると(ステップS13でYES)、制御部14は、今回選択された収納部が対象外であるか否か、つまり、前述した対象外の収納部が選択されたか否かを確認する(ステップS14)。対象外の収納部が選択された場合(ステップS14でYES)、制御部14は、警告を報知する(ステップS15)。
【0060】
故障している収納部(ここでは収納部Dとする)が選択された場合には、警告報知の具体例として、制御部14は、
図7Aに示すように、収納部選択画面37上に、選択された収納部が故障している旨を示すポップアップ画面38を、たとえば、選択された収納部のイメージから引き出されるように(吹き出しのように)表示させる。
利用権限がない収納部(ここでは収納部Bとする)が選択された場合には、警告報知の具体例として、制御部14は、
図7Bに示すように、収納部選択画面37上に、選択された収納部についての利用権限がない旨を示すポップアップ画面39を、選択された収納部のイメージから引き出されるように表示させる。
【0061】
このように、利用者が対象外の収納部(利用不可能な収納部)を表示操作部11の操作によって選択した場合に、制御部14は、当該収納部が利用不可能である原因を、ポップアップ画面38,39によって報知する。この場合、利用者は、収納部選択画面37における収納部の表示の違い(前述したドットの有無)の意味が分からなくても、制御部14による表示操作部11(ポップアップ画面38,39)での報知によって、利用不可能な収納部が利用不可能である原因も把握して、その後の対応(収納部の選び直し)を迅速に実施できる。そのため、利用者にとって使い勝手がよい。
【0062】
なお、利用可能な収納部が選択された場合には、その収納部に収納される物品の名前や在高といった情報(収納部の詳細)を示すポップアップ画面(図示せず)が表示されてもよい。
図5に戻り、制御部14は、警告を報知してから所定時間経過しても、対象外の収納部が引き続き選択されている場合には、前述したキャンセル処理を実行する(ステップS16)。なお、収納部選択画面37が表示されてから所定時間経過しても収納部の選択がない場合においても(ステップS13でNO)、制御部14は、キャンセル処理を実行する(ステップS16)。
【0063】
一方、選択された収納部が対象外でない場合(ステップS14でNO)、制御部14は、管理テーブル17(
図3参照)を参照して、ステップS13で選択された収納部に収納される物品のセキュリティレベルを確認し、そのセキュリティレベルが(前述した)しきい値を超えているか否かを確認する(ステップS17)。
セキュリティレベルがしきい値(ここでは「1」)を超えた物品を収納する収納部が選択されていた場合、つまり、この実施形態では、セキュリティレベルが2以上の物品であるパソコン、通帳、小切手および証書のいずれかを収納する収納部(この実施形態では収納部A、B、D〜H)が選択されていた場合がある。この場合(ステップS17でYES)、制御部14は、表示操作部11において、今までの収納部選択画面37の代わりに、当該物品についての物品選択画面28(
図6D参照)を表示させ(ステップS4)、ステップS5以降の処理を実行する。これにより、利用者は、この収納部に収納される物品についての取引数を入力しなければ、当該収納部を解錠させることができない。
【0064】
なお、制御部14は、収納部選択画面37の代わりにすぐに物品選択画面28を表示させなくてもよい。たとえば、
図7Cに示すように、収納部選択画面37上に、ポップアップ画面40を、選択された収納部のイメージから引き出されるように一旦表示させてもよい。ポップアップ画面40には、選択された収納部に収納される物品は在高が管理されているので、この収納部を選択するためには物品選択画面28から操作する必要がある旨が示されている。また、このときの収納部選択画面37には、戻るボタン90も表示されているので、ポップアップ画面40の表示を見た利用者は、戻るボタン90を押してメニュー画面25(
図6C参照)に戻り、メニュー画面25上で改めて物品選択ボタン27を押して物品選択画面28を表示させてもよい。
【0065】
図5を参照して、セキュリティレベルがしきい値を超えていない物品(この実施形態では領収書)を収納する収納部が選択されていた場合(ステップS17でNO)、制御部14は、利用者が決定ボタン32(
図6G参照)を押して今回の取引を決定させたか否かを確認し(ステップS8)、取引が決定すれば、前述したステップS9以降の処理を実行する。この場合、制御部14は、利用者による表示操作部11の操作によって選択された収納部を解錠することになり(ステップS9)、利用者は、この収納部に収納される物品についての取引数を入力することなく、当該収納部を解錠させることができる。
【0066】
このように、セキュリティレベルとしきい値との関係によって、収納部によっては、取引数を入力しなければ解錠できなかったり、取引数を入力しなくても解錠できたりする。そのため、収納部の解錠方法には、物品を選択して取引数を入力する第1の解錠方法と、物品を選択するだけ(取引数の入力は不要)の第2の方法と、収納部を選択するだけ(物品の選択や取引数の入力は不要)の第3の解錠方法とが存在する。そして、少なくともいずれかの解錠方法が収納部毎に予め定められている。また、セキュリティレベルを記憶している管理テーブル17(
図3参照)は、収納部毎に予め定められた解錠方法を記憶していることになる。また、表示操作部11は、メニュー画面25(
図6C参照)において、第1および第2の解錠方法と、第3の解錠方法とを選択するために、利用者によって操作される。
【0067】
利用者による表示操作部11の操作によって(収納部を選択するだけの)第3の解錠方法が選択された場合、ここでの操作に応じて、制御部14は、ステップS17において、管理テーブル17を参照し、前記予め定められた解錠方法と異なる解錠方法が選択されたか否かを判断する。そして、制御部14は、(予め定められた第1の解錠方法と)異なる解錠方法が選択されたと判断した場合に(ステップS17でYES)、物品選択画面28を表示したり(ステップS4)、物品選択画面28の表示の前に、ポップアップ画面40(
図7C参照)を表示したりすることによって、前記予め定められた解錠方法を報知する。この場合、物品管理装置100の利用者が収納部の解錠方法の選択を間違えたとしても、予め定められた正しい解錠方法で収納部を解錠するように利用者を導くことができるので、利用者にとって使い勝手がよい。
【0068】
次に、前述した非常鍵収納ボックス13について説明する。
図8Aは、操作制御ユニット4に収納された状態における非常鍵収納ボックス13周辺の要部を物品管理装置100の正面側から見た模式図である。
図8Bは、
図8Aにおいて非常鍵収納ボックス13を操作制御ユニット4から少し引き出した状態を示している。
操作制御ユニット4のユニット本体10の天面10Aには、下方へ窪む凹部41が形成されている。凹部41は、ユニット本体10の天面から露出されている。凹部41に非常鍵収納ボックス13が収納される。非常鍵収納ボックス13は、直方体形状であり、その内側に、収納部A〜Hのそれぞれを施解錠するための非常鍵(図示せず)が位置決めされた状態で収納されている。なお、非常鍵収納ボックス13には、全ての非常鍵が収納されていなくてもよい。非常鍵収納ボックス13が凹部41に収納された状態では、ユニット本体10の天面10Aと非常鍵収納ボックス13の上面13Aとがほぼ面一になっている。
【0069】
非常鍵収納ボックス13の上面13Aには、つまみ42と、左右に並ぶ複数列(ここでは4列)のダイヤル43が設けられている。つまみ42は、平面視において時計回りおよび反時計回りに回動できる。個々のダイヤル43は、たとえば、外周面に連番が付された回転可能な円盤である。全てのダイヤル43の数字が左右一直線に並んだときにおける、これらの数字の組み合わせが合っていれば、つまみ42を回動させることができ、当該組み合わせが合っていなければ、つまみ42はロックされたままとなって回動させることができない。つまり、これらのダイヤル43は、いわゆるダイヤル錠を構成している。
【0070】
非常鍵収納ボックス13の正面13Bには、ロック片44が設けられている。ロック片44は、上下に薄い板状であって、前後方向(
図8Aおよび
図8Bの紙面に垂直な方向)に沿って進退することができる。つまみ42を回動とロック片44の進退とが連動しており、たとえば、つまみ42を平面視で反時計回りに回動させるとロック片44が退避位置まで退避し、つまみ42を逆向き(時計回り)に回動させるとロック片44が進出位置まで進出する。
【0071】
進出位置にあるロック片44は、
図8Aに示されており、正面13Bから正面側(
図8Aおよび
図8Bの紙面手前側)に突出していてユニット本体10に係合している。そのため、非常鍵収納ボックス13がユニット本体10に固定されているので、非常鍵収納ボックス13を凹部41から引き上げることができない。退避位置にあるロック片44は、
図8Bに示されており、非常鍵収納ボックス13内に引っ込んでいて正面13Bからほとんどはみ出ておらず、ユニット本体10に係合していない。そのため、非常鍵収納ボックス13がユニット本体10に固定されていないので、非常鍵収納ボックス13を凹部41から引き上げることができる。
【0072】
また、非常鍵収納ボックス13の左面13Cには、正面から見て左側へ三角形状(山型)に突出する突起45が設けられている。
停電が発生したときには、物品管理装置100がダウンしている。そのため、停電中にどうしても取引を行いたい利用者は、ダイヤル43の数字の組み合わせを合わせてから、つまみ42を回動させてロック片44を退避位置まで退避させ、
図8Bに示すように非常鍵収納ボックス13を凹部41から引き上げる。そして、非常鍵収納ボックス13から必要な非常鍵を取り出して、所望の収納部を解錠して取引を行うことができる。
【0073】
この場合、収納部の取引履歴を記録できない停電中に、利用権限のない収納部の非常鍵が非常鍵収納ボックス13から取り出されて当該収納部が解錠されてしまうことが想定される。そこで、セキュリティ上の観点から、非常鍵収納ボックス13の利用履歴を記録するための履歴記録機構46がユニット本体10に設けられている。
履歴記録機構46は、検知レバー47と、遮光レバー48と、係止フック49と、ソレノイド50と、フォトインタラプタ51とを含んでいる。履歴記録機構46は、遮光レバー48、係止フック49、ソレノイド50およびフォトインタラプタ51を支持するフレーム53も含んでいる。履歴記録機構46は、前述したように制御部14(
図2参照)に対して電気的に接続されている。以下では、各部品について、
図8Aの状態を基準に説明する。
【0074】
検知レバー47は、上下に長手であって、ユニット本体10に支持されており、上下方向途中(上端部寄りの位置)で前後に延びる軸54を中心に揺動可能である。検知レバー47は、上端部が左側から凹部41内に入り込むように、図示しない付勢部材によって常に付勢されている。
遮光レバー48は、上下に長手であって、上下方向途中(下端部寄りの位置)で前後に延びる軸55を中心に揺動可能である。遮光レバー48の上端部は、検知レバー47の下端部に対して右側から対向している。遮光レバー48の上端部の右端には、後側(
図8Aおよび
図8Bの紙面奥側)へ延びる係止軸48Aが設けられている。遮光レバー48の下端部の右端には、右側へ突出する遮光片48Bが設けられている。
【0075】
係止フック49は、左右に長手であって、左右方向途中(右端部寄りの位置)で前後に延びる軸56を中心に揺動可能である。係止フック49の左端部には、下方へ突出する三角形状の係止部49Aが設けられている。
ソレノイド50は、係止フック49に連結されていて、係止フック49を揺動させたり、係止フック49の位置を固定したりすることができる。通常では、ソレノイド50は、係止フック49を、
図8Aおよび
図8Bに示すように左右方向に沿った状態で固定している。
【0076】
フォトインタラプタ51は、前後に離れて配置される発光素子51Aおよび受光素子51Bを含んでいる。なお、
図8Aおよび
図8Bでは、発光素子51Aおよび受光素子51Bが重なって見えており、発光素子51Aの後側に受光素子51Bが配置されている。発光素子51Aによって発光された検知光は、受光素子51Bに受光されるようになっている。
【0077】
なお、履歴記録機構46とは別に、ユニット本体10には、検知スイッチ52が設けられている。検知スイッチ52は、右下側へ傾斜する板状であって、凹部41内に左側から露出された状態でユニット本体10に支持されている。検知スイッチ52は、
図8Aに示すように上下方向にやや沿った状態でON位置にあり、
図8Bに示すようにON位置よりも凹部41内へ入り込むように上下方向に対して傾斜した状態でOFF位置にある。検知スイッチ52は、その上端部を中心としてON位置とOFF位置との間で、揺動可能である。
図8Aに示すように非常鍵収納ボックス13が凹部41に収納された状態では、検知スイッチ52は、非常鍵収納ボックス13によって左側へ押圧されることでON位置にある。
図8Bに示すように非常鍵収納ボックス13が凹部41から引き上げられると、検知スイッチ52は、非常鍵収納ボックス13に押圧されなくなるので、OFF位置まで移動する。物品管理装置100に電力が供給されている状態(通常状態)における制御部14は、検知スイッチ52がON位置にあるかOFF位置にあるかによって、非常鍵収納ボックス13が凹部41に収納されているか否かを把握する。
【0078】
図8Aに示すように非常鍵収納ボックス13が凹部41に収納された状態では、検知レバー47および遮光レバー48は、上下方向に沿って延びている。検知レバー47の上端部は、非常鍵収納ボックス13の左面13Cにおいて突起45よりも上側の部分に対して左側から接触しており、検知レバー47の下端部は、遮光レバー48の上端部に対して左側から接触している。このとき、遮光レバー48では、係止軸48Aが係止フック49の係止部49Aよりも左側に位置し、遮光片48Bが発光素子51Aと受光素子51Bとの間に位置し、発光素子51Aからの検知光が受光素子51Bに受光されない状態が継続されている。
【0079】
前述した停電時には、利用者が、つまみ42を回動させてロック片44を退避させ、非常鍵収納ボックス13を凹部41から引き上げようとする。すると、非常鍵収納ボックス13の突起45が検知レバー47の上端部に接触することで、検知レバー47は、
図8Bに示すように、上端部が左側へ移動して下端部が右側へ移動するように揺動する。検知レバー47の下端部は、遮光レバー48の上端部を右側へ押圧する。これにより、遮光レバー48が揺動し、遮光レバー48では、係止軸48Aが係止フック49の係止部49Aの下に潜り込んでから係止部49Aに対して右側から引っ掛かり、遮光片48Bが発光素子51Aと受光素子51Bとの間から下方へ外れる。係止軸48Aが係止部49Aに引っ掛かっているので、揺動後の遮光レバー48の姿勢が維持され、遮光片48Bが発光素子51Aと受光素子51Bとの間から外れたままになる。
【0080】
この状態で、非常鍵収納ボックス13を凹部41に戻そうとすると、揺動後の姿勢が維持された遮光レバー48が、非常鍵収納ボックス13によって揺動される検知レバー47に影響されず、透光状態が維持されたまま、非常鍵収納ボックス13を凹部41に収納することができる。これにより、検知スイッチ52は、ON位置に戻る(
図8A参照)。
そして、停電がおさまって物品管理装置100に電力が供給されると、フォトインタラプタ51では、発光素子51Aが検知光を発光するのだが、この検知光は、発光素子51Aと受光素子51Bとの間から外れた遮光片48Bに影響されないため、受光素子51Bに受光され、透光状態となる。検知光が透光されていることによって、制御部14は、先ほどの停電の間に、非常鍵収納ボックス13を凹部41から取り出されたことを把握できる。つまり、非常鍵収納ボックス13の利用履歴(取出履歴)が、履歴記録機構46によってメカ的に記録される。
【0081】
制御部14は、この利用履歴を表示操作部11での表示等によって物品管理装置100の管理者に報知する。これにより、管理者は、停電の間に非常鍵収納ボックス13が取り出されたので、いずれかの収納部で取引があったかもしれないことに気付くことができるので、物品の紛失があった場合の原因究明が困難になったり、停電のどさくさに紛れて物品を抜き出そうとする不正を牽制したりすることができる。
【0082】
なお、非常鍵収納ボックス13を非常鍵毎に設ければ、利用履歴のある非常鍵収納ボックス13によって、どの収納部で取引があったことまで特定することができる。
また、管理者としては、非常鍵の管理の負担が軽減されるという利点がある。さらに、利用履歴が記録されるのであれば、物品管理装置100に常に電力を供給しなくてもよいので、営業時間外(たとえば夜間)では物品管理装置100への電力供給を停止することによって、節電効果が期待できる。
【0083】
そして、管理者が表示操作部11を操作することによってソレノイド50を駆動させると、係止フック49が遮光レバー48の係止軸48Aから外れるように揺動するので、検知レバー47および遮光レバー48が、当初の位置(
図8A参照)まで戻り、フォトインタラプタ51では検知光が遮光された状態に戻る。このように、管理者でなければ、動作後(利用履歴を記録した後)の履歴記録機構46を元の状態に戻せないので、このことを知らしめておけば、不正を一層牽制することができる。
【0084】
このように非常鍵を非常鍵収納ボックス13に収納して操作制御ユニット4で管理するのであれば、非常鍵の管理スペースを他で確保せずに済む。
図9Aは、第2収納ユニット2を正面左側から見た斜視図であって、収納部Fを引き出した状態を示している。
図9Bは、
図9Aにおいて収納部Gを引き出して収納部Fをさらに引き出した状態を示している。
図10Aは、
図9Aの状態におけるロックユニット63を右側から見た模式図である。
図10Bは、
図9Bの状態におけるロックユニット63を右側から見た模式図である。
【0085】
図9Aおよび
図9Bに示す第2収納ユニット2では、収納部FおよびGに証書が収納されるようになっている(
図3参照)。そして、収納部FおよびGは、扉6が、その裏側に物品を収容できる引き出し60になっている。引き出し60の内部は、上方に開放された空間になっている。収納部Gの引き出し60の内部には、複数の仕切り61が設けられていることによって複数のスタッカ62が前後に並んで設けられている(
図9B参照)。各スタッカ62には、種類ごとに分けられた証書が収納される。また、第2収納ユニット2には、収納部Gの証書を収納部Fの引き出し60に繰り出す繰出機構(図示せず)が内蔵されている。そのため、利用者は、引き出したい証書を表示操作部11で選ぶと、その証書が収納部Gから収納部Fに移し替えられるので、収納部Fを解錠して収納部Fの引き出し60を引き出すことによって、所望の証書を取り出すことができる。
【0086】
ここで、証書は、セキュリティレベルが特に高い物品であるから、相当の権限を有する管理者のみが、在庫用の証書が収納(保管)される収納部Gを解錠して、収納部Gの引き出し60を引き出すことができる。そのため、収納部Gの引き出し60は、通常では
図9Aに示すように閉まったままである。そして、セキュリティ上、収納部Fの引き出し60は、その下の収納部Gの引き出し60に対して管理者以外の利用者が上からアクセスできないように、
図9Aに示すように、少ししか引き出せないようになっている。
【0087】
詳しくは、収納部Fの引き出し60と収納部Gの引き出し60との境界には、
図10Aおよび
図10Bに示すロックユニット63が設けられている。
ロックユニット63は、スライドレバー64と、揺動レバー65とを含んでいる。
スライドレバー64は、前後方向(
図10Aおよび
図10Bにおける左右方向)に長手である。スライドレバー64の後端部(
図10Aおよび
図10Bにおける右端部)の上端には、上側へ膨出した膨出部64Aが設けられている。スライドレバー64の前後方向途中には、左右方向(
図10Aおよび
図10Bにおける紙面に垂直な方向)に延びる突起66が設けられている。また、第2収納ユニット2において収納部以外の筐体部分には、左右方向に延びる突起67が設けられている。突起67は、突起66よりも前側(
図10Aおよび
図10Bにおける左側)に配置されている。突起67は、スライドレバー64に形成された前後に長手のガイド溝68に対して遊びを持って嵌め込まれている。突起66および67には、引っ張りばね69が架設されており、引っ張りばね69は、突起66を前側へ引っ張ることによってスライドレバー64全体を前側へ付勢している。
【0088】
揺動レバー65は、前後方向に長手である。揺動レバー65の前端部の下端には、下側へ膨出した膨出部65Aが設けられている。揺動レバー65の後端部の上端には、上側へ突出した突出部65Bが設けられている。揺動レバー65の前後方向途中には、左右に延びる軸70が設けられており、揺動レバー65は、第2収納ユニット2の前記筐体部分によって、軸70周りに揺動可能に支持されている。揺動レバー65の前端部には、上下に延びる引っ張りばね71の上端部が係止されている。引っ張りばね71の下端部は、第2収納ユニット2の前記筐体部分に係止されている。引っ張りばね71が揺動レバー65の前端部を下方へ引っ張ることによって、揺動レバー65は、膨出部65Aが下降して突出部65Bが上昇するように、常に付勢されている。
【0089】
図10Aに示すように、収納部Gが閉じられて収納部Gの引き出し60が収納部G内に押し込まれた状態では、収納部Gの扉6がスライドレバー64に対して前側から当接している。これにより、スライドレバー64は、突起67がガイド溝68の前端部に位置するように、相対的に後側へずれた位置で位置決めされている。このとき、スライドレバー64の膨出部64Aは、揺動レバー65の膨出部65Aに対して後側へずれた位置にある。ここで、収納部Fの引き出し60の下面には、上方へ窪む窪み72が設けられていて、揺動レバー65の突出部65Bが下から窪み72に嵌まり込んでいる。収納部Gが閉じられた状態では、突出部65Bが窪み72内で前後に相対移動できる範囲(窪み72の前後寸法の範囲)でしか、収納部Fの引き出し60を引き出すことができない。
図9Aおよび
図10Aは、収納部Fの引き出し60を目一杯引き出した状態を示している。この状態では、突出部65Bが窪み72の後端(収納部Fの引き出し60において窪み72の後端を縁取る部分)に前から接触しているので、収納部Fの引き出し60を前側へこれ以上引き出すことができない。
【0090】
通常の運用では、収納部Fの引き出し60の引き出し量が制限されていても問題ないが、たとえば、収納部Fと収納部Gとの間で証書が詰まる等の不具合が発生した場合に、不具合を解消するために収納部Fの引き出し60をさらに引き出したい状況が発生し得る。
このような状況が発生すると、前述した管理者が、収納部Gを解錠して、収納部Gの引き出し60を引き出す。すると、
図10Bに示すように、スライドレバー64から収納部Gの扉6が離れることで、引っ張りばね69が付勢力を発揮してスライドレバー64を前方へ移動させる。これにより、スライドレバー64の膨出部64Aが、揺動レバー65の膨出部65Aの下方へ潜り込みつつ膨出部65Aを押し上げる。ここで、スライドレバー64が前方へ移動する前の状態(
図10A参照)における膨出部64Aおよび65Aのそれぞれにおいて互いに対向する部分は、前後方向に対して傾斜するテーパー面73になっているので、膨出部64Aによる膨出部65Aの押し上げが円滑に行われる。
【0091】
そして、膨出部64Aが膨出部65Aを押し上げることによって、揺動レバー65が、引っ張りばね71が付勢する方向とは逆向きに揺動し、揺動レバー65の突出部65Bが、収納部Fの引き出し60の窪み72から下方へ外れる。これにより、収納部Fの引き出し60を引き出すことが制限されなくなったので、収納部Fの引き出し60を、
図9Aおよび
図10Aの状態から、
図9Bの状態までさらに引き出すことができる。
【0092】
次に、第3収納ユニット3の左扉6Lおよび右扉6Rについて詳説する。
図11は、第3収納ユニット3の左扉6Lおよび右扉6Rの模式的な平断面図であって、右扉6Rが左扉6Lよりも先に完全に閉まってしまった状態を示している。
図12は、
図11よりも左扉6Lを少し閉めた状態を示している。
図13は、
図12において左扉6Lを完全に閉めた状態を示している。
【0093】
第3収納ユニット3の収納部Hの扉6は、前述したように、左扉6Lおよび右扉6Rによる観音開きの構成になっている。左扉6Lおよび右扉6Rのいずれを先に閉めても、左扉6Lおよび右扉6Rの両方を最後まで閉めることができるようになっている。詳しくは、右扉6Rは、収納部Hの内側へ向けて突出するフック80と、右扉6Rの左端部に設けられたラッチ81とを含んでいて、左扉6Lは、平面視でL字の断面を有するL字プレート82を含んでいる。なお、フック80、ラッチ81およびL字プレート82の説明において、
図11における向きを基準とする。
【0094】
フック80では、収納部H内へ臨む先端部(後端部)が鉤状になっている。ラッチ81では、平面視において左側面に、右後側へ傾斜する傾斜面81Aが設けられており、平面視におけるラッチ81は、後側へ向かって細くなる略三角形状である。ラッチ81は、右扉6Rの左端部によって前後にスライド可能に支持されている。右扉6Rには、ラッチ81を後側へ付勢する付勢部材83が設けられている。
【0095】
L字プレート82は、
図11において破線の円内において斜視図で示すように、上下に延びる2枚の板84を、平面視でL字になるように連結することによって構成されている。2枚の板84のうち、一方の板84には、貫通孔85が形成されている。貫通孔85が形成されていない板84の一端(貫通孔85が形成された板84側とは反対側の端)には、上下に延びる軸86が連結されている。軸86は、左扉6Lによって回動自在に支持されており、L字プレート82全体は、軸86を中心として回動可能である。L字プレート82は、貫通孔85が形成された板84が、残りの板84から右側かつ後側へ延び出るように、図示しない付勢部材によって付勢されている。
【0096】
また、収納部Hでは、閉まった状態の扉6に対して後側から隣接する位置に、左右の延びる位置決め板87が設けられている。位置決め板87は、上下方向において、フック80およびラッチ81を避けた位置にあり、L字プレート82と同じ位置にある。
図11に示すように、先に右扉6Rを閉めると、フック80が、収納部Hの施解錠機構9の一部として上下に延びる軸88に引っ掛かり、右扉6Rは、完全に閉まった状態(左右に水平になった状態)になる。
【0097】
次いで、左扉6Lを閉じる。左扉6Lをある程度閉じると、L字プレート82において貫通孔85が形成された板84が位置決め板87に接触し、L字プレート82が平面視で時計回りに回動する。
図12に示すように、さらに左扉6Lを閉じると、L字プレート82がさらに回動し、貫通孔85が形成された板84の縁が、ラッチ81の傾斜面81Aに接触する。
【0098】
さらに左扉6Lを閉じると、L字プレート82がさらに回動する。このとき、ラッチ81が、貫通孔85が形成された板84において縁と貫通孔85との間の部分を乗り越して、貫通孔85に到達する。すると、付勢部材83の付勢力によってラッチ81が後側へ進出し、
図13に示すように貫通孔85に嵌まり込む。このとき、ラッチ81が貫通孔85から外れ不能になっていて、貫通孔85が形成された板84が位置決め板87と平行になり、左扉6Lは、完全に閉まった状態(左右に水平になった状態)になる。
【0099】
この状態から扉6を開く場合には、先に右扉6Rを開いてラッチ81を貫通孔85から外した後に、左扉6Lを開けばよい。右扉6Rを開くのに先立って、右扉6Rの取っ手7(
図1参照)に指を掛けて手前に引くと、フック80が施解錠機構9の軸88から離れるようになっているので、右扉6Rを開くことができる。
また、左扉6Lを先に閉める場合には、
図13に示すように、左扉6Lを完全に閉めておいてから、右扉6Rを、左扉6Lの右端部を押さえ込むように閉める。ラッチ81が前側から貫通孔85に嵌まり込むと、右扉6Rは、完全に閉まった状態(左右に水平になった状態)になる。
【0100】
この発明は、以上の実施形態の内容に限定されるものではなく、請求項記載の範囲内において種々の変更が可能である。
たとえば、この実施形態では、収納部への物品の収納、および、収納部からの物品の取り出しの両方を「取引」と定義しているが、いずれか一方を「取引」と定義してもよい。その場合、収納および取出において予め選択されたいずれか一方の取引のときだけ、対応する取引数(収納数および取出数のいずれか一方)の入力が制御部14によって受け付けられ、当該取引数だけが管理テーブル17(
図4参照)で管理されるようになる。一例として、収納の取引のときだけ、収納数を入力する必要があるようにしてもよい。
【0101】
また、物品管理装置100に、物品を計数する機構を内蔵しておいて、物品の取引があった場合に、取引(収納・取出)がされた物品の現物を計数して、取引数の正当性を確認するようにしてもよい。
また、この実施形態では、表示操作部11での表示によって、必要な情報を目視可能に報知しているが、音声を用いて報知してもよいし、音声および表示を併用することによって報知してもよい。
【0102】
また、セキュリティレベルが非常に高い物品の取引を行う場合には、利用者だけがログインして本人認証するのでなく、その取引を承認する権限を有する上司(役席者)の本人認証が取引承認のために必要になってもよく、さらに複数の役席者の本人認証(いわゆる二者認証)が必要になってもよい。二者認証の場合には、取引において、利用者以外に役席者が同席する必要があるのだが、役席者の同席が都合によって困難な場合がある。
【0103】
そこで、物品管理装置100において、取引を行う日時、取引内容、利用者名および役席者名を予め登録しておいて、役席者(複数いる場合には全員)が自身の本人認証(取引承認)を先に済ませておいてもよい。この場合、取引日時に、利用者だけが本人認証をすれば、取引が可能になる。または、物品管理装置100がネットワークによって外部とアクセス可能になっていれば、不在の役席者が、取引日時に、遠隔で本人認証することができてもよい。また、役席者が、自分を代理する者を指定して物品管理装置100で予め登録しておき、取引日時に、代理者が役席者の代わりに同席して利用者とともに本人認証することで、取引が可能になってもよい。なお、不正防止のために、物品管理装置100に内蔵されたカメラによって、取引に同席した者や取引の内容が撮影されてもよい。
【0104】
また、同じエリアに物品管理装置100が複数台設置される場合には、個々の物品管理装置100に対して各種設定の処理を行うのは手間なので、いずれか1つの物品管理装置100を親機とし、残りの物品管理装置100を子機として、親機と子機とを通信できるようにしてもよい。この場合、親機で、全ての物品管理装置100の設定が行えるようになる。また、全ての物品管理装置100における種々の情報(物品の在高等)が親機で一元管理される。なお、情報管理の混乱を避けるために、親機は、取引処理中の子機にはアクセスできないようにするとよい。