(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
電極カテーテルであるアブレーションカテーテルにおいて、灌注機構を備えているものが使用されている。灌注機構を備えたアブレーションカテーテルによれば、焼灼治療の際に先端電極の周囲に血栓が形成することを抑制することができる。
【0003】
灌注機構を備えたアブレーションカテーテルとして、カテーテルシャフトのルーメンを通って先端電極の内部に供給された生理食塩水をこの先端電極の表面に形成された多数の開口から噴射するタイプのものが紹介されている(例えば特許文献1参照)。
【0004】
アブレーションカテーテルを構成する先端電極の内部には、通常、温度センサが備えられており、先端電極および周辺組織(例えば心筋)の温度を監視・制御しながら焼灼治療が行われる(特許文献1の段落0016参照)。
例えば、先端電極の温度が上昇して、温度センサによって測定された温度が一定の値を超えたとき、安全装置などによって焼灼治療が中断される。
【0005】
しかしながら、上記の特許文献1に記載のカテーテルにおいては、先端電極の内部に供給される生理食塩水によって先端電極が必要以上に冷却されてしまい、先端電極の内部に備えた温度センサによっては、焼灼治療の際の正確な温度測定ができないという問題がある。
【0006】
ところで、心筋などの体内組織に対する先端電極の押圧力、すなわち、先端電極の接触力(contact force)が大きいほど、当該先端電極が組織内部に深く入り込み、これに伴って焼灼の程度が大きくなる。
例えば、心筋に対して先端電極を必要以上の力で押圧すると、焼灼の程度が過剰になり、また、組織内部に入り込んだ先端電極の表面は血流などによって冷却することができなくなるために、先端電極の周囲における組織の温度が急激に上昇して(なお、灌注機構を備えたアブレーションカテーテルにおいては、上述した理由により、この温度上昇を把握することが困難である)、組織を構成する水分が水蒸気となってはじける水蒸気爆発を起こすことがある。
【0007】
このような問題を解決するために、先端電極の内部に圧力センサを設けて、体内組織に対する当該先端電極の接触力を測定できるアブレーションカテーテル(力感知カテーテル)が紹介されている(特許文献2参照)。
このようなアブレーションカテーテルによれば、体内組織に対する先端電極の接触力が過大になることによる過剰な焼灼(過大な温度上昇)を防止することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、上記特許文献2に記載されたアブレーションカテーテル(力感知カテーテル)において測定される先端電極の接触力が低い場合であっても、このアブレーションカテーテルによって過剰な焼灼(過大な温度上昇)が起こることがある。
例えば、心臓内壁に存在するクレパス状の部位(ポーチ)に先端電極が入り込んだ場合に、先端電極の接触力は、殆ど0であるにも関わらず、先端電極の表面が組織(心筋)に覆われている状態となるために、過剰な焼灼(過大な温度上昇)が起こる。
従って、特許文献2に記載されたアブレーションカテーテル(力感知カテーテル)では、過剰な焼灼(過大な温度上昇)が起こることを防止することはできない。
【0010】
本発明は以上のような事情に基いてなされたものである。
本発明の第1の目的は、焼灼治療の際に、過剰な焼灼(先端電極の周囲における組織の過大な温度上昇)が起こることを防止することができる灌注機構を備えた電極カテーテルを提供することにある。
本発明の第2の目的は、心臓内壁に存在するクレパス状の部位(ポーチ)に先端電極が入り込んで、先端電極の表面が組織(心筋)に覆われている状態となった場合であっても、そのような状態(過剰な焼灼が起こり得る状態)であることを検知して、過剰な焼灼が起こることを防止することができる電極カテーテルを提供することにある。
本発明の第3の目的は、これを構成するカテーテルによる焼灼治療の際に、過剰な焼灼が起こることを防止することができる電極カテーテルシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の目的を達成するために、本発明者が鋭意検討を重ねた結果、焼灼の程度は、体内組織に覆われている先端電極の表面の割合(先端電極の全表面に対する面積割合)に依存すること、体内組織に覆われている表面の割合は、先端電極表面に配置された灌注用開口から噴射される液体の圧力を測定することにより把握できることを見出し、かかる知見に基いて本発明を完成するに至った。
【0012】
(1)すなわち、本発明の電極カテーテルは、灌注用液体の流路となるルーメンが形成されているカテーテルシャフトと、
前記カテーテルシャフトの基端側に接続された制御ハンドルと、
前記カテーテルシャフトの先端側に接続され、その表面が接触する体内組織に焼灼エネルギーを付与する電極であって、当該表面の少なくとも一部に、前記カテーテルシャフトから供給される液体を噴射する複数の開口が配置された先端電極と、
前記先端電極の開口から噴射される液体の圧力を測定する液圧計と
を備えていることを特徴とする。
【0013】
このような構成の電極カテーテルによれば、体内組織に覆われている先端電極の表面の割合(先端電極の全表面に対する面積割合)と、先端電極の表面に配置されている複数の開口が体内組織で塞がれることに伴って上昇する液体の噴射圧力との相関関係を予め測定し、焼灼治療の際に、噴射圧力を監視することにより、体内組織に覆われている先端電極の表面の割合、延いては焼灼の程度を把握することができる。
そして、噴射圧力が一定の値を超えたときに、先端電極から体内組織への焼灼エネルギーの付与を停止することにより、過剰な焼灼が起こることを防止することができる。
【0014】
(2)本発明の電極カテーテルにおいて、前記先端電極が、円筒部分と、これに連続する半球状部分とを有し、少なくとも半球状部分の表面に複数の開口が配置されていることが好ましい。
【0015】
このような構成の電極カテーテルによれば、先端電極の半球状部分を体内組織に当接して押圧することにより、体内組織に覆われる先端電極の表面の割合(焼灼の程度)を連続的に増加させることができる。
また、連続的に増加する焼灼の程度を、噴射圧力の連続的な上昇により容易に把握することができる。
【0016】
(3)上記(2)の電極カテーテルにおいて、前記先端電極の円筒部分および半球状部分の表面の略全域に開口が配置されていることが好ましい。
【0017】
(4)本発明の電極カテーテルにおいて、前記液圧計は、前記カテーテルシャフトの液体流路となるルーメンに灌注用液体を供給するためのチューブに接続されていることが好ましい。
【0018】
(5)本発明の電極カテーテルシステムは、本発明の電極カテーテルと、この電極カテーテルの液圧計によって測定される灌注用液体の噴射圧力が一定の値を超えたときに、前記先端電極から体内組織への焼灼エネルギーの付与を停止させる安全装置を備えていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明の電極カテーテルによれば、焼灼治療の際に、過剰な焼灼(先端電極の周囲における組織の過大な温度上昇)が起こることを防止することができる。
また、心臓内壁に存在するクレパス状の部位(ポーチ)に先端電極が入り込んで、先端電極の表面が組織(心筋)に覆われている状態となった場合であっても、そのような状態(過剰な焼灼が起こり得る状態)であることを検知することができるので、過剰な焼灼が起こることを防止することができる。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の電極カテーテルの一実施形態であるアブレーションカテーテルについて説明する。
図1および
図2に示すように、本実施形態のアブレーションカテーテル100は、灌注用液体の流路となるルーメン15が形成されているカテーテルシャフト10と、カテーテルシャフト10の基端側に接続された制御ハンドル20と、カテーテルシャフト10の先端側に接続され、その表面が接触する体内組織に焼灼エネルギーを付与する電極であって、当該表面に、カテーテルシャフト10から供給される液体を噴射する複数の開口32が配置された先端電極30と、カテーテルシャフト10のルーメン15に灌注用液体を供給するための注入用チューブ40と、注入用チューブ40に接続され、先端電極30の開口32から噴射される液体の圧力を測定する液圧計50とを備えている。
【0022】
図2(3)に示すように、アブレーションカテーテル100を構成するカテーテルシャフト10には、灌注用液体の流路となるルーメン15が形成されている。
また、
図2には示されていながいが、このカテーテルシャフト10には、カテーテルの先端偏向操作を行うための引張ワイヤ(図示省略)が挿通されるルーメン、先端電極に接続されるリード線(図示省略)が挿通されるルーメンが形成されている。
【0023】
カテーテルシャフト10は、軸方向に沿って同じ特性の材料で構成してもよいが、軸方向に沿って剛性(硬度)の異なる材料を用いて一体的に形成することが好ましい。具体的には、近位端側の構成材料が相対的に高い剛性を有し、遠位端側の構成材料が相対的に低い剛性を有するものであることが好ましい。
【0024】
カテーテルシャフト10は、例えばポリオレフィン、ポリアミド、ポリエーテルポリアミド、ポリウレタン、ナイロン、PEBAX(ポリエーテルブロックアミド)などの合成樹脂で構成される。また、カテーテルシャフト10の近位端側は、これらの合成樹脂からなるチューブをステンレス素線で編組したブレードチューブであってもよい。
【0025】
カテーテルシャフト10の外径は1.0〜3.0mmであることが好ましく、更に好ましくは1.6〜2.7mmとされ、好適な一例を示せば2.36mmである。
カテーテルシャフト10の長さは600〜1500mmであることが好ましく、更に好ましくは900〜1200mmとされる。
【0026】
アブレーションカテーテル100を構成する制御ハンドル20は、カテーテルシャフト10の基端側に接続されている。
制御ハンドル20は、グリップ21と、カテーテルの先端偏向操作を行うための回転板22とを備えている。回転板22には、先端偏向操作を行うための2本の引張ワイヤ(図示省略)の後端部が連結され、引張ワイヤの先端部の各々は、先端電極30またはカテーテルシャフト10の先端部に固定されている。これにより、例えば、
図1に示すA1方向に回転板22を回転させると、アブレーションカテーテル100の先端部分が矢印A方向に偏向動作し、
図1に示すB1方向に回転板22を回転させると、アブレーションカテーテル100の先端部分が矢印B方向に偏向動作する。
【0027】
アブレーションカテーテル100を構成する注入用チューブ40は、カテーテルシャフト10のルーメン15に灌注用液体を供給するためのチューブであり、灌注用ポンプに接続されている。
図1に示したように、この注入用チューブ40は、制御ハンドル20の基端部からその内部に進入し、制御ハンドル20の内部を通ってカテーテルシャフト10のルーメン15に接続されている。ここに、「液体」としては、生理食塩水を例示することができる。
【0028】
アブレーションカテーテル100を構成する先端電極30は、カテーテルシャフト10の先端側に接続されており、先端電極30の表面が接触する体内組織に焼灼エネルギーを付与する。
先端電極30は、円筒部分30Bと、円筒部分30Bの先端側に位置する半球状部分30Aと、円筒部分30Bの基端側に位置する縮径部分30Cとが一体的に形成されてなる。
図2(3)に示したように、先端電極30は、その縮径部分30Cがカテーテルシャフト10のルーメン15に挿入された状態で固着されることによって、カテーテルシャフト10の先端側に接続され、これにより、先端電極30の内部空間35と、カテーテルシャフト10のルーメン15とが連通している。
【0029】
先端電極30(円筒部分30B)の外径は、カテーテルシャフト10の外径と実質的に同一であることが好ましい。
【0030】
図2に示したように、先端電極30の円筒部分30Bおよび半球状部分30Aの表面の略全域には、液体を噴射するための複数の開口32が配置されている。
先端電極30の表面に配置された複数の開口32の各々は、当該先端電極30の構成壁に形成された貫通孔34により、先端電極30の内部空間35と連通している。
これにより、カテーテルシャフト10(ルーメン15)から先端電極30の内部空間35に供給された液体を、貫通孔34の各々を通して、開口32の各々から噴射することができる。
【0031】
開口32の径としては、特に限定されるものではないが、0.01〜0.5mmであることが好ましく、更に好ましくは0.05〜0.3mmとされる。
先端電極30の表面における開口32の配置密度としても、特に限定されるものではないが、0.1〜10個/mm
2 であることが好ましく、更に好ましくは1〜5個/mm
2 である。
なお、体内組織に覆われている先端電極30の表面の面積割合と、液体の噴射圧力との相関関係を測定する観点から、先端電極30の全表面において開口32の配置密度が一定であることが望ましいが、開口32は、一定の密度で配置されていなくてもよい。
【0032】
アブレーションカテーテル100を構成する液圧計50は、先端電極30の開口32の各々から噴射される液体の圧力を測定する圧力トランスデューサである。
ここに、先端電極30の開口32から噴射される液体の圧力は、当該液体を供給する灌注用ポンプ(図示省略)から先端電極30の開口32に至る流路内の何れの位置における液体の圧力とも等しいこと(パスカルの原理)から、本実施形態では、噴射圧力を測定するための液圧計50を、三方活栓60を利用して注入用チューブ40に接続している。
【0033】
本発明者等が鋭意検討を重ねたところ、先端電極による焼灼の程度は、心筋などの体内組織に覆われている当該先端電極の表面の割合(先端電極の全表面に対する体内組織に覆われている部分の面積割合)に依存するという知見を得ることができた。
【0034】
また、体内組織に覆われている先端電極の表面の面積割合は、灌注用液体の噴射圧力を測定することによって把握できることを確認した。
【0035】
例えば、先端電極30の表面積をS
0 [mm
2 ]、先端電極30の単位表面積あたりの開口32の個数(開口の配置密度)をA[個/mm
2 ]、1個の開口32の面積(開口面積)をB[mm
2 ]とするとき、
図3(1)に示すように、先端電極30のすべての表面が体内組織により覆われていない(当該表面に配置されている開口32のすべてが体内組織により塞がれてない)場合には、灌注可能な開口32の合計面積はS
0 ・A・B[mm
2 ]で表すことができる。
【0036】
一方、
図3(2)に示すように、先端電極30の一部が体内組織90に入り込み、先端電極30の表面積の一部(S[mm
2 ])が体内組織90によって覆われた状態となった場合に、この状態で灌注可能な開口32の合計面積は(S
0 −S)・A・B[mm
2 ]で表すことができる。
【0037】
ここに、灌注可能(塞がれていない)な開口32の合計面積と、当該開口32から噴射される灌注用液体の圧力との積は一定となるので、
図3(1)に示した状態での噴射圧力を(P
0 )、
図3(2)に示した状態での噴射圧力を(P)とするとき、下記の式(1)が成立する。
【0039】
この式(1)より、
図3(2)に示した状態(開口32の一部が塞がれている状態)での噴射圧力(P)は、
図3(1)に示した状態(開口32の全てが塞がれていない状態)での噴射圧力(P
0 )のS
0 /(S
0 −S)倍となる。
また、上記の式(1)を変形することにより、体内組織90に覆われている先端電極30の表面の面積割合(S/S
0 )は、下記式(2)で表すことができる。
【0041】
例えば、開口32の一部が塞がれて噴射圧力が1.5倍に上昇した場合(P/P
0 =1.5)、S/S
0 =1−(P
0 /P)=1−(1/1.5)=0.33となり、先端電極30の表面積の33%が体内組織に覆われた状態であることが確認できる。
また、噴射圧力が2倍に上昇した場合(P/P
0 =2)には、S/S
0 =1−(P
0 /P)=1−(1/2)=0.50となり、先端電極30の表面積の50%が体内組織に覆われた状態であることが確認できる。
また、噴射圧力が3倍に上昇した場合(P/P
0 =3)には、S/S
0 =1−(P
0 /P)=1−(1/3)=0.67となり、先端電極30の表面積の67%が体内組織に覆われた状態であることが確認できる。
【0042】
そして、過剰な焼灼を起こさずに焼灼治療できる(S/S
0 )の上限値を設定し、焼灼治療の際に、1−(P
0 /P)の値が(S/S
0 )の上限値を超えないように、噴射圧力(P)を監視することにより、過剰な焼灼(先端電極の周囲における組織の過大な温度上昇)が起こることを防止することができる。
【0043】
本実施形態のアブレーションカテーテル100によれば、焼灼治療の際に、液圧計50によって測定される噴射圧力(P)を監視することにより、体内組織に覆われている先端電極の表面の割合(S/S
0 )、延いては焼灼の程度を把握することができる。
そして、焼灼治療可能な前記割合(S/S
0 )の上限値を定め、噴射圧力(P)が上昇して上記式(2)により算出される割合(S/S
0 )が上限値を超えたときには、それを確認したオペレータにより、あるいは、後述するような安全装置によって、先端電極30から体内組織への焼灼エネルギーの付与を停止することにより、過剰な焼灼が起こることを確実に防止することができる。
【0044】
また、体内組織に覆われている先端電極30の表面の割合(S/S
0 )によって焼灼の程度を把握するので、心臓内壁に存在するクレパス状の部位(ポーチ)に先端電極30が入り込んで、先端電極30の表面が組織(心筋)に覆われている状態となった場合(この場合には、体内組織に対する先端電極の接続力は殆ど0である)であっても、そのような状態(過剰な焼灼が起こり得る状態)であることを検知して、過剰な焼灼(過大な温度上昇)が起こることを防止することができる。
従って、本実施形態のアブレーションカテーテル100は、先端電極の接続力(contact force)を監視する従来のアブレーションカテーテル(力感知カテーテル)よりも高い信頼性を有する。
【0045】
また、アブレーションカテーテル100を構成する先端電極30が、円筒部分30Bと半球状部分30Aとを有しているので、先端電極30の半球状部分30Aを体内組織に当接して押圧することにより、体内組織に覆われる先端電極30の表面の割合(S/S
0 )を連続的に(徐々に)増加させることができる。
また、円筒部分30Bおよび半球状部分30Aの表面(すべての外表面)に開口32が配置されていることにより、体内組織に覆われる先端電極30の表面の割合(S/S
0 )が0から1に至るまで、連続的に増加する焼灼の程度を噴射圧力(P)の上昇により把握することができる。
【0046】
図4は、本実施形態のアブレーションカテーテル100を備えたカテーテルシステムのブロック図である。このカテーテルシステムは、上記のアブレーションカテーテル100と、焼灼エネルギー発生装置200と、灌注用ポンプ300と、安全装置400とを備えている。
【0047】
焼灼エネルギー発生装置200は、体内組織に付与する焼灼エネルギー(高周波エネルギー)を、ケーブルC1を介して、アブレーションカテーテル100の先端電極30に供給する装置である。
灌注用ポンプ300は、灌注用の液体を、当該液体の流路R1(
図1に示した注入用チューブ40およびカテーテルシャフト10のルーメン)を通して、アブレーションカテーテル100の先端電極30に供給する装置である。
【0048】
安全装置400は、液圧計50によって測定された灌注用液体の噴射圧力(P)に係る情報を受信し、噴射圧力(P)が一定の値を超えたとき(具体的には、1−(P
0 /P)で算出される(S/S
0 )の値が設定された上限値を超えたとき)には、焼灼エネルギー発生装置200に対して、先端電極30への焼灼エネルギーの供給を停止するように命令し、先端電極30から体内組織への焼灼エネルギーの付与を停止させる制御装置である。
【0049】
このようなカテーテルシステムによれば、液圧計50によって測定された灌注用液体の噴射圧力(P)が一定の値を超えたとき〔(S/S
0 )の値が設定された上限値を超えたとき〕に、焼灼エネルギー発生装置200から先端電極30への焼灼エネルギーの供給(先端電極30から体内組織への焼灼エネルギーの付与)が、安全装置400によって停止されるので、オペレータが噴射圧力(P)の変化を監視しながら焼灼治療を行う必要はない。
【0050】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれらに限定されるものでなく種々の変更が可能である。
例えば、先端電極の形状は、
図2に示したような形状(砲弾状の形状)に限定されず、例えば、特許文献1に記載されているような円筒状の先端電極であってもよい。
また、体内組織に対する先端電極の接触力を測定するための圧力センサが先端電極の内部に設けられていてもよい。