(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
機体下部に設けた走行部と、機体最前部に設けた掻き込み部と、前記掻き込み部の後方に連設される野菜搬送部と、前記野菜搬送部からの野菜をコンテナ内に詰め込む収納位置までコンテナを搬送するコンテナ搬送部とを備え、
前記走行部を駆動して機体を進行させながら圃場から野菜を収穫する野菜収穫機において、
前記コンテナ搬送部の左右一側に、前記コンテナを保管する第一のコンテナ台を設け、
前記第一のコンテナ台の左右両側端に、左右の側方転倒防止部材を配置すると共に、
前記第一のコンテナ台の前端に、前後方向に摺動可能な枠状の前方転倒防止部材を配置し、
前記第一のコンテナ台の左右一側に、前後方向に延出するガイド部を設け、
前記前方転倒防止部材に、傾倒摺動部を形成し、
前記第一のコンテナ台のガイド部に、前記前方転倒防止部材の傾倒摺動部が当接している構成とした
ことを特徴とする野菜収穫機。
前記第一のコンテナ台の左右反対側に、前記野菜搬送部メンテナンス用の作業部と第二のコンテナ台とを設け、該第二のコンテナ台は、機体後部で駆動制御の操作を行う操作部と前記作業部との間に介設すると共に、前記操作部・作業部のいずれにも近接して配置することを特徴とする請求項1に記載の野菜収穫機。
野菜詰め込み済みのコンテナを降ろす圃場面を基準位置とし、該基準位置から前記コンテナ台の最下端位置までのコンテナ台高さを、前記基準位置から野菜詰め込み済みのコンテナの最上端位置までのコンテナ高さよりも高く構成することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の野菜収穫機。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。なお、
図1の矢印Fで示す方向を野菜収穫機1の機体進行方向とし、以下で述べる各部材の位置や方向等はこの前進方向を基準とするものである。
【0011】
まず、本発明に関わる野菜収穫機1の全体構成について、
図1乃至
図3により説明する。該野菜収穫機1は、機体後部左側にエンジン8を搭載した自走式に構成されており、該エンジン8からの動力が、図示せぬ変速装置等を介して機体下部の走行部2に伝達され、該走行部2が駆動して機体が畝9沿いに前進する。
【0012】
更に、機体最前部には、玉葱等の野菜の掻き込み部3が配設され、該掻き込み部3の下方から機体後部にかけて、野菜搬送部4が前低後高に形成される。そして、該野菜搬送部4による搬送終端部の後斜め下方には、後で詳述するコンテナ搬送部5のコンテナ搬送台13が配置されている。
【0013】
このうちの走行部2は、左右のクローラ走行装置15・15によって構成され、該クローラ走行装置15には、駆動スプロケット17、従動スプロケット18、転輪19・19・・・、クローラベルト20、トラックフレーム21、図示せぬ昇降機構等が備えられる。これにより、前記エンジン8からの動力が駆動スプロケット17に伝達されると、前記スプロケット17・18間に巻回されたクローラベルト20が、畝9間の溝22内を回動することにより、クローラ走行装置15・15が前進する。
【0014】
そして、このようなクローラ走行装置15・15によって左右の機体フレーム16L・16Rが支持され、野菜収穫機1の走行を可能としている。なお、本実施例では、前記走行部2は、クローラタイプで構成しているが、ホイールタイプであってもよく、その形式は、特に限定されるものではない。
【0015】
また、前記掻き込み部3においては、左右の支持アーム23L・23Rが機体前後方向に延設され、該支持アーム23L・23Rの前端部には、掻き込み装置25の駆動軸26が横架される一方、支持アーム23L・23Rの後端部は、アーム回動支持部27・27を介して、搬送駆動ケース28・28の途中部に上下回動可能に枢支される。そして、前記支持アーム23L・23Rのうち、左の支持アーム23Lの外側面には、掻き込み駆動ケース24が覆設される。
【0016】
ここで、前記左右の機体フレーム16L・16Rの後部からは支柱37・37が立設され、該支柱37・37の上端に、左右のケース回動支持部36・36が設けられ、このうちの左のケース回動支持部36に、前記掻き込み駆動ケース24の後端部が枢支されている。
【0017】
そして、該掻き込み駆動ケース24には、駆動スプロケット46、従動スプロケット47、及び駆動チェーン48が内装されている。
【0018】
このうちの駆動スプロケット46は、前記搬送駆動ケース28・28の後端部間に回動可能に支持された駆動軸40の左端部に固設されると共に、前記従動スプロケット47は、前記掻き込み装置25の駆動軸26に固設されている。
【0019】
このような駆動スプロケット46と従動スプロケット47との間に前記駆動チェーン48が巻回されており、前記エンジン8からの動力が、駆動スプロケット46、駆動チェーン48、及び従動スプロケット47を介して、前記駆動軸26に伝達される。
【0020】
前記掻き込み装置25では、この駆動軸26の両端部に左右の回転輪30・31が固定され、該回転輪30・31には、それぞれ、アーム30a・31aが放射状4方向に突設されている。そして、該左右のアーム30a・31aの先部間に、支持軸32が横架され、該支持軸32に掻き込み体12が回動可能に取り付けられており、該掻き込み体12が、前記駆動軸26を中心にして回転駆動されるようにしている。
【0021】
これにより、掻き込み装置25を畝9に近づける際、駆動スプロケット46が前記エンジン8からの動力によって回転駆動されると、野菜収穫機1の左側面から見て反時計回りの方向34に、掻き込み体12・12・・・が回転運動され、畝9上に置かれた野菜を掻き込み、連設される前記野菜搬送部4に案内することができる。なお、該掻き込み体12は、ゴムやビニール樹脂等の弾性部材で形成し、掻き込む際に野菜を傷つけないようにするのが好ましい。
【0022】
また、前記野菜搬送部4においては、左右の前記搬送駆動ケース28・28が機体前後方向に延設され、該搬送駆動ケース28・28の間に、搬送装置33が介設される。
【0023】
前記搬送駆動ケース28・28において、その後端部は前記ケース回動支持部36・36に枢支されると共に、搬送駆動ケース28・28の前後途中部と機体フレーム16L・16Rとの間には、油圧シリンダ38が介装されている。
【0024】
これにより、該油圧シリンダ38を動作させることにより、前記ケース回動支持部36・36を中心にして搬送駆動ケース28・28を昇降させ、該搬送駆動ケース28・28の機体フレーム16L・16Rに対する相対高さを調整できるようにしている。
【0025】
前記搬送装置33は、左右の駆動スプロケット39・39、左右の従動ローラ41・41、無端帯として構成される左右の搬送チェーン42・42、該搬送チェーン42・42の間に横架される搬送部材44・44・・・等により構成される。
【0026】
このうちの駆動スプロケット39・39、従動ローラ41・41、及び搬送チェーン42・42は、前記搬送駆動ケース28・28に内装され、該搬送駆動ケース28・28の前端部と後端部に、それぞれ、前記従動ローラ41・41と駆動スプロケット39・39が配置される。
【0027】
該駆動スプロケット39・39は、前記駆動軸40の左右両端部に固設されると共に、前記従動ローラ41・41は、前記搬送駆動ケース28・28の前端部に回動可能に支持されている。
【0028】
このような駆動スプロケット39・39と従動ローラ41・41との間に前記搬送チェーン42・42が巻回され、該左右の搬送チェーン42・42の間に、前記搬送部材44・44・・・が機体前後方向に所定間隔をあけて略平行に横架されて、簾状の搬送面が形成される。
【0029】
これにより、駆動スプロケット39・39が前記エンジン8からの動力によって回転駆動されると、搬送面における搬送部材44・44・・・が、前記搬送チェーン42・42によって矢印45で示す搬送方向に向かって移動し、搬送部材44・44・・・上の野菜は後方へと搬送される。
【0030】
以上のような構成において、前記クローラ走行装置15・15で前進しながら、畝9から引き抜かれて畝9上に置かれている野菜を掻き込み装置25によって掻き込み、前記搬送装置33によって後方に搬送することにより、前記コンテナ搬送台13上のコンテナ10内に野菜を落入させて収納することができる。
【0031】
次に、前記コンテナ搬送部5について、
図1乃至
図5により説明する。該コンテナ搬送部5は、機体右側に設けて空のコンテナ10を積載して保管する主コンテナ台6と、該主コンテナ台6から手で引き出したコンテナ10を収容位置14まで転動して搬送する前記コンテナ搬送台13とから構成される。
【0032】
該コンテナ搬送台13は、
図1乃至
図3に示すように、前記搬送装置33の後斜め下方で前記クローラ走行装置15・15の上方において、機体左右方向に配置されると共に、前記機体フレーム16L・16Rの後部に枢支され、上方へ回動して収納できるようにしている。なお、該コンテナ搬送台13の左斜め上方には、前記クローラ走行装置15・15、掻き込み装置25、搬送装置33等のための制御操作を行う操作部29が配置される。
【0033】
このようなコンテナ搬送台13は、複数に分割され、右から順に、第一搬送台13a、第二搬送台13b、第三搬送台13cが連設して構成される。そして、このうちの第一搬送台13a、第二搬送台13bには、複数のローラ49が機体前後方向の支軸回りに回転可能に配置され、機体左右方向にコンテナ10が搬送される搬送面が形成される。更に、前記収納位置14にあって略水平な搬送面を有する第二搬送台13bに対し、第一搬送台13aの搬送面は、主コンテナ台6側が高くなるように傾斜配置されている。
【0034】
これにより、該第一搬送台13aに前記主コンテナ台6から引き出したコンテナ10を載せると、該コンテナ10を、収納位置14のある第二搬送台13bまで、小さな力で押動して移動させることができ、空のコンテナ10の移動作業の負荷軽減を図るようにしている。
【0035】
そして、該第二搬送台13b上のコンテナ10には、前記搬送装置33の後端からの野菜11が、前記操作部29の右側に設けた落下シュート52を介して落入し、収納される。
【0036】
一方、前記第三搬送台13cには、複数のローラ50が機体左右方向の支軸回りに回転可能に配置され、機体前後方向にコンテナ10が搬送される搬送面が形成されると共に、第三搬送台13cは、前後に、前台13c1と後台13c2とが連設されている。
【0037】
そして、該後台13c2の前部は、支点軸53を介して前記前台13c1の後部に回動可能に支持されると共に、前台13c1と後台13c2との間には、バネ54が張設されており、通常は、該バネ54により、前記後台13c2が支点軸53を中心に上方へ回動し、前台13c1と後台13c2とが、位置55の略同一水平面上となるように配置されている。
【0038】
これにより、第二搬送台13b上で野菜11が収納された野菜入りコンテナ10(以下、「コンテナ10A」とする)を、左方に押動して第三搬送台13cまで移動し、更に、該コンテナ10Aの重心が前記支点軸53よりも後方となる位置まで引き出すと、該コンテナ10Aの自重により、後台13c2の後部が位置55から位置56まで下方に回動する。
【0039】
すると、コンテナ10Aは、斜めとなった後台13c2上を滑り降りて、自動的に畝9上に静置される。なお、該後台13c2は、その上のコンテナ10Aがなくなると、前記バネ54の弾性力によって上方に回動し、元の位置55に復帰する。
【0040】
このような構成において、前記主コンテナ台6から引き出した空のコンテナ10を、前記収納位置14まで容易に移動して野菜11を収納し、その後、この野菜収納済みのコンテナ10Aを畝9上に容易かつ迅速に滑り降ろすことができ、該コンテナ10Aの降ろし作業の効率向上を図ることができる。
【0041】
また、前記主コンテナ台6においては、
図2乃至
図4に示すように、前記支柱37の後側面に、後取付具66が締結固定され、該後取付具66に、後支持ステー61が支軸68を中心にして上下回動可能に支持される。そして、前記後取付具66より前方の右の機体フレーム16Rに、前取付具65が締結固定され、該前取付具65にも、前支持ステー60が支軸67を中心にして上下回動可能に支持されている。
【0042】
更に、前記後支持ステー61は、右方に延出され、その左右両端の前面には、平面視U字状のメインフレーム63で開放側にある両端部63a・63bが固設されると共に、該メインフレーム63の梁部63cからは、長板片状の取付ステー62が垂設され、該取付ステー62の後面と前記後支持ステー61の前面との間に、5本の中間バー64・64・・・が機体左右方向に略等間隔で平行に介設されている。
【0043】
加えて、前記メインフレーム63、中間バー64・64・・・の前後途中部の下面に、前記前取付具65から右方に延設された前支持ステー60の上面が接合されて、前記主コンテナ台6が形成される。
【0044】
これにより、該主コンテナ台6は、前記支軸67・68を中心にして両支持ステー60・61を下方に回動することにより、外側方に略水平に展開し、逆に、前記支軸67・68を中心にして両支持ステー60・61を上方へ回動することにより、機体側に折り畳めるようにしている。
【0045】
ここで、このような主コンテナ台6にコンテナ10を積載する際は、
図2、
図3に示すように、一のコンテナ10の開口部と他のコンテナ10の開口部を重ね合わせて対としたコンテナ対10aを、機体前後方向に複数列積載すると共に、機体左右方向には従来の単列から2列積載し、コンテナ10の積載量上限を増やすようにしている。
【0046】
このうちの左列には、コンテナ10の長辺を機体左右方向にして、上下方向に4段、機体前後方向に4列のコンテナ10を積載し、右列には、コンテナ10の短辺を機体左右方向にして、上下方向に4段、機体前後方向に3列のコンテナ10を積載している。
【0047】
更に、前記コンテナ対10aの内部には、長辺を上下方向にした別のコンテナ10を収納し、コンテナ10の積載量上限を一層増やすようにしている。
【0048】
この際、コンテナ10の最下段を1段目、最上段を4段目とすると、1段目と2段目のコンテナ10の内部と、3段目と4段目のコンテナ10の内部に、それぞれ別のコンテナ10を収納するため、1段目と2段目のコンテナ10の間や3段目と4段目のコンテナ10の間における、各コンテナ10のずれ防止に極めて有効である。
【0049】
また、このような主コンテナ台6には、
図3乃至
図5に示すように、その左右両側端には、左右の側方転倒防止部材57・58が配置され、主コンテナ台6の前端には、前方転倒防止部材59が配置されている。
【0050】
このうちの左側方転倒防止部材57は、側面視略門型に形成され、その前側の垂直部69aが途中で後斜め下方に折り曲げられて傾倒部69bを成すメインフレーム69と、該メインフレーム69の前記垂直部69aと後側の垂直部69cとの間を連結して補強する上下の中間フレーム70・71とから構成される。
【0051】
更に、前記垂直部69cの下部は、前記機体フレーム16R後部の支柱37に固定された正面視L字状の取付フレーム74の前面に固設されると共に、前記傾倒部69bの下端は、前記前支持ステー60近傍の機体フレーム16R前部上に固設されている。
【0052】
これにより、補強して剛性を高めたメインフレーム69を、機体フレーム16Rの前後部に固定支持するようにして、左側方転倒防止部材57を主コンテナ台6の左側端に強固に立設支持することができる。
【0053】
前記右側方転倒防止部材58も、側面視略門型のメインフレーム75と、該メインフレーム75の前側の垂直部75aと後側の垂直部75bとの間を連結して補強する中間フレーム76とから構成される。
【0054】
更に、前記垂直部75aの下部と垂直部75bの下部は、それぞれ、前連結具77と後連結具78を介して、前記主コンテナ台6のメインフレーム63の右前角部63dと右端部63bに、左右回動可能に支持されている。
【0055】
これにより、補強して剛性を高めたメインフレーム75を、前記主コンテナ台6のメインフレーム63の右側前後部に回動支持するようにして、右側方転倒防止部材58を主コンテナ台6の右側に折り畳み可能に立設させている。
【0056】
従って、本実施例のように、コンテナ10の積載量上限を増やすべく主コンテナ台6の左右幅を拡大し、機体左右方向に複数列、本実施例では2列のコンテナ10が積載されても、前記左右の側方転倒防止部材57・58によって、コンテナ10の左右への動きを確実に規制することができる。
【0057】
前記前方転倒防止部材59は、右方に開放した背面視U字状のメインフレーム80と、該メインフレーム80の上側の右端と下側の右端を連結する左右逆L字状の帯状プレート81とから成る枠状に形成される。
【0058】
図3に示すように、このような前方転倒防止部材59の少なくとも一部が、前記主コンテナ台6上に積載した複数のコンテナ対10aの最前面に対し、前方から当接できるように、前方転倒防止部材59の大きさと位置が設定されている。
【0059】
これにより、前述した如く内部のコンテナ10によりずれが防止されたコンテナ対10aの最前面に、前方転倒防止部材59を広範囲にわたって当接させることができ、前方転倒防止部材59を操作してコンテナ10を後方に引き出す際にも、コンテナ10に回転モーメントが作用しにくく、コンテナ10の荷崩れを防止することができる。
【0060】
更に、前記メインフレーム80の下側の角部よりも下方の傾倒部80aにおいて、その下端には、ガイドステー79の上端が、前記帯状プレート81の下端と一緒に締結固定される。そして、該ガイドステー79は、その途中部が左斜め下方から右斜め下方に屈曲して背面視L字状を呈し、その延出部分に傾倒摺動部79aが形成される。
【0061】
該傾倒摺動部79aは、前記メインフレーム63の左側で機体前後方向に延出するガイド部63eの右斜め上部側面に当接されている。
【0062】
これにより、前方転倒防止部材59を操作してコンテナ10を後方に引き出す際に、傾倒摺動部79aをガイド部63eに沿って前後摺動させることができ、前方転倒防止部材59の前後動を安定化させるようにしている。
【0063】
加えて、前記メインフレーム80の傾倒部80aの上部は、支持具82に略水平回動可能に挿嵌され、該支持具82は、操作パイプ72の前端に固設されている。更に、該支持具82の上平板部82aには、前記メインフレーム80の回動軸心80a1周りで互いに略90度開いた位置に、収納位置ピン孔82bと作業位置ピン孔82cとが穿孔される一方、前記傾倒部80aの上部には、フレーム支持ステー139が外嵌固定され、該フレーム支持ステー139が、前記メインフレーム80と一緒に、前記上平板部82a上を略水平に回動できるようにしている。そして、このフレーム支持ステー139の外端部に、ロックピン138を上から貫通させ、前記収納位置ピン孔82bまたは作業位置ピン孔82cに挿嵌させることにより、メインフレーム80を位置142または位置143に固定することができる。
【0064】
前記操作パイプ72の後端部で下方に屈曲した部分には、把持して操作するためのレバー部72aが形成されている。一方、操作パイプ72の前後水平部分は、前記取付フレーム74上端部の通し孔74aと、その近傍に締結固定したガイドリング86のガイド孔86aと、ガイド具84の上部の通し孔84aと、その近傍に締結固定したガイドリング85のガイド孔85aとに、回動自在かつ摺動自在に挿通されている。
【0065】
前記ガイド具84は、前記中間フレーム71の後部より立設されると共に、該ガイド具84のガイド孔85a近傍まで、前記垂直部69a下端の固定プレート87からは、ガイドバー88が後方に延出される。該ガイドバー88の外径は、前記操作パイプ72の内径よりも小さく形成され、該操作パイプ72内に前記ガイドバー88が前方より内挿されており、操作パイプ72をガイドバー88に沿って前後移動できるようにしている。
【0066】
前記傾倒部80aで支持具82の下方には、前面視Z字状のガイド輪ステー92が、ボルト93を下限として上下動可能に外嵌されると共に、該ガイド輪ステー92の下部には、前記中間フレーム71の右斜め上部側面に沿って機体前後方向に転動可能なガイド輪91が回動自在に支持されている。なお、前記ガイド輪ステー92と支持具82との間の傾倒部80aには、バネ94が圧縮状態で巻回されており、該バネ94の弾性力によって、前記支持具82の上平板部82aがフレーム支持ステー139側に常に付勢され、前記ロックピン138が抜脱しないようにしている。
【0067】
これにより、前方転倒防止部材59の操作は、操作パイプ72のレバー部72aを把持して前後動させて行い、その際、操作パイプ72の水平部は、通し孔74a・84a、ガイド孔85a・86a、ガイドバー88、及びバネ94で緩衝されるガイド輪91にガイドされながら、最前の位置89と最後の位置90との間を前後摺動させることができ、前方転倒防止部材59の前後動を更に安定化させることができる。
【0068】
すなわち、機体下部に設けた走行部2と、機体最前部に設けた掻き込み部3と、該掻き込み部3の後方に連設される野菜搬送部4と、該野菜搬送部4からの野菜11をコンテナ10内に詰め込む収納位置14まで該コンテナ10を搬送するコンテナ搬送部5とを備え、前記走行部2を駆動して機体を進行させながら圃場から野菜11を収穫する野菜収穫機1において、前記コンテナ搬送部5には、前記コンテナ10を保管する第一のコンテナ台である主コンテナ台6を機体の左右一側、本実施例では右側に設け、該主コンテナ台6の左右両側端に、左右の側方転倒防止部材57・58を配置すると共に、該主コンテナ台6の前端に、枠状の前方転倒防止部材59を前後移動可能に配置したので、コンテナ10の積載量上限を増やすべく、主コンテナ台6の左右幅を拡大して機体左右方向に複数列、本実施例では2列のコンテナ10が積載されても、該2列のコンテナ10の左右への動きを側方転倒防止部材57・58によって確実に規制することができ、停発進時の急な加速や走行中の大きな振動によってコンテナ10が主コンテナ台6から外側方に飛び出すことがない。更に、前記前方転倒防止部材59を操作してコンテナ10を後方に引き出す際に、枠状体により、コンテナ10の最前面の広範囲にわたって当接部分を確保することができ、コンテナ10が回転して荷崩れを起こすことがない。これにより、収穫作業が中断したり、コンテナ10が機体等に接触して損傷することがなく、多数のコンテナ10を機体の主コンテナ台6に確実に積載して取り出すことができる。
【0069】
なお、このような主コンテナ台6を使用しない場合には、まず、右側方転倒防止部材58を内方に回動させて、主コンテナ台6上に折り畳む。続いて、
図5に示すように、前方転倒防止部材59を最前の位置89まで摺動させてから、前記ロックピン138を作業位置ピン孔82cより抜脱した後、前記メインフレーム80を把持し、前記バネ94の弾性力に抗して矢印140の方向に引き上げ、その後、前記位置143から位置142まで矢印141の方向に略水平回転させる。そして、再び、前記ロックピン138をフレーム支持ステー139の外端部に上から貫通させ、前記収納位置ピン孔82bに挿嵌させることにより、前方転倒防止部材59を後方に回動して左側方転倒防止部材57の外側に折り畳む。続いて、前記主コンテナ台6を、前記支軸67・68を中心にして上方へ回動して図示せぬフックに係止保持することにより、右側方転倒防止部材58、前方転倒防止部材59、及び主コンテナ台6を、機体右側に固定した左側方転倒防止部材57の外側に、折り畳み収納することができる。
【0070】
次に、予備コンテナ台7について、
図1乃至
図3、
図6により説明する。該予備コンテナ台7は機体左側に設けており、前記主コンテナ台6上のコンテナ10が不足してくると、該主コンテナ台6に、前記予備コンテナ台7上のコンテナ10を移動して補充するものである。
【0071】
このような予備コンテナ台7においては、左の機体フレーム16Lの後半部には、前から順に二本の支持バー95・97が立設され、該支持バー95・97の上端に、基礎フレーム98が機体前後方向に水平に設けられている。更に、該支持バー95・97の上端間の機体フレーム16Lには、背面視U字状の取付具96が取り付けられ、該取付具96と前記操作部29の操作パネル133との間は、ボルト134によって締結固定されている。
【0072】
該基礎フレーム98には、前後の支持ステー99・100が、右端の支軸136・137を中心にして上下回動可能に支持されると共に、その傾斜角度は、前記基礎フレーム98と支持ステー99・100との間に介設されたボルト135によって調節できるようにしている。そして、後支持ステー100は、左方に延出され、その左右両端の前面には、平面視U字状のメインフレーム101で開放側にある両端部101a・101bが固設されると共に、該メインフレーム101の梁部101cからは、長板片状の取付ステー102が垂設され、該取付ステー102の後面と前記後支持ステー100の前面との間に、3本の中間バー103・103・103が機体左右方向に略等間隔で平行に介設されている。
【0073】
そして、前記メインフレーム101、中間バー103・103・103の前後途中部の下面に、右方に延出された前支持ステー99の上面が接合されて、前記予備コンテナ台7が形成される。
【0074】
該予備コンテナ台7にコンテナ10を積載する際も、コンテナ10の長辺を機体左右方向にして、上下方向に4段、機体前後方向に3列のコンテナ10を積載すると共に、一のコンテナ10の開口部と他のコンテナ10の開口部を重ね合わせて対にしたコンテナ対10aの内部に、別のコンテナ10を収納するようにしている。
【0075】
また、このような予備コンテナ台7には、前記主コンテナ台6と同様に、その左右両側端に、左右の側方転倒防止部材104・105が配置され、予備コンテナ台7の前端に、前方転倒防止部材106が配置されている。
【0076】
このうちの左側方転倒防止部材104は、側面視略門型に形成され、メインフレーム107と、該メインフレーム107の前後の垂直部間を連結して補強する略水平な中間フレーム108とから構成される。そして、前記メインフレーム107の前後の垂直部の下部は、それぞれ、前連結具109と後連結具110を介して、前記予備コンテナ台7のメインフレーム101の左フレーム部101d上に、着脱可能に支持されている。
【0077】
同様に、前記右側方転倒防止部材105も、側面視略門型のメインフレーム111と、該メインフレーム111の前後の垂直部間を連結して補強する中間フレーム112とから構成される。そして、前記メインフレーム111の前後の垂直部の下部は、それぞれ、前連結具113と後連結具114を介して、前記基礎フレーム98上に固設されている。
【0078】
これにより、左右の側方転倒防止部材104・105を予備コンテナ台7の左右両側に立設させることができ、該予備コンテナ台7に積載されたコンテナ10の左右への動きを確実に規制することができる。
【0079】
前記前方転倒防止部材106は、正面視略門型のメインフレーム115と、該メインフレーム115の左右の垂直部間を連結して補強する中間フレーム116とから構成される。そして、前記メインフレーム115の左右の垂直部の下部は、複数の連結具117を介して、前記予備コンテナ台7のメインフレーム101の梁部101cに、前後回動可能に支持されている。
【0080】
これにより、前方転倒防止部材106を予備コンテナ台7の前側に折り畳み可能に立設させることができ、該予備コンテナ台7に積載されたコンテナ10の前方への動きを確実に規制することができる。
【0081】
なお、このような予備コンテナ台7を使用しない場合は、まず、左側方転倒防止部材104を予備コンテナ台7から脱着した後、前方転倒防止部材106を後方に回動させて、予備コンテナ台7上に折り畳み、続いて、この予備コンテナ台7を、前記支軸136・137を中心にして上方へ回動して図示せぬフックに係止保持することにより、前方転倒防止部材106と予備コンテナ台7を、機体左側に固定した右側方転倒防止部材105の外側に、折り畳み収納することができる。
【0082】
また、このような予備コンテナ台7は作業部118の後方に近接配置される。該作業部118とは、前記搬送装置33の搬送面上の葉、ツルまたは傷物等の不要物を搬送装置33から除去する部位であって、ステップ119、座席120等を備える。
【0083】
このうちのステップ119は、作業者が乗り入れる平板部119aと、該平板部119aの内側縁より立設される立板部119bとから構成されると共に、前記平板部119aの下面は、前後の連結具121・122を介して、左の機体フレーム16Lの前半部に支持されている。なお、前述の如く、該左の機体フレーム16Lの後半部には、前記予備コンテナ台7が支持バー95・97を介して配置されている。
【0084】
前記座席120は、ポール123の上端に略水平回転可能に連結されると共に、該ポール123は、前記ステップ119の平板部119a上面の左側端部で前後略中央部の位置より立設されている。
【0085】
これにより、作業者は、予備コンテナ台7のすぐ前方位置で、座席120に着座しながら、搬送装置33の搬送面を搬送される不要物の除去作業を行うことができる。
【0086】
更に、該予備コンテナ台7の右側近傍には、サイドクラッチレバー124・走行変速レバー125等の操作具を操作するための前記操作部29が配置されている。
【0087】
これにより、作業者は、予備コンテナ台7のすぐ右方位置で、立ったままの状態にて、前記クローラ走行装置15・15、掻き込み装置25、搬送装置33等の制御操作を行うことができる。
【0088】
すなわち、第一のコンテナ台である前記主コンテナ台6の左右反対側に、前記野菜搬送部4のメンテナンス用の作業部118と、第二のコンテナ台である予備コンテナ台7とを設け、該予備コンテナ台7は、機体後部で駆動制御の操作を行う操作部29と前記作業部118との間に介設すると共に、前記操作部29・作業部118のいずれにも近接して配置するので、コンテナ10の積載量上限を予備コンテナ台7によって一層引き上げ、コンテナ10の補給頻度を減らし、収穫作業性の更なる向上を図ることができる。しかも、該予備コンテナ台7は、前記作業部118と操作部29との間の空き空間を利用して設置することができ、大きな設計変更が不要となって製造コストの低減を図ることができる。更に、予備コンテナ台7が作業部118・操作部29のいずれにも近いため、予備コンテナ台7から主コンテナ台6までのコンテナ10の移動を、作業部118または操作部29にいる作業者が短い動線で行うことができ、作業効率の向上を図ることができる。
【0089】
次に、以上述べたコンテナ台6・7の設定高さについて、
図3により説明する。前記主コンテナ台6において、その最下端は前後の支持ステー60・61の下端のうちの低い方であり、前記畝9の上面9aの位置(以下、「基準位置」とする)126から最下端位置127までの高さ(以下、「コンテナ台高さ」とする)129は、基準位置126からコンテナ10Aの最上端位置128までの高さ(以下、「コンテナ高さ」とする)130よりも高くなるように設定されている。
【0090】
前記予備コンテナ台7についても、その最下端は前後の支持ステー99・100の下端のうちの低い方であるが、本実施例では、前記基準位置126から最下端位置131までのコンテナ台高さ132は、前記主コンテナ台6のコンテナ台高さ129よりも高く設定されている。
【0091】
従って、作業中に、コンテナ台6・7を左右に広げたまま走行し、あるいは旋回しても、前の条の畝9上に降ろしたコンテナ10Aの左右位置を適正化することにより、コンテナ台6・7のいずれも接触しないようにすることができる。
【0092】
すなわち、野菜詰め込み済みのコンテナ10Aを降ろす圃場面である畝9の上面9aを基準位置126とし、該基準位置126から前記コンテナ台6・7の最下端位置127までのコンテナ台高さ129・132を、前記基準位置126から野菜詰め込み済みのコンテナ10Aの最上端位置128までのコンテナ高さ130よりも高く構成するので、以前に野菜11を収納して畝9上に降ろしたままのコンテナ10Aに、作業中のコンテナ台6・7が接触することがなくなり、コンテナ10、コンテナ10から頭を出した野菜11、及びコンテナ台6・7が損傷するのを確実に防止することができる。
【0093】
次に、以上述べた野菜収穫機1の別形態について、
図7により説明する。
図7に示す野菜収穫機1Aは、野菜収穫機1におけるコンテナ台6・7を、いずれも左右内側が左右外側よりも低くなるように設置すると共に、このうちの予備コンテナ台7上の左側方転倒防止部材104を省いたものである。
【0094】
該野菜収穫機1Aにおいては、前記主コンテナ台6は、前記支軸67・68を中心にして支持ステー60・61を所定の傾斜角度に調節することにより、左右内側が左右外側よりも低くなる傾斜姿勢に設置されると共に、前記予備コンテナ台7も、前記支軸136・137を中心にして支持ステー99・100を所定の傾斜角度に調節することにより、左右内側が左右外側よりも低くなる傾斜姿勢に設置されている。
【0095】
これにより、コンテナ台6・7のいずれにおいても、コンテナ10を左右内側の側方転倒防止部材57・105に寄りかからせることができる。特に、左右幅が狭くてコンテナ10を一列しか積載できない予備コンテナ台7の場合には、従来の如く、低い側の側方転倒防止部材である右側方転倒防止部材105だけでも、外側方へのコンテナ10の転倒を十分に防止できるため、高い側の側方転倒防止部材である左側方転倒防止部材104を省略することができる。
【0096】
すなわち、前記コンテナ台6・7は、左右内側が左右外側よりも低くなるように傾斜姿勢で設置するので、左右内側の側方転倒防止部材57・105にコンテナ10を寄りかからせて、外側方へのコンテナ10の転倒を抑制することができ、特に、コンテナ10が複数列積載されていない場合には、左右外側に側方転倒防止部材である左側方転倒防止部材104が配置されていなくても、外側方へのコンテナの転倒を十分に防止することができる。