特許第5995557号(P5995557)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5995557定流量ニードル弁およびそれを用いた自動弁装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5995557
(24)【登録日】2016年9月2日
(45)【発行日】2016年9月21日
(54)【発明の名称】定流量ニードル弁およびそれを用いた自動弁装置
(51)【国際特許分類】
   F16K 17/30 20060101AFI20160908BHJP
   A62C 3/00 20060101ALI20160908BHJP
   A62C 35/68 20060101ALI20160908BHJP
   F16K 1/38 20060101ALI20160908BHJP
【FI】
   F16K17/30 A
   A62C3/00 J
   A62C35/68
   F16K1/38 Z
【請求項の数】5
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2012-150607(P2012-150607)
(22)【出願日】2012年7月4日
(65)【公開番号】特開2014-13059(P2014-13059A)
(43)【公開日】2014年1月23日
【審査請求日】2015年1月8日
(73)【特許権者】
【識別番号】000233826
【氏名又は名称】能美防災株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100147566
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100161171
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 潤一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100117776
【弁理士】
【氏名又は名称】武井 義一
(72)【発明者】
【氏名】柿沼 亮太
【審査官】 加藤 一彦
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−232196(JP,A)
【文献】 実開平01−124473(JP,U)
【文献】 特開平01−312281(JP,A)
【文献】 特開2006−042958(JP,A)
【文献】 国際公開第2007/023972(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16K 17/30
F16K 1/38
A62C 3/00
A62C 35/68
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
流入孔を介して一次圧が流入する一次圧流入室を有する流入ポート、流量調整室、該流量調整室と外部とを連通する排水ポート、および該一次圧流入室と該流量調整室との間に配設された基準圧室を有するボディと、
上記基準圧室と上記流量調整室とを隔離するように上記ボディ内に配設され、該流量調整室内の圧力に応じて該基準圧室側および該流量調整室側に変位可能に構成されたニードル支持部と、
上記ボディの上記基準圧室と上記一次圧流入室との間の隔壁を貫通し、長さ方向を上記ニードル支持部の変位方向に一致させて、該一次圧流入室内に延出する一端と上記流入孔との間に所定の隙間が確保されるように該ニードル支持部に支持され、該ニードル支持部の変位に連動して、該一端が該流入孔に接離するように変位するニードルと、
上記一次圧流入室と上記流量調整室とを連通する連通路と、
上記排水ポート内に配設された多段オリフィスと、
を備えていることを特徴とする定流量ニードル弁。
【請求項2】
流入孔を介して一次圧が流入する一次圧流入室を有する流入ポート、流量調整室、該流量調整室と外部とを連通する排水ポート、および基準圧室を有するボディと、
上記一次圧流入室と上記流量調整室とを連通する連通路と、
上記基準圧室と上記流量調整室との圧力差により上記流入孔に接離するように変位するニードルと、
上記排水ポート内に配設された多段オリフィスと、
を備えていることを特徴とする定流量ニードル弁。
【請求項3】
上記流入孔の口径が、上記多段オリフィスを構成するオリフィスの口径より小さいことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の定流量ニードル弁。
【請求項4】
上記流入ポートに有底円筒状に凹設され、内周面に雌ねじ部が形成された嵌着部と、
外周面に雄ねじ部を有する有底円筒状の第1筒部と有底円筒状の第2筒部とが同軸に連結され、上記流入孔が上記1筒部と上記2筒部との間の隔壁に同軸に穿設された接続ニップルと、を備え、
上記接続ニップルが、上記雄ねじ部を上記雌ねじ部に固定され、上記一次圧流入室が上記嵌着部と上記第1筒部とにより構成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の定流量ニードル弁。
【請求項5】
連通孔を有する隔離壁により仕切られた一次側流路と二次側流路とを有する胴体部、上記一次側流路側から上記連通孔を開閉する主弁、上記二次側流路を介して上記連通孔に対向するように上記胴体部に突設された筒状のシリンダ、および上記シリンダ内に摺動可能に配設され、該シリンダ内の上記二次側流路と反対側に画成される作動室内の圧力に応じて上記主弁を開閉駆動するピストンを有する自動弁を備え、トンネルに設置され、上記二次側流路に接続された放水ヘッドに加圧水を供給して放水させる自動弁装置において、
放水停止後、上記作動室内の圧力が、請求項1乃至請求項のいずれか1項に記載の上記定流量ニードル弁を介して排出されることを特徴とする自動弁装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば高速自動車道等のトンネルに設置されて放水ヘッドに加圧水を供給して放水させる自動弁装置、および自動弁装置の弁体を開閉駆動するアクチュエータの加圧水の排水に用いられる定流量ニードル弁に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の散水システムがトンネルに用いられる場合、トンネルの長手方向を所定の距離毎に区切って防火区画を設定し、火災発生時にその火元を含む防火区画を特定し、その防火区画の領域全体に散水する。この散水システムでは、加圧水供給源に接続された主配管が埋設されてトンネル内に敷設され、各防火区画において、分岐配管が主配管から分岐してトンネルの側壁に沿って立ち上がり、その先端に放水ヘッドが接続される。放水ヘッドは防火区画の大きさに合わせて必要な個数が設けられる。各分岐配管には、仕切り弁が設けられ、さらに、その二次側に自動弁装置が設けられる。この自動弁装置は、火災発生時に開いて放水ヘッドに加圧水を供給し、鎮火後閉じて放水ヘッドへの加圧水の供給を停止させる。
【0003】
このような従来の自動弁装置は、放水ヘッドに加圧水を供給する自動弁と、自動弁の弁体を開閉駆動するアクチュエータと、アクチュエータに所定圧力に調整された駆動用の加圧水を供給する圧力調整弁と、アクチュエータに対する加圧水の供給が停止した状態で圧力調整弁を経由してアクチュエータの加圧水を排水させる自動排水弁と、などを備えている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−5240号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の自動弁装置においては、放水ヘッドからの放水が終了し、アクチュエータに対する加圧水の供給が停止した状態となると、アクチュエータ内の加圧水が、圧力調整弁内に入り、オリフィスを通って圧力調整弁の配管側の部屋に移動する。ついで、圧力調整弁から配管に流れ出し、配管内を流れて自動排水弁からドレインに排水され、アクチュエータ内の圧力が低下し、自動弁の弁体が閉じられる。
【0006】
この圧力調整弁内のオリフィスは、アクチュエータによる圧力調整時に、アクチュエータの動作に影響を及ぼさず、かつ放水終了後に主弁を閉弁させるためにアクチュエータの加圧水を排水させるときに、過度の水撃を発生させないように、微小な隙間に調整されていた。そこで、加圧水中の異物がオリフィスに詰まり、さらには生成物がオリフィスに生成され、最悪の場合には、自動弁の弁体が閉じられなくなるという不具合が発生する。
【0007】
この発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、排水ポートに多段オリフィスを配設して、排水流量の増大を抑えて各オリフィスの口径を大きくし、かつ流入圧力に応じてニードルを流入孔に接離させるようにして、異物の詰まりや生成物の生成に起因する排水不良の発生を防止でき、主弁が閉じられない事態の発生を回避できる自動弁装置およびそれに用いられる定流量ニードル弁を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明による定流量ニードル弁は、流入孔を介して一次圧が流入する一次圧流入室を有する流入ポート、流量調整室、該流量調整室と外部とを連通する排水ポート、および該一次圧流入室と該流量調整室との間に配設された基準圧室を有するボディと、上記基準圧室と上記流量調整室とを隔離するように上記ボディ内に配設され、該流量調整室内の圧力に応じて該基準圧室側および該流量調整室側に変位可能に構成されたニードル支持部と、上記ボディの上記基準圧室と上記一次圧流入室との間の隔壁を貫通し、長さ方向を上記ニードル支持部の変位方向に一致させて、該一次圧流入室内に延出する一端と上記流入孔との間に所定の隙間が確保されるように該ニードル支持部に支持され、該ニードル支持部の変位に連動して、該一端が該流入孔に接離するように変位するニードルと、上記一次圧流入室と上記流量調整室とを連通する連通路と、上記排水ポート内に配設された多段オリフィスと、を備えている。
【発明の効果】
【0009】
この発明によれば、ニードルの一端が流量調整室内の圧力に応じて流入孔に接離するので、異物がニードルの一端と流入孔との間に噛み付きにくくなり、ニードルが流入孔に固着されるような事態の発生が回避され、定流量ニードル弁の安定した動作が実現される。
排水ポート内に配設された多段オリフィスにより排水流量を規定しているので、1つのオリフィスで排水流量を規定する場合にくらべて、オリフィスの口径を大きくすることができる。そこで、異物がオリフィスに詰まり、あるいは生成物がオリフィスに生成されて、定流量ニードル弁が動作不能となるような事態の発生が抑制される。
流入孔が排水流量を規定していないので、流入孔の口径を大きくすることができる。そこで、生成物が流入孔に生成されて、定流量ニードル弁が動作不能となるような事態の発生が抑制される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】この発明の実施の形態1に係る定流量ニードル弁の定常状態を示す断面図である。
図2】この発明の実施の形態1に係る定流量ニードル弁の作動状態を示す断面図である。
図3】この発明の実施の形態2に係る自動弁装置を示す概略構成図である。
図4】この発明の実施の形態2に係る自動弁装置における放水時の2次側圧力の上昇動作を説明する図である。
図5】この発明の実施の形態2に係る自動弁装置における放水時の2次側圧力の低下動作を説明する図である。
図6】この発明の実施の形態2に係る自動弁装置における放水停止動作を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の定流量ニードル弁および自動弁装置の好適な実施の形態につき図面を用いて説明する。
【0012】
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1に係る定流量ニードル弁の定常状態を示す断面図、図2はこの発明の実施の形態1に係る定流量ニードル弁の作動状態を示す断面図である。
【0013】
図1において、定流量ニードル弁1は、流入孔14を介して一次圧が流入する一次圧流入室6を有する流入ポート5、流量調整室8、流量調整室8と外部とを連通する排水ポート23、および一次圧流入室6と流量調整室8との間に配設された基準圧室7を有するボディ2と、基準圧室7と流量調整室8とを隔離するようにボディ2内に配設され、基準圧室7側および流量調整室8側に変位可能に構成されたニードル支持部15と、ボディ2の基準圧室7と一次圧流入室6との間の隔壁を貫通して一端が一次圧流入室6内に延出するように、長さ方向をニードル支持部15の変位方向に一致させてニードル支持部15に支持され、ニードル支持部15の変位に連動して、一端が流入孔14に接離するように変位するニードル18と、一次圧流入室6と流量調整室8とを連通する連通路21と、排水ポート23内に配設された多段オリフィス24と、を備えている。
【0014】
ボディ2は、流入ポート5および流入ポート5の一次圧流入室6と隔離された基準圧室7が形成された第1ボディ3と、流量調整室8および排水ポート23が形成された第2ボディ4と、から構成されている。
嵌着部9が、基準圧室7と隔離されて、第1ボディ3に有底円筒状に凹設され、その内周面に雌ねじ部9aが形成されている。連通穴10が、基準圧室7と外部とを連通するように第1ボディ3に形成されている。
【0015】
接続ニップル11は、外周面に第1雄ねじ部12aが形成された有底円筒状の第1筒部12と、底部を介して第1筒部12と同軸に形成され、外周面に第2雄ねじ部13aが形成された有底円筒状の第2筒部13と、第1筒部12と第2筒部13との底部、すなわち隔壁に同軸に穿設された流入孔14と、を備えている。そして、接続ニップル11が、第1雄ねじ部12aを雌ねじ部9aに螺着して、嵌着部9に装着される。嵌着部9と第1筒部12の螺着部にOリング20が装着され、嵌着部9と第1筒部12の螺着部のシールが確保されている。第1筒部12と嵌着部9とにより画成された空間が、一次圧流入室6を構成する。
【0016】
ニードル支持部15は、リング平板状に作製された可動部16と、可動部16の内周部に装着されたホルダ部17と、を備えている。ニードル支持部15は、可動部16の外周部を第1ボディ3と第2ボディ4との間に加圧挟持され、流量調整室8と基準圧室7とを隔離している。可動部16は、例えばポリエステル布をニトリルブタジエンゴムでサンドイッチして作製されている。この可動部16は、ポリエステル布をニトリルブタジエンゴム間に介装させて剛性を付与し、バネ性を有している。そこで、ニードル支持部15は、流量調整室8側および基準圧室7側に変位可能となっている。
【0017】
ニードル18は、長さ方向中央部を大径とする段付き円柱状に作製されている。ニードル18は、第1ボディ3の基準圧室7と一次圧流入室6との間の隔壁を貫通して一端を一次圧流入室6内に延出させ、かつホルダ部17を貫通して他端を流量調整室8内に延出させ、他端に螺着されたナット19を締着して、ホルダ部17をナット19と大径部18aとの間に加圧挟持し、ニードル支持部15に支持されている。ホルダ部17のニードル18の貫通部および第1ボディ3のニードル18の貫通部にOリング20が装着され、基準圧室7と流量調整室8との間のシール、および基準圧室7と一次圧流入室6との間のシールが確保されている。
【0018】
ニードル18は、嵌着部9および第1筒部12と同軸に配設され、ニードル支持部15がニードル18の長さ方向と直交するように配設されている。そこで、ニードル18は、ニードル支持部15の変位に連動して長さ方向に変位し、その一端が流入孔14に接離する。なお、ニードル18の一端が円錐形に形成され、流入孔14のニードル対向面がニードル18の一端と同じ頂角の切頭円錐形に形成されている。
【0019】
連通路21が、ニードル18の軸心を通って一次圧流入室6と流量調整室8とを連通するように形成されている。スプリング22が基準圧室7の底部とホルダ部17との間に縮設され、ニードル支持部15を流量調整室8側に付勢している。そして、定常状態では、ホルダ部17が第2ボディ4の肩部4aに当接し、ニードル18の一端と流入孔14との間の隙間が確保される。多段オリフィス24は、隣り合うオリフィスの径方向位置および周方向位置の少なくとも一方が異なるように、排水ポート23内に軸方向に所定の間隔で複数連設して構成され、各オリフィスの口径を小さくすることなく、全体として大きな流路抵抗を実現している。
【0020】
このように構成された定流量ニードル弁1の動作について説明する。
この定流量ニードル弁1では、多段オリフィス24が排水ポート23に配設され、排水流量を規定している。すなわち、所定の排水流量が得られるように、多段オリフィス24の流路抵抗が設定されている。そこで、流入孔14の口径は、その流路抵抗が多段オリフィス24の流路抵抗より小さくなるように設定される。つまり、流入孔14の口径は、排水流量に影響しないように大きく形成される。しかし、多段オリフィス24での異物の詰まりを防止する観点から、流入孔14の口径を多段オリフィス24の各オリフィスの口径より小さくすることが望ましい。
【0021】
定常状態では、図1に示されるように、ホルダ部17がスプリング22の付勢力により流量調整室8側に押圧され、第2ボディ4の肩部4aに当接している。そこで、ニードル18の一端と流入孔14との間に所定の隙間が確保される。すなわち、定流量ニードル弁1は常開型である。また、基準圧室7には、連通穴10を介して大気が導入されている。
【0022】
ついで、水が流入孔14とニードル18の一端との間から一次圧流入室6に流入する。一次圧流入室6に流入した水は、連通路21を通って流量調整室8内に流入する。流量調整室8内に流入した水が、多段オリフィス24を通って排水ポート23から排水される。このとき、流入孔14の流路抵抗が多段オリフィス24の流路抵抗より小さく構成されているので、流入ポート5からの流入量が排水ポート23からの排水量より多くなり、流量調整室8内の圧力が上昇する。
【0023】
そして、図2に示されるように、流量調整室8内の圧力が、基準圧室7内の圧力とスプリング22の付勢力と流入する水がニードル18の一端面に作用する圧力との総和よりも大きくなると、ニードル支持部15が基準圧室7側に変位し、ニードル18の一端と流入孔14との間の隙間が狭まる。これにより、排水ポート23からの排水量が流入ポート5からの流入量より多くなり、流量調整室8内の圧力が低下する。
【0024】
そして、流量調整室8内の圧力が、基準圧室7内の圧力とスプリング22の付勢力と流入する水がニードル18の一端面に作用する圧力との総和よりも小さくなると、ニードル支持部15が流量調整室8側に変位し、ニードル18の一端と流入孔14との間の隙間が広くなる。これにより、流入ポート5からの流入量が排水ポート23からの排水量より多くなり、流量調整室8内の圧力が上昇する。この動作が繰り返され、ニードル18の一端と流入孔14との間の隙間が、流量調整室8内の圧力と、基準圧室7内の圧力とスプリング22の付勢力と流入する水がニードル18の一端面に作用する圧力との総和とがつり合う隙間に収束し、定流量ニードル弁1の排水ポート23からの排水量が一定となる。
【0025】
このように、定流量ニードル弁1は、ニードル18が流量調整室8内の圧力変動に連動して変位し、ニードル18の一端と流入孔14との間の隙間が拡大、縮小する。そこで、流入する水に含まれる異物がニードル18の一端と流入孔14との間に詰まっても、ニードル18が離反するときに、詰まっていた異物が外れる。これにより、異物がニードル18の一端と流入孔14との間に詰まり、ニードル18が流入孔14に固着されるような事態の発生が回避され、定流量ニードル弁1の安定した動作が実現される。
【0026】
排水流量の規定部を多段オリフィス24で構成しているので、排水流量の規定部を1つのオリフィスで構成する場合にくらべて、オリフィスの口径を大きくすることができる。そこで、異物がオリフィスに詰まり、あるいは生成物がオリフィスに生成されて、定流量ニードル弁1が動作不能となるような事態の発生が抑制される。
【0027】
流入孔14が排水流量の規定部を構成していないので、流入孔14の口径を大きくすることができる。そこで、生成物が流入孔14に生成されて、定流量ニードル弁1が動作不能となるような事態の発生が抑制される。また、流入孔14の口径を多段オリフィス24の各オリフィスの口径より小さくすれば、オリフィスの口径より大きな異物の多段オリフィス24側への進入がなく、多段オリフィス24での異物の詰まりの発生が確実になくなる。
【0028】
多段オリフィス24が排水流量を規定しているので、工場出荷段階で、所定の排水流量となるように多段オリフィス24を設定でき、現場での調整作業が不要となる。又、メンテナンス後に排水流量が設定値となるように再調整する必要がない。
接続ニップル11が第1ボディ3に着脱可能に取り付けられているので、第2筒部13の第2雄ねじ部13aのサイズの異なる接続ニップル11を用意しておけば、現場で定流量ニードル弁1を配管に簡易に接続することができる。
【0029】
連通路21がニードル18に形成されているので、一次圧流入室6と流量調整室8とを連通する連通配管を第1ボディ3と第2ボディ4とに取り付ける必要がない。そこで、構成が簡素化され、定流量ニードル弁1の小型化および低コスト化が図られる。
スプリング22がニードル支持部15を流量調整室8側に付勢してホルダ部17を第2ボディ4の肩部4aに当接させているので、振動などにより、ニードル18の一端と流入孔14との間の隙間が変動することが無く、定流量ニードル弁1の安定した動作が確保される。
【0030】
なお、上記実施の形態1では、ニードル支持部の可動部が、ポリエステル布をニトリルブタジエンゴムでサンドイッチして作製されているものとしているが、可動部は、その構成に限定されず、作動流体、ここでは水を透過せず、かつバネ性を有していればよく、例えばダイヤフラムを用いることができる。
【0031】
また、上記実施の形態1では、スプリングがニードル支持部と基準圧室の底部との間に縮設されているものとしているが、スプリングを省略してもよい。この場合、ニードル支持部の可動部のバネ性を利用し、定常状態で、ニードルの一端と流入孔との間の隙間が所定値となるように、ニードル支持部によるニードルの支持構造を設計すればよい。
【0032】
また、上記実施の形態1では、連通路がニードルに形成されているものとしているが、一次圧流入室と流量調整室とを連通する連通配管を第1ボディと第2ボディとに取り付けてもよい。
また、上記実施の形態1では、スプリングがニードル支持部を流量調整室側に付勢するように基準圧室内に配設されているものとしているが、スプリングは、ニードル支持部を流量調整室側に付勢するように流量調整室内に配設されてもよい。
【0033】
実施の形態2.
この実施の形態2は、定流量ニードル弁を用いた自動弁装置に関するものである。
図3はこの発明の実施の形態2に係る自動弁装置を示す概略構成図である。
【0034】
図3において、自動弁装置は、主弁37の開度を変化させて、一次側流路32から二次側流路33に流れる一次側加圧水の流量を調整する自動弁100と、自動弁100の主弁37の主弁駆動機構に一次側加圧水を供給して自動弁装置を起動する起動弁200と、二次側加圧水の圧力が所定圧力に達したことを感知して主弁37の開度を設定開度に制御する圧力調整弁400と、自動弁100の二次側に配置され、放水ヘッド46から放水時には開放し、また放水ヘッド46から放水せず、自動弁100のテストをするときなどに閉鎖する制水弁55と、二次側流路33内の二次側加圧水を排水する排水ユニット300と、自動弁100の二次側加圧水の圧力が所定の放水圧以上となると放水信号を監視室などに発信する圧力スイッチ50と、を備えている。
【0035】
この自動弁装置は、例えば、高速自動車道等のトンネルに設置され、自動弁100の一次側流路32が主配管(図示せず)に接続され、二次側流路33が制水弁55を介して二次側配管45に接続され、放水ヘッド46が二次側配管45の先端に設けられている。この自動弁装置は、火災発生時に自動弁100が開いて放水ヘッド46に加圧水を供給し、鎮火後閉じて放水ヘッド46への加圧水の供給を停止させる。
【0036】
つぎに、自動弁100の構造について説明する。
自動弁100は、胴本体部31aと胴本体部31aの両側に同軸に相対して配設される一次側および二次側管路31b、31cとからなる胴体部31を備える。胴本体部31aは、同軸に配設された一次側および二次側管路31b,31cの軸心(以降、胴体部軸心とする)と直交する断面形状が円形であり、かつ該円形断面の直径が一次側管路31bから二次側管路31cに向かって徐々に大きくなり、最大値を経て徐々に小さくなる外形形状の膨出体形状に作製されている。
【0037】
隔離壁34が胴体部31内を一次側流路32と二次側流路33とに区画するように配設されている。連通孔35が一次側流路32と二次側流路33とを連通するように隔離壁34に穿設されている。一次側流路32には、一次側加圧水が一次側管路31bを介して供給され、二次側流路33は、二次側管路31cを介して二次側配管45に接続される。有底円筒状のシリンダ36が、軸心を連通孔35の孔中心に一致させて、かつ、二次側流路33を挟んで連通孔35と相対して、二次側流路33に開口するように胴本体部31aに形成されている。このシリンダ36は、シリンダ36の軸心を胴体部31の軸心と直交させて胴本体部31aの円形断面が最大径の部位に突設されている。
【0038】
主弁37が胴体部31の一次側流路32内に連通孔35の外周縁部に形成される弁座34aに胴体部31の軸心と直交する方向に接離可能に配設されている。また、付勢手段としてのスプリング38が主弁37を二次側流路33側に押圧するように一次側流路32内に縮設されている。これにより、主弁37が弁座34aに密接し、一次側流路32と二次側流路33との間の流路を閉止している。
【0039】
ピストン39がシリンダ36内に摺動可能に挿入され、Oリング40がピストン39の外周部に嵌装されて、シリンダ36内が二次側流路33側のピストン室36aと二次側流路33と反対側の作動室36bとに区画されている。さらに、ステム41が、一端をピストン39の中心位置に固着され、他端を主弁37の中心位置に嵌着されて、その軸心がシリンダ36の軸心に一致するように取り付けられている。ここで、シリンダ36、スプリング38、ピストン39およびステム41などにより主弁駆動機構が構成されている。そして、シリンダ36の軸心が主弁37の接離方向に一致している。
【0040】
起動弁200は、パイロット弁48と、手動起動弁49と、からなり、並列に接続されて第1配管60に配設されている。また、止め弁47が第1配管60の起動弁200の上流側に配設されている。
制水弁55は、制水弁取付フランジ57を用いて胴体部31の二次側管路31cに取り付けられている。
排水ユニット300は、自動排水弁51と、手動によるボール弁52とからなり、第2配管61に配設されている。圧力スイッチ50が第2配管61に配設されている。
【0041】
定流量ニードル弁1は、第1配管60の起動弁200の下流側の分岐配管63に接続ニップル11の第2筒部13の第2雄ねじ部13aを締着して取り付けられている。この定流量ニードル弁1は、作動室36b内の一次側加圧水を排水ポート23から排水して主弁37を閉弁させる放水停止後の主弁37の閉弁機構として機能する。そして、主弁37の設定された閉弁時間が得られるように多段オリフィス24の流路抵抗が設定される。多段オリフィス24の流路抵抗は、例えばオリフィスの段数により調整できる。
【0042】
圧力調整弁400は、ダイヤフラム70がスプリングケース71と弁ボディ75とに挟持されて構成されている。スプリングケース71は、有底円筒状に作製されている。そして、自動弁100の二次側の規定圧力を設定するためのスプリング荷重を加えるスプリング72がスプリングシート73とダイヤフラム70との間に縮設されている。さらに、圧力調整用ボルト74がスプリングケース71の頂部を貫通するように螺着されており、圧力調整用ボルト74のスプリングケース71内への延出量を調整することによりスプリング72の収縮量を調整でき、スプリング荷重を調整できる。
【0043】
弁ボディ75には、ダイヤフラム70により画成される二次圧導入室76と、一次圧導入室77と、一次圧導入室77と大気とを連通する排水ポート78と、が形成されている。
軸棒79は、一端をダイヤフラム70に固着され、二次圧導入室76を通過して弁ボディ75を貫通して一次圧導入室77内に延出するように配設され、ダイヤフラム70の変位に連動して往復移動可能に構成されている。なお、軸棒79の弁ボディ75の貫通部にはOリングが装着され、二次圧導入室76と一次圧導入室77との間のシールが確保されている。
【0044】
このように構成された圧力調整弁400では、圧力調整用ボルト74のスプリングケース71内への延出量が調整され、スプリング荷重が設定値となるように調整される。そして、ダイヤフラム70は、スプリング荷重により一次圧導入室77側に変位し、排水ポート78が閉弁状態となっている(初期状態)。
【0045】
また、二次圧が二次圧導入室76に導入されると、二次圧導入室76内の圧力が上昇する。そして、二次圧導入室76内の圧力がスプリング荷重に勝ると、ダイヤフラム70はスプリングケース71側に変位し、排水ポート78が開弁状態となる。これにより、一次圧導入室77内に導入されている一次圧が排水ポート78から排出される。また、二次圧導入室76内の圧力が低下してスプリング荷重より劣ると、ダイヤフラム70は一次圧導入室77側に変位し、排水ポート78が閉弁状態となる。これにより、排水ポート78からの一次圧の排出が停止される。なお、圧力調整弁400は、常閉式の圧力調整弁である。
【0046】
この圧力調整弁400は、後述するように、二次側流路33内の二次側加圧水の圧力が所定圧力に達したときに開弁し、放水の規定圧を設定する規定圧設定機構として機能する。そして、スプリング荷重を調整することで、放水の規定圧を調整できる。
【0047】
つぎに、配管系統について説明する。
第1配管60は、一端が起動弁200を介して自動弁100の一次側流路32に接続され、他端が自動弁100の作動室36bに接続されている。そして、第2配管61は、一端が自動弁100の二次側流路33に接続され、他端が圧力調整弁400の二次圧導入室76に接続されている。また、第3配管62は、第1配管60から分岐し、圧力調整弁400の一次圧導入室77に接続されている。
【0048】
つぎに、このように構成された自動弁装置の動作について図3乃至図6を参照しつつ説明する。図4はこの発明の実施の形態2に係る自動弁装置における放水時の2次側圧力の上昇動作を説明する図、図5はこの発明の実施の形態2に係る自動弁装置における放水時の2次側圧力の低下動作を説明する図、図6はこの発明の実施の形態2に係る自動弁装置における放水停止動作を説明する図である。
【0049】
まず、監視状態では、図3に示されるように、制水弁55が操作ハンドル56を操作して開放され、止め弁47が開放され、自動排水弁51が大気圧により開放され、ボール弁52が閉止される。
【0050】
ついで、パイロット弁48または手動起動弁49が開放されると、主配管(図示せず)から一次側流路32内に供給された一次側加圧水が、第1配管60および第3配管62を介して一次圧導入室77内に流入、充水される。また、一次側加圧水が、流入孔14から一次圧流入室6内に流入し、連通路21を通って流量調整室8内に流入、充水される。そして、流量調整室8内に流入した一側加圧水は、多段オリフィス24を通って排水ポート23から排水される。
【0051】
また、パイロット弁48または手動起動弁49の開放と同時に、一次側加圧水が、第1配管60を介して作動室36b内に流入、充水される。これにより、作動室36b内の圧力が上昇し、ピストン39が図3中左側に移動する。このピストン39の移動力がステム41を介して主弁37に伝達され、主弁37がスプリング38の付勢力に抗して図3中左側に移動する。そして、主弁37が弁座34aから離反し、一次側加圧水が、一次側流路32内から二次側流路33内に流入する。そして、図4に示されるように、一次側加圧水が二次側流路33に充水され、二次側加圧水となって二次側配管45を流通し、放水ヘッド46から放水される。
【0052】
二次側流路33内の二次側加圧水は、自動排水弁51を閉止させるとともに、第2配管61を介して圧力調整弁400の二次圧導入室76に供給される。そして、二次側流路33内の二次側加圧水の圧力が上昇し、二次圧導入室76内の圧力が所定圧力より高くなると、圧力調整弁400が開弁される。これにより、第1配管60を介して自動弁100の作動室36b内に供給される一次側加圧水は、図5に示されるように、第3配管62および一次圧導入室77を介して圧力調整弁400の排水ポート78から排水される。そこで、作動室36b内の圧力が低下し、ピストン39が、図5中右側に移動し、主弁37の開度が小さくなる。
【0053】
ついで、主弁37の開度が小さくなり、一次側流路32内から二次側流路33内に流入する一次側加圧水の流量が少なくなる。そして、二次側流路33内の二次側加圧水の圧力が低下し、二次圧導入室76内の圧力が所定圧力より低くなると、圧力調整弁400が図4に示されるように閉弁される。これにより、一次側加圧水が、第1配管60を介して自動弁100の作動室36b内に供給され、作動室36b内の圧力が上昇し、ピストン39が、図4中左側に移動し、主弁37の開度が大きくなる。このように、圧力調整弁400の開弁/閉弁動作が繰り返され、二次側加圧水の圧力が所定圧力に調整される。そして、所定圧力に調整された二次側加圧水が放水ヘッド46から放水される。
【0054】
放水ヘッド46からの放水が終了し、パイロット弁48および手動起動弁49が閉弁されると、第1配管60を介して自動弁100の作動室36bへの一次側加圧水の供給がなくなる。そして、作動室36b内の一次側加圧水は、図6に矢印で示されるように、第1配管60を流れ、流入孔14から一次圧流入室6内に流入し、連通路21を通って流量調整室8内に流入し、多段オリフィス24を通って排水ポート23から排水される。また、一次圧導入室77内の一次側加圧水は、第3配管62を通って第1配管60に流れ、定流量ニードル弁1の排水ポート23から排水される。そして、スプリング38の付勢力が作動室36b内の一次側加圧水の圧力に勝り、主弁37が閉弁される。
【0055】
主弁37が閉弁されると、自動排水弁51が開放され、二次側配管45、二次側流路33および二次圧導入室76内の残水が第2配管61を介して自動排水弁51から排水される。
【0056】
ここで、定流量ニードル弁1は、常開型であるので、第1配管60を流通する一次側加圧水の一部が常時排水されるが、定流量ニードル弁1からの排水流量は少なく、主弁37の開閉動作には影響を与えない。
【0057】
ついで、自動弁100の開閉動作の確認や圧力調整弁400の設定確認を行う場合、操作ハンドル56を操作して制水弁55が閉止される。この時、自動排水弁51は大気圧により開放され、ボール弁52が閉止される。そして、起動弁200を操作し、主弁37を開閉して、自動弁100の開閉動作の確認や圧力調整弁400の設定確認を行う。
【0058】
このように構成された自動弁装置では、定流量ニードル弁1を第1配管60の起動弁200の下流側に配設し、放水停止後の主弁37の閉弁機構を構成している。
【0059】
定流量ニードル弁1では、排水ポート23からの排水流量が一定となるので、自動弁100の主弁37の開度が同じであれば、シリンダ36の作動室36b内への一次側加圧水の供給停止から自動弁100の主弁37の閉弁までの時間が、一次圧の高低によらず一定となる。また、主弁37の閉弁スピードが一定となるので、放水停止後、主弁37が直ぐさま閉弁することに起因する、構成部品の耐久性に影響を及ぼす水撃の発生が抑制され、自動弁装置の信頼性を高めることができる。
【0060】
また、定流量ニードル弁1は、放水停止後、作動室36b内の一次側加圧水が排水ポート23から排水される。そこで、作業者が排水ポート23から排水されていることを見ることで、主弁37の閉弁動作中であることを確認できる。さらに、作業者が排水ポート23からの排水が無くなることを見ることで、主弁37が閉弁されたことを確認できる。
【0061】
また、定流量ニードル弁1は、ニードル18の一端と流入孔14との間への異物の挟まりや生成物の生成が発生しにくいので、異物の挟まりや生成物の生成により、主弁37の閉弁時間が長くなる、あるいは主弁37が閉じられなくなるという不具合の発生が未然に回避され、長期的に安定した動作を実現できる。
【0062】
なお、上記実施の形態2では、低圧放水を行わない自動弁装置を例にあげて説明しているが、規定圧放水前に低圧放水を行う自動弁装置にも本発明を適用することができる。
また、上記実施の形態2では、定流量ニードル弁は、トンネルなどに設置される自動弁装置の放水停止後にシリンダの作動室内の一次側加圧水を排水するものとしているが、この定流量ニードル弁は、これに限定されず、他の機器の排水に適用しても同様の効果が得られる。
また、上記実施の形態2では、定流量ニードル弁が、一次側加圧水を作動室に供給する第1配管の分岐配管に装着されるものとしているが、定流量ニードル弁は、第1配管に装着する必要はなく、放水停止後に、作動室内の一次側加圧水を排水できればよく、例えば、作動室に直付けしてもよい。
【符号の説明】
【0063】
1 定流量ニードル弁、2 ボディ、5 流入ポート、6 一次圧流入室、7 基準圧室、8 流量調整室、9 嵌着部、9a 雌ねじ部、11 接続ニップル、12 第1筒部、12a 第1雄ねじ部、13 第2筒部、14 流入孔、15 ニードル支持部、18 ニードル、21 連通路、22 スプリング、23 排水ポート、24 多段オリフィス、31 胴体部、32 一次側流路、33 二次側流路、34 隔壁、35 連通孔、36 シリンダ、36b 作動室、37 主弁、39 ピストン、46 放水ヘッド、100 自動弁。
図1
図2
図3
図4
図5
図6