(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
記録シートに対して校正用チャート画像を形成し、前記校正用チャート画像に基づいて前記記録シートに形成する画像を校正する校正処理を行う画像形成部を備えた画像形成装置本体に対して着脱可能とされた処理ユニットであって、
前記画像形成部で画像形成された前記記録シートに対して予め定めた所定のシート処理を施すことにより前記校正用チャート画像による前記校正処理に影響を及ぼし得るシート処理部と、
前記画像形成部で前記記録シートに形成された前記校正用チャート画像を読み取る読取部と、
前記画像形成部で画像形成された前記記録シートを予め定めた所定の搬送方向に搬送する主搬送路と、
前記主搬送路から分岐する副搬送路と
を備え、
前記副搬送路は、前記主搬送路から前記搬送方向に交差する方向の一方側に分岐する分岐副搬送路と、前記主搬送路から前記搬送方向に交差する方向の他方側に一旦分岐し、かつ、再度前記主搬送路に戻る上流側副搬送路とを備え、
前記シート処理部は、前記上流側副搬送路上に設けられており、
前記読取部は、前記分岐副搬送路上に設けられており、
前記分岐副搬送路の前記主搬送路との分岐部は、前記搬送方向において前記上流側副搬送路の前記主搬送路との合流部よりも下流に位置していることを特徴とする処理ユニット。
【発明を実施するための形態】
【0047】
以下、本発明に係る実施の形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下に示す実施の形態は、本発明を具体化した例であって、本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。
【0048】
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態に係る画像形成装置100Aの処理ユニット300A部分を中心に示す概略正面図である。
【0049】
第1実施形態に係る画像形成装置100Aは、処理ユニット300Aと排出ユニット90とを備え、処理ユニット300Aは、中継ユニット50Aと読取ユニット70とを備えている。
【0050】
(画像形成装置)
先ず、処理ユニット300Aにおける中継ユニット50A及び読取ユニット70の構成について説明した後、排出ユニット90、画像形成装置本体1、中継ユニット50Aに設けられたコーティング部60、及び、読取ユニット70に設けられた読取部80について順に詳述する。なお、中継ユニット50Aは、シート処理ユニットとして作用する。コーティング部60は、画像形成装置本体1における画像形成部3(後述する
図4参照)で画像形成された用紙等の記録シートPに対して予め定めた所定のシート処理を施すシート処理部を構成し、校正処理に影響を及ぼし得る(具体的には記録シートPの画質が変化し得る)ものとされている。ここで、校正処理は、画像形成部3により記録シートPに対して校正(キャリブレーション)用チャートの一例である測定用パッチ等のテストパターン41(後述する
図7参照)を形成し、読取部80によりテストパターン41を画像形成装置100Aの搬送路上で読み取って得られたテストパターン41に基づいて画像形成部3により記録シートPに形成する画像を校正する処理である。
【0051】
図1に示す画像形成装置100Aは、画像形成装置本体1と、中継ユニット50Aと、読取ユニット70と、排出ユニット90と、主搬送路101とを備えている。画像形成装置100Aは、ここでは、パーソナルコンピュータ等の画像処理装置に接続された高速印刷用プリンタとして機能するようになっている。
【0052】
主搬送路101は、画像形成装置本体1における画像形成部3(後述する
図4参照)で画像形成された記録シートPを予め定めた所定の搬送方向Xに搬送するようになっており、中継ユニット50Aに設けられた第1主搬送路51と、排出ユニット90に設けられた第2主搬送路91とを備えている。
【0053】
画像形成装置100Aは、画像形成装置本体1に中継ユニット50Aが水平方向Hに装着され、中継ユニット50Aの上部(具体的には上面)に読取ユニット70が水平方向Hに直交する垂直方向Vに装着され、さらに中継ユニット50Aに排出ユニット90が水平方向Hに装着されている。
【0054】
画像形成装置100Aは、画像形成装置本体1における画像形成部3(
図4参照)で記録シートPに通常の画像を形成する通常画像形成モードと、シート処理を施すシート処理モードと、画像形成部3で記録シートPにテストパターン41(後述する
図7参照)を形成して画像形成部3の画質調整を行う校正(キャリブレーション)モードとを備えている。本第1実施形態では、シート処理モードは、画像形成部3で画像形成された記録シートPに被膜を形成するコーティング処理を行うコーティングモードとされている。
【0055】
画像形成装置100Aは、ユーザ等の操作者によって、通常画像形成モードと校正(キャリブレーション)との何れかが選択操作され、通常画像形成モードを行うときに、シート処理モードを施す場合での通常の画像を形成するか或いはシート処理モードを施さない場合での通常の画像を形成するかが選択操作される一方、校正(キャリブレーション)を行うときに、シート処理モードを施す場合での校正(キャリブレーション)を行うか或いはシート処理モードを施さない場合での校正(キャリブレーション)を行うが選択操作されるようになっている。
【0056】
画像形成装置本体1は、通常画像形成モード時には、記録シートPに通常の画像を形成し、通常の画像が形成された記録シート(以下、「通常の記録シート」ということがある。)を中継ユニット50Aに供給する一方、校正(キャリブレーション)時には、記録シートPにテストパターン41を形成し、テストパターン41が形成された記録シート(以下、「校正用記録シート40(
図7参照)」ということがある。)を中継ユニット50Aから読取ユニット70に供給する構成とされている。なお、画像形成装置本体1の詳細な構成については、後ほど
図4を参照しながら詳述する。
【0057】
ここで、「通常の画像」とは、例えば、画像読取装置2により読み取られた画像、又は、外部の画像処理装置においてアプリケーションソフトによって作成された画像データに基づく画像である。また、校正用記録シート40とは、画像形成部3の画質調整のための記録シートである。
【0058】
なお、
図1に示す画像形成装置100Aにおいて、付している参照符号のうち、説明していない参照符号の箇所については、後述する。
【0059】
(中継ユニット)
図2は、第1実施形態に係る画像形成装置100Aにおける中継ユニット50A及び読取ユニット70の概略構成を示す正面図である。
【0060】
中継ユニット50Aは、画像形成装置本体1に着脱可能とされており、画像形成装置本体1と排出ユニット90との間を中継し、かつ、画像形成装置本体1と読取ユニット70との間を中継するユニットである。中継ユニット50Aは、コーティング処理を行うコーティング部60を備えている。本第1実施形態では、コーティング部60は、記録シートPの両面に対してコーティング処理をそれぞれ行う一対のコーティング部60a,60bとされている。すなわち、一方のコーティング部60aは、記録シートPの他方の面(裏面)に対してコーティング処理を行い、他方のコーティング部60bは、記録シートPの一方の面(表面)に対してコーティング処理を行うようになっている。なお、一対のコーティング部60a,60bについては、後ほど
図5を参照しながら詳述する。
【0061】
本第1実施形態では、中継ユニット50Aは、一方のコーティング部60aから搬出された記録シートPを他方のコーティング部60bに搬入する折り返し搬送部55を備えている。
【0062】
画像形成装置100Aは、中継ユニット50Aにおいて、記録シートPにコーティング処理を行う場合には、一方のコーティング部60a、折り返し搬送部55、他方のコーティング部60bを経て、排出ユニット90に供給する。一方、記録シートPにコーティング処理を行わない場合には、画像形成装置本体1からの記録シートPをそのまま主搬送路101(ここでは第1主搬送路51)の後述する第2ゲート部74に供給する。
【0063】
なお、コーティング処理を行うか否かは、ユーザ等の操作者の選択操作或いは設定操作により画像形成装置本体1に接続される表示操作部(例えば、図示しないパーソナルコンピュータ等の画像処理装置におけるディスプレイ等の表示部並びにキーボード及びポインティングデバイス等の操作部)からの指示信号によってなされるようになっている。
【0064】
コーティング部60は、搬送方向Xにおいて画像形成部3よりも下流側、かつ、後述する分岐副搬送路72の主搬送路101(ここでは第1主搬送路51)との第2分岐部71aよりも上流側における中継ユニット50A内の搬送路上に設けられている。
【0065】
詳しくは、中継ユニット50Aは、さらに、第1主搬送路51と、上流側副搬送路59と、第1ゲート部54と、第1分岐副搬送路721と、第2ゲート部74と、中継ユニット50Aの構成部材を支持する枠体50tとを備えている。
【0066】
コーティング部60は、上流側副搬送路59に設けられている。具体的には、上流側副搬送路59は、第1主搬送路51上の第1分岐部51aから搬送方向Xに交差する方向(ここでは直交方向又は略直交方向)の他方側に一旦分岐し、再度第1主搬送路51に戻るようになっており、第1上流側副搬送路52と、第2上流側副搬送路53とを備えている。一方のコーティング部60aは、第1上流側副搬送路52に設けられており、他方のコーティング部60bは、第2上流側副搬送路53に設けられている。
【0067】
第1主搬送路51は、画像形成装置本体1における画像形成部3(
図4参照)にて画像形成された記録シートPを搬送方向Xに搬送して排出ユニット90に搬出する構成とされている。ここで、画像形成された記録シートとは、実際に画像が形成されているか否かに拘わらず、画像形成部3にて画像形成プロセスによる画像形成処理が行われた記録シートを意味する。
【0068】
具体的には、第1主搬送路51は、一端が中継ユニット50A本体の搬入口50aに接続され、かつ、他端が記録シートPを搬出する搬出口50bに接続され、搬入口50aと搬出口50bとの間で水平方向Hに沿って配設されている。搬入口50aは、中継ユニット50A本体の水平方向Hにおける一端に画像形成装置本体1の搬出口1a(
図1参照)に対向するように設けられて搬出口1aから搬出される記録シートPを搬入する搬入口である。
【0069】
第1上流側副搬送路52は、第1主搬送路51上の第1分岐部51aで分岐する構成とされている。
【0070】
具体的には、第1上流側副搬送路52は、一方のコーティング部60aよりも搬送方向Xにおける上流側に設けられた第1コーティング前搬送路52aと、一方のコーティング部60aに設けられた第1コーティング搬送路52bと、一方のコーティング部60aよりも搬送方向Xにおける下流側に設けられた第1コーティング後搬送路52cとを備えている。
【0071】
第1コーティング前搬送路52aは、一端が第1分岐部51aに臨み、かつ、他端が一方のコーティング部60a本体の搬入口50cに接続され、第1主搬送路51から90°又は略90°に垂直方向Vの下側に屈曲して垂直方向Vに延設されている。搬入口50cは、一方のコーティング部60a本体の垂直方向Vにおける上端に設けられて記録シートPを搬入する搬入口である。
【0072】
第1コーティング搬送路52bは、一端が搬入口50cとされ、かつ、他端が一方のコーティング部60a本体の搬出口50dとされ、搬入口50cと搬出口50dとの間で垂直方向Vに沿って配設されている。搬出口50dは、一方のコーティング部60a本体の垂直方向Vにおける下端に設けられて記録シートPを搬出する搬出口である。
【0073】
第1コーティング後搬送路52cは、一端が一方のコーティング部60aの搬出口50dに接続され、かつ、他端が折り返し搬送部55における下端部50eに位置し、搬出口50dと下端部50eとの間で90°又は略90°の水平方向H(
図2の例では左側)に屈曲するように配設されている。
【0074】
第2上流側副搬送路53は、第1上流側副搬送路52に連通して搬送方向Xにおいて第1主搬送路51の第1分岐部51aよりも下流側、かつ、第2分岐部71aよりも上流側の合流部51bで合流する構成とされている。
【0075】
具体的には、第2上流側副搬送路53は、他方のコーティング部60bよりも搬送方向Xにおける上流側に設けられた第2コーティング前搬送路53aと、他方のコーティング部60bに設けられた第2コーティング搬送路53bと、他方のコーティング部60bよりも搬送方向Xにおける下流側に設けられた第2コーティング後搬送路53cとを備えている。
【0076】
第2コーティング前搬送路53aは、一端が折り返し搬送部55における下端部50fに臨み、かつ、他端が他方のコーティング部60b本体の搬入口50gに接続され、下端部50fと搬入口50gとの間で90°又は略90°の垂直方向Vの上側に屈曲するように配設されている。搬入口50gは、他方のコーティング部60b本体の垂直方向Vにおける下端に設けられて記録シートPを搬入する搬入口である。
【0077】
なお、折り返し搬送部55は、第1コーティング後搬送路52cと第2コーティング前搬送路53aとで搬送方向Xに搬送される記録シートPを最下点(下端部50e,50f)で折り返す構成とされている。
【0078】
第2コーティング搬送路53bは、一端が搬入口50gとされ、かつ、他端が他方のコーティング部60b本体の搬出口50hとされ、搬入口50gと搬出口50hとの間で垂直方向Vに沿って配設されている。搬出口50hは、他方のコーティング部60b本体の垂直方向Vにおける上端に設けられて記録シートPを搬出する搬出口である。
【0079】
第2コーティング後搬送路53cは、一端が搬出口50hに接続され、かつ、他端が合流部51bに臨み、垂直方向Vに延びてその途中で合流部51b側に90°又は略90°の水平方向H(
図2の例では左側)に屈曲するように配設されている。
【0080】
第1ゲート部54は、第1分岐部51aの近傍に設けられ、画像形成装置本体1からの記録シートPの第1主搬送路51への搬送と上流側副搬送路59への搬送との間で切り替える構成とされている。
【0081】
具体的には、第1ゲート部54は、第1分岐爪54aを備えている。第1分岐爪54aは、画像形成装置本体1の搬出口1aからの記録シートPを第1主搬送路51の方に導く第1姿勢(
図2に示す姿勢)と、画像形成装置本体1の搬出口1aからの記録シートPを上流側副搬送路59に導く第2姿勢(
図1に示す姿勢)をとるように構成されている。第1ゲート部54は、後述する制御部200(後述する
図9参照)に電気的に接続されており、制御部200からの指示信号によって、第1姿勢と第2姿勢とが切り替えられるようになっている。
【0082】
本第1実施形態では、中継ユニット50Aは、複数の主搬送ローラ対56a〜56eと、二つのコーティング用レジストローラ対57a,57bと、複数の上流側副搬送ローラ対58a〜58hと、カール矯正部110(具体的にはデカーラー)とを備えている。
【0083】
主搬送ローラ対56aは、第1主搬送路51上の搬入口50aと第1分岐部51aとの間に設けられている。主搬送ローラ対56b,56cは、第1主搬送路51上の第1分岐部51aと合流部51bとの間に設けられている。主搬送ローラ対56dは、第1主搬送路51上の合流部51bと第2分岐部71aとの間に設けられている。主搬送ローラ対56eは、第1主搬送路51上の第2分岐部71aと搬出口50bとの間に設けられている。
【0084】
一方のコーティング用レジストローラ対57aは、一方のコーティング部60aよりも搬送方向Xにおける上流側の直近の位置に設けられている。他方のコーティング用レジストローラ対57bは、他方のコーティング部60bよりも搬送方向Xにおける上流側の直近の位置に設けられている。コーティング用レジストローラ対57a,57bは、回転停止状態のときに記録シートPの搬送方向Xにおける下流側端(先端)が一旦当接して記録シートPの搬送が停止した後に再度記録シートPを搬送することで記録シートPの斜め搬送を補正することができる。これにより、一対のコーティング部60a,60bは、コーティング用レジストローラ対57a,57bにて斜め搬送を抑制した状態で被膜形成タイミングを記録シートPの搬送タイミングに合わせてコーティング処理を行うことができる。
【0085】
上流側副搬送ローラ対58a,58bは、第1上流側副搬送路52上の第1分岐部51aと一方のコーティング用レジストローラ対57aとの間に設けられている。上流側副搬送ローラ対58c,58dは、第1上流側副搬送路52上の一方のコーティング部60aと下端部50eとの間に設けられている。上流側副搬送ローラ対58eは、第2上流側副搬送路53上の下端部50fと他方のコーティング用レジストローラ対57bとの間に設けられている。上流側副搬送ローラ対58f〜58hは、第2上流側副搬送路53上の他方のコーティング用レジストローラ対57bと合流部51bとの間に設けられている。
【0086】
カール矯正部110は、一方のコーティング部60aよりも搬送方向Xにおける上流側に設けられており、ここでは、上流側副搬送ローラ対58bと一方のコーティング用レジストローラ対57aとの間に設けられている。なお、カール矯正部110については、後ほど
図8を参照しながら詳述する。
【0087】
第1分岐副搬送路721は、第1主搬送路51との第2分岐部71aで分岐する構成とされている。
【0088】
具体的には、第1分岐副搬送路721は、一端が第2分岐部71aに接続され、かつ、他端が搬出口50iに接続され、第2分岐部71aと搬出口50iとの間で90°又は略90°に垂直方向Vの上側に屈曲して配設されている。
【0089】
第2ゲート部74は、第2分岐部71aの近傍に設けられ、第1主搬送路51からの記録シートPの排出ユニット90への搬送と読取ユニット70への搬送との間で切り替える構成とされている。
【0090】
具体的には、第2ゲート部74は、第2分岐爪74aを備えている。第2分岐爪74aは、主搬送ローラ対56dからの記録シートPを中継ユニット50A本体の搬出口50bの方に導く第1姿勢(
図1に示す姿勢)と、主搬送ローラ対56dからの記録シートPを第1分岐副搬送路721に導く第2姿勢(
図2に示す姿勢)をとるように構成されている。第2ゲート部74は、制御部200(
図9参照)に電気的に接続されており、制御部200からの指示信号によって、第1姿勢と第2姿勢とが切り替えられるようになっている。
【0091】
なお、
図2に示す読取ユニット70において、付している参照符号のうち、説明していない参照符号の箇所については、後述する。
【0092】
(読取ユニット)
図3は、第1実施形態に係る画像形成装置100Aにおける読取ユニット70の概略構成を示す正面図である。
【0093】
読取ユニット70は、中継ユニット50Aの垂直方向Vの上側に着脱可能とされており、中継ユニット50Aの上部(具体的には上面)に装着されるユニットとされている。
【0094】
読取ユニット70は、画像形成装置本体1における画像形成部3(
図4参照)で形成する画像に対する校正処理を行うために画像形成部3にて校正用記録シート40(
図7参照)に形成されたテストパターン41(
図7参照)を読み取る読取部80と、第2分岐副搬送路722と、第3分岐副搬送路723と、読取ユニット70の構成部材を支持する枠体70tとを備えている。
【0095】
ここで、中継ユニット50Aにおける第1分岐副搬送路721と読取ユニット70における第2分岐副搬送路722及び第3分岐副搬送路723とで、第1主搬送路51上の第2分岐部71aから搬送方向Xに交差する方向の一方側(ここでは上側)に分岐する分岐副搬送路72を構成している。そして、上流側副搬送路59と分岐副搬送路72とで副搬送路79を構成している。読取部80は、分岐副搬送路72(ここでは第2分岐副搬送路722)に設けられている。なお、読取部80の詳細については、後ほど
図8を参照しながら詳述する。
【0096】
本第1実施形態では、読取ユニット70は、分岐副搬送路72に設けられた読取部80でテストパターン41を読み取った校正用記録シート40(
図7参照)を排出するシート排出部75aをさらに備えている。シート排出部75aは、収容トレイ751を備えている。
【0097】
ここで、分岐副搬送路72は、中継ユニット50Aにおける第1主搬送路51上の第2ゲート部74からの記録シートPを搬送方向Xから折り返した方向に搬送した後さらに第1主搬送路51の搬送方向Xに戻して外部に搬出する構成とされている。すなわち、分岐副搬送路72は、側面視でS字状又は逆S字状(
図3の例では逆S字状)の形状とされている。なお、中継ユニット50Aにおける第1分岐副搬送路721と読取ユニット70における第2分岐副搬送路722とは、第1主搬送路51からの記録シートPを搬送方向Xから折り返した方向に搬送する折り返し搬送路を構成している。また、読取ユニット70における第3分岐副搬送路723は、第2分岐副搬送路722からの記録シートPを第1主搬送路51の搬送方向Xに戻して外部に排出する排出搬送路を構成している。
【0098】
本第1実施形態では、画像形成装置100Aは、読取ユニット70において、画像形成部3(
図4参照)でテストパターン41(
図7参照)を形成して画像形成部3に対する校正処理を行う場合には、校正用記録シート40に対して読取部80にてテストパターン41を読み取った後、校正用記録シート40をシート排出部75aにおける収容トレイ751に収容する。一方、通常の画像を形成する(画像形成部3に対する校正処理を行わない)場合には、中継ユニット50Aからの通常の記録シートを排出ユニット90に供給する。
【0099】
なお、画像形成部3に対する校正処理を行うか否かは、ユーザ等の操作者の選択操作或いは設定操作により画像形成装置本体1に接続される表示操作部からの指示信号によってなされるようになっている。校正処理は、例えば、プリンタドライバを実行することによって表示される選択画面によって必要に応じて適宜実行されるか、又は、定期的に(例えば予め設定した時刻或いは予め設定した時間毎に)実行されるようになっている。かかる校正処理に関し、記憶部202(
図9参照)には、シート処理(ここではコーティング処理)を行った状態での基準画像に対応する第1基準値SD1と、シート処理(ここではコーティング処理)を行わない状態での基準画像に対応する第2基準値SD2とが予め記憶されている。そして、校正用記録シート40に対してシート処理(ここではコーティング処理)を行って画像形成部3に対する校正処理を行う場合には、シート処理(ここではコーティング処理)した校正用記録シート40のテストパターン41を読み取り、読み取った読み取り値と第1基準値SD1とを比較して校正処理を行う。一方、校正用記録シート40に対してシート処理(ここではコーティング処理)を行わないで画像形成部3に対する校正処理を行う場合には、シート処理(ここではコーティング処理)していない校正用記録シート40のテストパターン41を読み取り、読み取った読み取り値と記憶部202における第2基準値SD2とを比較して校正処理を行う。
【0100】
詳しくは、第2分岐副搬送路722は、一端が中継ユニット50A本体の
搬出口50iに臨み、垂直方向Vの上側から90°又は略90°に屈曲して水平方向H(
図3の例では右側)に延設されて他端が第3分岐副搬送路723の搬入口723aに接続されている。第2分岐副搬送路722の下流側端部には、読取部80の読取搬送路72bが設けられている。
【0101】
第3分岐副搬送路723は、一端の搬入口723aから180°又は略180°に湾曲して水平方向H(
図3の例では左側)に延設されて他端の搬出口723bがシート排出部75aにおける収容トレイ751の上部に臨むように配設されている。
【0102】
本第1実施形態では、読取ユニット70は、読取用レジストローラ対77と、カール矯正部110と、1又は複数(ここでは3つ)の分岐副搬送ローラ対78a〜78cと、排出ローラ対78dとを備えている。
【0103】
読取用レジストローラ対77は、読取部80よりも搬送方向Xにおける上流側の直近の位置に設けられている。読取用レジストローラ対77は、回転停止状態のときに校正用記録シート40(
図7参照)の搬送方向Xにおける下流側端(先端)が一旦当接して校正用記録シート40の搬送が停止した後に校正用記録シート40を再度搬送することで校正用記録シート40の斜め搬送を補正することができる。これにより、読取部80は、読取用レジストローラ対77にて斜め搬送を抑制した状態で読取部80によるテストパターン41の読取タイミングを校正用記録シート40の搬送タイミングに合わせてテストパターン41の読み取りを行うことができる。
【0104】
カール矯正部110は、読取部80よりも搬送方向Xにおける上流側に設けられており、ここでは、分岐副搬送ローラ対78aと読取用レジストローラ対77との間に設けられている。なお、カール矯正部110については、後ほど
図8を参照しながら詳述する。
【0105】
分岐副搬送ローラ対78aは、搬送方向Xにおいて第2分岐副搬送路722の搬入口722aの下流側近傍に設けられている。
【0106】
分岐副搬送ローラ対78b,78cは、第3分岐副搬送路723上の搬入口723aと搬出口723bとの間に設けられている。排出ローラ対78dは、搬送方向Xにおいて第3分岐副搬送路723の搬出口723bの上流側近傍に設けられている。
【0107】
シート排出部75aは、第3分岐副搬送路723の搬出口723bの下方に設けられている。これにより、利用者にとって不要な校正用記録シート40を排出収容部95(
図1参照)とは別に設けられた収容トレイ751に確実に載置することができる。シート排出部75aに備えられる収容トレイ751は、読取部80の上方に配設され、枠体70tの上部に設けられている。収容トレイ751は、搬出口723bから外部に排出される校正用記録シート40を載置するように、搬送方向Xの下流側が搬出口723bよりも上に、かつ、上流側が搬出口723bよりも下になるように傾斜した構成とされている。
【0108】
本第1実施形態では、処理ユニット300Aは、上面(平面)から視て中継ユニット50Aの床G(
図1参照)に対する投影面積と読取ユニット70の床Gに対する投影面積とは同じ又は略同じである。換言すれば、中継ユニット50Aと読取ユニット70とが重なり合う面積と、中継ユニット50Aの面積と、読取ユニット70の面積とが同じ又は略同じである。また、シート排出部75aは、上面(平面)から視て読取ユニット70の床Gに対する投影領域内に配設されている。換言すれば、読取ユニット70は、上面(平面)から視てシート排出部75a内に収まっている。
【0109】
(排出ユニット)
図1に示すように、排出ユニット90は、中継ユニット50Aの水平方向Hの一方側(
図1の例では左側)に着脱可能とされており、中継ユニット50Aからの記録シートPを外部へ排出する排出部93と、排出部93にて排出した記録シートPを収容する排出収容部95とを備えている。
【0110】
詳しくは、排出部93は、第2主搬送路91と、1又は複数の(ここでは1つの)第3副搬送路92と、第3ゲート部94と、排出部93の構成部材を支持する枠体90Fとを備えている。排出収容部95は、複数の排出トレイ(ここでは第1排出トレイ95a及び第2排出トレイ95b)を備えている。
【0111】
第2主搬送路91は、中継ユニット50A
本体の搬出口5
0bから搬出された記録シートPを搬送方向Xに搬送して外部に搬出する構成とされている。
【0112】
具体的には、第2主搬送路91は、一端が排出ユニット90本体の搬入口90aに接続され、かつ、他端が記録シートPを搬出する一方の搬出口90bに接続され、搬入口90aと一方の搬出口90bとの間で水平方向Hに沿って配設されている。搬入口90aは、排出ユニット90本体の水平方向Hにおける一端に中継ユニット50A本体の搬出口50bに対向するように設けられて搬出口50bから搬出される記録シートPを搬入する搬入口である。
【0113】
第3副搬送路92は、第2主搬送路91上の第3分岐部91aで分岐する構成とされている。
【0114】
具体的には、第3副搬送路92は、一端が第3分岐部91aに臨み、かつ、他端が一方の搬出口90bよりも垂直方向Vの下方で記録シートPを搬出する他方の搬出口90cに接続され、第3分岐部91aと他方の搬出口90cとの間で90°又は略90°の水平方向H(
図2の例では左側)に屈曲するように配設されている。
【0115】
第3ゲート部94は、第3分岐部91aの近傍に設けられ、中継ユニット50Aからの記録シートPの第2主搬送路91への搬送と第3副搬送路92への搬送との間で切り替える構成とされている。
【0116】
具体的には、第3ゲート部94は、第3分岐爪94aを備えている。第3分岐爪94aは、中継ユニット50A本体の搬出口50bからの記録シートPを第2主搬送路91の方に導く第1姿勢と、中継ユニット50A本体の搬出口50bからの記録シートPを第3副搬送路92に導く第2姿勢(
図1に示す姿勢)をとるように構成されている。第3ゲート部94は、制御部200(
図9参照)に電気的に接続されており、制御部200からの指示信号によって、第1姿勢と第2姿勢とが切り替えられるようになっている。
【0117】
第1排出トレイ95aは、排出ユニット90本体の一方の搬出口90bから排出された記録シートPを収容する。第2排出トレイ95bは、排出ユニット90本体の他方の搬出口90cから排出された記録シートPを収容する。
【0118】
本第1実施形態では、排出ユニット90は、複数の主搬送ローラ対96a,96bと、排出ローラ対96cと、副搬送ローラ対98aと、排出ローラ対98bとを備えている。
【0119】
主搬送ローラ対96a,96bは、第2主搬送路91上の搬入口90aと第3分岐部91aとの間に設けられている。排出ローラ対96cは、搬送方向Xおいて一方の搬出口90bの上流側近傍に設けられている。
【0120】
副搬送ローラ対98aは、第3副搬送路92上の第3分岐部91aと他方の搬出口90cとの間に設けられている。排出ローラ対98bは、搬送方向Xおいて他方の搬出口90cの上流側近傍に設けられている。
【0121】
ここで、校正用記録シート40は、読取ユニット70におけるシート排出部75aに収容されるため、排出ユニット90は、通常の記録シートPを排出する。
【0122】
以上説明した画像形成装置100Aでは、次のように動作する。なお、以下の動作において、コーティング処理を施していない通常の記録シートPは第1排出トレイ95aに排出させ、コーティング処理を施した通常の記録シートPは第2排出トレイ95bに排出させる場合を例にとって説明する。
【0123】
(コーティング処理も校正処理もしない画像形成処理)
記録シートPに対して通常の画像を形成し、かつ、コーティング処理も校正処理も行わない場合には、第1分岐爪54a、第2分岐爪74a及び第3分岐爪94aを第1姿勢に切り替えて、画像形成装置本体1の搬出口1aからの通常の記録シートPを第1主搬送路51→第2主搬送路91(最短ルート)の順に搬送させて第1排出トレイ95aに排出する。
【0124】
(コーティング処理するが校正処理しない画像形成処理)
記録シートPに対して通常の画像を形成し、かつ、コーティング処理を行うが校正処理を行わない場合には、第1分岐爪54a及び第3分岐爪94aを第2姿勢に切り替える一方、第2分岐爪74aを第1姿勢に切り替えて、画像形成装置本体1の搬出口1aからの通常の記録シートPを第1主搬送路51→第1上流側副搬送路52(第1コーティング前搬送路52a→一方のコーティング部60aの第1コーティング搬送路52b→第1コーティング後搬送路52c)→第2上流側副搬送路53(第2コーティング前搬送路53a→他方のコーティング部60bの第2コーティング搬送路53b→第2コーティング後搬送路53c)→第1主搬送路51→第2主搬送路91の順に搬送させて第2排出トレイ95bに排出する。
【0125】
(コーティング処理しないが校正処理する画像形成処理)
記録シートPに対してテストパターン41を形成し、かつ、コーティング処理を行わないが校正処理を行う場合には、第2分岐爪74aを第2姿勢に切り替える一方、第1分岐爪54aを第1姿勢に切り替えて、画像形成装置本体1の搬出口1aからの校正用記録シート40を第1主搬送路51→分岐副搬送路72(第1分岐副搬送路721→読取部80の第2分岐副搬送路722→第3分岐副搬送路723)→シート排出部75aの順に搬送させて収容トレイ751に収容する。
【0126】
(コーティング処理も校正処理もする画像形成処理)
記録シートPに対してテストパターン41を形成し、かつ、コーティング処理も校正処理も行う場合には、第1分岐爪54a及び第2分岐爪74aを第2姿勢に切り替えて、画像形成装置本体1の搬出口1aからの校正用記録シート40を第1主搬送路51→第1上流側副搬送路52(第1コーティング前搬送路52a→一方のコーティング部60aの第1コーティング搬送路52b→第1コーティング後搬送路52c)→第2上流側副搬送路53(第2コーティング前搬送路53a→他方のコーティング部60bの第2コーティング搬送路53b→第2コーティング後搬送路53c)→第1主搬送路51→分岐副搬送路72(第1分岐副搬送路721→読取部80の第2分岐副搬送路722→第3分岐副搬送路723)→シート排出部75aの順に搬送させて収容トレイ751に収容する。
【0127】
(画像形成装置本体)
次に、本第1実施形態に係る画像形成装置100Aの画像形成装置本体1の詳細について、以下に説明する。
【0128】
図4は、
図1に示す画像形成装置100Aの画像形成装置本体1の概略構成を示す正面図である。
【0129】
画像形成装置本体1は、例えば、スキャナ機能、ファクシミリ機能及びプリンタ機能を有する複合機である。画像形成装置本体1は、原稿の画像を読み取る画像読取装置2と、画像読取装置2により読み取られた画像データに基づいて画像を形成する画像形成部3とを備えている。
【0130】
画像読取装置2は、画像読取部20と、画像読取部20に対して開閉可能に取り付けられた原稿送り装置30とを含んでいる。
【0131】
画像読取部20は、原稿固定方式による読み取りと、原稿移動方式による読み取りとを行う構成とされている。画像読取部20は、原稿台ガラス21と、原稿読取ガラス22と、光源ユニット23と、ミラーユニット24と、撮像部25とを備えている。
【0132】
原稿台ガラス21は、原稿の最大サイズよりも大きい透明なガラス板である。原稿読取ガラス22は、主走査方向に長い透明なガラス板とされている。
【0133】
光源ユニット23は、原稿へ向けて光を照射する光源23aと、原稿からの反射光をミラーユニット24へ導くミラー23bとを有している。光源ユニット23は、搬送方向Y1(副走査方向)に移動する構成とされている。光源23aは、主走査方向において間隔を隔てて配置される複数のLED(Light Emitting Diode:発光ダイオード)により構成されている。
【0134】
ミラーユニット24は、ミラー24aとミラー24bとを有している。ミラーユニット24は、光源ユニット23の移動速度の1/2の移動速度で、搬送方向Y1に移動する構成とされている。ミラー24aは、光源ユニット23のミラー23bからの反射光をミラー24bへと導くことができるように設けられている。ミラー24bは、ミラー24aからの反射光を撮像部25へと導くことができるように設けられている。
【0135】
撮像部25は、集光レンズやCCD(Charge Coupled Device:電荷結合素子)を有している。撮像部25は、ミラーユニット24のミラー24bからの反射光を、集光レンズを介してCCDの受光面に結像することにより、原稿の画像を撮像する構成とされている。
【0136】
画像読取部20では、原稿固定方式による読取時に、光源ユニット23及びミラーユニット24を搬送方向Y1に移動させながら、光源23aから光が出射される。このとき、光源23aから出射される光は、原稿台ガラス21を介して原稿台ガラス21上に載置される原稿に照射される。そして、原稿からの反射光は、原稿台ガラス21、光源ユニット23のミラー23b、並びに、ミラーユニット24のミラー24a及びミラー24bを介して撮像部25に入射される。これにより、画像読取部20は、原稿台ガラス21上に固定的に配置された原稿の画像を読み取ることが可能である。
【0137】
また、画像読取部20では、原稿移動方式による読取時に、光源ユニット23を読取位置(
図4に示す位置)に停止させた状態で、光源23aから光が出射される。このとき、光源23aから出射される光は、原稿読取ガラス22を介して、原稿送り装置30により原稿読取ガラス22上を搬送方向Y1に搬送される原稿に照射される。そして、原稿からの反射光は、原稿読取ガラス22、光源ユニット23のミラー23b並びにミラーユニット24のミラー24a及びミラー24bを介して撮像部25に入射される。これにより、画像読取部20は、原稿送り装置30により原稿読取ガラス22上を搬送される原稿の画像を読み取ることができる。
【0138】
原稿送り装置30は、原稿が載置される原稿トレイ31と、原稿が排出される排出トレイ32と、原稿トレイ31に載置される原稿を排出トレイ32へ搬送するための搬送路33aと、読取位置を通過した原稿を読取位置よりも上流側へと戻すための搬送路33bとを含んでいる。
【0139】
原稿トレイ31には、原稿がフェイスアップで載置されている。原稿トレイ31の近傍には、ピックアップローラ34が設けられている。ピックアップローラ34は、原稿トレイ31に載置された原稿を上から順に原稿送り装置30の搬送路33aに取り込むことができるように設けられている。
【0140】
ピックアップローラ34の近傍には、第1分離ローラ35a及び第2分離ローラ35bが設けられている。第1分離ローラ35a及び第2分離ローラ35bは、複数の原稿が重なった状態で搬送路33aへ搬送されること(重送)を防止するために設けられている。
【0141】
排出トレイ32は、原稿トレイ31の下方に配置され、原稿がフェイスダウンで排出される。搬送路33aは、正面から見てU字状に形成されている。搬送路33aには、搬送ローラ36と排出ローラ37とが設けられている。
【0142】
原稿送り装置30では、ピックアップローラ34により、原稿トレイ31に載置される原稿が原稿トレイ31から搬送方向Y2に搬送される。そして、原稿トレイ31から搬送された原稿は第1分離ローラ35a及び第2分離ローラ35bにより分離され、これにより、1枚ずつ搬送路33aに搬送され、搬送ローラ36を経て読取位置を通過する。読取位置を通過した原稿は、ここで画像読取部20により表面の画像が読み取られる。
【0143】
そして、原稿の表面のみが読み取られる場合には、排出ローラ37により原稿が排出トレイ32へ排出される。その一方、原稿の両面が読み取られる場合には、原稿が搬送路33bを介して読取位置の上流側へ搬送される。これにより、画像読取部20により原稿の裏面の画像が読み取られる。なお、原稿の両面が読み取られる場合には、両面の画像が読み取られた原稿が再び搬送路33bを介して読取位置の上流側へ搬送される。その後、排出ローラ37により原稿が排出トレイ32へ排出される。これにより、原稿がフェイスダウンで排出される。
【0144】
画像形成部3は、感光体ドラム4a,4b,4c,4dと、帯電器5a,5b,5c,5bと、露光装置6と、現像装置7a,7b,7c,7dと、クリーナ装置8a,8b,8c,8dと、中間転写ローラ9a,9b,9c,9dを有する中間転写ベルト装置9と、2次転写装置10と、定着装置11と、供給部として作用する給紙トレイ12a及び手差し給紙トレイ12bと、排出部として作用する排出トレイ13と、シート搬送装置14と、中継搬送ユニット15とを備えている。
【0145】
画像形成部3は、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色を用いたカラー画像と、単色(たとえば、ブラック)を用いたモノクロ画像とを形成する構成とされている。
【0146】
具体的には、画像形成部3は、ブラックを形成する画像形成ステーションが、感光体ドラム4aと、帯電器5aと、現像装置7aと、クリーナ装置8aと、中間転写ローラ9aとにより構成されている。また、画像形成部3は、シアンを形成する画像形成ステーションが、感光体ドラム4bと、帯電器5bと、現像装置7bと、クリーナ装置8bと、中間転写ローラ9bとにより構成されている。また、画像形成部3は、マゼンタを形成する画像形成ステーションが、感光体ドラム4cと、帯電器5cと、現像装置7cと、クリーナ装置8cと、中間転写ローラ9cとにより構成されている。また、画像形成部3は、イエローを形成する画像形成ステーションが、感光体ドラム4dと、帯電器5dと、現像装置7dと、クリーナ装置8dと、中間転写ローラ9dとにより構成されている。
【0147】
感光体ドラム4a,4b,4c,4dは、表面に光感光層を有している。帯電器5a,5b,5c,5bは、感光体ドラム4a,4b,4c,4dの表面を所定の電位に均一に帯電させるために高電圧を印加する。
【0148】
露光装置6は、例えば、レーザダイオード及び反射ミラーを含むレーザスキャニングユニット(LSU)であり、一様に帯電された感光体ドラム4a,4b,4c,4dの表面を画像データに応じて露光して、その表面に画像データに応じた静電潜像を形成する。
【0149】
現像装置7a,7b,7c,7dは、感光体ドラム4a,4b,4c,4d上に形成された静電潜像をK、C、M、Yのトナーにより現像する。クリーナ装置8a,8b,8c,8dは、現像及び画像転写後に記録シートPに転写されるに感光体ドラム4a,4b,4c,4dの表面に残留したトナーを除去及び回収する。
【0150】
中間転写ベルト装置9は、感光体ドラム4a,4b,4c,4dの上方に配置されており、中間転写ベルト9eと、中間転写ベルト駆動ローラ9fと、従動ローラ9gと、テンションローラ9hと、中間転写ベルトクリーニング装置9iとを備えている。
【0151】
中間転写ベルト9eは、厚さ100μm〜150μm程度のフィルムを用いて無端ベルト状に形成されている。中間転写ローラ9a,9b,9c,9d、中間転写ベルト駆動ローラ9f、従動ローラ9g及びテンションローラ9hは、中間転写ベルト9eを張架して支持し、中間転写ベルト9eを周回方向Cに移動させる。
【0152】
中間転写ローラ9a,9b,9c,9dは、中間転写ベルト9eの内側に回転可能に支持され、中間転写ベルト9eを介して感光体ドラム4a,4b,4c,4dに圧接されている。
【0153】
中間転写ベルト9eは、感光体ドラム4a,4b,4c,4dに接触するように設けられている。中間転写ベルト9eには、感光体ドラム4a,4b,4c,4dの表面のトナー像が順次重ねて転写されることにより、カラーのトナー像(各色のトナー像)が形成される。
【0154】
感光体ドラム4a,4b,4c,4dから中間転写ベルト9eへのトナー像の転写は、中間転写ベルト9eの内側(裏面)に圧接されている中間転写ローラ9a,9b,9c,9dによって行われる。中間転写ローラ9a,9b,9c,9dには、トナー像を転写するために高電圧の転写バイアス(トナーの帯電極性(一)とは逆極性(+)の高電圧)が印加される。
【0155】
2次転写装置10は、中間転写ベルト9eと接触する転写ローラ10aを有している。転写ローラ10aは、中間転写ベルト駆動ローラ9fと隣接するように、中間転写ベルト9eの外側に配置されている。中間転写ベルト9eと転写ローラ10aとは、相互に圧接されてニップ域を形成する。また、2次転写装置10の転写ローラ10aには、中間転写ベルト9e上の各色のトナー像を記録シートPに転写させるための電圧(たとえば、トナーの帯電極性(一)とは逆極性(+)の高電圧)が印加される。
【0156】
画像形成装置本体1において、感光体ドラム4a,4b,4c,4dの表面に形成されたトナー像は、中間転写ベルト9eで積層され、画像データに応じたカラーのトナー像とされる。こうして積層された各色のトナー像は、中間転写ベルト9eと共に搬送され、2次転写装置10によって記録シートP上に転写される。
【0157】
また、中間転写ベルトクリーニング装置9iは、中間転写ベルト9e上のトナー像が2次転写装置10によって記録シートP上に完全に転写されずに中間転写ベルト9e上に残留した残留トナーを除去及び回収する。中間転写ベルトクリーニング装置9iは、例えば、従動ローラ9g側に押圧された状態で中間転写ベルト9eに接触するクリーニングブレードを有しており、このクリーニングブレードにより残留トナーを除去及び回収する。
【0158】
定着装置11は、記録シートPを挟み込んで搬送するヒートローラ11a及び加圧ローラ11bを有している。ヒートローラ11aは、所定の定着温度となるように温度制御され、加圧ローラ11bと共に記録シートPを定着ニップ部で熱圧着することにより、記録シートPに転写されたトナー像を溶融、混合、圧接し、記録シートPに対して熱定着させる機能を有している。また、定着装置11には、ヒートローラ11aを外部から加熱するための外部加熱ベルト11cが設けられている。
【0159】
給紙トレイ12aは、記録シートPを格納しておくためのトレイであり、手差し給紙トレイ12bは、記録シートPが載置されるトレイである。排出トレイ13は、中継搬送ユニット15が取り外されている場合に、印刷済みの記録シートPをフェイスダウンで載置するためのトレイである。中継搬送ユニット15は、画像形成装置本体1に対して着脱可能にとされている。中継搬送ユニット15は、搬送方向Xに沿って順に設けられた複数の搬送ローラ15a,15b,15cを有しており、排出ローラ14gから排出される記録シートPを中継ユニット50Aへ搬送する構成とされている。
【0160】
シート搬送装置14は、記録シートPを給紙トレイ12a又は手差し給紙トレイ12bから2次転写装置10や定着装置11を経由させて中継搬送ユニット15又は排出トレイ13(ここでは中継搬送ユニット15)に送ることができるように設けられている。シート搬送装置14では、給紙トレイ12aからシート搬送路Sに沿って、ピックアップローラ14a、第1分離ローラ14b、第2分離ローラ14c、搬送ローラ14d、レジスト前ローラ対14e、レジストローラ対14f及び排出ローラ14gが配設されている。
【0161】
ピックアップローラ14aは、給紙トレイ12aの近傍に設けられており、給紙トレイ12aから記録シートPを1枚ずつシート搬送路Sに供給する呼び込みローラである。第1分離ローラ14bは、第2分離ローラ14cとの間に記録シートPを通過させることにより、記録シートPを1枚ずつ分離してシート搬送路Sへと搬送する。
【0162】
また、手差し給紙トレイ12bの近傍には、ピックアップローラ14iが設けられている。ピックアップローラ14iは、手差し給紙トレイ12bから記録シートPを1枚ずつシート搬送路Sに供給する呼び込みローラである。
【0163】
搬送ローラ14d及びレジスト前ローラ対14eは、記録シートPの搬送を促進補助するための小型のローラである。なお、
図4では、簡略化のために、搬送ローラ14dを1個だけ示したが、実際には、搬送ローラ14dは、シート搬送路Sに沿って複数箇所に設けられている。
【0164】
レジスト前ローラ対14eは、レジストローラ対14fよりも搬送方向上流側の直近の位置に設けられており、記録シートPをレジストローラ対14fへと搬送する。レジストローラ対14fは、レジスト前ローラ対14eから搬送されてきた記録シートPを一旦停止させて、記録シートPの先端を揃え、中間転写ベルト9eと転写ローラ10aとの間のニップ域で中間転写ベルト9e上のカラーのトナー像が記録シートPに転写されるように、中間転写ベルト9eの回転にあわせて、記録シートPをタイミングよく搬送する。
【0165】
トナー像が転写された記録シートPは、ヒートローラ11a及び加圧ローラ11bにより、トナー像が記録シートPに定着されながら搬送される。各色のトナー像が定着された記録シートPは、排出ローラ14gによって中継搬送ユニット15に排出される。中継搬送ユニット15に排出された記録シートPは、搬送ローラ15a,15b,15cにより中継ユニット50Aへ搬送される。
【0166】
本第1実施形態では、画像形成を行うときの記録シートPの搬送速度(以下、プロセス速度という。)は、具体的には、330mm/sとされている。記録シートPの搬送方向Xにおける上流側端(後端)が定着装置11を通過した後(具体的には、定着ニップ部よりも搬送方向Xにおける下流側近傍に設けられた図示しない検知部(具体的にはセンサ)による記録シートPの後端検知後)の記録シートPの搬送速度(以下、単に搬送速度という。)は、プロセス速度よりも速い速度であり、具体的には、627mm/sとされている。すなわち、画像形成装置100Aは、定着装置11を通過した後の記録シートPが中継搬送ユニット15、第1主搬送路51、第2主搬送路91及び排出ユニット90において627mm/sで搬送されるようになっている。
【0167】
なお、4つの画像形成ステーションのうち少なくとも一つを用いて、モノクロ画像を形成し、モノクロ画像を中間転写ベルト装置9の中間転写ベルト9eに転写することも可能である。このモノクロ画像も、カラー画像と同様に、中間転写ベルト9eから記録シートPに転写され、記録シートP上に定着される。
【0168】
また、記録シートPの表(オモテ)面だけではなく、両面の画像形成を行う場合は、記録シートPの表面の画像を定着装置11により定着した後に、記録シートPをシート搬送路Sの排出ローラ14gにより搬送する途中で、排出ローラ14gを停止させてから逆回転させ、搬送ローラ14hにより記録シートPを表裏反転経路Srに通して、記録シートPの表裏を反転させてから、記録シートPを再びレジストローラ対14fへと導き、記録シートPの表面と同様に、記録シートPの裏面にトナー像を転写して定着し、記録シートPを中継搬送ユニット15に排出する。
【0169】
画像形成装置本体1は、通常の画像形成が行われる場合に、画像読取装置2により読み取られた画像を画像形成部3により記録シートPに形成する。そして、通常の画像が形成された記録シートP(通常の記録シート)が中継搬送ユニット15を介して中継ユニット50Aへ供給される。
【0170】
また、画像形成装置本体1は、校正処理が行われる場合に、画像形成部3によりテストパターン41(
図7参照)を記録シートPに形成する。そして、テストパターン41が形成された記録シートP(校正用記録シート40)が中継搬送ユニット15を介して中継ユニット50Aへ供給される。
【0171】
(コーティング部)
次に、画像形成された記録シートP上に透明樹脂材料F2(後述する
図5(a)参照)を被着させるコーティング部60(60a,60b)について以下に説明する。
【0172】
図5は、
図1及び
図2に示す一対のコーティング部60a,60bを説明するための図である。
図5(a)は、一対のコーティング部60a,60bに設けられるコーティング用フィルムFの概略構成を示す断面図である。
図5(b)は、一対のコーティング部60a,60bの概略構成を示す正面図である。なお、一方のコーティング部60a及び他方のコーティング部60bは、搬送方向Xに(具体的には上下に)反転させた構成である以外は、実質的に同一の構成とされているため、
図5(b)では、一方のコーティング部60aの構成に代表させて示している。
【0173】
コーティング部60(60a,60b)は、ここでは、画像形成された記録シートP上に透明樹脂材料F2を被着させる処理を行う構成とされており、従来の熱転写プリンタと同様の構成で記録シートP上に透明樹脂材料F2を被着させるようになっている(
図5(a)参照)。
【0174】
透明樹脂材料F2は、
図5(a)に示すように、フィルム基材F1上に積層された離型層Faと、離型層Fa上に積層されたコーティング層Fbと、コーティング層Fb上に積層された接着層Fcとからなっている。フィルム基材F1は、所定厚さ(具体的には4.5μm)のPET(ポリエチレンテレフタレート)樹脂からなる透明の層である。離型層Faは、アクリル樹脂からなる透明の層であり、フィルム基材F1とコーティング層Fbとを離型させる機能を有している。コーティング層Fbは、所定厚さ(具体的には0.5μm)のスチレン樹脂からなる透明の層であり、コーティングの主材料とされている。接着層Fcは、所定厚さ(具体的には0.4μm〜0.6μm)のポリアミド樹脂(ここでは溶着温度120℃の樹脂材料)からなる透明の層であり、コーティングの際に記録シートPとコーティング層Fbとを接着させる機能を有している。
【0175】
図5(b)に示すように、コーティング部60(60a,60b)は、カートリッジ収容部61と、カートリッジ駆動部62と、ヘッド部63と、ヘッド駆動部64と、搬送部65とを備えている。
【0176】
カートリッジ収容部61は、フィルムカートリッジ66を着脱自在に収容する構成とされている。例えば、カートリッジ収容部61は、ユーザ等の操作者によってフィルムカートリッジ66を簡単に装着及び離脱することができるようになっている。
【0177】
フィルムカートリッジ66は、巻き付けリール66aと、巻き取りリール66bと、カートリッジケース66cとを有している。
【0178】
巻き付けリール66aは、フィルム基材F1の上に透明樹脂材料F2を被着したコーティング用フィルムFが巻き付けられた構成とされている。巻き取りリール66bは、巻き付けリール66aに巻き付けられたコーティング用フィルムFにおける透明樹脂材料F2が第1コーティング搬送路52b又は第2コーティング搬送路53bに搬送される記録シートPに転写された後のフィルム基材F1を巻き取る構成とされている。カートリッジケース66cは、巻き付けリール66a及び巻き取りリール66bを収容する構成とされている。なお、コーティング用フィルムFの幅方向におけるサイズは、最大サイズの記録シートPの幅方向におけるサイズよりも大きいサイズとされている。
【0179】
カートリッジ駆動部62は、巻き付けリール66aに巻き付けられたコーティング用フィルムFを搬送方向Xに移動するように透明樹脂材料F2の転写後のフィルム基材F1を巻き取る巻き取りリール66bを一定の回転方向(
図5(b)中矢印E方向)に回転駆動する構成とされている。
【0180】
詳しくは、カートリッジ駆動部62は、駆動回転部621と、従動回転部622とを備えている。駆動回転部621は、駆動回転軸621aを有し、駆動回転軸621aが巻き取りリール66bに係合して巻き取りリール66bを回転方向Eに回転駆動するようになっている。従動回転部622は、従動回転軸622aを有し、従動回転軸622aが巻き付けリール66aに係合して巻き取りリール66bの回転に対し回転し過ぎないように巻き付けリール66aの回転方向Eへの回転に対し負荷(予め設定した一定の負荷)をかけるようになっている
なお、駆動回転部621は、制御部200(
図9参照)に電気的に接続されており、制御部200からの指示信号によって、巻き取りリール66bを回転させるようになっている。
【0181】
ヘッド部63は、第1コーティング搬送路52b又は第2コーティング搬送路53bに搬送される記録シートPの画像形成面に対して接触する接触位置と、少なくとも接触位置から離間する退避位置との間で往復移動自在とされ、接触位置に位置しているときにコーティング用フィルムFに対してフィルム基材F1の方から加熱する構成とされている。なお、ヘッド部63の幅方向におけるサイズは、コーティング用フィルムFの幅方向におけるサイズよりも大きいか或いは等しいサイズとされている。
【0182】
詳しくは、ヘッド部63は、加熱ヒータ部631と、ヒータ支持部632とを有している。
【0183】
加熱ヒータ部631は、コーティング用フィルムFに対してフィルム基材F1の方から加熱する加熱ヒータ631a(
図9参照)を含んでいる。ヒータ支持部632は、加熱ヒータ部631を支持し、接触位置と退避位置との間で移動自在に摺動するスライド機構632aを含んでいる。
【0184】
なお、加熱ヒータ631aは、制御部200(
図9参照)に接続されており、制御部200からの指示信号によって、通電されることで発熱するようになっている。
【0185】
ヘッド駆動部64は、押圧部材641と、付勢部材642と、カム機構643と、カム駆動部644とを含んでいる。
【0186】
押圧部材641は、第1コーティング搬送路52b又は第2コーティング搬送路53b上においてヘッド部63とは反対側の加熱ヒータ部631に対応する位置に配設されている。押圧部材641は、ここでは押圧ローラとされており、第1コーティング搬送路52b又は第2コーティング搬送路53bに搬送されて加熱ヒータ部631との間に挟持される記録シートPの搬送方向Xの搬送に伴って従動回転するようになっている。付勢部材642は、ヒータ支持部632を接触位置(押圧部材641)の方に付勢するようになっている。付勢部材642は、ここでは巻きバネとされており、一端がヒータ支持部632に接続され、かつ、他端がコーティング部60(60a,60b)の本体フレームFLに接続されている。カム機構643は、カム部643aを有し、カム部643aの回転によって付勢部材642にて接触位置の方に付勢されたヒータ支持部632を付勢部材642の付勢力に抗して退避位置に移動させるようになっている。カム駆動部644は、カム機構643におけるカム部643aを回転駆動するようになっている。
【0187】
なお、カム駆動部644は、制御部200(
図9参照)に電気的に接続されており、制御部200からの指示信号によって、カム部643aを回転させるようになっている。
【0188】
搬送部65は、コーティング搬送ローラ対651と、重合部材652と、圧着部材653とを含んでいる。
【0189】
コーティング搬送ローラ対651は、第1コーティング搬送路52b又は第2コーティング搬送路53b上において押圧部材641よりも搬送方向Xにおける上流側に配設されており、コーティング処理される前の記録シートPを搬送するようになっている。重合部材652は、第1コーティング搬送路52b又は第2コーティング搬送路53b上のコーティング搬送ローラ対651と押圧部材641との間においてフィルムカートリッジ66に配設されている。重合部材652は、コーティング用フィルムFの透明樹脂材料F2の被着面と記録シートPの画像形成面とを重合させる重合ローラとされている。圧着部材653は、第1コーティング搬送路52b又は第2コーティング搬送路53b上において押圧部材641よりも搬送方向Xにおける下流側に配設されており、加熱ヒータ部631によって透明樹脂材料F2を被着した記録シートPを両側から挟持するようになっている。これにより、記録シートPに被着した透明樹脂材料F2を記録シートPに密着させることができる。圧着部材653は、ここでは、押さえローラ対とされている。圧着部材653が押さえローラ対とされている場合、記録シートPに被着した透明樹脂材料F2を記録シートPに密着させる密着機能に加えて、記録シートPを搬送する搬送機能も兼ねている。
【0190】
本第1実施形態では、コーティング処理を行うときの記録シートPの搬送速度(以下、コーティング処理速度ということがある。)は、記録シートPのプロセス速度(具体的には330mm/s)と同じ速度或いはそれ以下の速度とされる。
【0191】
以上説明したコーティング部60(60a,60b)では、コーティング搬送ローラ対651にて第1コーティング搬送路52b又は第2コーティング搬送路53bに搬送された記録シートPは、巻き付けリール65aからのコーティング用フィルムFに重合部材652によって重合され、押圧部材641へ移行する。このとき、ヘッド部63では、加熱ヒータ部631がヘッド駆動部64によって接触位置に配置されており、発熱状態となっている。ヘッド部63に到達した記録シートPは、加熱ヒータ部631によってコーティング用フィルムFをフィルム基材F1の方から押圧部材641へ押しつけられ、押圧部材641と加熱ヒータ部631との間でコーティング用フィルムF上の透明樹脂材料F2が被着(転写)される。透明樹脂材料F2が被着された記録シートPは、さらに圧着部材653に移行し、ここで透明樹脂材料F2が記録シートPに密着される。
【0192】
なお、本第1実施形態では、記録シートP上に透明樹脂材料F2を被着させるようにしたが、
図4に示す画像形成部3の一画像形成ステーションのような構成として、透明トナーを被着させるようにしてもよい。
【0193】
(コーティング部の着脱構成)
本第1実施形態では、中継ユニット50Aにおいて、一対のコーティング部60a,60bのうち少なくとも一方のコーティング部60aは、中継ユニット50A本体に対して着脱可能な構造とされている。
【0194】
図6は、一対のコーティング部60a,60bの双方が中継ユニット50A本体に対して着脱する構成を模式的に表した概略斜視図である。
【0195】
図6に示すように、中継ユニット50Aは、格納部591と、スライド部592とを備えている。
【0196】
格納部591は、一対のコーティング部60a,60bを格納する構成とされており、一方のコーティング部60aを格納する第1格納室591aと、他方のコーティング部60bを格納する第2格納室591bとを有している。第1格納室591aは、一方のコーティング部60aを格納して保持する(具体的にはビスで取り付ける)ようになっている。第2格納室591bは、他方のコーティング部60bを格納して保持する(具体的にはビスで取り付ける)ようになっている。
【0197】
スライド部592は、格納部591を搬送方向Xと直交する記録シートPの幅方向Wに往復移動自在とされており、格納部591を一方のコーティング部60a側で支持する第1スライド機構592aと、格納部591を他方のコーティング部60b側で支持する第2スライド機構592bとを有している。第1スライド機構592aは、幅方向Wに摺動する一対のスライド部材を有し、一方のスライド部材が中継ユニット50Aにおける枠体50tの一方のコーティング部60a側に取り付けられ、かつ、他方のスライド部材が格納部591の一方のコーティング部60a側に取り付けられている。第2スライド機構592bは、幅方向Wに摺動する一対のスライド部材を有し、一方のスライド部材が中継ユニット50Aにおける枠体50tの他方のコーティング部60b側に取り付けられ、かつ、他方のスライド部材が格納部591の他方のコーティング部60b側に取り付けられている。
【0198】
(読取部)
次に、画像形成部3で形成する画像に対する校正処理を行うにあたり、分岐副搬送路72に搬送される校正用記録シート40におけるテストパターン41を読み取る読取部80について以下に説明する。
【0199】
図7は、
図4に示す画像形成装置本体1にて形成された校正用記録シート40の一例を示す平面図である。
【0200】
画像形成装置100Aは、画像形成装置本体1において、校正処理モード時(画像形成時の出力の校正処理が行われる場合)に、画像形成部3によりテストパターン41を記録シートPに形成し、校正用記録シート40を、中継搬送ユニット15及び中継ユニット50Aを介して読取ユニット70へ供給する。
【0201】
ここで、校正用記録シート40に形成されたテストパターン41は、階調が幅方向Wに段階的に変化するように所定の間隔で形成されたブラック(K)の画像41aと、階調が幅方向Wに段階的に変化するように所定の間隔で形成されたシアン(C)の画像41bと、階調が幅方向Wに段階的に変化するように所定の間隔で形成されたマゼンタ(M)の画像41cと、階調が幅方向Wに段階的に変化するように所定の間隔で形成されたイエロー(Y)の画像41dとにより構成されている。なお、画像41a〜41dは、例えば、搬送方向Xの上流側にこの順で形成されており、1辺が2mmの正方形状とすることができる。
【0202】
その後、画像形成装置100Aは、画像形成装置本体1において、読取ユニット70における読取部80から受信した読取結果に基づいて、画像形成時の出力の校正(画質調整)を行う。なお、画質調整とは、印刷画質濃度の変化や色調の変化といった出力画像の画質変化等を調整することをいう。具体的には、画像調整とは、画像形成装置本体1の指令値に対して、記録シートPに実際に形成された画像(出力)が異なっている場合に、所望の画像が得られるように指令値を補正することをいう。例えば、画像形成装置本体1が所定の階調の画像を形成しようとした際に、所定の階調よりも濃い画像が形成された場合には、その後、画像形成装置本体1は、所定の階調の画像を形成しようとする際に、出力を小さくすることにより、所定の階調の画像が形成されるようにする。
【0203】
図8は、
図1から
図3に示す読取ユニット70における読取部80部分を斜め下方から視た概略斜視図である。なお、
図8において、各搬送路や各搬送ローラ対等については図示を省略している。
【0204】
読取部80は、校正用記録シート40の一方の面(表面)を読み取る読取センサ部81を備えている。読取センサ部81は、例えば、測色器とされ、校正用記録シート40に形成されたテストパターン41(
図7参照)を読み取るように構成されている。例えば、読取センサ部81による読取結果(測色結果)は、L*a*b*色空間での座標値とすることができる。
【0205】
なお、読取センサ部81は、制御部200(
図9参照)に電気的に接続されており、制御部200からの指示信号によって、校正用記録シート40のテストパターン41を読み取るようになっている。
【0206】
読取部80は、搬送方向Xに沿った直線状だけでなく、搬送方向X及び幅方向Wに沿った平面状にテストパターン41が形成されている場合にも、読取センサ部81により校正用記録シート40のテストパターン41を読み取ることができるように、校正用記録シート40の幅方向Wに沿って往復移動可能とされている。
【0207】
具体的には、読取部80は、さらに、読取センサ部81を幅方向Wに沿って移動させるベルト82と、ベルト82が架けられた一対のプーリ83,83と、枠体70t(
図1から
図3参照)の上側で構成される一方の面に設けられたシャーシ84とを有している。
【0208】
ベルト82は、幅方向Wにおいて対向配置される一対のプーリ83,83に架け渡されている。プーリ83は、シャーシ84に取り付けられている。
【0209】
読取部80は、さらに、一対の側板85,85と、上流側搬送ローラ対86と、下流側搬送ローラ対87とを備えている。
【0210】
一対の側板85,85は、枠体70tの下側で構成される他方の面に設けられている。上流側搬送ローラ対86及び下流側搬送ローラ対87は、一対の側板85,85の間に設けられている。上流側搬送ローラ対86は、一対の側板85,85において読取センサ部81による読取位置よりも搬送方向Xの上流側に設けられている。下流側搬送ローラ対87は、一対の側板85,85において読取センサ部81による読取位置よりも搬送方向Xの下流側に設けられている。これにより、読取搬送路72bを搬送される校正用記録シート40のテストパターン41が読み取られる際に、校正用記録シート40の位置を固定しやすくすることができる。
【0211】
なお、本第1実施形態では、読取部80は校正用記録シート40を停止状態にしてテストパターン41を読み取り、読取センサ部81がテストパターン41を読み取っているとき以外の校正用記録シート40の搬送速度(以下、読取処理速度ということがある。)は、記録シートPのプロセス速度(具体的には330mm/s)と同じ速度とされる。
【0212】
(カール矯正部)
次に、カール矯正部110について説明するが、中継ユニット50Aに設けられたカール矯正部110と、読取ユニット70に設けられたカール矯正部110とは同一構成のものであるため、ここでは、
図8に示す読取ユニット70に設けられたカール矯正部110を参照しながら説明する。
【0213】
カール矯正部110は、記録シートPの搬送方向Xに湾曲したカールを矯正する機能を有する。また、カール矯正部110は、第1ローラ(具体的には剛性シャフト111)と、剛性シャフト111の直径よりも大きな直径を有する第2ローラ(具体的には弾性ローラ112)とを備えている。
【0214】
剛性シャフト111は、例えば、ステンレスなどの金属製のシャフトとされている。弾性ローラ112は、剛性シャフト111に対向配置されるシリコンスポンジ製のローラとされている。
【0215】
具体的には、剛性シャフト111は、例えば8mmの直径を有し、弾性ローラ112は、剛性シャフト111の直径より大きい直径(剛性シャフト111の3倍程度(例えば25mm))の直径を有している。カール矯正部110は、剛性シャフト111及び弾性ローラ112が互いに押圧された状態で、剛性シャフト111及び弾性ローラ112の間を記録シートPが通されることにより、記録シートPの搬送方向Xに湾曲したカールを矯正するように構成されている。
【0216】
このように、中継ユニット50A及び読取ユニット70にカール矯正部110を備えることにより、中継ユニット50Aでは、カール矯正部110にてカールが矯正された記録シートPがコーティング部60に供給されるので、コーティング部60によるコーティング処理を安定的に行うことができる。また、読取ユニット70では、カール矯正部110にてカールが矯正された校正用記録シート40が読取部80に供給されるので、読取部80の読取精度の低下を抑制することができる。
【0217】
(記録シートの搬送制御)
図9は、
図1に示す画像形成装置100Aの搬送制御系を中心に示すブロック図である。
【0218】
図9に示すように、画像形成装置100Aは、さらに、制御部200を備えている。制御部200は、CPU(Central Processing Unit)等の処理部201と、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等のメモリを含む記憶部202とを備えている。詳しくは、画像形成装置100Aは、制御部200の処理部201が記憶部202のROMに予め格納された制御プログラムを記憶部202のRAM上にロードして実行することにより、各種構成要素を制御するようになっている。
【0219】
画像形成装置100Aにおける中継ユニット50Aは、さらに、第1駆動部501を備えている。
【0220】
第1駆動部501は、主搬送ローラ対56a〜56e(
図2参照)を駆動する駆動部(具体的には駆動モータ)である。第1駆動部501は、制御部200に電気的に接続されており、制御部200からの指示信号によって、主搬送ローラ対56a〜56eを回転させ、記録シートPを搬送速度(具体的には627mm/s)で搬送するようになっている。
【0221】
そして、制御部200は、一方のコーティング部60aによるコーティング処理の少なくとも処理中は、第1主搬送路51上を搬送される記録シートPの搬送速度(具体的には627mm/s)よりも第1上流側副搬送路52上を搬送される記録シートPの搬送速度を遅くした構成とされている。
【0222】
詳しくは、画像形成装置100Aにおける中継ユニット50Aは、さらに、第2駆動部502を備えている。
【0223】
第2駆動部502は、上流側副搬送ローラ対58a,58b、カール矯正部110及び一方のコーティング用レジストローラ対57a(
図2参照)を駆動する駆動部(具体的には駆動モータ)である。第2駆動部502は、制御部200に電気的に接続されている。第2駆動部502は、制御部200からの指示信号によって、上流側副搬送ローラ対58a,58b及びカール矯正部110を回転させ、記録シートPを搬送速度から減速させて一方のコーティング用レジストローラ対57aで一旦停止させた後、一方のコーティング用レジストローラ対57aを回転させると共に、再度、上流側副搬送ローラ対58a,58b及びカール矯正部110を回転させ、記録シートPをコーティング処理速度(具体的には330mm/s或いはそれ以下の速度)で搬送するようになっている。
【0224】
具体的には、制御部200は、第1上流側副搬送路52に搬送される記録シートPの先端が一方のコーティング部60aに至るまでに記録シートPを減速させてコーティング処理速度(具体的には330mm/s或いはそれ以下の速度)にするようになっている。より具体的には、制御部200は、第1上流側副搬送路52に搬送される記録シートPの先端が一方のコーティング用レジストローラ対57aに至るまでに記録シートPを減速させ、記録シートPの先端が一方のコーティング用レジストローラ対57aに当接後に記録シートPを一旦停止し、再度搬送して一方のコーティング部60aにてコーティング処理速度でコーティング処理するようになっている。
【0225】
本第1実施形態では、制御部200は、コーティング処理を行うにあたって、第1主搬送路51において第1分岐部51aよりも搬送方向Xにおける上流側でかつ第1分岐部51aの直近の位置に設けられた主搬送ローラ対56aにて搬送される記録シートPの後端が主搬送ローラ対56aを通過した後に、第1上流側副搬送路52上を搬送される記録シートPの搬送速度を遅くするようになっている。
【0226】
なお、記録シートPの後端が主搬送ローラ対56aを通過したか否かの検知は、主搬送ローラ対56aの近傍(具体的には、主搬送ローラ対56aの搬送方向Xにおける下流側の近傍)に設けられた反射型光センサ等の第1シート検知部(具体的にはセンサ)211(
図2では図示せず、
図9参照)によって検知することができる。第1シート検知部211は、制御部200の入力系に電気的に接続され、制御部200に検知信号を送ることができる。
【0227】
本第1実施形態では、一方のコーティング部60aは、第1分岐部51aよりも搬送方向Xにおける上流側でかつ第1分岐部51aの直近の位置に設けられた主搬送ローラ対56aのニップ位置と、記録シートPにコーティング処理を行うコーティング処理部(処理位置の一例)との間の搬送経路の距離が、最大サイズ(例えば、センチ仕様ではA3サイズ、インチ仕様ではダブルレター(WLT)サイズ)の記録シートPを搬送する最大搬送長さよりも長くなるように設けられている。具体的には、一方のコーティング部60aのコーティング処理部に対応する部材の位置は、一方のコーティング部60aよりも搬送方向Xにおける上流側の直近の位置に備えられた搬送ローラ対(ここでは一方のコーティング用レジストローラ対57aのニップ位置)とされている。
【0228】
なお、記録シートPに対して一方の面(表面)にのみコーティング処理を施す場合には、制御部200は、記録シートPを減速させずに、記録シートPを搬送速度(具体的には627mm/s)にするようになっている。
【0229】
画像形成装置100Aにおける中継ユニット50Aは、さらに、第3駆動部503を備えている。
【0230】
第3駆動部503は、一方のコーティング部60aにおける搬送部65(
図5(b)参照)を駆動する駆動部(具体的には駆動モータ)である。第3駆動部503は、制御部200に電気的に接続されており、制御部200からの指示信号によって、搬送部65を回転させ、記録シートPをコーティング処理速度で(具体的には330mm/s或いはそれ以下の速度)搬送するようになっている。
【0231】
なお、記録シートPに対して一方の面(表面)にのみコーティング処理を施す場合には、制御部200は、記録シートPを減速させずに、記録シートPを搬送速度(具体的には627mm/s)にするようになっている。
【0232】
画像形成装置100Aにおける中継ユニット50Aは、さらに、第4駆動部504及び第5駆動部505を備えている。
【0233】
第4駆動部504は、上流側副搬送ローラ対58c〜58e、他方のコーティング用レジストローラ対57b(
図2参照)を駆動する駆動部(具体的には駆動モータ)である。第4駆動部504は、制御部200に電気的に接続されており、制御部200からの指示信号によって、上流側副搬送ローラ対58c〜58eを回転させ、記録シートPをコーティング処理速度(具体的には330mm/s或いはそれ以下の速度)から減速させて他方のコーティング用レジストローラ対57bで一旦停止させた後、他方のコーティング用レジストローラ対57bを回転させると共に、再度、上流側副搬送ローラ対58c〜58eを回転させ、記録シートPをコーティング処理速度で搬送するようになっている。
【0234】
具体的には、制御部200は、第2上流側副搬送路53にコーティング処理速度(具体的には330mm/s或いはそれ以下の速度)で搬送される記録シートPの先端が他方のコーティング用レジストローラ対57bに当接後に記録シートPを一旦停止し、再度搬送して他方のコーティング部60bにてコーティング処理速度でコーティング処理するようになっている。
【0235】
第5駆動部505は、他方のコーティング部60bにおける搬送部65(
図5(b)参照)を駆動する駆動部(具体的には駆動モータ)である。第5駆動部505は、制御部200に電気的に接続されており、制御部200からの指示信号によって、搬送部65を回転させ、記録シートPをコーティング処理速度(具体的には330mm/s或いはそれ以下の速度)で搬送するようになっている。
【0236】
本第1実施形態では、一対のコーティング部60a,60bは、記録シートPにコーティング処理を行うコーティング処理部間の搬送経路の距離が、最大サイズ(例えば、センチ仕様ではA3サイズ、インチ仕様ではダブルレター(WLT)サイズ)の記録シートPを搬送する最大搬送長さよりも長くなるように設けられている。具体的には、一方のコーティング部60aのコーティング処理部に対応する部材の位置は、圧着部材653のニップ位置とされ、他方のコーティング部60bのコーティング処理部に対応する部材の位置は、他方のコーティング部60bよりも搬送方向Xにおける上流側の直近の位置に備えられた搬送ローラ対(ここでは他方のコーティング用レジストローラ対57bのニップ位置)とされている。
【0237】
本第1実施形態では、制御部200は、他方のコーティング部60bによるコーティング処理終了後は、第2上流側副搬送路53上を搬送される記録シートPの搬送速度(具体的には330mm/s或いはそれ以下の速度)を、第1主搬送路51上を搬送される記録シートPの搬送速度(具体的には627mm/s)に戻す構成とされている。
【0238】
詳しくは、画像形成装置100Aにおける中継ユニット50Aは、さらに、第6駆動部506を備えている。
【0239】
第6駆動部506は、上流側副搬送ローラ対58f〜58h(
図2参照)を駆動する駆動部(具体的には駆動モータ)である。第6駆動部506は、制御部200に電気的に接続されており、制御部200からの指示信号によって、上流側副搬送ローラ対58f〜58hを回転させ、記録シートPをコーティング処理速度(具体的には330mm/s或いはそれ以下の速度)から加速させて記録シートPの先端が第1主搬送路51に到達するまでに搬送速度(具体的には627mm/s)で搬送するようになっている。
【0240】
本第1実施形態では、制御部200は、第2上流側副搬送路53上を搬送される記録シートPを第1主搬送路51に戻すにあたって、第2上流側副搬送路53において記録シートPの後端がコーティング処理部(具体的には他方のコーティング部60bにおける圧着部材653)を通過した後に、第2上流側副搬送路53上を搬送される記録シートPの搬送速度(具体的には330mm/s或いはそれ以下の速度)を、第1主搬送路51上を搬送される記録シートPの搬送速度(具体的には627mm/s)に戻すようになっている。詳しくは、制御部200は、第2上流側副搬送路53に搬送される記録シートPの先端が第1主搬送路51に至るまでに記録シートPを搬送速度(具体的には627mm/s)に加速させるようになっている。
【0241】
なお、記録シートPの後端がコーティング処理部(具体的には他方のコーティング部60bにおける圧着部材653)を通過したか否かの検知は、他方のコーティング部60bにおける圧着部材653の近傍(具体的には圧着部材653の搬送方向Xにおける下流側の近傍)に設けられた反射型光センサ等の第2シート検知部(具体的にはセンサ)212(
図2及び
図5(b)では図示せず、
図9参照)によって検知することができる。第2シート検知部212は、制御部200の入力系に電気的に接続され、制御部200に検知信号を送ることができる。
【0242】
また、中継ユニット50Aにおいて、第1から第6駆動部501〜506とそれによって駆動される各ローラ対との間に設けられた駆動伝達系(図示省略)には電磁クラッチ(図示省略)が設けられている。
【0243】
本第1実施形態では、制御部200は、読取部80により少なくとも校正用記録シート40のテストパターン41を読み取っている間は、第1主搬送路51上を搬送される記録シートPの搬送速度(具体的には627mm/s)よりも分岐副搬送路72上を搬送される校正用記録シート40の搬送速度を遅くした構成とされている。
【0244】
詳しくは、画像形成装置100Aにおける読取ユニット70は、さらに、第1駆動部701を備えている。
【0245】
第1駆動部701は、分岐副搬送ローラ対78a、カール矯正部110及び読取用レジストローラ対77(
図3参照)を駆動する駆動部(具体的には駆動モータ)である。第1駆動部701は、制御部200に電気的に接続されている。第1駆動部701は、制御部200からの指示信号によって、分岐副搬送ローラ対78a及びカール矯正部110を回転させ、校正用記録シート40を搬送速度(具体的には627mm/s)から減速させて読取用レジストローラ対77で一旦停止させた後、読取用レジストローラ対77を回転させると共に、再度、分岐副搬送ローラ対78a及びカール矯正部110を回転させ、校正用記録シート40を読取処理速度(具体的には330mm/sと停止との繰り返し)で搬送するようになっている。
【0246】
具体的には、制御部200は、分岐副搬送路72に搬送される校正用記録シート40の先端が読取部80に至るまでに校正用記録シート40を減速させて読取処理速度(具体的には330mm/sと停止との繰り返し)にするようになっている。より具体的には、制御部200は、分岐副搬送路72に搬送される校正用記録シート40の先端が読取用レジストローラ対77に至るまでに校正用記録シート40を減速させ、校正用記録シート40の先端が読取用レジストローラ対77に当接後に校正用記録シート40を一旦停止し、再度搬送して読取部80にて読取処理速度でテストパターン41を読み取るようになっている。
【0247】
本第1実施形態では、制御部200は、校正用記録シート40のテストパターン41を読み取るにあたって、第1主搬送路51において分岐副搬送路72との第2分岐部71aよりも搬送方向Xにおける上流側でかつ第2分岐部71aの直近の位置に設けられた主搬送ローラ対56dにて搬送される校正用記録シート40の後端が主搬送ローラ対56dを通過した後に、分岐副搬送路72上を搬送される校正用記録シート40の搬送速度を遅くするようになっている。
【0248】
なお、校正用記録シート40の後端が主搬送ローラ対56dを通過したか否かの検知は、主搬送ローラ対56dの近傍(具体的には、主搬送ローラ対56dの搬送方向Xにおける下流側の近傍)に設けられた反射型光センサ等の第3シート検知部(具体的にはセンサ)213(
図1から
図3では図示せず、
図9参照)によって検知することができる。第3シート検知部213は、制御部200の入力系に電気的に接続され、制御部200に検知信号を送ることができる。
【0249】
本第1実施形態では、他方のコーティング部60b及び読取部80は、他方のコーティング部60bの記録シートPにコーティング処理を行うコーティング処理部(処理位置の一例)と、読取部80のテストパターン41を読み取る読取処理部88(読取位置の一例)との間の搬送経路の距離が、最大サイズの記録シートPを搬送する最大搬送長さよりも長くなるように設けられている。具体的には、他方のコーティング部60bのコーティング処理部に対応する部材の位置は、圧着部材653のニップ位置(
図5(b)参照)とされ、読取部80の読取処理部に対応する部材の位置は、読取部80よりも搬送方向Xにおける上流側の直近の位置に備えられた搬送ローラ対(ここでは読取用レジストローラ対77のニップ位置、
図8参照)とされている。
【0250】
本第1実施形態では、制御部200は、読取部80による校正用記録シート40のテストパターン41の読み取り終了後は、分岐副搬送路72上を搬送される校正用記録シート40の搬送速度(具体的には330mm/sと停止との繰り返し)を、記録シートPの搬送速度(具体的には627mm/s)に戻す構成とされている。
【0251】
詳しくは、画像形成装置100Aにおける読取ユニット70は、さらに、第2駆動部702を備えている。
【0252】
第2駆動部702は、分岐副搬送ローラ対78b,78c及び排出ローラ対78d(
図3参照)を駆動する駆動部(具体的には駆動モータ)である。第2駆動部702は、制御部200に電気的に接続されており、制御部200からの指示信号によって、分岐副搬送ローラ対78b,78c及び排出ローラ対78dを回転させ、記録シートPを読取処理速度(具体的には330mm/sと停止との繰り返し)から加速させて搬送速度(具体的には627mm/s)で搬送するようになっている。
【0253】
本第1実施形態では、制御部200は、分岐副搬送路72上を搬送される校正用記録シート40をシート排出部75aに排出するにあたって、分岐副搬送路72において読取センサ部81よりも搬送方向Xにおける下流側でかつ読取センサ部81の直近の位置に設けられた下流側搬送ローラ対87(
図3及び
図8参照)にて搬送される校正用記録シート40の後端が下流側搬送ローラ対87を通過した後に、分岐副搬送路72上を搬送される校正用記録シート40の搬送速度(具体的には330mm/sと停止との繰り返し)を、記録シートPの搬送速度(具体的には627mm/s)に戻すようになっている。
【0254】
なお、校正用記録シート40の後端が下流側搬送ローラ対87を通過したか否かの検知は、下流側搬送ローラ対87の近傍(具体的には、下流側搬送ローラ対87の搬送方向Xにおける下流側の近傍)に設けられた反射型光センサ等の第4シート検知部(具体的にはセンサ)214(
図3及び
図8では図示せず、
図9参照)によって検知することができる。第4シート検知部214は、制御部200の入力系に電気的に接続され、制御部200に検知信号を送ることができる。
【0255】
なお、読取ユニット70において、第1駆動部701及び第2駆動部702とそれによって駆動される各ローラ対との間に設けられた駆動伝達系(図示省略)には電磁クラッチ(図示省略)が設けられている。
【0256】
本第1実施形態では、画像形成装置100Aにおける排出ユニット90は、さらに、駆動部901を備えている。
【0257】
駆動部901は、主搬送ローラ対96a〜96c及び副搬送ローラ対98a,98b(
図1参照)を駆動する駆動部(具体的には駆動モータ)である。駆動部901は、制御部200に電気的に接続されており、制御部200からの指示信号によって、主搬送ローラ対96a〜96c及び副搬送ローラ対98a,98bを回転させ、記録シートPを搬送速度(具体的には627mm/s)で搬送するようになっている。
【0258】
本第1実施形態では、一方のコーティング部60aを記録シートPの他方の面(裏面)に対してコーティング処理を行う構成とし、他方のコーティング部60bを記録シートPの一方の面(表面)に対してコーティング処理を行う構成としたが、
図10に示すように、一方のコーティング部60aを記録シートPの一方の面(表面)に対してコーティング処理を行う構成とし、他方のコーティング部60bを記録シートPの他方の面(裏面)に対してコーティング処理を行う構成としてもよい。
【0259】
図10は、第1実施形態に係る画像形成装置100Aにおいて、一方のコーティング部60aを記録シートPの一方の面(表面)に対してコーティング処理を行う構成とし、他方のコーティング部60bを記録シートPの他方の面(裏面)に対してコーティング処理を行う構成とした中継ユニット50A及び読取ユニット70の概略構成を示す正面図である。
【0260】
図10に示す中継ユニット50Aは、
図2に示す中継ユニット50Aにおいて、一方のコーティング部60a及び他方のコーティング部60bの左右を反転させた構成とし、上流側副搬送ローラ対58hと合流部51bとの間に上流側副搬送ローラ対58iを設けた以外は、
図2に示す中継ユニット50Aと同様の構成とされており、実質的に同一構成の部材には同一符号を付してある。
【0261】
図10に示す中継ユニット50Aにおいて、
図2に示す中継ユニット50Aとは異なる点は
図9に示す第6駆動部506の動作とされている。すなわち、
図9に示す第6駆動部506は、上流側副搬送ローラ対58f〜58hに加えて、上流側副搬送ローラ対58iを駆動する。
【0262】
[第2実施形態]
図11は、第2実施形態に係る画像形成装置100Bにおける中継ユニット50B及び読取ユニット70の概略構成を示す正面図である。
図12は、
図11に示す画像形成装置100Bの搬送制御系を中心に示すブロック図である。
【0263】
図11及び
図12に示す第2実施形態に係る画像形成装置100Bは、処理ユニット300Bと排出ユニット90とを備え、処理ユニット300Bは、中継ユニット50Bと読取ユニット70とを備えている。
【0264】
中継ユニット50Bは、
図2に示す第1実施形態に係る画像形成装置100Aの中継ユニット50Aにおいて、第2コーティング搬送路53b、コーティング用レジストローラ対57a,57b、上流側副搬送ローラ対58c〜58e、第4駆動部504及び第5駆動部505を除去して搬送経路の長さを短くした上流側副搬送路59上にシート処理部を構成する部材としてコーティング部60(60a,60b)に代えて加熱定着部16を設けたものである。
【0265】
図11及び
図12に示す中継ユニット50Bにおいて、
図2に示す中継ユニット50Aと実質的に同様の部材については同一符号を付し、その説明を省略する。
【0266】
加熱定着部16は、
図11に示すように、折り返し搬送部55の下端部50e,50fに設けられており、従来公知の定着装置に用いられるような加熱定着部を適用することができ、例えば、次のような構成とすることができる。
【0267】
すなわち、加熱定着部16は、画像形成部3により画像形成(定着装置11で定着)された記録シートPに対してさらに予め定めた所定の温度の熱を加えつつ予め定めた所定の圧力を加えるものであり、記録シートPを加熱する第1加熱定着ローラ16aと、第1加熱定着ローラ16aに向けて押圧する第2加熱定着ローラ16bと、第1加熱定着ローラ16aを加熱する第1加熱ヒータ(例えばハロゲンヒータ)16c(
図12参照)と、第2加熱定着ローラ16bを加熱する第2加熱ヒータ(例えばハロゲンヒータ)16d(
図12参照)と、加熱定着部16の構成部材を収容する枠体16eとを備えている。加熱定着部16は、画像形成部3により画像形成(定着装置11で定着)された記録シートPを第1加熱定着ローラ16aと第2加熱定着ローラ16bとの間の定着ニップ部Nで搬送方向Xに搬送しつつ加熱押圧するようになっている。
【0268】
第1加熱定着ローラ16a及び第2加熱定着ローラ16bは、制御部200(
図12参照)の指示の下、温度検知部16f(具体的には第1及び第2加熱定着ローラ用温度センサ)(
図12参照)の検知結果に基づいて所定の定着温度となるようにそれぞれ温度制御されるようになっている。
【0269】
第1加熱定着ローラ16aは、第3駆動部503によって回転駆動されるようになっている。第2加熱定着ローラ16bは、第1加熱定着ローラ16aの回転に伴って従動回転され、第1加熱定着ローラ16aと共に記録シートPを定着ニップ部Nで熱圧着するようになっている。これにより、加熱定着部16は、画像形成部3における定着装置11で記録シートPに定着されたトナー像をさらに溶融、混合、圧接し、記録シートPに対してさらに加熱、加圧定着させることができる。また、加熱定着部16は、第1加熱定着ローラ16a及び第2加熱定着ローラ16bの圧接を解除する圧接解除部16g(
図12参照)を備えている。圧接解除部16gは、制御部200に接続されており、制御部200の指示の下、第1加熱定着ローラ16a及び第2加熱定着ローラ16bの圧接状態を維持するか、又は、第1加熱定着ローラ16a及び第2加熱定着ローラ16bの圧接状態を解除するようになっている。
【0270】
制御部200は、加熱定着部16による定着処理の少なくとも処理中は、第1主搬送路51上を搬送される記録シートPの搬送速度(具体的には627mm/s)よりも第1上流側副搬送路52上を搬送される記録シートPの搬送速度を遅くした構成とされている。
【0271】
第2駆動部502は、上流側副搬送ローラ対58a,58b及びカール矯正部110を駆動する。第2駆動部502は、制御部200からの指示信号によって、上流側副搬送ローラ対58a,58b及びカール矯正部110を回転させ、記録シートPを搬送速度から減速させ、記録シートPを定着処理速度(具体的には330mm/s或いはそれ以下の速度)で搬送するようになっている。
【0272】
具体的には、制御部200は、第1上流側副搬送路52に搬送される記録シートPの先端が加熱定着部16に至るまでに記録シートPを減速させて定着処理速度(具体的には330mm/s或いはそれ以下の速度)にするようになっている。より具体的には、制御部200は、第1上流側副搬送路52に搬送される記録シートPの先端が定着処理部(具体的には定着ニップ部N)に至るまでに記録シートPを減速させ、定着処理部(具体的には定着ニップ部N)にて定着処理速度で定着処理するようになっている。
【0273】
本第2実施形態では、制御部200は、定着処理を行うにあたって、第1主搬送路51において第1分岐部51aよりも搬送方向Xにおける上流側でかつ第1分岐部51aの直近の位置に設けられた主搬送ローラ対56aにて搬送される記録シートPの後端が主搬送ローラ対56aを通過した後に、第1上流側副搬送路52上を搬送される記録シートPの搬送速度を遅くするようになっている。
【0274】
本第2実施形態では、加熱定着部16は、第1分岐部51aよりも搬送方向Xにおける上流側でかつ第1分岐部51aの直近の位置に設けられた主搬送ローラ対56aのニップ位置と、記録シートPに定着処理を行う処理位置(具体的には定着ニップ部N)との間の搬送経路の距離が、最大サイズ(例えば、センチ仕様ではA3サイズ、インチ仕様ではダブルレター(WLT)サイズ)の記録シートPを搬送する最大搬送長さよりも長くなるように設けられている。
【0275】
第3駆動部503は、加熱定着部16における第1加熱定着ローラ16aを駆動する。第3駆動部503は、制御部200からの指示信号によって、第1加熱定着ローラ16aを回転させ、記録シートPを定着処理速度で(具体的には330mm/s或いはそれ以下の速度)搬送するようになっている。
【0276】
本第2実施形態では、制御部200は、加熱定着部16による定着処理終了後は、第2上流側副搬送路53上を搬送される記録シートPの搬送速度(具体的には330mm/s或いはそれ以下の速度)を、第1主搬送路51上を搬送される記録シートPの搬送速度(具体的には627mm/s)に戻す構成とされている。
【0277】
詳しくは、画像形成装置100Aにおける中継ユニット50Aは、さらに、第6駆動部506を備えている。
【0278】
第6駆動部506は、上流側副搬送ローラ対58f〜58hを駆動する。第6駆動部506は、
制御部200からの指示信号によって、上流側副搬送ローラ対58f〜58hを回転させ、記録シートPを定着処理速度(具体的には330mm/s或いはそれ以下の速度)から加速させて記録シートPの先端が第1主搬送路51に到達するまでに搬送速度(具体的には627mm/s)で搬送するようになっている。
【0279】
本第2実施形態では、制御部200は、第2上流側副搬送路53上を搬送される記録シートPを第1主搬送路51に戻すにあたって、第2上流側副搬送路53において記録シートPの後端が定着処理部(具体的には定着ニップ部N)を通過した後に、第2上流側副搬送路53上を搬送される記録シートPの搬送速度(具体的には330mm/s或いはそれ以下の速度)を、第1主搬送路51上を搬送される記録シートPの搬送速度(具体的には627mm/s)に戻すようになっている。詳しくは、制御部200は、第2上流側副搬送路53に搬送される記録シートPの先端が第1主搬送路51に至るまでに記録シートPを搬送速度(具体的には627mm/s)に加速させるようになっている。
【0280】
なお、記録シートPの後端が定着処理部(具体的には定着ニップ部N)を通過したか否かの検知は、定着ニップ部Nの近傍(具体的には定着ニップ部Nの搬送方向Xにおける下流側の近傍)に設けられた反射型光センサ等の第2シート検知部212(
図11では図示せず、
図12参照)によって検知することができる。
【0281】
[第3実施形態]
図13は、第3実施形態に係る画像形成装置100Cにおける中継ユニット50C及び読取ユニット70の概略構成を示す正面図である。
図14は、
図13に示す画像形成装置100Cの搬送制御系を中心に示すブロック図である。
【0282】
図13及び
図14に示す第3実施形態に係る画像形成装置100Cは、処理ユニット300Cと排出ユニット90とを備え、処理ユニット300Cは、中継ユニット50Cと読取ユニット70とを備えている。
【0283】
中継ユニット50Cは、
図2に示す第1実施形態に係る画像形成装置100Aの中継ユニット50Aにおいて、第1ゲート部54、上流側副搬送路59、コーティング用レジストローラ対57a,57b、上流側副搬送ローラ対58a〜58h、第2駆動部502、第4から第6駆動部504〜506を除去し、シート処理部を構成する部材としてコーティング部60(60a,60b)に代えて加熱定着部16を第1主搬送路51上に設けたものである。
【0284】
図13及び
図14に示す中継ユニット50Cにおいて、
図2に示す中継ユニット50Aと実質的に同様の部材については同一符号を付し、その説明を省略する。
【0285】
加熱定着部16は、
図13に示すように、主搬送ローラ対56bと主搬送ローラ対56cとの間に設けられている。
図13に示す加熱定着部16は、
図11に示す加熱定着部16と同様のものであり、ここでは詳しい説明を省略する。
【0286】
制御部200は、加熱定着部16による定着処理の少なくとも処理中は、第1主搬送路51上を搬送される記録シートPの搬送速度(具体的には627mm/s)よりも定着処理速度を遅くした構成とされている。
【0287】
詳しくは、第1駆動部501は、制御部200からの指示信号によって、主搬送ローラ対56a,56bを回転させ、記録シートPを搬送速度(具体的には627mm/s)から減速させて記録シートPの先端がシート処理部(具体的には定着ニップ部N)を通過するまでに定着処理速度(具体的には330mm/s或いはそれ以下の速度)で搬送するようになっている。
【0288】
第3駆動部503は、加熱定着部16における第1加熱定着ローラ16aを駆動する。第3駆動部503は、制御部200からの指示信号によって、第1加熱定着ローラ16aを回転させ、記録シートPを定着処理速度で(具体的には330mm/s或いはそれ以下の速度)搬送するようになっている。
【0289】
本第3実施形態では、制御部200は、加熱定着部16による定着処理終了後は、定着処理速度(具体的には330mm/s或いはそれ以下の速度)を記録シートPの搬送速度(具体的には627mm/s)に戻す構成とされている。
【0290】
詳しくは、第1駆動部501は、制御部200からの指示信号によって、主搬送ローラ対56d,56eを回転させ、記録シートPの後端がシート処理部(具体的には定着ニップ部N)を通過した後に、記録シートPを定着処理速度(具体的には330mm/s或いはそれ以下の速度)から加速させて搬送速度(具体的には627mm/s)で搬送するようになっている。
【0291】
なお、記録シートPに対して定着処理を施さない場合には、制御部200は、圧接解除部16gにより第1加熱定着ローラ16a及び第2加熱定着ローラ16bの圧接を解除して、記録シートPを減速させずに、記録シートPを搬送速度(具体的には627mm/s)にするようになっている。
【0292】
(定着処理も校正処理もしない画像形成処理)
記録シートPに対して通常の画像を形成し、かつ、定着処理も校正処理も行わない場合には、第2分岐爪74a及び第3分岐爪94aを第1姿勢に切り替えて、画像形成装置本体1の搬出口1aからの通常の記録シートPを第1主搬送路51(未定着処理)→第2主搬送路91の順に搬送させて第1排出トレイ95aに排出する。
【0293】
(定着処理するが校正処理しない画像形成処理)
記録シートPに対して通常の画像を形成し、かつ、定着処理を行うが校正処理を行わない場合には、第2分岐爪74aを第1姿勢に切り替える一方、第3分岐爪94aを第2姿勢に切り替えて、画像形成装置本体1の搬出口1aからの通常の記録シートPを第1主搬送路51(定着処理)→第2主搬送路91の順に搬送させて第2排出トレイ95bに排出する。
【0294】
(定着処理しないが校正処理する画像形成処理)
記録シートPに対してテストパターン41を形成し、かつ、定着処理を行わないが校正処理を行う場合には、第2分岐爪74aを第2姿勢に切り替えて、画像形成装置本体1の搬出口1aからの校正用記録シート40を第1主搬送路51(未定着処理)→分岐副搬送路72(第1分岐副搬送路721→読取部80の第2分岐副搬送路722→第3分岐副搬送路723)→シート排出部75aの順に搬送させて収容トレイ751に収容する。
【0295】
(定着処理も校正処理もする画像形成処理)
記録シートPに対してテストパターン41を形成し、かつ、定着処理も校正処理も行う場合には、第2分岐爪74aを第2姿勢に切り替えて、画像形成装置本体1の搬出口1aからの校正用記録シート40を第1主搬送路51(定着処理)→分岐副搬送路72(第1分岐副搬送路721→読取部80の第2分岐副搬送路722→第3分岐副搬送路723)→シート排出部75aの順に搬送させて収容トレイ751に収容する。
【0296】
[第1から第3実施形態について]
以上説明したように、第1から第3実施形態(
図2、
図10、
図11及び
図13参照)では、シート処理部(第1実施形態ではコーティング部60、第2及び第3実施形態では加熱定着部16)によるシート処理を施していない記録シートPに対して校正処理を行う場合には、第1実施形態及び第2実施形態では、記録シートPに対して、上流側副搬送路59上に設けられたシート処理部(ここではコーティング部60、加熱定着部16)によりシート処理を施すことなく、前記3実施形態では、記録シートPに対して、分岐副搬送路72の第1主搬送路51との第2分岐部71aよりも上流側の第1主搬送路51上に設けられたシート処理部(ここでは加熱定着部16)によりシート処理を施すことなく、記録シートPを分岐副搬送路72に搬送させる。これにより、シート処理を施していない校正用記録シート40におけるテストパターン41を分岐副搬送路72上に設けられた読取部80によって分岐副搬送路72上で読み取ることができる。一方、シート処理部(ここではコーティング部60、加熱定着部16)によるシート処理を施した記録シートPに対して校正処理を行う場合には、記録シートPに対して、シート処理部(ここではコーティング部60、加熱定着部16)によりシート処理を施した後、記録シートPを分岐副搬送路72に搬送させる。これにより、シート処理を施した校正用記録シート40におけるテストパターン41を分岐副搬送路72上に設けられた読取部80によって分岐副搬送路72上で読み取ることができる。
【0297】
詳しくは、第1及び第2実施形態(
図2、
図10及び
図11参照)では、シート処理部(ここではコーティング部60、加熱定着部16)は、上流側副搬送路59上に設けられており、読取部80は、分岐副搬送路72上に設けられており、分岐副搬送路72の第1主搬送路51との第2分岐部71aは、搬送方向Xにおいて上流側副搬送路59の第1主搬送路51との合流部51bよりも下流に位置しているので、シート処理部(ここではコーティング部60、加熱定着部16)によるシート処理を施していない校正用記録シート40に対して校正処理を行う場合には、第1主搬送路51上を搬送される校正用記録シート40を上流側副搬送路59に搬送させることなく、分岐副搬送路72に搬送させる。これにより、シート処理を施していない校正用記録シート40におけるテストパターン41を分岐副搬送路72上に設けられた読取部80によって分岐副搬送路72上で読み取ることができる。一方、シート処理部(ここではコーティング部60、加熱定着部16)によるシート処理を施した校正用記録シート40に対して校正処理を行う場合には、第1主搬送路51上を搬送される校正用記録シート40を上流側副搬送路59に搬送させ、校正用記録シート40に対して上流側副搬送路59上に設けられたシート処理部(ここではコーティング部60、加熱定着部16)によりシート処理を施した後、校正用記録シート40を第1主搬送路51に戻し、さらに、分岐副搬送路72に搬送させる。これにより、シート処理を施した校正用記録シート40におけるテストパターン41を分岐副搬送路72上に設けられた読取部80によって分岐副搬送路72上で読み取ることができる。
【0298】
また、第3実施形態(
図13参照)では、シート処理部(ここでは加熱定着部16)は、分岐副搬送路72の主搬送路101を構成する第1主搬送路51との第2分岐部71aよりも上流側の第1主搬送路51上に設けられており、読取部80は、分岐副搬送路72上に設けられているので、シート処理部(ここでは加熱定着部16)によるシート処理を施していない校正用記録シート40に対して校正処理を行う場合には、第1主搬送路51上を搬送される校正用記録シート40に対して第1主搬送路51上に設けられたシート処理部(ここでは加熱定着部16)によりシート処理を施すことなく、校正用記録シート40を分岐副搬送路72に搬送させる。これにより、シート処理を施していない校正用記録シート40におけるテストパターン41を分岐副搬送路72上に設けられた読取部80によって分岐副搬送路72上で読み取ることができる。一方、シート処理部(ここでは加熱定着部16)によるシート処理を施した校正用記録シート40に対して校正処理を行う場合には、第1主搬送路51上を搬送される校正用記録シート40に対して第1主搬送路51上に設けられたシート処理部(ここでは加熱定着部16)によりシート処理を施した後、校正用記録シート40を分岐副搬送路72に搬送させる。これにより、シート処理を施した校正用記録シート40におけるテストパターン41を分岐副搬送路72上に設けられた読取部80によって分岐副搬送路72上で読み取ることができる。
【0299】
そして、第1実施形態のように、シート処理部がコーティング部60で構成されている場合、コーティング部60により記録シートPに対してコーティング処理を施すことで、たとえテストパターン41による校正処理に影響を及ぼしたとしても、換言すれば、たとえコーティング部60によりコーティング処理を施した校正用記録シート40のテストパターン41の読み取り処理と、コーティング部60によりコーティング処理を施していない校正用記録シート40のテストパターン41の読み取り処理とで処理結果(読み取り値)が異なっていても、テストパターン41に基づいて記録シートPに形成する画像を精度よく校正(具体的にはコーティング処理を施した画像に適した最適な画像濃度、階調、或いは、コーティング処理を施していない画像に適した最適な画像濃度、階調と)することができる。また、第2及び第3実施形態のように、シート処理部が加熱定着部16で構成されている場合、加熱定着部16により記録シートPに対して加熱しつつ加圧することで、たとえテストパターン41による校正処理に影響を及ぼしたとしても、換言すれば、たとえ加熱定着部16により定着処理を施した校正用記録シート40のテストパターン41の読み取り処理と、加熱定着部16により定着処理を施していない校正用記録シート40のテストパターン41の読み取り処理とで処理結果(読み取り値)が異なっていても、テストパターン41に基づいて記録シートPに形成する画像を精度よく校正(具体的には定着処理を施した画像に適した最適な画像濃度、階調、或いは、定着処理を施していない画像に適した最適な画像濃度、階調と)することができる。
【0300】
このように、第1から第3実施形態によれば、搬送路上で読み取ったテストパターン41による校正処理に影響を及ぼし得る(具体的には記録シートPの画質が変化し得る)シート処理を施していない記録シートPに対して校正処理を行うだけでなく、シート処理を施した記録シートPに対して校正処理を行うことが可能となる。
【0301】
しかも、第1主搬送路51から分岐して読取部80が設けられた分岐副搬送路72上に校正処理を行う校正用記録シート40を搬送させるので、校正処理を行わないで、かつ、シート処理を施さない場合での通常の画像形成動作により画像形成された記録シートPを、校正処理が行われる校正用記録シート40が邪魔することなく、第1主搬送路51上に搬送させることができる。従って、通常の画像形成動作により画像形成された記録シートPの搬送開始から画像形成を経て搬送が終了するまでの処理時間(スループット時間)の低下を抑制することができる。
【0302】
さらに、第1主搬送路51の搬送方向Xに交差する方向の一方側に読取部80を設けることで、第1主搬送路51の搬送方向Xに交差する方向(ここでは高さ方向)を抑えつつ、第1主搬送路51の搬送方向Xの製品寸法を抑えることができ、これにより画像形成装置100A〜100Cのコンパクト化を実現させることが可能となる。
【0303】
さらに、校正用記録シート40の校正処理中でも通常の画像形成動作(具体的にはジョブ動作)を停止させることがなく、シート処理部(ここではコーティング部60、加熱定着部16)でシート処理した後の校正用記録シート40のテストパターン41を読み取ることができる。
【0304】
さらに、分岐副搬送路72を第1主搬送路51から分岐させるので、第1主搬送路51の記録シートPの搬送距離を可及的に短くすることができ、それだけ、処理時間(スループット時間)を短縮することができる。
【0305】
しかも、第1及び第2実施形態では、第1主搬送路51から分岐してシート処理部(ここではコーティング部60、加熱定着部16)が設けられた上流側副搬送路59上にシート処理を施す記録シートPを搬送させるので、校正処理を行わないで、かつ、シート処理を施さない場合での通常の画像形成動作により画像形成された記録シートPを、シート処理が施される記録シートPが邪魔することなく、第1主搬送路51上に搬送させることができる。従って、処理時間(スループット時間)の低下をさらに抑制することができる。
【0306】
さらに、第1及び第2実施形態(
図2、
図10及び
図11参照)では、分岐副搬送路72に加えて、上流側副搬送路59を第1主搬送路51から分岐させるので、第1主搬送路51の記録シートPの搬送距離を可及的に短くすることができ、それだけ、処理時間(スループット時間)を短縮することができる。
【0307】
また、第3実施形態では、シート処理部(ここでは加熱定着部16)は、分岐副搬送路72の第1主搬送路51との第2分岐部71aよりも上流側の第1主搬送路51上に設けられているので、第1主搬送路51から迂回することなく、記録シートPに対して第1主搬送路51上でシート処理部(ここでは加熱定着部16)によるシート処理を施すことができ、それだけ、処理時間(スループット時間)の短縮化を実現させることができる。
【0308】
また、第1及び第2実施形態では、上流側副搬送路59においてシート処理部(ここではコーティング部60、加熱定着部16)でシート処理を施された記録シートPを合流部51bから第1主搬送路51を搬送させた後、第2ゲート部74により記録シートPの搬送経路を第1主搬送路51から分岐副搬送路72の方に切り替えて第1主搬送路51から分岐副搬送路72に搬送させるので、シート処理部(ここではコーティング部60、加熱定着部16)でシート処理を施された記録シートPを第1主搬送路51の合流部51bから直ぐに分岐副搬送路72に搬送させることができ、それだけ処理時間(スループット時間)を短縮することができる。
【0309】
また、第1及び第2実施形態では、第1主搬送路51は、水平又は略水平(ここでは水平)に設けられており、上流側副搬送路59は、第1主搬送路51から下側に分岐する構成とされており、分岐副搬送路72は、第1主搬送路51から上側に分岐する構成とされているので、読取部80を第1主搬送路51よりも上側に設けると共に、シート処理部(ここではコーティング部60、加熱定着部16)を第1主搬送路51よりも下側に設けることができ、従って、画像形成装置100A,100Bの水平方向Hに沿った搬送方向Xにおけるサイズを小さくすることができ、それだけ画像形成装置100A,100Bの水平方向Hに沿った搬送方向Xのコンパクト化を実現させることが可能となる。
【0310】
また、第3実施形態(
図13参照)では、第1主搬送路51は、水平又は略水平(ここでは水平)に設けられており、分岐副搬送路72は、第1主搬送路51から上側に分岐する構成とされているので、読取部80を第1主搬送路51よりも上側に設けることができ、従って、画像形成装置100Cの水平方向Hに沿った搬送方向Xにおけるサイズを小さくすることができ、それだけ画像形成装置100Cの水平方向Hに沿った搬送方向Xのコンパクト化を実現させることが可能となる。
【0311】
また、第1から第3実施形態(
図2、
図10、
図11及び
図13参照)では、分岐副搬送路72は、第1主搬送路51からの記録シートPを搬送方向Xから折り返した方向に搬送する折り返し搬送路(ここでは第1分岐副搬送路721及び第2分岐副搬送路722)と、折り返し搬送路からの記録シートPを第1主搬送路51の搬送方向Xに戻して外部に排出する排出搬送路(ここでは第3分岐副搬送路723)とを有し、読取部80は、折り返し搬送路を構成する第2分岐副搬送路722上に設けられており、シート排出部75aは、排出搬送路(ここでは第3分岐副搬送路723)の搬出口に設けられているので、分岐副搬送路72上を搬送される校正用記録シート40を画像形成装置100A〜100Cの第1主搬送路51の搬送方向Xにおけるサイズを可能な限り小さくした状態でシート排出部75aに排出することができる。
【0312】
また、第1から第3実施形態では、処理ユニット300A〜300Cは、画像形成部3を備えた画像形成装置本体1に対して着脱可能とされた中継ユニット50A〜50Cと、中継ユニット50A〜50Cに対して着脱可能とされた読取ユニット70とを備え、シート処理部(ここではコーティング部60、加熱定着部16)は、中継ユニット50A〜50Cに設けられており、読取部80は、読取ユニット70に設けられているので、シート処理部(ここではコーティング部60、加熱定着部16)が設けられた中継ユニット50A〜50Cをオプションユニットとして販売することが好ましい。こうすることで、シート処理部(ここではコーティング部60、加熱定着部16)が必要なユーザのみにシート処理部を提供することができ、シート処理部が必要でないユーザに対して、できるだけ安価な価格で画像形成装置100A〜100Cを提供することが可能となる。同様に、読取部80が設けられた読取ユニット70をオプションユニットとして販売することが好ましい。こうすることで、読取部80が必要なユーザのみに読取部80を提供することができ、読取部80が必要でないユーザに対して、できるだけ安価な価格で画像形成装置100A〜100Cを提供することが可能となる。
【0313】
また、第1から第3実施形態では、中継ユニット50A〜50Cの床G(
図1参照)に対する投影面積と読取ユニット70の床Gに対する投影面積とは同じ又は略同じであるので、読取ユニット70を設けた中継ユニット50A〜50C全体としての占有面積(投影面積)の増加を回避でき、これにより、読取ユニット70を設けていながら中継ユニット50A〜50C、ひいては処理ユニット300A〜300Cのコンパクト化を実現させることができる。
【0314】
また、第1から第3実施形態では、シート排出部75aは、読取ユニット70の床Gに対する投影領域内に配設されているので、シート排出部75aを設けた中継ユニット50A〜50C全体としての占有面積(投影面積)の増加を回避でき、これにより、シート排出部75aを設けていながら読取ユニット70、ひいては処理ユニット300A〜300Cのコンパクト化を実現させることができる。
【0315】
また、第1から第3実施形態では、シート処理部(ここではコーティング部60、加熱定着部16)及び読取部80の処理速度を記録シートPの搬送速度よりも遅くした構成とされているので、記録シートPの搬送速度の向上を実現しつつシート処理部及び読取部80での処理を確実に行うことができる。具体的には、シート処理部がコーティング部60を構成する場合、コーティング処理(特にフィルムによるコーティング処理)では、基準処理速度よりも高速でのコーティング処理はコートムラ等の発生の可能性があるため、処理速度を低下させる必要があるところ、本第1から第3実施形態では、コーティング処理速度を記録シートPの搬送速度によも低下させるので、コートの性能(つやの向上、シワ寄り防止)を確保することができる。一方、基準処理速度よりも高速での読取部80の読み取り処理は読み取り精度が低下し易いため、読取部80の読み取り処理時は校正用記録シート40の搬送速度を低下させて読み取る必要があるところ、本第1から第3実施形態では、読取部80の読み取り処理速度を記録シートPの搬送速度によも低下させるので、読取部80による安定した読取精度を確保することができる。しかも、カール矯正部110により読取部80によるさらに安定した読取精度を確保することができる。
【0316】
また、第1から第3実施形態では、シート処理部(ここではコーティング部60、加熱定着部16)のシート処理を施す処理位置(ここでは圧着部材653のニップ位置、定着ニップ部N)と読取部80のテストパターン41を読み取る読取位置(ここでは読取処理部88)との間の距離は、搬送される最大サイズの記録シートPの搬送方向Xにおける長さよりも長いので、第1主搬送路51と分岐副搬送路72とで記録シートPの搬送速度が異なっていても、第1主搬送路51での記録シートPの搬送速度を維持することが可能となる。
【0317】
[その他の実施形態]
本第1から第3実施形態では、中継ユニット50A〜50Cは、画像形成装置本体1と排出ユニット90との間を中継する中継ユニットとしたが、画像形成装置本体1と、画像形成後に予め設定した後処理を行う後処理部(例えば、仕分け部、フィニッシャー部、画像形成された記録シートPに孔を開けるパンチ処理部、画像形成された記録シートPを綴じるステープル処理部、画像形成された記録シートPを折る折り処理部のうち少なくとも一つを含む後処理部)を備えた後処理ユニットとの間を中継する中継ユニットとしてもよい。
【0318】
また、本第1から第3実施形態では、シート処理部は、画像形成した後に所定の処理を行う後処理部(例えば、仕分け部、フィニッシャー部、画像形成された記録シートPに孔を開けるパンチ処理部、画像形成された記録シートPを綴じるステープル処理部、画像形成された記録シートPを折る折り処理部のうち少なくとも一つを含む後処理部)を備えていてもよい。
【0319】
また、本第1から第3実施形態では、シート処理ユニットを中継ユニットとしたが、シート処理ユニットを後処理ユニットとしてもよい。
【0320】
また、本第1から第3実施形態では、中継ユニット50A〜50C及び読取ユニット70を画像形成装置本体1とは別体としたが、中継ユニット50A〜50Cを画像形成装置本体1と一体構造となるようにして、画像形成装置本体1に設けるようにしてもよい。
【0321】
また、本第1実施形態では、コーティング部60に代えて或いは加えて第2分岐部71aの搬送方向Xにおける上流側(例えば主搬送ローラ対56bと主搬送ローラ対56cとの間)に加熱定着部を設けてもよい。こうすることで、第1主搬送路51から迂回することなく、記録シートPに対して第1主搬送路51上で加熱定着部によるシート処理を施すことができ、それだけ、処理時間(スループット時間)の短縮化を実現させることができる。
【0322】
また、本第2及び第3実施形態では、加熱定着部16に代えて或いは加えて第2分岐部71aの搬送方向Xにおける上流側(例えば主搬送ローラ対56bと主搬送ローラ対56cとの間)にコーティング部を設けてもよい。