(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】5996043
(24)【登録日】2016年9月2日
(45)【発行日】2016年9月21日
(54)【発明の名称】集積搬送装置
(51)【国際特許分類】
B65G 57/03 20060101AFI20160908BHJP
【FI】
B65G57/03 E
【請求項の数】2
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2015-119820(P2015-119820)
(22)【出願日】2015年6月12日
【審査請求日】2015年10月30日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】515161261
【氏名又は名称】株式会社KHエンジニアリング
(74)【代理人】
【識別番号】100124419
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 敬也
(74)【代理人】
【識別番号】100162293
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷 久生
(72)【発明者】
【氏名】木村 敏章
(72)【発明者】
【氏名】劉 龍元
【審査官】
大谷 光司
(56)【参考文献】
【文献】
登録実用新案第3142436(JP,U)
【文献】
特開2008−265911(JP,A)
【文献】
特開昭59−167445(JP,A)
【文献】
特開2005−075586(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 57/00−57/32,60/00−61/00
B21D 43/22,43/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレス装置によってプレス加工されたブランク材を集積してから搬出する集積搬送装置であって、
プレス加工されたブランク材を搬送するベルトコンベアと、
前記ベルトコンベアから搬送されたブランク材を、降下しながら集積し、集積後搬出するための搬出手段を備えた上下移動可能な集積搬送部と、
前記集積搬送部がブランク材を集積するために降下した後、該ブランク材を前記搬出手段によって次工程に搬出しながら、前記ベルトコンベアから搬送されてきたブランク材を集積できる位置に上昇してくるまでの間、前記ベルトコンベアから搬送されてくるブランク材を集積させるための仮受部とを備えており、
前記集積搬送部が、複数の回転ロールを前記ベルトコンベアの搬送方向と直交するように設けたものであり、
前記仮受部が、前記ベルトコンベアの搬送方向に沿って動く複数の円柱状の棒状部材を備えたものであり、
それらの棒状部材が、前記回転ロールよりも小径のものであり、かつ、隣り合う回転ロール同士の中間に位置するように配置されていることを特徴とする集積搬送装置。
【請求項2】
前記搬送されたブランク材を整頓して集積させるためのエンドストッパを備えていることを特徴とする請求項1に記載の集積搬送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プレス装置等によってプレス加工された後、ベルトコンベア等によって搬入されたブランク材(打ち抜き加工品)等を集積しながら次工程に搬出することができる集積搬送装置に関する。さらに言えば、ブランク材等の搬入集積作業と次工程への搬出作業を同時進行的に行うことにより、ベルトコンベア等からのブランク材等の搬入速度を遅くしたり、搬入自体を止めたりすることなく連続的にブランク材等を搬送することができる集積搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ブランク材(打ち抜き加工品)は、プレス装置等によってプレス加工された後、その薄型形状から考えても、一旦集積(ある程度枚数を重ねた状態)させてから次工程に搬出することが好ましいと考えられる。しかしながら、集積させた状態で、次工程に搬出しようとすれば、その間、ベルトコンベア等からのブランク材の搬入を一時的に止める必要があった。すなわち、生産ラインを止める必要があったため生産性を考慮したため採用されていなかった。かかる事情により、ブランク材を集積させずに1枚ずつ搬入し、搬出していたため、後工程でブランク材を集積するための作業が必要であることから余分な工数が掛かり好ましくなかった。以上のことより、プレス装置等からのブランク材の搬入の流れを止めることなく、集積された状態で次工程に搬出することができる技術が望まれていた。
【0003】
特許文献1には、本発明のようにブランク材等を搬送対象とした発明では無いが、「複数の物品を集積状態で保持して搬送する集積搬送装置(特許文献1:要約から抜粋)。」に関する発明として、循環経路を並走する複数の無端搬送部材(ベルトコンベア)を、グループ分けして、グループ毎に独立させて駆動できるようにモータ、シャフト、プーリ、タイミングベルト等を設置することにより駆動手段を分割することで、搬送系統を複数にして、互い違いに物品を搬送することで物品を連続的に搬送できるようにした技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−13317号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
確かに、特許文献1に係る発明のような構成であれば搬入集積作業と次工程への搬出作業を同時に行うことができるので、ブランク材の搬入速度を遅くしたり、搬入自体を止めたりすることなく連続的にブランク材を搬入することができる。このためプレス装置等からのブランク材の搬入の流れを止めることなく、集積されたブランク材を次工程に搬出することができる。
【0006】
しかしながら、特許文献1に係る発明は、「それぞれ所定の循環経路を並走する複数の無端搬送部材を有し、これら搬送部材が複数で1組となるように複数組にグループ分けされていると共に各組ごとに駆動手段を有しており(特許文献1からの抜粋)」、このため集積搬送装置の駆動手段を実現するための構造が複雑で、しかも、設置スペースを広くとる必要があり、限られたスペース内に集積搬送装置を設置する必要がある場合、すなわち、コンパクト化が望まれるような場合においては都合が悪かった。
【0007】
本発明の目的は、ブランク材等の搬入集積作業と次工程への搬出作業を同時進行的に行うことにより、ベルトコンベア等からのブランク材等の搬入速度を遅くしたり、搬入自体を止めたりすることなく連続的にブランク材等を搬送することができる集積搬送装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、請求項1に記載された発明は、
プレス装置によってプレス加工されたブランク材を集積してから搬出する集積搬送装置であって、プレス加工されたブランク材を搬送するベルトコンベアと、前記ベルトコンベアから搬送されたブランク材を、降下しながら集積し、集積後搬出するための搬出手段を備えた上下移動可能な集積搬送部と、前記集積搬送部がブランク材を集積するために降下した後、該ブランク材を前記搬出手段によって次工程に搬出しながら、前記ベルトコンベアから搬送されてきたブランク材を集積できる位置に上昇してくるまでの間、前記ベルトコンベアから搬送されてくるブランク材を集積させるための仮受部とを備えており、前記集積搬送部が、複数の回転ロールを前記ベルトコンベアの搬送方向と直交するように設けたものであり、
前記仮受部が、前記ベルトコンベアの搬送方向に沿って動く複数の円柱状の棒状部材を備えたものであり、それらの棒状部材が、前記回転ロールよりも小径のものであり、かつ、隣り合う回転ロール同士の中間に位置するように配置されていることを特徴とするものである。
【0010】
請求項2に記載された発明は、
請求項1に記載された発明において、さらに、エンドストッパを備えている集積搬送装置であることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に記載の集積搬送装置は、ベルトコンベアから搬送されてきたブランク材を、降下しながら集積し、集積後搬送するための搬出手段を備えた上下移動可能な集積搬送部と、集積搬送部がブランク材を集積するために降下してから、搬出手段によって搬出しながらベルトコンベアから搬送されてきたブランク材を集積可能な位置に上昇してくるまでの間、ベルトコンベアから搬送されてくるブランク材を仮受けするための仮受部とを備えているため、集積搬送部に集積したブランク材を次工程に搬出している間、ベルトコンベアから搬送されてくるブランク材を、一時的に仮受部に集積させておくことでブランク材の集積作業と次工程への搬出作業を同時に行うことができる。
【0012】
また、請求項1に記載の集積搬送装置の仮受部は、ブランク材を載せておくことができる程度の間隔を設けて、シリンダー装置の動きに連動して動く複数の棒状部材を備えているため、集積搬送部に集積したブランク材を次工程に搬出している間、ベルトコンベアから搬送されてくるブランク材を、一時的に仮受部に集積させておくことができる。
【0013】
請求項2に記載の集積搬送装置は、ベルトコンベアから1枚ずつ搬送されてきたブランク材を受け止めるためのエンドストッパを備えているので、ベルトコンベアから搬送されたブランク材を整頓された状態で、集積搬送部、或いは仮受部に集積させることができる。さらに、プレスの不具合等により形状が著しく異なっているブランク材を識別することができる(いわゆるポカ除け)。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】集積搬送装置(全体)の斜視図である(拡大図は、集積搬送部、および仮受部である)。
【
図2】集積搬送装置(全体)を示す説明図である(aは平面図であり、bは正面図である)。
【
図3】集積搬送装置(一部)を示す説明図である(aは平面図であり、bは正面図である)。
【
図4】集積搬送装置(一部)を示す説明図である(aは平面図であり、bは正面図である)。
【
図5】仮受部(全体)の斜視図である(拡大図は、複数の棒状部材である)。
【
図6】
ブランク材の搬送方法を示す説明図である(aは正面図であり、bは平面図である)。
【
図7】
ブランク材の搬送方法を示す説明図である(aは正面図であり、bは平面図である)。
【
図8】
ブランク材の搬送方法を示す説明図である(aは正面図であり、bは平面図である)。
【
図9】
ブランク材の搬送方法を示す説明図である(aは正面図であり、bは平面図である)。
【
図10】
ブランク材の搬送方法を示す説明図である(aは正面図であり、bは平面図である)。
【
図11】
ブランク材の搬送方法を示す説明図である(aは正面図であり、bは平面図である)。
【
図12】
衝撃吸収部材を設置した状態の仮受部(全体)を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
<集積搬送装置の構造>
以下、本発明に係る集積搬送装置1の一実施形態について、
図1〜
図12に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明に係る集積搬送装置1の全体斜視図である。
図2は、集積搬送装置(全体)の平面図(a)、および全体の正面図(b)であり、
図3は、集積搬送装置(一部)の平面図(a)、および正面図(b)であり、
図4は、集積搬送装置(一部)の平面図(a)、および側面図(b)である。なお、本明細書において集積搬送装置1とは、搬入品を集積して纏めてから次工程に搬出する装置のことを言う。すなわち、ブランク材B(打ち抜き加工品)等が、外部に設置されたプレス装置等によって一枚ずつプレス加工された後、ベルトコンベア2によって、そのまま一枚ずつ搬入されるのであるが、これらのブランク材Bを集積しながら搬入し、ある程度纏まった時点で次工程に搬出する装置のことを言う。
【0016】
図1〜
図4に記載したように、本発明に係る集積搬送装置1におけるブランク材Bを搬送するための基本的な構造としては、外部に設置されたプレス装置等によって打ち抜きプレス加工されたブランク材Bを搬送するベルトコンベア2と、ベルトコンベア2から搬送されてきたブランク材Bを、1枚ずつ搬入しながら、徐々に降下することにより(ブランク材Bを)集積させ、ブランク材Bが予め設定された高さになるまで集積されたタイミングで次工程に搬出するための搬出手段としての複数の回転ローラ9(
図1拡大図参照)を備えた上下移動可能な集積搬送部4と、集積搬送部4がブランク材Bを集積するために(ブランク材Bが予め設定された高さになるまで)降下した後、ブランク材Bを搬出手段としての複数の回転ローラ9(
図1拡大図参照)によって次工程に搬出しながら、ベルトコンベア2から搬送されてきたブランク材Bを集積できる位置まで上昇して来るまでの間、すなわち、集積搬送部4が、ベルトコンベア2から搬送されるブランク材Bを、搬入できない状態の間、ベルトコンベア2から搬送されてくるブランク材Bを一時的に搬入するための
仮受部5を備えている。
【0017】
本発明に係る集積搬送装置の仮受部5は、集積搬送部4に集積したブランク材Bを次工程に移動させている間、ベルトコンベア2から搬送されてくるブランク材Bを仮受部5に集積させておくことができるように、集積搬送部4を介してベルトコンベア2端部と対峙する位置に設置されている。
【0018】
図5は、仮受部5の全体斜視図(拡大図は複数の棒状部材6)である。
図5に記載したように、本発明に係る集積搬送装置1の仮受部5は、ブランク材Bを一時的に載置するための複数の棒状部材6(φ20mm)を備えている。複数の棒状部材6は、ブランク材Bの搬入方向と平行な方向に向かって突き出せるように設置されており、さらに、ブランク材Bを載せておくことができる程度の間隔を設けて設置されている(
図5では、10本の棒状部材6が設置されている)。そして、棒状部材6の一端が固定され、さらにシリンダー装置7と接続されている。このような構成により複数の棒状部材6は、仮受部5に設置されたシリンダー装置7の出し入れの動きに連動してブランク材Bの搬入方向と平行な方向に向かって、集積搬送部4がブランク材Bを集積するために降下した際、集積搬送部4のちょうど真上の位置に突き出したり、元の位置に戻ったりするように動かすことができるようになっている。
【0019】
エンドストッパ8は、ベルトコンベア2から1枚ずつ搬送されてくるブランク材Bの個々の集積される位置が、できるだけバラバラにならないようにするために設置された部材(プレスの不具合等により形状が著しく異なっているブランク材Bを識別することができる、いわゆるポカ除けとしての機能も有している)である。エンドストッパ8は、
図2(a)に記載したように、集積搬送部4の一端付近(ベルトコンベア2から離れた側)に集積搬送部4と分離して集積搬送装置1に設置された部材である。エンドストッパ8のブランク材Bと隣接する部分の形状は、搬送されてくるブランク材Bの先端付近の形状と略凹凸の関係になるような形状にすると、搬送されたブランク材Bを整頓された状態で集積させることができる。
【0020】
エンドストッパ8は、搬送されて来るブランク材Bの形状に合わせて、エンドストッパ8のブランク材Bと隣接する部分の位置や角度を変えたりすることで調整し、またはエンドストッパ8自体をブランク材Bに合わせた異なる形状のものに交換することができる。
【0021】
<集積搬送装置におけるブランク材の搬送方法>
図6〜図12は、本発明に係る集積搬送装置1におけるブランク材Bの搬送方法を(時系列に沿って)説明するための正面図、および平面図である。
【0022】
本発明に係る集積搬送装置1の特徴は、集積搬送部4に集積したブランク材Bを次工程に移動させている間、すなわち、集積搬送部4が、ベルトコンベア2から搬送されるブランク材Bを、搬入できない状態の間、ベルトコンベア2から搬送されてくるブランク材Bを仮受部5に集積させておくことでブランク材Bの集積作業と次工程への搬送作業を同時進行的に行うことができることにある。
【0023】
図6(a)および図7(a)に記載したように本発明に係る集積搬送装置1は、ベルトコンベア2から搬送されたブランク材Bを、集積搬送部4に搬入しつつ、徐々に降下させながら(ブランク材B)を集積し始める(
図7(a)に記載したようにブランク材Bを一枚ずつ集積させていく)。そして、集積搬送部4に集積されたブランク材Bの高さが、予め設定しておいた一定の高さ(例えば450mm)になるまで、集積搬送部4は、ブランク材Bを集積しつつ降下し続けることになる。
【0024】
図8(a),(b)(実線)に記載したように、集積搬送部4に集積されたブランク材Bの高さが、予め設定しておいた一定の高さ(例えば450mm)になった時点で(集積搬送部4がブランク材Bを集積するために、予め設定しておいた一定の位置まで降下した時点)、仮受部5からシリンダー装置7の動きに連動して複数の棒状部材6が、集積搬送部4のちょうど真上の位置に突き出るようになっている。一方、搬出手段3としての複数の回転ローラ9を回転させることにより集積搬送部4に集積されたブランク材Bを次工程に搬出することになる。従って、ベルトコンベア2を停止すること無く、連続してベルトコンベア2から搬送されたブランク材Bを集積搬送装置1に搬入することができる状態になる。
【0025】
図9(b)および図10(b)に記載したように、仮受部5から、一端が固定されていてシリンダー装置7と連動して動く複数の棒状部材6が、シリンダー装置7によって押し出されたことにより、集積搬送部4のちょうど真上の位置に突き出て、ベルトコンベア2から搬送されたブランク材Bを一時的に搬入している間、集積搬送部4は、集積されたブランク材Bを搬出手段3としての複数の回転ローラ9により次工程に搬出し(
図9(a),(b)参照)、その後上昇する(図10(a)参照)。
【0026】
そして、
図11(a),(b)に記載したように、集積搬送部4が上昇してブランク材Bを搬入することが可能な位置まで戻ると、仮受部5から突出していた複数の棒状部材6は引っ込んで元の位置に戻る。これらの動作を繰り返すことにより、すなわち、集積搬送部4に集積したブランク材Bを次工程に移動させている間、ベルトコンベア2から搬送されてくるブランク材Bを仮受部5に集積させておくことでブランク材Bの集積作業と次工程への搬送作業を同時に行うことができる。
【0027】
<集積搬送装置の効果>
本発明に係る集積搬送装置1は、ベルトコンベア2から搬送されてきたブランク材Bを、降下しながら集積し、集積後搬送するための搬出手段3としての複数の回転ローラ9を備えた上下移動可能な集積搬送部4と、集積搬送部4がブランク材Bを集積するために降下してから、搬出手段3としての複数の回転ローラ9によって搬出しながらベルトコンベア2から搬送されてきたブランク材Bを集積可能な位置に上昇してくるまでの間、ベルトコンベア2から搬送されてくるブランク材Bを一時的に搬入するための仮受部5を備えている。このような構成であれば、集積搬送部4が集積したブランク材Bを次工程に搬出している間、ベルトコンベア2から搬送されてくるブランク材Bを一時的に仮受部5に集積させておくことでブランク材Bの集積作業と次工程への搬出作業を同時に行うことができる。
【0028】
そして、集積搬送部4は、ベルトコンベア2から1枚ずつ搬入されてきたブランク材Bを止めるためのエンドストッパ8を備えているので、ベルトコンベア2から搬送されたブランク材Bがこの位置で纏めることができる。さらに、プレスの不具合等により形状が著しく異なっているブランク材Bを識別することができる(いわゆるポカ除け)。
【0029】
<集積搬送装置の変更例>
本発明に係る集積搬送装置1の構成は、上記した各実施形態の態様に何ら限定されるものではなく、ベルトコンベア2、搬出手段3、集積搬送部4、仮受部5、棒状部材6、シリンダー装置7、エンドストッパ8、回転ローラ9等の構成を、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、必要に応じて適宜変更することができる。例えば、仮受部5は、できるだけ短時間でベルトコンベア2から搬送されてくるブランク材Bを一時的に搬入できる状態にするために、集積搬送部4を介してベルトコンベア2端部と対峙する位置のみに設置するのではなく、さらに、ベルトコンベア2の終端下部にも仮受部5を設置することができる。
【0030】
そして、仮受部5は、
図12に記載したような位置に、シリコンゴム等の弾性を有する材料、又は巻バネ等の弾性部材による衝撃吸収部材を設置することで、一端が固定され、さらにシリンダー装置7と接続されている複数の棒状部材6が、ベルトコンベア2から搬送されてくるブランク材Bを、一時的に仮受部5に集積させておくために、シリンダー装置7の出し入れの動きに連動して、ブランク材Bの搬入方向と平行な方向に対して出入りするように動く際に生じ得る衝撃を吸収することができるようにすることもできる。
【0031】
すなわち、集積搬送部4を介してベルトコンベア2端部と対峙する位置に仮受部5(棒状部材6)が設置された場合においては、仮受部5の棒状部材6がベルトコンベア2の終端下部に衝突しないように制御することができるようになっている。
【0032】
集積搬送部4を介してベルトコンベア2端部と対峙する位置のみに設置するのではなく、さらに、ベルトコンベア2の終端下部にも仮受部5を設置された場合においては、ベルトコンベア2端部と対峙する位置に設置した仮受部5の棒状部材6と、ベルトコンベア2の終端下部に設置した仮受部5の棒状部材6同士が衝突しないように制御することができるようになっている。
【0033】
すなわち、本発明における集積搬送装置1の仮受部5は、
図12に記載したような位置に、衝撃吸収部材が設置されているので、一端が固定され、さらにシリンダー装置7と接続されている複数の棒状部材6が、ベルトコンベア2から搬送されてくるブランク材Bを、一時的に仮受部5に集積させておくために、シリンダー装置7の出し入れの動きに追従するようにして、ブランク材Bの搬入方向と平行な方向に対して動く際の衝撃を吸収することができる。
【産業上の利用可能性】
【0034】
本発明に係る集積搬送装置は、上記の如く優れた効果を奏するものであるので、プレス装置等によってプレス加工された後、ベルトコンベア等によって搬入されたブランク材(打ち抜き加工品)等を集積しながら次工程に搬出することができる集積搬送装置として好適に用いることができる。
【符号の説明】
【0035】
1・・集積搬送装置
2・・ベルトコンベア
3・・搬出手段
4・・集積搬送部
5・・仮受部
6・・棒状部材
7・・シリンダー装置
8・・エンドストッパ
9・・回転ローラ
B・・ブランク材
【要約】
【課題】ベルトコンベアの搬送速度を遅くしたり、ベルトコンベア自体の動作を止めたりすることなくスムーズにブランク材等を搬送することができる集積搬送装置を提供する。
【解決手段】プレス加工されたブランク材を搬送するベルトコンベア2と、ベルトコンベア2から搬送されたブランク材を、降下しながら集積し、集積後搬出するための搬出手段3を備えた上下移動可能な集積搬送部4と、集積搬送部4がブランク材を集積するために降下した後、該ブランク材を搬出手段3によって次工程に搬出しながら、ベルトコンベア2から搬送されてきたブランク材を集積できる位置に上昇してくるまでの間、ベルトコンベア2から搬送されてくるブランク材を搬入するための仮受部5を備えた集積搬送装置1とした。
【選択図】
図1