特許第5996056号(P5996056)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ユニマテック株式会社の特許一覧 ▶ 国立大学法人弘前大学の特許一覧

特許5996056含フッ素ナノシリカコンポジット粒子の分散液
<>
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5996056
(24)【登録日】2016年9月2日
(45)【発行日】2016年9月21日
(54)【発明の名称】含フッ素ナノシリカコンポジット粒子の分散液
(51)【国際特許分類】
   C01B 33/145 20060101AFI20160908BHJP
   C08L 101/10 20060101ALI20160908BHJP
   C08K 5/05 20060101ALI20160908BHJP
   C08K 5/1535 20060101ALI20160908BHJP
   C08K 5/02 20060101ALI20160908BHJP
   C08G 77/42 20060101ALI20160908BHJP
   C09C 1/28 20060101ALI20160908BHJP
   C09C 3/12 20060101ALI20160908BHJP
   C09C 3/08 20060101ALI20160908BHJP
   C09D 17/00 20060101ALI20160908BHJP
   C01B 33/141 20060101ALI20160908BHJP
   B82Y 30/00 20110101ALI20160908BHJP
【FI】
   C01B33/145
   C08L101/10
   C08K5/05
   C08K5/1535
   C08K5/02
   C08G77/42
   C09C1/28
   C09C3/12
   C09C3/08
   C09D17/00
   C01B33/141
   B82Y30/00
【請求項の数】2
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2015-150292(P2015-150292)
(22)【出願日】2015年7月30日
(62)【分割の表示】特願2014-44029(P2014-44029)の分割
【原出願日】2014年3月6日
(65)【公開番号】特開2016-13968(P2016-13968A)
(43)【公開日】2016年1月28日
【審査請求日】2015年7月30日
(31)【優先権主張番号】特願2013-44083(P2013-44083)
(32)【優先日】2013年3月6日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】502145313
【氏名又は名称】ユニマテック株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】504229284
【氏名又は名称】国立大学法人弘前大学
(74)【代理人】
【識別番号】100066005
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 俊夫
(74)【代理人】
【識別番号】100114351
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 和子
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 勝之
(72)【発明者】
【氏名】澤田 英夫
【審査官】 小野 久子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−143806(JP,A)
【文献】 特表2011−506639(JP,A)
【文献】 特表2012−516913(JP,A)
【文献】 特開平07−112126(JP,A)
【文献】 特開平08−027425(JP,A)
【文献】 特開平09−208898(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C01B 33/00−33/193
B82Y 30/00
C08G 77/42
C08K 5/02
C08K 5/05
C08K 5/1535
C08L 101/10
C09C 1/28
C09C 3/08
C09C 3/12
C09D 17/00
JSTPlus(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式
RF-A-OH 〔I〕
(ここで、RFはパーフルオロアルキル基であり、Aはアルキレン基である)で表される含フッ素アルコールおよびアルコキシシランとナノシリカ粒子との縮合体からなる含フッ素ナノシリカコンポジット粒子を、水、メタノール、エタノール、1,2-ジクロロエタンまたはテトラヒドロフランに分散させた分散液。
【請求項2】
一般式〔I〕で表される含フッ素アルコールとして、一般式
CnF2n+1(CH2)dOH 〔II〕
(ここで、nは1〜10、dは1〜6の整数である)で表されるポリフルオロアルキルアルコールが用いられた請求項1記載の含フッ素ナノシリカコンポジット粒子の分散液。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、含フッ素ナノシリカコンポジット粒子の分散液に関する。さらに詳しくは、含フッ素アルコールを用いた含フッ素ナノシリカコンポジット粒子の分散液に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、多孔性および非多孔性基体の永久的な耐油および耐水表面処理のための、固体樹脂に対するフッ素含有量5〜75質量%を有する液状の、フッ素含有および単一成分の組成物であって、適切な安定化成分および親水性シラン成分と組み合わせて、保存安定性、疎水性、疎油性および耐塵性にすぐれた組成物が記載されている。
【0003】
しかしながら、ここでは鉱物および非鉱物基体の表面処理剤の調製に際し、毒性の高いイソシアネート化合物を用いることでフッ素化合物にシリル基を導入しており、したがってその実施に際しては製造環境を整える必要がある。また、現在環境面から削減が求められているパーフルオロオクタン酸およびその前駆体であるC8以上のパーフルオロアルキル基を有する含フッ素アルコールが用いられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表2011−511113号公報
【特許文献2】特許第4674604号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、すぐれた撥水撥油性能を有し、さらにパーフルオロアルキル基の炭素数が8未満のものにあっては、環境中に放出されてもパーフルオロオクタン酸等を生成させない含フッ素アルコールを用いた含フッ素ナノシリカコンポジット粒子の分散液を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によって、一般式
RF-A-OH 〔I〕
(ここで、RFはパーフルオロアルキル基であり、Aはアルキレン基である)で表される含フッ素アルコールおよびアルコキシシランとナノシリカ粒子との縮合体からなる含フッ素ナノシリカコンポジット粒子を、水、メタノール、エタノール、1,2-ジクロロエタンまたはテトラヒドロフランに分散させた分散液が提供される。
【発明の効果】
【0007】
本発明で用いられる含フッ素アルコールは、末端パーフルオロアルキル基の炭素数が10以下のものであり、かかる含フッ素アルコールとアルコキシシランとの縮合反応時にオルガノナノシリカ粒子を共存させて得られる含フッ素ナノシリカコンポジット粒子は、水、メタノール、エタノール、1,2-ジクロロエタンまたはテトラヒドロフラン中に安定して分散可能であり、例えば800℃といった高温での耐熱性にすぐれ、具体的にはコンポジット粒子径の増加や重量減の値を低下させている。また、炭素数が8未満のパーフルオロアルキル基を有するものにあっては、環境中に放出されてもパーフルオロオクタン酸等を生成させないので、環境汚染につながらない。
【発明を実施するための形態】
【0008】
含フッ素アルコール〔I〕としては、例えば一般式
CnF2n+1(CH2)dOH 〔II〕
n:1〜10、好ましくは1〜6
d:1〜6、好ましくは2
で表されるポリフルオロアルキルアルコール等が用いられる。
【0009】
アルキレン基Aとしては、-CH2-基、-CH2CH2-基等が挙げられ、かかるアルキレン基を有するポリフルオロアルキルアルコール(パーフルオロアルキルアルキルアルコール)としては、2,2,2-トリフルオロエタノール(CF3CH20H)、3,3,3-トリフルオロプロパノール(CF3CH2CH2OH)、2,2,3,3,3-ペンタフルオロプロパノール(CF3CF2CH20H)、3,3,4,4,4-ペンタフルオロブタノール(CF3CF2CH2CH2OH)、2,2,3,3,4,4,5,5,5-ノナフルオロペンタノール(CF3CF2CF2CF2CH20H)、3,3,4,4,5,5,6,6,6-ノナフルオロヘキサノール(CF3CF2CF2CF2CH2CH2OH)、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8-トリデカフルオロオクタノール(CF3CF2CF2CF2CF2CF2CH2CH2OH)等が例示される。
【0010】
一般式〔II〕で表されるポリフルオロアルキルアルコールは、例えば特許文献2に記載されており、次のような一連の工程を経て合成される。
まず、一般式
CnF2n+1(CF2CF2)b(CH2CH2)cI
で表されるポリフルオロアルキルアイオダイド、例えば
CF3(CH2CH2)I
CF3(CH2CH2)2I
C2F5(CH2CH2)I
C2F5(CH2CH2)2I
C3F7(CH2CH2)I
C3F7(CH2CH2)2I
C4F9(CH2CH2)I
C4F9(CH2CH2)2I
C2F5(CF2CF2)(CH2CH2)I
C2F5(CF2CF2)(CH2CH2)2I
C2F5(CF2CF2)2(CH2CH2)I
C2F5(CF2CF2)2(CH2CH2)2I
C2F5(CF2CF2)3(CH2CH2)I
C4F9(CF2CF2)(CH2CH2)I
C4F9(CF2CF2)2(CH2CH2)I
C4F9(CF2CF2)(CH2CH2)2I
C4F9(CF2CF2)2(CH2CH2)2I
C4F9(CF2CF2)3(CH2CH2)I
をN-メチルホルムアミド HCONH(CH3)と反応させ、ポリフルオロアルキルアルコールとそのギ酸エステルとの混合物とした後、酸触媒の存在下でそれに加水分解反応させ、ポリフルオロアルキルアルコール
CnF2n+1(CF2CF2)b(CH2CH2)cOH
を形成させる。
【0011】
これらの含フッ素アルコールとアルコキシシランとは、アルカリ性または酸性の触媒の存在下で反応させることにより、含フッ素ナノコンポジット粒子を形成させる。
【0012】
前記アルコキシシランは一般式
(R1O)pSi(OR2)q(R3)r 〔III〕
R1、R3:H、C1〜C6のアルキル基またはアリール基
R2:C1〜C6のアルキル基またはアリール基
ただし、R1、R2、R3が共にアリール基であることはない
p+q+r:4 ただし、qは0ではない
で表され、例えばトリメトキシシラン、トリエトキシシラン、トリメトキシメチルシラン、トリエトキシメチルシラン、トリメトキシフェニルシラン、トリエトキシフェニルシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン等が用いられる。
【0013】
これら各成分間の反応は、アルカリ性または酸性触媒、例えばアンモニア水あるいは水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム等のアルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物の水溶液、または塩酸、硫酸等の存在下で、約0〜100℃、好ましくは約10〜30℃の温度で約0.5〜48時間、好ましくは約1〜10時間程度反応させることにより行われる。
【0014】
得られた含フッ素ナノコンポジット粒子中の含フッ素アルコール量は、約1〜50モル%、好ましくは約5〜30モル%であり、コンポジット粒子径(動的光散乱法により測定)は約30〜200nmである。
【0015】
このような含フッ素ナノコンポジットの製造の際、反応系にオルガノナノシリカ粒子を共存させて縮合反応を行うと、含フッ素アルコール-アルコキシシラン-ナノシリカ粒子の3成分からなる縮合体としての含フッ素ナノシリカコンポジット粒子を製造することができる。
【0016】
ナノシリカ粒子としては、平均粒径(動的光散乱法により測定)が5〜200nm、好ましくは10〜100nmであって、その一次粒子径が40nm以下、好ましくは5〜30nm、さらに好ましくは10〜20nmのオルガノシリカゾルが用いられる。実際には、市販品である日産化学工業製品メタノールシリカゾル、スノーテックスIPA-ST(イソプロピルアルコール分散液)、スノーテックスEG-ST(エチレングリコール分散液)、スノーテックスMEK-ST(メチルエチルケトン分散液)、スノーテックスMIBK-ST(メチルイソブチルケトン分散液)等が用いられる。
【0017】
これらの各成分は、ナノシリカ粒子100重量部に対し、含フッ素アルコールが約1〜99重量部、好ましくは約10〜50重量部の割合で、またアルコキシシランが約1〜99重量部、好ましくは約10〜50重量部の割合で用いられる。含フッ素アルコールの使用割合がこれよりも少ないと撥水撥油性が低くなり、一方これよりも多い割合で使用されると溶媒への分散性が悪くなる。また、アルコキシシランの使用割合がこれよりも少ないと溶媒への分散性が悪くなり、一方これよりも多い割合で使用されると撥水撥油性が低くなる。
【0018】
反応生成物である含フッ素ナノシリカコンポジット粒子は、ナノシリカ粒子表面の水酸基に、シロキサン結合をスペーサーとして含フッ素アルコールが結合しているものと考えられ、したがってシリカの化学的、熱的安定性とフッ素のすぐれた撥水撥油性、防汚性などが有効に発揮されており、実際にガラス表面を含フッ素ナノシリカコンポジット粒子で処理したものは良好な撥水撥油性を示し、また800℃での重量減を少なくするなどの効果がみられる。また、ナノシリカコンポジット粒子の粒径およびそのバラツキも小さい値を示している。なお、ナノシリカコンポジット粒子は、含フッ素アルコールおよびアルコキシシランとナノシリカ粒子との反応生成物として形成されるが、この発明の目的を阻害しない限り他の成分の混在も許容される。
【実施例】
【0019】
次に、実施例について本発明を説明する。
【0020】
実施例1
CF3(CF2)3(CH2)2OH〔FA-4〕0.25gを30mlのメタノール中に加えて溶解させ、その溶液中にシリカゾル(日産化学製品メタノールシリカゾル;30重量%ナノシリカ含有、平均粒子径11nm)1.67g(ナノシリカとして0.50g)およびテトラエトキシシラン(東京化成製品;密度0.93g/ml)0.25mlを加え、マグネチックスターラで攪拌しながら、25重量%アンモニア水0.25mlを加え、5時間反応を行った。
【0021】
反応終了後、エバポレータを用いて減圧下でメタノールおよびアンモニア水を除去し、得られた粉末を約20mlのメタノール中で一夜再分散させた。翌日遠沈管を用いて遠心分離し、上澄みを捨て、新たなメタノールを加え、リンス作業を行った。このリンス作業を3回行った後、遠沈管の口をアルミニウムホイルで覆い、70℃のオーブン中に一夜入れた。その翌日50℃の真空乾燥機に一夜入れて乾燥し、0.582g(収率71%)の白色粉末を得た。
【0022】
得られた白色粉末の含フッ素ナノシリカコンポジット粒子の粒子径およびそのバラツキを、25℃で固形分濃度1g/Lメタノール分散液について、動的光散乱(DLS)測定法によって測定した。また、熱重量分析(TGA)を、800℃の焼成前後について行った。その際、昇温速度は10℃/分とした。さらに、初期重量に対する焼成による減少重量の百分率も算出した。
【0023】
さらに、固形分濃度1重量%で分散させた含フッ素ナノシリカコンポジット粒子の水〔H2O〕、メタノール〔MeOH〕、エタノール〔EtOH〕、1,2-ジクロロエタン〔DCE〕およびテトラヒドロフラン〔THF〕に対する分散性を目視で観察し、次の評価基準にしたがって評価した。
○:均一に分散して、分散液は透明
△:やや分散して、分散液は白濁
×:分散せず、分散媒中に沈殿
【0024】
実施例2〜5
実施例1において、25重量%アンモニア水が種々に変更された。
【0025】
実施例6〜10
実施例1〜5において、含フッ素アルコールとして CF3(CF2)5(CH2)2OH〔FA-6;C2F5(CF2CF2)2(CH2CH2)OH〕が同量(0.25g)用いられた。
【0026】
実施例11〜15
実施例1〜5において、含フッ素アルコールとして CF3(CF2)7(CH2)2OH〔FA-8;C2F5(CF2CF2)3(CH2CH2)OH〕が同量(0.25g)用いられた。
【0027】
以上の各実施例におけるアンモニア水量、回収量、収率および各種測定結果は、次の表1に示される。また、その分散性評価は、表2に示される。
なお、収率は、テトラアルコキシシランが自己縮合反応し、3次元のシロキサン結合Si-Oを形成させ、その内の -O-Si-O-〔SiO2〕骨格を生成するものとして、下記計算式より求めた。なお、シリカが用いられない場合には、C=0として計算される。
収率(%)=A/〔B+C+(D×E×F/G)〕×100
A:生成コンポジット重量(g)
B:含フッ素アルコール重量(g)
C:シリカ重量(g)
D:テトラアルコキシシラン容量(ml)
E:テトラアルコキシシラン密度(g/ml)
F:テトラアルコキシシラン由来のSiO2モル重量(g/モル)
G:テトラアルコキシシランモル重量(g/モル)

表1
含フッ素ナノシリカ
aq、NH3 回収量 収率 コンポジット粒子径(nm) 重量減
実施例 (ml) (g) (%) 焼成前 800℃焼成後 (%)
1 0.25 0.582 71 36.8± 9.9 39.0± 3.1 7
2 0.50 0.559 68 30.1± 7.3 39.5± 9.9 7
3 1.0 0.352 43 69.1±13.9 45.3±10.9 7
4 2.0 0.419 51 41.5±10.2 42.6± 9.2 7
5 4.0 0.571 70 34.0± 7.6 139.8±25.5 7
6 0.25 0.500 61 35.3± 8.3 53.3±11.4 8
7 0.50 0.580 71 40.5±11.3 40.5±12.0 6
8 1.0 0.590 72 40.5±13.0 62.3±18.5 6
9 2.0 0.488 60 105.3±19.0 97.5±30.2 7
10 4.0 0.426 52 45.4±13.2 60.9±17.1 6
11 0.25 0.521 64 41.7±13.7 81.7±21.6 7
12 0.50 0.481 59 28.2± 6.0 32.2± 9.8 6
13 1.0 0.475 58 56.6±11.5 53.7±10.2 6
14 2.0 0.516 63 53.6±11.4 55.1±14.5 6
15 4.0 0.565 69 39.7± 9.2 35.4±12.8 7

表2
実施例 H2O MeOH EtOH DCE THF
1 △ ○ ○ ○ ○
2 ○ ○ ○ ○ ○
3 ○ ○ ○ ○ ○
4 ○ ○ ○ ○ ○
5 ○ ○ ○ ○ ○
6 ○ ○ ○ ○ ○
7 ○ ○ ○ ○ ○
8 △ ○ ○ ○ ○
9 ○ ○ ○ ○ ○
10 ○ ○ ○ ○ ○
11 ○ ○ ○ ○ ○
12 ○ ○ ○ ○ ○
13 ○ ○ ○ ○ ○
14 ○ ○ ○ ○ ○
15 ○ ○ ○ ○ ○
【0028】
参考例1〜3
実施例13〜15において、メタノールシリカゾルが用いられなかった。
【0029】
以上の参考例1〜3におけるアンモニア水量、回収量、収率および各種測定結果は、次の表3に示される。また、その分散性評価は、表4に示される。
表3
含フッ素ナノ
aq、NH3 回収量 収率 コンポジット粒子径(nm) 重量減
参考例 (ml) (g) (%) 焼成前 800℃焼成後 (%)
1 1.0 0.065 20 54.5±12.0 16.6± 3.8 18
2 2.0 0.059 19 21.1± 6.0 26.4± 6.0 17
3 4.0 0.065 20 37.3± 8.1 49.6±11.2 17

表4
参考例 H2O MeOH EtOH DCE THF
1 ○ ○ ○ ○ ○
2 ○ ○ ○ ○ ○
3 △ ○ ○ ○ ○
【0030】
実施例21〜35、参考例11〜13
前記実施例1〜15および参考例1〜3で得られた焼成前の含フッ素ナノシリカコンポジット粒子(実施例21〜35)および焼成前の含フッ素ナノコンポジット粒子(参考例11〜13)のメタノール分散液(粒子濃度5g/L)を、ガラスプレパラートにディッピングし、室温下で乾燥させ、得られた薄層表面に室温条件下で4μlの液滴を静かに接触させ、n-ドデカンまたは水に付着した液滴の接触角(単位:°)を、θ/2法により接触角計(協和界面化学製DropMaster 300)で測定した。なお、水については経時的な測定が行われた。得られた結果は、次の表5に示される。
表5
水 (経過時間:分)
コンポジット ドデカン 10 15 20 25 30
実施例21 実施例1 35 21 10 0 0 0 0 0
〃 22 〃 2 7 22 17 15 13 11 10 7
〃 23 〃 3 4 7 0 0 0 0 0 0
〃 24 〃 4 0 7 0 0 0 0 0 0
〃 25 〃 5 0 0 0 0 0 0 0 0
〃 26 〃 6 49 28 0 0 0 0 0 0
〃 27 〃 7 46 48 27 26 24 20 20 17
〃 28 〃 8 16 19 19 16 14 13 10 8
〃 29 〃 9 14 11 0 0 0 0 0 0
〃 30 〃 10 19 16 7 0 0 0 0 0
〃 31 〃 11 114 37 34 33 31 30 30 28
〃 32 〃 12 108 61 58 52 49 46 45 41
〃 33 〃 13 123 59 17 0 0 0 0 0
〃 34 〃 14 125 23 13 10 8 0 0 0
〃 35 〃 15 127 91 18 4 0 0 0 0

参考例11 参考例1 50 52 48 45 38 34 29 25
〃 12 〃 2 45 62 54 47 44 37 33 25
〃 13 〃 3 43 35 29 26 22 18 14 9