【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一側面によると、大地の表面またはその上方の場所から地下環境まで延在する井戸が提供され、井戸は、大地の表面上またはその上方の井戸上部と、大地の表面から地下場所まで延在する井戸ボアと、井戸ボアの中に配置される注入導管であって、その一部が地表から地下環境の中の第1の場所まで延在させられ、第1の内径を有する、注入導管とを備える。井戸は、井戸ボアの中に配置される生成導管をさらに備え、生成導管の一部は、地表から地下環境の中の第2の場所まで延在させられ、生成導管は、第2の内径を有し、生成導管は、井戸ボアを介して注入導管に流動的に連結され、第1の内径は、第2の内径よりも大きい。
【0008】
一実施形態では、地下環境の一部は、少なくとも約300°Fの温度を備え、井戸は、熱交換流体をさらに備える。別の実施形態では、熱伝達流体は、水、アルコール、冷却剤、およびそれらの組み合わせから成る群から選択される流体を備える。さらに別の実施形態では、井戸ボアは、液体形態におけるある体積の熱交換流体と、その体積の熱交換流体の上方に位置するガス帯とをさらに備える。一実施形態では、ガス帯は、大気圧よりも大きい圧力にある。別の実施形態では、ガス帯は、空気、窒素、アルゴン、他の好適なガス、およびそれらの組み合わせから成る群から選択されるガスを備える。
【0009】
一実施形態では、第1の内径と第2の内径とは、8.3、1よりも大きい、1.5よりも大きい、2よりも大きい、および2.5よりも大きい、から成る群から選択される比を有する。
【0010】
別の実施形態では、井戸は、生成導管に流動的に連結されたエネルギー抽出システムをさらに備える。
【0011】
一実施形態では、生成導管は、その長さの少なくとも一部のための熱的絶縁材料を備える。
【0012】
一実施形態では、井戸は、井戸ボアと大地との間にケーシングをさらに備え、ケーシングの少なくとも一部は、地下環境に直接接触する。別の実施形態では、ケーシングの少なくとも一部は、熱伝導性壁によって囲まれている。さらに別の実施形態では、ケーシングは、無孔である。
【0013】
一実施形態では、該注入導管および該生成導管のうちの少なくとも1つは、表面特徴を備える。別の実施形態では、表面特徴は、陥凹を備える。
【0014】
本開示の別の側面によると、熱エネルギーを収集する方法が提供され、第1の速度で、熱交換流体を注入導管を通して井戸ボアの中へ導入するステップであって、井戸ボアの一部は、地下環境の中に配置される、ステップと、第2の速度で、熱交換流体を井戸ボアから生成導管を通して抽出するステップとを備え、第2の速度は、第1の速度よりも速い。
【0015】
一実施形態では、地下環境の一部は、少なくとも約300°Fの温度を備える。別の実施形態では、熱伝達流体は、水、アルコール、冷却剤、およびそれらの組み合わせから成る群から選択される流体を備える。
【0016】
一実施形態では、方法は、井戸ボアの中のある体積の熱交換流体の上方にガス帯を維持するステップであって、ある体積の熱交換流体は、液体形態である、ステップをさらに備える。別の実施形態では、ガス帯は、大気圧よりも大きい圧力にある。さらに別の実施形態では、ガス帯は、空気、窒素、アルゴン、他の好適なガス、およびそれらの組み合わせから成る群から選択されるガスを備える。
【0017】
一実施形態では、第1の速度よりも速い第2の速度は、少なくとも、生成導管の直径と異なる直径を有する注入導管によって達成される。別の実施形態では、注入導管の直径は、生成導管の直径よりも大きい。さらに別の実施形態では、注入導管の直径および生成導管の直径は、8.3、1よりも大きい、1.5よりも大きい、2よりも大きい、および2.5よりも大きい、から成る群から選択される比を有する。
【0018】
一実施形態では、方法は、抽出される熱交換流体からエネルギーを生成するステップをさらに備える。
【0019】
別の実施形態では、方法は、生成導管の一部を絶縁するステップをさらに備える。
【0020】
さらに別の実施形態では、方法は、井戸ボアと大地との間にケーシングを提供するステップと、ケーシングの一部の周囲に熱伝導性壁を提供するステップとをさらに備える。別の実施形態では、方法は、井戸ボアと大地との間にケーシングを提供するステップと、ケーシングの外部の一部を地下環境に暴露するステップとをさらに備える。さらに別の実施形態では、ケーシングは、無孔である。
【0021】
一実施形態では、方法は、注入導管および生成導管のうちの少なくとも1つに、表面積の増大を提供するステップをさらに備える。
【0022】
前述は、以下の発明を実施するための形態が、より理解され得るように、本発明の特徴および技術的利点を多少広義に概略した。本発明の付加的な特徴および利点は、以下に説明され、本発明の請求項の主題を形成するであろう。開示される概念および具体的実施形態が、本発明の同一目的を実行するための他の構造を修正または設計するための基礎として容易に利用され得ることは、当業者により理解されるはずである。また、そのような同等構造は、添付の請求項に記載される発明の精神および範囲から逸脱しないことも、当業者によって認識されるはずである。その編成および動作方法の両方について、本発明の特性であると考えられる、新規特徴は、さらなる目的および利点とともに、添付図と併せて検討されることによって、以下の説明からより理解されるであろう。しかしながら、図はそれぞれ、例示および説明の目的のためだけに提供され、本発明の限定の定義として意図されるものではないことは、明示的に理解されるはずである。
【0023】
ここで、本発明のより完全な理解のために、添付図面と関連して検討される以下の説明に対して参照がなされる。
本発明は、例えば、以下のものを提供する。
(項目1)
大地の表面におけるまたはその上方の場所から地下環境まで延在する井戸であって、
該井戸は、
大地の該表面におけるまたはその上方の井戸上部と、
大地の該表面から地下場所まで延在する井戸ボアと、
該井戸ボアの中に配置される注入導管であって、該注入導管の一部は、該表面から該地下環境の中の第1の場所まで延在させられ、該注入導管は、第1の内径を有する、注入導管と、
該井戸ボアの中に配置される生成導管であって、該生成導管の一部は、該表面から該地下環境の中の第2の場所まで延在させられ、該生成導管は、第2の内径を有する、生成導管と
を備え、該生成導管は、該井戸ボアを介して該注入導管に流動的に連結され、該第1の内径は、該第2の内径をよりも大きい、井戸。
(項目2)
前記井戸は、熱交換流体をさらに備える、項目1に記載の井戸。
(項目3)
熱伝達流体は、水、アルコール、冷却剤、およびそれらの組み合わせから成る群から選択される流体を備える、項目2に記載の井戸。
(項目4)
前記井戸ボアは、
液体形態にある、ある体積の熱交換流体と、
該体積の熱交換流体の上方に位置するガス帯と
をさらに備える、項目2に記載の井戸。
(項目5)
前記ガス帯は、大気圧よりも大きい圧力にある、項目4に記載の井戸。
(項目6)
前記ガス帯は、空気、窒素、アルゴン、他の好適なガス、およびそれらの組み合わせから成る群から選択されるガスを備える、項目4に記載の井戸。
(項目7)
前記第1の内径と前記第2の内径とは、8.3、1よりも大きい、1.5よりも大きい、2よりも大きい、および2.5よりも大きい、から成る群から選択される比を有する、項目1に記載の井戸。
(項目8)
前記生成導管に流動的に連結されたエネルギー抽出システムをさらに備える、項目2に記載の井戸。
(項目9)
前記生成導管は、その長さの少なくとも一部のための熱的絶縁材料を備える、項目2に記載の井戸。
(項目10)
前記井戸ボアと前記大地との間にケーシングをさらに備え、該ケーシングの少なくとも一部は、該地下環境に直接接触する、項目1に記載の井戸。
(項目11)
前記ケーシングは、無孔である、項目10に記載の井戸。
(項目12)
前記井戸ボアと前記大地との間にケーシングをさらに備え、該ケーシングの少なくとも一部は、熱伝導性壁によって囲まれている、項目1に記載の井戸。
(項目13)
前記ケーシングは、無孔である、項目12に記載の井戸。
(項目14)
前記注入導管および前記生成導管のうちの少なくとも1つは、表面特徴を備える、項目1に記載の井戸。
(項目15)
前記表面特徴は、陥凹を備える、項目12に記載の井戸。
(項目16)
熱エネルギーを収集する方法であって、
該方法は、
第1の速度で、熱交換流体を注入導管を通して井戸ボアの中へ導入することであって、該井戸ボアの一部は、地下環境の中に配置される、ことと、
第2の速度で、該熱交換流体を該井戸ボアから生成導管を通して抽出することと
を備え、該第2の速度は、該第1の速度よりも速い、方法。
(項目17)
熱伝達流体は、水、アルコール、冷却剤、およびそれらの組み合わせから成る群から選択される、項目16に記載の方法。
(項目18)
前記井戸ボアの中のある体積の熱交換流体の上方にガス帯を維持するステップであって、該体積の熱交換流体は、液体形態にある、ステップをさらに備える、項目16に記載の方法。
(項目19)
前記ガス帯は、大気圧よりも大きい圧力にある、項目18に記載の方法。
(項目20)
前記ガス帯は、空気、窒素、アルゴン、他の好適なガス、およびそれらの組み合わせから成る群から選択されるガスを備える、項目18に記載の方法。
(項目21)
前記第1の速度よりも速い前記第2の速度は、少なくとも、前記生成導管の直径と異なる直径を有する前記注入導管によって達成される、項目16に記載の方法。
(項目22)
前記注入導管の直径と前記生成導管の直径とは、8.3、1よりも大きい、1.5よりも大きい、2よりも大きい、および2.5よりも大きい、から成る群から選択される比を有する、項目21に記載の方法。
(項目23)
前記抽出された熱交換流体からエネルギーを生成するステップをさらに備える、項目16に記載の方法。
(項目24)
前記生成導管の一部を絶縁するステップをさらに備える、項目16に記載の方法。
(項目25)
前記井戸ボアと前記大地との間にケーシングを提供するステップと、
該ケーシングの一部の周囲に熱伝導性壁を提供するステップと
をさらに備える、項目16に記載の方法。
(項目26)
前記ケーシングは、無孔である、項目25に記載の方法。
(項目27)
前記井戸ボアと前記大地との間にケーシングを提供するステップと、
該ケーシングの外部の一部を前記地下環境に暴露するステップと
をさらに備える、項目16に記載の方法。
(項目28)
前記ケーシングは、無孔である、項目27に記載の方法。
(項目29)
前記注入導管および前記生成導管のうちの少なくとも1つに、表面積の増大を提供するステップをさらに備える、項目16に記載の方法。