(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5996147
(24)【登録日】2016年9月2日
(45)【発行日】2016年9月21日
(54)【発明の名称】洗浄装置内の延長又は多数反応部
(51)【国際特許分類】
B01D 53/38 20060101AFI20160908BHJP
B01D 53/18 20060101ALI20160908BHJP
F23G 7/06 20060101ALN20160908BHJP
【FI】
B01D53/38 150
B01D53/18 160
!F23G7/06 DZAB
!F23G7/06 101D
【請求項の数】24
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2016-507904(P2016-507904)
(86)(22)【出願日】2014年4月15日
(65)【公表番号】特表2016-520788(P2016-520788A)
(43)【公表日】2016年7月14日
(86)【国際出願番号】US2014034136
(87)【国際公開番号】WO2014172338
(87)【国際公開日】20141023
【審査請求日】2016年1月27日
(31)【優先権主張番号】61/812,206
(32)【優先日】2013年4月15日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】14/213,973
(32)【優先日】2014年3月14日
(33)【優先権主張国】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】511068935
【氏名又は名称】エアガード,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】メシネオ,ダニエル,エル
(72)【発明者】
【氏名】ロビアンコ,ロバート,ティー
(72)【発明者】
【氏名】ジョンズガード,マーク,ダブリュ
【審査官】
中村 泰三
(56)【参考文献】
【文献】
特開平02−126014(JP,A)
【文献】
特表2012−502792(JP,A)
【文献】
特開2002−106826(JP,A)
【文献】
特表2007−519878(JP,A)
【文献】
米国特許第07270539(US,B1)
【文献】
特開2011−174695(JP,A)
【文献】
特開2006−170603(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D 53/34−53/85
F23G 7/06− 7/08
F23G 5/00− 5/28
F23G 5/32− 5/50
B01J 10/00−12/02
B01J 14/00−19/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内面を有する壁によって画定される密閉容器と、
液体に密閉容器壁の前記内面において液体壁を形成させるように、前記密閉容器壁の前記内面に前記液体を送るように構成されるタンクと、
液体封入反応チャンバの上端において配置され、かつ、前記の反応チャンバの前記上端において第1ガスが第1反応部を生成するように、前記第1ガスを受け入れ、かつ、搬送するように構成された主要バーナーノズルと、
前記主要バーナーノズルの下流に位置し、かつ、前記密閉容器壁を通過する2次ガスポートと、
前記2次ガスポートの下流に位置し、かつ、前記密閉容器壁を通過する3次ガスポートと、
を含み、
前記の形成された液体壁は、前記密閉容器内に前記の反応チャンバを画定し、
前記第1反応部は、第1除害特性を有し、
前記第1反応部の下流の前記の反応チャンバにおいて、第2ガスが第2反応部を生成するように、前記2次ガスポートは、前記密閉容器壁及び前記の形成された液体壁を通って前記第2ガスを搬送するように構成され、
前記第2反応部は、第2除害特性を有し、
前記第2反応部の下流の前記の反応チャンバにおいて、第3ガスが第3反応部を生成するように、前記3次ガスポートは、前記密閉容器壁及び前記の形成された液体壁を通って前記第3ガスを搬送するように構成される、
システム。
【請求項2】
内面を有する壁によって画定される密閉容器と、
液体に密閉容器壁の前記内面において液体壁を形成させるように、前記密閉容器壁の前記内面に前記液体を送るように構成されるタンクと、
液体封入反応チャンバの上端において配置され、かつ、前記の反応チャンバの前記上端において第1ガスが第1反応部を生成するように、前記第1ガスを受け入れ、かつ、搬送するように構成された主要バーナーノズルと、
前記主要バーナーノズルの下流に位置し、かつ、前記密閉容器壁を通過する2次ガスポートと、
を含み、
前記の形成された液体壁は、前記密閉容器内に前記の反応チャンバを画定し、
前記第1反応部は、第1除害特性を有し、
前記第1反応部の下流の前記の反応チャンバにおいて、第2ガスが第2反応部を生成するように、前記2次ガスポートは、前記密閉容器壁及び前記の形成された液体壁を通って前記第2ガスを搬送するように構成され、
前記第2反応部は、第2除害特性を有し、
前記2次ガスポートは、前記密閉容器壁において開口部の配列を含み、各開口部は、前記の反応チャンバの前記上端に向かって上方に向く、
システム。
【請求項3】
前記第1ガス及び前記第2ガスは、前記の反応チャンバの中に受け入れられる排ガス流の組成物に基づいて選択される、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記第1ガス及び前記第2ガスは、同一の化学組成物を有し、
前記第1反応部及び前記第2反応部が組み合わさって、前記第1除害特性を有する延長反応部を生成するように、前記2次ガスポートは、前記主要バーナーノズルに近接して配置される、請求項2に記載のシステム。
【請求項5】
前記第1反応部の前記第1除害特性が、前記第2反応部の前記第2除害特性と異なるように、前記第1ガスは、前記第2ガスの化学組成物とは異なる化学組成物を有する、請求項2に記載のシステム。
【請求項6】
前記第1ガスは燃料を含み、
前記第2ガスは、燃料、酸化剤及び反応ガスから成る群から選ばれる、請求項2に記載のシステム。
【請求項7】
前記2次ガスポートは、前記の形成された液体壁を通って前記第2ガスを搬送するのに十分高い速度で、前記第2ガスを通過させるように構成される、請求項2に記載のシステム。
【請求項8】
前記2次ガスポートは、前記2次ガスポートに隣接した前記密閉容器壁にドライスポットが形成するのを防ぐのに十分低い速度で前記第2ガスを通過させるように構成される、請求項2に記載のシステム。
【請求項9】
前記2次ガスポートは、前記の形成された液体壁を通って延長する少なくとも1つの管を含む、請求項2に記載のシステム。
【請求項10】
前記少なくとも1つの管の各管は、上流に、かつ、前記密閉容器壁から鋭角で前記のガスを導く角度で向けられる、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
内面を有する壁によって画定される密閉容器と、
液体に密閉容器壁の前記内面において液体壁を形成させるように、前記密閉容器壁の前記内面に前記液体を送るように構成されるタンクと、
液体封入反応チャンバの上端において配置され、かつ、前記の反応チャンバの前記上端において第1ガスが第1反応部を生成するように、前記第1ガスを受け入れ、かつ、搬送するように構成された主要バーナーノズルと、
前記主要バーナーノズルの下流に位置し、かつ、前記密閉容器壁を通過する2次ガスポートと、
前記の反応チャンバの中に受け入れられる排ガス流中の排出物を決定するように、前記排出物に基づいて前記第1ガス及び第2ガスを特定するように、かつ、前記主要バーナーノズルに搬送される前記第1ガスと、前記2次ガスポートに搬送される前記第2ガスとを導くように構成される制御システムと、
を含み、
前記の形成された液体壁は、前記密閉容器内に前記の反応チャンバを画定し、
前記第1反応部は、第1除害特性を有し、
前記第1反応部の下流の前記の反応チャンバにおいて、前記第2ガスが第2反応部を生成するように、前記2次ガスポートは、前記密閉容器壁及び前記の形成された液体壁を通って前記第2ガスを搬送するように構成され、
前記第2反応部は、第2除害特性を有する、
システム。
【請求項12】
内面を有する壁によって画定される密閉容器と、
液体に密閉容器壁の前記内面において液体壁を形成させるように、前記密閉容器壁の前記内面に前記液体を送るように構成されるタンクと、
液体封入反応チャンバの上端において配置され、かつ、前記の反応チャンバの前記上端において第1ガスが第1反応部を生成するように、前記第1ガスを受け入れ、かつ、搬送するように構成された主要バーナーノズルと、
前記主要バーナーノズルの下流に位置し、かつ、前記密閉容器壁を通過する2次ガスポートと、
前記の反応チャンバの排気ガス流中の排出物を決定するように、前記排出物に基づいて前記第1ガス及び第2ガスを特定するように、かつ、前記主要バーナーノズルに搬送される前記第1ガスと、前記2次ガスポートに搬送される前記第2ガスとを導くように構成される制御システムと、
を含み、
前記の形成された液体壁は、前記密閉容器内に前記の反応チャンバを画定し、
前記第1反応部は、第1除害特性を有し、
前記第1反応部の下流の前記の反応チャンバにおいて、前記第2ガスが第2反応部を生成するように、前記2次ガスポートは、前記密閉容器壁及び前記の形成された液体壁を通って前記第2ガスを搬送するように構成され、
前記第2反応部は、第2除害特性を有する、
システム。
【請求項13】
液体に密閉容器壁の内面において液体壁を形成させるように、前記内面を有する壁によって画定される密閉容器に前記液体を送る工程と、
液体封入反応チャンバにおいて、第1ガスが第1反応部を生成するように、主要バーナーノズルを介して前記の反応チャンバの上端に前記第1ガスを受け入れ、かつ、搬送する工程と、
前記第1反応部の下流の前記の反応チャンバにおいて、第2ガスが第2反応部を生成するように、2次ガスポートを介して前記密閉容器壁及び前記の形成された液体壁を通って前記第2ガスを搬送する工程と、
制御システムによって、前記の反応チャンバの中に受け入れられる排ガス流中の排出物に基づいて前記第1ガス及び前記第2ガスを特定する工程と、
を含み、
前記の形成された液体壁は、前記密閉容器内に前記の反応チャンバを画定し、
前記第1反応部は、第1除害特性を有し、
前記第2反応部は、第2除害特性を有する、
方法。
【請求項14】
前記の反応チャンバの中に受け入れられる排ガス流中の排出物を決定する工程を更に含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記の反応チャンバを出る排ガス流中の排出物を決定する工程を更に含む、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記第1反応部及び前記第2反応部が組み合わさって、前記第1除害特性を有する延長反応部を生成するように、前記第1ガス及び前記第2ガスは、同一の化学組成物を有するということを特定する工程を更に含む、請求項13に記載の方法。
【請求項17】
前記第1反応部の前記第1除害特性が前記第2反応部の前記第2除害特性と異なるように、前記第1ガスは、前記第2ガスの化学組成物とは異なる化学組成物を有するということを特定する工程を更に含む、請求項13に記載の方法。
【請求項18】
前記第2ガスの前記化学組成物及び前記第2反応部の前記第2除害特性は、前記第1反応部において生成される不要な反応物質を軽減させる、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記の搬送された第2ガスは、前記の形成された液体壁を通って前記第2ガスを搬送するのに十分高い速度を有し、かつ、前記2次ガスポートに隣接した前記密閉容器壁にドライスポットが形成するのを防ぐのに十分低い速度を有する、請求項13に記載の方法。
【請求項20】
液体に密閉容器壁の内面において液体壁を形成させるように、前記内面を有する壁によって画定される密閉容器に前記液体を送る工程と、
液体封入反応チャンバにおいて、第1ガスが第1反応部を生成するように、主要バーナーノズルを介して前記の反応チャンバの上端に前記第1ガスを受け入れ、かつ、搬送する工程と、
前記第1反応部の下流の前記の反応チャンバにおいて、第2ガスが第2反応部を生成するように、2次ガスポートを介して前記密閉容器壁及び前記の形成された液体壁を通って前記第2ガスを搬送する工程と、
前記第2反応部の下流の前記の反応チャンバにおいて、第3ガスが第3反応部を生成するように、3次ガスポートを介して前記密閉容器壁及び前記の形成された液体壁を通って前記第3ガスを搬送する工程と、
を含み、
前記の形成された液体壁は、前記密閉容器内に前記の反応チャンバを画定し、
前記第1反応部は、第1除害特性を有し、
前記第2反応部は、第2除害特性を有し、
前記第3反応部は、第3除害特性を有する、
方法。
【請求項21】
前記第3除害特性は、前記第1除害特性と異なり、かつ、前記第2除害特性と異なる、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
液体に密閉容器壁の内面において液体壁を形成させるように、前記内面を有する壁によって画定される密閉容器に前記液体を送る工程と、
液体封入反応チャンバにおいて、第1ガスが第1反応部を生成するように、主要バーナーノズルを介して前記の反応チャンバの上端に前記第1ガスを受け入れ、かつ、搬送する工程と、
前記第1反応部の下流の前記の反応チャンバにおいて、第2ガスが第2反応部を生成するように、2次ガスポートを介して前記密閉容器壁及び前記の形成された液体壁を通って前記第2ガスを搬送する工程と、
前記の反応チャンバの中心線から前記液体壁へと、組み合わせられた反応部を径方向に延長するように、前記主要バーナーノズルから前記2次ガスポートに前記第1ガスの一部を分流させる工程と、
を含み、
前記の形成された液体壁は、前記密閉容器内に前記の反応チャンバを画定し、
前記第1反応部は、第1除害特性を有し、
前記第2反応部は、第2除害特性を有する、
方法。
【請求項23】
液体に密閉容器壁の内面において液体壁を形成させるように、前記内面を有する壁によって画定される密閉容器に前記液体を送る工程と、
液体封入反応チャンバにおいて、第1ガスが第1反応部を生成するように、主要バーナーノズルを介して前記の反応チャンバの上端に前記第1ガスを受け入れ、かつ、搬送する工程と、
前記第1反応部の下流の前記の反応チャンバにおいて、第2ガスが第2反応部を生成するように、2次ガスポートを介して前記密閉容器壁及び前記の形成された液体壁を通って前記第2ガスを搬送する工程と、
前記2次ガスポートから前記第2反応部へと空気を搬送することによって、前記第2反応部内の反応の温度を制御する工程と、
を含み、
前記の形成された液体壁は、前記密閉容器内に前記の反応チャンバを画定し、
前記第1反応部は、第1除害特性を有し、
前記第2反応部は、第2除害特性を有する、
方法。
【請求項24】
内面を有する壁によって画定される密閉容器と、
液体に密閉容器壁の前記内面において液体壁を形成させるように、前記密閉容器壁の前記内面に前記液体を送るように構成されるタンクと、
液体封入反応チャンバの上端において配置され、かつ、前記の反応チャンバの前記上端において第1ガスが第1反応部を生成するように、前記第1ガスを受け入れ、かつ、搬送するように構成された主要バーナーノズルと、
前記主要バーナーノズルの下流に位置し、かつ、前記密閉容器壁を通過する2次ガスポートと、
前記2次ガスポートの下流に位置し、かつ、前記密閉容器壁を通過する3次ガスポートと、
を含み、
前記の形成された液体壁は、前記密閉容器内に前記の反応チャンバを画定し、
前記第1反応部は第1除害特性を有し、
前記2次ガスポートは、前記の形成された液体壁を通って延長し、かつ、前記密閉容器壁から鋭角でガスを導く角度で上流を向く、少なくとも1つの管を含み、
前記の反応チャンバ内の前記第1反応部に前記第1ガス又は第2ガスが加わるように、前記少なくとも1つの管は、前記密閉容器壁及び前記の形成された液体壁を通って前記第1ガス又は前記第2ガスを搬送するように構成され、
前記第1反応部の下流の前記の反応チャンバにおいて、第3ガスが第2反応部を生成するように、前記3次ガスポートは、前記密閉容器壁及び前記の形成された液体壁を通って前記第3ガスを搬送するように構成される、
システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、「湿式壁焼却技術(Wet Wall Burn Technology)」と題した2013年4月15日出願の米国特許仮出願第61/812,206号に優先権を主張し、その利益は本明細書全体に参照として組み込まれる。
【0002】
本願は、概して、ガスの制御及び閉じ込めに関し、特に、洗浄装置(scrubbing apparatus)内の延長した、かつ/あるいは、多数の反応部を生成することに関する。
【背景技術】
【0003】
種々の工業プロセスは、外界に放出される前に汚染物質の洗浄が行われなければならないガス流を生成する。電子機器、太陽電池、表示装置、通信機器、金属、セラミック、高分子化合物などの製造は、化学物質、薬物、他の物質の処理と同様に、しばしば、排ガス洗浄器の使用を必要とする。洗浄器(scrubbers)は、一般的に、実質的なガスの排気流(時折、微粒子を含む)を受け入れ、ガス流が外気に放出される前にガス流から汚染物質を除去する。
【0004】
電子製造プロセスからの排気流は、SF6、NF3、CF4、C2F6、C4F8、COF2、C4F6などのパーフルオロカーボン(PFC)エッチングガスを含むがこれに限らない、さまざまな汚染物質を含み得る。排気流は、AsH3、PH3、P2H4、B2H6などの毒性危険物を含み得る。排気流は、SiH4、H2、Si2H6、GeH4などの自然発火性又は可燃性ガス、WF6、SiF4、HCl、BCl3、Cl2、TiCl4、F2、HFなどのガス、そして、さまざまなクロロシラン化合物も含有し得る。
【0005】
他の工業プロセス、特に、物質又は製造プロセスは、有害又は汚染排気流も生成することができる。揮発性有機化合物(VOCs)は、さまざまな石油精製プロセス、化学反応プロセス又は他の有機合成反応器において存在し得る。部屋又はチャンバの換気(例えば、塗装施設又は微生物又はウイルスを含有している環境の換気)には、他の除害システム(abatement system)の使用や排気ガス洗浄も必要され得る。
【0006】
多くの汚染物質は、特殊な洗浄手順を要する。HCl、Cl2及びBCl3などの汚染物質は、水に水溶性であり、かつ、しばしば、いわゆる湿式洗浄器(wet scrubbers)を使用して除去され得る。SiCl4、SiH2Cl2、NH4F、WF6、WCl4及びTiCl4などの汚染物質(本明細書では、「水反応性」汚染物質)は、種々の条件によって、水に溶解することができるか、あるいは、溶解することができない。これらの汚染物質は、水と反応して、固体反応生成物を形成することもでき、これはさまざまな流路を詰まらせる可能性がある。
【0007】
別の分類の汚染物質には、SiH4、Cf4及びC2F6などのPFCs、SF6、そして、NF3などの「非水溶性」汚染物質が含まれる。他の有害な特性には、これらの汚染物質の多くは、「地球温暖化係数」によって特徴付けられる。これは、CO2の「地球温暖化係数(global warming potential)」よりも何百あるいは何千倍も強く、地球環境における温室効果ガスとしてさらに強い作用を示している。
【0008】
一部の汚染物質は、しばしば、汚染物質を燃焼することによって除害(abate)され、次いで湿式洗浄によって除去される水溶性反応生成物を形成する。時折、そのような燃焼は、高温を要する。例えば、NF3は900℃を上回る温度で燃焼され、CF4は、1200℃を上回る温度で燃焼され得る。SiH4などの他の汚染物質は、汚染物質を単に酸素源に晒すことによって反応され得る。
【0009】
非水溶性で、熱分解される汚染物質は、反応生成物(例えば、HF)を形成することができ、反応生成物は、既反応ガス流を湿式洗浄することによって除去され得る。他の非水溶性汚染物質(例えば、SiH4)は、加熱反応されるとき、固体種(例えば、SiO2)を含む反応生成物を形成することができる。
【0010】
通常、廃棄物流における固体種は、固体表面に堆積される液体相(例えば、洗浄器と関連する水)、ガス相又は他の方法における微粒子として存在し得る。これらの固体種は、直接的に種々の表面上で核となり得る。固体反応生成物の形成が特定の除去方法(例えば、濾過)を可能にする一方で、これらの種は、さまざまなライン、入口、通路、表面、そして、システムの側面に堆積し、かつ、詰まらせ、システムの効率性を損なうか、あるいは、その稼働を停止させてしまう可能性がある。
【0011】
一部のガス流は、水溶性、水反応性及び非水溶性汚染物質を含む、さまざまな汚染物質を含み得る。そのような混合ガス流を洗浄することは、特に困難である。多くのプロセスでは、1つの工程において1つの種類の汚染物質が、そして、別の工程では別の種類の汚染物質が生成される。例えば、堆積器具と関連する排気ガス流は、堆積工程中、SiC14を含むことができ、SiCl4を除害する必要がある。器具は、クリーニング工程においてPFCを用いてクリーニングされ、それ故、PFCを除害する必要がある。好ましい除害システムでは、器具に存在する全てのガス流を除害し、例示的な除害システムでは、SiCl4及びPFCの両方を除害するように要求され得る。
【0012】
種々の汚染物質を含むガス流に対して、効果的な洗浄は、燃焼室と組み合わせられる水溶性汚染物質を取り除くように湿式洗浄などの多数のシステムを必要として、水溶性汚染物質を燃焼することができる。しばしば、1つの汚染物質の存在は、別の汚染物質を除去するシステムの性能を妨げる可能性があり、固体反応生成物を形成する汚染物質にとって、これらの反応生成物の堆積は、特に「下流の」システムには大きな問題となり得る。例えば、PFCは、燃焼室における燃焼プロセスによって除去され得る。しかし、流入するガス流が腐食性汚染物質(例えば、HCl)も含有する場合、燃焼室内の物質は、PFCを燃焼中、その腐食性汚染物質によって攻撃され得る。更に、PFCの燃焼は、燃焼生成物(例えば、F2、HF又はOF2さえも)を生み出し、これらは、それら自身が有害で、腐食性を有し、追加的な除害が必要となる。SiH4の燃焼は、固体のSiO2粒子を生み出す可能性があり、これらは、さまざまな表面に堆積し、装置を詰まらせてしまう。反応器のコンポーネントの腐食及び反応器表面への粒子の蓄積は、除害システムの性能を損なう可能性がある。更に、燃焼室に入るガス流中の水溶性汚染物質は、堆積し、腐食し、そうでなければ、燃焼室のコンポーネントの質を低下させる可能性がある。しばしば、混合ガスにおける第1の汚染物質を取り除くための好ましいシステム又は方法は、第2の汚染物質を取り除くための後続のシステムに問題を生じさせてしまう。燃焼室内の表面腐食及び表面堆積は、化学動態(chemical dynamics)を経時的に変化させ、暴露(exposure)を生じさせる可能性があり、これによって、燃焼室の除害特徴(abatement chracteristics)に変化を生じさせる。
【発明の概要】
【0013】
例示的な実施形態によると、システムは、内面を有する壁によって画定される密閉容器と、液体に密閉容器の壁の内面において液体壁を形成させるように、液体を密閉容器の壁の内面に送るように構成されるタンク(reservoir)と、反応チャンバの上端において配置され、かつ、反応チャンバの上端おいて第1ガスが第1反応部を生成するように、第1ガスを受け取り、かつ、搬送するように構成される主要バーナーノズルと、主要バーナーノズルの下流に位置し、かつ、密閉容器の壁を通過する2次ガスポートと、を含む。形成された液体壁は、密閉容器内の液体包囲反応チャンバ(liquid−surrounded reaction chamber)を画定する。第1反応部は第1除害特性(first abatement properties)を有する。第1反応部の下流の反応チャンバにおいて、第2ガスが第2反応部を生成するように、2次ガスポートは、密閉容器の壁及び形成された液体壁を介して第2ガスを搬送するように構成され、第2反応部は第2除害特性(second abatement properties)を有する。
【0014】
例示的な実施形態によると、方法は、密閉容器壁の内面において液体に液体壁を形成させるように内面を有する壁によって画定される密閉容器に液体を送る工程と、反応チャンバにおいて第1ガスが第1反応部を生成するように、主要バーナーノズルを介して反応チャンバの上端に第1ガスを受け入れ、かつ、搬送する工程と、第1反応部の下流の反応チャンバにおいて、第2ガスが第2反応部を生成するように、2次ガスポートを介して密閉容器及び形成された液体壁を通って第2ガスを搬送する工程と、と含む。形成された液体壁は、密閉容器内に液体封入反応チャンバ(liquid−enclosed reaction chamber)を画定する。第1反応部は第1除害特性を有する。第2反応部は第2除害特性を有する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図2】ガスポートの例示的な実施形態を示す図である。
【
図3】ガスポートの別の例示的な実施形態を示す図である。
【
図4】一実施形態に従った、更なる反応部を形成するように使用され得るシステムのブロック図である。
【
図5】更なる反応部を形成する例示的な方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
ガス洗浄システムにおいて、ガス流から有害な物質を取り除くようにさまざまな方法が用いられる。そのような方法の1つとして、燃焼(つまり、火による焼却)がある。より多くの割合の汚染物質を除去するため、あるいは、燃焼プロセスによって生成される物質を除去するため、更なる燃焼プロセス又は他の反応が初期燃焼反応に続いて行われる。
【0017】
洗浄システムは、上端において主要バーナーノズルを用いる密閉容器を含む。主要バーナーノズルは、燃料及び酸化剤を送って初期燃焼反応(例えば、炎)を上端付近で生じさせる。燃焼プロセス中に洗浄システムを保護し、固体を除去し、かつ、障害物を防ぐために密閉容器の内面において液体壁を形成するように、液体(例えば、水)が密閉容器に送られる。形成された液体壁によって取り囲まれる容積は反応チャンバと呼ばれる。既存のシステムにおいて、反応チャンバ内では初期燃焼反応だけが行われる。
【0018】
より完全に、あるいは、より迅速に危険物質をガス流から取り除くために、1つ以上の追加的なガスが主要バーナーノズルの下流の反応チャンバに提供される。追加的な燃焼反応を含む、延長した、かつ/あるいは、多数の反応の形態の更なる反応が反応チャンバ内で起こるように、追加的なガスは下流に送られる。一部の事例では、追加的なガスは、反応チャンバ内で更に下流の初期燃焼反応を拡大するように使用される。追加的なガスは、ガスポートを介して提供され、ガスポートは、反応チャンバに延在する管を介して、あるいは、追加的なガスの速度を調整することによって、密閉容器及び形成された液体壁を通って追加的なガスを搬送する。追加的なガスは、燃料、酸化剤又は反応チャンバ内で行われる化学反応によって決まる反応物質でよい。
【0019】
図1は、除害システム100の一実施形態の図である。除害システム100は、ガス又はガス流を反応させるように使用されることができ、一部の場合では、工業プロセスからの排(又は排気)ガス流102を反応させるように使用されることができる。選択的な実施形態は、種々の燃焼装置を含み、燃焼反応を実行するように使用され得る。
図1は、除害システム100の断面を描いている。除害システム100の一部の実施形態は、概して、筒状であり、種々の入口又はガスポートは、シリンダーに対してアニュラス(annulus)を形成することができる。
【0020】
除害システム100は、形成された液体壁を有する内壁104と、濡れ中心壁106とを有する、入口チャンバ108において入るガス流102の少なくとも一部を反応させるように反応環境を生成するために使用され得る。内壁106はノズル103からのスプレーによって濡らされる。入口チャンバ108は、上面視において(図示しない)、密閉容器116に対して流体被覆アニュラス(fluid−coated annulus)を形成することができる。入口チャンバ108の下方領域において、流体バルブ110は、除害システム100の反応チャンバ134へのガス流102の流れを調整する。そのような流体バルブ110の一例は、共有米国特許第7,854,792号明細書に記載される。
【0021】
反応チャンバ134は、液体壁114を形成するように密閉容器116の壁に液体を送るタンク112のおかげで画定される。タンク112は、水、有機液体、溶媒又は他の種類の液体などの液体壁を形成するための流動性を有する液体を含有する。タンク112は、主要バーナーノズル118に対してアニュラスを形成することができる。
【0022】
タンク112は、供給ライン(図示しない)から液体を受け入れる。タンク112は、ギャップ又はバルブを含み、それから液体はタンク112の外に流れて液体壁114を形成する。反応チャンバ134への液体の流量は、タンク112を出た後、液体が密閉容器116の内面を実質的に覆うようにする。バルブ又はギャップは、液体がタンク112を出るように、タンク112内に含有される液体に接線速度を与えることができる。そのような場合、液体壁114は、密閉容器116の壁の内面を「渦巻状に(swirl)」流れ落ちることができる。液体壁114は反応チャンバ134を画定する。
【0023】
除害システム100は、流入するガス流102の少なくとも一部を反応させるために反応チャンバ134内の第1除害システム特性を有する第1反応部120を形成するように使用される。この第1反応部120は、主要バーナーノズル118が燃料又は酸化剤などのガスを反応チャンバ134の上端に送るときに生成される。描かれるように、主要バーナーノズル118は、2つ以上の溝を含むことができ、それを介して、別々のガスが反応チャンバ134に搬送され得る。当業者にとって明らかであり、かつ、本明細書で使用されるように、「ガス」という用語は、特定のガス又はガスの混合物を指す。一部の例において、主要バーナーノズル118は第1反応部120における流入するガス流102と反応する反応ガスを受け取り、かつ、搬送することができる。例えば、流入するガス流102におけるSiH4のある程度の濃度は、酸素、空気又は他の反応ガスを反応チャンバ134に注入することによって反応され得る。主要バーナーノズル118は、ある程度の速度で反応ガスを注入することができる。一部の反応では、低速の注入速度を使用することができ、その速度で、第1反応部120は主要バーナーノズル118に近接して形成され得る(バーナーにおける「種火(pilot light)」といくらか同類)。一部の反応に対して、第1反応部120に主要バーナーノズル118から更に形成させるように、主要バーナーノズル118におけるガスの速度は選択され得る。
【0024】
主要バーナーノズル118は、主要バーナーノズル118にさまざまなガスを提供するガス供給(図示しない)に接続され得る。特定の実施形態において、ガス供給は、メタン、水素、プロパン、天然ガス、液体アルカン、アルコール又は他の燃焼燃料を提供する。ガス供給は、空気又は酸素などの酸化性ガスの原料も含むことができる。除害システム100は圧電点火器などの点火源も含むことができる。加熱源(例えば、SiH4を含有する一部のガス)を必要としない流入するガス流102に対して、主要バーナーノズル118は、追加的な燃料なしに酸素を提供することができる。主要バーナーノズル118は、噴霧器又は圧電式噴射器、あるいは、反応チャンバ134の中へ液体燃料などの凝縮相を注入する他の装置も含むことができる。主要バーナーノズル118は、低速及び/又は高速の噴流(jets)を含むことができる。燃焼を必要とする流入するガス流102に対して(例えば、一部のPFC)、主要バーナーノズル118は、反応チャンバ134内で炎を作り出すことができる。炎を生成するために、主要バーナーのノズル118は、バーナー、サーマルジェット、プラズマ生成器又はスパーク発生器を含むことができる。
【0025】
主要バーナーノズル118及び水バルブ110の下流では、1つ以上のガスポート(例えば、2次ガスポート122及び3次ガスポート128)がガスを受け取り、反応チャンバ134の中へとガスを搬送する。ガスポートは、ガス供給に接続されることができ、ガス供給は、主要バーナーノズル118又は1つ以上の別のガス供給にガスを提供する。ガスポートは、主要バーナーノズル118によって生成された第1反応部の下流の反応チャンバ134における更なる反応部を生成するように、ガスを反応チャンバ134へと送る。
図1に描かれるように、ガスポートは、筒状の密閉容器116の周りのさまざまな位置において、反応チャンバ134の中にガスを搬送ことができる。一部の例では、ガスポートは、密閉容器116の周りに位置するアニュラスを形成する。
【0026】
一部の例において、第2反応部126が第2除害特性を有するように、2次ガスポート122は、水バルブ110のちょうど下流に位置して第1反応部120から下流の第2反応部126を生成する。2次ガスポート112は、2次供給ライン124を介してガス供給からガスを受け取ることができる。第2反応部126は流入するガス流102及び第1反応部120に生じる反応の生成物を反応させることができる。一部の実施形態において、第2反応部126に搬送されたガスの化学組成物は、第1反応部120に搬送されたガスの化学組成物と異なる。
【0027】
描かれるように、2次ガスポート122が、主要バーナーノズル118に近接して配置されるので、第1反応部120及び第2反応部126は、反応チャンバ134内に第1除害特性を有する延長反応部を生成するように組み合わせられることができる。延長反応部は、主要バーナーノズル118によって搬送されたガスと同じ化学組成物を有するガスを第2反応部126に搬送することによって生成される。例えば、第1反応部で燃焼反応が生じる場合、燃料及び酸化剤は、2次ガスポート122によって反応チャンバ134に搬送され得る。第1反応部120で生じる燃焼反応を続けるように、あるいは、第1反応部120で生じる燃焼反応の特性を変えるように、燃料及び酸化剤は提供され得る。例えば、第1反応部120で生じる燃焼反応を維持又は延長するために、2次ガスポート122は、追加的な酸化剤を延長燃焼部の下流部分に搬送することができる。
【0028】
描かれるように、2次ガスポート122が主要バーナーノズル118に近接して配置されるので、第1反応部120は、組み合わせられた反応部を生成するように修正され得る。主要バーナーノズル118から2次ガスポート122へと一部のガスを分流させることによって、組み合わせられた反応部は、下流に拡張され、かつ、径方向外方に組み合わせられた反応部を液体壁114に延長することができる。組み合わせられた反応部が反応チャンバ134の縦方向の中心線から径方向に延長するので、入口チャンバ108において第1反応部120に入るガス流102は、組み合わせられた反応部で生じる反応に完全に晒され得る。組み合わせられた反応部の径方向の拡張は、排ガスが反応部を迂回しないことを確実にするのを助ける。主要バーナーノズル118を介してガスを搬送することに代わって、あるいは、加えて、ガスを2次ガスポート122に搬送することによって、第1反応部120における反応は、反応チャンバ134の中心線から液体壁114へとより均一に生じる。全ての反応ガスが主要バーナーノズル118を介して搬送される場合、大部分の反応活性は、反応チャンバ134の中心線に近接して生じ、液体壁114の外方で減少する。
【0029】
代替的な実施形態において、第2反応部126を作り出すよりはむしろ、第1反応部120へと向かう十分な速度を有して上方にガスを導くことにより、2次ガスポート122は代わりに第1反応部120に加わる。このガスは、主要バーナーノズル118によって提供される同様のガスでよく、あるいは、更なる又は追加的な反応を第1反応部120で起こす異なるガスでよい。更に、所要の速度により、本明細書の他のところに記載されているように、2次ガスポート122は、液体壁を通って延長し、かつ、上流を向く管を含むことができる。
【0030】
3次ガスポート128は、反応チャンバ134において2次ガスポート122よりも更に下流に位置する。第3反応部132が反応チャンバ134において第3除害システム特性を有するように、3次ガスポート128は、ガス供給ライン130によって供給され、ガスを第2反応部126から下流の第3反応部132へと搬送する。一部の例において、3次ガスポート128は1つ以上の他のガスポート(例えば、2次ガスポート122又は更に下流のガスポート(図示しない))を有する延長反応部の部分を形成することができる。他の例において、第3反応部132で生じる反応は、第1反応部120および第2反応部126などのチャンバの他の部分で生じる反応と異なることができる。第3反応部132は、ガス流102のまだ反応していない部分か、あるいは、第1反応部120、第2反応部126又は延長反応部で生じる反応の生成物を反応させることができる。
【0031】
図1に描かれる反応チャンバ134は、2次ガスポート122及び3次ガスポート128を有する。当業者であれば、追加的なガスポートが3次ガスポート128の下流の密閉容器116に加えられ得ることを理解するだろう。
【0032】
ガスポート(例えば、2次ガスポート122及び3次ガスポート128)によって搬送されるガスは、区分されたゾーンを有することによって特徴付けられるマルチゾーン反応チャンバ134を形成する。区分されたゾーンでは、温度及び化学組成物は、維持されるか、あるいは、変化され、後続の化学反応が起こることを可能にする。この構成は、各反応部の温度及び化学組成物が非常に異なるか、あるいは、非常に類似することを可能にする。両方の状態が可能である。
【0033】
反応チャンバ134などの反応チャンバは、メタン、天然ガス、水素などの可燃性ガスが燃料となる。可燃性ガスは、純酸素又は空気で酸化される。単一ゾーン反応チャンバ(図示しない)において、NF3、CF4、そして半導体プロセスから生じる水素などのガス流102における残留ガスを除害するために、単一反応部は、適切な酸化剤と共に、メタン、天然ガス又は可燃性原料ガスを燃焼することによって形成される。例えば、半導体製造プロセスによって生成されたガス流102中の残留ガスは、入口を介して単一反応部の中に導入される。入口では、残留ガスが反応する。単一ゾーン反応チャンバにおいて、オペレータは、可燃性ガス及び酸化剤の流れを変化させて、単一反応部における残留ガスの温度及び滞留時間を変化させ、残留ガスを除害することができる。滞留時間を一定に保ち、より高いレベルの除害がより高い燃焼温度で達成され得る。しかしながら、より高い燃焼温度は、NOxなどのより多くの不要な反応物質を生成する。従って、単一ゾーン反応チャンバにおいて大量の不要な反応物質を生成せずに、高い除害システム効率を達成することは非常に困難である。
【0034】
マルチゾーン反応チャンバ134は、2つ以上の反応部を有する。マルチゾーン反応チャンバ134におけるゾーンの数は、除害システム100が流入するガス流102を反応させるための要件に従って決定される。第1反応部120において、適切な高いガス温度が第1ゾーン120において実現され、次のゾーン(例えば、第2反応部126)において存在する過剰な酸素を有さない高レベルの除害を達成するように、燃料は、酸素又は空気と共に搬送される。この高温ガスは、第2反応部126へと移動され、第2反応部126では、NF3などのガス流102における残りの残留ガスが反応される。第2反応部126では過剰な酸素が存在しないため、火炎温度が高いとき、たとえ残留ガスの破壊がN2ガスを生成しても、不要なNOxガスを過度に生成せずに、残留ガスは除害される。酸素又は空気の形態の追加的な酸化剤を注入することによって、残留メタン又は天然ガス及び水素は、第3反応部132及び下流の第4反応部(図示しない)において消費される。第3反応部132及び第4反応部では火炎温度を低く維持して、亜酸化窒素の形成を軽減することが望ましい。これらのゾーンにおける低い火炎温度は、酸化物の注入速度を調整することによって制御され得る。しかし、空気などの一部の酸化剤は、大量の窒素を含む。大量の窒素が反応部(例えば、第1反応部120、第2反応部126又は第3反応部132)に搬送されるとき、大量の窒素が加熱される。固定量の熱が所定の燃料流量で放出されるので、空気(約78%の窒素)は、反応部の温度を制御するように使用され得る。例えば、フッ化炭素ガスが第1反応部120で除害され、かつ、空気が第2反応部126の中に注入されるとき、第1反応部120は、フッ化炭素を分解するのに十分に熱く、第2反応部126は、安全な限界を下回った水素を燃焼するのに十分な酸素を有する。過剰な窒素は反応器の温度を冷却し、それにより、形成された窒素の有害な酸化物の量を減らす。除害を必要とする排ガス流中の水素の可変量は、一般に監視されないが、反応するための適切な酸素を必要とする。第2反応部126の中へ空気を注入することによって、十分な酸素が提供され、排ガス流における最も高い容積レベル(volumetric level)の酸素を反応させる一方で、減量された燃料を使用して、第1反応部120が適切な温度を有してフッ化炭素ガスを分解することを可能にする。下流の反応部に空気を注入することによって、反応温度は制御され得る。反応温度を制御することは、同様に、窒素形成の酸化物を減少させ、かつ、対象のガスの除害を高める一方で、除害システム100の運転コストを抑える。
【0035】
別の実施例において、水素及びシランなどの残留ガスの除害システム100が高い燃焼温度を必要としないとき、それら残留ガスは、低い火炎温度を維持することによって経済的に除害され得る。第2反応部126において、水素又はシランが低温の炎の中に流入すると、空気は第3反応部132及び第4反応部に供給されて、低い燃焼温度でこれらの残留ガスを燃焼することができる。
【0036】
第2反応部126における残留ガスが、NF3のような他のガスと同様に水素を含むとき、NF3が効果的に除害され、かつ、残留水素が、低い燃焼温度の空気と共に、第3反応部132及び第4反応部において経済的に燃焼され得るように、第2反応部126における火炎温度は、最小量の酸素と共に高いままである。
【0037】
別の実施例において、一部の残留ガスを除害するとき、除害システム100は、過剰な量の亜酸化窒素を生成することができる。下流のゾーン(第3反応部132及び第4反応部(図示しない))において、温度を500℃から850℃の間に制御することによって、アンモニアがこれらのゾーンに注入され、亜酸化窒素を分解することができる。
【0038】
上記の実施例から、多数の化合物及び温度条件が反応チャンバ134におけるマルチゾーン技術を使用することによって達成され得るということは、当業者にとって明らかである。燃料及び酸化剤と共に初期火炎を作り出し、次いでプロセスの下流でガスを注入することにより、温度と同様に化学組成物は変化され得る。亜酸化窒素を減少させる実施例において図示したように、マルチゾーン化学的性質(multi−zone chemistries)を使用することによって、不要な反応物質が軽減され得る。マルチゾーン反応チャンバ134の使用が特定の反応が起こるかどうかを制御するように用いられ得るということは、当業者にとって更に明らかである。特定の反応を生じさせないようにすることにより、特定の化学物質が反応されないままとなり得る。反応されない代わりに、特定の化学物質が安全なレベルにまで希釈され得る。
【0039】
図2は、2次ガスポート122又は3次ガスポート128などのガスポートの例示的な実施形態を図示する。
図2は、形成された液体壁114を内面に有する密閉容器116の断面200を描いている。形成された液体壁114は矢印202によって描かれる方向において、密閉容器116の内面を渦巻状に流れ落ちる。形成された液体壁114は、反応チャンバ134を画定し、且つ、密閉容器116の中で起こる反応からその壁を保護する。
【0040】
ガスポート204は、密閉容器116の壁を通って反応チャンバ134から延長する開口の配列を含む。当業者に諒解されるように、ガスはガスの速度を調整することによって液体壁114を介して運ばれる。ガスが液体壁114を通って反応チャンバ134に浸透及び通過するように、ガスの速度は十分高いように選択される。反応チャンバ134内で起こる反応により生じ得る密閉容器116の壁に対するダメージを防ぐために、ガスの速度は、ドライスポットが密閉容器116の内面に形成することを防ぐように十分低い。これらの速度は、例えば、開口の大きさ、搬送されるガス又は搬送されるガスの圧力によって決まる。
【0041】
ガスポート204を形成する開口部は、種々の方法で配置され得る。一部の例において、開口部は矩形形状で配置される。他の例において、開口部は密閉容器116の周りで完全な円又は部分的な円として配置される。配列内の開口部の数は、例えば、ガスポート204を通って搬送されるガスの量に基づく。
【0042】
描かれるように、開口部は円形であるが、卵形又は矩形などの別の形状でもよい。各開口の大きさは、搬送されるガスの量に基づき、かつ、ガスが反応チャンバ134に搬送されないときは、形成された液体壁114が開口を覆う機能に基づく。開口部は、密閉容器116の壁に対してある角度で設定され得る。例えば、開口部は、密閉容器116の上端に向かって上流へ曲げられ得る。一部の例において、開口部は、約45度から60度で曲げられるが、密閉容器116の壁に対して、多かれ少なかれ曲げられ得る。形成された液体壁114の旋回流と共に、あるいは、旋回流に反してガスが搬送されるように、開口部は、密閉容器116の壁に対して鋭角で設定され得る。
【0043】
図3は、2次ガスポート122又は3次ガスポート128などのガスポートの別の例示的な実施形態を描いている。断面200のように、
図3は、形成された液体壁114を内面に有する密閉容器116の断面300を描いている。形成された液体壁114は、矢印302で描かれた方向において密閉容器116の内面を渦巻状に流れ落ちる。形成された液体壁114は反応チャンバ134を画定し、かつ、反応物質及びその中で起こる温度から密閉容器116の壁を保護する。
【0044】
ガスポート304は、少なくとも1つの管を含む。管は、少なくとも密閉容器116の壁の内面から、かつ、形成された液体壁114を通って反応チャンバ134へと延長する。管の近位端部(proximal end)は、形成された液体壁114と同一平面でよいか、あるいは、形成された液体壁1114を越えて反応チャンバ134へと延長することができる。管の近位端部は、密閉容器116の壁の内面に付着され、密閉容器116の壁を通って延長する開口部と整列され得る。他の実施形態において、管の近位端部は、密閉容器116の壁を通って延長することができるか、あるいは、密閉容器116の壁から形成されることができる。液体壁114を横断する管の部分は、液体壁114によって、反応チャンバ134内で起こる反応から保護される。
【0045】
当業者に諒解されるように、管の外径は、管の下方の密閉容器116の内面にドライスポットを形成させることなく、形成された液体壁114が管の周りに流れることを可能にするように十分小さい。管の内径は、十分な量のガスを反応チャンバ134に搬送するように十分大きい。一部の例において、管は硬質な材料で形成される。
【0046】
ガスポート304が1つ以上の管を含む場合、管はさまざまな方法で配置され得る。一部の例において、管は矩形形状で配置される。他の例において、管は密閉容器116の周りで完全な円又は部分的な円として配置される。ガスポート304における管の数は、例えば、ガスポート204を通って搬送されるガスの量に基づく。
【0047】
描かれるように、管は円形であるが、卵形又は矩形などの別の形状でもよい。各管は、密閉容器116の壁に対してある角度で設定され得る。例えば、各管は、密閉容器116の上端に向かって上流へ約45度から60度で曲げられ得るが、密閉容器116の壁に対して、多かれ少なかれ曲げられ得る。形成された液体壁114の流れと共に、あるいは、その流れに反してガスが搬送されるように、各管は、密閉容器116の壁に対して鋭角で設定され得る。
【0048】
図4は、一実施形態に従った更なる反応部を形成するように使用され得るシステム400の一部のブロック図である。システム400は、除害システム100、制御システム402及びガス供給404を含む。
【0049】
制御システム402は、実行可能な命令を記憶することができるメモリへのアクセスを有するプロセッサを含む計算装置を含むがこれに限らない、当業者に公知のさまざまな方法で実施され得る。計算装置は、1つ以上の入力及び出力コンポーネントを含むことができ、これらのコンポーネントは、通信の他の形態又はネットワークを経由して他の計算装置と通信するためのコンポーネントを含む。制御システム402は、演算ロジック又は実行可能コードに実装される1つ以上のモジュールを含む。
【0050】
制御システム402は、反応チャンバ134の中に受け入れられる排ガス流102中の排出物を決定するように構成される。排出物は、ガス及び微粒子を含むことができる。排出物は、システム400のオペレータから受信した入力に基づき決定され得る。入力は、例えば、実施される工業プロセス、工業プロセスの一部として使用されるガス、そして、排ガス流102に含まれることが知られる工業プロセスから生じる汚染物質を示す。一部の例において、工業プロセスは、動作状態及びクリーニング状態などの、2つ以上の状態を含むことができる。これらの例において、制御システム402は、各状態における排ガス流中の排出物を決定するように構成され、かつ、工業プロセスの現在の状態を識別するように構成される。
【0051】
制御システム402は、排ガス流102中の排出物を自動的に決定するように更に構成される。一部の例において、制御システム402は、排ガス流102中の排出物の少なくとも一部を排ガス流102のサンプルから検出及び識別するように構成される検出システム(図示しない)に接続され得る。一部の例において、制御システム402は、プロセスツールレシピ変更シーケンス(process tool recipe change sequences)に従って変更され得る特定の最適化されたレシピのメニューを提供する。これは、ドライコンタクトによってか、あるいは、上流のプロセスツール、ガスキャビネット又はセンサーで開始するソフトウェア信号によって促進される。例として、特定のガスのための制御バルブが開けられると、信号が生成され、除害システム100に送られる。この信号は、反応チャンバ134への注入位置、ガスの種類及びガスの流量を制御するレシピを変更するように使用される。同様に、特定のガスセンサー又は複数のガスセンサーが反応チャンバ134の上流でガスを感知する場合、除害システムプロセスレシピは、反応チャンバ134に接近する排出物を最良に収容するように変更され得る。別の実施例として、イーサネット(登録商標)を経由するソフトウェアリンク又はリレーがプロセスツールと反応チャンバ134との間に接続される場合、さまざまなガスの流量及び種類に関連した信号は、反応チャンバ134に送られ、従って、除害システムプロセスレシピを最良の性能となるように切り替えることができる。
【0052】
タングステン堆積(tungsten deposition)は、排ガス流102中の排出物を自動的に決定することが有益であるという例示的なプロセスである。タングステン堆積において、ガスの混合物は、表面にタングステンを堆積させるように利用される。一般的に、利用されるガスは、六フッ化タングステン、シラン、水素、アルゴン及び窒素である。六フッ化タングステンは、室温の水スプレーにおいて除害され得る。十分な酸素が存在する中で低温で作動される燃焼室内で空気に晒されるとき、水素及びシランは除害される。排気ガス中の水素の濃度を4%未満に実現するために、わずかに高い温度が必要とされる。例示的な除害システムレシピは、低温のチャンバ環境を提供する低流量の燃料及び酸化剤、そして、高流量の空気を有するだろう。これにより、この実施例のための運転コスト及び最適化された除害システムが提供されるだろう。
【0053】
タングステン堆積プロセスの後、プロセスチャンバは、一般的に、パーフルオロカーボン(PFC)ガスを使用してクリーニングされる。このクリーニングは、ごくまれに起こるが、プロセスチャンバから反応チャンバ134へと流れるPFCを除害するように更に高温を必要とする。この場合、燃料及び酸化剤の流量は増加して、反応チャンバ134内の温度を上昇させる。また、ガス流は、異なる反応部に導かれて除害システム100の効率を向上させることができる一方で、運転コストを低く維持する。
【0054】
以前の設計では、全ての流出混合物及び流量を除害するように使用される1つ又は2つの動作状態を有することができた。条件が変更されると、これらの以前の設計の結果及び運転コストは最適化されない。当業者は、上記の説明に基づき、原料ガスバルブ、プロセスチャンバ又はインラインセンサーからの信号がレシピを変更するようにどのように使用され得るかをみることができる。ガスの種類及び流量によって決まるレシピ間で変更を行う機能は、より最適化された除害システム及びより低い運転コストを可能にする。これは、前送り制御システム(forward feeding control system)である。
【0055】
反応チャンバ134の下流のセンサーは、排気ガスの特性を監視するように利用され得る。排気特性が満たされなければ、制御システム402は、レシピを切り替えて反応チャンバ134における反応部の除害特性を変えることができる。例えば、過剰な水素が反応チャンバ134に存在している場合、追加的な空気又は酸素を含有する第2レシピが採用されて排気ガスを減少させる。排気ガスが排気特性によって示される所定のレベルを下回るとき、反応チャンバ134に提供される空気又は酸素の量は、もはや増加されない一方で、反応チャンバ134内の反応を維持する。この調整は、除害システム100が排ガス流102のさまざまな流量レベルを反応させることを可能にする。例えば、水素が多数の流量で搬送される場合、フィードバックセンサーは、反応チャンバ134を出る排気の含有量を測定するように使用され得る。制御システム402は、測定された含有量を排出限界と比較し、排ガス流102にとってより最適なレシピを選択することができる。
【0056】
制御システム402は、主要バーナーノズル118、2次ガスポート122及び3次ガスポート128によって反応チャンバ134に搬送されたガスを特定するように更に構成される。詳細は、排ガス流中にあるように決定された排出物に基づく。一部の例において、ガスの詳細は、排ガス流の上流の反応から生じる予測された反応生成物に更に基づく。図示するために、第1反応部120内で起こる燃焼プロセスは、第2反応部126で反応した燃焼生成物を生じさせることができる。制御システム402は、次いで、燃焼生成物に基づき、第2反応部126に搬送されたガスを特定する。
【0057】
制御システム402は、ガスを特定する際、次いで、主要バーナーノズル118に搬送されるガス、2次ガスポート122に搬送されるガス及び3次ガスポート128に搬送されるガスを導く。バルブが開けられるとき、特定されたガスが反応チャンバ134に搬送されるように、制御システム402は、ガス供給404と除害システム100との間のバルブを統制する。制御システム402は、ガスが搬送される流量を更に特定する。
【0058】
ガス供給404は、反応チャンバ134に搬送される1つ以上のガスを含有する。ガスは、燃料、酸化剤及び反応物質を含む。ガス供給404は、1つ以上のガス供給ライン(例えば、供給ライン124及び130)における一式のバルブを介して除害システム100に接続される。バルブは、制御システム402によって制御される。
【0059】
図5は、反応チャンバ134内で更に反応部を形成するための例示的な方法500のフローチャートである。更なる反応部は、排ガス流からさまざまな排出物を除去するように実行される。方法500は、制御システム402によって指示される動作に基づき除害システム100において実施される。
【0060】
動作502において、液体封入反応チャンバ134は、当該技術分野で公知の技術を使用して、密閉容器116内に形成される。液体によって封入されるとき、密閉容器116の壁は、反応チャンバ134で生じる反応及び温度から保護される。液体を使用して反応チャンバ134を封入するために、1つ以上のタンク(例えば、タンク112)は、密閉容器116の壁の内面に液体壁114を形成するような方法で液体を提供する。
【0061】
動作504において、ガス流102中の排出物が決定される。排出物は、例えば、制御システム402によって決定される。決定された排出物は、オペレータから受け取られ得るか、排ガス流102を生成するプロセスに基づいて決められ得るか、あるいは、検出システムによって自動的に検出され得る。排ガス流102が動作状態又はクリーニング状態によって生成されたかどうかに基づいて、排出物は更に決定される。
【0062】
動作506において、各反応部に搬送されるガスは、各反応部で実施される反応に基づいて特定される。制御システム402は、動作506を実施することができる。反応は、例えば、燃焼、酸及び基剤の中和、酸化、還元及び沈殿反応を含む。搬送されるガスは、燃料、酸化剤及び他の反応物質を含むことができる。反応物質は、アンモニアを含むことができる。反応部に搬送されるガスは、1つ以上の要因に基づき各反応部に割り当てられ得る。これらの要因は、反応によって生成された熱、反応の生成物又は反応を維持するのに必要なガスを含むことができる。例えば、燃焼反応などの大量の熱を生成する反応は、第1反応部120か、あるいは、第1反応部120及び第2反応部126を組み合わせる延長反応部に割り当てられる。
【0063】
動作508において、第1ガスは、例えば、制御システム402によって主要バーナーノズル118に導かれ、第1反応部に第1除害特性を持たせる。第1ガスは、流量、濃度を調整するか、あるいは、2つ以上のガスの混合物を形成するような方法で搬送され得る。燃焼反応が第1反応部で起こるように、第1ガスは燃料でよい。
【0064】
動作510において、第2ガスは、例えば、制御システム402によって2次ガスポート122に導かれる。第2ガスは、流量、濃度を調整するか、あるいは、2つ以上のガスの混合物を形成するような方法で搬送され得る。第2ガスは、動作508の第1ガスと同じ化学組成物を有することができる。これらの例において、第1反応部120及び第2反応部126は、第1反応部120の除害特性を有する延長反応部を形成するように組み合わせることができる。一部の実施形態において、第2ガスは、第1ガスとは異なる化学組成物を有することができる。これらの実施形態において、第1反応部120は第1除害特性を有し、第2反応部126は第2除害特性を有する。
【0065】
動作512において、第3ガスは、例えば、制御システム402によって3次ガスポート128に導かれる。第3ガスは、流量、濃度を調整するか、あるいは、2つ以上のガスの混合物を形成するような方法で搬送され得る。3次ガスポート128を介して搬送されたガスは、第3反応部132を形成する。3次ガスポート128及び第3反応部132は、任意である。
【0066】
開示された方法及び装置は、いくつかの実施形態を参照して上記で説明されてきた。この開示を考慮すると、他の実施形態は当業者には明らかであろう。記載した方法及び装置の特定の態様は、上記の実施形態において記載されたもの以外の構成を使用して、あるいは、上記で記載したもの以外の要素と併せて、容易に実行され得る。例えば、異なるアルゴリズム及び/又は論理回路は、恐らく本明細書に記載したものよりも複雑であるが、異なる種類の空気洗浄システムと同様に使用され得る。
【0067】
更に、記載した方法及び装置が、プロセス、装置又はシステムを含む、多くの方法で実行され得るということも諒解されるべきである。本明細書に記載した方法は、例えば、制御システム402によって実行され得る。制御システム402は、そのような方法を実施するようにプロセッサに命令するための実装された命令を有する非一時的なコンピュータ可読メモリを有する。命令は、ハードディスクドライブ、フロッピーディスク、コンパクトディスク(CD)又はデジタル多用途ディスク(DVD)などの光ディスク、フラッシュメモリなどのコンピュータ可読記憶媒体に記録され得るか、あるいは、プログラム命令が光又は電子通信リンクに送信されるコンピュータネットワークに送られ得る。本明細書に記載した方法の工程の順序は、変更されることができ、更に、本開示の範囲内にあるということを留意すべきである。
【0068】
与えられた例は、例示することのみを目的とし、異なる規定(conventions)及び技法を有する他の実施例及び実施形態に拡大され得る、ということが理解される。多くの実施形態が説明される一方で、本明細書で開示された実施形態に開示を限定することは意図されない。それどころか、当該技術分野に精通した者にとって明らかな全ての変形、変更及び均等物を含むということが意図される。
【0069】
上述の明細書において、発明は、特定の実施形態を参照して説明されているが、当業者であれば、発明はそれら実施形態に限定されないということを理解するであろう。上述の発明のさまざまな特徴及び態様は、別々に、あるいは、一緒に使用され得る。更に、発明は、明細書のより広い精神及び範囲から逸脱せずに、本明細書で記載されたものを越えるいくつもの環境及び用途において利用され得る。明細書及び図面は、従って、制限的というよりはむしろ例示的なものとして認識される。用語「含む(comprising、including)」及び「有する(having)」は、本明細書で使用されるように、オープンエンド様式の用語として読まれるように特に意図される。