特許第5996154号(P5996154)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5996154管理装置、管理方法、非一時的な記録媒体、およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】5996154
(24)【登録日】2016年9月2日
(45)【発行日】2016年9月21日
(54)【発明の名称】管理装置、管理方法、非一時的な記録媒体、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/06 20120101AFI20160908BHJP
【FI】
   G06Q30/06 300
【請求項の数】8
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2016-546114(P2016-546114)
(86)(22)【出願日】2015年9月2日
(86)【国際出願番号】JP2015074942
【審査請求日】2016年7月12日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】399037405
【氏名又は名称】楽天株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110135
【弁理士】
【氏名又は名称】石井 裕一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【弁理士】
【氏名又は名称】森川 泰司
(74)【代理人】
【識別番号】100148633
【弁理士】
【氏名又は名称】桜田 圭
(74)【代理人】
【識別番号】100163452
【弁理士】
【氏名又は名称】南郷 邦臣
(74)【代理人】
【識別番号】100180312
【弁理士】
【氏名又は名称】早川 牧子
(72)【発明者】
【氏名】槌谷 拓也
【審査官】 阿部 潤
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−157633(JP,A)
【文献】 特開2008−112336(JP,A)
【文献】 特開2002−117331(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 − 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークを介して複数の販売店が出店する電子市場を管理する管理装置であって、
カスタマが受信した電子メールをパターンと照合することにより、当該カスタマが過去に購入した商品の識別情報、購入価格および購入元を示す履歴情報を抽出する抽出部、
前記抽出された履歴情報のうち第1履歴情報に含まれる前記識別情報に対応付けられた商品を、最も安い販売価格で販売する販売店を検索する検索部、
前記検索された販売店および当該販売店による販売価格を含む販売情報と、前記第1履歴情報と、を前記カスタマに提示し、前記販売情報に含まれる販売価格が、前記第1履歴情報に含まれる購入価格未満であれば、前記第1履歴情報に対して当該販売情報を強調して前記カスタマに提示する提示部、
前記提示部が、前記販売情報を強調して提示した後に前記カスタマが受信した電子メールから前記抽出部が抽出した履歴情報であって、前記第1履歴情報と共通する商品の識別情報を含む履歴情報である第2履歴情報を取得する取得部、
前記取得された第2履歴情報に含まれる購入価格が前記強調された販売情報に含まれる販売価格を超えていた場合、前記第1履歴情報ならびに前記第2履歴情報の抽出の際に照合されたパターンをチェックすべき旨を警告する警告部
を備えることを特徴とする管理装置。
【請求項2】
外部電子市場における商品の商品コードと、前記電子市場における当該商品の識別情報とを対応付けたデータベースを記録する記録部をさらに備え、
前記抽出部は、前記電子メールを前記パターンと照合することによって、当該カスタマが前記外部電子市場で購入した商品の前記商品コードを取得した場合、前記データベースを参照し、当該取得された商品コードに対応付けられた識別情報を取得し、
前記警告部は、前記取得された識別情報を提示して警告する、
ことを特徴とする請求項1に記載の管理装置。
【請求項3】
前記抽出部は、
前記電子メールを前記パターンと照合することによって得られた購入元が、前記電子市場の販売店であれば、当該電子メールの記載から識別情報を取得し、
前記電子メールを前記パターンと照合することによって得られた購入元が、前記電子市場の販売店でなければ、当該購入元が運営するウェブサイトにおいて、当該電子メールに記載されている商品名をキーワードとして検索することによって購入ページを取得し、当該購入ページに最も類似する対照ページを前記電子市場から検索し、当該対照ページの記載から識別情報を取得する、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の管理装置。
【請求項4】
前記警告部は、前記取得された第2履歴情報に含まれる購入価格が前記強調された販売情報に含まれる販売価格を超えていた場合、前記対照ページにかかる販売店に、前記対照ページの記載をチェックすべき旨を警告する、
ことを特徴とする請求項3に記載の管理装置。
【請求項5】
前記警告部は、前記取得された第2履歴情報に含まれる購入価格が前記強調された販売情報に含まれる販売価格を超えていた場合、前記強調された販売情報に含まれる販売店に警告する、
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の管理装置。
【請求項6】
ネットワークを介して複数の販売店が出店する電子市場を管理する管理装置による管理方法であって、
カスタマが受信した電子メールをパターンと照合することにより、当該カスタマが過去に購入した商品の識別情報、購入価格および購入元を示す履歴情報を抽出する抽出ステップ、
前記抽出された履歴情報のうち第1履歴情報に含まれる前記識別情報に対応付けられた商品を、最も安い販売価格で販売する販売店を検索する検索ステップ、
前記検索された販売店および当該販売店による販売価格を含む販売情報と、前記第1履歴情報と、を前記カスタマに提示し、前記販売情報に含まれる販売価格が、前記第1履歴情報に含まれる購入価格未満であれば、前記第1履歴情報に対して当該販売情報を強調して前記カスタマに提示する提示ステップ、
前記提示ステップで、前記販売情報を強調して提示した後に前記カスタマが受信した電子メールから前記抽出ステップで抽出した履歴情報であって、前記第1履歴情報と共通する商品の識別情報を含む履歴情報である第2履歴情報を取得する取得ステップ、
前記取得された第2履歴情報に含まれる購入価格が前記強調された販売情報に含まれる販売価格を超えていた場合、前記第1履歴情報ならびに前記第2履歴情報の抽出の際に照合されたパターンをチェックすべき旨を警告する警告ステップ
を備えることを特徴とする管理方法。
【請求項7】
ネットワークを介して複数の販売店が出店する電子市場を管理するコンピュータにより実行されるプログラムを記録した非一時的な記録媒体であって、
前記コンピュータに、
カスタマが受信した電子メールをパターンと照合することにより、当該カスタマが過去に購入した商品の識別情報、購入価格および購入元を示す履歴情報を抽出する抽出手順、
前記抽出された履歴情報のうち第1履歴情報に含まれる前記識別情報に対応付けられた商品を、最も安い販売価格で販売する販売店を検索する検索手順、
前記検索された販売店および当該販売店による販売価格を含む販売情報と、前記第1履歴情報と、を前記カスタマに提示し、前記販売情報に含まれる販売価格が、前記第1履歴情報に含まれる購入価格未満であれば、前記第1履歴情報に対して当該販売情報を強調して前記カスタマに提示する提示手順、
前記提示手順で、前記販売情報を強調して提示した後に前記カスタマが受信した電子メールから前記抽出手順で抽出した履歴情報であって、前記第1履歴情報と共通する商品の識別情報を含む履歴情報である第2履歴情報を取得する取得手順、
前記取得された第2履歴情報に含まれる購入価格が前記強調された販売情報に含まれる販売価格を超えていた場合、前記第1履歴情報ならびに前記第2履歴情報の抽出の際に照合されたパターンをチェックすべき旨を警告する警告手順
を実行させるプログラムを記録した非一時的な記録媒体。
【請求項8】
ネットワークを介して複数の販売店が出店する電子市場を管理するコンピュータにより実行されるプログラムであって、
前記コンピュータに、
カスタマが受信した電子メールをパターンと照合することにより、当該カスタマが過去に購入した商品の識別情報、購入価格および購入元を示す履歴情報を抽出する抽出手順、
前記抽出された履歴情報のうち第1履歴情報に含まれる前記識別情報に対応付けられた商品を、最も安い販売価格で販売する販売店を検索する検索手順、
前記検索された販売店および当該販売店による販売価格を含む販売情報と、前記第1履歴情報と、を前記カスタマに提示し、前記販売情報に含まれる販売価格が、前記第1履歴情報に含まれる購入価格未満であれば、前記第1履歴情報に対して当該販売情報を強調して前記カスタマに提示する提示手順、
前記提示手順で、前記販売情報を強調して提示した後に前記カスタマが受信した電子メールから前記抽出手順で抽出した履歴情報であって、前記第1履歴情報と共通する商品の識別情報を含む履歴情報である第2履歴情報を取得する取得手順、
前記取得された第2履歴情報に含まれる購入価格が前記強調された販売情報に含まれる販売価格を超えていた場合、前記第1履歴情報ならびに前記第2履歴情報の抽出の際に照合されたパターンをチェックすべき旨を警告する警告手順
を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、管理装置、管理方法、非一時的な記録媒体、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、インターネットを介して多くの仮想店舗が出店する、いわゆる電子市場が普及している。電子市場においては、各販売店が商品ごとに販売ページを作成して公開しており、カスタマは、この販売ページを通じて欲しい商品を購入することができる。
【0003】
このような電子市場で、カスタマに、より効果的に商品を販売するための技術が開発されている。一例として、過去の行動履歴(アクセス履歴など)に応じてカスタマごとに異なるサービスを提供することにより、商品の購入を促進しようとする技術がすでに存在する。例えば、特許文献1が開示する技術は、より早期(またはカスタマが電子市場にアクセスしてから所定の期間内)の購入がカスタマにとって有利になるように価格を調整することで、カスタマの商品購入を促進しようとするものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2013−12151号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、従来技術では、カスタマへの商品の提案をより効果的なものとする上で課題がある。
【0006】
電子市場(または電子市場の管理装置など)が、カスタマに商品とその商品の情報とを提示し、その購入をすすめた場合であっても、そのカスタマがその商品を購入しない場合がある。そのとき、カスタマがその商品を購入しなかった理由が、カスタマ側の事由(例えば、別の商品を購入しており対象商品が不要であった場合など)であるのか、あるいは電子市場が提示した内容が悪かったのかを判別することは困難である。
【0007】
例えば、特許文献1には、カスタマに、アクセス履歴に応じて異なる販売条件(販売価格および送料負担など)を適用することが開示されているだけである。適用された販売条件が適切であったかどうかを判断する技術は、特許文献1には何ら開示されていない。
【0008】
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、カスタマへのより効果的で正確な商品の提案を、より簡易な作業で実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点にかかる管理装置は、
ネットワークを介して複数の販売店が出店する電子市場を管理する管理装置であって、
カスタマが受信した電子メールをパターンと照合することにより、当該カスタマが過去に購入した商品の識別情報、購入価格および購入元を示す履歴情報を抽出する抽出部、
前記抽出された履歴情報のうち第1履歴情報に含まれる前記識別情報に対応付けられた商品を、最も安い販売価格で販売する販売店を検索する検索部、
前記検索された販売店および当該販売店による販売価格を含む販売情報と、前記第1履歴情報と、を前記カスタマに提示し、前記販売情報に含まれる販売価格が、前記第1履歴情報に含まれる購入価格未満であれば、前記第1履歴情報に対して当該販売情報を強調して前記カスタマに提示する提示部、
前記提示部が、前記販売情報を強調して提示した後に前記カスタマが受信した電子メールから前記抽出部が抽出した履歴情報であって、前記第1履歴情報と共通する商品の識別情報を含む履歴情報である第2履歴情報を取得する取得部、
前記取得された第2履歴情報に含まれる購入価格が前記強調された販売情報に含まれる販売価格を超えていた場合、前記第1履歴情報ならびに前記第2履歴情報の抽出の際に照合されたパターンをチェックすべき旨を警告する警告部
を備える。
【0010】
上記第1の観点に係る管理装置は、
外部電子市場における商品の商品コードと、前記電子市場における当該商品の識別情報とを対応付けたデータベースを記録する記録部をさらに備え、
前記抽出部は、前記電子メールを前記パターンと照合することによって、当該カスタマが前記外部電子市場で購入した商品の前記商品コードを取得した場合、前記データベースを参照し、当該取得された商品コードに対応付けられた識別情報を取得し、
前記警告部は、前記取得された識別情報を提示して警告する、
ものであってもよい。
【0011】
前記抽出部は、
前記電子メールを前記パターンと照合することによって得られた購入元が、前記電子市場の販売店であれば、当該電子メールの記載から識別情報を取得し、
前記電子メールを前記パターンと照合することによって得られた購入元が、前記電子市場の販売店でなければ、当該購入元が運営するウェブサイトにおいて、当該電子メールに記載されている商品名をキーワードとして検索することによって購入ページを取得し、当該購入ページに最も類似する対照ページを前記電子市場から検索し、当該対照ページの記載から識別情報を取得する、
ものであってもよい。
【0012】
前記警告部は、前記取得された第2履歴情報に含まれる購入価格が前記強調された販売情報に含まれる販売価格を超えていた場合、前記対照ページにかかる販売店に、前記対照ページの記載をチェックすべき旨を警告する、
ものであってもよい。
【0013】
前記警告部は、前記取得された第2履歴情報に含まれる購入価格が前記強調された販売情報に含まれる販売価格を超えていた場合、前記強調された販売情報に含まれる販売店に警告する、
ものであってもよい。
【0014】
上記目的を達成するため、本発明の第2の観点にかかる管理方法は、
ネットワークを介して複数の販売店が出店する電子市場を管理する管理装置による管理方法であって、
カスタマが受信した電子メールをパターンと照合することにより、当該カスタマが過去に購入した商品の識別情報、購入価格および購入元を示す履歴情報を抽出する抽出ステップ、
前記抽出された履歴情報のうち第1履歴情報に含まれる前記識別情報に対応付けられた商品を、最も安い販売価格で販売する販売店を検索する検索ステップ、
前記検索された販売店および当該販売店による販売価格を含む販売情報と、前記第1履歴情報と、を前記カスタマに提示し、前記販売情報に含まれる販売価格が、前記第1履歴情報に含まれる購入価格未満であれば、前記第1履歴情報に対して当該販売情報を強調して前記カスタマに提示する提示ステップ、
前記提示ステップで、前記販売情報を強調して提示した後に前記カスタマが受信した電子メールから前記抽出ステップで抽出した履歴情報であって、前記第1履歴情報と共通する商品の識別情報を含む履歴情報である第2履歴情報を取得する取得ステップ、
前記取得された第2履歴情報に含まれる購入価格が前記強調された販売情報に含まれる販売価格を超えていた場合、前記第1履歴情報ならびに前記第2履歴情報の抽出の際に照合されたパターンをチェックすべき旨を警告する警告ステップ
を備える。
【0015】
上記目的を達成するため、本発明の第3の観点にかかる記録媒体は、
ネットワークを介して複数の販売店が出店する電子市場を管理するコンピュータにより実行されるプログラムを記録した非一時的な記録媒体であって、
前記コンピュータに、
カスタマが受信した電子メールをパターンと照合することにより、当該カスタマが過去に購入した商品の識別情報、購入価格および購入元を示す履歴情報を抽出する抽出手順、
前記抽出された履歴情報のうち第1履歴情報に含まれる前記識別情報に対応付けられた商品を、最も安い販売価格で販売する販売店を検索する検索手順、
前記検索された販売店および当該販売店による販売価格を含む販売情報と、前記第1履歴情報と、を前記カスタマに提示し、前記販売情報に含まれる販売価格が、前記第1履歴情報に含まれる購入価格未満であれば、前記第1履歴情報に対して当該販売情報を強調して前記カスタマに提示する提示手順、
前記提示手順で、前記販売情報を強調して提示した後に前記カスタマが受信した電子メールから前記抽出手順で抽出した履歴情報であって、前記第1履歴情報と共通する商品の識別情報を含む履歴情報である第2履歴情報を取得する取得手順、
前記取得された第2履歴情報に含まれる購入価格が前記強調された販売情報に含まれる販売価格を超えていた場合、前記第1履歴情報ならびに前記第2履歴情報の抽出の際に照合されたパターンをチェックすべき旨を警告する警告手順
を実行させるプログラムを記録している。
【0016】
上記目的を達成するため、本発明の第4の観点にかかるプログラムは、
ネットワークを介して複数の販売店が出店する電子市場を管理するコンピュータにより実行されるプログラムであって、
前記コンピュータに、
カスタマが受信した電子メールをパターンと照合することにより、当該カスタマが過去に購入した商品の識別情報、購入価格および購入元を示す履歴情報を抽出する抽出手順、
前記抽出された履歴情報のうち第1履歴情報に含まれる前記識別情報に対応付けられた商品を、最も安い販売価格で販売する販売店を検索する検索手順、
前記検索された販売店および当該販売店による販売価格を含む販売情報と、前記第1履歴情報と、を前記カスタマに提示し、前記販売情報に含まれる販売価格が、前記第1履歴情報に含まれる購入価格未満であれば、前記第1履歴情報に対して当該販売情報を強調して前記カスタマに提示する提示手順、
前記提示手順で、前記販売情報を強調して提示した後に前記カスタマが受信した電子メールから前記抽出手順で抽出した履歴情報であって、前記第1履歴情報と共通する商品の識別情報を含む履歴情報である第2履歴情報を取得する取得手順、
前記取得された第2履歴情報に含まれる購入価格が前記強調された販売情報に含まれる販売価格を超えていた場合、前記第1履歴情報ならびに前記第2履歴情報の抽出の際に照合されたパターンをチェックすべき旨を警告する警告手順
を実行させる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、カスタマへのより効果的で正確な商品の提案を、より簡易な作業で実現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の実施形態にかかる管理装置の機能構成を示すブロック図である。
図2】管理装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
図3】記憶装置に記録されているデータ内容を示す図である。
図4】抽出処理のフローチャートである。
図5】購入履歴データに記録されたデータの内容の一例を示す図である。
図6】販売情報提示処理のフローチャートである。
図7】警告処理のフローチャートである。
図8】接続データベースの内容を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照しつつ説明する。
【0020】
<実施形態>
本発明の実施形態にかかる管理装置100は、インターネットを介して複数の販売店が出店する電子市場としての機能を提供する情報処理装置である。管理装置100は、販売店の担当者が作成した、商品に関するウェブページ(商品ページ)に関するデータを記録しており、インターネット等のネットワークを介してカスタマから要求があると、その要求に応じて商品ページに関する情報を提供する。また、管理装置100は、商品ページを閲覧したカスタマが、当該商品ページを介してその商品に関する注文を入力すると、その注文を受け付け、受け付けた注文を販売店に伝達する。
【0021】
また、管理装置100は、カスタマから注文を受け付けると、その注文の内容を示す情報(注文日時、商品名、商品の識別情報、購入価格、購入元販売店など)を記載した電子メールをカスタマに送信する。カスタマは、送信された電子メールを参照することにより、自身の注文内容を参照することができる。他にも、管理装置100は、一般的な電子市場の機能を提供する情報処理装置が有する機能を一通り備えるものとする。
【0022】
商品の識別情報とは、電子市場において商品を種別に一意に特定するために付与される固有のデータである。例えば、JAN(Japanese Article Number)コードやISBN(International Standard Book Number)などが識別情報として用いられる。しかし、商品の識別情報はこれに限られず、電子市場が任意に商品種別に割り当てるものであってもよい。
【0023】
さらに、管理装置100は、カスタマに、過去の購入履歴に基づき、商品の購入を提案する機能を備える。管理装置100は、カスタマによる過去の購入履歴から再度購入が見込まれる商品を特定し、特定した商品を取り扱っている販売店を、自身が管理する電子市場から検索する。管理装置100は、複数の販売店が検索によりヒットした場合、ヒットした販売店から、その商品を最も低価格で販売している販売店を特定する。管理装置100は、特定した商品および販売店をカスタマに提示することにより、カスタマに、当該商品を購入することを提案する。
【0024】
管理装置100は、カスタマに商品の購入を提案する際、購入履歴を、自身が管理する電子市場での購買記録だけでなく、カスタマが受信した電子メールから取得する機能を備える。管理装置100は、カスタマが受信した電子メールを解析することで、過去にカスタマが購入した商品およびその際の購入条件を示す情報を取得する。このようにすることで、管理装置100は、自身が管理する電子市場のみならず、他の電子市場でカスタマが購入した商品に基づいて、商品の購入をカスタマに提案することができる。
【0025】
カスタマが電子メールを受信する形態として、さまざまなものが考えられる。例えば、カスタマは、自身が利用するウェブメールサービスに、端末装置で起動するウェブブラウザを介して接続することにより、ウェブメールサービスで受信した電子メールを閲覧するものであってもよい。また、カスタマが所有する端末装置にインストールされたメイラーが、定期的にサーバから電子メールをダウンロードしており、カスタマは端末装置のメイラーを介して閲覧するものであってもよい。以下の説明においては、便宜的に、管理装置100は、カスタマが利用するウェブメールサービスにアクセスすることにより、カスタマが受信した電子メールの内容を示すデータを取得する。
【0026】
管理装置100は、カスタマから、ウェブメールサービスへのアクセス用の情報(ウェブメールサービスのURL(Uniform Resource Locator)、アクセス用のユーザID(IDentifier)、パスワードなど)の入力を受け付け、受け付けた情報を記録する。管理装置100は、入力された情報をもとに、定期的にまたは任意の事由をトリガーにして、ウェブメールサービスからカスタマが受信した電子メールを取得する。管理装置100は、取得した電子メールの内容に基づいて、カスタマへ商品の購入を提案する。
【0027】
本実施形態にかかる管理装置100は、図1に示すように、機能面では、抽出部11、検索部12、提示部13、取得部14、警告部15を備える。また、管理装置100は、カスタマCが受信した電子メールのデータである電子メールデータ21にアクセスすることができる。また、管理装置100は、電子メールデータ21から商品のデータを抽出するためのパターンデータ22、またカスタマCによる購入履歴を記録する購入履歴データ23、電子市場を運営するために必要となる商品ページ等のデータを記録したDB(Data Base)である電子市場DB24などのデータを記録する。
【0028】
抽出部11は、カスタマCが受信した電子メールをパターンと照合することにより、カスタマCが過去に購入した商品の識別情報、購入価格および購入元を示す履歴情報を抽出する。具体的には、抽出部11は、電子メールデータ21からカスタマCが受信した電子メールを読み出し、読み出した電子メールを、パターンデータ22に記録されているパターンと照合する。抽出部11は、照合の結果得られたカスタマCによる商品の購入履歴を示す情報(購入した商品の識別情報、購入価格および購入元を示す情報)を、購入履歴データ23に記録する。
【0029】
検索部12は、抽出部11に抽出された履歴情報(購入履歴データ23)から商品の識別情報を読み出し、その商品を、管理装置100が管理する電子市場のなかで最も安い販売価格で販売する販売店を検索する。
【0030】
提示部13は、検索部12に検索された販売店、および当該販売店による販売価格を含む販売情報と、検索に用いられた履歴情報と、をカスタマCに提示する。特に、提示部13は、履歴情報に記録されている購入価格と、提示される販売情報に含まれる販売価格とを対比し、販売価格のほうが低価格であった場合、販売情報を強調してカスタマCに提示する。
【0031】
取得部14は、提示部13が販売情報を強調して提示した後にカスタマCが受信した電子メールから抽出部11が抽出した履歴情報であって、過去に一度カスタマCに販売情報とともに提示された履歴情報(第1履歴情報)と共通する商品の識別情報を含む履歴情報(第2履歴情報)を取得する。取得部14が取得した履歴情報は、言い換えると、提示部13がカスタマCに販売情報を提示した後の、カスタマCによる購入内容を示す情報である。
【0032】
警告部15は、取得部14が取得した履歴情報に含まれる購入価格が、提示部13が強調して提示した販売情報に含まれる販売価格を超えていた場合、第1履歴情報および第2履歴情報の抽出の際に照合されたパターンをチェックすべき旨を電子市場の管理者Mに警告する。取得部14が取得した履歴情報に含まれる購入価格が、提示部13が強調して提示した販売情報に含まれる販売価格を超えている場合とは、すなわち、カスタマCが、提示された販売情報よりも高い価格で同じ商品を購入した場合である。このような場合、抽出部11が電子メールデータ21とパターンデータ22とを照合して抽出した購入履歴が不適切であった可能性がある。そのため、警告部15は、電子市場の管理者Mに、パターンデータ22をチェックすることを、メッセージ等により警告する。
【0033】
管理装置100は、ここまで述べた各機能部を有することにより、要件が満たされた場合に、電子市場の管理者に、パターンデータ22をチェックすることを警告する。管理装置100によれば、電子市場の管理者は、パターンデータ22を改善する機会およびそのための情報を取得することができる。そのため、電子市場の管理者は、カスタマCへ、より効果的で正確な商品の提案を、より簡易な作業で実現することが可能となる。
【0034】
本実施形態にかかる管理装置100は、図2に示すように、ハードウェアとして、制御部110、記憶装置120、操作デバイス130、ディスプレイ140、ネットワークインターフェース150を備え、これらが内部バス190を介して互いに接続された構成を有する。
【0035】
制御部110は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などを備える。制御部110のCPUが、ROMまたはRAMに記録されているプログラムを実行することにより、制御部110は、管理装置100全体の動作を制御する。制御部110は、必要に応じて記憶装置120からプログラム等のデータを読み出し、また記憶装置120にデータを保存する。
【0036】
記憶装置120は、ハードディスクドライブやフラッシュメモリ等の記憶装置を備え、管理装置100が稼動するために必要なデータを記憶する。
【0037】
記憶装置120は、例えば、制御部110が実行するためのプログラム、あるいは制御部110がプログラムを実行する上で参照するデータを記録し、制御部110からの要求に応じて制御部110に提供する。また、記憶装置120は、制御部110からの要求に応じ、制御部110から出力されたデータを記録する。
【0038】
操作デバイス130は、キーボードやマウス等を備え、操作者(主として管理者M)による入力操作を受け付けて制御部110に伝達する。
【0039】
ディスプレイ140は、液晶ディスプレイ等を備え、管理装置100が操作者に提示すべき情報を表示する。
【0040】
もっとも、管理装置100が操作デバイス130およびディスプレイ140を備えていることは必須ではない。例えば、後述するネットワークインターフェース150を介して、操作者からの操作入力を受けつけ、あるいは操作者に情報を提示することができるなら、管理装置100は操作デバイス130あるいはディスプレイ140を備えていなくともよい。
【0041】
ネットワークインターフェース150は、管理装置100をネットワーク(図示せず)に接続する。管理装置100が、ネットワークを介して他機器に情報を送信し、あるいは他機器から情報を受信する際、ネットワークインターフェース150は、制御部110から後述する内部バス190を介して受信した情報を、ネットワークを介して他機器へ送信し、また他機器からネットワークを介して受信した情報を、内部バス190を介して制御部110へ送信する。特に、管理装置100は、ネットワークを介してカスタマCの端末装置と接続されており、端末装置から送信される操作内容を受け付ける。また、管理装置100は、カスタマCの端末装置に、画面に表示する情報(商品ページを示す情報や、販売情報を示す情報など)を送信する。
【0042】
ネットワークインターフェース150は、例えばケーブルを介して管理装置100をネットワークに接続してもよいし、あるいは無線通信により管理装置100をネットワークに接続してもよい。ケーブルによる場合も無線通信による場合も、その通信規格は任意である。
【0043】
内部バス190は、管理装置100内の構成要素(制御部110、記憶装置120、操作デバイス130、ディスプレイ140、ネットワークインターフェース150等)間での情報のやり取りを中継する。例えば、制御部110が必要なデータを記憶装置120から読み出すとき、制御部110は、内部バス190を介して記憶装置120からデータを読み出す。
【0044】
本実施形態にかかる管理装置100は、以上の構成により、一般的な電子市場管理装置が提供する機能、例えば、インターネットを介してカスタマCに商品ページを閲覧させる機能、および、カスタマCが入力したクエリにマッチする商品ページを検索し、ヒットした商品ページをカスタマCに提示する機能、商品ページを介してカスタマCからの商品を購入するための注文を受け付ける機能等を実現する。管理装置100は、インターネットを介し、カスタマCの端末装置から送信される各種要求(商品ページの参照要求や、商品の購入申し込みの処理要求など)を受け付ける。管理装置100は、受け付けた処理要求を実行し、その結果となる情報を、カスタマCの端末装置に送信する。カスタマCの端末装置は、管理装置100から送信された情報を受信し、受信したデータを液晶ディスプレイなどの表示装置に表示することにより、カスタマCに情報を提示する。すなわち、管理装置100は、カスタマCからの要求に応じたデータを端末装置に送信することにより、カスタマCに提示することができる。
【0045】
ここでいうカスタマCの端末装置とは、カスタマCがアクセス可能な端末であり、具体的にはスマートフォンや、またはPC(Personal Computer)などである。
【0046】
本実施形態にかかる管理装置100において、記憶装置120は、図3に示す各データを記録する。すなわち、記憶装置120は、電子メールデータ21、パターンデータ22、購入履歴データ23、および電子市場DB24などを記録する。
【0047】
電子メールデータ21は、カスタマCが受信した電子メールを記録したデータである。管理装置100は、定期的に、または任意の事由をトリガーにして、カスタマCにより入力された情報をもとに、ウェブメールサービスにアクセスする。管理装置100は、ウェブメールサービスから、カスタマCが受信した電子メールのデータをダウンロードし、電子メールデータ21に記録する。
【0048】
パターンデータ22は、カスタマCが受信した電子メールの内容から、どのような部分に記載されたデータが購入された商品に関するデータであるかを判定するための基礎となるパターンを記録したデータである。特に、パターンデータ22には、カスタマCに送信された注文内容を確定する電子メールにおいて、どのような部分に商品の識別情報(または商品名、購入価格、購入元販売店などを示す情報など)が記録されているかを示す情報が記録される。抽出部11は、電子メールデータ21から読み出した電子メールの内容を示すデータと、パターンデータ22に記録されているパターンとを照合することにより、カスタマCが購入した商品に関する情報を抽出する。
【0049】
パターンデータ22に記録されるパターンは、管理装置100が管理する電子市場に関するものに限定されない。例えば、管理装置100が、後述するように外部電子市場における購入履歴を電子メールから抽出するものである場合、管理装置100は、当該外部電子市場におけるパターンをパターンデータ22に記録する。購入内容を示す情報を記載した電子メールのフォーマットは、各電子市場がそれぞれにデザインするものであり、電子市場ごとに異なるものとなる。電子市場ごとに異なるフォーマットである電子メールを解析するため、管理装置100は、電子市場ごとに異なる、電子メールと照合するためのパターンを、電子市場を示す情報と対応付けてパターンデータ22に記録する。
【0050】
購入履歴データ23は、カスタマCの電子市場における商品の購入履歴を記録したものである。具体的には、購入履歴データ23には、カスタマCが購入した商品の購入日時、購入された商品の識別番号、購入価格、購入元の販売店を示す情報が記録される。抽出部11は、電子メールをパターンと照合することにより得られた購入履歴を示すデータを、購入履歴データ23に記録する。
【0051】
電子市場DB24は、管理装置100が電子市場の機能を提供するために必要なデータ一式を含むものであり、例えばウェブサーバとして機能するためのプログラムや、販売店により作成された商品ページを示すデータ、またカスタマの情報(氏名および住所、電子メールのアドレスや会員IDなど)や販売店の情報(連絡先電話番号や住所、責任者氏名など)を含むデータベースなどを含む。管理装置100は、必要に応じて電子市場DB24を参照することにより、電子市場としての機能を実現する。
【0052】
管理装置100は、定期的に、または何らかのトリガーを受けて、図4に示す抽出処理を開始する。管理装置100は、制御部110が抽出処理の各ステップを実行することにより、カスタマCが受信した電子メールから購入履歴を示すデータを取得し、記憶装置120に記録する。制御部110は、抽出処理を実行することにより、抽出部11としての機能を実現する。
【0053】
抽出処理の最初に、制御部110は、電子メールデータを取得する(ステップS11)。制御部110は、記憶装置120から電子メールデータ21に記録されているデータを読み出し、制御部110の内部にあるRAM等に記録する。
【0054】
次に制御部110は、パターンデータを取得する(ステップS12)。制御部110は、記憶装置120からパターンデータ22に記録されているデータを読み出し、制御部110の内部にあるRAM等に記録する。
【0055】
次に制御部110は、読み出した電子メールデータを、パターンデータと照合する(ステップS13)。制御部110は、RAM等に記録した電子メールデータを、RAM等に記録されているパターンデータに従って解析することにより、購入履歴を示すデータを抽出する。購入履歴を示すデータには、カスタマCが商品を購入した購入日時、カスタマCに購入された商品の識別番号、商品の購入価格、商品の購入元販売店を示す情報などが含まれる。
【0056】
次に制御部110は、ステップS13で抽出した購入履歴を示すデータを、購入履歴データ23に記録する(ステップS14)。ステップS14を終えると、管理装置100は抽出処理を完了する。
【0057】
管理装置100が抽出処理を行うと、購入履歴データ23には、図5に示すデータが記録される。すなわち、カスタマCが商品を購入した購入日時、カスタマCに購入された商品の識別番号、商品の購入価格、商品の購入元販売店を示す情報などが購入履歴データ23に記録される。また、このほかに、購入された商品名、購入された商品の個数、同時に利用されたサービスなどを示すデータが購入履歴データ23に記録されてもいい。
【0058】
さらに、購入履歴データ23には、販売情報提示状況を記録するための欄(販売情報提示状況欄)が設けられている。販売情報提示状況欄には、後ほど、販売情報提示処理によって購入履歴と販売情報とがカスタマCに提示された場合に、そのことを示す情報を管理装置100が記録する。そのため、管理装置100は、抽出処理においては、販売情報提示状況欄にはデータを記録しない。
【0059】
管理装置100は、定期的に、または何らかのトリガーを受けて、図6に示す販売情報提示処理を開始する。管理装置100は、制御部110が販売情報提示処理の各ステップを実行することにより、カスタマCに、購入を勧める商品の販売情報と、前回の購入時の購入履歴を提示する。制御部110は、抽出処理を実行することにより、検索部12および提示部13としての機能を実現する。
【0060】
販売情報提示処理の最初に、制御部110は、購入履歴データを読み出す(ステップS21)。制御部110は、記憶装置120から購入履歴データ23に記録されているデータを読み出し、制御部110の内部にあるRAM等に記録する。
【0061】
次に制御部110は、商品識別情報による電子市場の検索を行う(ステップS22)。制御部110は、ステップS21で読み出した購入履歴に含まれる商品の識別情報を特定する。制御部110は、管理装置100が管理する電子市場を、特定した識別情報をキーとして検索する。制御部110は、検索結果として得られた情報を販売情報として取得する。販売情報には、対象となる商品の販売価格、および対象商品を販売する販売店を示す情報などが含まれる。このステップを実行することにより、制御部110は、カスタマCに提示する販売情報を取得する。
【0062】
次に制御部110は、ステップS22で取得された販売情報に含まれる販売価格が、ステップS21で取得された購入履歴データ23に含まれる購入価格未満であるか否かを判定する(ステップS23)。制御部110は、購入履歴データに含まれる購入価格と、販売情報に含まれる販売価格とを対比し、販売価格が購入価格未満であるか否かを判定する。
【0063】
販売価格が購入価格未満であると判定した場合(ステップS23;YES)、制御部110は、販売情報と、購入履歴とをカスタマCに提示する(ステップS25)。特にこの時、制御部110は、販売情報を、購入履歴に対して強調して提示する。カスタマCに販売情報と購入履歴とを提示する方法は任意である。例えば、制御部110は、販売情報および購入履歴を示すドキュメントファイルをHTML(HyperText Markup Language)言語により生成し、それを電子メールに添付してカスタマCに送付するものであってもよい。カスタマCが後ほど電子メールを閲覧することにより、制御部110は、販売情報と購入履歴とをカスタマCに提示する。
【0064】
販売情報を強調した状態で販売情報と購入履歴とをカスタマに提示すると、制御部110は、販売情報を購入履歴に関連付けて記録する(ステップS26)。具体的には、制御部110は、購入履歴データ23において、表示対象となった購入履歴の販売情報表示状況欄に、提示された販売情報および提示された日時などを記録する。
【0065】
一方、ステップS23にて販売価格が購入価格未満ではないと判定した場合(ステップS23;NO)、制御部110は、販売情報と、購入履歴とをカスタマCに提示し(ステップS24)、販売情報提示処理を終了する。
【0066】
ここまで述べた販売情報提示処理を実行することにより、管理装置100は、カスタマCに、販売情報および購入履歴を提示する。これにより、管理装置100は、カスタマCが再度購入する機会のある商品について、購入を提案することができる。さらに、管理装置100は、前回の購入時の購入価格よりも安い価格で販売することができる販売店が電子市場に存在する場合、その販売店における販売情報を、前回の購入時の購入内容よりも強調して表示する。そのため、それを見たカスタマCに、効果的に宣伝することができる。
【0067】
また、管理装置100は、販売情報を購入履歴よりも強調して提示した場合、提示した販売情報および提示した日時を購入履歴データ23に記録する。そのため、管理装置100は、情報を提示されたカスタマCのその後の購買行動を、提示した情報と対比することにより、提示した情報が適切であったかどうかを判断するための材料を得ることができる。
【0068】
管理装置100は、定期的に、または何らかのトリガーを受けて、図7に示す警告処理を開始する。管理装置100は、制御部110が警告処理の各ステップを実行することにより、販売情報の提示を受けた後、提示された販売情報よりも高い価格でカスタマCが商品を購入した場合に、それを検出し、電子市場の管理者Mに警告する。制御部110は、警告処理を実行することにより、取得部14および警告部15としての機能を実現する。
【0069】
警告処理の最初に、制御部110は、第1の購入履歴と第2の購入履歴との組み合わせを抽出する(ステップS31)。制御部110は、購入履歴データ23を検索し、同じ商品に関する2つの購入履歴の組を抽出する。
【0070】
次に制御部110は、抽出された購入履歴のうち購入日時の早いほう(第1の購入履歴)の、販売情報提示状況欄に記録されているデータ(販売情報)を読み出す(ステップS32)。制御部110は、第1の購入履歴の販売情報提示状況欄にアクセスし、販売情報が強調されて提示された日時、および、提示された販売価格を読み出す。販売情報提示状況欄にデータが記録されていなかった場合、データが記録されていなかったことを示すデータとして読み出す。
【0071】
次に制御部110は、抽出された購入履歴のうち購入日時の遅いほう(第2の購入履歴)の購入価格が、第1の購入履歴の販売情報提示状況欄に記録されていた販売情報の販売価格を超えているか否かを判定する(ステップS33)。制御部110は、第2の購入履歴に記録されていた購入価格が、ステップS32で読み出した販売価格より高価格であるか否かを判定する。
【0072】
第2の購入履歴の購入価格が販売情報の販売価格を超えていたと判定すると(ステップS33;YES)、制御部110は、電子市場の管理者に警告する(ステップS34)。制御部110は、例えば、ディスプレイ140を介し、管理装置100の操作者(電子市場の管理者M)に、パターンデータ22に記録されているパターンをチェックすべき旨のメッセージを提示する。または、電子市場の管理者Mの連絡先として記録されている電子メールアドレスあてに、警告メッセージを含む電子メールを送信する。制御部110は、管理者Mに警告すると、警告処理を終了する。
【0073】
一方、第2の購入履歴の購入価格が販売情報の販売価格を超えていたと判定した場合以外のケース(ステップS33;NO)では、制御部110は、そのまま警告処理を終了する。
【0074】
警告処理を実行することにより、管理装置100は、強調された販売価格よりも高い購入価格によりカスタマCが商品を購入したケースを検出する。検出されたケースでは、管理装置100が提示した販売価格が、カスタマCにとっては効果的な提案ではなかったことを意味する。このようなケースを検出した場合、管理装置100は、電子市場の管理者に、パターンデータ22に記録されているパターンをチェックすべき旨を警告する。警告を受けた管理者が、パターンデータ22をチェックし改善することにより、抽出部11は、より適正な購入履歴を抽出するようになる。
【0075】
ここまで説明した例では、警告処理において、警告部15は第2の購入履歴の購入価格が販売情報の販売価格を超えているか否かを判定し(ステップS33)、超えていた場合に警告を行っている(ステップS34)。しかし、判定基準はこれに限られず、例えば、第2の購入履歴の購入価格が、販売価格との対比において所定の基準を満たす範囲であった場合に警告するものであってもよい。この場合、警告部15は、例えば、第2の購入履歴の購入価格が、所定の基準である販売情報の販売価格の1.05倍の金額よりも高いか否かを判定するものとなる。他にも、判定基準として任意のものが可能である。
【0076】
また、ここまでの説明では、管理装置100は、カスタマCが利用するウェブメールサービスから、カスタマCが受信した電子メールを取得する。しかし、これに限られず、管理装置100は、カスタマCが所有する端末装置にインストールされたメイラーから、カスタマCが受信した電子メールを取得するものであってもよい。この場合、カスタマCは、使用する端末装置にインストールされたメイラーに、所定のプラグイン等を導入することにより、受信した電子メールに管理装置100がアクセスできるようにすることができる。管理装置100は、プラグインの導入されたメイラーから、電子メールの内容を示すデータを取得し、電子メールデータ21に記録する。
【0077】
ここまでの説明した例においては、管理装置100が警告する対象は、電子市場の管理者である。しかし、管理装置100が警告する対象は、カスタマCに提示された販売情報に記載されていた販売元である販売店であってもよい。カスタマCが、管理装置100が提示した販売価格よりも高い価格で、他店から同商品を購入した場合、提示された販売情報に記載された販売元である販売店の商品ページにおける記載が、カスタマCにとって購入意欲を減退させるものであった可能性があるからである。このように、管理装置100は、販売元である販売店が作成した商品ページを見直す機会を販売元である販売店に提供することができる。そのため、販売元である販売店としては、商品ページのカスタマへの訴求力をより高めることができる。
【0078】
ここまでの説明では、抽出部11は、電子メールから、管理装置100自身が管理する電子市場における購入履歴を抽出するものとして説明した。しかし、これに限られず、抽出部11は、管理装置100が管理する電子市場のみならず、他の電子市場(外部電子市場)におけるカスタマCの購入履歴を抽出するものであってもよい。
【0079】
外部電子市場における購入履歴を電子メールから抽出するために、管理装置100は、外部電子市場における商品の商品コードと、管理装置100が管理する電子市場における当該商品の識別情報とを対応付けた接続データベース25を備えるものであってもよい。接続データベース25には、図9に示すように、管理装置100が管理する電子市場における商品の識別番号と、外部電子市場における商品の商品コードと、外部電子市場を示す情報(例えば、外部電子市場のウェブサイトのURLなど)が記録される。
【0080】
抽出部11は、電子メールデータ21から読み出したデータと、パターンデータ22から読み出したパターンとを照合することによって、カスタマCが外部電子市場で購入した商品の商品コードを取得した場合、接続データベース25を参照し、取得された商品コードを、管理装置100が管理する電子市場における商品の識別番号に変換する。このようにして、抽出部11は、取得された商品コードに対応付けられた識別番号を取得する。
【0081】
また、抽出部11は、上述した接続データベース25によらず、外部電子市場における購入履歴を取得することも可能である。例えば、抽出部11は、電子メールデータ21から読み出したデータと、パターンデータ22から読み出したパターンとを照合することにより、購入された商品名と、商品の購入元のウェブサイトを取得するものとする。この場合、抽出部11は、購入元が運営するウェブサイトにおいて、当該電子メールから取得された商品名をキーワードとして検索することによって購入ページを取得する。さらに、抽出部11は、取得された購入ページに最も類似する対照ページを、管理装置100が管理する電子市場から検索する。抽出部11は、検索の結果、得られた商品ページ(対照ページ)の記載から、識別情報を取得する。このようにすることで、抽出部11は、取得された商品コードに対応付けられた識別番号を取得できる。
【0082】
また、抽出部11は、対照ページを介して識別番号を取得する場合、事前に、電子メールデータ21から識別された購入元が、管理装置100が管理する電子市場の販売店であるのか否かを判定するものであってもよい。この場合、抽出部11は、電子メールデータ21から識別された購入元が、管理装置100が管理する電子市場の販売店であった場合、電子メールの記載から商品の識別情報を取得する。一方、電子メールデータ21から識別された購入元が、管理装置100が管理する電子市場の販売店でなければ、上述した通り管理装置100が管理する電子市場における対照ページの記載から識別情報を取得するものであってもよい。
【0083】
さらに、抽出部11が、対照ページに基づいて商品の識別情報を取得していた場合、警告部15は、警告対象に対照ページにかかる販売店を含むものであってもよい。カスタマCが、対照ページにかかる販売店ではなく、管理装置100が管理する電子市場ではない販売店から同商品を購入した場合、対照ページにおける記載に改善点がある可能性があるからである。管理装置100は、このような場合に、対照ページにかかる販売店が作成した商品ページを見直す機会を提供することで、当該販売店としては、商品ページのカスタマへの訴求力をより高めることができる。
【0084】
本発明の実施形態にかかる管理装置は、専用のシステムによらず、通常のコンピュータシステムを用いても実現可能である。例えば、コンピュータに、上記動作を実行するためのプログラムを、フレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disk-Read Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disk)、MO(Magnet Optical Disk)など、非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶して配布し、これをコンピュータシステムにインストールすることにより、上述の処理を実行する管理装置を構成しても良い。さらに、インターネット上のサーバ装置が有するディスク装置等にプログラムを記憶しておき、例えば、搬送波に重畳させて、コンピュータにダウンロード等するものとしてもよい。
【0085】
また、本発明の実施形態にかかる管理装置は、一台で実現されるものに限定されない。複数のコンピュータが上述した各部の機能を分担することにより、それらの複数のコンピュータからなる一つのシステムとして各機能を提供するものであってもよい。
【0086】
また、上述した実施形態は、本発明を説明するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。つまり、本発明の範囲は、実施形態ではなく、請求の範囲によって示される。そして、請求の範囲内およびそれと同等の発明の意義の範囲内で施される様々な変形が、本発明の範囲内とみなされる。
【符号の説明】
【0087】
11:抽出部
12:検索部
13:提示部
14:取得部
15:警告部
21:電子メールデータ
22:パターンデータ
23:購入履歴データ
24:電子市場DB
100:管理装置
110:制御部
120:記憶装置
130:操作デバイス
140:ディスプレイ
150:ネットワークインターフェース
190:内部バス
C:カスタマ
M:管理者
【要約】
抽出部(11)は、カスタマ(C)が受信した電子メールをパターンと照合することにより、カスタマ(C)の履歴情報を抽出する。検索部(12)は、抽出された履歴情報(第1履歴情報)に記録された商品を、最も安い販売価格で販売する販売店を検索する。提示部(13)は、検索結果による販売情報と、第1履歴情報と、をカスタマ(C)に提示し、販売情報に含まれる販売価格が、第1履歴情報に含まれる購入価格未満であれば、販売情報を強調してカスタマ(C)に提示する。取得部(14)は、販売情報を強調して提示した後にカスタマ(C)が受信した電子メールから抽出された履歴情報であって、第1履歴情報と共通する商品を記録した履歴情報(第2履歴情報)を取得する。警告部(15)は、第2履歴情報に含まれる購入価格が強調された販売情報に含まれる販売価格を超えていた場合、パターンをチェックすべき旨を警告する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8