特許第5996207号(P5996207)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5996207
(24)【登録日】2016年9月2日
(45)【発行日】2016年9月21日
(54)【発明の名称】蒸気供給装置
(51)【国際特許分類】
   F22B 3/00 20060101AFI20160908BHJP
   F25B 19/00 20060101ALI20160908BHJP
【FI】
   F22B3/00
   F25B19/00 A
【請求項の数】7
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2012-32580(P2012-32580)
(22)【出願日】2012年2月17日
(65)【公開番号】特開2012-172968(P2012-172968A)
(43)【公開日】2012年9月10日
【審査請求日】2015年1月19日
(31)【優先権主張番号】10-2011-0016026
(32)【優先日】2011年2月23日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】500548884
【氏名又は名称】ハンファテクウィン株式会社
【氏名又は名称原語表記】HANWHA TECHWIN CO.,LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武
(74)【代理人】
【識別番号】100089037
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邊 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】金 鎭亨
(72)【発明者】
【氏名】李 台旭
(72)【発明者】
【氏名】金 明▲シン▼
(72)【発明者】
【氏名】▲鄭▼ 世煥
(72)【発明者】
【氏名】▲黄▼ 盛俊
【審査官】 渡邉 洋
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−010243(JP,A)
【文献】 特開2008−057876(JP,A)
【文献】 特開2009−058147(JP,A)
【文献】 特開2009−092295(JP,A)
【文献】 特開2007−232357(JP,A)
【文献】 特開平08−166109(JP,A)
【文献】 特開2012−002472(JP,A)
【文献】 特開2008−188514(JP,A)
【文献】 米国特許第04454720(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F22B 3/00− 3/08
F25B19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体から蒸気を生成する蒸発器と、
前記蒸発器から流出した蒸気を圧縮する圧縮ユニットと、
前記圧縮ユニットから流出した蒸気を前記圧縮ユニットに再び流入させる第1流路と、
前記圧縮ユニットから流出した蒸気を前記蒸発器に再び流入させる前記第1流路とは別個の第2流路と、
前記圧縮ユニットから流出した蒸気を蒸気利用設備に流出させる第3流路と、
前記第1流路を開閉する第1弁と、
前記第2流路を開閉する第2弁と、
前記蒸発器と前記圧縮ユニットの流入口とを連結する流路に連結された減圧流路と、
前記減圧流路に配置される減圧ポンプと、を備え、
前記第1流路が前記蒸発器を介することなく前記圧縮ユニットの流出口と前記圧縮ユニットの前記流入口とを連結することを特徴とする蒸気供給装置。
【請求項2】
前記第3流路を開閉する第3弁をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の蒸気供給装置。
【請求項3】
前記圧縮ユニットは、多段で連結された複数個の圧縮器を備えることを特徴とする請求項1に記載の蒸気供給装置。
【請求項4】
前記圧縮器の間に配置され、前端の圧縮器から流出して後端の圧縮器に流入する蒸気に前記液体を添加して、前記蒸気を冷却する第1冷却器をさらに備えることを特徴とする請求項3に記載の蒸気供給装置。
【請求項5】
前記第1流路を通過する蒸気に前記液体を添加して、前記蒸気を冷却する第2冷却器をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の蒸気供給装置。
【請求項6】
前記圧縮ユニットに流入する蒸気に含まれた液体を分離して排出する気液分離器をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の蒸気供給装置。
【請求項7】
前記気液分離器から排出された液体を前記蒸発器に流入させる第4流路をさらに備えることを特徴とする請求項6に記載の蒸気供給装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蒸気を使用する装置に蒸気を供給するための蒸気供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
各種の化学プロセス、食物の調理または特定の物体の殺菌消毒などに使われる高温高圧の蒸気を生成する蒸気供給装置が知られている。かかる蒸気供給装置は、水を蒸発させて蒸気を生成した後、それを圧縮器を用いて圧縮して、蒸気利用設備に供給する。
【0003】
しかし、このように、蒸気を圧縮して蒸気利用設備に供給する蒸気供給装置の場合、蒸発器において生成される蒸気の流量が、圧縮器の動作に最適な流量に比べて少ない場合が多い。このように、蒸発器において加熱されて生成される蒸気の流量が十分でない場合には、圧縮器の圧縮効率が顕著に低下して、蒸気供給装置の全体的な効率を顕著に低下させる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、蒸発器において加熱されて生成される蒸気の流量が、圧縮器の効率的な作動のための流量に達しない場合にも、圧縮ユニットの圧縮効率を効果的に維持できる蒸気供給装置を提供するところにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記目的を達成するために、本発明の一実施形態による蒸気供給装置は、液体から蒸気を生成する蒸発器と、前記蒸発器から流出した蒸気を圧縮する圧縮ユニットと、前記圧縮ユニットから流出した蒸気を前記圧縮ユニットの流入口に流入させる第1流路と、前記圧縮ユニットから流出した蒸気を前記蒸発器に流入させる第2流路と、前記圧縮ユニットから流出した蒸気を蒸気利用設備に流出させる第3流路と、前記第1流路を開閉する第1弁と、前記第2流路を開閉する第2弁と、を備える。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、蒸発器の加熱容量が少ない場合にも、圧縮ユニットの圧縮効率を効果的に維持できる。したがって、蒸気供給装置の全体的な効率を効果的に上昇させることができる。
【0007】
また、本実施形態の蒸気供給装置は、圧縮ユニットのサージを効果的に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施形態による蒸気供給装置の構成を概略的に示す図面である。
図2図1の蒸気供給装置の一部の動作形態を概略的に示す図面である。
図3図1の蒸気供給装置の他の一部の動作形態を概略的に示す図面である。
図4図1の蒸気供給装置のさらに他の一部の動作形態を概略的に示す図面である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態による蒸気供給装置について説明する。
【0010】
図1は、本発明の一実施形態による蒸気供給装置の構成を概略的に示す図面である。
【0011】
図1を参照すれば、本実施形態による蒸気供給装置1は、蒸発器100、圧縮ユニット200、第1流路300、第2流路400、第3流路500、第1弁600、第2弁700、第3弁800、第1冷却器810,820、第2冷却器830、気液分離器910,920,930及び第4流路950を備える。
【0012】
蒸発器100は、流入した液体Wを加熱して蒸気を生成する。蒸発器100の内部は、大気圧より低い圧力に維持されるが、この場合、液体Wの沸騰点は、大気圧下での沸騰点より低くなる。このように、液体Wの沸騰点を低くすれば、液体Wの蒸発に必要な熱量が減少する。以下では、蒸発器100に流入する液体Wが水であることを例として説明する。
【0013】
圧縮ユニット200は、蒸発器100から流出した蒸気、すなわち、水蒸気を圧縮するためのものであって、遠心式または軸流式圧縮器など、多様な形式の圧縮器を備えてもよい。また、圧縮ユニット200は、複数の圧縮器が多段で連結された形態に構成されてもよい。図1を参照すれば、本実施形態による蒸気供給装置1の圧縮ユニット200は、多段で連結された三つの圧縮器210,220,230を備えるということが分かる。以下では、説明の便宜上、各圧縮器210,220,230を、最先端から順次に第1圧縮器210、第2圧縮器220、第3圧縮器230と称する。
【0014】
蒸発器100の流出口と、圧縮ユニット200の流入口、すなわち、第1圧縮器210の流入口とを連結する流路150には、蒸発器100の内部を減圧させる減圧流路160が連結される。減圧流路160には、蒸発器100の内部の圧力を低下させるように、蒸発器100の内部の空気または水蒸気を強制的に取り出す減圧ポンプ170が配置される。
【0015】
第1流路300は、圧縮ユニット200から流出した圧縮蒸気を、圧縮ユニット200の流入口に再流入させるように、第3圧縮器230の流出口と、第1圧縮器210の流入口とを連結する。本実施形態において、第1流路300は、第1圧縮器210の流入口に連結された気液分離器910を経て、第1圧縮器210に連結される。第1流路300には、蒸気が圧縮ユニット200の流入口から圧縮ユニット200の流出口の方向に逆流することを防止するために、チェック弁320が配置される。また、第1流路300には、第1流路300が不要であると判断される場合に、第1流路300をあらかじめ遮断させるバイパス弁が配置されてもよい。
【0016】
第2流路400は、圧縮ユニット200から流出した圧縮蒸気を前記蒸発器100に流入させるように、最後端の圧縮器、すなわち、第3圧縮器230の流出口と蒸発器100とを連結する。第2流路400には、蒸気が蒸発器100から圧縮ユニット200の流出口の方向に逆流することを防止するために、チェック弁410が配置される。
【0017】
本実施形態において、第1流路300及び第2流路400それぞれは、圧縮ユニット200の流出口に直接連結された流路550に連結されることで、圧縮ユニット200の流出口に連結されるが、流出口に直接連結された流路550には、蒸気を外部大気に排出するための第1排気流路350が連結される。第1排気流路350は、圧縮ユニット200を循環する蒸気の量を調節するためのものであって、第1排気流路350の弁352は、圧縮ユニット200を循環する蒸気の量によって開閉が制御される。第1排気流路350には、高温高圧の蒸気の排出によるノイズを減少させるように、消音器360が配置される。
【0018】
第3流路500は、圧縮ユニット200から流出した圧縮蒸気を蒸気利用設備U、すなわち、蒸気を利用して物理・化学的工程を行う設備に流出させるように、圧縮ユニット200の流出口と蒸気利用設備Uとを連結する。第3流路500には、蒸気利用設備Uに流入する蒸気の流量を計測するための流量計520が配置される。
【0019】
本実施形態において、第3流路500には、第2排気流路510が連結される。第2排気流路510は、弁512の開閉によって、第3流路500の水蒸気を外部に排出し、蒸気供給装置1の作動条件を調節するのに使われる。例えば、第2排気流路510は、圧縮ユニット200の初期作動条件を調節するのに使われてもよく、利用設備Uに蒸気を供給しない場合に、蒸気供給装置1の作動条件を継続的に維持できるように、蒸気を外部に排出する役割を行ってもよい。
【0020】
第1弁600は、第1流路300内の圧縮蒸気のフローを断続するように、第1流路300を開閉する役割を行う。すなわち、第1弁600は、圧縮ユニット200の流出口から圧縮ユニット200の流入口に続く圧縮蒸気のフローを断続する。第1弁600は、圧縮ユニット200の流出蒸気の圧力が所定の圧力に達すれば開放される、減圧弁でありうる。
【0021】
第2弁700は、第2流路400内の圧縮蒸気のフローを断続するように、第2流路400を開閉する役割を行う。すなわち、第2弁700は、圧縮ユニット200の流出口から蒸発器100の流入口に続く圧縮蒸気のフローを断続する。また、第2弁700は、第1流路300に流れる圧縮蒸気の流量を制御できるように、第2流路400の開放程度を調節することも可能である。第2弁700は、電子的に制御が可能な電子弁でありうる。
【0022】
第1冷却器810,820は、第1ないし第3圧縮器210,220,230の間に配置され、前端の圧縮器から流出して、後端の圧縮器に流入する圧縮蒸気に水分を添加して、その蒸気を冷却する役割を行う。すなわち、第1冷却器810,820は、第1圧縮器210と第2圧縮器220との間、第2圧縮器220と第3圧縮器230との間にそれぞれ配置され、第1圧縮器210において圧縮されて第2圧縮器220に流入する蒸気、及び第2圧縮器220において圧縮されて第3圧縮器230に流入する蒸気に水分を噴射して冷却する。第1冷却器810,820は、圧縮蒸気に水分を噴射できるように、外部から水を供給され、第1冷却器810,820に流入する水の流路812,822には、流入する水の流量を制御可能な弁814,824が配置される。
【0023】
第2冷却器830は、第1流路300に配置され、第1流路300を通過する圧縮蒸気に水分を添加して、その蒸気を冷却するように、第1流路300に水分を噴射する役割を行う。第2冷却器830は、第1流路300の圧縮蒸気に水分を噴射できるように、外部から水を供給され、第2冷却器830に流入する水の流路832には、流入する水の流量を制御可能な弁834が配置される。
【0024】
気液分離器(Knock out drum)910,920,930は、各圧縮器210,220,230の流入口側に配置され、圧縮器210,220,230に流入する蒸気から液状の水を分離する役割を行う。すなわち、気液分離器910,920,930は、各圧縮器210,220,230に流入する蒸気に含まれた煙霧状の水を除去することで、各圧縮器210,220,230に液状の水が流入することを抑制する。
【0025】
第4流路950は、気液分離器910,920,930から分離されて排出される水を蒸発器100に流入させるように、気液分離器910,920,930と蒸発器100とを連結する。第4流路950には、気液分離器910,920,930において分離された液体Wを収容するための排出液保存槽952と、排出液保存槽952の水を蒸発器100へ強制的に圧送するためのポンプ954とが配置される。
【0026】
次に、前述した蒸気供給装置1の一部作動形態及び効果について説明する。
【0027】
蒸発器100に水を流入させ、それを加熱して蒸気を生成する。この際、蒸発器100の水が100℃以下で沸騰するように、蒸発器100の内部圧力は、1気圧より低く設定される。蒸発器100の内部圧力を1気圧より低く設定するために、減圧ポンプ170を用いてあらかじめ蒸発器100の内部圧力を低下させておく。
【0028】
蒸発器100において生成された蒸気は、最先端に位置した気液分離器910に流入する。気液分離器910では、蒸気中に含まれた煙霧状の水が凝縮されて、蒸気から分離される。
【0029】
気液分離器910を経て、液状の水が分離された蒸気は、圧縮ユニット200の第1圧縮器210に流入する。蒸気は、第1圧縮器210を通過しつつ、圧力と温度とが上昇する。
【0030】
第1圧縮器210から流出した高温高圧の蒸気は、第1冷却器810を通過しつつ、温度が低くなる。第1冷却器810は、第1圧縮器210から流出した蒸気に、その蒸気より温度の低い水分を添加するので、第1圧縮器210から流出した蒸気を冷却すると共に、蒸気の総量を増加させる。また、第1冷却器810は、第1圧縮器210から流出した高温の蒸気の温度を低めることで、熱膨脹による圧縮効率の低下を効果的に抑制できる。
【0031】
第1冷却器810を通過した蒸気は、再び気液分離器920を経て第2圧縮器220に流入する。第2圧縮器220を通過した蒸気は、さらに高圧に圧縮され、圧縮過程において温度が上昇する。第2圧縮器220から流出した蒸気は、第2圧縮器220の後端に連結された第1冷却器820により冷却される。第2圧縮器220から流出した蒸気が第1冷却器820により冷却される過程において、蒸気の総量はさらに増加する。
【0032】
第2圧縮器220及びその後端に連結された第1冷却器820を通過した蒸気は、気液分離器930を経て第3圧縮器230に流入する。第3圧縮器230に流入した蒸気は、さらに圧縮される。
【0033】
一方、圧縮ユニット200の圧縮効率を向上させるためには、圧縮ユニット200に流入する蒸気の流量が確保されねばならない。しかし、蒸発器100において生成される蒸気の流量は、圧縮ユニット200において要求される蒸気の流量に達しない。
【0034】
このように、蒸発器100において生成される蒸気の流量が、圧縮ユニット200の効率的な作動のために要求される流量に達しない場合、第2流路400を開放して、圧縮ユニット200から流出した圧縮蒸気を蒸発器100に流入させる。
【0035】
図2は、第1流路300及び第3流路500を遮断し、第2流路400を開放させた状態を概略的に示す図面である。
【0036】
図2を参照すれば、第2流路400が開放されることで、圧縮ユニット200から流出した高圧の圧縮蒸気は、蒸発器100に流入する。圧縮ユニット200から流出した圧縮蒸気は、多段の圧縮器を通過しつつ、温度が上昇しているので、圧縮ユニット200から流出した圧縮蒸気が蒸発器100に流入すれば、蒸発器100は、さらに多量の蒸気を排出する。すなわち、圧縮ユニット200から流出した蒸気は、圧縮ユニット200から伝達されたエネルギーを保有した状態で蒸発器100に流入するので、蒸発器100は、多くの熱量を投入せずとも、流出蒸気の流量を効果的に増加させる。
【0037】
前記のように、本実施形態の蒸気供給装置1は、第2流路400の開閉を制御することで、蒸発器100の加熱容量が比較的少ない場合にも、蒸発器100の蒸気排出量を圧縮ユニット200の最適の作動流量に合わせて増加させる。
【0038】
一方、圧縮ユニット200を通過する蒸気は、第1冷却器810,820を通過するが、第1冷却器810,820は、蒸気に水分を添加するので、圧縮ユニット200を通過する蒸気の流量をさらに増加させる役割を行うことができる。
【0039】
また、気液分離器910,920,930から排出される水は、ポンプ954により再び蒸発器100に流入するが、その水は、高温の蒸気が凝縮されたものであって、高い温度を有するので、蒸発器100において多くの熱を吸収せずとも、容易に蒸気に変換される。
【0040】
圧縮ユニット200を通過する蒸気の流量が確保されれば、第3弁800を開放して第3流路500を開放し、蒸気利用設備Uに蒸気を供給する。
【0041】
図3は、第2流路400及び第3流路500を開放した状態を概略的に示す図面であって、図3に示すように、第3流路500を開放すれば、圧縮された蒸気が蒸気利用設備Uに供給される。蒸気利用設備Uに流入した蒸気の量は、流量計520により計測される。
【0042】
一方、圧縮ユニット200の作動中に、圧縮ユニット200の流入口と流出口との圧力差が所定の範囲以上に大きくなるか、または圧縮ユニット200を通過する蒸気の流量が所定の範囲以下に少なくなる場合には、サージ(surge)が発生しうる。
【0043】
かかる圧縮ユニット200のサージを防止するために、圧縮ユニット200の流入口と流出口との圧力差を、所定の範囲以下に維持し、圧縮ユニット200の流量を、所定の大きさ以上に維持する必要がある。
【0044】
図4は、第1流路300を開放した状態を概略的に示す図面である。図4に示すように、本実施形態による蒸気供給装置1は、第1流路300の開閉を制御することで、圧縮ユニット200でのサージを未然に防止する。すなわち、第1弁は、圧縮ユニット200の流入口と流出口との圧力差が所定の範囲に達すれば、第1流路300を開放することで、圧縮ユニット200の流入口と流出口との圧力差を所定の範囲以下に維持する。したがって、圧縮ユニット200のサージが効果的に防止される。
【0045】
第1流路300が開放されれば、第1流路300を通過する圧縮蒸気は、第2冷却器830を通過しつつ冷却され、これと共に流量も増加する。
【0046】
以上、本発明の一実施形態による蒸気供給装置1について説明したが、本発明は、これに限定されず、本発明の技術的思想の範疇内で多様な形態に具体化されてもよい。
【0047】
例えば、前記の実施形態では、圧縮ユニット200が多段で連結された三つの圧縮器210,220,230を備えるものと説明したが、圧縮ユニット200は、多段で連結された二つまたは四つ以上の圧縮器を備えてもよい。また、圧縮ユニット200は、一つの圧縮器を備える形態に構成されてもよい。
【0048】
また、前記の実施形態による蒸気供給装置1は、気液分離器910,920,930、第1冷却器810,820、第2冷却器830及び第4流路950を備えるものと説明したが、本発明による蒸気供給装置は、気液分離器、第1冷却器、第2冷却器及び第4流路を備えていない形態に構成されてもよい。
【0049】
また、前記の実施形態による蒸気供給装置1の第1弁600は、減圧弁であるものと説明したが、第1弁600は、電子的に制御が可能な電子弁であってもよい。この場合、第1弁600は、圧縮ユニット200のサージを防止できるように、圧縮ユニット200の流出口の圧力及び流量によって、第1流路300の開閉を調節する形態に制御されてもよい。
【0050】
また、前記の実施形態による蒸気供給装置1は、水を蒸発させた水蒸気を蒸気利用設備Uに供給するものと説明したが、本発明による蒸気供給装置は、水以外の液体を蒸発させて、その蒸気を蒸気利用設備Uに供給してもよい。
【0051】
その他にも、本発明による蒸気供給装置は、多様な形態に具体化されることはいうまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明は、蒸気利用設備関連の技術分野に適用可能である。
【符号の説明】
【0053】
1 蒸気供給装置
100 蒸発器
200 圧縮ユニット
300 第1流路
400 第2流路
500 第3流路
600 第1弁
700 第2弁
800 第3弁
910,920,930 気液分離器
950 第4流路
U 蒸気利用設備
図1
図2
図3
図4