特許第5996273号(P5996273)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 三和シヤッター工業株式会社の特許一覧

<>
  • 特許5996273-建築用シートシャッター装置 図000002
  • 特許5996273-建築用シートシャッター装置 図000003
  • 特許5996273-建築用シートシャッター装置 図000004
  • 特許5996273-建築用シートシャッター装置 図000005
  • 特許5996273-建築用シートシャッター装置 図000006
  • 特許5996273-建築用シートシャッター装置 図000007
  • 特許5996273-建築用シートシャッター装置 図000008
  • 特許5996273-建築用シートシャッター装置 図000009
  • 特許5996273-建築用シートシャッター装置 図000010
  • 特許5996273-建築用シートシャッター装置 図000011
  • 特許5996273-建築用シートシャッター装置 図000012
  • 特許5996273-建築用シートシャッター装置 図000013
  • 特許5996273-建築用シートシャッター装置 図000014
  • 特許5996273-建築用シートシャッター装置 図000015
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5996273
(24)【登録日】2016年9月2日
(45)【発行日】2016年9月21日
(54)【発明の名称】建築用シートシャッター装置
(51)【国際特許分類】
   E06B 9/17 20060101AFI20160908BHJP
   E06B 9/84 20060101ALI20160908BHJP
【FI】
   E06B9/17 W
   E06B9/84 D
【請求項の数】2
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2012-123263(P2012-123263)
(22)【出願日】2012年5月30日
(65)【公開番号】特開2013-249590(P2013-249590A)
(43)【公開日】2013年12月12日
【審査請求日】2015年2月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】307038540
【氏名又は名称】三和シヤッター工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100085394
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 哲夫
(74)【代理人】
【識別番号】100165456
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 佑子
(72)【発明者】
【氏名】大川 剛
【審査官】 仲野 一秀
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−9450(JP,A)
【文献】 実開平4−2895(JP,U)
【文献】 特開2010−133110(JP,A)
【文献】 実開平1−75593(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06B 9/00−9/92
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
可撓性を有したシート式のシャッターカーテンが巻装される巻取りドラムを、シャッターケースを構成する左右のブラケットに回転自在に軸支する一方、巻き取りドラムの正逆回動に伴いシャッターカーテンがガイドレールに案内されることで開口部の開閉をするように構成された建築用シートシャッター装置において、シャッターカーテンが閉作動中に障害物に当接したことに伴い発生するシャッターケース内でのシャッターカーテンの撓みをシャッターケース内に配した障害物検知センサを用いて検知するように構成するにあたり、前記左右ブラケットを、巻取りドラムが軸支される本体部に対し、シャッターケースの前面板、天井板、底面板がそれぞれ固定される前面片、天井片、底面片の少なくとも前面片及び天井片を左右方向外方に折曲した状態で形成されたものとしてブラケット本体部の左右方向外方にスペースを備えたものとし、シャッターケースの天井板、前面板、底面板、背面板はいずれもブラケット本体部よりも左右方向外側に突出していると共に、前面板は前方から着脱自在に設けられており、天井片及び天井板はスペース部位の前端縁が切欠かれたものとして、前面片の上端縁とのあいだに間隙が形成されており、前面板の前記スペース部位の上端部背面には、前面片の上端縁に上側から係止して前面板の仮保持をする係止フックが設けられており、前記障害物検知センサを、ブラケット本体部に形成したセンサ取付け孔を貫通して前記スペース側に偏倚するようにして設けたことを特徴とする建築用シートシャッター装置。
【請求項2】
センサ取付け孔は、巻取りドラム配設位置に対して上背面側に偏倚するようにして設けられていることを特徴とする請求項1記載の建築用シートシャッター装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建築物の開口部に設けられる建築用シートシャッター装置の技術分野に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、建築用シートシャッター装置のなかには、シャッターカーテンを開口部上方の躯体に設けたシャッターケースに内装される巻取りドラムに巻装する一方、巻取りドラムをシャッターケースに内装される開閉機に連動連結して、開閉機を正逆駆動することによりシャッターカーテンの開閉作動がなされるように構成したものがあるが、このような建築用シートシャッター装置において、巻取りドラムの左右両端部をシャッターケースの左右側板であるケースブラケットに正逆回動自在に軸支することになる。このようなものにおいて、閉作動をしているシャッターカーテンが障害物に当ったことを検知する障害物検知センサを設けているが、この障害物検知センサをシャッターケース内に設け、障害物に当ったシャッターカーテンがシャッターケース内で撓んだことを障害物検知センサで検知し、緊急停止する等の障害物回避作動をするようにしたものが知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−9450号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら前記従来のものは、感度の高い障害物検知をしたいがため、障害物検知センサをシャッターケースのマグサ(シャッターカーテンの呑み込み口)直上の低い位置でケース裏面板とシャッターカーテンの巻取りが最大径となったときの繰出し軌跡とのあいだに位置する状態で左右ケースブラケットの内面に取り付けていた。
ところで近時、ガイドレールの左右出幅を縮小化して左右間口寸法を大きく確保することが要求される。ところでこのような障害物検知センサは、シャッターカーテンに当接しないようシャッターカーテンの左右端位置よりも左右方向外方に取り付けられ、その内側に位置するようにしてシャッターカーテンの左右端縁をガイドするガイドレールが設けられることになるから、障害物検知センサを、前記ケースブラケットの内面にそのまま取付けた場合、障害物検知センサの内側突出量が大きく、このため、ガイドレールの出幅の縮小化が達成できないという問題があり、ここに本発明の解決すべき課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記の如き実情に鑑みこれらの課題を解決することを目的として創作されたものであって、請求項1の発明は、可撓性を有したシート式のシャッターカーテンが巻装される巻取りドラムを、シャッターケースを構成する左右のブラケットに回転自在に軸支する一方、巻き取りドラムの正逆回動に伴いシャッターカーテンがガイドレールに案内されることで開口部の開閉をするように構成された建築用シートシャッター装置において、シャッターカーテンが閉作動中に障害物に当接したことに伴い発生するシャッターケース内でのシャッターカーテンの撓みをシャッターケース内に配した障害物検知センサを用いて検知するように構成するにあたり、前記左右ブラケットを、巻取りドラムが軸支される本体部に対し、シャッターケースの前面板、天井板、底面板がそれぞれ固定される前面片、天井片、底面片の少なくとも前面片及び天井片を左右方向外方に折曲した状態で形成されたものとしてブラケット本体部の左右方向外方にスペースを備えたものとし、シャッターケースの天井板、前面板、底面板、背面板はいずれもブラケット本体部よりも左右方向外側に突出していると共に、前面板は前方から着脱自在に設けられており、天井片及び天井板はスペース部位の前端縁が切欠かれたものとして、前面片の上端縁とのあいだに間隙が形成されており、前面板の前記スペース部位の上端部背面には、前面片の上端縁に上側から係止して前面板の仮保持をする係止フックが設けられており、前記障害物検知センサを、ブラケット本体部に形成したセンサ取付け孔を貫通して前記スペース側に偏倚するようにして設けたことを特徴とする建築用シートシャッター装置である。
請求項2の発明は、センサ取付け孔は、巻取りドラム配設位置に対して上背面側に偏倚するようにして設けられていることを特徴とする請求項1記載の建築用シートシャッター装置である。
【発明の効果】
【0006】
請求項1の発明とすることにより、左右ブラケットの左右方向外方に形成されるスペースに障害物検知センサが偏倚した状態で取り付けられることになる結果、該左右外方に偏倚した分、ガイドレールのシャッターカーテンガイド位置を左右外方にすることができてガイドレールの左右出幅の縮小化が達成できて開口部の左右間口幅を大きくすることができる。
請求項2の発明とすることにより、障害物検知センサは、巻取りドラム配設位置に対して上背面側に偏倚していて広いスペースが確保される部位での取付けがなされることになって取り付け作業がし易くなる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】シートシャッター装置の正面図である。
図2】シートシャッター装置の要部拡大正面図である。
図3】シートシャッター装置の要部拡大側面図である。
図4】ガイドレール部の水平断面図である。
図5】シャッターケース部のカバー板を外した状態の駆動ブラケット部側の側面図である。
図6】(A)、(B)、(C)、(D)は駆動側ブラケットの正面図、側面図、平面図、底面図である。
図7】(A)、(B)、(C)、(D)は従動側ブラケットの正面図、側面図、平面図、底面図である。
図8】(A)、(B)(C)は天井板及び背面板の正面図、平面図、側面図である。
図9】(A)、(B)、(C)、(D)は底面板の正面図、平面図、側面図、底面図である。
図10】(A)、(B)、(C)は前面板の正面図、側面図、底面図である。
図11】(A)、(B)、(C)は開閉蓋の正面図、平面図、側面図である。
図12】連結板部の斜視図である。
図13】(A)、(B)、(C)は連結板の正面図、平面図、側面図である。
図14】(A)、(B)、(C)はカバー板の正面図、平面図、側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
つぎに、本発明の実施の形態について図面に基づいて説明する。
図面において、1は建築物(躯体B)に形成される開口部を開閉して建築物の内外を仕切るシートシャッター装置のシャッターカーテンであって、該シャッターカーテン1は、可撓性を有したシート材からなり、躯体Bに開設される開口部の上部内部側に向けて突出配設されたシャッターケース2に回転自在に内装された巻取りドラム3に巻装されている。そして、巻取りドラム3は、後述するように、シャッターケース2に内装される開閉機4に連動連結されており、巻取りドラム3に巻装されるシャッターカーテン1は、開閉機4の開閉駆動に基づいて巻取りドラム3から巻出されて開口部を閉鎖する全閉姿勢と、巻取りドラム3に巻取られて開口部を開放する全開姿勢とのあいだを姿勢変姿して開口部を開閉するが、このときシャッターカーテン1の左右両側縁部は、開口部の左右方向両側となる躯体Bにそれぞれ固定される左右一対のガイドレール5にそれぞれ移動案内されるように設定されており、これらの基本構成は何れも従来通りとなっている。
【0009】
前記シャッターカーテン1は、左右両側縁部の全長にわたってシート材1aがそれぞれ一体化されており、各シート材1aの左右方向外端縁部には、複数の係止片1bが上下方向に所定間隙を存する状態で設けられている。これら係止片1bは、後述するように、ガイドレール5に抜止め状に嵌合して、上下方向の移動案内を受けるように構成されている。また、シャッターカーテン1下端縁部の左右端部を除く部位には、シート材を折返すことで袋状部1cが形成されており、該袋状部1cにはボトムウエイト1dが内装されている。これによって、シャッターカーテン1の閉鎖作動の過程において、ボトムウエイト1dが錘として作用して閉鎖作動を円滑にするとともに、障害物との当接時にはボトムウエイト1dが緩衝部材として作用して衝撃吸収するように設定されている。
【0010】
また、開口部両側部に設けられる左右一対の長尺状のガイドレール5は、それぞれ開口部の左右両側に位置して上下方向に点在していて躯体Bに固定されるL字形をしたレールブラケット6aと、該レールブラケット6aに対向して角筒形の空間を形成する上下方向に長いレールカバー6bとで形成される第一レール6、該第一レール6の左右方向内方に積層状に設けられる第二レール7と、シャッターカーテン1の両側部に設けられた係止片1bを上下方向移動自在で、かつ、左右方向への抜止めがなされた状態で内嵌する第三レール8とを備えて構成されている。
【0011】
また、第二レール7は床面からシャッターケース2の下端部に至る長さを有した長尺体に形成されており、左右方向内方が開口する断面コ字状に形成されている。これら第一、第二レール6、7は螺着することにより一体化されている。
【0012】
さらに第二レール7の凹溝7a内に、弾性変形可能な樹脂材で構成された第三レール8が設けられているが、前記第三レール8は床面からシャッターケース2の下端部に至る長さを有した長尺体に形成されており、左右方向内方にシャッターカーテン1の係止片1bを嵌合ガイドするガイド片8aが上下方向全長にわたって形成される一方、左右方向外方にボルト9の頭部9aを左右方向抜止め状に嵌合支持するボルト支持片8bが上下方向全長にわたって形成されている。このように構成された第三レール8は、ボルト支持片8bに複数のボルト9の頭部9aを嵌合し、これらボルト9の左右方向外方に向けて突出する各螺子部9bを、第二レール7の溝底片7bに上下方向所定間隙を存して開設された複数の貫通孔7c、および、第一レール6にそれぞれ左右方向移動自在に遊嵌状に貫通し、該第一レール6の溝内に突出する螺子部9bの貫通端部にナット9cを螺合することにより、第二レール7から抜止めされた状態で組込まれている。さらに、第一レール6の蟻溝内に位置するボルト9の螺子部9bであって、第二レール7の溝底片7bとナット9cとのあいだに位置する螺子部9bの外周にはコイル弾機9dが介装されており、該コイル弾機9dの付勢力によりボルト頭部9aが左右方向外方に向けて付勢されるように構成されている。
これによって、第三レール8は、ボルト支持片8bが第二レール7の溝底片7bに弾圧する状態で支持されており、シャッターカーテン1に風圧などによる負荷が作用した場合に、前記負荷が所定の大きさの範囲内であれば、第三レール8がボルト9とともに前後方向に揺動すること、さらには、コイル弾機9dの付勢力に抗して第三レール8がボルト9とともに左右方向内方に変位することに基づいて、係止片1bが第三レール8のガイド片8aから抜出すことなくシャッターカーテン1の変形が許容され、また、シャッターカーテン1に作用する負荷が所定の大きさよりも大きい場合では、ガイド片8aの弾性変形に基づいて係止片1bが第三レール8から抜出して、シャッターカーテン1、第三レール8の保護が図れるように構成されている。
【0013】
さて、本実施の形態のシャッターケース2は、左右のブラケット(側板)10、11、前面板12、底面板13、一体となった天井及び背面板14、左右カバー板15を用いて構成されている。左右のブラケット10、11は垂直状になった本体部10a、11aを備えているが、該本体部10a、11aからは、天井片10b、11b、背面片10c、11c、底面片10d、11dが水平縁となった上縁、垂直縁となった後縁、水平縁となった下縁からそれぞれ左右方向外方に向けて折曲形成されている。
さらに本体部10a、11aの前縁は、下側が前方に突出した状態の垂直縁となり、ここから下側前面片10e、11eが左右方向外方に向けて折曲形成され、上側が後方に後退した状態の垂直縁となり、ここから上側前面片10f、11fが折曲形成され、上下前面片10f、10eと11f、11eのあいだには折曲片がない構成になっている。
【0014】
左右ブラケット本体部10a、11aには、巻取りドラム3と一体化された巻取りシャフト3aを貫通取付するためのシャフト用取付け孔10g、11gが形成されており、該巻取りシャフト3aは、取付け孔10g、11gを貫通する状態で、該巻取りシャフト3aに回転自在に設けた軸受3bをブラケット本体部10a、11aに左右方向内側から当てがった状態でボルト3cを介してブラケット本体部10a、11aに螺着することで取付けられるようになっている。
【0015】
さらに左右ブラケット本体部10a、11aには、前記シャフト用取付け孔10g、11gよりも後方上方位置、つまりシャッターカーテン1がシャッターケース2から繰出されるマグサ直上であって、前記天井片10b、11bと背面片10c、11cとのコーナー部よりも下前側位置に障害物検知センサ(本実施の形態では、投受光器からなり、光軸が遮られることで障害物検知をするように構成されたもの)16用の取付け孔10h、11hが穿設されている。そして障害物検知センサ16は、略2/3がブラケット本体部10a、11aに対して左右方向外側に突出した状態で障害物検知センサ16から突出する取付け片16aを左右ブラケット本体部10a、11aに対して左右方向外側から当てがった状態でビス16bを介して螺着固定されるようになっている。
そして該固定された障害物検知センサ16の光軸は、巻取りドラム3に最大限巻装されたシャッターカーテン1の外周よりも外側(外径側)位置を通る設定となっており、開閉機4の駆動により閉作動しているシャッターカーテンが障害物に当ることに伴いシャッターカーテン1がシャッターケース2内のマグサ直上部位で撓むことによる光軸の遮断で障害物検知をするようになっている。
【0016】
駆動側ブラケットとなる一方のブラケット(本実施の形態では右側ブラケット)10には、シャフト用取付け孔10gよりも前方下方位置、つまり底面片10dと下側前面片10eとのコーナー部の内側には、開閉機4の駆動軸4aに取付けられた駆動ギア4bが貫通できる径をした開閉機用取付け孔10iが形成されている。
そして開閉機4は、駆動軸4aに取付けられた状態の駆動ギア4bを、ブラケット本体部10aに左右方向内側から外側に貫通させた状態で、開閉機4をブラケット本体部10aの左右方向内側面に当てがい、ボルト4cを介して螺着固定するようになっており、このようにすることで、開閉機4は、シャッターケース2の巻取りドラム3の前下方に形成されるケーススペースの駆動ブラケット側半部に配設されるようになっている。
このようにして取付けられた開閉機4の駆動ギア4bは、シャフト用取付け孔10gから左右方向外方に突出した巻取りシャフト3aに取付け固定した従動ギア3dに無端チエン17を介して連動連結されており、そして開閉機4が正逆駆動することに伴う巻取りドラム3の回動でシャッターカーテン1の開閉作動をすることができるようになっている。
尚、本体部10a、11aおよび底面片10d、11dには、配線を引き回すための配線用切欠き10j、10k、11j、11kが形成されている。
【0017】
前記天井及び背面板14は逆L字形をした板材によって一体形成されていて、天面部14aと背面部14bとを有しているが、背面部14bの下端縁には、前方に向けて折曲され、左右両端部が本体部底面片10d、11dにビス14cを介して固定される固定片14dが形成されている。
また、天面部14aの左右両端部はビス14eを介して本体部天井片10b、11bに固定されると共に、天面部14aの前端には、下方に向けて折曲され、後述するように前面板12、カバー板15と共に左右両端部が本体部上側前面片10f、11fに前方側からビス15aを介して固定される固定片14gが形成されている。
一方、前記本体部天井片10b、11bは、前端縁が切欠かれていて、上側前面片10f、11fとのあいだに間隙Sが形成されると共に、天面部14aの前記間隙Sに相当する部位にも切欠き14hが形成され、これによって間隙Sと切欠き14hとは天井部位にて連通するようになっている。尚、背面部14bにはシャッターカーテン1の後面に接触して封止するための封止材18を取付けるための取付け片14iが設けられている。
【0018】
底面板13は、ビス13aを介して本体部底面片10d、11dに固定されるが、前端縁と後端縁には上方に向けて折曲される前後の折曲片13b、13cが形成され、後側折曲片13cにはシャッターカーテン1の前面に接触して封止をするための封止材18aが設けられている。
【0019】
前面板12は、本体部10a、11aの前端縁形状に沿うよう上側垂直面12a、下側垂直面12b、上下垂直面12a、12bのあいだを連結すべく前低後高状に傾斜した傾斜面12cにより折曲形成されているが、下端縁には後側に向けて折曲した折曲面12dが設けられている。
一方、前面板12の上端縁左右両端部には、冂字形をした係止フック12eが設けられている。そして前面板12は、係止フック12eを、前記連通状態となった間隙Sと切欠き14hに嵌合係止することで仮保持状態に保持され、この仮保持状態で後述するようにビス15aを介してカバー板15と共に上下前面片10f、10eと11f、11eに固定されるようになっている。
【0020】
19は開閉機4の開閉制御をするための制御部であって、該制御部19は、シャッターケース2の巻取りドラム3の前下方に形成されるケーススペース内において開閉機4に対して従動ブラケット11側に隣接する左右隣接状態で配設され、前記底面板13にビス19aを介して取付けられている。さらに図示していないが、シャッターケース2の巻取りドラム3の前下方に形成されるケーススペース内は、開閉機4、制御部19、障害物検知センサ16、ガイドレール5に設けた操作スイッチ22、電源を結ぶ配線の配設スペースにもなっている。
前記前面板12の制御部19に対向する部位には点検窓12fが開設され、該点検窓12fから制御部19の点検ができるようになっているが、点検窓12fには開閉蓋20が着脱自在に設けられている。点検窓12fの左右両側縁には、係止溝12gが切欠き形成されている。
一方、開閉蓋20の背面には、上下方向中央部に係止具20aが固着されるが、該係止具20aから上下方向に係止爪20bが突出している。そして開閉蓋20は、係止爪20bを係止溝12gに嵌入した状態で下方に降ろすことで、係止爪20bが係止溝12gの下辺に係止することとなって仮保持され、該仮保持状態でビス20cを介して前面板12に固定されるようになっている。尚、係止具20aは上下方向中央部に設けられ、かつ係止爪20bが上下に形成されることで、開閉蓋20は、どちらを天地にしても前面板12に取付けできる(天地逆の取付けができる)ようになっている。
【0021】
21はシャッターケース2とガイドレール5とを躯体Bに連結するための連結板であって、該連結板21は、凡そ直角三角形状をし、直角コーナーが後部上端となるように構成される本体板部21aを備え、該本体板部21aの上縁及び後縁には左右方向外方に向けて折曲された上板部21b、後板部21cが設けられている。
そして連結板21は、前記ガイドレール5を躯体Bに固定する前の状態で、第二レール7に左右方向外方から当てがいボルト21dにより固定する。しかる後、ガイドレール5を立てかけて躯体Bに当てがいボルト21fを介して(または溶着により)躯体B側に固定する。このとき併せて前述したようにレールブラケット6aの躯体B側へのボルト固定をする。その後、シャッターケース2を左右連結板21に乗せ、ボルト21eを介して連結板上板部21bと本体部底面片10d、11dとを固定する(溶着による固定でも良い。)ことでガイドレール5とシャッターケース2の躯体Bへの組み付けができるようになっている。
【0022】
また前記左右のカバー板15は、シャッターケース2の左右両端部を覆うものであるが、外面板15b、該外面板15bの上端縁、前端縁、下端縁から左右方向内方に向けて折曲された上側板15c、前側板15d、下側板15eにより形成されると共に、背面は折曲板がない開放状態になっている。さらに左右ブラケット10、11の上側前面片10f、11fに対応する部位は補助板15fが固着されている。そしてカバー板15は、シャッターケース2の左右ブラケット10、11部位を前側から挿入組み込みをし、該組み込みをした状態で前述したようにビス15aを用いて前側から前面板12と上下両前面片10e、10fと11e、11fとを固定するようになっている。
このように組込まれたカバー板15は、下側板15eにより連結板上板部21bをボルト21dも含めて覆蓋し、上側板15cにより天面部14aの左右両端部をビス14eを含めて覆蓋するようになっている。
【0023】
叙述の如く構成された本発明の実施の形態において、可撓性を有したシート式のシャッターカーテン1が巻装される巻取りドラム3を、シャッターケース2を構成する左右のブラケット10、11に回転自在に軸支し、シャッターカーテン1が閉作動中に障害物に当接したことに伴い発生する撓みを前記左右のブラケット10、11に設けた障害物検知センサ16を用いて検知するように構成しているが、前記左右ブラケット10、11を、巻取りドラム3が軸支される本体部10aに対し、シャッターケース2の前面板12、天井板および背面板14、底面板13がそれぞれ固定される上下前面片10e、10fと11e、11f、天井片10b、11b、底面片10d、11dを左右方向外方に折曲形成されたものとし、これによってブラケット本体部10a、11aの左右方向外方にスペースが確保され、該スペースに前記障害物検知センサ16が偏倚して取付けられるよう、ブラケット本体部10a、11aにセンサ取付け孔10g、11gを設けている。
この結果、障害物検知センサ16は、左右ブラケット10、11の内面に取付けたものに比して外側に偏倚した状態で取り付けられることになって、その分、シャッターカーテン1の左右端縁を左右外方に位置させることができる結果、ガイドレール5によるシャッターカーテン1のガイド位置を左右方向外方に偏倚させたものにできるから、ガイドレール5の左右出幅を縮小化できることになって開口部の左右間口幅を広く確保することができる。
尚、障害物検知センサ16をブラケット本体部10a、11aの左右方向外側に偏倚させるスペースを確保するには、ブラケット10、11の周縁から少なくとも一つの片を左右方向外側に延出したものとすればよいが、本実施の形態のようにシャッターケース2の左右端部がブラケット本体部10a、11aよりも左右方向外側に突出する構成にすることで、障害物検知センサ16の外側に偏倚した部位の四周がシャッターケース2の左右端部に保護されることになるという利点がある。
【0024】
さらにこのものでは、センサ取付け孔10h、11hが巻取りドラム3の配設位置に対して上背面側に偏寄するようにして設けられているが、この偏倚した位置はシャッターカーテン1の呑み込み口であるマグサ直上位置でありながら、広い配設スペースが確保できる部位であるため、シャッターケース2を小型にしたとしても障害物検知センサ16の広い取り付けスペースが確保できることになって、取付け作業に支障をきたすことがなく取り付け作業がし易いものとなる。
【産業上の利用可能性】
【0025】
本発明は、建築用シャッター装置、特にシートシャッター装置の分野に利用することができる。
【符号の説明】
【0026】
1 シャッターカーテン
2 シャッターケース
3 巻取りドラム
10、11 ブラケット
10h、11h 障害物検知センサ用取付け孔
12 ケース前面板
16 障害物検知センサ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14