特許第5996281号(P5996281)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5996281
(24)【登録日】2016年9月2日
(45)【発行日】2016年9月21日
(54)【発明の名称】集荷管理方法及び帳票
(51)【国際特許分類】
   B65G 61/00 20060101AFI20160908BHJP
【FI】
   B65G61/00 500
【請求項の数】2
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2012-129373(P2012-129373)
(22)【出願日】2012年6月6日
(65)【公開番号】特開2013-252935(P2013-252935A)
(43)【公開日】2013年12月19日
【審査請求日】2014年11月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100077665
【弁理士】
【氏名又は名称】千葉 剛宏
(74)【代理人】
【識別番号】100116676
【弁理士】
【氏名又は名称】宮寺 利幸
(74)【代理人】
【識別番号】100191134
【弁理士】
【氏名又は名称】千馬 隆之
(74)【代理人】
【識別番号】100149261
【弁理士】
【氏名又は名称】大内 秀治
(74)【代理人】
【識別番号】100136548
【弁理士】
【氏名又は名称】仲宗根 康晴
(74)【代理人】
【識別番号】100136641
【弁理士】
【氏名又は名称】坂井 志郎
(74)【代理人】
【識別番号】100180448
【弁理士】
【氏名又は名称】関口 亨祐
(74)【代理人】
【識別番号】100067356
【弁理士】
【氏名又は名称】下田 容一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100160004
【弁理士】
【氏名又は名称】下田 憲雅
(74)【代理人】
【識別番号】100120558
【弁理士】
【氏名又は名称】住吉 勝彦
(74)【代理人】
【識別番号】100148909
【弁理士】
【氏名又は名称】瀧澤 匡則
(74)【代理人】
【識別番号】100161355
【弁理士】
【氏名又は名称】野崎 俊剛
(72)【発明者】
【氏名】大西 敏彦
(72)【発明者】
【氏名】清水 香輝
【審査官】 八板 直人
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−104552(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 61/00
B65G 1/137
G06Q 50/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
部品(10)を発注する発注者と前記部品(10)を受注する受注者と前記部品(10)を集荷し納入先へ運送する運送者とが、それぞれ計算手段(32)(36)(41)及び該計算手段(32)(36)(41)に接続される通信手段(31)(35)(39)を有する部品発注システムに適用される集荷管理方法であって、
前記発注者は、
前記受注者が、複数の部品(10)を収納した複数の容器(11)を載置したパレット(15)に貼付するための、モジュールNO、前記納入先、集荷日時、複数の前記部品(10)の各製品番号、該各製品番号毎の前記容器(11)の数、及び前記各製品番号毎の前記発注者の前記部品(10)の各要求場所を示す管理情報を含むモジュールラベル(14)の情報を前記部品(10)の注文時に作成し、前記モジュールNOと前記集荷日時が記載された集荷指示書兼預り書(16)の情報と共に、前記通信手段を介して前記受注者に送り、且つ、前記発注者は、前記運送者を選択し、前記集荷日時と集荷先とを示しておき、
前記受注者は、
前記モジュールラベル(14)に基づいて、前記部品(10)を収納した複数の前記容器(11)を前記パレット(15)に載置した後、前記パレット(15)に前記モジュールラベル(14)を貼付し、前記運送者の集荷に備えて前記集荷先に揃え、
前記運送者は、
前記集荷先で前記受注者から前記集荷指示書兼預り書(16)を受け取り、該集荷指示書兼預り書(16)の記載内容と前記パレット(15)に貼付されている前記モジュールラベル(14)の記載内容を照合する
ことを特徴とする集荷管理方法
【請求項2】
請求項1記載の集荷管理方法で使用される帳票であって、
記モジュールNO、前記納入先、前記集荷日複数の前記部品(10)の前記各製品番号、該各製品番号毎の前記容器(11)の数、及び前記各製品番号毎の前記発注者の前記部品(10)の前記各要求場所を示す前記管理情報が記載されている前記モジュールラベル(14)と、
集荷指示書(17)と預り書(18)に切断可能な前記集荷指示書兼預り書(16)と、からなり、
前記集荷指示書(17)と前記預り書(18)には、それぞれ、前記モジュールNOと前記集荷日時が記載されている他、前記預り書(18)には、前記モジュールNOの確認用のチェック枡(19)と、前記運送者の預りサイン欄(21)が設けられている帳票。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、受注者が製造した製品を発注者が指定する納入先(輸送先へ運送する際に適用される集荷管理方法及び該集荷管理方法で使用される帳票に関する。
【背景技術】
【0002】
荷物を効率よく集配する技術は、各種提案されてきた(例えば、特許文献1(請求項1)参照。)。
特許文献1は、複数の部品メーカーが、個別に配送物を納入すると、輸送効率が悪いので、配送先が共通である複数の集荷先から集荷する巡回集荷配送計画策定方法により、積載効率を高めることを特徴とする。
【0003】
そこで、発注者と受注者と間で、より円滑に集荷が遂行できるより具体的な集荷管理技術が求められる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−83233公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、発注者と受注者との間で、より円滑に集荷が遂行できるより具体的な集荷管理技術を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に係る発明は、部品(10)を発注する発注者と前記部品(10)を受注する受注者と前記部品(10)を集荷し納入先へ運送する運送者とが、それぞれ計算手段(32)(36)(41)及び該計算手段(32)(36)(41)に接続される通信手段(31)(35)(39)を有する部品発注システムに適用される集荷管理方法であって、前記発注者は、前記受注者が、複数の部品(10)を収納した複数の容器(11)を載置したパレット(15)に貼付するための、モジュールNO、前記納入先、集荷日時、複数の前記部品(10)の各製品番号、該各製品番号毎の前記容器(11)の数、及び前記各製品番号毎の前記発注者の前記部品(10)の各要求場所を示す管理情報を含むモジュールラベル(14)の情報を前記部品(10)の注文時に作成し、前記モジュールNOと前記集荷日時が記載された集荷指示書兼預り書(16)の情報と共に、前記通信手段を介して前記受注者に送り、且つ、前記発注者は、前記運送者を選択し、前記集荷日時と集荷先とを示しておき、前記受注者は、前記モジュールラベル(14)に基づいて、前記部品(10)を収納した複数の前記容器(11)を前記パレット(15)に載置した後、前記パレット(15)に前記モジュールラベル(14)を貼付し、前記運送者の集荷に備えて前記集荷先に揃え、前記運送者は、前記集荷先で前記受注者から前記集荷指示書兼預り書(16)を受け取り、該集荷指示書兼預り書(16)の記載内容と前記パレット(15)に貼付されている前記モジュールラベル(14)の記載内容を照合することを特徴とする。
請求項2に係る発明は、請求項1記載の集荷管理方法で使用される帳票であって、前記モジュールNO、前記納入先、前記集荷日複数の前記部品(10)の前記各製品番号、該各製品番号毎の前記容器(11)の数、及び前記各製品番号毎の前記発注者の前記部品(10)の前記各要求場所を示す前記管理情報が記載されている前記モジュールラベル(14)と、集荷指示書(17)と預り書(18)に切断可能な前記集荷指示書兼預り書(16)と、からなり、前記集荷指示書(17)と前記預り書(18)には、それぞれ、前記モジュールNOと前記集荷日時が記載されている他、前記預り書には、前記モジュールNOの確認用のチェック枡(19)と、前記運送者の預りサイン欄(21)が設けられている帳票である。
【発明の効果】
【0007】
請求項1に係る発明では、発注者が情報を一括管理できるので、輸送にかかる効率を把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の集荷管理方法を説明する図である。
図2】現品票の一例を示す図である。
図3】モジュールラベルの一例を示す図である。
図4】集荷指示書兼預り書の一例を示す図である。
図5】通信手段及び計算手段を含むブロック図である。
図6】注文情報と集荷計画情報の内訳を示す図である。
図7】本発明の集荷管理方法のフロー図である。
図8】本発明の集荷管理方法のフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見るものとする。
【実施例】
【0010】
図1は、本発明に係る集荷管理方法を説明する図であり、例えば、自社製品の組立、製造に必要な部品を発注する発注者と、その部品について受注し、製造する受注者との間で行われる。
【0011】
図1(a)に示す製品10は、(b)に示す発注者と受注者との間で、事前に定められた容器11に所定数(例えば45個)が入れられ、蓋12が被せられる。製品10は、例えば最終製品が自動車である場合、その自動車を組立てるための発注部品である。
(c)に示すように、容器11に、現品票13が貼り付けられる。
【0012】
図2に例示するように、現品票13には、製品番号と数量が記載されている。 図1(c)において、現品票13が貼られているため、蓋12を開けることなしに、容器11に製品番号がABC−001の製品10が45個収納されていることが分かる。この容器に、1〜複数個の受注品を入れて、束ねたものを1モジュールとする。
図1(d)に示すモジュールラベル14に、輸送先と発送日時及び輸送先が共通する容器11の一覧が記載されている。
【0013】
図3に例示するように、モジュールラベル14には、モジュールNo.納入先、集荷日時が表示され、製品番号と共に容器の数が明示されている。
図1(e)に示すように、モジュールラベル14に基づいて、容器11を集めてパレット15に段積みする。
図1(f)に示すように、輸送単位である1モジュールとした容器11群にモジュールラベル14を貼り付ける。すなわち、パレット15にはモジュールラベル14に記載される容器11が過不足なく載せられている。なお、モジュールラベル14はA4又はB5サイズ程度の大きさであるが、図では拡大して示した。
【0014】
図1(g)に示すように、集荷指示兼預り書16を準備する。
図4に例示するように、集荷指示兼預り書16は、概ね左半分が集荷指示書(納品書)17になり、残りが集荷指示預り書18になっている。
集荷指示書(納品書)17には、複数のモジュールNo.が列記されている。
右の集荷指示預り書18には、左の集荷指示書(納品書)17の記載に加えて、チェック枡19と、預りサイン欄21が設けられている。
【0015】
運送係員(運送トラックのドライバー又は助手)は、チェック枡19にチェックマークを付し、フルマークすることで、間違いのないことを確認し、預りサイン欄21にサインし、略中央の縦の切取線22で切断することで、2分割し、一方の集荷指示預り書18を受注者へ渡し、他方の集荷指示書(納品書)17を輸送先(発注者)へ持参する。
【0016】
すなわち、図1(h)に示すように、複数のパレット15が、集荷指示兼預り書16と合致しているか否かを照合し、問題なければ、トラックに複数のパレット15を載せて、輸送先へ出発する。
【0017】
図1(a)〜(h)を、円滑に実施させるには、通信手段や計算手段が必須となる。
図5に示すように、発注者側に、通信手段31、計算手段32、データベース33及びプリンタ34を準備する。
同様に、受注者側に、通信手段35、計算手段36、データベース37及びプリンタ38を準備し、運送者側に、通信手段39、計算手段41、データベース42及びプリンタ43を準備する。
【0018】
通信手段31、35、39は、LAN(ローカル・エリア・ネットワーク)や、いわゆるインターネット、又は同等の通信ツールであれば種類は問わない。
また、計算手段32、36、41は、プロセスコンピュータの他、いわゆるパソコン(パーソナルコンピュータ)であってもよい。
【0019】
図1図5を用いて実施する集荷管理技術を時系列的に説明する。なお、Sはステップ番号を示す。
図6(a)に注文情報の内訳例を示し、図6(b)に集荷計画情報の内訳例を示す。
【0020】
発注者は、生産計画に基づき必要な部品の注文書を発行し(ST01)、この注文書を通信手段を介して受注者へ送る。
また、発注者は別途運送者を選択する。発注者も受注者も個別に受発注に先立ち、荷の発送元と受入れ場所はお互いに示しておく。
【0021】
発注者は、集荷計画情報を受注者へ送る(ST02)とともにモジュールラベル情報(図3、符号14)を作成し、受注者へ送る(ST03)。集荷計画情報は、集荷指示書兼預り書(図4、符号16)の情報を含む。
【0022】
受注者は、注文書を受信したら製造計画を立て(ST04)、製造を開始すると共に、現品票(図2、符号13)を発行する(ST05)。
製品を容器に所定数を収納し(ST06、図1(b))、この容器に現品票を貼り付ける(ST07、図1(c))。
【0023】
受注者は、このときまでに、モジュールラベルを受信し、印刷し、紙情報(図3、符号14)を準備する。
ST08にて、モジュールラベルに基づいて容器を揃え、ST09にて、パレットに載置する(図1(e))。載置した段階で、パレット上の容器に付した現品票とモジュールラベルの照合を行う(ST10)。
輸送先管理コードは、発注者の製造部門を場所で上位と下位とに階層分けしたものである。このとき、モジュールラベルにも受注した製品、すなわち納入すべき部品毎に、納入先管理コードが明記されているので、間違った混載がないかの確認がモジュール単位で行える。
照合で不具合があれば対策を講じ、問題なければ次に進む(ST11)。
【0024】
問題がなければ、パレットにモジュールラベルを貼り付ける(ST12、図1(f))。受注者は、発送に備えて、納入先及び集荷日時が同一であるパレットを出荷場に揃え(ST13、図1(h))、運送者の集荷に備える。
【0025】
図8に示すように、運送者は、運送係員を集荷日時に間に合うように要員する。運送係員(ドライバー又は助手)は、集荷先で受注者から印刷された集荷指示書兼預り書を受け取り、集荷指示書兼預り書とパレット群とを照合する(ST14)。
照合で不具合があれば対策を講じ、問題なければ次に進む(ST15)。
【0026】
問題がなければ、運送係員は預り書(図4、符号18)にサインを施し(ST16)、受注者へ渡す。受注者は預り書を保管する(ST17)。
運送係員は、パレット群を車両に積み込み(ST18)、集荷指示書(納品書)(図4、符号17)を持参し(ST19)、納入先へ出発する。
【0027】
多くの従来技術では、製品の納入責任は納入者であるところの受注者にあるとの考えから、受注者が運送者を手配し、発注者が指定する納入先へ、製品を運送する。
発注者が情報を一括管理できるので、輸送にかかる効率を把握することができる。
【0028】
これは、例えば輸送便と走行距離から、排出されるCO量を把握し、この観点からCO量を減らす集荷計画を立案することができる。
更に、輸送先を階層表示した管理情報を部品毎に表示し、1モジュール毎に表示したので、モジュール計画が立て易く、誤送も減じられる。
【産業上の利用可能性】
【0029】
本発明は、部品を製造する部品メーカが受注者で、納入された部品を組み立てるアセンブリーメーカが発注者であるときに、有効である。
【符号の説明】
【0030】
10…製品、11…容器、14…モジュールラベル、15…パレット、16…集荷指示書兼預り書、31、35、39…通信手段、32、41…計算手段。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8