【実施例】
【0010】
図1は、本発明に係る集荷管理方法を説明する図であり、例えば、自社製品の組立、製造に必要な部品を発注する発注者と、その部品について受注し、製造する受注者との間で行われる。
【0011】
図1(a)に示す製品10は、(b)に示す発注者と受注者との間で、事前に定められた容器11に所定数(例えば45個)が入れられ、蓋12が被せられる。製品10は、例えば最終製品が自動車である場合、その自動車を組立てるための発注部品である。
(c)に示すように、容器11に、現品票13が貼り付けられる。
【0012】
図2に例示するように、現品票13には、製品番号と数量が記載されている。
図1(c)において、現品票13が貼られているため、蓋12を開けることなしに、容器11に製品番号がABC−001の製品10が45個収納されていることが分かる。この容器に、1〜複数個の受注品を入れて、束ねたものを1モジュールとする。
図1(d)に示すモジュールラベル14に、輸送先と発送日時及び輸送先が共通する容器11の一覧が記載されている。
【0013】
図3に例示するように、モジュールラベル14には、モジュールNo.納入先、集荷日時が表示され、製品番号と共に容器の数が明示されている。
図1(e)に示すように、モジュールラベル14に基づいて、容器11を集めてパレット15に段積みする。
図1(f)に示すように、輸送単位である1モジュールとした容器11群にモジュールラベル14を貼り付ける。すなわち、パレット15にはモジュールラベル14に記載される容器11が過不足なく載せられている。なお、モジュールラベル14はA4又はB5サイズ程度の大きさであるが、図では拡大して示した。
【0014】
図1(g)に示すように、集荷指示兼預り書16を準備する。
図4に例示するように、集荷指示兼預り書16は、概ね左半分が集荷指示書(納品書)17になり、残りが集荷指示預り書18になっている。
集荷指示書(納品書)17には、複数のモジュールNo.が列記されている。
右の集荷指示預り書18には、左の集荷指示書(納品書)17の記載に加えて、チェック枡19と、預りサイン欄21が設けられている。
【0015】
運送係員(運送トラックのドライバー又は助手)は、チェック枡19にチェックマークを付し、フルマークすることで、間違いのないことを確認し、預りサイン欄21にサインし、略中央の縦の切取線22で切断することで、2分割し、一方の集荷指示預り書18を受注者へ渡し、他方の集荷指示書(納品書)17を輸送先(発注者)へ持参する。
【0016】
すなわち、
図1(h)に示すように、複数のパレット15が、集荷指示兼預り書16と合致しているか否かを照合し、問題なければ、トラックに複数のパレット15を載せて、輸送先へ出発する。
【0017】
図1(a)〜(h)を、円滑に実施させるには、通信手段や計算手段が必須となる。
図5に示すように、発注者側に、通信手段31、計算手段32、データベース33及びプリンタ34を準備する。
同様に、受注者側に、通信手段35、計算手段36、データベース37及びプリンタ38を準備し、運送者側に、通信手段39、計算手段41、データベース42及びプリンタ43を準備する。
【0018】
通信手段31、35、39は、LAN(ローカル・エリア・ネットワーク)や、いわゆるインターネット、又は同等の通信ツールであれば種類は問わない。
また、計算手段32、36、41は、プロセスコンピュータの他、いわゆるパソコン(パーソナルコンピュータ)であってもよい。
【0019】
図1〜
図5を用いて実施する集荷管理技術を時系列的に説明する。なお、S
Tはステップ番号を示す。
図6(a)に注文情報の内訳例を示し、
図6(b)に集荷計画情報の内訳例を示す。
【0020】
発注者は、生産計画に基づき必要な部品の注文書を発行し(ST01)、この注文書を通信手段を介して受注者へ送る。
また、発注者は別途運送者を選択する。発注者も受注者も個別に受発注に先立ち、荷の発送元と受入れ場所はお互いに示しておく。
【0021】
発注者は、集荷計画情報を受注者へ送る(ST02)とともにモジュールラベル情報(
図3、符号14)を作成し、受注者へ送る(ST03)。集荷計画情報は、集荷指示書兼預り書(
図4、符号16)の情報を含む。
【0022】
受注者は、注文書を受信したら製造計画を立て(ST04)、製造を開始すると共に、現品票(
図2、符号13)を発行する(ST05)。
製品を容器に所定数を収納し(ST06、
図1(b))、この容器に現品票を貼り付ける(ST07、
図1(c))。
【0023】
受注者は、このときまでに、モジュールラベルを受信し、印刷し、紙情報(
図3、符号14)を準備する。
ST08にて、モジュールラベルに基づいて容器を揃え、ST09にて、パレットに載置する(
図1(e))。載置した段階で、パレット上の容器に付した現品票とモジュールラベルの照合を行う(ST10)。
輸送先管理コードは、発注者の製造部門を場所で上位と下位とに階層分けしたものである。このとき、モジュールラベルにも受注した製品、すなわち納入すべき部品毎に、納入先管理コードが明記されているので、間違った混載がないかの確認がモジュール単位で行える。
照合で不具合があれば対策を講じ、問題なければ次に進む(ST11)。
【0024】
問題がなければ、パレットにモジュールラベルを貼り付ける(ST12、
図1(f))。受注者は、発送に備えて、納入先及び集荷日時が同一であるパレットを出荷場に揃え(ST13、
図1(h))、運送者の集荷に備える。
【0025】
図8に示すように、運送者は、運送係員を集荷日時に間に合うように要員する。運送係員(ドライバー又は助手)は、集荷先で受注者から印刷された集荷指示書兼預り書を受け取り、集荷指示書兼預り書とパレット群とを照合する(ST14)。
照合で不具合があれば対策を講じ、問題なければ次に進む(ST15)。
【0026】
問題がなければ、運送係員は預り書(
図4、符号18)にサインを施し(ST16)、受注者へ渡す。受注者は預り書を保管する(ST17)。
運送係員は、パレット群を車両に積み込み(ST18)、集荷指示書(納品書)(
図4、符号17)を持参し(ST19)、納入先へ出発する。
【0027】
多くの従来技術では、製品の納入責任は納入者であるところの受注者にあるとの考えから、受注者が運送者を手配し、発注者が指定する納入先へ、製品を運送する。
発注者が情報を一括管理できるので、輸送にかかる効率を把握することができる。
【0028】
これは、例えば輸送便と走行距離から、排出されるCO
2量を把握し、この観点からCO
2量を減らす集荷計画を立案することができる。
更に、輸送先を階層表示した管理情報を部品毎に表示し、1モジュール毎に表示したので、モジュール計画が立て易く、誤送も減じられる。