特許第5996286号(P5996286)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5996286
(24)【登録日】2016年9月2日
(45)【発行日】2016年9月21日
(54)【発明の名称】外部ストロボ装置および撮像装置
(51)【国際特許分類】
   G03B 15/05 20060101AFI20160908BHJP
   G03B 17/18 20060101ALI20160908BHJP
   G03B 15/02 20060101ALI20160908BHJP
   G03B 17/02 20060101ALI20160908BHJP
   G03B 17/56 20060101ALI20160908BHJP
   H04N 5/225 20060101ALI20160908BHJP
【FI】
   G03B15/05
   G03B17/18 C
   G03B15/02 G
   G03B17/02
   G03B17/56 J
   H04N5/225 F
【請求項の数】5
【全頁数】25
(21)【出願番号】特願2012-132834(P2012-132834)
(22)【出願日】2012年6月12日
(65)【公開番号】特開2013-257411(P2013-257411A)
(43)【公開日】2013年12月26日
【審査請求日】2015年5月28日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000376
【氏名又は名称】オリンパス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109209
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 一任
(72)【発明者】
【氏名】阿部 慎也
(72)【発明者】
【氏名】奥村 洋一郎
【審査官】 荒井 良子
(56)【参考文献】
【文献】 中国特許出願公開第1617042(CN,A)
【文献】 特開2000−338580(JP,A)
【文献】 特開2002−072322(JP,A)
【文献】 特開2001−215576(JP,A)
【文献】 特開2004−208131(JP,A)
【文献】 特開平09−211579(JP,A)
【文献】 特開平06−301090(JP,A)
【文献】 米国特許第05528333(US,A)
【文献】 特開2001−209093(JP,A)
【文献】 特開2011−248173(JP,A)
【文献】 特開2003−324641(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03B 15/05
G03B 15/02
G03B 17/02
G03B 17/18
G03B 17/56
H04N 5/225
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像装置に接続される外部ストロボ装置において、
前記撮像装置から前記外部ストロボ装置へのストロボ制御信号を入力する指令信号端子と、
前記外部ストロボ装置から前記撮像装置へ応答情報を出力する応答信号端子と、
前記外部ストロボ装置の装着の有無を検出するストロボ装着検出端子と、
前記外部ストロボ装置の発光信号を入力する発光トリガ端子と、
を備え、前記外部ストロボ装置を前記撮像装置に接続するカメラ接続部と、
閃光動作をするストロボ発光部と、
前記外部ストロボ装置内に収納される第1の電池を含み、当該外部ストロボ装置を動作させるに必要な電力を供給するストロボ電源部と、
前記ストロボ電源部から供給される電力を、当該外部ストロボ装置内の各部位の動作と、前記撮像装置の動作に必要な電圧に変換して供給すると共に、前記第1の電池の残量を検知して、残量検知情報を出力するストロボ電源制御部と、
前記ストロボ電源制御部の電圧出力に対する接続先を、第1の接続状態、または第2の接続状態の一方を選択するストロボ電源切り替え部と、
前記カメラ接続部を通じて、前記撮像装置との間で前記ストロボ発光部に対する閃光動作の閃光制御指令、および前記ストロボ電源制御部に対する電源制御指令を含むストロボ制御信号を送受信し、前記ストロボ制御信号に基づいて、前記ストロボ発光部に対する閃光動作、および前記ストロボ電源切り替え部に対する選択動作を制御するストロボ制御部と、
前記ストロボ制御部が、前記ストロボ電源制御部によって検出された前記残量検知情報を含み前記外部ストロボ装置の動作状態を示す表示を出力するストロボ表示部と、
を有しており、
前記発光トリガ端子は、前記カメラ接続部にある複数の端子の中で接触面積を一番大きく配置しており、
前記ストロボ制御部は、前記電源制御指令に基づいて、前記ストロボ電源切り替え部に対して、前記第1の接続状態、または前記第2の接続状態の一方を選択させ、
前記ストロボ電源切り替え部における前記第1の接続状態は、前記ストロボ電源部の電圧出力を前記外部ストロボ装置のみに供給し、かつ前記カメラ接続部の前記発光トリガ端子は、前記撮像装置からの前記外部ストロボ装置の発光信号を伝達するように接続されるものであり、
前記ストロボ電源切り替え部における前記第2の接続状態は、前記ストロボ電源部の電圧出力を、前記外部ストロボ装置と、前記カメラ接続部の前記発光トリガ端子を介して接続された前記撮像装置の両方に供給するように接続される、
ことを特徴とする外部ストロボ装置。
【請求項2】
前記ストロボ制御部は、前記カメラ接続部が、前記撮像装置に接続している時には、前記指令信号端子を介して撮像装置に対して、前記撮像装置の電源部に含まれる第2の電池の残量情報を取得させる命令信号を送信し、前記応答信号端子を介して撮像装置から前記送信した命令信号に対する応答信号を受信すると、前記ストロボ表示部に対して、前記応答信号から取得した前記第2の電池の残量情報と、前記第1の電池の残量検知情報に基づいて上記ストロボ表示部の表示制御を行うことを特徴とする請求項1に記載の外部ストロボ装置。
【請求項3】
前記ストロボ制御部は、前記ストロボ電源制御部によって検出された前記第1の電池の電池残量情報に基づいて、前記第1の電池の残量が前記ストロボ電源部の電圧出力を前記撮像装置へ電源供給可能な条件となる所定値以下であるか否かを判定し、前記所定値以下であると判定された場合には、前記ストロボ電源切り替え部に前記第1の接続状態のみを選択させ、前記第2の接続状態を選択させないことを特徴とする請求項2に記載の外部ストロボ装置。
【請求項4】
請求項1ないしの何れか1つに記載の外部ストロボ装置が接続される撮像装置において、
前記外部ストロボ装置のカメラ接続部に対応して、前記外部ストロボ装置を接続する外部ストロボ接続部であって、前記外部ストロボ装置へ制御指令信号を送信する送信端子と、前記外部ストロボ装置から前記制御指令信号に対する応答信号を受信する受信端子と、前記外部ストロボ装置が装着状態にあるか否かを検出するための外部ストロボ装着検出端子と、前記外部ストロボ装置へ閃光させるタイミングを指示するためのストロボ発光タイミング出力端子とを備えている外部ストロボ接続部と、
前記撮像装置に収納される前記第2の電池を含み、前記撮像装置を動作させる動作電圧を出力するカメラ電源部と、
前記カメラ電源部から出力される動作電圧である第1の電圧出力、または前記ストロボ電源制御部から出力される電圧出力である第2の電圧出力に基づいて、前記撮像装置に含まれる各部位に対して、それぞれ必要な電圧出力を生成するカメラ電源制御部と、
前記カメラ電源制御部に入力される電圧出力として、前記第1の電圧出力および前記第2電圧出力の内のいずれか一方を選択する電源切り替え部と、
前記外部ストロボ装置が、前記外部ストロボ接続部に接続される場合に、前記外部ストロボ装置のストロボ発光部へ前記閃光制御指令を出力するフラッシュ制御部と、
前記カメラ電源制御部、前記電源切り替え部、および前記フラッシュ制御部への制御を含み、前記撮像装置が行う動作を制御するカメラ制御部と、
前記外部ストロボ接続部に伝達する制御信号の接続先を第1の接続先、および第2の接続先のいずれか一方に切り替える信号切り替え部と、
を有しており、
前記カメラ制御部は、前記外部ストロボ装置が、前記外部ストロボ接続部に接続された時には、前記外部ストロボ接続部を介して、前記外部ストロボ装置にストロボ制御信号を送信し、前記外部ストロボ装置から前記制御指令信号に対する応答情報を受信し、当該応答情報に基づいて、前記電源切り替え部における切り替え制御を行うことを特徴とする。
【請求項5】
請求項に記載の撮像装置において
前記カメラ電源制御部は、
更に、前記外部ストロボ装置が接続された時に、前記外部ストロボ接続部を介して、前記外部ストロボ装置のストロボ電源部から、前記カメラ接続部を介して、前記第1の電池の残量検知情報を取得し、
取得した残量検知情報に基づく電池残量が、設定値以下であって、かつ、前記外部ストロボ装置の電池残量が、前記撮像装置に供給可能と判断する所定の電池残量であると判断された場合は、
前記外部ストロボ接続部の、ストロボ発光タイミング出力端子は、前記信号切り替え部によって、前記第2の接続先を選択し、前記カメラ電源制御部は、前記外部ストロボ装置からの出力電圧を入力することを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カメラ、ムービーカメラ等の撮像装置と、撮像装置に接続される外部ストロボ装置に属する。
【背景技術】
【0002】
従来知られている電子撮像装置では、装置を駆動するための電気エネルギーは、撮像装置内に内挿される電池の電圧出力から供給される。
【0003】
そして、電子撮像装置内に含まれる、撮像素子の制御、自動焦点制御、自動絞り制御、そしてシャッタ露光制御等 基本的な撮影機能は、電池からの供給電力より、電気的な制御を実施している。
【0004】
一般に、電子撮像装置の撮影枚数、または動画撮影時間は、
1)電源となる内蔵電池や充電池がもつ、供給可能な電気容量
2)撮影動作時の、動作負荷電力
上記1)2)の条件によって依存する。
【0005】
電子撮像装置では、従来銀塩カメラで一般に使用される光学ファインダー方式に加えて、被写体像を、撮像素子により逐次得られるリアルタイムな映像信号出力を、撮像装置内のモニター表示部に、逐次 画像表示させながら撮影する、ライブビュー撮影方式が普及している。
【0006】
ライブビュー撮影方式では、撮影者は、被写体に対して、撮像装置が逐次撮影した画像出力をモニター画面出力で参照しながら、リアルタイムに被写体の構図やピントを調整するメリットがある。
【0007】
ただし、ライブビュー撮影方式では、撮影者が、撮影時レリーズボタンを押して操作する露光動作時以外であっても、常に撮像素子を駆動制御し、映像信号を撮像装置のモニター装置部に出力し続ける必要がある。このため、光学ファインダー撮影と比較して、消費電力が増大し、撮影枚数が減少する傾向にあった。
【0008】
また、撮像装置にストロボ装置が内蔵されるものも存在する。しかし、装置内の限られたスペースにストロボ発光部を収納する必要性があることが発光量の大きいストロボ発光部を搭載する上で支障となる。さらに、一般的に静止画撮影で用いられるストロボ発光部は、キセノンランプ等の放電発光現象を使うものであるが、発光量を増大するに伴い、ストロボ発光素子部の消費電力が増大し、電池を多量消耗するため、撮像装置本体に内蔵するストロボでは、発光量を大きくすることが困難となっている。
【0009】
撮影者が、ストロボを使ったフラッシュ撮影時に、内蔵ストロボでは発光量が不足するために、被写体への発光範囲を拡大して、撮影する被写体輝度を上げるためには、発光量の大きい外部ストロボ装置を撮像装置に接続して使用する手法が一般的に知られている。
【0010】
外部ストロボ装置は、撮像装置本体との間で、発光タイミング等の発光制御信号の送受信は行うが、外部ストロボ装置でのストロボ発光部は、消費電力が大きいので、撮像装置本体とは別に、外部ストロボ装置用の電源(一般的には電池)からストロボ発光部を駆動する方式をとっている。
【0011】
上記技術背景から 従来、電子撮像装置では、静止画の撮影可能枚数や、動画撮影での連続撮影可能時間をより多く確保する手法や、外部ストロボ装置と、撮像装置の電池残量を撮影者に常時通知する手法がある。これらの手法は、それぞれの電池容量が不足により、撮影者が撮影機会を逸することや、撮影時フラッシュ発光が必要時に、電池容量不足で発光量が不足、または発光できないことによる撮影失敗を未然に防ぐための手段である。これらの手段は、従来技術として、例えば特許文献1〜3のような手段が知られている。
【0012】
14、及び図15は 特許文献1、および特許文献2による、撮像装置本体の底面に外部の電源ユニットを接続する構成を示したものである。図14に示す構成では、撮像装置本体500の底面に接続される外部電源ユニット502には、外部電源ユニット502から撮像装置本体500へ電源給電するための電気接続接点503を有しており、外部電源ユニット502を、撮像装置本体500の底面に、接続させることによって、撮像装置本体500に内蔵される電池504Aに加えて、外部電源ユニット502に内蔵される電池504Bから、電源給電して撮像装置を動作させるものである。
【0013】
15に示す構成では、撮像装置本体600の底面に接続される外部電源ユニット602には、撮像装置本体600を給電するための、電池604が複数収納可能である(604A,および604B)。撮像装置本体600に含まれる、電池収納部611に組み合わせる凸状部606と、さらに前記凸状部606の先端部には、外部電源ユニット502から撮像装置本体500への電源給電用の電気的な接続接点603を有しており、外部電源ユニット602を接続させることによって、撮像装置本体に電池を収納する電池収納部611から、電気接点を通じて外部電源ユニット602に内蔵される電池604Aおよび604Bから給電するものである。
【0014】
これらの構成では、撮像装置本体と外部電源ユニットの電源状態に応じて、本体の電源と、外部電源ユニットからの給電を選択し、撮像装置の静止画の撮影枚数や、動画撮影時間を多く確保させるものである。
【0015】
また、特許文献3による、電子閃光装置は、撮像装置のストロボ接続部であるホットシューに、電子閃光装置を接続する。そして、撮像装置本体と通信を行い、撮像装置本体の電池残量状態を、電子閃光装置に通知して、通知結果を電子閃光装置の表示部に表示させる。この作用により、撮影者は、フラッシュ撮影時、電子閃光装置本体の電源状態と、撮像装置本体の電源状況を同時に通知させるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
(特許文献1)特許3238671号公報
(特許文献2)特許4624010号公報
(特許文献3)特開平9−211579号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
しかしながら、特許文献1、2においては、外部電源を撮像装置本体の底面に接続する形式であり、かつ、電源端子や、電源を制御端子等も撮像装置本体の底面に配置されている。このため、撮影者が撮影時撮像装置本体を三脚座に固定して撮影する際や、撮像装置本体を携帯するためのカメラカバー及びボディジャケット等を装着している状況下においては、
撮影者が、撮影準備時に、撮像装置本体の電池容量が不足した場合において、緊急的に外部電池アダプタを装着するためには、一度、底面に接続した三脚座や、ボディジャケットを外さなければならないという、撮影者に煩わしい操作を与えてしまう。その結果として、撮影者が咄嗟での撮影機会を失うことになるという問題があった。
【0018】
特許文献3の電子閃光装置は、撮影者が、撮像装置本体の電源状態を、電子閃光装置の表示部によって、すぐに確認することは可能であるが、撮像装置への電源容量を増加させることはできない。
【0019】
このことから、撮影者が撮像装置本体を携帯するために、カメラジャケットやカバーを、撮像装置本体底面の三脚座に装着する状態や、撮像装置本体を三脚座に装着状態では、撮影準備中、または撮影中に、撮像装置本体の電池残量不足が発生する場合においては、
一度、撮像装置から、装着されたカメラジャケットやカバーを取り外したり、三脚から取り外してから、撮像装置本体に、外部電源ユニットを取り付けたり、あるいは、撮像装置の電池を入れ替える操作が必要になるため、これらの操作を行う煩わしさと、咄嗟での撮影機会を失なうことが生じる。
【0020】
撮影者が、撮像装置本体にカメラジャケットやカバーを取り付けるのは、撮影者が、撮像装置を身につける形で携帯し、咄嗟な撮影機会が必要になった際であっても、すぐに撮影動作をすることができるという目的がある。
【0021】
しかしながら、特許文献1から3によれば、撮像装置本体を携帯し、急に撮影が必要になった状況で、撮影時に内蔵電池の残容量が少なくなった場合でも、撮影者がすぐに、撮影を継続することに対応しにくいという課題があった。
【0022】
したがって、本発明は、上記課題に対して、撮像装置の連続動作時間や、撮影枚数を増やすために容易に接続することが可能な、外部ストロボ装置、およびそれに接続される撮像装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0023】
上述の従来技術の課題を解決する手段として、
本発明の撮像装置に接続する外部ストロボ装置では、以下の構成を持つことを特徴とする。
【0024】
本発明の撮像装置に接続する外部ストロボ装置は、撮像装置に接続される外部ストロボ装置において、前記撮像装置から前記外部ストロボ装置へのストロボ制御信号を入力する指令信号端子と、前記外部ストロボ装置から前記撮像装置へ応答情報を出力する応答信号端子と、前記外部ストロボ装置の装着の有無を検出するストロボ装着検出端子と、前記外部ストロボ装置の発光信号を入力する発光トリガ端子と、を備え、前記外部ストロボ装置を前記撮像装置に接続するカメラ接続部と、閃光動作をするストロボ発光部と、前記外部ストロボ装置内に収納される第1の電池を含み、当該外部ストロボ装置を動作させるに必要な電力を供給するストロボ電源部と、前記ストロボ電源部から供給される電力を、当該外部ストロボ装置内の各部位の動作と、前記撮像装置の動作に必要な電圧に変換して供給すると共に、前記第1の電池の残量を検知して、残量検知情報を出力するストロボ電源制御部と、前記ストロボ電源制御部の電圧出力に対する接続先を、第1の接続状態、または第2の接続状態の一方を選択するストロボ電源切り替え部と、前記カメラ接続部を通じて、前記撮像装置との間で前記ストロボ発光部に対する閃光動作の閃光制御指令、および前記ストロボ電源制御部に対する電源制御指令を含むストロボ制御信号を送受信し、前記ストロボ制御信号に基づいて、前記ストロボ発光部に対する閃光動作、および前記ストロボ電源切り替え部に対する選択動作を制御するストロボ制御部と、前記ストロボ制御部が、前記ストロボ電源制御部によって検出された前記残量検知情報を含み前記外部ストロボ装置の動作状態を示す表示を出力するストロボ表示部と、を有しており、前記発光トリガ端子は、前記カメラ接続部にある複数の端子の中で接触面積を一番大きく配置しており、前記ストロボ制御部は、前記電源制御指令に基づいて、前記ストロボ電源切り替え部に対して、前記第1の接続状態、または前記第2の接続状態の一方を選択させ、前記ストロボ電源切り替え部における前記第1の接続状態は、前記ストロボ電源部の電圧出力を前記外部ストロボ装置のみに供給し、かつ前記カメラ接続部の前記発光トリガ端子は、前記撮像装置からの前記外部ストロボ装置の発光信号を伝達するように接続されるものであり、前記ストロボ電源切り替え部における前記第2の接続状態は、前記ストロボ電源部の電圧出力を、前記外部ストロボ装置と、前記カメラ接続部の前記発光トリガ端子を介して接続された前記撮像装置の両方に供給するように接続されることを特徴とする。
【0025】
第2の発明に係る外部ストロボ装置は、前記ストロボ制御部は、前記カメラ接続部が、前記撮像装置に接続している時には、前記指令信号端子を介して撮像装置に対して、前記撮像装置の電源部に含まれる第2の電池の残量情報を取得させる命令信号を送信し、前記応答信号端子を介して撮像装置から前記送信した命令信号に対する応答信号を受信すると、前記ストロボ表示部に対して、前記応答信号から取得した前記第2の電池の残量情報と、前記第1の電池の残量検知情報に基づいて上記ストロボ表示部の表示制御を行うことを特徴とする。
【0026】
の発明に係る外部ストロボ装置は、前記ストロボ制御部は、前記ストロボ電源制御部によって検出された前記第1の電池の電池残量情報に基づいて、前記第1の電池の残量が前記ストロボ電源部の電圧出力を前記撮像装置へ電源供給可能な条件となる所定値以下であるか否かを判定し、前記所定値以下であると判定された場合には、前記ストロボ電源切り替え部に前記第1の接続状態のみを選択させ、前記第2の接続状態を選択させないことを特徴とする。
【0028】
の発明に係る撮像装置は、前記外部ストロボ装置のカメラ接続部に対応して、前記外部ストロボ装置を接続する外部ストロボ接続部であって、前記外部ストロボ装置へ制御指令信号を送信する送信端子と、前記外部ストロボ装置から前記制御指令信号に対する応答信号を受信する受信端子と、前記外部ストロボ装置が装着状態にあるか否かを検出するための外部ストロボ装着検出端子と、前記外部ストロボ装置へ閃光させるタイミングを指示するためのストロボ発光タイミング出力端子とを備えている外部ストロボ接続部と、前記撮像装置に収納される前記第2の電池を含み、前記撮像装置を動作させる動作電圧を出力するカメラ電源部と、前記カメラ電源部から出力される動作電圧である第1の電圧出力、または前記ストロボ電源制御部から出力される電圧出力である第2の電圧出力に基づいて、前記撮像装置に含まれる各部位に対して、それぞれ必要な電圧出力を生成するカメラ電源制御部と、前記カメラ電源制御部に入力される電圧出力として、前記第1の電圧出力および前記第2電圧出力の内のいずれか一方を選択する電源切り替え部と、前記外部ストロボ装置が、前記外部ストロボ接続部に接続される場合に、前記外部ストロボ装置のストロボ発光部へ前記閃光制御指令を出力するフラッシュ制御部と、前記カメラ電源制御部、前記電源切り替え部、および前記フラッシュ制御部への制御を含み、前記撮像装置が行う動作を制御するカメラ制御部と、前記外部ストロボ接続部に伝達する制御信号の接続先を第1の接続先、および第2の接続先のいずれか一方に切り替える信号切り替え部と、を有しており、前記カメラ制御部は、前記外部ストロボ装置が、前記外部ストロボ接続部に接続された時には、前記外部ストロボ接続部を介して、前記外部ストロボ装置にストロボ制御信号を送信し、前記外部ストロボ装置から前記制御指令信号に対する応答情報を受信し、当該応答情報に基づいて、前記電源切り替え部における切り替え制御を行うことを特徴とする。
【0031】
の発明に係る撮像装置は、前記カメラ電源制御部は、更に、前記外部ストロボ装置が接続された時に、前記外部ストロボ接続部を介して、前記外部ストロボ装置のストロボ電源部から、前記カメラ接続部を介して、前記第1の電池の残量検知情報を取得し、取得した残量検知情報に基づく電池残量が、設定値以下であって、かつ、前記外部ストロボ装置の電池残量が、前記撮像装置に供給可能と判断する所定の電池残量であると判断された場合は、前記外部ストロボ接続部の、ストロボ発光タイミング出力端子は、前記信号切り替え部によって、前記第2の接続先を選択し、前記カメラ電源制御部は、前記外部ストロボ装置からの出力電圧を入力することを特徴とする。
【発明の効果】
【0034】
本発明の外部ストロボ装置、および撮像装置によれば、撮影者がとっさの撮影時、カメラ本体の電池残量が少ない状況下であっても、本発明の外部ストロボ装置を、本発明のカメラ装置のストロボ端子に接続させ、外部ストロボ装置から、カメラ本体へ電源供給が可能になる。これによって、カメラ本体の蓋を開けて電池を交換するなどの操作が不要となり容易にカメラの撮影機会を得ることができる。
【0035】
また、上記効果に加えて、本発明のストロボ装置を、撮像装置本体のストロボ端子に接続することによって、撮像装置内の電源と合わせて 撮影可能枚数の増加、また、動画撮影時の連続撮影可能時間の増加をすることができる。
【0036】
更に、第4の発明によるストロボ装置と、第6の撮像装置本体によれば、両者が接続される接続端子の数は、一般的にあるストロボ装置と同じであり、接続されるストロボ装置が給電可能、不可能に関わらず、撮像装置から外部ストロボ装置を制御して、フラッシュ発光をする互換性を確保することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0037】
図1】本発明の実施形態に係る、外部ストロボ装置とそれに接続される撮像装置の外形を示す図である。(図1(a):装置正面からみた図、図1(b):装置背面から見た図)
図2】本発明の実施形態に係る外部ストロボ装置とそれに接続される撮像装置の構成を示すブロック図である。
図3】本発明の実施形態に係わる、外部ストロボ装置のカメラ接続部と、それに接続される撮像装置の外部ストロボ接続部との、両者に接続される信号を示した図である。
図4】本発明の実施形態に係わる、外部ストロボ装置のカメラ接続部と、撮像装置本体の外部ストロボ接続部間で、接続される信号端子の配置を示した図である。
図5】外部ストロボ装置を閃光制御時に送受信される、接続信号状態遷移を示すタイミングチャートである。
図6】本発明の実施形態に係わる撮像装置において、電源供給動作での条件判断を示すフローチャートである。
図7】本発明の実施形態における外部ストロボからの給電処理シーケンスについて示すフローチャートである。
図8】本発明実施形態における外部ストロボから、撮像装置へ給電切り替え時の送受信のタイミングを示すタイミングチャートである。
図9】外部ストロボ装置がフラッシュ閃光動作を行う際の、ストロボ接続信号の時間遷移を示すタイミングチャートである。 図9(a): 撮像装置本体の電池により撮像装置を給電時、 図9(b): 外部ストロボ装置から、撮像装置本体へ給電時)
図10】本発明の実施形態でのストロボ装置がフラッシュ閃光動作を行うシーケンスを示すフローチャートである。
図11】本発明の実施形態におけるフラッシュ調光制御処理の詳細について示すフローチャートである。
図12】本発明の実施形態における、外部ストロボ装置に含まれる、表示部の指示画面形態を示す図面である。
図13】本発明の実施形態の変形例に係る外部電源アダプタ装置とそれに接続される撮像装置の構成を示すブロック図である。
図14】従来技術での撮像装置に接続される外部電源装置の第一の構成例を示す図である
図15】従来技術での撮像装置に接続される外部電源装置の第2の構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下、図面に従って、本発明による、撮像装置とそれに接続されるストロボ装置によるカメラシステムについての実施形態を説明する。
(実施形態)
まず、本発明の実施形態の構成について説明する。
【0039】
図1は、本発明の撮像装置とそれに接続されるストロボ装置との構成を示す外形図であり、図面上側(図面1a)は、撮像装置を正面(被写体側)から見た外形図である。また、図面下側(図面1b)は、撮像装置を背面(撮影者側)からみた外形図である。
【0040】
また、図2は、本発明の撮像装置とそれに接続されるストロボ装置の機能構成を示すブロック図である。
【0041】
図1より、撮像装置本体100と外部ストロボ装置200によって構成されるカメラシステムは、撮像装置100の上部に配置される外部ストロボ接続部124に、外部ストロボ装置200が、カメラ接続部207と係合する形で、着脱自在に接続される。
【0042】
外部ストロボ接続部124は、撮像装置本体100の上面部に、アクセサリーシューとも呼ばれる凹状形状の接続部材が配置されて、これに外部ストロボ装置200は、それに含まれるカメラ接続部207が、着脱自在に接続される。
【0043】
上記接続部124には、外部ストロボ装置に限らず、電子水準器や電子コンパス、電子ファインダー、外部電池アダプタ等が接続することができる。
【0044】
上記外部接続装置は、前記接続部124の凹形状に係合するように、たとえば図面1の外部ストロボ装置を例に示すと、凸形状のカメラ接続部207を配置しており、機械的に着脱自在に接続固定される。
【0045】
前記外部ストロボ接続部124には、複数の電気接点部220が配置されており、上記接続されるストロボ装置や、外部電池アダプタ等のカメラ接続部207に対応して配置されている。上記電気接点220は、撮像装置本体と外部接続装置と、機械的に接触してお電気的に接続されて、撮像装置本体100と外部接続装置の間を、上記電気接点220を通じて電気信号を通信する。ここで撮像装置100の被写体側の方向を(Z座標)、上面側となる垂直方向を(Y方向)、側面方向(図面1(a)紙面右側をX方向)と座標の方向を定義する。
【0046】
(撮像装置本体の機能構成)
次に図2を用いて撮像装置本体100の構成を説明する。
【0047】
図2に示される撮像装置100には、撮影レンズ系101と、レンズ制御部102と、絞り機構103と、絞り制御部104と、シャッタ機構105と、シャッタ制御部106と、撮像素子107と、撮像制御部108と、アナログ/デジタル(A/D)変換部109と、メモリ(RAM)110と、画像処理部111と、露出処理部112と、AF(Auto−Focus)処理部113と、外部メモリ114と、表示部115と、システム制御部116と、操作部117と、不揮発性メモリ118と、電源部119と、電源制御部120と、電源切り替え部(SW2)126と、フラッシュ制御部121と、フラッシュ充電部122と、内蔵フラッシュ発光部123と、外部ストロボ接続部124と、フラッシュ信号切り替え部(SW1)125を有している。
【0048】
撮影レンズ101は、被写体から得られる光学像を、撮像素子107の受光面に結像させるための光学系であり、図面2では、説明を簡略化するため一枚の凸レンズとして図示しているが、複数の凹凸レンズ群として構成する場合でもよい。
【0049】
撮影レンズ101は、システム制御部116からの指示に応じて動作するレンズ制御部102により、その光軸方向(Z方向)に前後移動される。この移動動作により、撮影レンズ101のフォーカス状態や、焦点距離(ズーム倍率)等を変更することが可能である。
【0050】
絞り機構103は、撮影レンズ101を介して撮像素子107に入射する光束の入射量を調節する。この絞り機構103は、システム制御部116からの指示に応じて動作する絞り制御部104により開閉される。
【0051】
シャッタ機構105は、撮影レンズ101を介して入射する光束が、撮像素子107にある撮像領域に、撮影時間以外に入射しないように撮像領域を遮光するメカシャッタ機構である。このシャッタ機構105は、システム制御部116からの指示に応じて動作するシャッタ制御部106により開閉される。撮影時には、シャッタ105の開放時間を制御することで撮像素子107の露光時間を制御することが可能である。
【0052】
撮像手段としての機能を有する撮像素子107は、異なる透過色をもつカラーフィルタが、画素を構成する光電変換素子(フォトダイオード等)の前面に配置されてなる撮像領域を有する。具体的には、CCD(電荷結像デバイス)または、CMOSイメージセンサ等の固体撮像素子である。
【0053】
撮像素子107は、撮影レンズ101により結像された光の像を、撮像素子107に含まれる、2次元に配置された各画素で受光する。そして、撮像素子107に含まれるそれぞれの画素では、画素に内蔵するフォトダイオードが、光を受光すると、光電変換作用によって電荷が生成され、受光された光の量に応じた電荷量が蓄積される。
【0054】
さらに生成し蓄積された電荷を読み出す際の電流値を、アナログ電圧信号(画像信号)に変換して上記画像信号を、A/D変換部109へ出力する。
【0055】
システム制御部116とともに、撮像制御手段としての機能を有する撮像制御部108は、システム制御部116からの制御指示によって、撮像素子107への画像露光制御
動作や、露光によって蓄積された電荷の読み出し動作制御を行う。
【0056】
A/D変換部109は、撮像素子107から出力される読み出し電荷量から電圧に変換されたアナログ画像信号を、演算に必要なビット数により量子化した、デジタル画像信号(以降、画像データという)に変換する。
【0057】
メモリ(RAM)110は、A/D変換部109において得られた、それぞれの画素から得る画像信号を集めて生成される画像データや、画像処理部111において処理された画像データ等の各種データが一時的に記憶される記憶部であり、不揮発性メモリである。
【0058】
画像処理部111は、メモリ(RAM)110から読み出した画像データに対し、被写体の色温度特性に基づいた、ホワイトバランス補正処理、ノイズ除去処理、色変換処理、複数の画像データの合成等の画像処理を施す。
【0059】
さらに、画像処理部111は、取得された画像データを、所定の記録形式に変換するための画像の圧縮変換処理や、過去に撮影された画像を読み出す際に、圧縮された画像の伸張等も行う。
【0060】
露出処理部112は、画像データを用いて、被写体輝度(被写体を含むシーンの明るさ)
を演算出力する。被写体輝度を算出するためのデータは、撮像素子107から得る画像データ出力から取得する方法の他、専用の測光センサの出力であっても良い。
【0061】
AF処理部113は、画像データから、空間の明暗の変化を示す、空間周波数の高周波成分の信号を抽出してAF(Auto Focus)積算処理により合焦評価値を取得する。なお、AF処理部113は、例えば、位相差測距センサ等、専用の測距センサを備えて撮影レンズ101の焦点ずれ量を求めることが可能な構成としても良い。
【0062】
外部メモリ114は、撮像装置100本体に着脱可能で、書き換え可能なメモリであり、画像処理部111において圧縮されたファイル形式の画像データが記録される。なお、図2の例では画像データを記録するための記録媒体としてカメラ本体に着脱可能な書き換え可能なメモリを示しているが、必ずしも撮像装置本体に着脱可能なメモリを用いる必要はなく、書き換え可能なメモリを、撮像装置本体内に固定したものであってもよい。
【0063】
表示部115は、画像処理部111で処理された画像データを可視できる形式で表示する機能をもつものであって、例えば液晶表示素子や、有機発光素子などの表示素子を用いる。なお、図面1bにおいては、表示部115は、撮像装置本体の背面に配置されているが、実施の形態においては、必ずしも背面に限った構成でなく、撮像装置本体100の前面、および側面であってもよい。
【0064】
システム制御部116は、撮像制御部108やフラッシュ制御部121等、撮像装置100内の各種機能についての動作シーケンスを統括的に制御する。操作部117は、撮影者が撮像装置本体を操作するための機能を有し、図2においては電源ボタン(117a)、レリーズボタン(117b)、各種入力キー等(117c〜e)の操作部材である。撮影者により操作部117の何れかの操作部材が操作されることにより、システム制御部116は、撮影者の操作に応じた各種シーケンスを実行する。
【0065】
電源ボタンは、当該撮像装置の電源のオンオフ指示を行うための操作部材である。電源ボタンが押されたときに、システム制御部116は、当該撮像装置の電源をオン又はオフする。
【0066】
レリーズボタンは、1stレリーズスイッチ(半押し状態の操作)と2ndレリーズスイッチ(全押し状態の操作)の2段スイッチを有して構成されている。レリーズボタンが半押しされて1stレリーズスイッチがオンされた場合に、システム制御部116は、AE処理やAF処理等の撮影準備シーケンスを行う。また、レリーズボタンが全押しされて2ndレリーズスイッチがオンされた場合に、システム制御部116は撮影シーケンスを実行して撮影を行う。撮影者は、例えば、表示部115において表示されるメニュー画面上で入力キーを用いて撮影時の撮影条件等を設定することが可能である。
【0067】
不揮発性メモリ118は、撮像装置本体100の動作に必要な各種パラメータを記憶している。また、不揮発性メモリ118は、システム制御部116にて実行するプログラムも記憶している。システム制御部116は、不揮発性メモリ118に記憶されているプログラム命令に基づいて、また不揮発性メモリ118から各種シーケンスに必要なパラメータを読み込み、各処理を実行する。
【0068】
電源部119は、撮像装置本体100各部の動作に必要な電力を供給するための、例えば2次電池等からなる電源である。
【0069】
電源制御部120は、電源部119を構成する電池から、該撮像装置100の各ブロックへ必要な電源電圧に変換して伝達させる。また図示はしないが、同時に、前記電池119の残量も、検出する。さらに、電源切り替え部126(SW2)は、後述に示すように、撮像装置100本体の電源供給を、電源制御部120の出力か、もしくは、外部ストロボ装置から供給するかを選択して切り替える機能をもつ。
【0070】
システム制御部116とともに発光制御手段としての機能を有するフラッシュ制御部121は、システム制御部116からの指示に応じてフラッシュ充電部122における充電動作(チャージ)及びフラッシュ発光部123における発光動作を制御する。
【0071】
フラッシュ充電部122は、フラッシュ発光部123の発光に必要なエネルギーを蓄積する。このフラッシュ充電部122は、フラッシュ発光部123の発光に必要なエネルギーを蓄積するためのコンデンサ等を備えて構成されており、フラッシュ発光時には、一度発光に必要なエネルギーとして電荷を充電する。フラッシュ発光部123は、フラッシュ制御部121からの発光指示を受けた場合に、フラッシュ充電部122のコンデンサに蓄積されたエネルギーを利用して発光する。このフラッシュ発光部123は、例えばキセノン(Xe)管等の発光管、発光ダイオードなどを発光して、発光した光を反射傘やフレネルレンズなど、発光範囲内の光強度を均一にするための光学素子を備えて、構成されている。
【0072】
外部ストロボ接続部124は、撮像装置100の本体に外部ストロボ装置200を装
着するための機構である。さらに、上記外部ストロボ接続部124には、撮像装置100のフラッシュ制御部121と外部ストロボ装置200に含まれる制御部201とを通信可能に接続するための通信接点を備えている。
【0073】
(外部ストロボ装置)
次に図2を用いて、外部ストロボ装置200の構成について説明する。
外部ストロボ装置200は、制御部201と、不揮発性メモリ202と、電源部203と、電源制御部204と、フラッシュ充電部205と、フラッシュ発光部206と、カメラ接続部207とを有している。
【0074】
制御部201は、撮像装置100のフラッシュ制御部121の制御指示に従って、外部ストロボ装置200の各種シーケンスを統括的に制御する。不揮発性メモリ202は、外部ストロボ装置200の動作に必要な、各種パラメータやプログラムを記憶している。
【0075】
電源部203は、外部ストロボ装置200の各部の動作に必要な電力を供給するため
の電源である。電源制御部204は、電源部203の制御を行う。さらに、電源切り替え部210によって、電源制御部204からの電圧出力を、カメラ接続部207を介して、撮像装置100の外部ストロボ接続部124を経由して、出力電圧の一部を給電するか否かの制御を行う。
【0076】
フラッシュ充電部205は、フラッシュ発光部206の発光に必要なエネルギーを蓄積
する。一般に、外部ストロボ装置はカメラに内蔵のフラッシュ装置よりも大光量の発光
が可能に構成される。このため、フラッシュ充電部205のコンデンサもフラッシュ充電
部122のコンデンサよりも大容量のものが用いられる。フラッシュ発光部206は、制
御部201からの発光指示を受けた場合に、フラッシュ充電部205のコンデンサに蓄積
されたエネルギーを利用して発光する。このフラッシュ発光部206も、例えばキセノン(Xe)管等の発光管や反射傘を備えて構成されている。
【0077】
(外部ストロボ接続部の信号端子)
次に、撮像装置100の外部ストロボ接続部124と、外部ストロボ装置200のカメラ接続部207の接続信号の対応について、図3、及び図4を用いて、さらに詳しく説明する。
【0078】
カメラ接続部207と外部ストロボ接続部124間に接続される信号端子220は、5つあり、配置される順番は、図面3の左側から、それぞれ、Tx信号、Rx信号、CONNECT信号、XCONT信号、FGND信号がそれぞれ端子に割り当てられている。
【0079】
Tx信号は、撮像装置本体100から、外部ストロボ装置への制御指令を送信するための信号である。Rx信号は、外部ストロボ装置200から、撮像装置100への制御応答を受信するための信号である。
【0080】
CONNECT信号は、撮像装置100の外部ストロボ接続部124に、外部ストロボ200のカメラ接続部207が接続されているか否かを検出する信号ラインである。XCONT端子は、撮像装置100の外部ストロボ接続部124に、外部ストロボ200のカメラ接続部207が接続されている時に、撮像装置100のフラッシュ制御部121から、発光トリガ信号を、外部ストロボ200に伝送するための信号ラインである。
【0081】
FGND端子は、撮像装置100本体の電気制御回路部の基準電位と、外部ストロボ装置の電気制御回路部の基準電位を、電気的に接続して同電位にするための信号端子である。
【0082】
またXCONT端子は、後述に詳細を示すが、前述のように、ストロボ発光トリガ信号の伝送する機能の他に、撮像装置100からストロボ装置200への制御指令信号に基づいて、ストロボ装置200内にある電源制御部から、撮像装置100へ電圧出力を伝送して、撮像装置本体100に給電させるための信号を兼ね備える。
【0083】
図4は、外部ストロボ装置201のカメラ接続部207、および撮像装置100本体の外部ストロボ接続部124の外形を示した図であり、更に、両者を接続する際に対応する信号端子220の配置を示した図である。
【0084】
信号端子220の具体的な配置は、撮像装置100と外部ストロボ装置200の間を信号の送受信信号である。Tx信号、Rx信号は 撮像装置100本体の背面側から紙面 左側からそれぞれ220a、220bに示す位置に配置される。CONNECT端子は、220cに割り当てられており、撮像装置本体側に一番手前(紙面下側)に配置される。前述のように、CONNECT端子が、外部ストロボ装置のカメラ接続部と、撮像装置本体のストロボ接続部が接続されたか否かを電気信号にて検出する。
【0085】
ストロボ接続部220dは、XCONT端子であり、円形の端子でその他の端子に比べて接触面積が一番大きく配置されている。接触面積を大きくとることによって、電気的な接触抵抗を低くして、ストロボ閃光トリガ信号を高速で伝達させるようにしている。またさらに、本発明の外部ストロボ装置を接続する状況においては、ストロボ装置から、XCONT端子を通じて、撮像装置本体へ給電電圧出力を与える動作も行うが、このときは接触抵抗による電圧降下を抑えるためには、XCONT端子の接触面積を大きくすることが適切である。
【0086】
(撮像装置本体と、外部ストロボ装置との通信タイミング)
次に、撮像装置本体100と外部ストロボ装置200との通信信号の送受信の一例を、図5のタイミングチャートを用いて説明する。
【0087】
図5では、撮像装置100本体から、外部ストロボ装置200へ、ストロボ発光指示を与える際のタイミングを示している。タイミングチャートは、上からTx信号、Rx信号、CONNECT信号、XCONT信号、そして、外部ストロボの発光量の時系列変化の様子を示している。
【0088】
Tx信号、およびRx信号は、2つの電圧状態(Hレベル、Lレベル)の2値化されたデジタル信号であり、それぞれ送受信時の信号は、シリアルデータパルスとして信号が伝送される形式である。
【0089】
上記Tx信号は、外部ストロボ装置への制御命令の種類に応じたアドレスデータ列と、設定値などを送信するセットデータ列が順番に組み合わされている。Tx信号の命令信号を、外部ストロボ装置が受信して命令を確認すると、ストロボ装置は、命令要求に応じて、Rx信号から、応答信号列としてACKデータ列信号を撮像装置100へ返信して送信する。
【0090】
Tx信号で送信する命令は、例えば、外部ストロボの発光時間、発光量設定を行う命令の他、ストロボ装置のフラッシュ充電状況の確認や、電源部の電池残量の確認、発光可能状態の確認等がある。その他、接続機器情報の問い合わせがあり、最大発光条件であるガイドナンバー情報や、装置条件によりストロボ装置が、撮像装置本体へ給電することが可能であるかを参照することができる。さらに、同時に、撮像装置本体の電源状況を、ストロボ装置に通知させることもできる。
【0091】
(ストロボ装置からの給電作用)
以上の構成により、撮像装置100へ、外部ストロボ装置200を接続する際に、撮像装置100およびストロボ装置の、電源制御動作の作用シーケンスを、図6のフローチャートを用いて説明する。
【0092】
まず撮影者が、撮像装置100本体の電源がONされているかどうかを判断する。(ステップS1)。ステップS1の判断結果より、電源ON状態(ステップS1の判断Yes)であれば、撮像装置本体100が、ステップS2以降の起動シーケンスに移行され、OFF(ステップS1の判断No)の状態では、同じ判断ステップS1に戻る。
【0093】
撮像装置本体100が電源ON状態を確認された場合は、次のステップとして、撮像装置本体100の電源制御部から、本体の電源部の電池残容量を確認する。(ステップS2)
【0094】
ステップS2の残量確認後、撮像装置100本体が、所定の撮影動作に必要な電池容量(残量)を有しているか否かを判定する。(ステップS3)
【0095】
ステップS3の判定結果で、本体100の電池残量が所定の電池残量を有している場合は(判断YES)、ステップS20に移行し、撮像装置100本体の電池から、本体100の電源制御を行う。
【0096】
次のステップとして、撮像装置本体のストロボ接続部に外部ストロボが接続されているか否かを判断する(ステップS21)ステップS21の具体的な判断作用は、信号端子が接続される際に、信号出力電圧が論理レベルで、Hレベルにあるか、Lレベルにあるかを検出することで判断するものである。
【0097】
ステップS21の判断結果、外部ストロボ装置の接続が検出できない場合(判断No)、または接続されていないと判断し、次のステップとして、撮像装置本体100の電源部からの出力のみで撮影、およびストロボ発光時、本体内のストロボ部にて発光動作を実行する。(ステップS23)
【0098】
ステップS21の判断結果、外部ストロボ装置200の接続が確認された場合は、ステップS22の動作として、撮像装置本体100から外部ストロボ装置に、発光制御を実行可能な状態となり、その後のステップは撮影者が撮影操作を実行するまでスタンバイ状態となる。(ステップS30)
【0099】
ステップS3の判断にて、撮像装置本体100の電池残量が、撮影可能な電池残量として所定量以下と判断された場合(判断No)では、次のステップとして、撮像装置本体100が、ストロボ接続部124に、外部ストロボ装置等の外部機器が接続されているか否かを検出判断する。(ステップS4)
【0100】
外部機器の接続が確認された後、外部ストロボの機器情報を送受信によって、装置条件を識別する(ステップS5)。外部機器を認識後、次のステップでは、外部ストロボ装置が、撮像装置本体100側に給電機能を有しているか否かを判定する。(ステップS6)。ステップS6の判断により、接続されたストロボ装置200が、撮像装置本体100へ給電機能を有していると判定された場合(判定YES)は、以下の作用ステップにより、撮像装置本体100の給電を、外部ストロボ装置200から給電する動作に切り替える。
【0101】
通信信号Txによって、撮像装置本体100から外部ストロボ装置200へ、給電指令が送信される。(ステップS7)。また、ステップS6の判断により、接続された外部ストロボ装置200が、本体へ給電機能がないと判定された場合(判定No)は、撮像装置本体100は、外部ストロボ装置からも撮影動作に必要な電力が確保できないため、電池容量不足として、エラー処理実施に移行する。(ステップS31)
【0102】
外部ストロボ装置200は、ストロボ制御部201が、前記給電指令を受信して、撮像装置本体100へ給電が可能か否かを、電源制御部204からの情報に基づいて、電源部203が所定の電池残量以上あるか否かを確認する。(ステップS8)
【0103】
次のステップS9の判断で、外部ストロボ装置200が給電可能と判断した場合(ステップS9:YES)は、給電準備OKという形で応答信号(ステップS10)をRx信号に伝送して撮像装置100へ送信する。また、給電不可能と判断した場合(ステップS9:No)では、給電不可という形で応答信号(ステップS11)を、Rx信号に伝送して撮像装置本体100に送信される。
【0104】
撮像装置本体100は、ステップS10または、ステップS11の処理による信号出力受信後、電源切り替え部と外部ストロボ接続部を、外部ストロボから給電するモードに切り替える(ステップS14)
【0105】
続いて外部ストロボ装置200は、電源切り替え部SW を本体給電併用モードに切り替える。そして、次のステップは撮影者が撮影操作を実行するまで、スタンバイ状態となる。(ステップS30)。また、ステップS13の判断で、受信信号が ストロボ給電ができないとした場合は(ステップS13:No)では、撮像装置100は、ストロボ装置からも撮影動作に必要な電力が確保できないため、電池容量不足として、エラー処理実施に移行(S31)する。
【0106】
次にステップS14の処理にある、ストロボ装置から給電動作について、図7のフローチャートおよび、図8のタイミングチャートを用いて更に詳しく作用を説明する。
【0107】
ストロボ装置200のカメラ接続部207と、それに接続される撮像装置本体100の外部ストロボ接続部124には、図3の接続ブロック図に示すように、ストロボ装置には、XCONT端子の信号を、一方を外部ストロボ制御部201へ、もう一方を電源制御部204の出力とのどちらか一方の接続を選択する、選択スイッチ部SW210が配置されている。
【0108】
選択スイッチ部SW210は、撮像装置100から、外部ストロボ200へストロボ閃光動作を行う際は、XCONT端子は、SW210によって、210(a)側が選択されて接続される。この動作状態では、撮像装置100から閃光開始信号を受信し、ストロボ制御部201に伝達させる作用となる。
【0109】
一方、ストロボ装置200から、撮像装置100へ、XCONT端子を通じて給電動作を行う際は、SW210は、210(b)側が選択されて、接続される。この動作状態では、XCONT端子を通じて、ストロボ装置200の電源制御部204出力から、撮像装置本体100へ、電源供給される動作作用となる。
【0110】
上記SW210の切り替え(210(a)、210(b))の選択切り替えは、外部ストロボ装置のストロボ制御部201から、切り替え制御される。
【0111】
撮像装置本体100の、外部ストロボ接続部にある、XCONT端子には、信号選択部(SW1)が構成されており、SW1の選択部は、一方は、フラッシュ制御部121より、外部ストロボの閃光開始信号に接続され(SW1 出力a)、もう一方は、電源制御部120に入力する前にある、電源選択部SW2の一方に接続されている。(SW1 出力b)
【0112】
また、電源選択部SW2は、一方は、撮像装置本体100内の電源部119から電源制御部120に接続され(SW2 出力A)、もう一方は、外部ストロボ接続部124のXCONT端子から、SW1の出力bを経由して、外部ストロボ端子から電源電圧を、電源制御部120に接続し(SW2 出力B)、電源制御部120によって、それぞれ撮像装置本体100の各部への電圧出力制御を行い供給する。
【0113】
撮像装置本体100の、2つの電源選択部(SW1、SW2)の切り替え制御は、撮像装置本体100の、システム制御部116によって選択動作を実行される。
【0114】
次に、図6のフローチャートでの処理(ステップS14)の処理において、外部ストロボ装置200内の電源切り替えSW、撮像装置本体100の電源選択部(SW1、SW2)の動作タイミングの作用を、図6のフローチャート、図7のタイミングチャートを用いて 詳しく説明する。
【0115】
まず、撮像装置本体100から、外部ストロボ200へ、電源を切り替える通信命令をTx信号にて送信する。(ステップS41)。次に、ストロボ装置200が、命令信号に対して、Rx信号端子にて、撮像装置100へ、電源供給を切り替える準備がOKである旨の応答信号を返す。(ステップS42)
【0116】
次のステップとして、上記応答信号を撮像装置本体100が受信する。(ステップS43)
次に本体100の信号切り替え部125(SW1)をb側に選択を切り替える。(ステップS44)。
【0117】
次に外部ストロボ200の信号切り替え部SW1をb側に選択動作をする。(ステップS45)そして、撮像装置本体100のSW2をb側に切り替え動作を行う。(ステップS46)上記ステップS46の動作終了(ステップS47)後、図のフローチャートのステップS14の作用が終了して、次のステップS30の動作スタンバイ状態に移行する。
【0118】
(外部ストロボ閃光時のシーケンス)
次に外部ストロボをフラッシュ発光時の動作シーケンスを説明する。
【0119】
まず、撮像装置本体100を、撮像装置内の電源部である第一の電源によって動作させている場合を示す。
【0120】
上記条件では、外部ストロボ200への閃光制御時でも、撮像装置本体100の制御動作は、該撮像装置100内の電源部から電源供給されて行われる。このため、本体100内の切り替え部(SW1、SW2)は、常時aの接続経路を選択される。
【0121】
つまり図3の外部ストロボ接続部124の信号端子の内、XCONT端子は、フラッシュ制御部からの出力信号である、外部ストロボ200の発光トリガ信号が接続される形になる。また、電源制御部120には、第一の電源に対応する、撮像装置100内の電源部119からの電源出力が供給される形になる。
【0122】
さらに、ストロボ装置200内の電源切り替え部210(SW)は、XCONT端子から外部ストロボ装置200の制御部に、発光トリガ信号が伝達される形式となる。
【0123】
外部ストロボを閃光制御するときの、ストロボ接続部の信号状態の遷移は、図9(a)の様なタイミングチャートの示す作用の遷移をする。
【0124】
次に、撮像装置本体100が、ストロボ電源部から電源供給されている場合において、外部ストロボ装置の閃光動作を行う場合の、ストロボ接続部の信号状態の遷移を、図9 (b)のタイミングチャートを用いて作用を説明する。
【0125】
この条件下では、ストロボ発光前の状態では、撮像装置本体100内の、信号切り替え部125(SW1)、及び126(SW2)の接続状態は、それぞれb側に接続されており、また外部ストロボ200内の 電源切り替え部210(SW)はb側が接続状態にある。このため、上記状態のままでは、撮像装置本体100から、外部ストロボへ、発光トリガ信号を伝達させることができない。
【0126】
このため、発光トリガ信号を伝達させる際には、トリガ信号伝達時のみ、電源切り替え部SW1、及びSW2を、閃光させる時間の間のみ、a側に切り替える動作をさせる。
【0127】
上記状態では、一時的に撮像装置100内の電源制御部への電源入力電圧の変化を伴うため、電源制御部120内の、所定電圧を生成するコンバータ120(a)への電源制御が難しくなる。従って、図3の電源制御部の後に接続される、チャージ部120(b)によって、電源電圧を放電時間内の間保持される。上記作用は チャージ部120(b)が蓄積した電荷の放電時間内に完了するように、フラッシュ閃光時間は制限される。
【0128】
(フラッシュ動作シーケンス)
次に、撮像装置100が、ストロボ制御して実施する、フラッシュ撮影動作の作用について、図面を用いて説明する。
【0129】
ここで、フラッシュ撮影動作は、後述するAE処理の結果から被写体輝度が所定レベルよりも暗い場合や、撮影者によってフラッシュ発光部206(外部ストロボ装置200が装着されていない場合にはフラッシュ発光部123)を発光させるように設定された場合に行われるものとする。なお、図1および図2に示す撮像装置100は、フラッシュ装置の発光を伴わない撮影を行うことも可能である。しかしながら、フラッシュ装置の発光を伴わない撮影動作は従来と同様であるのでここでは説明を省略する。
【0130】
10は、撮像装置100のフラッシュ撮影動作について示すフローチャートである。ここで、図10の処理はシステム制御部116によって制御されるものである。
【0131】
10において、システム制御部116は、撮影者操作により撮像装置100の電源がオンとなったか否かを判定している(ステップS51)。ステップS51の判定において、撮像装置100の電源がオンとなるまで、システム制御部116はステップS51の判定を行いつつ待機する。ステップS51の判定において撮像装置100の電源がオンとなった場合に、システム制御部116は、撮像装置100を撮影アイドル状態とする(ステップS52)。この撮影アイドル状態において、システム制御部116はスルー画表示(ライブビュー表示等ともいう)の制御を行う。即ち、システム制御部116は、撮像制御部108を介して撮像素子107を所定のフレームレートで動作させ、これによって撮像素子107を介して逐次得られる画像を表示部115に表示させる。また、撮影アイドル状態において、撮影者によってメニュー画面の表示指示がなされた場合に、システム制御部116は表示部115にメニュー画面を表示させる。このメニュー画面上で撮影者は撮像装置100の各種の設定を行うことができる。
【0132】
撮像装置100を撮影アイドル状態とした後、システム制御部116は、撮影者によりレリーズボタンが半押しされて1stレリーズスイッチがオンされたかを判定する(ステップS53)。ステップS53の判定において、1stレリーズスイッチがオンされるまで、システム制御部116は、繰り返しステップS53の判定を行う。一方、ステップS53の判定において、1stレリーズスイッチがオンされた場合に、システム制御部116は、AE処理及びAF処理を実行する(ステップS54)。AE処理において、システム制御部116は、露出処理部112において被写体輝度を算出させる。その後、システム制御部116は、露出処理部112において算出された被写体輝度と予め不揮発性メモリ118に記憶された絞り値とシャッタ速決定テーブルに基づき、撮影時の撮像素子107の露光量(絞り値Avとシャッタ速度値Tv)を算出する。また、AF処理において、システム制御部116は、AF処理部113で得られるAF評価値から、撮像素子107に集光される被写体の像が最も鮮明になるようにレンズ制御部102を制御して撮影レンズ101のフォーカスを調整する。
【0133】
次に、システム制御部116は、撮影者によりレリーズボタンが全押しされて2ndレリーズスイッチがオンされたかを判定する(ステップS55)。ステップS55の判定において、2ndレリーズスイッチがオンされるまで、システム制御部116は、繰り返しステップS55の判定を行う。一方、ステップS55の判定において、2ndレリーズスイッチがオンされた場合に、システム制御部116は、本撮影時におけるフラッシュ発光部206の発光量を決定するためのフラッシュ調光制御処理を行う(ステップS56)。このフラッシュ調光制御処理の詳細については後述する。
【0134】
ステップS56において、本撮影時におけるフラッシュ発光部206の発光量を決定した後、システム制御部116は、フラッシュ制御部121を制御して、ステップS56で得られた発光量で外部ストロボ装置200のフラッシュ発光部206を発光させる。
【0135】
さらに、システム制御部116は、絞り制御部104を制御して絞り機構103を駆動するとともに、シャッタ制御部106を制御してシャッタ105を駆動して撮影を行う(ステップS57)。なお、撮像素子107の感度については例えば被写体輝度に応じて設定する。
【0136】
本撮影の後、システム制御部116は、撮影によって得られた画像データに対する画像処理を画像処理部111に行わせる(ステップS58)。最後に、システム制御部116は、画像処理部111において得られた圧縮画像データを外部メモリ114に記録させる(ステップS59)。その後に、システム制御部116は図10の処理を終了させて、撮影時のフラッシュ発光部206の発光量(本発光量)を決定する。
【0137】
次にステップS56のフラッシュ調光制御の詳細な作用について図11のフローチャートを用いて説明する。
【0138】
11において、システム制御部116は、定常光露光時の絞り値Avを算出する(ステップS61)。次に、システム制御部116は、定常光露光時の撮像素子107の感度値Svを算出する(ステップS62)。次に、システム制御部116は、定常光露光時のシャッタ速Tvを算出する(ステップS63)。なお、定常光露光時のAv、Sv、Tvは例えば固定値を用いる。もちろん、上記Av,Sv,Tv値は固定値とすることには限定せず、定常光露光時のAv、Sv、Tvを撮影条件に応じて可変としても良い。
【0139】
定常光露光時のAv、Sv、Tvが算出された後、システム制御部116は各算出された値に従って絞り制御部104、撮像制御部108、シャッタ制御部106を制御して定常光露光を実行し、定常光露光によって撮像素子107を介して得られる定常光データをメモリ110に記憶させる(ステップS64)。
【0140】
定常光露光の後、システム制御部116は、プリ発光露光時の絞り値Avを算出する(ステップS65)。次に、システム制御部116は、プリ発光露光時の撮像素子107の感度値Svを算出する(ステップS66)。次に、システム制御部116は、プリ発光露光時のシャッタ速Tvを算出する(ステップS67)。
【0141】
ここで、プリ発光露光時のAV、SV、TVは例えば定常光露光時と同じ値を用いれば良い。プリ発光露光時のAV、SV、TVが算出された後、システム制御部116は各算出された値に従って絞り制御部104、撮像制御部108、シャッタ制御部106を制御してプリ発光露光を実行し、プリ発光露光によって撮像素子107を介して得られるプリ発光データをメモリ110に記憶させる(ステップS68)。
【0142】
次のステップS69では、ステップS64の処理で得てメモリ110に記憶された、定常光データをメモリ110から取得し、更に次のステップS70においては、ステップS68のプリ発光露光の処理で得られて、メモリ110に記憶されたプリ発光データを取得する。
【0143】
その後ステップS71の処理では、システム制御部は、ステップS69、およびS70で取得した定常光データ、およびプリ発光データの取得値に基づいて、それぞれ、被写体輝度に変換する発光量演算用データ変換処理を、本体100に属する、露出制御部112に実行させる。
【0144】
次にステップS72では、定常光データから算出された被写体輝度及びプリ発光データから算出された被写体輝度のそれぞれにおいて発光量の演算に用いる発光エリアの判定を行う。ここで、上記発光エリアは、一例として撮像素子107から得られる画像出力に基づいて判定された、特定の被写体が存在する領域とする。
【0145】
特定の被写体は、例えば、人物の顔位置検出に基づいたものであってもよい。
発光エリアの判定後、次のステップS73においては、本体100に属するシステム制御部116は、プリ発光データから算出された被写体輝度と、定常光データから算出された被写体輝度との、両者の差分より、撮影時のフラッシュ発光部206の発光量(ここでは本発光量と言う)を演算する。
【0146】
上記ステップS61からS73の処理を通じて、フラッシュ調光制御が完了する。なお、外部ストロボ装置200は、表示部208に、前述の作用で示す、撮像装置本体100および外部ストロボ装置200の、給電状況および、電池の残容量状況、ストロボ発光条件を図12のように表示される。
【0147】
図12(a)の表示状態においては、外部ストロボ装置200から、撮像装置本体100へ
給電作用を行っている状況をしめしており、図12(b)の表示状態においては、撮像装置本体100内に挿入された電池によって、撮像装置本体が動作をしている状態を示している。
【0148】
(実施形態の変形例)
前記実施形態では、撮像装置のストロボ接続部に接続される、外部ストロボ装置であった。これらは、閃光機能と、給電機能を持たせている構成であるが、ここでは変形例として、前記実施形態の外部装置のうち、閃光機能を持たず、給電機能のみもつ形態として、外部電源アダプタ装置とも示すことができる。
【0149】
図13は、実施形態の変形例の構成を示す図面であり、撮像装置に接続する外部電源アダプタ装置300を接続した状態の構成を示す。なお、ここでは図13の撮像装置本体100の構成は、図2と共通であるため説明を省略し、外部電源アダプタ装置部のみ構成を説明する。
【0150】
外部電源アダプタは、撮像装置本体100のストロボ接続部に接続されるための、カメラ接続部307と、電源部303と電源切り替え部310と、電源制御部304と表示部308と、外部アダプタ制御部301とを有しており、
撮像装置本体100とは、ストロボ接続端子を介して、制御命令情報を通信することができる。
【0151】
また、撮像装置本体100からの制御命令情報に基づいて、電源アダプタ装置から撮像装置本体100への給電の実施や、電源アダプタ装置300にある電源部303の電池残量情報を 本体へ通知することが可能である。
【0152】
以上実施形態に基づいて本発明を説明したが、本発明は上述した実施形態に限定される
ものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形や応用が可能なことは勿論である。
【0153】
さらに、上記した実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構
成要件の適当な組合せにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全
構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、上述したような課題を解決でき、上述
したような効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成も発明として抽出さ
れ得る。
【0154】
(付記)
なお、本発明ではストロボ装置の発明としているが、変形例で示した、フラッシュ発光部を持たない電源アダプタ装置においては、さらに以下の要旨を含んでいる。
【0155】
(1)撮像装置本体に接続されるカメラ接続部と、
アダプタ電源部と、アダプタ電源制御部と、アダプタ表示部と、
前記カメラ接続部を介して得た制御指令に基づいて、撮像装置本体へ給電制御する電源アダプタ制御部とを有しており、
前記電源制御部は、電源出力の接続動作を2つ有しており、第一の接続動作では、前記電源部からの電圧出力を該アダプタ装置のみに供給し、第2の接続動作では、前記アダプタ電源部からの電圧出力を、該アダプタ装置と、カメラ接続部を介して、撮像装置のストロボ接続部を介して、撮像装置の電源制御部との両方に供給し、
前記カメラ接続部が受信した制御指令に基づいて、第一、または第二の接続動作を選択することを特徴とする、撮像装置に接続する電源アダプタ装置。
【0156】
(2)前記アダプタ電源制御部は、前記アダプタ電源の電池残量を検知し、
アダプタ電源制御部による電池残量の検出結果を、アダプタ表示部に表示させると同時に、
撮像装置の電源状況を、アダプタ接続部を介して、通信信号によって取得して、アダプタ表示部に表示することを特徴とする。請求項1記載の外部ストロボ装置。
【0157】
(3)前記カメラ接続部には、撮像装置から、該外部ストロボ装置への制御指令信号が接続される命令信号端子と、該外部ストロボ装置から、該撮像装置本体へ応答指令信号が接続される応答信号端子と、外部ストロボ装着の有無を検出する、ストロボ装着検出端子と、該ストロボ装置の発光信号が接続される、発光トリガ端子を備えており、
前記発光トリガ端子は、前記撮像装置本体から受信した制御指令に基づいて、前記ストロボ電源切り替え部を選択し、上記第一の接続動作が選択時には、撮像装置からストロボ装置へ発光トリガ入力信号を伝達し、第二の接続動作を選択時には、
該外部ストロボ装置から、撮像装置本体へ電源出力を伝達させることを特徴とする外部アダプタ装置。
【符号の説明】
【0158】
100…撮像装置本体、101…撮影レンズ、102…レンズ制御部、103…絞り機構、
104…絞り制御部、105…シャッタ、106…シャッタ制御部、107…撮像素子、108…撮像制御部、109…アナログ/デジタル(A/D)変換部、110…メモリ、111…画像処理部、112…露出処理部、113…AF処理部、114…外部メモリ、115…表示部、116…システム制御部、117…操作部、118…不揮発性メモリ、119…電源部、120…電源制御部、121…フラッシュ制御部、122…フラッシュ充電部、123…フラッシュ発光部、124…外部ストロボ接続部、125…接続切り替え部、126…電源切り替え部、131…フラッシュ発光部、200…外部ストロボ装置、201…制御部、202…不揮発性メモリ、203…電源部、204…電源制御部、205…フラッシュ充電部、206…フラッシュ発光部、207…カメラ接続部、210…切り替え部
300…外部アダプタ装置、301…アダプタ制御部、303…電源部、304…電源制御部、205…フラッシュ充電部、306…フラッシュ発光部、307…カメラ接続部
310…切り替え部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
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図14
図15