(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ガイドレールの前記第1ベルト反転軸側には、前記移動体の爪部を、前記ラベル先端部に当接する位置から該第1ベルトのラベル接着面と離間する方向に動作させるカム機構が設けられていることを特徴とする請求項3に記載のラベル貼付装置。
前記第2ベルト機構は、前記ガイド軸と相対向させて配置され且つ該ガイド軸と共に第2ベルトを挟持する押圧ローラを有し、前記移動体により移送されるラベルが、前記ガイド軸と前記押圧ローラとに挟持されて前記第2ベルトに仮接着されることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のラベル貼付装置。
【背景技術】
【0002】
離型紙を用いないノーセパレータラベルは、廃棄物が少なく環境負荷の軽減に貢献するため、商品等の被着体に貼り付けるためのラベルトして広く用いられている。このノーセパレータラベルには種々のものがある。例えば、特許文献1には、ノーセパレータラベル1をずらして重ね合わせて連結し帯状に形成したものを管状の芯7にロール状に巻き回したラベルロール6(
図9(a)参照)が提案されている。
【0003】
具体的には、
図9に示すように、ラベルロール6は、ノーセパレータラベル(以下、単に「ラベル」という)1を複数連結し形成したラベル帯状体8をロール状に巻き回すことにより形成されている。尚、ラベル1は、ラベル基材2の表面にオーバーコート層3が設けられ、裏面に接着層(粘着材層)4が設けられている(
図9(b)参照)。また、ラベル帯状体8は、第1のラベル1aの接着層4の一端に、第2のラベル1bのオーバーコート層3の一端を付着し、さらに、第2のラベル1bの接着層4の他端に第3のラベル1cのオーバーコート層3の一端を付着することを順次行い、複数のラベル1を連続的に連結することにより形成されている。
【0004】
また、特許文献2には、上記のように構成されたラベルロール6からラベル帯状体8を引き出し、そのラベル帯状体8からラベル1を1枚ずつ剥がし被着体Wにラベル1を貼り付けるラベル自動貼付付装置が提案されている。以下、特許文献2に記載のラベル自動貼付装置について、
図10を用いて説明する。
【0005】
図示するように、ラベル自動貼付装置は、ラベルロール6(図示せず)から引き出したラベル帯状体8を仮接着させ移送するラベル移送用ベルトコンベア100と、ラベルを貼り付ける被着体Wを移送する商品移送用ベルトコンベア200と、ラベル帯状体8の先頭に空気を噴射する空気噴射手段300とを備えている。また、ラベル移送用ベルトコンベア100の進行方向の端部には当該ベルトコンベア100を反転させる反転軸102が設けられ、この反転軸102で、ベルトコンベア100の進行方向が略180度反転するようになっている。また、反転軸102の近傍には、ラベル帯状体8から1枚ずつラベル1を剥がすためのラベル押さえ機構400が設けられている。このラベル自動貼付装置は、以下のように動作し、被着体Wにラベル1を貼付する。
【0006】
具体的には、ラベル移送用ベルトコンベア100にラベル帯状体8を仮接着させ、ラベル移送用ベルトコンベア100を駆動させる。これにより、ラベル帯状体8は、ラベル移送用ベルトコンベア100と共に移動する。また、ラベル帯状体8の先頭が反転軸102の位置まで移動してくると、その先頭にあるラベル1aの先端部1yがラベル移送用ベルトコンベア100から剥がれ、その剥がれた先端部1yがラベル移送用ベルトコンベア100から前方へ突出する(
図10(a))。尚、ラベル自動貼付装置は、先端部1yが所定位置まで突出したことをセンサ(図示せず)で検知し、ラベル移送用ベルトコンベア100の駆動を停止させた状態(待機状態)にするように構成されている。
【0007】
次に、ラベル自動貼付装置は、待機状態において、商品移送用ベルトコンベア200で移動する被着体Wが所定位置を通過したこと(反転軸102の近傍に近づいたこと)をセンサ(図示せず)で検知すると、空気噴射手段300を駆動させ、突出したラベル1aの先端部1yに空気を噴射させる。これにより、先端部1yの接着面が円弧状に反った状態になる。そして、商品移送用ベルトコンベア200の上を移動してくる被着体Wが、上記の突出するラベル1の先端部1yに接触することにより、ラベル1aの先端部1yが被着体Wに接着する。その後、ラベル1の先端部1aが接着された状態で被着体Wが移動していき、そのラベル1aは、ラベル移送用ベルトコンベア100に仮接着しているラベル1bから剥がれ、被着体Wに貼付けられるようになっている(
図10(b)、(c)参照)。また、ラベル帯状体8からラベル1aが剥がれる際、ラベル押さえ機構400が、ラベル帯状体8をラベル移送用ベルトコンベア100側へ押圧しているため、ラベル1aと共に、ラベル1aに連結しているラベル(例えば、ラベル1b)が剥がれることを防止している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上述した特許文献2のラベル自動貼付装置は、以下に示す課題を有している。具体的には、上記のラベル自動貼付装置は、複数のラベルが重なって連結しているラベル帯状体をラベル移送用ベルトコンベアに仮接着して移動させ、移動させたラベル帯状体の先頭からラベルを1枚ずつ剥がして被着体に貼付している。そして、上記のラベル自動貼付装置は、ラベルを1枚ずつ剥がすため、被着体にラベルを貼付する際、ラベル移送用ベルトコンベアを停止させている。すなわち、上述したラベル自動貼付装置は、商品用ベルトコンベアの上を移動する被着体から引っ張られる力だけでラベルをラベル帯状体からが剥がし被着体に貼付している。そのため、上記のラベル自動貼付装置は、ラベルの粘着力のバラツキや被着体の素材により、ラベルが所望しているように剥がれず、被着体の所定位置にラベルを貼り付けることができないことがあるという課題を有している。特に、被着体の素材が滑り易い場合、被着体の所定位置にラベルを貼りつけられな現象が生じていた。また、上記のラベル自動貼付装置は、ラベル帯状体から1枚ずつラベルを剥がすために、正確に動作するラベル押さえ機構が必用となり、装置が複雑化するという課題も有している。
【0010】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであって、離型紙を用いないラベルを複数連結して帯状に形成したラベル帯状体からラベルを剥がし、被着体に高精度にラベルを貼り付けるラベル貼付装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記技術的課題を解決するための本発明は、裏面に接着層が形成されたラベルの多数をずらして重ね合わせ連結したラベル帯状体からラベルを剥がして被着体に貼り付けるラベル貼付装置であって、被着体を移動させるベルトコンベアと、前記ラベル帯状体を仮接着させ移動させるループ状の第1ベルトを有する第1ベルト機構と、前記ラベル帯状体から剥がされたラベルを1枚ずつ仮接着させ移動させるループ状の第2ベルトを有する第2ベルト機構と、前記第1ベルトに仮接着されたラベル帯状体から1枚ずつラベルを剥がして前記第2ベルトに移送し該第2ベルトに該ラベルを仮接着するラベル移動機構とを備え、前記第2ベルト機構は、前記第2ベルトを連続的に移動させる第2ベルト駆動手段と、前記第2ベルトが巻き掛けられて該第2ベルトを反転させる第2ベルト反転軸とを備え、前記第2ベルト駆動手段により前記第2ベルトを連続的に移動させ、該第2ベルト反転軸の位置で該第2ベルトに仮接着された前記ラベルの先頭部を該第2ベルトから突出させ押し出しながら前記ベルトコンベアの上を移動してくる被着体に接着させることにより該被着体にラベルを貼り付けるようになって
おり、前記第1ベルト機構は、前記第1ベルトを間欠的に移動させる第1ベルト駆動手段と、前記第1ベルトが巻き掛けられ該第1ベルトを反転させる第1ベルト反転軸とを有し、前記第1ベルト駆動手段により前記第1ベルトを間欠的に移動させ、該第1ベルト反転軸の位置で該第1ベルトに仮接着された前記ラベル帯状体の先頭ラベルの先端部を該第1ベルトから剥がし突出させ、前記第2ベルト機構は、前記第2ベルト反転軸と相対向して配置され且つ前記第2ベルトが巻き掛けられて該第2ベルトを反転させるガイド軸を有し、前記ラベル移動機構は、前記第1ベルト機構の第1ベルト反転軸近傍と、前記第2ベルト機構の前記ガイド軸近傍とを往復移動する移動体を有し、前記移動体が、前記第1ベルトから突出するラベル先端部を引っかけて自身に仮接着させ前記ガイド軸に向けて移動することにより、前記ラベル帯状体からラベルを剥がすと共に、前記ガイド軸に巻き掛けられた第2ベルトまで該ラベルを移送し、該第2ベルトにラベルを仮接着させる
ことを特徴とする。
【0012】
このように、本発明のラベル貼付装置は、ラベル帯状体から剥がされたラベルを1枚ずつ仮接着させ移動させる第2ベルトを備えている。また、本発明は、第1ベルトに仮接着されたラベル帯状体から1枚ずつラベルを剥がして第2ベルトまで移送して第2ベルトに1枚ずつラベルを仮接着するラベル移動機構を備えている。すなわち、本発明では、被着体にラベルを貼り付ける前段階でラベルが1枚ずつに分離されているため、被着体にラベルを貼付する際、ラベルが仮接着されているベルト(第2ベルト)を移動させることができる。そのため、本発明によれば、ベルトコンベアで移動している被着体にラベルを貼付する際に、第2ベルトの移動によりラベルを被着体に押し出すことができ、第2ベルトからラベルを確実に剥がすことができる。その結果、本発明によれば、被着体に高精度にラベルを貼り付けるラベル貼付装置を提供することができる。また、本発明では、被着体にラベルを貼り付ける前段階でラベルが1枚ずつに分離されているため、上述した従来技術のようなラベル押さえ機構が不要となる。
【0013】
また、前記移動体は、その一端部に前記ラベルを引っかけて押圧する爪部が形成されていると共に、その他端部に板状の振動防止部材が設けられていることが望ましい。この構成により、第1ベルトからラベル取り出す精度を高めることができると共に、第1ベルトから第2ベルトにラベルを運ぶ移動体の動作不良を抑制することができる。また、この振動防止部材により、第1ベルト上に残っているラベルが共に剥がれることが防止される。
【0014】
また、前記第1ベルト反転軸に向けて移動する第1ベルトの進行方向と、前記第1ベルト反転軸側から前記ガイド軸側に向かう移動体の進行方向とが反対向きになっており、前記ラベル移動機構は、前記第1ベルト機構の第1ベルト反転軸の近傍から前記第2ベルト機構のガイド軸の近傍まで延びるガイドレールを備え、前記移動体が前記ガイドレールに沿って移動するようになっており、前記爪部は、その前面がテーパ状に形成され、一方の側面が前記第1ベルトのラベル接着面と相対向するように配置され、前記移動体は、前記ガイドレールに沿って移動することにより、前記爪部の前面で前記突出するラベル先端部の裏面を引っかけ押圧して前記ラベルを表裏反転させながら前記爪部の一方の側面に前記ラベルの裏面を仮接着させて第2ベルトまで該ラベルを移送するようになっていることが望ましい。また、前記ガイドレールの前記第1ベルト反転軸側には、前記移動体の爪部を、前記ラベル先端部に当接する位置から該第1ベルトのラベル接着面と離間する方向に動作させるカム機構が設けられていることが望ましい。このように構成することにより、第1ベルトから移動体に確実にラベルを移動させることができる。また、カム機構により、第1ベルトに残存しているラベル1との干渉を避けることができる。
【0015】
また、前記ベルトコンベアの進行方向と、前記第2ベルト反転軸に向けて移動する第2ベルトの進行方向とが略同じ向きになっていることが望ましい。このように構成することにより、被着体にラベルを貼付ける際に、ラベルが表裏の向きを反転させる必要がなくなるため、ラベルを正確な貼付位置に貼り付けることができる。
【0016】
また、前記第2ベルト機構は、前記ガイド軸と相対向させて配置され且つ該ガイド軸と共に第2ベルトを挟持する押圧ローラを有し、前記移動体により移送されるラベルが、前記ガイド軸と前記押圧ローラとに挟持されて前記第2ベルトに仮接着されることが望ましい。このように構成することにより、第2ベルトへのラベルの接着不良を防止することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、離型紙を用いないラベルを複数連結して帯状に形成したラベル帯状体からラベルを剥がし、被着体に高精度にラベルを貼り付けるラベル貼付装置を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態のラベル貼付装置について図面を用いて説明する。先ず、本実施形態のラベル貼付装置の構成について
図1を用いて説明する。尚、本実施形態において、上述した従来技術と同様の構成については同じ符号を付して説明する。
【0020】
本実施形態のラベル貼付装置は、離型紙(セパレータ)を用いないラベル(ノーセパレータラベル)1を複数連結して帯状にしたラベル帯状体8を巻き回してロール状に形成しラベルロール6からラベル1を1枚ずつ剥がして被着体Wに貼り付けるものである。
【0021】
尚、本実施形態では、説明の便宜上、上述した
図9に示すラベルロール6を用いる場合を例にする。また、ラベルロール6を構成するラベル帯状体8は、隣り合うラベル1同士の重なり合う部分1x(
図9(b)参照)の長さ寸法が、ラベル1の長さ寸法(図示する例では直径)の2/3以上になっていることが望ましい。また、ラベル1は、ラベル基部2の表面(上面)に商品名等が印刷され、その印刷面の上からUVニスや水性ニス等のオーバコート剤が塗布されてオーバーコート層3が形成されている。このオーバーコート層3により印刷面が保護されると共に、重ね合わされたラベル1が剥がれやすくなる。また、ラベル1は、基部2の裏面(下面)に接着層4が形成されている。また、本実施形態では、基部2の裏面の接着層4は、所定温度以上になると粘性が活性化する接着剤(オレフェン系接着剤)が塗布されることで形成されている。
【0022】
図示するように、本実施形態のラベル貼付装置は、被着体Wを移動させるベルトコンベア200と、ラベルロール6を回転自在に支持するロール支持部9と、ラベルロール6から引き出したラベル帯状体8を仮接着させ移動させる第1ベルト11を有する第1ベルト機構10と、ラベル帯状体8から剥がされたラベルを1枚ずつ仮接着させ移動させる第2ベルト21を有する第2ベルト機構20と、第1ベルト11に仮接着されたラベル帯状体8から1枚ずつラベル1を剥がして第2ベルト21に移送するラベル移動機構30とを備えている。また、ロール支持部9、第1ベルト機構10、第2ベルト機構20及びラベル移動機構30は、施設の床面等に設置した本体フレーム40に取り付けられている。
【0023】
また、ラベル貼付装置は、装置全体の動作を制御する制御部50と、ユーザ(作業者)からの各種操作を受け付ける操作部60と、装置の動作状態や被着体Wの位置を検知する複数のセンサ(図示せず)とを備えている。
【0024】
このラベル貼付装置は、ロール支持部9にラベルロール6を装着し、且つラベルロール6から引き出したラベル帯状体8を、第1ベルト11の所定位置に仮接着させた初期動作状態にセットして使用されるようになっている。このセットされた状態から、ラベル貼付装置を駆動させると、ラベル貼付装置は、セットされたラベル帯状体8からラベルを1枚ずつ剥がして、ベルトコンベア200の上を移動する被着体Wにラベル1を自動的に貼付するようになっている。以下、ラベル貼付装置の各構成を順番に説明していく。
【0025】
先ず、第1ベルト機構10について
図1及び
図2を用いて説明する。第1ベルト機構10は、第1ベルト11と、第1ベルト11が巻き掛けられた駆動ローラ12と、駆動ローラ12を回転させる第1駆動部(第1ベルト駆動手段)13と、第1ベルト11が巻き掛けられ且つ第1ベルト11を反転させる回転可能な第1反転軸(第1ベルト反転軸)16と、第1ベルト11が巻き掛けられたガイド軸17とを有している。第1ベルト11は、駆動ローラ12、第1反転軸16及びガイド軸17によりループ状に巻き掛けられ、第1駆動部13の回転によって移動する(図示する例では反時計回りに移動する)。また、第1駆動部13は、例えば、間欠的に駆動するステッピングモータにより構成されており、制御部50に制御されて動作する。尚、第1駆動部13による第1ベルト11の移動量は、
図9(b)に示すように、ラベル1の先端部1y(重ね合わせ部分1x以外の領域)の長さ寸法とする。
【0026】
また、第1ベルト11の外側には、合成樹脂材(例えば、ゴム)等で形成されたニップローラ15が設けられている。そして、ロール支持部9に装着されたラベルロール6からラベル帯状体8を引き出し、その引き出したラベル帯状体8の裏面側(接着層側)を、第1ベルト11の外側面に接合させる。また、第1ベルト11に当接したラベル帯状体8は、第1ベルト11と共に、駆動ローラ12とニップローラ15とに挟持されるようになっており、これにより、ラベル帯状体8が第1ベルト11に仮接着する。
【0027】
また、ニップローラ15は、押圧力調整手段(図示せず)により、ラベル帯状体8を駆動ローラ12側に所定荷重で押圧するようになっている。この押圧により、ラベル帯状体8は、第1ベルト11に適宜な力で圧着させられる。この圧着により、ラベル帯状体8は、第1ベルト11に仮接着される。尚、本実施形態では、第1ベルト11は、鉛直方向に立設配置されているが、ニップローラ15による圧着により、間欠的に動作する第1ベルト11から仮接着されたラベル帯状体8が剥がれて落下することが防止されている。そして、第1ベルト11に仮接着されたラベル帯状体8は、第1ベルト11と共に間欠的に移動する。
【0028】
また、第1反転軸16により、第1ベルト11の進行方向が略180度反転するようになっている。そして、ラベル帯状体8は、第1ベルト11と共に移動すると、第1反転軸16の位置で、ラベル帯状体8の先頭ラベル1aの先端部1y(後方ラベルとの非接触部分)が、第1ベルト11から剥がれ、第1ベルト11における反転前の進行方向と同方向に突出する(
図2(a)参照)。
【0029】
次に、第2ベルト機構20について
図1及び
図7を用いて説明する。第2ベルト機構20は、第2ベルト21と、第2ベルト21が巻き掛けられた駆動ローラ26と、駆動ローラ26を回転させる第2駆動部(第2ベルト駆動手段)27(
図7参照)と、第2ベルト21が巻き掛けられ且つ第2ベルト21を反転させるガイド軸22と、第2ベルト21が巻き掛けられ且つ第2ベルト21を反転させる回転可能な第2反転軸(第2ベルト反転軸)23とを有している。第2ベルト21は、駆動ローラ26、ガイド軸22及び第2反転軸23にループ状に巻き掛けられ、第2駆動部27の回転によって移動する(図示する例では反時計回りに移動する)。また、第2駆動部27は、例えば、駆動ローラ26を連続的に回転させるサーボモータにより構成され、制御部50に制御されて動作する。
【0030】
また、第2ベルト機構20は、第2反転軸23に向かう第2ベルト21の進行方向が、ベルトコンベア200の進行方向と、同じ方向(反対方向でなない方向)になるように配置されている。また、第2ベルト21は、第2反転軸23がベルトコンベア200の上方(鉛直方向における上方)に位置するように配置される。尚、ベルトコンベア200の進行方向と、第2反転軸23に向かう第2ベルト21の進行方向とのなす角度θを鋭角(例えば、θ=15°〜45°)に設定することが望ましい。また、本実施形態では、第2ベルト21の移動速度と、ベルトコンベア200の移動速度とが同速度になるように設定されている。
【0031】
また、ループ状の第2ベルト21の外側には、合成樹脂材(例えば、ゴム)等で形成された押圧ローラ24が設けられている。この押圧ローラ24は、ガイド軸22と相対向させて配置されており、ガイド軸22と共に第2ベルトを挟持するようになっている。そして、後述する移動体31により運ばれてくるラベル1の裏面が、ガイド軸22を移動する第2ベルト21の外側面に接着されると、当該ラベル1が第2ベルト21と共にガイド軸22と押圧ローラ24とに挟持されて圧着される。この圧着により、ラベル1は、第2ベルト21に仮接着される。尚、第2ベルト21は、鉛直方向に立設配置されているが、この押圧ローラ24の圧着により、第2ベルト21に仮接着されたラベル1が、第2ベルト21から剥がれて落下することが防止されている。
【0032】
また、第2反転軸23により、第2ベルト21の進行方向が略180度反転するようになっている。そして、第2ベルト21に仮接着されたラベル1は、第2ベルト21と共に移動して、第2反転軸23の位置で、ラベル1の先頭から剥がれていき、ラベル1が第2ベルト21から押し出されて突出していく。また、第2ベルト21から突出したラベル1の裏面がベルトコンベア200の上を移動してくる被着体Wに接着し、この状態で被着体Wが移動することで被着体Wにラベル1が貼り付けられる。
【0033】
次に、ラベル移動機構30について、
図1及び
図2を用いて説明する。ラベル移動機構30は、第1ベルト機構10の第1反転軸16の近傍から第2ベルト機構20のガイド軸22の近傍まで往復移動する移動体31を有し、この移動体31の往復動作により、第1ベルト21に仮接着されたラベル帯状体8から1枚ずつラベル1を剥がして、その剥がしたラベル1を第2ベルト21まで移送し、第2ベルト21に移送したラベル1を仮接着させるように構成されている。
【0034】
具体的には、ラベル移動機構30は、第1ベルト機構10の第1反転軸16の近傍から第2ベルト機構20のガイド軸22の近傍まで延びるガイドレール32を有し、移動体31がガイドレール32に沿って往復移動するようになっている。ラベル移動機構30は、制御部50に制御され、移動体31をガイドレール32に沿って往復移動できる構成のものであれば特に限定しない。図示する例では、ラベル移動機構30は、駆動軸(モータの回転軸)35と、プーリ36と、駆動軸35及びプーリ36に巻き掛けられたタイミングベルト33とを有している。そして、制御部50からの信号により駆動軸35を回転させてタイミングベルト33を移動させることにより、移動体31がガイドレール32に沿って往復移動するようになっている。
【0035】
また、
図2に示すように、移動体31は、ガイドレール32に沿って往復移動する本体部31aと、本体部31aの一方の側面に設けられた爪部31bと、爪部31bの一端(後端)に取り付けられた板状の振動防止部材31c(例えば、2枚の板状の振動防止部材31c)とを備えている。また、移動体31は、第1反転軸16からガイド軸22に向かう進行方向(
図2に示すX方向)が、第1反転軸16に向けて移動する第1ベルト11の進行方向と反対向きになっている。また、爪部31bは、ゴム等の合成樹脂により形成されている。また、爪部31bは、直方体状の棒材の前端部31b1をテーパ状に形成したもので、一方の側面31b2が第1ベルト11のラベル接着面(外側面)と相対向するように配置されている。
【0036】
また、ラベル移動機構30は、ガイドレール32の一端側(第1反転軸16側)にカム機構34が設けられている。移動体31の爪部31bは、このカム機構34により、第1反転軸16近傍で突出しているラベル1の先端部と当接する位置から第1ベルト11のラベル接着面と離間する方向(
図2に示すY方向)に動作させられるようになっている。このカム機構34により、第1ベルト11に残存しているラベル1との干渉を避け、爪部31bの前端部でラベル1の裏面を引っかけて、ラベル1を裏面から表面方向に引っ張る動作ができるため、第1ベルト11からラベル1を確実に剥がすことができる。
【0037】
次に、制御部50及び操作部60について
図1を用いて説明する。制御部50は、例えば、CPU及びメモリを備えたコンピュータや専用回路で構成されており、装置の動作状態や被着体Wの位置を検知する複数のセンサ(図示せず)から検知信号が入力されるようになっている。また、操作部60は、ハードスイッチ、タッチパネル、キーボード、マウス等の入力装置により構成されており、制御部50に接続され、ユーザからの各種操作を受け付ける。尚、上記のメモリには、ラベル貼付装置を駆動制御する制御プログラムが記憶されており、上記のCPUが前記制御プログラムを実行することにより、ラベル貼付装置が駆動制御されるようになっている。
【0038】
次に、本実施形態のラベル貼付装置が行う「被着体Wにラベル1を貼付する動作」について
図2〜
図6を参照しながら説明する。
【0039】
最初に、ユーザは、ラベル貼付装置を初期動作状態に設定する。具体的には、ユーザは、ロール支持部9に装着させたラベルロール6からラベル帯状体8を引き出し、ラベル帯状体8の裏面(接着層4)を第1ベルト11に仮接着させる。そして、ユーザは、操作部60を操作して初期設定動作要求を入力する。この入力を受けると、ラベル貼付装置は、第1ベルト機構10だけを駆動させ、ラベル帯状体8を、第1ベルト11の所定位置に仮接着させた初期動作状態にする。ここで、初期動作状態とは、
図2(a)に示すように、第1ベルト11の一端部(反転軸16の位置)から、仮接着されたラベル帯状体8の先頭ラベル1の先端部1y(重ね合わせ部分1x以外の領域)が突出させた状態をいう。
【0040】
尚、初期動作状態の設定は、例えば、以下のように、制御部50がセンサ(図示せず)からの検知信号に基づいて装置を制御して設定するようにしても良い。この場合、第1ベルト11の一端部(反転軸16の位置)の近傍にセンサを設置する。このセンサは、第1ベルト11の一端部(反転軸16の位置)からラベル1が所定量突出すると、制御部50に検知信号を送信する。制御部50は、図示しないセンサから、前記検知信号を受信すると、第1ベルト11の動作を停止させる。これにより、ラベル貼付装置が初期動作状態に設定される。尚、初期動作状態のときには、ラベル移動機構30の移動体31は、
図2(a)に示すホームポジション(第1ベルト11の外側であって、且つ第1反転軸16近傍の位置)に配置されている。
【0041】
次に、ユーザは、操作部60を操作して運転要求を入力すると、
図2(a)、(b)に示すように、ラベル移動機構30の移動体31は、ホームポジションから第2ベルト機構20のガイド軸22に向けて移動を開始する。この運転要求の入力により、第2ベルト機構20及び被着体Wを移動させるベルトコンベア200も動作を開始する。尚、第1ベルト機構10は、移動体31がラベル1を剥がして第2ベルト機構20に、ラベル1を移送している際、停止した状態に制御されている。
【0042】
具体的には、移動体31は、爪部31bのテーパ状の前端部31b1で、第1ベルト11から剥がれて突出しているラベル先端部1yの裏面を引っかけるように押圧する。また、移動体31は、爪部31bの前端部31b1でラベル先端部1yの裏面を引っかけて、第2ベルト機構20に向けて(X方向に)移動しながら、カム機構34により、ラベル1の先端部1yと当接する位置から第1ベルト11のラベル接着面と離間する方向(
図2に示すY方向)に動作する。これにより、移動体31の爪部31bに引っかけられたラベル1は、その表裏面を反転させながら第1ベルト11から剥がれていく。また、
図3(a)、(b)に示すように、ラベル1は、第1ベルト11から剥がれながら表裏面が反転する際、その裏面が爪部31bの側面31b2と接触する。これにより、ラベル1は、移動体31の爪部31bの側面31b2に仮接着され、第2ベルト機構20まで運ばれていく。
【0043】
ここで、第1ベルト11から移動体31に移転するラベル1の動作について
図4を参照しながら説明する。移動体31は、移動を開始すると、先ず、爪部31bの前端部31b1が、第1ベルト11から剥がれて突出しているラベル先端部1yの裏面(接着層4)に当接する(
図4(a)参照)。この段階において、ラベル1は、その裏面が第1ベルト11のラベル接着面に向いている(図中において上向き)。次に、移動体31は、ガイド軸22に向けて移動しながら、カム機構34により「第1ベルト11のラベル接着面」から離間する方向に動作する。この移動動作により、第1ベルト11からラベル1が捲られ、
図4(b)に示すように、ラベル1の先端部1yは、爪部31bの前端の角部31b3を支点に表裏面が反転する。すなわち、ラベル1は、表面(オーバーコート層3)が第1ベルト11のラベル接着面側に向き(図中において上向き)、裏面(接着層4)が爪部31bの側面部31b2側に向く。また、上記の反転動作の際、ラベル1は、角部31b3との当接部よりも後方側が、爪部31bの側面部31b2に向け付勢され、その後方側の裏面が爪部31bの側面31b2に当接し仮接着する。具体的には、
図4(c)に示すように、ラベル1は、第1ベルト11から剥がれていく際、第1ベルト11と爪部31bとの間で屈曲するため、その応力により爪部31bの側面部31b2に向けて付勢される(図中の下向きの矢印方向に付勢される)。これにより、ラベル1を、爪部31bの側面部31b2に確実に仮接着させることができる。また、爪部31bに引っ張られているラベル1は、その裏面に接着している後方ラベル1に対して、接着面と平行方向(図中の矢印A方向)の荷重を受ける。そして、その裏面(接着層)に接着している後方ラベル1は、表面にオーバーコート層3が形成されているため、図中の矢印A方向の荷重により、簡単に剥がれるようになっている。尚、
図4(c)に示すように、角部31b3との当接部よりも前方のラベル1の端部1y1は、爪部31bの前端部から前方に突出する。その後、ラベル1は、移動体31により、爪部31bの前端部から前方に、ラベル1の端部1y1が突出された状態で保持され、第2ベルト機構20まで移送される。
【0044】
そして、
図5(a)に示すように、移動体31は、爪部31bの側面31b2で保持しているラベル1を、第2ベルト機構20のガイド軸22と、押圧ローラ24との間の第2ベルト21に当接(仮接着)させる。具体的には、移動体31は、ガイド軸22に向けての移動することにより、爪部31bの前端部から前方に突出させたラベル1の端部1y1を、ガイド軸22と、押圧ローラ24との間に挿入するようになっている。これにより、移動体31が保持しているラベル1の端部1y1の裏面が第2ベルト21の外側面に当接し、その当接したラベル1が第2ベルト21と共に、ガイド軸22及び押圧ローラ24に挟持され、ラベル1の端部1y1が第2ベルト21に仮接着される。このときに、第2ベルト21は、連続的に移動しているため、第2ベルト21に仮接着されたラベル1の端部1y1より後方のラベル1が、第2ベルト21に引っ張られ、ガイド軸22と押圧ローラ24とに挟持されながら、移動体31から離れ第2ベルトに移動していく。
【0045】
尚、本実施形態では、移動体31に板状の振動防止部材31cが設けられており、これにより、移動体31の移動中における振動が防止され、移動体31がスムーズに動作するようになっている。その結果、移動体31は、ガイド軸22と、押圧ローラ24との間の第2ベルト21の位置まで、高精度にラベル1を運ぶことができる。また、振動防止部材31cにより、第1ベルト11上に残っているラベル1が、移動体31で移送しているラベルと共に剥がれることが防止される。
【0046】
また、移動体31は、
図5(b)に示すように、第2ベルト21にラベル1を移動させると、上述したホームポジションに戻っていく。尚、第1ベルト機構10は、移動体31がホームポジションに戻る最中に、第1駆動部13を間欠動作させ、ラベル1の先端部1yの距離だけ(
図9(b)参照)、第1ベルト11を移動させる。これにより、移動体31がホームポジションに戻ったときには、
図2(a)の状態になっている。以後、第1ベルト機構10及びラベル移動機構30は、上記動作を繰り返して、第1ベルト11から、1枚ずつラベル1を剥がし、第2ベルト21にラベル1を移動させていく。
【0047】
また、上記のようにラベル移動機構30により1枚ずつ剥がされ、第2ベルト21に移動したラベル1は、
図6に示すように、第2ベルト機構20の第2ベルト21に、1枚ずつ所定間隔を開けて仮接着された状態となる。この状態で、ラベル1は、第2反転軸23に向けて移動していく。尚、第2ベルト21に仮接着されるラベル1の間隔は、ベルトコンベア200を移動する被着体Wの間隔に合わされている。
【0048】
そして、
図7に示すように、第2ベルト21に仮接着されたラベル1は、第2ベルト21と共に移動し、第2反転軸23の位置で、先頭を移動するラベル1から第2ベルト21より剥がれていき、その剥がれたラベル1が第2ベルト21から押し出されて突出していく。また、第2ベルト21から突出したラベル1の裏面がベルトコンベア200の上を移動してくる被着体Wに接着し、この状態で被着体Wが移動することで被着体Wにラベル1を貼り付けられる。この際、ラベル1は、ベルトコンベア200の上を移動する被着体Wから引っ張れる力に加え、第2ベルト21により押し出されていくため、第2ベルト21からのラベル1の剥離不良が防止される。また、第2ベルト21には、ラベル1が1枚ずつ仮接着されているため、上述した
図10の従来技術のような、押さえ機構が不要になり、装置が複雑化することもない。
【0049】
また、本実施形態では、ベルトコンベア200の進行方向と、第2反転軸22に向けて移動する第2ベルト21の進行方向とが同じ向き(反対方向でなない方向)になっている。このように構成することにより、被着体Wにラベル1を貼付ける際に、ラベル1が表裏の向きを反転させる必用がなくなるため、ラベル1を正確な貼付位置に貼り付けることができる。また、本実施形態では、第2ベルト21の移動速度と、ベルトコンベア200の移動速度とが同速度になるように設定されている。このように構成することにより、被着体Wとラベル1との間に空気が入ることを防ぐことができ、貼付されるラベル1にしわが生じることが防止される。
【0050】
以上、説明したように本実施形態によれば、離型紙を用いないラベルを複数連結して帯状に形成したラベル帯状体からラベルを剥がし、被着体に高精度にラベルを貼り付けるラベル貼付装置を提供することができる。
【0051】
尚、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内において種々の変形が可能である。
【0052】
例えば、上述した実施形態において、
図8に示すように、第1ベルト11の外側の位置であり、且つ第1反転軸16の近傍にエアノズル70を設置するようにしてもよい。このエアノズル70には、制御部50からの制御信号に応じて空気を噴射するエアポンプ(図示せず)が接続されている。そして、ラベル移動機構30の移動体31が、ホームポジションから第2ベルト機構20に向けて移動を開始する前に、制御部50がエアポンプを駆動させてエアノズル70から空気を噴射させるようにすれば、先端部1yの裏面(接着層)を円弧状に反った状態にしておくことができ、移動体31の爪部31bがより確実にラベル1の裏面を押圧することができる。