【実施例1】
【0021】
先ず、実施例の構成について説明する。
【0022】
図1は、実施例1の屋根構造を備えた建物Bの概略構成を示している。
【0023】
この実施例1の屋根構造は、
図2に示したように、陸屋根部1の端面と傾斜屋根部2の端面とが連続する屋根構造である。
【0024】
ここで、陸屋根部1の軒部の化粧部材3の端面には、略水平な追加化粧部材4が設けられている。
【0025】
さらに、追加化粧部材4の端面には、傾斜屋根部2の軒部の傾斜部化粧部材5が設けられている。
【0026】
この傾斜部化粧部材5には、追加化粧部材4と材軸方向に対して垂直に切った部材断面が略同一のものが用いられている。
【0027】
そして、追加化粧部材4の端面と傾斜部化粧部材5の端面とは略線対称に形成され接続されている。
【0028】
また、傾斜部化粧部材5は、
図1に示したように、長手方向に分割された分割部材5a,5b,・・・から成る。
【0029】
さらに、追加化粧部材4と追加化粧部材と連続する部分の分割部材5aとは、
図3に示したように、工場等で予め接続され、接続部構成部材6として加工されている。
【0030】
具体的には、この接続部構成部材6は、同一の型枠で形成した、追加化粧部材4と、分割部材5aとを、リベット止めなどで接続して成る。
【0031】
なお、分割部材5b,・・・も同一の型枠を用いて形成されている。
【0032】
図4に示した屋根構造は、
図2に示した屋根構造よりも傾斜屋根部2の勾配を緩やかにした場合のものであり、追加化粧部材4の端面と傾斜部化粧部材5の端面の切り口角度が異なる以外は、略同様にして実施することができる。
【0033】
なお、この
図4に示した屋根構造における追加化粧部材4及び傾斜部化粧部材5も、
図2に示した屋根構造と同一の型枠により形成されている。
【0034】
次に、実施例1の作用効果について説明する。
【0035】
このような実施例1の屋根構造は、陸屋根部1の端面と傾斜屋根部2の端面とが連続する屋根構造において、陸屋根部1の軒部の化粧部材3の端面に略水平な追加化粧部材4が設けられており、傾斜屋根部2の軒部の傾斜部化粧部材5として、追加化粧部材4と材軸方向に対して垂直に切った部材断面が略同一のものを用いており、陸屋根部1と傾斜屋根部2の軒部において、追加化粧部材4の端面と傾斜部化粧部材5の端面とが、略線対称に形成され接続された構成とされている。
【0036】
こうした構成なので、
図1に示した傾斜屋根部2が急勾配の屋根構造や
図2に示した傾斜屋根部2が緩勾配の屋根構造のように、傾斜屋根部2の傾斜が異なっていても、傾斜屋根部2の軒部の傾斜部化粧部材5として材軸方向に対して垂直に切った部材断面が略同一のものを用いることができる。
【0037】
特に、傾斜部化粧部材5を押出成形方法で製造する場合では、様々なケースでも同一の型枠を用いることができる。
【0038】
ここで、傾斜部化粧部材5が長手方向に分割された分割部材5a,5b,・・・から成り、追加化粧部材4と連続する部分の分割部材5aが工場等で予め接続された接続部構成部材6とされている。
【0039】
このため、現場において、追加化粧部材4と傾斜部化粧部材5とが連続する部分の接続作業を省略することができ、施工性が良い。
【0040】
また、追加化粧部材4と傾斜部化粧部材5とは、同一の型枠を用いて形成されている。
【0041】
このため、別々の型枠を用意する必要が無く、その分、低コストで実施することができる。
【実施例2】
【0042】
次に、実施例2について説明する。
【0043】
なお、上記実施例1で説明した内容と同一乃至均等な部分の説明については同一符号を付して説明する。
【0044】
図5は、実施例2の屋根構造の概略構成を示している。
【0045】
この実施例2の屋根構造では、
図6に示した接続部構成部材6を用い、軒換気構造の換気口7が形成されていることが上記実施例1の屋根構造と主に異なる。
【0046】
すなわち、この
図6に示した接続部構成部材6は、追加化粧部材4が、上側部分4aと下側部分4bとから成り、これらの間隔をあけた部分と化粧部材3の下縁部とにより換気口7が形成されているので、軒換気構造の換気口を容易に形成することができる。
【0047】
勿論、追加化粧部材4の上側部分4a及び下側部分4bも、傾斜部化粧部材5と同一の型枠を用いて形成することができる。
【0048】
なお、他の構成及び作用効果については、上記実施例1と略同様であるので説明を省略する。
【0049】
以上、図面を参照して、本発明を実施するための形態を実施例1,2に基づいて詳述してきたが、具体的な構成は、これら実施例1,2に限らず、本発明の要旨を逸脱しない程度の設計的変更は、本発明に含まれる。
【0050】
例えば、上記した実施例1,2では、笠木を有する形状の化粧部材3を用いて実施したが、これに限定されず、他の形状の化粧部材3を用いて実施してもよい。
【0051】
また、上記した実施例1,2では、略同一のディテールを有する形状の追加化粧部材4及び傾斜部化粧部材5を用いて実施したが、これに限定されず、他のディテールを有する形状の追加化粧部材4及び傾斜部化粧部材5を用いて実施してもよい。
【0052】
さらに、上記した実施例1,2では、傾斜屋根部2の勾配を略同一にして実施したが、これに限定されず、他の勾配にして実施してもよい。