特許第5996498号(P5996498)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5996498
(24)【登録日】2016年9月2日
(45)【発行日】2016年9月21日
(54)【発明の名称】油圧ショベルの作業装置
(51)【国際特許分類】
   E02F 3/36 20060101AFI20160908BHJP
【FI】
   E02F3/36 C
【請求項の数】3
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-173399(P2013-173399)
(22)【出願日】2013年8月23日
(65)【公開番号】特開2015-40455(P2015-40455A)
(43)【公開日】2015年3月2日
【審査請求日】2015年2月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005522
【氏名又は名称】日立建機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001829
【氏名又は名称】特許業務法人開知国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100077816
【弁理士】
【氏名又は名称】春日 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100156524
【弁理士】
【氏名又は名称】猪野木 雄一
(72)【発明者】
【氏名】今井 浩登
(72)【発明者】
【氏名】石井 芳明
(72)【発明者】
【氏名】吉益 宏次
【審査官】 竹村 真一郎
(56)【参考文献】
【文献】 登録実用新案第3054322(JP,U)
【文献】 特開2006−328848(JP,A)
【文献】 特開2000−038740(JP,A)
【文献】 実開昭52−105305(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02F 3/28−3/413
E02F 9/00−9/18,9/24−9/28
F16L 3/00−3/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部旋回体の前側に設けられたスイングポストに回動可能に連結されたブームと、前記ブームの先端側に回動可能に連結されたアームと、前記アームの先端側に回動可能に連結され、油圧アクチュエータが付設された作業具と、ボトム側が前記アームの基端側にピン結合された作業具用シリンダと、一端側が前記作業具用シリンダのロッド側にピン結合されるとともに、他端側が前記アームの先端側にピン結合された第1のリンクと、一端側が前記作業具用シリンダのロッド側にピン結合されるとともに、他端側が前記作業具側に連結された第2のリンクと、前記アームから前記作業具にかけて配設され、前記油圧アクチュエータに圧油を給排する可撓性の油圧ホースと、前記第1のリンクの外面側に設けられ、前記油圧ホースが挿通するホースガイドと、を備えた油圧ショベルの作業装置において、
前記ホースガイドは、
一方の固定端側が前記第1のリンクの外面に取り付けられ、他方の自由端側が前記第1のリンクの他端側のピン上を通過するように延在する支持プレートと、
前記支持プレート上に設けられ、前記油圧ホースが前記第1のリンクの他端側のピン上を通過するように、かつ前記油圧ホースが前記第1のリンクの他端側のピンと干渉しないように、前記油圧ホースが挿通する第1のガイド部と、を有することを特徴とする油圧ショベルの作業装置。
【請求項2】
請求項1記載の油圧ショベルの作業装置において、
前記第1のガイド部は、略Uの字状に形成されてその端部が前記支持プレート上に接合されており、前記第1のガイド部の両端部の間に第2のガイド部が接続されており、前記第1のガイド部と前記第2のガイド部の間に前記油圧ホースが挿通するように構成されたことを特徴とする油圧ショベルの作業装置。
【請求項3】
請求項1記載の油圧ショベルの作業装置において、
前記ホースガイドは、前記第1のガイド部に挿通する複数の前記油圧ホースのうちの少なくとも1つが前記第1のリンクの他端側のピン上を通過するように、かつ前記複数の油圧ホースが前記第1のリンクの他端側のピンと干渉しないように構成されたことを特徴とする油圧ショベルの作業装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、油圧ショベルに係わり、特に、油圧アクチュエータが付設された作業具を備えた作業装置に関する。
【背景技術】
【0002】
油圧ショベルは、下部走行体と、この下部走行体上に旋回可能に設けられた上部旋回体と、この上部旋回体に俯仰可能(言い換えれば、上下方向に回動可能)に設けられた多関節型の作業装置とを備えている。作業装置は、ブームと、このブームの先端側に回動可能に連結されたアームと、このアームの先端側に回動可能に連結された作業具と、ブーム、アーム、及び作業具をそれぞれ回動させるブーム用シリンダ、アーム用シリンダ、及び作業具用シリンダとを備えている。
【0003】
作業具用シリンダのボトム側は、アームの基端側にピン結合され、作業具用シリンダのロッド側は、第1のリンクの一端側及び第2のリンクの一端側にピン結合されている。第1のリンクの他端側は、アームの先端側にピン結合され、第2のリンクの他端側は、作業具にピン結合されている。作業具は、アームの先端側にピン結合されている。そして、例えば作業具用シリンダが伸長すると、第1のリンクがアームの先端側に回動するとともに、第2のリンクがアームの先端側に移動して、作業具が一方側に回動する。また、例えば作業具用シリンダが縮短すると、第1のリンクがアームの基端側に回動するとともに、第2のリンクがアームの基端側に移動して、作業具が反対側に回動するようになっている。
【0004】
一般的に、標準装備の作業具として、油圧アクチュエータが付設されていないバケットを取付けている。このバケットに代えて、油圧アクチュエータが付設された作業具を取付け可能としている。また、作業具の油圧アクチュエータに圧油を給排するための油圧配管がブーム及びアームに沿うように設けられている。そして、油圧アクチュエータが付設された作業具を取付ける場合は、アーム側の配管継手と作業具側の配管継手の間で油圧ホースを接続するようになっている。
【0005】
ここで、前述した油圧ホースの途中部位がフリーである場合は、圧油の流動抵抗などにより、油圧ホースの途中部位が揺動して作業具等に衝突又は摺動する可能性がある。そこで、例えば、第1リンクの外面側にホースガイドを設け、このホースガイドに油圧ホースの途中部位を挿通することが提唱されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2000−110198号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記従来技術には以下のような改善の余地がある。すなわち、特許文献1に記載のホースガイドは、油圧ホースが第1のリンクの他端側(アーム側)のピン上を通過しないように構成されている。そのため、油圧ホースが第1のリンクの他端側のピン上を通過するように構成された場合と比較すれば、第1リンクの回動に伴う油圧ホースの移動量が大きくなる。それ故、油圧ホースを長めにとる必要があり、油圧ホースのたるみが大きくなる。ここで、例えば林業や解体工事等の現場では、油圧ショベルの周囲すなわちアームの周囲に障害物が存在する。そして、油圧ホースのたるみが大きければ、油圧ホースが現場の障害物に引っ掛かりやすくなる。かといって、油圧ホースのたるみを小さくするため、油圧ホースが第1のリンクの他端側のピン上を通過するように構成すれば、油圧ホースとピンの干渉が懸念される。
【0008】
本発明の目的は、油圧ホースとピンの干渉を防止しつつ、油圧ホースのたるみを小さくでき、油圧ホースが現場の障害物に引っ掛かるのを抑えることができる油圧ショベルの作業装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明は、上部旋回体の前側に設けられたスイングポストに回動可能に連結されたブームと、前記ブームの先端側に回動可能に連結されたアームと、前記アームの先端側に回動可能に連結され、油圧アクチュエータが付設された作業具と、ボトム側が前記アームの基端側にピン結合された作業具用シリンダと、一端側が前記作業具用シリンダのロッド側にピン結合されるとともに、他端側が前記アームの先端側にピン結合された第1のリンクと、一端側が前記作業具用シリンダのロッド側にピン結合されるとともに、他端側が前記作業具側に連結された第2のリンクと、前記アームから前記作業具にかけて配設され、前記油圧アクチュエータに圧油を給排する可撓性の油圧ホースと、前記第1のリンクの外面側に設けられ、前記油圧ホースが挿通するホースガイドと、を備えた油圧ショベルの作業装置において、前記ホースガイドは、一方の固定端側が前記第1のリンクの外面に取り付けられ、他方の自由端側が前記第1のリンクの他端側のピン上を通過するように延在する支持プレートと、前記支持プレート上に設けられ、前記油圧ホースが前記第1のリンクの他端側のピン上を通過するように、かつ前記油圧ホースが前記第1のリンクの他端側のピンと干渉しないように、前記油圧ホースが挿通する第1のガイド部と、を有する
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、油圧ホースとピンの干渉を防止しつつ、油圧ホースのたるみを小さくでき、油圧ホースが現場の障害物に引っ掛かるのを抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の第1の実施形態における油圧ショベルの全体構造を表す側面図であり、グラップルが後側に回動した状態を示す。
図2】本発明の第1の実施形態における油圧ショベルの作業装置の構造を表す部分拡大側面図であり、グラップルが後側に回動した状態を示す。
図3図2中断面III−IIIによる断面図である。
図4】本発明の第1の実施形態における油圧ショベルの作業装置の構造を表す部分拡大側面図であり、グラップルが前側に回動した状態を示す。
図5】本発明の第1の実施形態における油圧ショベルの作業装置の構造を表す部分拡大斜視図であり、グラップルが前側に回動した状態を示す。
図6】本発明の第2の実施形態における油圧ショベルの作業装置の構造を表す部分拡大斜視図であり、グラップルが前側に回動した状態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の第1の実施形態を、図1図4により説明する。
【0013】
図1は、本実施形態における油圧ショベルの全体構造を表す側面図である。図2は、本実施形態における油圧ショベルの作業装置の構造を表す部分拡大側面図である。図3は、図2中断面III−IIIによる断面図である。これら図1図3においては、グラップルが後側に回動した状態を示す。図4及び図5は、本実施形態における油圧ショベルの作業装置の構造を表す部分拡大側面図及び部分拡大斜視図であり、グラップルが前側に回動した状態を示す。なお、油圧ショベルが図1に示す状態にて運転者が運転席に着座した場合における運転者の前側(図1中左側)、後側(図1中右側)、左側(図1中紙面に向かって手前側)、右側(図1中紙面に向かって奥側)を、単に、前側、後側、左側、右側と称する。
【0014】
本実施形態の油圧ショベルは、機械質量6トン未満のミニショベルである。この油圧ショベルは、クローラ式の下部走行体1と、この下部走行体1上に旋回可能に設けられた上部旋回体2と、この上部旋回体2に設けられた運転室3と、上部旋回体2の前側にスイングポスト4を介し連結された多関節型の作業装置5とを備えている。
【0015】
スイングポスト4は、上部旋回体2の前側に左右方向に回動可能に設けられている。そして、スイング用シリンダ(図示せず)の駆動によってスイングポスト4が左右方向に回動し、これによって作業装置5が左右方向に回動するようになっている。
【0016】
作業装置5は、スイングポスト4に上下方向に回動可能に連結されたブーム6と、このブーム6の先端側に上下方向に回動可能に連結されたアーム7と、このアーム7の先端側に上下方向に回動可能に連結されたグラップル8(作業具)と、ブーム6、アーム7、及びグラップル8をそれぞれ回動させるブーム用シリンダ9、アーム用シリンダ10、及び作業具用シリンダ11とを備えている。
【0017】
作業具用シリンダ11のボトム側(図2及び図4中上側)は、ピン12を介してアーム7の基端側に結合され、作業具用シリンダ11のロッド側(図2及び図4中下側)は、ピン13を介してリンク14A,14Bの一端側及びリンク15A,15Bの一端側に結合されている。リンク14A,14Bの他端側は、ピン16を介してアーム7の先端側に結合され、リンク15A,15Bの他端側は、ピン17を介してグラップル8に結合されている。グラップル8は、ピン18を介してアーム7の先端側に結合されている。
【0018】
そして、例えば作業具用シリンダ11が伸長すると、リンク14A,14Bがアーム7の先端側に回動するとともに、リンク15A,15Bがアーム7の先端側に移動して、グラップル8がピン18を中心として後側に回動する(図1及び図2参照)。また、例えば作業具用シリンダ11が縮短すると、リンク14A,14Bがアーム7の基端側に回動するとともに、リンク15A,15Bがアーム7の基端側に移動して、グラップル8がピン18を中心として前側に回動するようになっている(図4及び図5参照)。
【0019】
グラップル8は、アーム7の先端側及びリンク15A,15Bの他端側に連結された上部フレーム19と、この上部フレーム19に旋回輪(旋回軸受)20を介して旋回可能に設けられた下部フレーム21と、この下部フレーム21にピン22Aを介して回動可能に設けられた爪23Aと、下部フレーム21にピン22Bを介して回動可能に設けられた爪23Bとを備えている。また、図示しないが、下部フレーム21を旋回させることで爪23A,23Bを旋回させる爪旋回用油圧モータと、爪23A,23Bを開閉させる爪開閉用油圧シリンダとを備えている。
【0020】
アーム7の左側面には、爪旋回用油圧モータに圧油を給排するための3つの油圧配管24A,24B,24C(1つのドレン用油圧配管を含む)が設けられており、これら油圧配管24A,24B,24Cに継手25A,25B,25Cがそれぞれ設けられている。そして、アーム7側の継手25Aとグラップル8側の継手(図示せず)の間で油圧ホース26Aが接続され、アーム7側の継手25Bとグラップル8側の継手(図示せず)の間で油圧ホース26Bが接続され、アーム7側の継手25Cとグラップル8側の継手(図示せず)の間で油圧ホース26Cが接続されている。
【0021】
図示しないが、アーム7の右側面には、爪開閉用油圧シリンダに圧油を給排するための2つの油圧配管24D,24Eが設けられており、これら油圧配管24D,24Eに継手25D,25Eがそれぞれ設けられている。そして、アーム7側の継手25Dとグラップル8側の継手の間で油圧ホース26Dが接続され、アーム7側の継手25Eとグラップル8側の継手の間で油圧ホース26Eが接続されている。
【0022】
なお、グラップル8に代えて、例えば油圧アクチュエータが付設されていないバケット等を取付ける場合は、継手25A〜25Eから油圧ホース26A〜26Eを取外し、継手25A〜25Eにプラグを取付けるようになっている。
【0023】
リンク14Aの外面側にはホースガイド27Aが取付けられており、このホースガイド27Aに油圧ホース26A〜26Cが挿通するようになっている。ホースガイド27Aは、支持部(支持プレート)28及びガイド部29,30を有している。ホースガイド27Aの支持部28は、リンク14Aの外面側の取付座31にボルト32を用いて取付けられ、片持ち支持されるようになっている。また、支持部28は、ピン16と干渉しないように段差を形成するとともに、ピン16上(詳細には、ピン16をその軸方向に投影した領域)を通過するように延在している。ガイド部29は、断面円形状の部材が略Uの字状に曲成されており、その両端部が支持部28上に接合されている。ガイド部30は、ガイド部29の両端部の間で接続されている。そして、ホースガイド27Aのガイド部29とガイド部30の間に油圧ホース26A,26B,26Cが挿通することで、図示のように少なくとも1つの油圧ホース26Aがピン16上を通過するように、かつ油圧ホース26A,26B,26Cがピン16と干渉しないように構成されている。
【0024】
図示しないが、リンク14Bの外面側にはホースガイド27Bが取付けられており、このホースガイド27Bに油圧ホース26D,26Eが挿通するようになっている。ホースガイド27Bは、ホースガイド27Aと同様、支持部(支持プレート)28及びガイド部29,30を有している。ホースガイド27Bの支持部28は、リンク14Bの外面側の取付座31にボルト32を用いて取付けられ、片持ち支持されるようになっている。そして、ホースガイド27Bのガイド部29とガイド部30の間に油圧ホース26D,26Eが挿通することで、少なくとも1つの油圧ホース26Dがピン16上を通過するように、かつ油圧ホース26D,26Eがピン16と干渉しないように構成されている。
【0025】
以上のように構成されたホースガイド27A,27Bにより、油圧ホース26A〜26Eとピン16の干渉を防止することができる。また、油圧ホース26A,26Dがピン16上を通過するように構成されているので、油圧ホース26A,26Dがピン16上を通過しないように構成された場合と比較すれば、リンク14A,14Bの回動に伴う油圧ホース26A,26Dの移動量が小さくなる。また、油圧ホース26B,26C,26Eもピン16の近傍を通過するように構成されているので、油圧ホース26B,26C,26Eの移動量も小さくなる。これにより、油圧ホース26A〜26Eを長めにとる必要がなくなり、油圧ホース26A〜26Eのたるみを小さくできる。したがって、油圧ホース26A〜26Eが現場の障害物に引っ掛かるのを抑えることができる。
【0026】
本発明の第2の実施形態を、図6により説明する。なお、本実施形態において、上記第1の実施形態と同等の部分は同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0027】
図6は、本実施形態における油圧ショベルの作業装置の構造を表す部分拡大斜視図であり、グラップルが前側に回動した状態を示す。
【0028】
本実施形態では、リンク14Aの外面側にはホースガイド33Aが取付けられており、このホースガイド33Aに油圧ホース26A〜26Cが挿通するようになっている。ホースガイド33Aは、支持部(支持プレート)34及びガイド部35を有している。ホースガイド33Aの支持部34は、リンク14Aの外面側の取付座31にボルト32を用いて取付けられ、片持ち支持されるようになっている。ガイド部35は、断面円形状の部材が略Pの字状に曲成されており、その両端部が支持部34上に接合されている。また、ガイド部35は、ピン16上を通過するように延在している。そして、ホースガイド33Aのガイド部35に油圧ホース26A,26B,26Cが挿通することで、図示のように少なくとも1つの油圧ホース26Aがピン16上を通過するように、かつ油圧ホース26A,26B,26Cがピン16と干渉しないように構成されている。
【0029】
図示しないが、リンク14Bの外面側にはホースガイド33Bが取付けられており、このホースガイド33Bに油圧ホース26D,26Eが挿通するようになっている。ホースガイド33Bは、ホースガイド33Aと同様、支持部(支持プレート)34及びガイド部35を有している。ホースガイド33Bの支持部34は、リンク14Bの外面側の取付座31にボルト32を用いて取付けられ、片持ち支持されるようになっている。そして、ホースガイド33Bのガイド部35に油圧ホース26D,26Eが挿通することで、少なくとも1つの油圧ホース26Dがピン16上を通過するように、かつ油圧ホース26D,26Eがピン16と干渉しないように構成されている。
【0030】
以上のように構成された本実施形態においても、上記第1の実施形態と同様、油圧ホース26A〜26Eとピン16の干渉を防止しつつ、油圧ホース26A〜26Eのたるみを小さくでき、油圧ホース26A〜26Eが現場の障害物に引っ掛かるのを抑えることができる。
【0031】
なお、上記第1及び第2の実施形態においては、作業具として、油圧アクチュエータが付設されたグラップル8を例にとって説明したが、これに限られず、本発明の趣旨及び技術思想を逸脱しない範囲内で変形が可能である。すなわち、例えば油圧アクチュエータが付設された破砕機又は草刈機でもよい。これらの場合も、上記同様の効果を得ることができる。
【0032】
また、上記第1及び第2の実施形態においては、作業具に油圧モータ及び複動式の油圧シリンダが付設されているため、各ホースガイドに対して複数の油圧ホースが挿通する場合を例にとって説明したが、これに限られず、本発明の趣旨及び技術思想を逸脱しない範囲内で変形が可能である。すなわち、例えば、作業具に油圧モータ及び複動式の油圧シリンダのうちの一方だけが付設されるか、若しくは単動式の油圧シリンダが付設されているのであれば、1つのホースガイドに対して1つの油圧ホースが挿通してもよい。このホースガイドは、1つの油圧ホースがピン16上を通過するように、かつ1つの油圧ホースがピン16と干渉しないように構成されていればよい。この場合も、上記同様の効果を得ることができる。
【0033】
また、上記第1及び第2の実施形態においては、スイング式の油圧ショベルであって、作業装置5がスイングポスト4を介し上部旋回体2の前側に連結された場合を例にとって説明したが、これに限られず、本発明の趣旨及び技術思想を逸脱しない範囲内で変形が可能である。すなわち、例えばオフセット式の油圧ショベルであってもよい。詳しく説明すると、ブームをロアブームとアッパーブームで構成し、ロアブームに対してアッパーブームを左右方向に回動するオフセット用シリンダを備えてもよい。この場合も、上記同様の効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0034】
5 作業装置
6 ブーム
7 アーム
8 グラップル(作業具)
11 作業具用シリンダ
14A,14B リンク(第1のリンク)
15A,15B リンク(第2のリンク)
16 ピン
26A〜26E 油圧ホース
27A,27B ホースガイド
28 支持部
29 ガイド部(第1のガイド部)
30 ガイド部(第2のガイド部)
33A,33B ホースガイド
34 支持部
35 ガイド部
図1
図2
図3
図4
図5
図6