(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態の投票データ預かり装置としてのキャッシュレス端末100の機能ブロック図であり、
図2は、本実施形態のトータリゼータシステム全体の構成例を示すシステム構成図であり、
図3は、
図2中の投票予約データテーブル700a,700bの例を示す図であり、
図4は、
図2中のキャッシュレス端末100の外観の概略を示す図であり、更に、
図5は、
図4のキャッシュレス端末100の概略の構成を示すブロック図である。
【0017】
先ず、本実施形態のトータリゼータシステムについて
図2〜
図5を用いて説明する。
図2において、トータリゼータシステムは、投票データ預かり装置としての複数のキャッシュレス端末100(=100−1、100−2、100−3、100−4、・・)、入金精算機400、及び投票券発券装置400Aと、管理PC600と、サーバとしての投票所管理端末700と、がネットワーク300及びハブ500を介してホストコンピュータで構成された管理装置200に接続されて構成されている。
【0018】
キャッシュレス端末100は、入金精算機400により現金がチャージされた会員カードにより投票を行う装置である。
【0019】
入金精算機400は、現金による投票券の購入、的中投票券の払い戻し、会員カードによる的中払戻金あるいは残金の精算、及び会員カードへの現金のチャージを行う装置である。投票券発券装置400Aは、現金による投票券の購入、及び的中投票券の払戻しを行う装置である。
【0020】
管理PC600は、電子ジャーナルの蓄積及び被管理キャッシュレス端末情報の通知を行う装置である。投票所管理端末700は、複数のキャッシュレス端末100のサーバとして機能を有しており、会員ID及び予約IDにそれぞれ対応付けされた投票予約データを保存すると共に、会員ID及び予約IDから対応する投票予約データを呼び出せる投票予約データテーブル700a,700bを有している。
【0021】
管理装置200は、ネットワーク300及びハブ500を介して接続されている複数のキャッシュレス端末100、入金精算機400、及び投票券発券装置400A等からなるトータリゼータシステム全体を管理する装置である。
【0022】
図3(a)は、会員カードによる投票で投票予約が行われた場合の投票予約データテーブル700aの例を示し、
図3(b)は、現金による投票で投票予約された場合の投票予約データテーブル700bの例を示している。
図3(a)の投票予約データテーブル700aでは、会員カードに付与されている会員IDに紐付けされた投票予約データが保存されている。ここでは、会員IDが投票予約に対応した予約IDとなる。
図3(b)の投票予約データテーブル700bでは、現金購入で投票予約券が発券される際に、投票予約券毎に付与される予約IDに紐付けされた投票予約データが保存されている。ここでは、投票予約券毎に付与される予約IDが投票予約に対応した予約IDとなる。ファンが、投票予約データが保存されている会員カード又は投票予約券で投票を行う場合、投票予約データテーブル700a又は700bから会員ID又は予約IDに紐付けされた投票予約データが読み出され、読み出された投票予約データにより投票の処理が行われる。
【0023】
図4において、キャッシュレス端末100は、ICカードリーダ110、投票カード投入排出口104、ディスプレイ108、タッチパネル109、及びレシート排出口103を備えている。ICカードリーダ110は、会員カードに記憶された情報を読み取るものであり、入金部に相当する。投票カード投入排出口104は、投票内容が記入された投票カードを投入及び排出するものであり、投票入力部に相当する。
【0024】
ディスプレイ108は、投票予約データの選択画面やファンに選択してもらう優先条件を表示するものであり、その他、操作案内、レース案内、投票カードの投票内容等の情報を表示する。ディスプレイ108は、例えば、液晶ディスプレイである。ディスプレイ108の上部には、タッチパネル109が配置されている。
【0025】
タッチパネル109は、各種の入力や投票内容の修正等の際に、ファンが操作するものである。タッチパネル109は、透過型であり、ディスプレイ108により表示された情報は、タッチパネル109を透過して、ファンから視認できるようになっている。ファンは、ディスプレイ108により表示された情報を見ながら、タッチパネル109に対するタッチ操作を行うことができる。タッチパネル109は、ファンがディスプレイ108の表示を見て、投票内容や優先条件を選択するものである。ディスプレイ108及びタッチパネル109により、表示選択手段が構成されている。
【0026】
図5において、キャッシュレス端末100は、制御部111、ディスプレイ108、タッチパネル109、ICカードリーダ110、投票カード読取ユニット114、レシートプリンタ117を備えている。
【0027】
制御部111は、中央演算装置(Central Processing Unit:以下「CPU」という。)120、ラム(Random Access Memory:以下「RAM」という。)121、コンパクトフラッシュ(登録商標)(以下「CF」という。)122、通信インタフェース123、グラフィック処理ユニット124、入出力インタフェース125を含み、各々がバス126を介して接続されている。尚、制御部111は、コンピュータの一例でもある。尚、CF122は、これに限定されず、ハードディスクドライブ(Hard Disk Drive:HDD)等でも良い。
【0028】
CPU120は、キャッシュレス端末100の全体動作を制御する。RAM121は、CPU120によって実行されるオペレティングシステム(Operating System:以下「OS」という。)のプログラムやアプリケーションプログラムの少なくとも一部を一時的に格納する。
【0029】
グラフィック処理ユニット124には、ディスプレイ108が接続されている。グラフィック処理ユニット124は、CPU120の制御の下に、各種の情報をディスプレイ108の画面に表示させる。入出力インタフェース125には、タッチパネル109、ICカードリーダ110、投票カード読取ユニット114、レシートプリンタ117が接続されている。
【0030】
入出力インタフェース125は、タッチパネル109、投票カード読取ユニット114、レシートプリンタ117、から送られてくる信号を、バス126を介してCPU120に送信する。また、入出力インタフェース125は、CPU120から送られてくる制御信号を、バス126を介して対応するユニット(タッチパネル109、ICカードリーダ110、投票カード読取ユニット114、レシートプリンタ117)へ送信する。
【0031】
ICカードリーダ110は、会員カードの会員ID、残金等を含む情報を読み取るものである。投票カード読取ユニット114は、投票カードから投票内容を読み取るユニットである。レシートプリンタ117は、投票内容を印字するプリンタである。
【0032】
尚、キャッシュレス端末100において、制御部111は、例えば、FPGA(Field Programmable Gate Array)やDSP(Digital Signal Processor)等のモジュールを含む構成とすることもできる。この場合、制御部111は、不揮発性メモリ、フラッシュメモリ、フラッシュメモリ型メモリカード等を含み、モジュールのファームウェアを記憶する。このように制御部111は、不揮発性メモリに記憶されているファームウェアを書き換えることにより、ファームウェアを更新することもできる。
【0033】
次に、
図2〜
図5を参照しつつ、
図1に基づいて本実施形態の投票データ預かり装置としてのキャッシュレス端末100の機能ブロックを説明する。
【0034】
実施形態のキャッシュレス端末100は、投票入力部1と、購入金額算出手段2と、入金部3と、投票部4とを有している。
【0035】
投票入力部1は、投票内容を入力するものであり、例えば、
図4中の投票カード投入排出口104、
図5中の投票カード読取ユニット114、CPU120等により構成されている。ファンが、投票する組み合わせを記入した投票カードを投票カード投入排出口104から入れると、投票カード読取ユニット114が投票カードに記入された投票内容を読み取って、この投票内容を購入金額算出手段2及び表示選択手段4cへ出力する。更に、前回入金不足で投票できなかった場合、ファンが、会員カードをICカードリーダ110にかざすと、投票入力部1は、例えば、投票所管理端末700内の投票予約データテーブル700a,700b等のメモリ領域に保存された会員IDに紐付けされた投票予約データを読み出し、読み出した投票予約データにおける投票内容を購入金額算出手段2及び表示選択手段4cへ出力する。ここで、投票予約データの保存領域は、投票所管理端末700内の投票予約データテーブル700a,700b等のメモリ領域に限定されず、例えば、管理装置200や管理PC600内の図示しないメモリ領域であっても良い。
【0036】
購入金額算出手段2は、入力された投票内容を全て投票する際の合計の購入金額を算出し、この購入金額の情報を投票部4へ出力するものである。購入金額算出手段2は、例えば、
図5中のCPU120により構成されている。
【0037】
キャッシュレス端末100における入金部3は、会員カードにより投票カードの内容の投票券を購入するために入金を行うものであり、ICカードリーダ110により読み取られる会員カードの残金が入金額に相当する。後述する入金精算機400及び投票券発券装置400Aにおける入金部3は、現金により入金を行うものである。キャッシュレス端末100における入金部3は、例えば、
図4中のICカードリーダ110、
図5中のCPU120等により構成されている。入金部3は、入金された入金額の情報を投票部4へ出力する。
【0038】
投票部4は、投票内容に対応する購入金額と入金額とを比較して、購入金額が入金額を超えるか否かを判定する判定手段4hを有している。判定手段4hの判定結果が、購入金額が入金額以下の場合は、投票処理部4bは、投票入力部1から入力された投票内容の投票をホストコンピュータに対して実行する。
【0039】
判定手段4hの判定結果が、購入金額が入金額を超える場合は、その旨の情報を表示選択手段4cへ出力する。表示選択手段4cは、投票入力部1から入力される投票内容と、判定手段4hから入力される情報とに基づいて、投票内容に対応する購入金額と、入金額と、現在の入金額でどの投票内容を優先して購入するかを示す優先条件とを、
図4中のディスプレイ108上に表示する。ファンが、ディスプレイ108上に表示された優先条件の1つを選択すると、選択された優先条件の情報が投票割付部4dへ出力される。ここで、優先条件の選択肢としては、出走が早いレースを優先する選択肢、購入金額以内で投票内容に応じて按分した投票券を購入する選択肢等が考えられる。
【0040】
投票割付部4dは、選択された優先条件に従って、投票処理部4bで行われる投票内容を決定すると共に、ファンが希望する投票内容から投票済みの内容を除いて投票予約の内容を決定し、投票内容及び投票予約の内容を投票処理部4b及び投票予約部4eへそれぞれ出力する。
【0041】
投票処理部4b及び投票予約部4eは、投票割付部4dから入力された内容に基づいて、それぞれ投票の実行及び投票予約データの保存を行う。投票予約データは、例えば、
図2中の投票所管理端末700内のメモリ領域の投票予約データテーブル700aに保存する。投票された投票内容及び保存された投票予約データの内容は、
図5中のレシートプリンタ117により印字され、
図4中のレシート排出口103から排出される。
【0042】
以上の構成のキャッシュレス端末100において、以下に本実施形態の動作を説明する。
【0043】
図6は、本実施形態のキャッシュレス端末100からの投票の処理を示すフローチャートであり、
図7は、投票予約データの選択画面の例を示す図である。
【0044】
先ず、
図1〜
図5及び
図7を参照しつつ、
図6のフローチャートに沿って、本実施形態の投票券購入の全体処理について説明する。
【0045】
処理が開始されると、ステップS1へ進む。ステップS1において、ICカードリーダ110により読み取られた会員カードについての認証が行われ、入金額としての残金が認識され、ステップS2へ進む。ここで、会員カードの認証は、例えば、ディスプレイ108上に暗証番号の入力を求める操作ガイドを表示し、ファンがタッチパネル109を用いて暗証番号を入力することにより行われる。
【0046】
ステップS2において、キャッシュレス端末100は、例えば、投票予約データテーブル700aに対し、会員IDに紐付けされた投票予約データの有無を問い合わせ、ステップS3へ進む。ステップS3において、キャッシュレス端末100内のCPU120は、投票予約データの有無を判定し、投票予約データ有の場合は(Yes)、ステップS4へ進み、投票予約データ無の場合は(No)、ステップS6へ進む。
【0047】
ステップS4において、CPU120は、グラフィック処理ユニット124により、投票予約データに対応する選択画面をディスプレイ108の画面上に表示し、ステップS5へ進む。投票予約データの選択画面の例が
図7に示されている。
図7の例では、投票予約データ3連単の組合せとその組合せに対応する購入金額が表示されている。
【0048】
ステップS5において、ファンが投票締め切り時刻前に、投票予約の実行がされたか否かが判断され、投票予約の実行がされなかった場合は(No)、ステップS6へ進み、投票予約の実行がされた場合は(Yes)、ステップS7へ進む。ステップS5における投票予約の実行は、例えば、
図7に示された選択画面における組合せとその組合せに対応する購入金額のまま、タッチパネル109の実行キーにタッチ操作がされ、表示された組合せと購入金額のまま投票予約の実行がされる場合と、ファンが表示された組合せに対する購入金額を修正した後に、修正後の内容で投票予約の実行がされる場合とを含んでいる。
【0049】
ステップS6において、投票カード読取ユニット114は、投票カード投入排出口104から入力された投票カードの投票内容を読み取り、ステップS8へ進む。また、ステップS7において、投票入力部1は、メモリ領域から読み出した会員IDに紐付けされた投票予約データを判定手段4hへ入力し、ステップS8へ進む。
【0050】
ステップS8において、判定手段4hは、ステップS6で読み取られた投票内容及びステップS7で入力された投票予約データに基づく購入金額が、ステップS1で認識された会員カードの残金以下であるか否かを判定し、購入金額が残金以下の場合は(Yes)、ステップS9へ進み、購入金額が残金を超える場合は(No)、ステップS10へ進む。
【0051】
ステップS9において、投票処理4bは、ステップS6で読み取られた投票内容、及びステップS7で入力された投票予約データに基づく予約内容の投票を実行し、ステップS13へ進む。
【0052】
ステップS10において、投票割付部4dは、表示選択手段4cにおいてファンが選択した優先条件に基づいて、投票内容中で投票を実行する投票内容と、購入不可で投票予約データとして保存する投票内容と、に分け、ステップS11へ進む。ステップS11において、投票処理部4bは、投票割付部4dにより割り付けられた投票内容の投票を実行し、ステップS12へ進む。ステップS12において、投票予約4eは、残金不足により、購入不能の投票内容の投票予約データを、例えば、投票所管理端末700へ送信し、投票予約データテーブル700aに保存し、ステップS13へ進む。
【0053】
ステップS13において、レシートプリンタ117は、残金を印刷したレシートを出力し、処理を終了する。
【0054】
以上の
図6の様に処理することによって、購入金額が残金を超える場合にも、残金の範囲内で投票が可能となり、ファンが購入を希望し残金不足で購入できなかった投票内容については、投票予約データがメモリ領域に保存される。
【0055】
図8は、投票カードによる投票の処理例を示すフローチャートであり、会員カード残金2,000円で、投票カードの内容が「1−2 1,000円」、「2−3 1.000円」、「3−4 1,000円」、「4−5 500円」であり、投票予約データなしの場合の処理が示されている。
【0056】
次に、
図1〜
図6を参照しつつ、
図8のフローチャートに沿って、本実施形態における投票カードによる投票の処理例について説明する。
【0057】
処理が開始されると、ステップS1へ進む。ステップS1において、ICカードリーダ110により読み取られた会員カードについての認証が行われ、残金2,000円が認識され、ステップS2へ進む。
【0058】
ステップS2において、キャッシュレス端末100は、メモリ領域に対し、投票予約データの有無を問い合わせ、ステップS3へ進む。ステップS3において、キャッシュレス端末100内のCPU120は、投票予約データの有無を判定するが、投票予約データは無いなので(No)、ステップS6へ進む。
【0059】
ステップS6において、投票カード読取ユニット114は、投票カード投入排出口104から入力された投票カードの投票内容を読み取り、ステップS8へ進む。ここで、投票カードの投票内容「組合 購入金額」は、「1−2 1,000円」、「2−3 1,000円」、「3−4 1,000円」、「4−5 500円」である。
【0060】
ステップS8において、判定手段4hは、ステップS6で読み取られた投票内容に基づく購入金額が残金以下であるか否かを判定するが、ここでの購入金額は3,500円であり、購入金額3,500円が残金2,000円を超えているため(No)、ステップS10へ進む。
【0061】
ステップS10において、投票割付部4dは、表示選択手段4cによりファンが選択した優先条件に従って、投票内容中で投票する投票内容と、投票をせずに投票予約データとして保存する投票内容と、に分け、ステップS11へ進む。ここで示した例では、「1−2 1,000円」及び「2−3 1.000円」の投票内容が購入可能、「3−4 1,000円」及び「4−5 500円」の投票内容が購入不可と割り付けられている。
【0062】
ステップS11において、投票処理部4bは、「1−2 1,000円」及び「2−3 1.000円」の内容の投票を行い、ステップS12へ進む。ステップS12において、投票予約部4eは、購入不可の「3−4 1,000円」及び「4−5 500円」の投票予約データをメモリ領域に保存し、ステップS13へ進む。投票予約データの保存先は、投票所管理端末700内の投票予約データテーブル700aでも、管理PC600内の図示しないメモリ領域等であっても良い。
【0063】
ステップS13において、レシートプリンタ117は、残金0円を印刷したレシートを出力し、処理を終了する。
【0064】
以上の
図8のように処理することによって、投票カードの購入金額が会員カードの残金を超える場合にも、購入可能な投票が可能となる。
【0065】
図8の説明では、処理内容の理解を容易にするために、投票内容が1つのレースのみの例を説明したが、投票カードの内容が複数のレースの場合について説明する。例えば、会員カードの残金が2,000円であり、第1レースについて「1−2 1,000円」及び「2−3 1,000円」と、第2レースについて「2−3 1,000円」及び「3−4 1,000円」と、第3レースについて「3−4 1,000円」及び「4−5 1,000円」と、を記入した投票カードが投入された場合について説明する。
【0066】
この場合、
図8中のステップS10において、ファンが出走の早いレースを優先する優先条件が選択されると、第1レースの「1−2 1,000円」及び「2−3 1,000円」を購入可能、第2レースの「2−3 1,000円」及び「3−4 1,000円」と、第3レースの「3−4 1,000円」及び「4−5 1,000円」を購入不可とし、ステップS11において、第1レースの「1−2 1,000円」及び「2−3 1,000円」の投票を行い、ステップS12において、第2レースの「2−3 1,000円」及び「3−4 1,000円」と、第3レースの「3−4 1,000円」及び「4−5 1,000円」の投票予約データをメモリ領域に保存する。このようにすれば、出走が早い第1レースについての投票を優先して行うことができる。出走が遅い第2レース以降の投票は、会員カードに現金をチャージ後に、改めて投票カードに投票内容をチェックすることなく、会員カードの会員IDに紐付けされた投票予約データをメモリ領域から読み出すことにより、速やかに投票をすることができる。
【0067】
更に、
図8中のステップS8において購入金額が残金を超える場合におけるステップS10〜S12の処理は、残金を超えない範囲で、投票内容に応じて按分した組み合わせの投票を行うようにしても良い。例えば、会員カードの残金が7,000円で、投票カードの内容が「1−2 10,000円」、「2−3 10,000円」、「3−4 10,000円」、「4−5 5,000円」の場合、「1−2 2,000円」、「2−3 2,000円」、「3−4 2,000円」、「4−5 1,000円」の投票を行い、「1−2 8,000円」、「2−3 8,000円」、「3−4 8,000円」、「4−5 4,000円」の投票予約データをメモリ領域に保存する。このようにすれば、残金を超えない範囲で、ファンが購入を希望している組み合わせの投票をすることができる。
【0068】
図9は、投票予約データ有りの場合の投票の処理例を示すフローチャートであり、会員カード残金5,000円で、「3−4 1,000円」、「4−5 500円」の投票予約データあり場合の処理が示されている。
【0069】
図1〜
図6及び
図7を参照しつつ、
図9のフローチャートに沿って、本実施形態における投票予約データによる投票の処理例について説明する。
【0070】
処理が開始されると、ステップS1へ進む。ステップS1において、ICカードリーダ110により読み取られた会員カードについての認証が行われ、残金5,000円が認識され、ステップS2へ進む。
【0071】
ステップS2において、キャッシュレス端末100は、例えば、投票予約データテーブル700aに対し、投票予約データの有無を問い合わせ、ステップS3へ進む。ステップS3において、キャッシュレス端末100内のCPU120は、投票予約データの有無を判定するが、ここに示した例では、投票予約データが有るので(Yes)、ステップS4へ進む。
【0072】
ステップS4において、CPU120は、グラフィック処理ユニット124により、例えば、
図7に示されたような投票予約データに対応する選択画面をディスプレイ108の画面上に表示し、ステップS5へ進む。ステップS5において、ファンが投票締め切り時刻前に、投票予約の実行がされたか否かが判断されるが、この例では、投票予約の実行がされ(Yes)、ステップS7へ進む。ステップS7において、投票入力部1は、メモリ領域から読み出した投票予約データを判定手段4h及び表示選択手段4cへ入力し、ステップS8へ進む。ここでは、投票予約データの内容「3−4 1,000円」、「4−5 500円」が判定手段4a及び表示選択手段4cに入力される。
【0073】
ステップS8において、判定手段4hは、ステップS7で入力された投票予約データに基づく購入金額が残金以下であるか否かを判定するが、購入金額1,500円が残金5,000円以下であるので、ステップS9へ進む。
【0074】
ステップS9において、投票処理部4bは、ステップS7で入力された投票予約データに基づく予約内容の投票を実行し、ステップS13へ進む。ここでは、投票予約データに対応する「3−4 1,000円」、「4−5 500円」の投票が実行される。
【0075】
ステップS13において、レシートプリンタ117は、当初の残金5,000円から投票の購入金額1,500円を差し引いた残金3,500円を印字したレシートを出力し、処理を終了する。
【0076】
以上の
図6、
図8及び
図9のように処理することによって、ファンは、残金不足の場合にも選択した優先条件に合った投票をすることができる。更に、投票できなかった投票内容については、投票予約データとしてメモリ領域に保存されるので、残金不足で購入できなかった投票内容について再度、投票カードに記入しなくても会員カードの会員IDに紐付けされた投票予約データを読み出すことにより投票することができる。
【0077】
以上でキャッシュレス端末100についての説明を終了し、
図2中の入金精算機400について以下に説明する。
【0078】
図10は、
図2中の入金精算機400の外観図であり、キャッシュレス端末100の外観を示す
図4と共通の要素には共通の符号が付されている。
【0079】
図10において、入金精算機400は、キャッシュレス端末100と同様の投票カード投入排出口104、ディスプレイ108、タッチパネル109を有している。入金精算機400は、キャッシュレス端末100の有するレシート排出口103及びICカードリーダ110に代えて投票券排出口103A及びICカード読取・返却部110Aを有している。投票券排出口103Aは、投票内容が印字された投票券を排出する出口である。ICカード読取・返却部110Aは、ICカードの情報の読取りや現金をチャージするものである。
【0080】
入金精算機400は、上記に加え、運用状況表示窓101、投票券投入口102、紙幣投入排出口105、硬貨投入口106、硬貨排出口107を備えている。
【0081】
運用状況表示窓101は、入金精算機100において、投票券の発券受付中であるか発券中止中であるか、及び、投票券の払戻受付中であるか払戻停止中であるかを表示するものである。投票券投入口102は、払戻しをする投票券の投入口である。投票券排出口103は、発券された投票券の排出口である。投票カード投入排出口104は、投票カードの投入口であり、また、返却する投票カードの排出口でもある。
【0082】
紙幣投入排出口105は、紙幣の投入口であり、又、返却する紙幣及びつり札とする紙幣の排出口でもある。硬貨投入口106は、硬貨の投入口であり、硬貨排出口107は、返却する硬貨及びつり銭とする硬貨の排出口である。
【0083】
ディスプレイ108及びタッチパネル109については、キャッシュレス端末100において上述した通りである。
【0084】
ICカード読取・返却部110Aは、残金を読み取り、現金をチャージするための会員カードを挿入すると共に、現金チャージ後の会員カードを返却する機能を有している。
【0085】
尚、入金精算装置400において、投票券投入口102と投票券排出口103Aを一体構成としても良い。また、硬貨投入口106と硬貨排出口107を一体構成としても良い。また、投票カード投入排出口104を、投票カード投入口と投票カード排出口のように、別構成としても良い。また、紙幣投入排出口105を、紙幣投入口と紙幣排出口のように、別構成としても良い。
【0086】
ここまで、
図10に基づいて入金精算機400の外観について説明しましたが、
図2中の投票券発券装置400Aの外観は、
図10に示した入金精算機400から、ICカード読取・返却部110aを除いた外観であるので、説明を省略する。
【0087】
図11は、
図10の入金精算機400の構成の概略を示すブロック図であり、キャッシュレス端末100のブロック図を示す
図5と共通の要素には共通の符号が付されている。
【0088】
図11において、入金精算機400は、キャッシュレス端末100と同様のディスプレイ108、タッチパネル109、投票カード読取ユニット114と、キャッシュレス端末100とは異なる制御部111Aを備えている。
【0089】
制御部111Aは、CPU120、RAM121、ハードディスクドライブ(Hard Disk Drive:以下「HDD」という。)122A、通信インタフェース123、グラフィック処理ユニット124A、入出力インタフェース125Aを含み、各々がバス126を介して接続されている。尚、制御部111Aは、コンピュータの一例でもある。尚、HDD122Aは、これに限らず、CF122等でも良い。
【0090】
グラフィック処理ユニット124Aには、キャッシュレス端末100と同様のディスプレイ108に加え、管理者用ディスプレイ112が接続されている。グラフィック処理ユニット124Aは、CPU120の制御の下に、各種の情報をディスプレイ108、管理者用ディスプレイ112の画面に表示させる。尚、管理者用ディスプレイ112は、入金精算機400の裏面側に設けられる管理者向けのディスプレイである。
【0091】
入出力インタフェース125Aには、キャッシュレス端末100と同様のICカードリーダ110、タッチパネル109及び投票カード読取ユニット114に加え、管理者用タッチパネル113、紙幣還流ユニット115、硬貨還流ユニット116、投票券印刷ユニット117A及び払戻投票券読取ユニット118が接続されている。また、入出力インタフェース125は、可搬型記録媒体119aに対する情報の書込み及び読出しが可能な読取ユニット119と接続可能になっている。入出力インタフェース125Aは、タッチパネル109、管理者用タッチパネル113、投票カード読取ユニット114、紙幣還流ユニット115、硬貨還流ユニット116、投票券印刷ユニット117、払戻投票券読取ユニット118、可搬型記録媒体インタフェースから送られてくる信号を、バス126を介してCPU120に送信する。また、入出力インタフェース125は、CPU120から送られてくる制御信号を、バス126を介して対応するユニット(タッチパネル109、ICカードリーダ110、管理者用タッチパネル113、投票カード読取ユニット114、紙幣還流ユニット115、硬貨還流ユニット116、投票券印刷ユニット117、払戻投票券読取ユニット118、又は可搬型記録媒体インタフェース)へ送信する。紙幣還流ユニット115は、紙幣の受け入れ、紙幣の真贋の鑑別、紙幣の収納、紙幣の返却、つり札の排出を行う。硬貨還流ユニット116は、硬貨の受け入れ、硬貨の真贋の鑑別、硬貨の収納、硬貨の返却、つり銭の排出を行う。投票券印刷ユニット117Aは、投票内容を印刷して投票券を発券する。払戻投票券読取ユニット118は、投票券を受け入れて投票内容を読み取る。
【0092】
CPU120は、入金精算機400の全体動作を制御する。RAM121は、CPU120によって実行されるOSのプログラムやアプリケーションプログラムの少なくとも一部を一時的に格納する。また、CPU120によって実行されるOSのプログラムやアプリケーションプログラムは、可搬型記憶媒体119aに記憶し、可搬型記憶媒体119aに記憶されているデータを読み取る読取ユニット119及び入出力インタフェース125を介して、例えば、RAM121に格納され、CPU120によって実行されても良い。
【0093】
尚、入金精算機400において、制御部111Aは、例えば、FPGAやDSP等のモジュールを含む構成とすることもできる。この場合、制御部111Aは、不揮発性メモリ、フラッシュメモリ、フラッシュメモリ型メモリカード等を含み、モジュールのファームウェアを記憶する。不揮発性メモリには、可搬型記録媒体119a、又は通信インタフェース123を介してファームウェアを書き込むことができる。このように制御部111Aは、不揮発性メモリに記憶されているファームウェアを書き換えることにより、ファームウェアを更新することもできる。
【0094】
図12は、本実施形態の入金精算機400の機能ブロック図であり、キャッシュレス端末100の機能ブロック図を示す
図1と共通の要素には共通の符号が付されている。
【0095】
図12において、入金精算機400は、
図1のキャッシュレス端末100と同様の購入金額算出手段2と、
図1のキャッシュレス端末100とは構成及び機能が異なる投票入力部1A、入金部3A及び投票部4Aを有している。
【0096】
投票入力部1Aは、投票カードにより投票内容を入力すると共に、投票予約券が投入された場合に投票予約券に付与される予約IDに紐付けされた投票予約データをメモリ領域から読み出して、投票部4Aへ出力するものである。入金部3Aは、現金により入金するものである。
【0097】
投票部4Aは、キャッシュレス端末100と同様の判定手段4h、投票処理部4b、表示選択手段4c、投票割付部4d及び投票予約部4eに、投票券発券部4fと投票予約券発券部4gとが新たに追加されている。
【0098】
投票券発券部4fは、投票処理部4bにより投票された投票内容を印字した投票券を発券するものであり、投票予約券発券部4gは、投票予約部4eによりメモリ領域に保存された投票予約データの内容を印字した投票予約券を発券するものである。
【0099】
図13(a)〜(c)は、投票予約券の例を示す図であり、
図13(a)は、予約IDのみが表示された投票予約券の例を示す図であり、
図13(b)は、予約IDと金額が表示された投票予約券の例を示す図であり、
図13(c)は、投票券と投票予約券を兼用した場合の投票予約券の例を示す図である。
【0100】
図13(a)に示された投票予約券には、予約ID“1234567890”が付与されており、この予約IDに紐付けされた投票予約データがメモリ領域に保存されている。予約ID“1234567890”に紐付けされた投票予約データが保存された投票予約データテーブル700bの例が
図3(b)に示されている。
【0101】
図13(b)に示された投票予約券の例では、不足金額“3,500円”が印字されているので、ファンは、入金精算機400で会員カードにチャージが必要な金額を知ることができる。更に、
図13(c)に示された投票予約券の例では、1枚の券で投票券と投票予約券とを兼用しているため、券の枚数が少なくなり、ファンにとって投票券及び投票予約券の管理が簡便である。尚、
図13(c)に示された投票予約券の場合には、例えば、投票券購入後に、四角で囲まれた「投票予約券」の印字の上から二重線を印字するなどして、投票券購入前の投票予約券と投票券購入後の投票予約券とを判別できるようにする必要がある。尚、予約券を投入し、投票後、投票券を新規に発券することも可能である。
【0102】
以上の構成の入金精算機400において、以下に本例の処理動作を説明する。
図14は、本実施形態の入金精算機400からの投票の処理を示すフローチャートであり、キャッシュレス端末100の投票の処理を示す
図6と共通の要素には共通の符号が付されている。
【0103】
図10〜
図13を参照しつつ、
図14のフローチャートに沿って、本実施形態の投票券購入の全体処理について説明する。
【0104】
入金精算機400において、処理が開始されると、ステップS21へ進む。ステップS21において、現金、的中券又は投票予約券が投入されるまで待って、現金、的中券又は投票予約券のいずれかが投入されると(Yes)、ステップS2へ進む。ステップS2〜S12において、入金精算機400は、
図6に示されたキャッシュレス端末100と同様の処理を行い、ステップS13Aへ進む。
【0105】
ステップS13Aにおいて、入金精算機400の投票券発券部4fは、ステップS9又はステップS11において実行された投票内容を印字した投票券を発券すると共に、ステップS12においてメモリ領域に保存した投票予約データの内容を印字した投票予約券を発券し、処理を終了する。ステップS13Aにおいて、発券された投票券及び投票予約券は、
図10中の投票券排出口103aから排出される。
【0106】
以上の
図14の様に処理することによって、購入金額が残金を超える場合にも、残金の範囲内で投票券の購入が可能となり、ファンが購入を希望し残金不足で購入できなかった投票内容については、投票予約券が発券されると共に投票予約券の予約IDに紐付けされた投票予約データがメモリ領域に保存される。予約IDに紐付けされた投票予約データが投票所管理端末700のメモリ領域に保存された例が
図3(b)に示されている。
【0107】
投票券発券装置400Aからの投票の処理は、入金精算機400からの投票の処理と同様であるので省略する。
【0108】
入金精算機400又は投票券発券装置400Aによれば、ファンが投票を購入を希望する投票券の購入
金額が入金額を超える場合にも、残金の範囲でファンが選択した優先条件に従って、投票券の購入が可能になる。更に、購入
金額が入金額を超え購入不能な投票券については、投票予約データとしてメモリ領域に保存すると共に、投票予約データに紐付けされた予約IDが付与された投票予約券が発券される。そのため、ファンは、入金精算機400又は投票券発券装置400Aに、投票予約券と不足金額を投入することにより、入金額不足で購入できなかった投票券を速やかに購入することができる。
【0109】
本実施形態のキャッシュレス端末100、入金精算機400、及び投票券発券装置400Aにより、残金不足の場合にも、投票券の発売締め切りによる投票の機会の喪失を軽減することができる。更に、残金不足により投票できなかった投票内容については、投票予約データとして保存されるので、残金不足で購入できなかった投票をする際に、投票カードを再度チェックする必要がないので、ファンの再投票の処理時間が短縮され、投票券の発売締め切りによる投票の機会の喪失を更に、軽減することができる。
【0110】
これにより、ファンサービスの向上及び主催者側の売り上げ向上に資することができる。
【0111】
尚、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、実施形態の趣旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化することができる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成することができる。例えば、実施形態に示された全構成要素を適宜組み合わせても良い。更に、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせても良い。このように、発明の趣旨を逸脱しない範囲内において種々の変形や応用が可能である。