特許第5996557号(P5996557)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5996557成形された部分を含む繊維強化された鉄筋、および、成形された鉄筋部分を含むコンクリートパネル
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5996557
(24)【登録日】2016年9月2日
(45)【発行日】2016年9月21日
(54)【発明の名称】成形された部分を含む繊維強化された鉄筋、および、成形された鉄筋部分を含むコンクリートパネル
(51)【国際特許分類】
   B29C 70/06 20060101AFI20160908BHJP
   E04C 5/07 20060101ALI20160908BHJP
   B29C 70/52 20060101ALI20160908BHJP
   B29K 105/08 20060101ALN20160908BHJP
   B29L 31/06 20060101ALN20160908BHJP
【FI】
   B29C67/14 H
   E04C5/07
   B29C67/14 D
   B29K105:08
   B29L31:06
【請求項の数】15
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2013-552801(P2013-552801)
(86)(22)【出願日】2011年12月29日
(65)【公表番号】特表2014-509964(P2014-509964A)
(43)【公表日】2014年4月24日
(86)【国際出願番号】CA2011050813
(87)【国際公開番号】WO2012109726
(87)【国際公開日】20120823
【審査請求日】2014年12月26日
(31)【優先権主張番号】2731343
(32)【優先日】2011年2月14日
(33)【優先権主張国】CA
(73)【特許権者】
【識別番号】511108389
【氏名又は名称】ブランドストロム, ランデル
(74)【代理人】
【識別番号】100082072
【弁理士】
【氏名又は名称】清原 義博
(72)【発明者】
【氏名】ブランドストロム,ランデル
【審査官】 辰己 雅夫
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2010/139045(WO,A1)
【文献】 特表2010−525197(JP,A)
【文献】 実開平02−127428(JP,U)
【文献】 特開平06−297591(JP,A)
【文献】 特開昭61−274036(JP,A)
【文献】 特開平03−218817(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2006/0159919(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C70/00−70/88
E04C 5/00− 5/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
筋を形成する方法であって、
前記方法は、
強化繊維の長手方向に伸びる構成要素から伸長性の本体を形成する工程であって、該構成要素が、その長さに沿って前方に送り出される本体に対して一般的に縦に配される、工程、
構成要素の繊維に浸透した未硬化の硬化性樹脂で、伸長性の本体を浸潤させる工程、
一本の伸長性の本体を収容するためのホルダーを提供する工程、
前記ホルダーの軸の周りの前記ホルダーの転のために前記ホルダーを塔部に取り付ける工程、
の周りに角度をつけて離間した位置にある複数の係合部材を、前記ホルダー上に提供する工程、
樹脂がまだ硬化していない間に、送り出される前記本体が1つの前記係合部材から次の前記係合部材まで巻き付けられるように、前記ホルダーに前記本体を巻き付ける工程であって、その結果、前記本体の屈曲部が前記係合部材のおのおののまわりに巻き付けられることによって形成され、前記本体の直線部分は1つの前記係合部材から次の前記係合部材まで延びる、工程を含み、
前記係合部材のおのおのは、必要とされる曲がった形へと屈曲部を成型するように形成される、角をなして伸びる軸方向に分離した表面部分を有し、
前記方法はさらに、
前記係合部材に沿った段の付いた位置で前記ホルダーに本体を螺旋状に巻き付ける一連の巻き付けのために、前方に送り出される際の前記本体と前記ホルダーの間で相対運動を与え、それによって個々の巻き付けが次の硬化とは別に保持される工程、および、
前記本体が前記ホルダーに巻き付けられている間に、前記ホルダー上で樹脂を硬化させる工程、を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
各々の係合部材は、各々の屈曲部と次の屈曲部との間の前記直線部の必要とされる長さを定義するために、次の係合部材から距離をおいて配される、ことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ホルダーが係合部材に沿って並べられた前記本体の隣り合う前記一連の巻き付けによって充填されると、巻き付けは止まり、ホルダーは取り除かれ、樹脂は、巻き付けが止まり、ホルダーが取り除かれた後にホルダー上で硬化する、ことを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
本体とホルダーの間の相対運動は、前記軸に沿って角度をつける(indexing)ことにより得られる、ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1つに記載の方法。
【請求項5】
係合部材は軸と平行な筋である、ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1つに記載の方法。
【請求項6】
係合部材は各々、間隔をおいて配された一連の溝を有し、各々の溝は本体のそれぞれの屈曲部を収容する、ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1つに記載の方法。
【請求項7】
ホルダーは、係合部材が軸に放射状に調整可能となるように配される、ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1つに記載の方法。
【請求項8】
ホルダーは、一定の直線速度で本体を取り上げる角速度で軸のまわりで動作する、ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1つに記載の方法。
【請求項9】
前記係合部材は、
前記本体が巻き付けられる外側のまわりの第1の係合部材(27)と、第2の係合部材(42)とを含み、
前記第2の係合部材は、前記本体第2の屈曲部を形成するために、該第2の係合部材(42)によって逆方向の第2の曲げ部分で曲げられ、前記第2の屈曲部は、前記第1の係合部材によって形成された前記屈曲部とは反対の方向に曲がった角度を有する、ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1つに記載の方法。
【請求項10】
第2の屈曲部はまず、前記第1の係合部材を巻き付けることによって、その後、第2の係合部材を挿入することによって形成され、同時に、軸に対する前記第1の係合部材の内部移動が複数の本体を放出することを可能にすることで、第2の係合部材を係合する、ことを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項11】
1つの直線部分と1つの屈曲部を有する1つの本体を形成するために、1つの屈曲部で本体を切断する工程を含む、ことを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1つに記載の方法。
【請求項12】
2つの直線部分と、2つの直線部分の間に180度の1つの屈曲部とを備えたU字状の鉄筋を形成するために、本体を切断する工程を含む、ことを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1つに記載の方法。
【請求項13】
補強筋を形成する工程は、筋に対して縦に配された強化繊維の内部の長手方向に伸びる
一連の構成要素を提供する工程と、内部の長手方向に伸びる構成要素の周りに巻き付けられた少なくとも1つの構成要素の少なくとも1つの螺旋形の巻き付け部を提供する工程を含む、ことを特徴とする請求項1乃至12のいずれか1つに記載の方法。
【請求項14】
前記少なくとも1つの螺旋形の巻き付け部は、正反対の巻き付け方向に、第1と第2の螺旋形の巻き付け部を備え、樹脂は、内部の長手方向に伸びる構成要素と該巻き付け部の両方に浸透し、浸透した樹脂によって統合された構造が形成される、ことを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項15】
本体は、本体の少なくともほぼ全長に沿って伸びる外部表面部分を有し、外部表面部分では、内部の長手方向に伸びる構成要素は、硬化のあいだに、第1と第2の巻き付け部によって加えられた張力によって外側に露出したまたは膨らんだその一部を、第1と第2の巻き付け部の間に有しており、膨らんだ部分は、強化される材料と内部の粗紡部の間で長手方向の負荷を伝達すべく強化される材料を係合するために、でこぼこで露出した筋の外部表面部分の構成要素を定義する、ことを特徴とする請求項14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、繊維強化された補強筋、あるいは、長さに沿ったその一部が屈曲しているか、または、補強筋の直線路から成形される「鉄筋」の製造方法に関し、成形された鉄筋部分を含むコンクリートパネルにも関する。
【0002】
「鉄筋」との用語は、本明細書で使用されるように、中空の筋およびロッド、すなわち、管を含むように意図されている。その外面は好ましくは環状の断面であるが、必ずしもそうである必要はない。ロッドは任意の長さであり得る。
【背景技術】
【0003】
建築、船舶、採鉱などでの繊維強化プラスチック(FRP)ロッドの使用は、長年にわたって増加している。これはFRPが多くの利点、非(化学的または海水による)腐食、非金属(または非磁性)かつ非導電性の、約2−3倍の引張り強度および鋼補強ロッドの1/4の重量、鋼ロッドよりもコンクリートまたは岩とより適合する熱膨張の係数などを有しているからである。ほとんどの筋はしばしば、引き抜き成形工程によって生産され、直線的な外形または均質の外形を有する。従来の引き抜き成形工程は、補強材(例えば、繊維または繊維フィラメント)の束をその源から引く工程、開放タンク内の樹脂槽に補強材をくぐらせることによって(好ましくは、熱硬化可能なポリマー樹脂を用いて)繊維を湿らせて含浸させる工程、繊維の束を並べて、適切な断面構造になるよう処理するために、成形型を通して樹脂浸潤および樹脂含浸束を引っ張る工程、および、フィラメントにかかる張力を維持しながら型で樹脂を硬化させる工程を含む。繊維が切断されたり短くされたりすることなく、引き抜き成形工程によって完全に全身するので、結果として生じる生成物は、一般に長手方向に(すなわち、繊維フィラメントが引っ張られる方向に)非常に高い引張り強度を有している。典型的な引き抜き成形技術は、Goldsworthyの特許文献1、Fuwaの特許文献2、Harveyの特許文献3、および、Tongの特許文献4に記載されている。
【0004】
FRPの均一な外形のまたは直線的なロッドには、多くの産業上の用途でいくつかの長所がある。ロッドは耐腐食性で、高い引っ張り強度を有しており、重量が軽い。以前は、ねじ山が刻設された鋼ロッドまたはボルトが、エンジニアリングの実践で広く使用されていた。しかしながら、Swedenによるモルタルを詰めた鋼ボルトの追跡調査によると、詰める材料の質は対象の50%で不十分であったこと、および、多くのボルトが著しく腐食したことが分かった。鋼ボルトとは対照的に、FRPボルトは耐腐食性であり、一時的な支持体や最終的なライニングで同時に使用することができ、FRPロックボルトを用いた1つのライニングトンネルの建設費は、従来の敷地のコンクリートを用いたトンネルよりも33%から50%少ない。このFRPロックボルトシステムは、耐久性があり、最終的なライニングの一部として、寿命の続く限り構造物を支持する。さらに、その海水耐食性によって、FRPボルトおよびアンカーは、コンクリート構造を強化するために、水辺(例えば、海岸のまたは沖合の防波堤)における優れた解決策としても証明されている。一般に、繊維ガラスロッド/ボルトは、既に重要な隙間市場であり、鉱業や建設業にとってますます重要な製品になるであろう。これらの産業では、コスト効率の良い、長期的な信頼性を提供する構造補強が非常に必要とされている。合成鉄筋はほぼ永久に長持ちするため、このような産業にとって修復とメンテナンスの節約は重要なものになるであろう。
【0005】
鉱業は、立坑を掘るための複合材料ロッド、または、トンネルのルーフボルトを必要とする。これらのロッドは、通常手動で運ばれて、採掘トンネル内で頭上に設置され、したがって、繊維ガラスロッドは、現在広く使用されている鋼鉄筋の1/4の重量で強度が2倍であるという利得がある。繊維ガラスロッドはさらに、採鉱器具を破損しない。橋、道路、防波堤、および、建造物のような建設業では、鋼鉄筋の補強材が広く使用されており、ほとんどの鋼鉄筋は数年の耐用年数後に腐食している。典型的には、鋼鉄筋を含む構造物は、一定期間後に取り壊されることが往々にしてある。したがって、耐腐食性の合成鉄筋の使用が近年、建設業で増えてきている。
【0006】
従来の鋼鉄筋は、一般的には端部でだが、ロッドの長さに沿って他の位置でも、フック、ループ、または、角のある部分を形成するために、当然のことながら曲げることができる。そのような曲げは、他の部品にロッドを取り付けるためなどの多くの目的にしばしば必要とされる。
【0007】
もちろん、熱硬化性樹脂から形成されるFRP鉄筋は、当然のことながら、ロッドが形成された後では曲げられない。曲げ部が強度に関してロッドの使用を著しく制限するようには損なわれない効果的かつ商業的な方法で、熱硬化性の樹脂を使用して鉄筋に上記のような曲げを形成する方法に関しては、現在に至るまで重要な未解決問題であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許第3,793,108号
【特許文献2】米国特許第4,394,338号
【特許文献3】米国特許第4,445,957号
【特許文献4】米国特許第5,174,844号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的の1つは、熱硬化性樹脂を使用して製造された繊維強化筋を形成する方法を提供することであり、繊維強化筋はその長さに沿った1つ以上の部分で、曲げ部を含んでいる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の1つの態様によれば、筋を形成する方法が提供され、該方法は、
強化繊維の長手方向に伸びる構成要素から伸長性の本体を形成する工程であって、該構成要素が、その長さに沿って前方に送り出される本体に対して一般的に縦に配される、工程、
構成要素の繊維に浸透した未硬化の硬化性樹脂で、伸長性の本体を浸潤させる工程、
一本の伸長性の本体を収容するためのホルダーを提供する工程、
軸の周りを回転させるためにホルダーを取り付ける工程、
軸周辺の間隔をおいた位置にある複数の係合部材を、ホルダー上に提供する工程、
樹脂がまだ硬化していない間に、送り出される本体が1つの係合部材から次の係合部材まで巻き付けられるように、ホルダーに本体を巻き付ける工程であって、その結果、本体の屈曲部が各係合部材に部分的に巻き付けられ、本体の直線部分が各係合部材と次の係合部材との間で伸びる、工程を含み、
各々の係合部材は、必要とされる曲がった形へと屈曲部を成型するように形成される、角をなして伸びる軸方向に分離した表面部分を有し、
該方法は、係合部材に沿った段の付いた位置でホルダーに本体を巻き付けるために、前方に送り出される際の本体とホルダーの間で相対運動を与える工程、および、
本体がその上に巻き付けられている間に、ホルダー上で樹脂を硬化させる工程、を含む。
【0011】
好ましくは、各々の係合部材は、各々の屈曲部と次の屈曲部との間の必要とされる長さを定義するために、選択されたあらかじめ決められた距離によって、次の係合部材から距離をおいて配される。このように、筋が屈曲部のすぐ隣で切断される場合、それはその距離と長さが等しい直線部分を定義する。しかしながら、筋は、異なる位置、例えば、屈曲部と屈曲部の間の真ん中で切断されることもできる。この場合、直線部分の長さは依然としてあらかじめ決められたままのものであるが、該距離の半分である。
【0012】
好ましくは、ホルダーが係合部材に沿って並べられた本体の隣り合う部分によって充填されると、巻き付けは止まり、樹脂は、巻き付けが止まった後に硬化する。好ましくは、この個別の硬化を達成するために、ホルダーは巻き付けが止まると取り外され、ホルダーが取り外されると樹脂は硬化する。しかしながら、ホルダーが回転し続ける間に、硬化は進行中の工程で達成されることもある。
【0013】
好ましくは、本体とホルダーの間の相対運動は、軸に沿ってホルダーに角度をつける(indexing)ことにより得られる。これは駆動システム上の取り付け部に沿ってホルダーを移動させることにより実行され得る。
【0014】
好ましくは、ホルダーは、駆動装置内にある外部環を有している。
【0015】
好ましくは、係合部材は、その位置を調節するためにホルダー上に配される。このようにして、直線部分の異なる寸法と巻き付けの異なる角度を達成することができる。
【0016】
好ましくは、係合部材は軸と平行な筋である。
【0017】
好ましくは、係合部材または筋は各々、筋に沿って間隔をおいて配された一連の溝を有し、各々の溝は本体のそれぞれの屈曲部を収容する。
【0018】
好ましくは、ホルダーは、係合部材または筋の数を変更することができるように配される。すなわち、その数は、180度の巻き付け角を提供するために2つだけ、90度の巻き付け角を提供するために4つ、あるいは、適宜変わる角度に応じてそれ以外の数であってもよい。
【0019】
好ましくは、ホルダーは、係合部材が軸に放射状に調整可能となるように配される。これによって、部材間または筋間の距離を変える。
【0020】
好ましくは、ホルダーは、一定の直線速度で本体を取り上げる角速度で軸のまわりで動作する。すなわち、本体は、供給源から送り出され、一定の速度でホルダーに巻き付けられる。
【0021】
追加オプションでは、本体は、第2の屈曲部を形成するために、逆方向の第2の曲げ部分で曲げられることができ、第2の屈曲部は、第2の係合部材によって前記屈曲部とは反対の方向に曲がった角度を有する。このオプションでは、第2の屈曲部はまず、係合部材または筋を巻き付けることによって、その後、第2の係合部材、すなわち、追加の筋を挿入することによって形成され、同時に、軸への元々の筋の内部移動が複数の本体を放出することで、追加の筋と係合する。
【0022】
1つの配置では、本体は、1つの直線部分と1つの屈曲部を有する1つの本体を形成するために、1つの屈曲部で切断される。
【0023】
別の配置では、本体は、2つの直線部分と、2つの直線部分の間に180度の1つの屈曲部を備えたU字状の鉄筋を形成するために、筋の間で切断される。この配置は、その内部の直線部分と、引き上げループ(lifting loop)を形成するために、その1つの縁部で露出した屈曲部とを備えたコンクリートパネルでU字状の鉄筋を成型することによって使用され得る。この場合、該方法は、コンクリートパネルを持ち上げるために、ループを用いて縁部を引き上げる工程を含むことができる。この場合、コンクリートパネルが必要とされる位置へと引き上げられた後に、ループは切断される。ループがFRP鉄筋部材であるので、コンクリートパネルの表面に端部を残すことで、腐食の問題はなく、従って覆いとコーティングを必要としない。
【0024】
好ましくは、補強筋を形成する工程は、筋に対して縦に配された強化繊維の内部の長手方向に伸びる一連の構成要素を提供する工程と、内部の長手方向に伸びる構成要素の周りに巻き付けられた少なくとも1つの構成要素の少なくとも1つの巻き付け部を提供する工程を含む。
【0025】
この巻き付け部は、粗紡が完了した後、および、使用中に、適所に留まることを目的としているという点で、構造物の一部であり得る。別の方法では、巻き付け部は、曲げ工程のために筋のまわりに巻き付いている間、該構造物の統合を維持する目的で提供され得る。この場合、巻き付け部は、完成した鉄筋には構造上の何の貢献もしなくてもよく、ただ束をまとめるために使用されるか、あるいは、硬化が完了した後に、犠牲材料として取り外されるか、または、廃棄することができる。場合によっては、鉄筋が埋め込まれた材料へのさらなる接着に完全なものである場合、粒子状物質は、鉄筋の外表面へ粘着的に付けることができる。
【0026】
巻き付け部が構造的なものである場合、一般的に螺旋形である。しかしながら、長手方向に延びる巻き付け材料が使用され得る。すなわち、巻き付け材料は、筋のまわりに巻きつきられるか、あるいは、たんに筋を被覆することが可能である。
【0027】
巻き付け部が螺旋形である場合、好ましくは、巻き付け部は、正反対の巻き付け方向に、第1と第2の螺旋形の巻き付け部を備え、樹脂は、内部の長手方向に伸びる構成要素と巻き付け部の両方に浸透し、浸透した樹脂によって統合された構造を形成する。
【0028】
好ましくは、筋は、筋の少なくともほぼ全長に沿って伸びる外部表面部分を有し、外部表面部分では、内部の粗紡部は、硬化のあいだに、第1と第2の巻き付け部によって加えられた張力によって外側に露出したまたは膨らんだその一部を、第1と第2の巻き付け部の間に有しており、膨らんだ部分は、強化される材料と内部の粗紡部の間で長手方向の負荷を伝達すべく強化される材料を係合するために、でこぼこで露出した筋の外部表面部分の構成要素を定義する。
【0029】
内部構成要素は好ましくはまたは典型的には粗紡部である一方で、他の材料、または、当業者に知られている他のタイプを用いることもできる。内部構成要素は、1つの方向または両方の方向に巻き付けられるのが好ましいが、必ずしもそうである必要はない。再び、巻き付け部は、好ましくはまたは典型的に粗紡部であるが、マットまたは糸のような他の材料、あるいは、当業者に知られている他のタイプを用いることもできる。
【0030】
上記に従って製造された成形鉄筋を使用するコンクリートパネルを提供することが、本発明の第2の目的である。
【0031】
本発明の第2の態様によれば、コンクリートパネルが提供され、
該コンクリートパネルは、
複数のU字状の鉄筋要素、
鉄筋要素が埋設された成型コンクリート要素、
各々の鉄筋要素は、2つの直線部分と、2つの直線部分間でループを形成する180度の1つの屈曲部を有し、
該ループは、コンクリートパネルを持ち上げるためにコンクリート要素の1つの縁部で露出し、
鉄筋要素は、粗紡部を介して熱硬化性の樹脂が浸透した本体に対して一般的に縦に配された強化繊維の粗紡部から形成される。
【0032】
好ましくは、鉄筋要素は、鉄筋要素に対して縦に配された強化繊維の内部の長手方向に伸びる一連の構成要素を含み、内部の長手方向に伸びる一連の構成要素の周りに巻き付けられる少なくとも1つの構成要素の少なくとも1つの螺旋形の巻き付け部を提供する。
【0033】
好ましくは、少なくとも1つの螺旋形の巻き付け部は、正反対の巻き付け方向に、第1と第2の螺旋形の巻き付け部を備え、樹脂は、内部の長手方向に伸びる構成要素と巻き付け部の両方に浸透し、浸透した樹脂によって統合された構造を形成する。
【0034】
好ましくは、本体は、内部の長手方向に伸びる構成要素が、硬化のあいだに巻き付け部によって加えられた張力によって外側に露出したまたは膨らんだその一部を、第1と第2の巻き付け部の間に有し、膨らんだ部分は、強化される材料と内部の粗紡部の間で長手方向の負荷を伝達すべく強化される材料を係合するために、でこぼこで露出した筋の外部表面部分の構成要素を定義する。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1】本発明に従った方法によって製造された補強筋の一部の側面図である。
図2図1の線2−2に沿った断面図である。
図3】拡大された縮尺で図2の断面図に類似した断面図である。
図4図1の線4−4に沿った断面図である。
図5図1の補強筋を形成する方法の概要の概略的な側面図である。
図6図5のホルダーおよび駆動システムの等角図である。
図7図5のホルダーおよび駆動システムの側面図である。
図8】硬化のために取り外された図5のホルダーの側面図である。
図9】数を減らした係合筋を含むように修正された図5のホルダーの側面図である。
図10】反対の角度方向に追加の曲がった部分を形成するための随意の方法を示すように修正された図5のホルダーの側面図である。
図11図8のホルダーによって製造された鉄筋を使用して形成されたコンクリートパネルの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
図1では、一般的に(10)で表される補強筋が示されている。これは、直線部分(100)と曲げ部(101)を形成するために、以下に詳細に記載された方法を用いて形成される。
【0037】
基本的な筋構造は、本出願人の公開された米国特許第2008/0261042号に示され記載された方法を用いて形成され、その開示は、完全性のために以下のように繰り返される。
【0038】
筋(10)は、筋の長さの一部を伸ばす第2の部分(12)と一緒に、筋のほぼ全長に沿って伸びる第1の部分(11)を有する。筋は、第1と第2の部分が交互に繰り返されるように、切れ目なく続く建築で一般に形成される。第2の部分の長さは一般的に、主要な部分(1)の長さに対して、短い部分しか備えていないため、その結果、例えば、主要な部分は長さ12フィートで、第2の部分はわずか長さ6インチであってもよい。
【0039】
補強筋は、長手方向の強化繊維(15)と巻き付け強化繊維(16)、(17)とを含む強化繊維の部分に浸透する際に通る樹脂材料(14)のみから形成される。
【0040】
長手方向の強化繊維(15)は構造の主要な体積を構成するため、その結果、樹脂含量は一般的に、長手方向の繊維90−97%、巻き付け繊維3−10%として構成されることもあり、樹脂含量は約20〜30重量%である。
【0041】
部分(11)の領域の構造は、引き抜き成形工程によって繊維のいずれも圧縮することなく形成される。したがって、長手方向の繊維(15)または外部の巻き付け部(16および17)によって形成された内部コアは、いずれもダイス構造を通らないため、その結果、それらは、形成される際に材料内の張力によって決定されるような配置に自由に就くことができる。
【0042】
樹脂は、熱を用いずとも硬化するが、より好ましくは熱硬化性樹脂である2つの部分の樹脂であってもよく、熱硬化性樹脂は、マイクロ波加熱、強制空気加熱、赤外線加熱、RF加熱、または、少なくとも1つの金属繊維が電磁エネルギーを吸収するために構造に含まれる誘導加熱などの多くの利用可能な加熱技術のいずれか1つによって加熱される。したがって、熱が該構造に加えられることで、構造に加熱装置を接触させることなく樹脂の硬化がもたらされる。このように、第1の部分(11)内の繊維は、その張力に応じて自由に配置に就くことができ、樹脂が長手方向の繊維と巻き付け繊維の両方を通って伸びるように、樹脂内の位置に就く。
【0043】
樹脂(14)が外側に外部表面(18)まで伸びて繊維のすべてに浸透するこの状況を得るために、長手方向の繊維と巻き付け繊維は両方とも、好ましくは入浴または浸漬工程を用いて好ましくは浸潤させることで、繊維は、上記で一般に記載され、本発明者の米国特許に詳細に示される成形システムに入る前、樹脂で完全に包まれる。
【0044】
繊維の湿潤は、樹脂が外部表面(18)の全構造に浸透することを保証する。
【0045】
長手方向の繊維の核が通るダイスの任意の形状の規定によって圧力が欠けているため、巻き付け繊維(16)および(17)は、巻き付け繊維に接触する長手方向の繊維のこの部分に確実に圧力をかけ、この長手方向の繊維を内側に搾り、部分(19)内の長手方向の繊維を膨らませる。したがって、繊維の巻き付けられた各々のストリップの間には、長手方向の繊維の一部があり、これは外側に搾られて膨らんでいるため、巻き付け繊維の外表面から好ましくはわずかに盛り上がった位置に突き出る。
【0046】
巻き付け繊維はもちろん、巻き付け繊維の幅が膨らんだ中間部分(19)の幅未満となるように、螺旋形の巻き付け作用によって長手方向に間隔を置いて配される。
【0047】
典型的には、各方向の巻き付け繊維は、約1〜3インチの間隔をおいて配置することができる。しかしながら、長手方向の繊維が適切に制御され、巻き付け間に膨らみを確実に形成するために十分な空間がある場合には、より広い/より狭い間隔が用いられてもよい。
【0048】
巻き付け繊維は、単一始点の巻き付け工程における単一の粗紡部として、または、多重始点の巻き付け工程で適用される複数の粗紡部として、巻き付けられてもよい。そのような多重始点による工程において、隣り合う粗紡部の数は、3〜10の範囲であってもよい。巻き付け位置での粗紡部の数または粗紡部の厚みは、コアの直径に依存して変化してよい。
【0049】
巻き付け作用は、巻き付け繊維が例えば(20)で示されるように交差すると、互いに重複するように、両方向で生じる。この手法では、膨らんだ部分は正面図では一般的にダイヤモンド形状であり、巻き付け繊維の巻き付け作用によって上部と下部で搾られる。したがって、膨んだ部分(19)は個別のものであり、巻き付け繊維によって分離するが、長手方向の繊維は、膨んだ部分の上部と下部の巻き付けによって適切に該構造に収められ保持される。
【0050】
巻き付け部の準備は、両方向に対称的に、内部の長手方向の粗紡部を収容して位置付け、張力が加えられると長手方向に粗紡部を維持する傾向にある。したがって、長手方向への長手方向の繊維の完全な強度は維持され、長手方向繊維のねじれの傾向によって減らされたり、損なわれたりしない。長手方向繊維を上記のようにねじると、異なる繊維に連続して負荷を加えることにより強度が著しく弱まり、連続的な故障につながりかねない。加えて、正反対方向への巻き付けは、両方向に、ロッドに対して加えられたねじりモーメント(torque)に対応する。
【0051】
したがって、膨んだ部分(19)は、筋が内部に埋め込まれた材料と係合するために外表面(18)にある。したがって、強化される材料がコンクリートである場合、コンクリートは補強筋のまわりで硬化し、膨んだ部分(19)と係合する。ゆえに、コンクリートから補強筋までの長手方向の負荷は、巻き付け部分(16)および(17)のみではなく、膨んだ部分(19)にも伝達される。長手方向に対する角度ゆえに、巻き付け部分は、長手方向にあり連続的である長手方向繊維を収容する能力よりも、長手方向の張力を収容する能力のほうが乏しい。したがって、膨らんだ部分(19)に対して縦方向に負荷を伝達することで、負荷は、長手方向の繊維へと伝達されるとともに、長手方向に移動可能な、または、外表面(18)から剥がすことが可能な要素への伝達を回避する。膨らんだ部分(19)は長手方向の繊維の一部であるので、もちろん縦に移動することはできない。
【0052】
しかし、外表面には、上記のような補強筋の外表面に一般に塗り付けられる砂塵または砂などのさらなる接着した突出要素がなくてもよい。
【0053】
樹脂が長手方向繊維と巻き付け繊維の両方の至る所から外表面(18)まで浸透するという事実は、巻き付け繊維が構造に効果的に接着されることを保証する。
【0054】
第2の部分(12)は固定用ダイス内の筋の部分をクランプで留めることにより形成される際、筋に沿って周期的に形成される。固定用ダイスは前方に動く際に構造と共に動いてもよく、あるいは、その移動は、クランプによる動作が生じ、クランプで留められた位置で硬化が生じている間、停止させることができる。一般に、クランプで留められた部分が形成され始めるのは、筋の残りの部分が、硬化作用を完了させるために加熱部分へと動きだす前である。固定用ダイスは、正方形のような多角形形状に形成されており、巻き付け繊維と長手方向の繊維の両方を搾ることによって、図4に示されるような所望の外部形状(22)になるようにこれらの繊維を形成する。クランプによる作用は繊維を一緒に搾り、構造から樹脂を搾ることによって断面積を小さくしてもよい。長手方向の繊維はクランプ部分によって伸び、巻き付け繊維も、図4に示されるようなクランプ部分によって伸びる。したがって、巻き付けの両方向における巻き付け繊維は、多角形の第2の部分(12)で構造にクランプで留められる。
【0055】
多角形形状の代わりとして、平らに圧縮された形状のような任意の他の非円形形状が使用されてもよい。
【0056】
さらなる代替案として、アンカーに接続を提供するために、でこぼこの鉄筋は、繊維を通る穴部を含むように形成されてもよい。
【0057】
したがって、第2の部分(12)は、筋がチャック要素または他のクランプ要素によって把持可能であるように形成されるため、その結果、特定の環境下で筋の絶縁中にその軸のまわりで回転可能となる。繊維(16)および(17)の巻き付けによって、第2の部分(12)の回転は、巻き付けられた部分(16)および(17)によって筋の長さにわたってねじりモーメントへと確実に伝達される。
【0058】
このタイプの配置の使用例の1つにおいて、筋は、採鉱状況時に岩にドリルで掘られた穴と、適切な樹脂で満たされたドリルで掘られた穴に挿入され得る。第2の部分(12)を把持し、第1の部分(11)を回転させる筋の回転によって引き起こされた樹脂内での攪拌作用により、樹脂は、膨らんだ部分(19)によって引き起こされた効果的な攪拌作用において、周辺のまわりの穴部を介して広がる。したがって、筋は、例えば、鉱山の屋根部分で構造を採掘するための強化材として作用するために、ドリルで掘られた穴の内部の所定の位置に接着され得る。
【0059】
このタイプの補強筋の別の代替的な使用において、ドリルの先端は1つの部分(12)に取り付けられ、筋は別の部分(12)で把持され、筋はドリルの先端とともに回転することが可能であり、これによって、ドリルで開けた穴へと直接筋を移動させながら筋が穴を開けるという穴開け作用を引き起こす。その後、筋は同じ場所に留まることができ、選択されたドリルの先端は、穴部内に廃棄され得るように、完全な使い捨てタイプのものであってもよい。
【0060】
再度、樹脂内部の巻き付け繊維(16)と(17)の存在によって引き起こされる、筋の多角形部分(12)と主要な部分との直接的な接続により、多角形部分と主要な部分(11)の間の負荷の伝達が可能となる。
【0061】
本明細書に記載の配置は、コンクリートの補強筋用のパラメーターを計算するのに使用される因子である埋め込み強度を改善するという点で、著しく有利であることが分かっている。したがって、外部表面の形状(両方向への巻き付け部、長手方向のストランドの膨らみ)は、付着材料(コンクリートまたはエポキシ樹脂)を用いた高度な取り付けを提供する。このより高度な機械的接着は、結果として高度な埋め込み強度につながる。
【0062】
本明細書に記載の配置は、亀裂幅の制御の改善をもたらすという点で、著しく有利であることが分かっている。亀裂幅の測定は、低い亀裂幅因子を維持するという意図の下、コンクリートの補強筋用のパラメーターを計算するのに使用される別の因子である。亀裂制御強化材のために設計する際、この製品の性質とその高い埋め込み強度によって、接着に依存したより小さな係数を使用することができる(例えば、砂で塗装した筋は0.8を使用し、滑らかな引き抜き成形された筋はもっと高いだろう)。接着に依存した低い係数は、より小さな亀裂幅につながるか、あるいは、同じ亀裂幅に必要なより少ない補強材につながる。
【0063】
図5〜8では、直線部分(100)と屈曲部(101)を有する鉄筋を製造する方法が示されている。この方法は、供給アセンブリ(21)からその長さに沿って前方に送り出される伸長性の本体(23)を、一般的に該本体に対して縦に配された強化繊維の粗紡部から形成するための従来のシステム(20)を含んでいる。本体(23)は、浴槽(22)内での粗紡部によって浸透した未硬化の硬化性樹脂で浸潤させる。本体(23)は、駆動および誘導システム(23A)によって前方へと送り出され、あらかじめ決められた張力を維持しようとすべく一定の送り出しを確保するために、前方へと移動させられることによって、あるいは、より一般的には、供給源(21)からの送り出しを制御することによって、あらかじめ決められた速度でこのシステムから送り出され、その速度は様々な因子に依存して変動することもあることに留意する。
【0064】
本体(23)は、前者(22)から、軸の周りを回転するために駆動システム(25)に取り付けられた1つの伸長性の本体を受け取るためのホルダーまたはリール(24)まで送り出される。ホルダーはリール(26)を一般的に備え、該リールは、リールの軸のまわりの一定間隔を置いた位置に配された複数の筋(27)を含む。
【0065】
したがって、ホルダーはハブ(28)を備え、該ハブは、ハブの外側に間隔をおいて配した位置で、または、ハブの軸上で筋(27)を支持するために外側に伸びる複数の横方向レール(30)を含む。
横方向レール(30)は、軸(31A)に対して平行な各々の筋を用いて、軸(31A)のまわりの一定間隔で配置された位置で、複数の係合部材または筋(27)を支持する。
【0066】
各々の筋(27)は、リールの周りに巻き付けられる鉄筋本体(23)を受け取るために外部表面(33)を含んで一般に円筒状である。各々の筋(27)は、軸方向に間隔を置いて配された一連の溝(34)をその外周面上に有し、各々の溝(34)は、鉄筋本体(23)の外周と一致するように準備された曲率半径と幅を有している。したがって、リールがその軸の周りを回転すると、鉄筋本体は、筋(27)に沿って順に各々の溝(34)へと入れられ、溝は、筋(27)上の特定の位置で、鉄筋本体の次の巻き付け部から一定間隔をおいて、鉄筋本体を保持する。したがって、各々の巻き付け部と次の巻き付け部とは接触しない。一般に円筒形状に限定される鉄筋本体を維持するために、少なくとも1つの要素の少なくとも1つの巻き付け部は、内部の粗紡部の周りに巻き付けられる。
【0067】
この巻き付け部は、粗紡が完了した後か、使用されている間に、適所に留まるように意図されているという点で、構造の一部であり得る。別の方法では、巻き付け部は、曲げ工程のために筋に巻き付いている間に、構造の一体性を維持するために設けられてもよい。この場合、巻き付け部は、完成した鉄筋には構造上の何の貢献もしなくてもよく、ただ束をまとめるために使用されるか、あるいは、該材料は、硬化が完了した後に、犠牲材料として取り外されるか、または、廃棄されることだってできる。場合によっては、鉄筋が埋め込まれた材料へのさらなる接着が完全なものである場合、粒子状物質は、鉄筋の外表面へ粘着的に付けることができる。
【0068】
巻き付け部が構造的なものである場合、一般的に螺旋形である。 しかしながら、長手方向に延びる巻き付け材料が使用され得る。すなわち、該巻き付け材料は、筋のまわりに巻きつきられるか、あるいは、たんに筋を被覆することが可能である。
【0069】
筋(27)は、本体のそれぞれの屈曲部を受け取るように、かつ、該屈曲部を形成するように準備された筋のまわりの曲率半径を有する。したがって、筋(27)が円筒状として示されている図では、この円筒形の曲率半径は、形成される所望の屈曲部の意図した曲率半径と一致する。当然のことながら、筋(27)のみが、図6に示されるような4つの筋を用いた配置でおよそ90度になるその外部表面(33)の周辺の一部にわたって、鉄筋本体に接触する。外部表面(33)のこの部分は、形成される屈曲部の形状と一致しなければならない。残りの270度のまわりの筋の残りの部分は、鉄筋本体(23)とまったく接触しないので、任意の形状であってよい。
【0070】
樹脂が硬化しないままである一方で、本体の送り出された長さが1つの係合部材から次の係合部材まで巻き付くように本体がホルダーの回りに巻き付くため、その結果、本体の屈曲部は各々の係合部材の回りに部分的に巻き付けられ、本体の直線部分は各々の係合部材と次の係合部材との間で伸びる。したがって、各々の係合部材は、所望の曲げ形状へと屈曲部を成型するために形成される、角をなして伸びる軸方向に分離した表面部分を有している。駆動システム(25)は、軸(31A)のまわりでハブ(28)を移動させることによってリールを回転させ、前方に送り出される際の鉄筋本体(23)とホルダー(24)との間の相対運動も提供することによって、溝(34)によって定義された筋(27)に沿った階段状の位置でホルダーの筋(27)の回りに本体(23)を巻き付ける。
【0071】
図8で示されるように、ホルダーが充填されると、すなわち、溝(34)の各々が鉄筋本体の一部に係合した場合、本体(23)がホルダーに巻き付いたまま、鉄筋本体の樹脂はホルダー上で硬化する。すなわち、ホルダーが係合部材に沿って配された本体の隣り合う部分によって充填されると、巻き付けは止まり、巻き付けが止まった後に樹脂は硬化し、ホルダーは取り外され、適切なオーブン(50)または他の加熱システムに置かれる。
【0072】
当然のことながら、各々の筋(27)は、各々の屈曲部と次の屈曲部との間の所望の長さを定義するために、一定の距離だけ次の筋から距離を置いて配される。このため、レール(30)に沿った筋(27)の位置は、例えば、筋を内部にスライドさせるとともに軸(31A)に対して平行な所望の位置で設定することを可能にする、ガイドトラックおよびロッキングシステムを定義することによって、調整可能である。
【0073】
駆動システム(25)は、ハブ(28)のそれぞれの端部を支持するための塔部(251および252)を含んでいるか、あるいは、ハブは1つの塔部から片持ち梁にされてもよい。ハブは、土台フレーム(254)上に取り付けられたドライブトレイン(253)によって動かされる。本体(23)とホルダー(24)の間の相対運動は、駆動およびガイドシステム(23A)によって定義された固定の供給位置で本体(23)をガイドすることによって、および、軸(31A)に沿ってホルダー(24)に角度をつける(indexing)ことによって、得られる。角度をつける(indexing)動作は、図6に示されるように、ウォーム、チェーン、または、ラック、あるいは、他の機械駆動システムであってもよい適切な駆動システムを含む角度をつける(indexing)モーター(258)によって、外部の支持フレーム(257)に沿ってハブ(28)を支持するフレーム(254)を移動させることによって達成される。フレーム(257)を横切る角度をつける(indexing)動作は、一定であってもよく、必要に応じて止められてもよく、鉄筋本体は、溝に入れられ、したがって、溝によって定義された軸方向に距離を置いた位置のホルダーに適切に配された溝によって保持されガイドされるということに留意する。したがって、ホルダーは、鉄筋本体(23)に一定の張力を加えるための一定のねじりモーメントを用いて、軸のまわりを動かされる。一定の直線的なねじ巻き速度を達成するために、ハブ(28)、ゆえに、軸のまわりの筋(27)の角速度は、それぞれの筋上での巻き付け位置の放射状位置が軸の内側と外側で変化するため、軸のまわりの異なる角度位置で異なっていなければならない。
【0074】
充填されると、ホルダーは、塔部からハブを取り外し、ホルダーをオーブン(50)の方に動かすことによって、駆動システムから簡単に取り外すことができる(図8)。ホルダーはその後、適切な数のホルダー一式の第2の空のホルダーと取り換えることで、別の空のホルダーを巻き付け中に、充填したホルダーが硬化するという連続生産が可能になる。
【0075】
ホルダーは筋(27)の様々な位置を可能にする様々な直径であってよい。例えば、リールは25フィートもの直径を有することができ、この直径で、筋の多くの様々な位置は、屈曲部の様々な巻き付け角度について多くの様々なバーの数および位置を提供することが可能である。典型的には、鉄筋本体は、筋(27)の外部表面(33)が巻き付け角度にかかわらず一般的に常に同じ直径であるように、鉄筋本体の直径に一致する曲率半径で曲がっている。筋の表面のこの直径は、形成される鉄筋の直径の溝の幅にもちろん一致する。したがって、異なるリールは異なる直径、例えば、0.5インチ、1.0インチ、または、1.5インチなどの鉄筋のために設けられ、そのリールは、それが設計される専用の鉄筋の直径に必要とされる形状をすべて達成することができる。
【0076】
図8では、ホルダーは、係合部材の数が変更されるように整えられる。すなわち、2つの筋だけ残して、筋(27)のうちの2つが取り外され、180度の各々の筋のまわりでの巻き付けを可能にする。
【0077】
図9と10では、筋(27)によって形成された屈曲部とは正反対方向に曲がった角度を有する逆の方向に、第2の屈曲部(40)で鉄筋本体(23)を曲げる方法が示されている。
【0078】
したがって、図9に示されるように、鉄筋本体(23)は、上記と同じ方法で、まずリール(26)の筋の回りに巻き付けられる。この巻き付けが完了して、リールを取り除く準備ができると、あるいは、リールが取り外された後に、第2の屈曲部は、第2の係合部材または筋(42)をリールに挿入することによって、および、筋(27)間の位置で軸(31A)の方へ内側に第2の係合部材または筋(42)を移動させることによって、形成される。したがって、図9および10では、等角の間隔をおいた4つの筋(27)と、筋(27)の間に直接位置する、等角の間隔をおいた4つの筋(27)も示されている。しかしながら、筋(27)および(42)の数と角度間隔は、必要に応じて変えられてもよい。当初の巻き付けは、筋(42)が取り外された状態で行われる。その後、筋(42)はリールに当てられ、図10に示されるような筋(42)の内部の運動M1は、第2の筋(42)と係合するために複数の本体(23)の長さを放出すべく、運動M2における軸(31A)への筋(27A)および(27B)の運動が、この運動に応じることを要求する。筋(27)の内部の運動は、この運動に応じるために、ばね(42A)を自動的に使用して制御可能である。このように、曲がった鉄筋の様々な異なる設計は、異なる位置でおよび異なる間隔を置いた曲がりを含んで、異なる巻き付け角度の曲がりを含んで、および、顧客の要件に応じて様々な方向の曲りを含んで、形成可能である。
【0079】
硬化がオーブン(50)で完了した後、筋(27)の回りに伸びている巻き付いた部分の長さは、必要とされる形状に応じて、筋上の所望の位置で切断される。したがって、1つの例において、1つの筋から次の筋まで伸びる1つの直線部分と、筋の周りに巻き付けられる1つの屈曲部とを各々が有する一連の本体(23)を形成するために、本体(23)は、筋(27)の片側の1つの屈曲部で切断される。このようにして、一連の必要な鉄筋部分は、各々の筋(27)の長さに沿って切断することにより形成される。
【0080】
別の例において、本体(23)は、2つの直線部分と、2つの直線部分間の180度の1つの屈曲部とを備えたU字状の鉄筋を形成するために切断される。これは、リール上にわずか2つの筋のみを用いて、筋(27)の間に等距離で間隔を置いた位置で切断することによって、達成される。
【0081】
しかしながら、これらは例に過ぎず、多くの異なる形状がこのシステムを用いて設計および形成することができる。
【0082】
とりわけ、U字状の鉄筋(55)は図11に示されており、Uの土台は(50)で示され、脚部は(51)と(52)で示されている。このU字状の鉄筋(55)は、内部に直線部分(51および52)と、持ち上げループを形成するために1つの縁部(54)に露出したU(50)の屈曲部とを備えるコンクリートパネル(53)で成型される。したがって、ループ(50)は、コンクリートパネルを持ち上げて所望の位置へと運ぶために、すべてのループを同時に持ち上げるべく、持ち上げシステムの筋(56)によって係合可能な一列の持ち上げループを縁部(54)に形成する。ループは、コンクリートパネルが所望の位置に引き上げられた後に、切断される。
【0083】
以前に説明し、図1に示されたように、補強筋を形成する工程は、補強筋に対して縦に配された強化繊維の一連の内部の粗紡部を提供する工程と、第1の巻き付け方向に、内部の粗紡部の周りに巻き付けられた少なくとも1つの粗紡部の第1の螺旋形の巻き付け部を提供する工程と、第2の巻き付け方向に、内部の粗紡部の周りに巻き付けられた少なくとも1つの粗紡部の第2の螺旋形の巻き付け部を提供する工程であって、その間、樹脂が内部の粗紡部と巻き付け部との両方に浸透することで、浸透した樹脂によって統合された構造が形成される、工程を含む。
【0084】
筋は、筋の長さのほぼ大部分に沿って伸びる外部表面部分を有し、内部の粗紡部は、硬化の間に第1と第2の巻き付け部によって加えられた張力によって外側に露出して膨らんだその一部を、第1と第2の巻き付け部の間に有し、膨らんだ部分は、強化される材料と内部の粗紡部との間に負荷を伝達するように強化される材料と係合するためにでこぼこして露出した筋の外部表面部分の要素を定義する。
【0085】
内部構成要素が好ましくはまたは典型的には粗紡部であるが、他の材料または当業者に知られているさまざまな種類が用いられてもよい。内部構成要素は好ましくは一方向または両方向に巻き付けられるが、必ずしもそうである必要はない。再度、巻き付け部は、好ましくはまたは典型的には粗紡部であるが、マットまたは糸、あるいは、当業者に知られているさまざまな種類が用いられてもよい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11