(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
所定の表示媒体において連続して配置されるコンテンツのうち、予測対象のコンテンツに関する評価値と前記予測対象のコンテンツの周辺に配置される周辺コンテンツに関する評価値とを取得する取得部と、
前記取得部により取得された前記予測対象のコンテンツに関する評価値と前記周辺コンテンツに関する評価値とに基づいて、前記予測対象のコンテンツが選択される確率を予測するモデルを生成する生成部と、
を備えることを特徴とする生成装置。
所定の表示媒体において連続して配置されるコンテンツのうち、予測対象のコンテンツに関する評価値と前記予測対象のコンテンツの周辺に配置される周辺コンテンツに関する評価値とを取得する取得手順と、
前記取得手順により取得された前記予測対象のコンテンツに関する評価値と前記周辺コンテンツに関する評価値とに基づいて、前記予測対象のコンテンツが選択される確率を予測するモデルを生成する生成手順と、
をコンピュータに実行させることを特徴とする生成プログラム。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本願に係る生成装置、生成方法、及び生成プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と呼ぶ)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る生成装置、生成方法、及び生成プログラムが限定されるものではない。また、以下の各実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
【0010】
(実施形態)
〔1.生成処理〕
まず、
図1を用いて、実施形態に係る生成処理の一例について説明する。
図1は、実施形態に係る生成処理の一例を示す図である。なお、本実施形態における生成処理には、生成したモデルを用いて、コンテンツが選択される確率(以下、「クリック確率」とする場合がある)を予測する処理を含む。例えば、ここでいうクリック確率は、予測に基づくクリック率、すなわち予測CTR(Click Through Rate)を意味する。以下では、コンテンツが選択される確率を予測することを、「クリック確率を予測する」または、「クリック率を予測する」とする場合がある。また、以下では、クリック確率の予測対象のコンテンツを「対象コンテンツ」とする場合がある。
【0011】
図1に示すように、予測システム1には、端末装置10と、コンテンツ配信装置50と、予測装置100とが含まれる。端末装置10と、コンテンツ配信装置50と、予測装置100とは図示しない所定のネットワークを介して、有線または無線により通信可能に接続される。なお、
図1に示した予測システム1には、複数台の端末装置10や、複数台のコンテンツ配信装置50や、複数台の予測装置100が含まれてもよい。
【0012】
端末装置10は、ユーザによって利用される情報処理装置である。端末装置10は、例えば、スマートフォンや、タブレット型端末や、ノート型PC(Personal Computer)や、デスクトップPCや、携帯電話機や、PDA(Personal Digital Assistant)等により実現される。
図1に示す例においては、端末装置10がタッチパネル機能を有するスマートフォンである場合を示す。なお、以下では、端末装置10をユーザと表記する場合がある。すなわち、以下では、ユーザを端末装置10と読み替えることもできる。
【0013】
また、端末装置10は、コンテンツ配信装置50へコンテンツの配信を要求する。また、端末装置10は、コンテンツ配信装置50から配信されたコンテンツを所定のアプリにより表示する。なお、所定のアプリはブラウザであってもよい。
【0014】
コンテンツ配信装置50は、端末装置10に表示されるコンテンツを配信する情報処理装置である。例えば、コンテンツ配信装置50は、端末装置10からの配信要求に応じて、所定の配置順で表示される複数のコンテンツ(以下、「記事」とする場合がある)を端末装置10に配信する。また、コンテンツ配信装置50は、コンテンツを配信した端末装置10からログ情報を取得する。例えば、コンテンツ配信装置50は、所定の配置順で表示される複数の記事のうち、どの記事がクリックされたかに関する情報を取得する。
【0015】
予測装置100は、生成したモデルを用いて、対象コンテンツのクリック確率を予測するサービスを提供する情報処理装置である。また、予測装置100は、対象コンテンツに関する評価値と周辺コンテンツに関する評価値とに基づいて、対象コンテンツのクリック確率を予測するモデルを生成する生成装置である。なお、
図1では、各コンテンツに関する評価値として、各コンテンツのクリック率、すなわちCTRを用いる場合を示す。また、周辺コンテンツとは、対象コンテンツの周囲に配置されるコンテンツであるが、詳細は後述する。
【0016】
図1に示すように、コンテンツ配信装置50は、ユーザU1が利用する端末装置10にコンテンツを配信する(ステップS11−1)。例えば、コンテンツ配信装置50は、ユーザU1が利用する端末装置10からコンテンツの配信要求を受け付けた場合、ユーザU1が利用する端末装置10にコンテンツを配信する。
【0017】
そして、ユーザU1が利用する端末装置10は、受信したコンテンツを表示する。
図1では、ユーザU1が利用する端末装置10は、受信したコンテンツのうち配置順が1位〜4位のコンテンツである記事A、記事B、記事C、記事Dを表示する。なお、端末装置10を利用するユーザU1は、端末装置10の画面にタッチしスクロール操作等を行うことにより、記事Dから下の記事を順次表示させる。また、
図1では、ユーザU1が、端末装置10に表示された記事Aと記事Dとを選択、すなわちクリックしたものとする。
【0018】
その後、コンテンツ配信装置50は、ユーザU1が利用する端末装置10から配信したコンテンツに関するログ情報を取得する(ステップS11−2)。例えば、コンテンツ配信装置50は、ユーザU1が利用する端末装置10からユーザU1が記事Aと記事Dとをクリックしたことを示す情報を取得する。
【0019】
また、コンテンツ配信装置50は、ユーザU2が利用する端末装置10にコンテンツを配信する(ステップS12−1)。例えば、コンテンツ配信装置50は、ユーザU2が利用する端末装置10からコンテンツの配信要求を受け付けた場合、ユーザU2が利用する端末装置10にコンテンツを配信する。
【0020】
そして、ユーザU2が利用する端末装置10は、受信したコンテンツを表示する。
図1では、ユーザU2が利用する端末装置10は、受信したコンテンツのうち配置順が1位〜4位のコンテンツである記事B、記事D、記事A、記事Cを表示する。なお、端末装置10を利用するユーザU2は、端末装置10の画面にタッチしスクロール操作等を行うことにより、記事Cから下の記事を順次表示させる。また、
図1では、ユーザU2が、端末装置10に表示された記事Aと記事Cとを選択、すなわちクリックしたものとする。
【0021】
その後、コンテンツ配信装置50は、ユーザU2が利用する端末装置10から配信したコンテンツに関するログ情報を取得する(ステップS12−2)。例えば、コンテンツ配信装置50は、ユーザU2が利用する端末装置10からユーザU2が記事Aと記事Cとをクリックしたことを示す情報を取得する。
【0022】
そして、コンテンツ配信装置50は、端末装置10から取得したログ情報を予測装置100へ送信する(ステップS13)。予測装置100は、コンテンツ配信装置50から取得したログ情報(以下、「配信ログ情報」とする場合がある)を配信ログ情報記憶部122(
図2参照)に記憶する。なお、予測システム1において、予測装置100が予め配信ログ情報を取得している場合、ステップS11〜ステップS13の処理は行わなくてもよい。
【0023】
次に、予測装置100は、コンテンツ情報記憶部121(
図2参照)に記憶された各記事のCTRや、コンテンツ配信装置50から取得した配信ログ情報122−1、122−2等を用いて、対象コンテンツのクリック確率を予測するモデルを生成する。例えば、配信ログ情報122−1は、ユーザU1の端末装置10から取得した配信ログ情報であり、配信ログ情報122−2は、ユーザU2の端末装置10から取得した配信ログ情報である。
【0024】
ここで、
図1に示す例では、対象コンテンツを含む各コンテンツは、端末装置10において上下方向に並べて一覧表示される。そのため、端末装置10を利用するユーザは、上側にあるコンテンツ、すなわち配置順が上位のコンテンツから順に閲覧(視認)することになる。したがって、対象コンテンツがユーザにクリックされるかには、対象コンテンツの上方にどのようなコンテンツが配置されるかが影響を与えると仮定できる。そこで、
図1で上下方向に並んで一覧表示されるコンテンツにおいて、対象コンテンツのクリック確率は、以下の数式(1)により算出される。
【0026】
上記式(1)の左辺中の「P(Click(i))」は、配置順がi番目の対象コンテンツのクリック確率に対応する。例えば、「P(Click(i))」は、0〜1の値になる。
【0027】
また、上記式(1)の右辺中の第1項「α
i,0・CTR(C(i))」は、配置順がi番目の対象コンテンツのCTRである「CTR(C(i))」に所定の重み「α
i,0」を乗算したものである。
【0028】
また、上記式(1)の右辺中の第2項は、配置順がi番目の対象コンテンツの上方に配置されたコンテンツのクリック確率に対応する。例えば、K=1の場合、「α
i,1・P(Click(i−1))」は、配置順がi−1番目のコンテンツのクリック確率である「P(Click(i−1))」に所定の重み「α
i,1」を乗算したものとなる。K=2以降についても同様である。
【0029】
すなわち、予測装置100は、Kの値を変更することにより、配置順がi番目の対象コンテンツから上方に何個までのコンテンツの影響を加味したモデルを生成するかを決定する。すなわち、予測装置100は、Kの値を変更することにより、配置順がi番目の対象コンテンツから上方に何個までのコンテンツの影響を加味したクリック確率を予測するかを決定する。
【0030】
ここで、上記式(1)中の右辺を変形すると、以下の式(2)を得る。
【0032】
上記式(2)の右辺中の第2項は、配置順がi−1番目、すなわち対象コンテンツの1つ上に配置されたコンテンツのクリック確率に対応する。例えば、上記式(2)の右辺中の第2項における「α
i−1,0・CTR(C(i−1))」は、配置順がi−1番目のコンテンツのCTRである「CTR(C(i−1))」に所定の重み「α
i−1,0」を乗算したものである。なお、上記式(2)の右辺中の第2項における他の部分は、上記式(1)の右辺中の第2項の「K」を「K−1」とし、「i」を「i−1」とした以外は、上記式(1)の右辺中の第2項と同様である。
【0033】
また、上記式(2)の右辺中の第3項は、「k=2」なので、配置順がi番目の対象コンテンツの対象コンテンツの2つ以上上に配置されたコンテンツのクリック確率に対応する。例えば、K=2の場合、「α
i,2・P(Click(i−2))」は、配置順がi−2番目のコンテンツのクリック確率である「P(Click(i−2))」に所定の重み「α
i,2」を乗算したものとなる。K=3以降についても同様である。
【0034】
また、上記式(2)中の右辺をさらに変形すると、以下の式(3)を得る。
【0036】
例えば、上記式(3)の右辺中の第2項は、上記式(2)の右辺中の第2項の「α
i−1,0・CTR(C(i−1))」の部分に対応する。また、例えば、上記式(3)の右辺中の第3項は、上記式(2)の右辺中の第2項の「α
i−1,0・CTR(C(i−1))」以外の部分と上記式(2)の右辺中の第3項を合わせたものである。
【0037】
上記の式(3)を各コンテンツのCTRとその重みの乗算の形式に変形すると、以下の式(4)を得る。
【0039】
上記式(4)の右辺は、例えば、K=0の場合、「β
i,0・CTR(C(i−0))」となり、配置順がi番目の対象コンテンツのクリック確率である「P(Click(i))」は、対象コンテンツのCTRである「CTR(C(i))」に所定の重み「β
i,0」を乗算した値となる。また、K=1の場合、対象コンテンツのCTRである「CTR(C(i))」に所定の重み「β
i,0」を乗算した値と、「β
i,1・CTR(C(i−1))」とを合算した値となる。なお、「β
i,1・CTR(C(i−1))」は、配置順がi−1番目のコンテンツのCTRである「CTR(C(i−1))」に所定の重み「β
i,1」を乗算した値となる。K=2以降についても同様である。
【0040】
また、上記式(4)の場合、例えば重み「β
i,0」は「α
i,0」に対応し、重み「β
i,1」は「α
i,1・α
i−1,0」に対応する。
【0041】
上述したように、予測装置100は、Kの値を変更することにより、配置順がi番目の対象コンテンツから上方に何個までのコンテンツの影響を加味したモデルを生成するかを決定する。すなわち、予測装置100は、「K=1」、「K=2」、「K=3」と「K」の値を種々変更して学習することにより、各「K」に対応する複数のモデルを生成することができる。なお、以下で、上記式(4)を用いると記載する場合、対象コンテンツのクリック確率を予測するために、適切な「K」の値が選択されるものとする。例えば、
図1に示す例においては、「K」には、「2」が選択される。
【0042】
図1では、予測装置100は、上記式(4)の右辺中の「K」の値に応じて各重み「β
i,0」、「β
i,1」等を学習により導出する。例えば、上記式(4)において「K=2」の場合、予測装置100は、対象コンテンツから2つ上までのコンテンツの影響まで加味する。すなわち、「K=2」の場合、予測装置100は、重み「β
i,0」、「β
i,1」、「β
i,2」を学習により導出する。これにより、予測装置100は、対象コンテンツのクリック確率を予測するモデルを生成する(ステップS14)。例えば、予測装置100は、ステップS14において生成したモデル(重み)を学習情報記憶部123(
図2参照)に記憶する。
【0043】
図1では、予測装置100は、対象コンテンツのクリック確率を予測するモデルとして、「位置0」すなわち対象コンテンツに対応する重み「β
i,0」が「0.7」であるモデルを生成する。また、予測装置100が生成したモデルは、「位置1」すなわち対象コンテンツの1つ上に配置されたコンテンツに対応する重み「β
i,1」が「0.15」であり、「位置2」すなわち対象コンテンツの2つ上に配置されたコンテンツに対応する重み「β
i,2」が「0.05」であることを示す。なお、予測装置100が生成するモデルの重みは、0や負の値であってもよい。
【0044】
次に、予測装置100は、生成したモデルを用いて、対象コンテンツのクリック確率を予測する。例えば、予測装置100は、上記式(4)や、コンテンツ情報記憶部121に記憶された各記事のCTRや、学習情報記憶部123に記憶された各素性の重みを用いて対象コンテンツのクリック確率を予測する。
【0045】
図1では、配置順1位に記事Zが配置され、配置順2位に記事Xが配置され、配置順3位に記事Yが配置され、配置順4位に記事Wが配置され、上下方向に並べて一覧表示される一覧表示コンテンツLO11について、予測装置100が予測を行う場合を説明する。また、
図1では、予測装置100は、一覧表示コンテンツLO11のうち、配置順が3位の記事Yを対象コンテンツTG11として、クリック確率を予測する(ステップS15)。
【0046】
具体的には、予測装置100は、記事YのCTR、記事XのCTR、記事ZのCTR、「位置0」の重み、「位置1」の重み、「位置2」の重みを上記式(4)中の対応する変数に代入することにより、対象コンテンツTG11である記事Yのクリック確率を予測する。例えば、予測装置100は、ステップS15における予測により、記事Yのクリック確率の予測結果値PV11を予測(出力)する。
図1では、予測装置100は、一覧表示コンテンツLO11のように各記事W〜Zが配置された場合、記事Yのクリック確率が「0.06」であると予測する。
【0047】
上述したように、予測装置100は、CTRが「0.04」である記事Yのクリック確率が「0.06」であると予測する。すなわち、予測装置100は、一覧表示コンテンツLO11のように各記事W〜Zが配置された場合、記事Yがクリックされる確率がCTRよりも高くなると予測する。つまり、予測装置100は、対象コンテンツが配置される位置の周辺に配置されるコンテンツ(以下、「周辺コンテンツ」とする場合がある)のCTR等の情報を用いることにより、対象コンテンツのクリック確率を適切に予測することができる。このように、予測装置100は、コンテンツのクリック率を適切に予測するモデルを生成することができる。したがって、予測装置100は、生成したモデルにより、コンテンツのクリック率を適切に予測することができる。
【0048】
なお、予測装置100は、予測した対象コンテンツのクリック確率を外部の情報処理装置へ送信してもよい。例えば、予測装置100は、予測した対象コンテンツのクリック確率をコンテンツ配信装置50へ送信してもよい。また、予測装置100がコンテンツを配信するコンテンツ配信装置であってもよい。この場合、予測装置100は、対象コンテンツのクリック確率を予測し、適切な配置順に並んだコンテンツ(記事)を配信することができる。
【0049】
また、予測装置100は、対象コンテンツの配置位置よりも上側の周辺コンテンツに限らず、対象コンテンツの配置位置よりも下側に連続して配置される周辺コンテンツの影響も考慮してもよい。例えば、予測装置100は、対象コンテンツの1つ下の配置位置を「位置−1」とし、対象コンテンツの2つ下の配置位置を「位置−2」として、対象コンテンツの配置位置よりも下側に配置される周辺コンテンツも素性に含めてもよい。
【0050】
また、予測装置100は、コンテンツの配置態様に応じて、対象コンテンツの左右方向や斜め方向に配置された周辺コンテンツの影響も考慮してもよい。例えば、予測装置100は、左右方向に並べて配置される場合、対象コンテンツの1つ右の配置位置を「位置1」とし、対象コンテンツの1つ左の配置位置を「位置−1」として、対象コンテンツの左右方向に連続して配置される周辺コンテンツも素性に含めてもよい。
【0051】
また、予測装置100は、例えば、コンテンツが上下左右に連続して、すなわち面状(格子状)に配置される場合、対象コンテンツの配置位置を「位置(0、0)」としてもよい。この場合、予測装置100は、対象コンテンツの1つ上の配置位置を「位置(0、1)」とし、対象コンテンツの1つ下の配置位置を「位置(0、−1)」として、対象コンテンツの上下方向に連続して配置される周辺コンテンツも素性に含めてもよい。また、予測装置100は、対象コンテンツの1つ右の配置位置を「位置(1、0)」とし、対象コンテンツの1つ左の配置位置を「位置(−1、0)」として、対象コンテンツの左右方向に連続して配置される周辺コンテンツも素性に含めてもよい。また、予測装置100は、対象コンテンツの右斜め上の直近の配置位置を「位置(1、1)」とし、「位置(1、1)」の次の右斜め上の配置位置を「位置(2、2)」とし、対象コンテンツの斜め方向に連続して配置される周辺コンテンツも素性に含めてもよい。なお、予測装置100は、コンテンツの配置に基づいて、各コンテンツの配置位置に所定の番号を対応させることにより、所定の番号の位置に配置される周辺コンテンツも素性に含めてもよい。
【0052】
また、予測装置100は、対象コンテンツの配置位置からの距離に基づいて、モデルの生成に加味する周辺コンテンツを決定してもよい。例えば、予測装置100は、対象コンテンツの配置位置から距離Lの範囲内に位置するコンテンツを周辺コンテンツとして、モデルの生成を行ってもよい。この場合、予測装置100は、コンテンツのサイズに応じて、Kの値を変動させてモデルを生成する。例えば、予測装置100は、対象コンテンツから上方に距離Lの範囲内に位置するコンテンツを周辺コンテンツとする場合、対象コンテンツの1つ上のコンテンツの位置が距離L以内であり、対象コンテンツの2つ上のコンテンツの位置が距離Lより遠い場合、「K=1」としてモデルの生成を行う。また、例えば、予測装置100は、対象コンテンツから上方に距離Lの範囲内に位置するコンテンツを周辺コンテンツとする場合、対象コンテンツの2つ上のコンテンツの位置が距離L以内である場合、「K=2」としてモデルの生成を行う。なお、ここでいうコンテンツの位置は、目的に応じて種々のコンテンツの位置を用いてもよい。例えば、コンテンツの位置は、コンテンツの中心の位置であってもよいし、対象コンテンツに最も近い部分の位置であってもよいし対象コンテンツから最も遠い部分の位置であってもよい。このように、予測装置100は、コンテンツの配置態様に応じて、どのような周辺コンテンツも素性に含めることができる。すなわち、予測装置100は、コンテンツの配置態様に応じて、コンテンツのクリック率を適切に予測するモデルを生成することができる。したがって、予測装置100は、生成したモデルにより、コンテンツのクリック率を適切に予測することができる。
【0053】
〔2.予測装置の構成〕
次に、
図2を用いて、実施形態に係る予測装置100の構成について説明する。
図2は、実施形態に係る予測装置100の構成例を示す図である。
図2に示すように、予測装置100は、通信部110と、記憶部120と、制御部130とを有する。なお、予測装置100は、予測装置100の管理者等から各種操作を取得する入力部(例えば、キーボードやマウス等)や、各種情報を表示するための表示部(例えば、液晶ディスプレイ等)を有してもよい。
【0054】
(通信部110)
通信部110は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。そして、通信部110は、ネットワークと有線または無線で接続され、端末装置10やコンテンツ配信装置50との間で情報の送受信を行う。
【0055】
(記憶部120)
記憶部120は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。実施形態に係る記憶部120は、
図2に示すように、コンテンツ情報記憶部121と、配信ログ情報記憶部122と、学習情報記憶部123とを有する。
【0056】
(コンテンツ情報記憶部121)
実施形態に係るコンテンツ情報記憶部121は、コンテンツ(記事)に関する各種情報を記憶する。
図3に、実施形態に係るコンテンツ情報記憶部121の一例を示す。
図3に示すコンテンツ情報記憶部121は、「コンテンツID」、「コンテンツ」、「CTR」、「提供元ID」といった項目を有する。
【0057】
「コンテンツID」は、コンテンツを識別するための識別情報を示す。「コンテンツ」は、いわゆるコンテンツプロバイダ等の提供元から取得したコンテンツである記事を示す。
図3では「コンテンツ」に「記事A」といった概念的な情報が格納される例を示したが、実際には、文字情報や文字情報と画像との組合せ、または、これらの格納場所を示すファイルパス名などが格納される。また、「CTR」は、対応するコンテンツのCTR、すなわちクリック率を示す。また、「提供元ID」は、コンテンツの提供元を識別するための識別情報を示す。
【0058】
例えば、
図3に示す例において、コンテンツID「CT11」により識別される記事Aは、提供元ID「CP11」により識別される提供元から取得したコンテンツであることを示す。また、コンテンツID「CT11」により識別される記事Aは、CTRが「0.25」であることを示す。
【0059】
なお、コンテンツ情報記憶部121は、上記に限らず、目的に応じて種々の情報を記憶してもよい。例えば、コンテンツ情報記憶部121は、コンテンツを取得した日時やコンテンツが作成された日時に関する情報を記憶してもよい。コンテンツ情報記憶部121は、各コンテンツが最適に配置された場合のクリック確率に関する情報を記憶してもよい。
【0060】
(配信ログ情報記憶部122)
実施形態に係る配信ログ情報記憶部122は、配信ログに関する各種情報を記憶する。
図4に、実施形態に係る配信ログ情報記憶部122の一例を示す。
図4では、各端末装置10から取得した配信ログ情報を記憶する。例えば、配信ログ情報記憶部122は、配信ログ情報122−1、122−2等を含む。例えば、配信ログ情報122−1は、ユーザU1の端末装置10から取得した配信ログ情報であり、配信ログ情報122−2は、ユーザU2の端末装置10から取得した配信ログ情報である。
図4に示す各配信ログ情報122−1、122−2等には、「配置順」、「コンテンツ」、「クリック」といった項目が含まれる。
【0061】
「配置順」は、端末装置10へ配信したコンテンツの配置順を示す。「コンテンツ」は、対応する配置順で配置されるコンテンツを示す。また、「クリック」は、対応するコンテンツがユーザにクリックされたかを示す。
【0062】
例えば、
図4に示す例において、配信ログ情報122−1は、ユーザU1の端末装置10に配信したコンテンツの配置順1位が記事Aであり、2位が記事Bであり、3位が記事Cであり、4位が記事Dであることを示す。また、配信先であるユーザU1の端末装置10において、記事Aと記事Dがクリックされたことを示す。
【0063】
なお、配信ログ情報記憶部122は、上記に限らず、目的に応じて種々の情報を記憶してもよい。例えば、配信ログ情報記憶部122は、各コンテンツが表示された時間やコンテンツがクリックされた順番に関する情報を記憶してもよい。
【0064】
(学習情報記憶部123)
実施形態に係る学習情報記憶部123は、学習に関する各種情報を記憶する。例えば、学習情報記憶部123は、学習により導出された各素性(配置位置)に対応する重みに関する各種情報を記憶する。例えば、学習情報記憶部123は、上記式(4)中の「β
i,0」等に対応する重みを記憶する。
図5に、実施形態に係る学習情報記憶部123の一例を示す。
図5に示す学習情報記憶部123は、「素性」、「重み」といった項目を有する。
【0065】
「素性」は、学習を行う重みを導出する対象(情報)を示す。
図5において、「素性」は、コンテンツの配置位置である。具体的には、「素性」は、対象コンテンツの配置位置を「位置0」とした場合における、他のコンテンツの相対的位置に対応する。例えば、「位置1」は、対象コンテンツの配置位置の1つ上の位置に対応し、「位置2」は、対象コンテンツの配置位置の2つ上の位置に対応する。
図5に示す例において、「位置0」の重みは「0.7」であり、「位置1」の重みは「0.15」であり、「位置2」の重みは「0.05」であることを示す。
【0066】
なお、学習情報記憶部123は、上記に限らず、目的に応じて種々の情報を記憶してもよい。例えば、予測装置100が対象コンテンツの配置位置よりも下側に配置されるコンテンツの影響も考慮する場合、「位置−1」や「位置−2」のように対象コンテンツの配置位置よりも下に位置するコンテンツの重みも記憶してもよい。
【0067】
(制御部130)
図2の説明に戻って、制御部130は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、予測装置100内部の記憶装置に記憶されている各種プログラム(生成プログラムの一例に相当)がRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部130は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現される。
【0068】
図2に示すように、制御部130は、取得部131と、生成部132と、予測部133と、送信部134とを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。なお、制御部130の内部構成は、
図2に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。また、制御部130が有する各処理部の接続関係は、
図2に示した接続関係に限られず、他の接続関係であってもよい。
【0069】
(取得部131)
取得部131は、所定の表示媒体において連続して配置されるコンテンツのうち、予測対象のコンテンツに関する評価値と予測対象のコンテンツの周辺に配置される周辺コンテンツに関する評価値とを取得する。ここでいう表示媒体は、例えば、端末装置10の表示画面であってもよい。例えば、取得部131は、所定の表示画面において連続して配置されるコンテンツのうち、予測対象のコンテンツに関する評価値と予測対象のコンテンツの周辺に配置される周辺コンテンツに関する評価値とを取得する。
図1では、取得部131は、対象コンテンツである記事YのCTR、対象コンテンツの周辺(上方)に配置される周辺コンテンツである記事Z及び記事XのCTRをコンテンツ情報記憶部121から取得する。
【0070】
例えば、取得部131は、所定の方向に並べて配置されるコンテンツのうち、予測対象のコンテンツに連続して並べられた周辺コンテンツに関する評価値を取得する。また、例えば、取得部131は、所定の方向に並べて配置されるコンテンツのうち、予測対象のコンテンツの上部に連続して並べられた周辺コンテンツに関する評価値を取得する。また、例えば、取得部131は、予測対象のコンテンツに関するクリック率(CTR)と周辺コンテンツに関するクリック率(CTR)とを取得する。
【0071】
また、取得部131は、コンテンツ配信装置50からログ情報を取得する。例えば、取得部131は、外部の情報処理装置から各コンテンツのCTRを取得してもよい。この場合、取得部131は、外部の情報処理装置から取得した各コンテンツのCTRをコンテンツ情報記憶部121に記憶する。
【0072】
(生成部132)
生成部132は、取得部131により取得された予測対象のコンテンツに関する評価値と周辺コンテンツに関する評価値とに基づいて、予測対象のコンテンツが選択される確率を予測するモデルを生成する。例えば、生成部132は、コンテンツ情報記憶部121に記憶された各記事のCTRや、コンテンツ配信装置50から取得した配信ログ情報122−1、122−2等を用いて、対象コンテンツのクリック確率を予測するモデルを生成する。例えば、生成部132は、上記式(4)やコンテンツ情報記憶部121に記憶された各記事のCTRや、コンテンツ配信装置50から取得した配信ログ情報122−1、122−2等を用いて、各素性(位置)の重みを導出する。例えば、生成部132は、対象コンテンツのクリック確率を予測するモデルとして、「位置0」すなわち対象コンテンツに対応する重み「β
i,0」が「0.7」であるモデルを生成する。
【0073】
(予測部133)
予測部133は、生成部132により生成されたモデルを用いて、対象コンテンツのクリック確率を予測する。例えば、予測部133は、上記式(4)や、コンテンツ情報記憶部121に記憶された各記事のCTRや、学習情報記憶部123に記憶された各素性の重みを用いて対象コンテンツのクリック確率を予測する。
図1では、予測部133は、記事YのCTR、記事XのCTR、記事ZのCTR、「位置0」の重み、「位置1」の重み、「位置2」の重みを上記式(4)中の対応する変数に代入することにより、対象コンテンツである記事Yのクリック確率を予測する。この場合、予測部133は、一覧表示コンテンツLO11のように各記事W〜Zが配置された場合、記事Yのクリック確率が「0.06」であると予測する。
【0074】
(送信部134)
送信部134は、外部の情報処理装置へ種々の情報を送信する。例えば、送信部134は、コンテンツ配信装置50に配信ログ情報の取得要求を送信してもよい。また、送信部134は、予測部133により予測された対象コンテンツのクリック確率を外部の情報処理装置へ送信してもよい。例えば、送信部134は、予測部133により予測された対象コンテンツのクリック確率をコンテンツ配信装置50へ送信してもよい。
【0075】
〔3.クリック確率の予測〕
次に、
図6を用いて、実施形態に係る予測装置100による配置順に基づくクリック確率の予測について説明する。
図6は、実施形態に係る配置順に基づくクリック確率を予測する処理の一例を示す図である。
【0076】
図6では、対象コンテンツTG20である記事Dの配置順が4位に決定された一覧表示コンテンツLO20について、他のコンテンツの配置に応じて変動するクリック確率を比較する場合を例に説明する。なお、
図6では、予測装置100は、
図3に示すコンテンツ情報記憶部121に記憶される各コンテンツのCTRや、学習情報記憶部123に記憶されたモデル(各素性の重み)を用いる。また、予測装置100は、クリック確率の予測に上記式(4)を用いる。
【0077】
まず、予測装置100は、一覧表示コンテンツLO21のように対象コンテンツTG20である記事D以外の記事の配置順を決定する(ステップS21)。
図6では、予測装置100は、一覧表示コンテンツLO21における配置順1位を記事A、2位を記事B、3位を記事C、5位を記事W等に決定する。
【0078】
そして、予測装置100は、一覧表示コンテンツLO21の配置における対象コンテンツTG20である記事Dのクリック確率を予測する(ステップS22)。例えば、予測装置100は、ステップS22における予測により、記事Dのクリック確率の予測結果値PV21を予測(出力)する。
図6では、予測装置100は、一覧表示コンテンツLO21のように各記事が配置された場合、記事Dのクリック確率が「0.05」であると予測する。
【0079】
次に、予測装置100は、一覧表示コンテンツLO22のように対象コンテンツTG20である記事D以外の記事の配置順を決定する(ステップS23)。
図6では、予測装置100は、一覧表示コンテンツLO22における配置順1位を記事W、2位を記事B、3位を記事Y、5位を記事A等に決定する。
【0080】
そして、予測装置100は、一覧表示コンテンツLO22の配置における対象コンテンツTG20である記事Dのクリック確率を予測する(ステップS24)。例えば、予測装置100は、ステップS24における予測により、記事Dのクリック確率の予測結果値PV22を予測(出力)する。
図6では、予測装置100は、一覧表示コンテンツLO22のように各記事が配置された場合、記事Dのクリック確率が「0.04」であると予測する。
【0081】
また、予測装置100は、一覧表示コンテンツLO23のように対象コンテンツTG20である記事D以外の記事の配置順を決定する(ステップS25)。
図6では、予測装置100は、一覧表示コンテンツLO23における配置順1位を記事C、2位を記事X、3位を記事A、5位を記事Y等に決定する。
【0082】
そして、予測装置100は、一覧表示コンテンツLO23の配置における対象コンテンツTG20である記事Dのクリック確率を予測する(ステップS26)。例えば、予測装置100は、ステップS26における予測により、記事Dのクリック確率の予測結果値PV23を予測(出力)する。
図6では、予測装置100は、一覧表示コンテンツLO23のように各記事が配置された場合、記事Dのクリック確率が「0.07」であると予測する。
【0083】
そして、予測装置100は、予測結果値PV21〜PV23を比較することにより、一覧表示コンテンツLO21〜LO23のうち、対象コンテンツTG20である記事Dのクリック確率を上げるには、一覧表示コンテンツLO23の配置順が最も適切であると判定できる。
【0084】
〔4.モデルの生成〕
次に、
図7を用いて、実施形態に係る予測装置100におけるモデルの生成について説明する。
図7は、実施形態に係るモデル生成の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【0085】
まず、
図7に示す例において、予測装置100は、各コンテンツのCTRを取得する(ステップS101)。例えば、予測装置100は、各コンテンツのCTRをコンテンツ情報記憶部121から取得する。また、予測装置100は、配信ログ情報を取得する(ステップS102)。例えば、予測装置100は、配信ログ情報をコンテンツ配信装置50や配信ログ情報記憶部122から取得する。
【0086】
そして、予測装置100は、配置順と各コンテンツのCTRに基づくモデルを生成する(ステップS103)。例えば、予測装置100は、各配置順におけるコンテンツのクリック実績や各コンテンツのCTRに基づくモデルを生成する。例えば、予測装置100は、上記式(4)をもちいて、各素性の重みをモデルとして生成する。
【0087】
〔5.対象コンテンツのクリック確率予測〕
次に、
図8を用いて、実施形態に係る予測装置100におけるクリック確率の予測について説明する。
図8は、実施形態に係るクリック確率予測の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【0088】
図8に示すように、予測装置100は、各コンテンツのCTRを取得する(ステップS201)。例えば、予測装置100は、各コンテンツのCTRをコンテンツ情報記憶部121から取得する。また、予測装置100は、コンテンツの配置順を取得する(ステップS202)。また、予測装置100は、予測対象のコンテンツの指定を取得する(ステップS203)。また、予測装置100は、モデルを取得する(ステップS204)。例えば、予測装置100は、学習情報記憶部123からモデル(重み)を取得する。
【0089】
その後、予測装置100は、各コンテンツのCTR、コンテンツの配置順、及びモデルに基づいて、予測対象のコンテンツがクリックされる確率(クリック確率)を予測する(ステップS205)。
【0090】
〔6.変形例〕
上述した実施形態に係る予測装置100は、上記実施形態以外にも種々の異なる形態にて実施されてよい。例えば、予測装置100は、コンテンツの評価値に加えて、対象コンテンツとの関連度など、コンテンツの内容に関する情報を加味したモデルを生成してもよい。この点について、
図9〜
図11を用いて説明する。また、以下の変形例において実施形態と同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
【0091】
〔6−1.予測装置の構成〕
次に、
図9を用いて、変形例に係る予測装置200の構成について説明する。
図9は、変形例に係る予測装置の構成例を示す図である。なお、予測装置200において予測装置100と同様の構成は、同一の番号を付して説明を省略する。
図9に示すように、予測装置200は、通信部110と、記憶部220と、制御部230とを有する。
【0092】
(記憶部220)
記憶部220は、例えば、RAM、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。変形例に係る記憶部220は、
図9に示すように、コンテンツ情報記憶部221と、配信ログ情報記憶部122と、学習情報記憶部223とを有する。
【0093】
(コンテンツ情報記憶部221)
変形例に係るコンテンツ情報記憶部221は、コンテンツ(記事)に関する各種情報を記憶する。
図10に、変形例に係るコンテンツ情報記憶部221の一例を示す。
図10に示すコンテンツ情報記憶部221は、「コンテンツID」、「コンテンツ」、「CTR」、「提供元ID」、「カテゴリ」といった項目を有する。
【0094】
「カテゴリ」は、対応するコンテンツの内容に基づくコンテンツの分類を示す。例えば、
図10に示す例において、コンテンツID「CT11」により識別される記事Aは、カテゴリ「スポーツ」に分類されることを示す。
【0095】
なお、コンテンツ情報記憶部221は、上記に限らず、目的に応じて種々の情報を記憶してもよい。例えば、コンテンツ情報記憶部221は、各コンテンツに含まれる特徴語(重要キーワード)に関する情報を記憶してもよい。また、コンテンツ情報記憶部221は、コンテンツについてカテゴリごとにスコアを記憶してもよい。例えば、コンテンツ情報記憶部221は、コンテンツID「CT11」により識別される記事Aについて、スポーツは「80」、芸能は「30」、地域は「40」、経済は「5」等のカテゴリごとのスコアを記憶してもよい。
【0096】
(学習情報記憶部223)
変形例に係る学習情報記憶部223は、学習に関する各種情報を記憶する。例えば、学習情報記憶部223は、学習により導出された各素性(配置位置)に対応する重みに関する各種情報を記憶する。
図11に、変形例に係る学習情報記憶部223の一例を示す。
図11に示す学習情報記憶部223は、「素性」、「第1重み」、「第2重み」といった項目を有する。
【0097】
「素性」は、学習を行う重みを導出する対象(情報)を示す。
図11において、「素性」は、コンテンツの配置位置である。具体的には、「素性」は、対象コンテンツの配置位置を「位置0」とした場合における、他のコンテンツの相対的位置に対応する。例えば、「位置1」は、対象コンテンツの配置位置の1つ上の位置に対応し、「位置2」は、対象コンテンツの配置位置の2つ上の位置に対応する。
【0098】
「第1重み」は、CTRに関する項に用いられる重みを示す。例えば、下記の式(5)において「CTR(C(i−k))」の重み「γ
i,k」に対応する。また、「第2重み」は、対象コンテンツとのコンテンツの関連度に関する項に用いられる重みを示す。例えば、下記の式(5)において「REV(C(i−k))」の重み「ω
i,k」に対応する。
【0099】
図11に示す例において、「位置0」の第1重みは「0.6」であり、第2重みは「−」である。この場合、「位置0」のコンテンツは、対象コンテンツ自身であり、コンテンツの関連度は考慮されない。例えば、「位置0」の第2重みは「0」であってもよい。なお、「位置0」の第2重みを、対象コンテンツの重要度に関する重みとして算出してもよい。また、「位置1」の第1重みは「0.05」であり、第2重みは「0.5」である。また、「位置2」の第1重みは「0.01」であり、第2重みは「0.2」である。
【0100】
なお、学習情報記憶部223は、上記に限らず、目的に応じて種々の情報を記憶してもよい。例えば、予測装置200が対象コンテンツの配置位置よりも下側に配置されるコンテンツの影響も考慮する場合、「位置−1」や「位置−2」のように対象コンテンツの配置位置よりも下に位置するコンテンツの重みも記憶してもよい。
【0101】
(制御部230)
図9の説明に戻って、制御部230は、例えば、CPUやMPU等によって、予測装置200内部の記憶装置に記憶されている各種プログラム(生成プログラムの一例に相当)がRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部230は、例えば、ASICやFPGA等の集積回路により実現される。
【0102】
図9に示すように、制御部230は、取得部131と、生成部232と、予測部233と、送信部134とを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。なお、制御部230の内部構成は、
図9に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。また、制御部230が有する各処理部の接続関係は、
図9に示した接続関係に限られず、他の接続関係であってもよい。
【0103】
(生成部232)
生成部232は、取得部131により取得された周辺コンテンツの予測対象のコンテンツとの関連度に基づいて、予測対象のコンテンツが選択される確率を予測するモデルを生成する。この場合、生成部232は、種々の技術を適宜用いて、対象コンテンツと周辺コンテンツとの関連度を算出してもよい。例えば、生成部232は、コンテンツ情報記憶部221に記憶された各コンテンツのカテゴリや特徴語等に基づいて、対象コンテンツと周辺コンテンツとの関連度を算出してもよい。また、例えば、生成部232は、対象コンテンツと周辺コンテンツとのコサイン類似度を算出すること等により、対象コンテンツと周辺コンテンツとの関連度を算出してもよい。
【0104】
例えば、生成部232は、コンテンツ情報記憶部221に記憶された各記事のCTRや、算出した対象コンテンツと周辺コンテンツとの関連度、配信ログ情報122−1、122−2等を用いて、対象コンテンツのクリック確率を予測するモデルを生成する。例えば、生成部232は、下記式(5)等を用いて、各素性(位置)の重みを導出する。
【0106】
上記式(5)の左辺中の「P(Click(i))」は、配置順がi番目の対象コンテンツのクリック確率に対応する。例えば、「P(Click(i))」は、0〜1の値になる。また、上記式(5)の右辺の「Σ」内の第1項は、重み「γ
i,k」と重み「β
i,k」との重みの記号の差以外は上記式(4)の右辺と同等である。
【0107】
また、上記式(5)の右辺の「Σ」内の第2項は、配置順がi−k番目のコンテンツの対象コンテンツとの関連度を示す「REV(C(i−k))」に所定の重み「ω
i,k」を乗算したものである。
【0108】
なお、生成部232は、「K=1」、「K=2」、「K=3」と「K」の値を種々変更して学習することにより、各「K」に対応する複数のモデルを生成することができる。このように、生成部232は、上記式(5)や周辺コンテンツの予測対象のコンテンツとの関連度に基づいて、対象コンテンツのクリック確率を予測するモデルを生成する。
【0109】
(予測部233)
予測部233は、生成部232により生成されたモデルを用いて、対象コンテンツのクリック確率を予測する。例えば、予測部233は、上記式(5)や、コンテンツ情報記憶部221に記憶された各記事のCTRや、対象コンテンツと周辺コンテンツとの関連度や、学習情報記憶部223に記憶された各素性の重みを用いて対象コンテンツのクリック確率を予測する。
【0110】
〔7.効果〕
上述してきたように、実施形態及び変形例に係る予測装置100、200は、取得部131と、生成部132、232とを有する。取得部131は、所定の表示媒体において連続して配置されるコンテンツのうち、予測対象のコンテンツ(実施形態においては「対象コンテンツ」。以下同じ)に関する評価値と予測対象のコンテンツの周辺に配置される周辺コンテンツに関する評価値とを取得する。生成部132、232は、取得部131により取得された予測対象のコンテンツに関する評価値と周辺コンテンツに関する評価値とに基づいて、予測対象のコンテンツが選択される確率を予測するモデルを生成する。
【0111】
これにより、実施形態及び変形例に係る予測装置100、200は、対象コンテンツの周囲に配置されるコンテンツの評価値も加味してモデルを生成することにより、コンテンツのクリック率を適切に予測するモデルを生成することができる。したがって、予測装置100、200は、生成したモデルにより、コンテンツのクリック率を適切に予測することができる。
【0112】
また、実施形態及び変形例に係る予測装置100、200において、取得部131は、所定の方向に並べて配置されるコンテンツのうち、予測対象のコンテンツに連続して並べられた周辺コンテンツに関する評価値を取得する。
【0113】
これにより、実施形態及び変形例に係る予測装置100、200は、対象コンテンツに連続して並べられるコンテンツの評価値も加味してモデルを生成することにより、コンテンツのクリック率を適切に予測するモデルを生成することができる。したがって、予測装置100、200は、生成したモデルにより、コンテンツのクリック率を適切に予測することができる。
【0114】
また、実施形態及び変形例に係る予測装置100、200において、取得部131は、所定の方向に並べて配置されるコンテンツのうち、予測対象のコンテンツの上部に連続して並べられた周辺コンテンツに関する評価値を取得する。
【0115】
これにより、実施形態及び変形例に係る予測装置100、200は、対象コンテンツの上部に連続して並べられるコンテンツの評価値も加味してモデルを生成することにより、コンテンツのクリック率を適切に予測するモデルを生成することができる。したがって、予測装置100、200は、生成したモデルにより、コンテンツのクリック率を適切に予測することができる。
【0116】
また、実施形態及び変形例に係る予測装置100、200において、取得部131は、予測対象のコンテンツに関する評価値として、予測対象のコンテンツに関するクリック率を取得し、周辺コンテンツに関する評価値として周辺コンテンツに関するクリック率を取得する。
【0117】
これにより、実施形態及び変形例に係る予測装置100、200は、対象コンテンツ及び周辺コンテンツのCTRを用いることにより、対象コンテンツのクリック確率を適切に予測することができる。すなわち、予測装置100、200は、コンテンツのクリック率を適切に予測するモデルを生成することができる。したがって、予測装置100、200は、生成したモデルにより、コンテンツのクリック率を適切に予測することができる。
【0118】
また、変形例に係る予測装置200において、取得部131は、周辺コンテンツの予測対象のコンテンツとの関連度を取得する。また、生成部232は、取得部131により取得された周辺コンテンツの予測対象のコンテンツとの関連度に基づいて、予測対象のコンテンツが選択される確率を予測するモデルを生成する。
【0119】
これにより、変形例に係る予測装置200は、対象コンテンツとの関連度を加味したモデルを生成することができる。すなわち、予測装置200は、コンテンツのクリック率を適切に予測するモデルを生成することができる。したがって、予測装置200は、生成したモデルにより、コンテンツのクリック率を適切に予測することができる。
【0120】
〔8.ハードウェア構成〕
上述してきた実施形態に係る予測装置100は、例えば
図12に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。
図12は、予測装置の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ1000は、CPU1100、RAM1200、ROM1300、HDD1400、通信インターフェイス(I/F)1500、入出力インターフェイス(I/F)1600、及びメディアインターフェイス(I/F)1700を有する。
【0121】
CPU1100は、ROM1300またはHDD1400に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM1300は、コンピュータ1000の起動時にCPU1100によって実行されるブートプログラムや、コンピュータ1000のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。
【0122】
HDD1400は、CPU1100によって実行されるプログラム、及び、かかるプログラムによって使用されるデータ等を格納する。通信インターフェイス1500は、ネットワークNを介して他の機器からデータを受信してCPU1100へ送り、CPU1100が決定したデータをネットワークNを介して他の機器へ送信する。
【0123】
CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、ディスプレイやプリンタ等の出力装置、及び、キーボードやマウス等の入力装置を制御する。CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、入力装置からデータを取得する。また、CPU1100は、決定したデータを入出力インターフェイス1600を介して出力装置へ出力する。
【0124】
メディアインターフェイス1700は、記録媒体1800に格納されたプログラムまたはデータを読み取り、RAM1200を介してCPU1100に提供する。CPU1100は、かかるプログラムを、メディアインターフェイス1700を介して記録媒体1800からRAM1200上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。記録媒体1800は、例えばDVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等である。
【0125】
例えば、コンピュータ1000が実施形態に係る予測装置100として機能する場合、コンピュータ1000のCPU1100は、RAM1200上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部130の機能を実現する。コンピュータ1000のCPU1100は、これらのプログラムを記録媒体1800から読み取って実行するが、他の例として、他の装置からネットワークNを介してこれらのプログラムを取得してもよい。
【0126】
以上、本願の実施形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の行に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【0127】
〔9.その他〕
また、上記実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0128】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0129】
また、上述してきた実施形態は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0130】
また、上述してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、取得部は、取得手段や取得回路に読み替えることができる。
【解決手段】本願に係る生成装置は、取得部と、生成部とを有する。取得部は、所定の表示媒体において連続して配置されるコンテンツのうち、予測対象のコンテンツに関する評価値と予測対象のコンテンツの周辺に配置される周辺コンテンツに関する評価値とを取得する。生成部は、取得部により取得された予測対象のコンテンツに関する評価値と周辺コンテンツに関する評価値とに基づいて、予測対象のコンテンツが選択される確率を予測するモデルを生成する。