(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0011】
A.第1実施形態
図1は、本実施形態に係るクーポン発行システム1000の概略構成を示す図である。クーポン発行システム1000は、レストランなどの店舗に設けられ、来訪者の順番待ちを管理する順番管理端末100と、順番管理端末100に接続されたプリンタ200と、通信ネットワークNを介して順番管理端末100を統括管理する管理サーバ300と、順番待ちの来訪者にクーポンを発行するクーポン発行サーバ400とを備えている。
【0012】
図1では、順番管理端末100が設けられる店舗の一例として、レストランAやレストランBを例示しているが、もちろんこれに限る趣旨ではなく、カフェやバー、複合アミューズメントシステム、ショッピングモール、デパート、病院や公共施設など、順番待ちが発生するあらゆる施設に適用可能である。なお、以下では説明の理解を容易にするため、順番管理端末100が設けられる施設を「店舗」と総称する。
【0013】
順番管理端末100は、店舗の入り口付近などに設置され、来訪者の入場や、各種サービスの提供を受ける際の順番待ちを管理するための端末装置である。順番管理端末100としては、タブレット端末のほか、パーソナルコンピュータ(PC)、ノートPC、スマートフォン、携帯電話機、携帯情報端末(PDA)など、通信ネットワークNを介して管理サーバ300とデータの授受が可能なあらゆる端末装置を利用することができる。
【0014】
プリンタ200は、有線ケーブルまたは無線によって順番管理端末100と接続され、順番待ちの数などをあらわす順番券や様々な特典を付与するクーポンを発行する。
【0015】
管理サーバ300は、例えば、演算処理能力の高いコンピュータによって構成され、そのコンピュータにおいて所定のサーバ用プログラムが動作することにより、サーバ機能を実現するものである。ここで、管理サーバ300を構成するコンピュータは、必ずしも1台である必要はなく、通信ネットワークN上に分散する複数のコンピュータから構成されてもよい。管理サーバ300は、店舗ごとに順番管理端末100を管理するための管理データベース310と、プロセッサ320と、を備えている。管理データベース310は、クライアント管理テーブルTA1、ステータス管理テーブルTA2を備えている。
【0016】
クライアント管理テーブルTA1には、店舗ごとに固有のIDとパスコード(アカウント)が対応づけて登録されている。ここでは、「レストランA」で利用される順番管理端末100に対して「ID:A1・・・」、「パスコード:AA2・・・」が設定されている。これら店舗ごとのID及びパスコードは、例えば、システム導入の際に各店舗で順番待ちの管理を行う管理者(例えば、店舗のオーナーなど)によって設定される。なお、本実施形態では、1店舗で1台の順番管理端末100を利用する場合を想定するが、1店舗で複数の順番管理端末100を利用しても良い(後述)。1店舗で複数の順番管理端末100を利用する場合には、同一のIDとパスコードを利用しても良いが、例えば所定の条件に従い、複数のIDとパスコードを使い分けるようにしても良い。
【0017】
ステータス管理テーブルTA2には、各店舗での順番待ちリストが登録されている。この順番待ちリストは、順番待ちをしている者の一覧と、各々の順番待ち状況(ステータス)をあらわす情報(ステータス情報)が含まれる。例えば、レストランAについては、順番待ちをしている予約グループが「1組」、「大人が1名、子供が1名」、「予約人数は2名」、受付時間は「AM 11:11」指定された席の種類は「テーブル」等である。ステータス管理テーブルTA2の登録内容は、順番管理端末100から送信される順番待ちリストへの新規登録情報、またはステータスの更新情報(詳細は後述)に基づいて変更される。なお、どのような情報をステータス情報とするかは、各施設の管理者等が適宜設定および変更可能となっている。
【0018】
待ち項目管理テーブルTA3には、店舗ごとに設定されている、予約時に選択が可能な待ち項目と、各待ち項目の基準待ち時間が登録されている。例えば、「レストランA」で利用される順番管理端末100に対して設定されている待ち項目は席の種類であり、ここでは「テーブル」、「カウンター」、「テラス席」が設定されている。基準待ち時間は、順番待ちをしている1の順番待ち組が案内されるまでの平均的な待ち時間であり、1組目と2組目以降で変えるようにしてもよい。例えば、ここでは「テーブル」に対して1組目待ち時間(15分)、2組目以降待ち時間(10分)、「カウンター」に対して1組目待ち時間(5分)、2組目以降待ち時間(3分)、「テラス席」に対して1組目待ち時間(20分)、2組目以降待ち時間(25分)が設定されている。これら店舗ごとの待ち項目及び基準待ち時間は、例えば、システム導入の際に各施設で順番待ちの管理を行う管理者(例えば、店舗のオーナーなど)によって設定される。また、待ち項目及び基準待ち時間は、必要に応じて随時変更することもできる。
【0019】
プロセッサ320は、算術演算、論理演算、ビット演算等を処理する算術論理演算ユニット(CPUなど)および各種レジスタから構成され、ROM等の記憶手段に格納されている各種プログラムを実行することで管理サーバ300の各部を中枢的に制御する。また、プロセッサ320は、順番管理端末100と連携して順番待ちを管理するためのコンピュータプログラムも実行する。
【0020】
クーポン発行サーバ400は、サーバコンピュータなどから構成され、管理サーバ300からのクーポンの発行リクエストに応じて、選択されたクーポンを発行する。クーポン発行サーバ400において発行されたクーポンは、クーポン情報として管理サーバ300に返信され、通信ネットワークNを介して店舗(ここでは、レストランA)の順番管理端末100に送られる。順番管理端末100に送信されたクーポン情報は、プリンタ200からクーポンとして発行される。
【0021】
通信ネットワークNは、クーポン発行サーバ400、管理サーバ300、順番管理端末100の間で相互に情報を送受信可能な通信網を含む。通信ネットワークNは、例えば、インターネット、LAN、専用線、電話回線、企業内ネットワーク、移動体通信網、ブルートゥース、WiFi(Wireless Fidelity)、その他の通信回線、それらの組み合わせ等のいずれであってもよく、有線であるか無線であるかを問わない。
【0022】
<順番管理端末100>
図2は、順番管理端末100の主要構成を示すブロック図である。順番管理端末100は、プロセッサ110と、入力装置115と、表示装置116と、通信インタフェース120と、記憶資源130とを備える。順番管理端末100は、利用者が直接タッチパネルなどの入力装置115を操作することで、順番待ちリストへの受付や消込み等の入力を受け付ける。ここで、利用者としては、店舗の来訪者や従業者等が想定される。例えば、来訪者は順番待ちリストに新たに順番待ちの登録をするための入力を行い、従業者等は順番待ちリストに登録されている情報のステータスを更新するための入力を行う。なお、ここでは、店舗の管理者や従業者などを従業者等と総称する。
【0023】
プロセッサ110は、算術演算、論理演算、ビット演算等を処理する算術論理演算ユニット(CPUなど)および各種レジスタから構成され、記憶資源130に格納されている各種プログラムを実行することで順番管理端末100の各部を中枢的に制御する。各種レジスタは、例えば、プログラムカウンタ、データレジスタ、命令レジスタ、汎用レジスタ等である。
【0024】
入力装置115は、順番待ちリストへの受付や順番待ちリストからの消込み等の入力を受け付けるための各種操作ボタンやタッチパネル115aを備えている。
【0025】
表示装置116は、順番待ちリストや受付ボタン等を含む受付画面や待受画面を表示するための装置であり、例えば液晶ディスプレイにより構成される。
【0026】
通信インタフェース120は、通信ネットワークNに接続し、通信ネットワークN上の他の端末と通信をするためのハードウェアモジュールである。通信インタフェース120は、例えば、ISDNモデム、ADSLモデム、ケーブルモデム、光モデム、ソフトモデム等の変調復調装置である。
【0027】
記憶資源130は、例えば、物理デバイスの記憶領域が提供する論理デバイスである。物理デバイスは、例えば、ディスクドライブまたは半導体メモリ(ROM、RAMなど)等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。記憶資源130は、複数の物理デバイスを1つの論理デバイスにマッピングして構築してもよいし、1つの物理デバイスを複数の論理デバイスにマッピングして構築してもよい。
【0028】
記憶資源130には、オペレーティングシステムプログラム、ドライバプログラム、各種データ等が格納される。ドライバプログラムとしては、例えば、通信インタフェース120を制御するための通信インタフェースドライバプログラム等がある。また、記憶資源130には、これら各種プログラムや各種データのほか、プロセッサ110が実行することにより、管理サーバ300と連携して順番待ちを管理するためのコンピュータプログラム(順番管理アプリケーション)AP1が記憶されている。
【0029】
<クーポン発行サーバ400>
図3は、クーポン発行サーバ400の機能構成を示すブロック図である。クーポン発行サーバ400は、クーポン選択部410、クーポンDB420、クーポン対象施設DB430、店舗DB440、クーポン発行部450などを備えている。
【0030】
クーポン選択部410は、予め設定されたクーポン選択アルゴリズムに従い、来訪者(来訪者のグループを含む)に適したクーポンを選択する。詳細は後述するが、(1)目安待ち時間に応じたクーポンの選択、(2)順番待ちする利用者の属性に応じたクーポンの選択、(3)順番待ちの受付時間に応じたクーポンの選択を行うことが可能となっている。
【0031】
クーポンデータベースDB420には、対象商品(サービスも含む)の識別ID、対象商品名、販売価格、商品原価、クーポン割引率などが商品ごとに対応づけて登録されている。
クーポン対象施設DB430には、クーポンの利用対象となる施設(以下、クーポン対象施設)の識別ID、位置情報(緯度、経度等)、施設の名前、施設のコンタクト情報(住所、電話番号、メールアドレスなど)、混雑状況をあらわすステータス情報、イベント情報(イベント内容や開催日時)などが施設ごとに対応づけて登録されている。
店舗DB440には、来訪者が待ち受けを行う店舗の識別ID、位置情報(緯度、経度等)、店舗の名前、店舗のコンタクト情報(住所、電話番号、メールアドレスなど)、混雑状況をあらわすステータス情報などが店舗ごとに対応づけて登録されている。ここで、本実施形態では、来訪者の待ち受けを行う店舗と、クーポン対象施設が別々になっている場合を想定しているが、来訪者の待ち受けを行う店舗(
図1では、レストランA、B)がクーポン対象施設になることもあり、逆に、クーポン対象施設が待ち受けを行う店舗になることもある。
【0032】
クーポン発行部450は、クーポン選択部410によって選択された1つまたは複数のクーポンを、クーポン情報として対応する店舗の順番管理端末100宛てに送信する。前述したように、クーポン発行サーバ400には、各店舗のコンタクト情報が格納されている。よって、クーポン発行サーバ400は、この店舗のコンタクト情報を利用することで、順番管理端末100宛てに確実にクーポン情報を送信することができる。
【0033】
順番管理端末100に送信されたクーポン情報は、プリンタ200を介してクーポンとして発行される。これにより、順番待ちをする来訪者は、現在の待ち状況に見合った最適なクーポンを得ることが可能となる。
【0034】
次に、本実施形態におけるクーポン発行システム1000の動作について説明する。
<順番待ちの新規登録処理>
図4は、順番待ちの新規登録処理を示すフローチャートである。
まず、人気メニューを注文するために、店舗(
図1ではレストランAなど)に出向いた来訪者は、店舗に設置された順番管理端末(入力部)100を操作して、順番待ちリストに順番待ちを新規に登録するための受付を行う。具体的には、表示装置116に表示されるメッセージに従ってタッチパネル115aを適宜操作して、予約者の人数や所望の待ち項目(例えば、テーブルやカウンターなどの席の種類)等を入力する。受付の際にいかなる項目を入力対象とするかは、各店舗の管理者等の意向に応じて決定すればよい。
【0035】
なお、来訪者が直接タッチパネル115aを操作する代わりに、従業者等が、順番待ちを受け付けるための入力を行ってもよい。このとき、従業者等は、店舗の入り口付近に設置された順番管理端末100を操作してもよいし、従業者等が個別に使用する順番管理端末100を操作してもよい。
【0036】
その後、順番管理端末100は通信インタフェース120を介して、管理サーバ300からステータス管理テーブルTA2に登録されている順番待ちリストに含まれる情報を受信する(ステップS11)。さらに、順番管理端末100は、管理サーバ300から、待ち項目管理テーブルTA3に登録されている待ち項目と、各待ち項目の現在の待ち時間の情報を受信する(ステップS12)。各待ち項目の現在の待ち時間(目安待ち時間)は、待ち項目管理テーブルTA3に登録されている各待ち項目の基準待ち時間に基づいて、管理サーバ300が算出する。例えば、「レストランA」で利用される順番管理端末100の場合、「テーブル」席に2組の予約が入っている場合には、「テーブル」席の目安待ち時間は、15(1組目待ち時間)+10(2組目待ち時間)+10(3組目待ち時間)=35分となる。
【0037】
次に、順番管理端末100は、
図5に例示するような、順番待ちの受付をするための受付画面を表示装置116に表示させる(ステップS13)。
【0038】
図5は、順番管理端末100の表示装置116に表示される受付画面を例示した図である。
図5に示すように、受付画面では、管理サーバ300のステータス管理テーブルTA2に登録されている順番待ちリストの少なくとも一部、例えば、順番待ちをしている者の受付番号とその人数、指定した席の種類(待ち項目)等を含む行が、受付をした順番に時系列に並べられた一覧が表示される。また、現在順番待ちをしている総順番待ち組数(全ての席種の順番待ち組数の合計)も表示される。さらに、目安待ち時間や、受付時間(図示略)、順番待ちリストへの受け付け操作を促すメッセージや受付ボタン等が表示装置116に表示される。
【0039】
目安待ち時間は、各店舗の利用目的に合わせて表示方法を選択することができる。具体的には、「最短待ち時間」、「最長待ち時間」、「合計待ち時間」のいずれかを選択することができる。
【0040】
「最短待ち時間」は、現在の待ち時間が最も短い待ち項目を選択した場合の待ち時間である。例えばレストランでは、来訪者は、席に案内されるまでの最短の待ち時間がどの程度かを知りたいと考えられる。したがって、このような店舗では、目安待ち時間の表示方法として「最短待ち時間」を選択することができる。上述のレストランAの例を用いて説明すると、それぞれ「テーブル」に2組、「テラス席」に1組、「カウンター」に1組の順番待ち組がある場合、次の来訪者が「テーブル」を選択した場合の待ち時間は15+10+10=35(分)、「テラス席」を選択した場合の待ち時間は20+25=45(分)、「カウンター」を選択した場合の待ち時間は5+3=8(分)なので、提示される目安待ち時間は、最も短い8(分)となる。
【0041】
「最長待ち時間」は、現在の待ち時間が最も長い待ち項目を選択した場合の待ち時間である。例えば電気製品のリペアショップでは、来訪者が修理したい製品の種類によって待ち時間が異なると考えられる。このため、来訪者は、まず、最長でどの程度待つ可能性があるのかを知りたいと考えられる。したがって、このような店舗では、目安待ち時間の表示方法として「最長待ち時間」を選択することができる。具体例をあげて説明すると、待ち項目と基準待ち時間の組み合わせが、「スマートフォン(15分)」、「携帯電話機(10分)」、「ノートPC(15分)」で、「スマートフォン」に2組、「携帯電話機」に1組、「ノートPC」に1組の順番待ち組がある場合、次の来訪者が「スマートフォン」を選択した場合の待ち時間は15×2+15=45(分)、「携帯電話機」を選択した場合は10+10=20(分)、「ノートPC」を選択した場合は15+15=30(分)なので、提示される目安待ち時間は、最も長い45(分)となる。
【0042】
「合計待ち時間」は、順番待ちリストに登録されている全ての順番待ち組の順番待ちが完了するまでの合計時間に、例えば最短の基準待ち時間を足したものである。「合計待ち時間」は、例えば、たいやき屋のように、複数種類の商品(こしあん入り、粒あん入り、クリーム入り等)を組み合わせて注文できる店舗での利用が考えられる。具体例をあげて説明すると、「こしあん入り」と「粒あん入り」の基準待ち時間は2分、「クリーム入り」の基準待ち時間は3分の場合、1組目の注文内用が(こしあん×2)、2組目が(粒あん×3)、3組目が(こしあん×1+クリーム×2)の場合、4組目の目安待ち時間は、2×2+2×3+(2×1+3×2)+2=20(分)と算出される。
【0043】
なお、目安待ち時間は、管理サーバのプロセッサ320において計算し、順番管理端末100に送信しても良いが、順番管理端末100において直接算出するようにしてもよい。この場合には、順番管理端末100は、管理サーバ300から各待ち項目の基準待ち時間と、各待ち項目の現在の順番待ち組数を取得し、目安待ち時間を計算することができる。もっとも、以下の説明では、「最短待ち時間」、「最長待ち時間」、「合計待ち時間」のいずれに設定されるか、特に限定する必要がない場合には、これらを総称して「目安待ち時間」という。
【0044】
順番管理端末100は、表示された受付画面に対して、来訪者や従業者等によるタッチパネル115aなどの入力装置115を介した操作入力が行われたか否かを検知する(ステップS14)。例えば、タッチパネル115aへの操作が検知され、入力が受け付けられると(ステップS14:YES)、順番待ちをする人数を指定するための人数指定画面を表示装置116に表示させる(ステップS15)。人数指定画面には、人数の入力操作を促すメッセージや、人数指定ボタン等が表示される。
【0045】
順番管理端末100は、表示された人数指定画面に対して、来訪者や従業者等の入力装置115を介した操作入力が行われたか否かを検知する(ステップS16)。タッチパネル115aへの操作が検知され、人数の入力が受け付けられると(ステップS16:YES)、席の種類を指定するための席指定画面を表示装置116に表示させる(ステップS17)。
【0046】
順番管理端末100は、表示された席指定画面に対して、来訪者や従業者等の入力装置115を介した操作入力が行われたか否かを検知する(ステップS18)。タッチパネル115aへの操作が検知され、席の種類の指定入力が受け付けられると(ステップS18:YES)、予約内容確認画面を表示装置116に表示させる(ステップS19)。予約内容確認画面には、受け付けられた人数や席の種類が表示され、予約内容の確認を促すメッセージや、予約確定操作を促すメッセージ、および予約確定ボタン等が表示される。なお、ステップS18において、席の種類として「指定なし」が選択された場合には、全ての席の種類、すなわち
図5では「テーブル」「カウンター」及び「テラス席」に対して、順番待ちを入れることになる。
【0047】
順番管理端末100は、予約完了操作が行われたか否かを検知する(ステップS20)。予約完了操作が受け付けられると(ステップS20:YES)、受付完了画面を表示させる(ステップS21)。受付完了画面には、受付番号(待ち番号)や、目安待ち時間等が表示される。また、受付完了画面には、順番券とともに、来訪者に適したクーポンの受け取りを促すメッセージが表示される。来訪者は、順番管理端末100に接続されたプリンタ200から印刷される順番券及びクーポン(
図6参照)を受け取ることができる。クーポンの発行、及び発行されたクーポンの使い方については後述する。
【0048】
順番管理端末(生成部)100は、上記のようにして予約が確定すると、予約内容に基づき、人数と席の種類、目安待ち時間などを含む新規登録情報を生成する。そして、順番管理端末100は、生成した新規登録情報を管理サーバ300に送信する(ステップS22)。
【0049】
管理サーバ300は、ある施設(ここでは、レストランA)から新規登録情報を受信すると、受信した新規登録情報に基づいて、順番待ちリストに順番待ちを1組新たに追加する処理を行い、ステータス管理テーブルTA2を更新する(ステップS23)。
【0050】
なお、各施設の順番待ちリストの更新は、新規登録受付以外に、従業者等によって登録済みの順番待ちに対し、「取消」、「変更」、「呼出」、「案内」のいずれかの操作が行われた際にも発生する。「取消」は、順番待ちをキャンセルすることを意味し、「変更」は、いったん入力された順番待ちの詳細(予約者の人数など)を変更することを意味する。また、「呼出」は、予約者に対して予約の順番が来たことを口頭で呼び出した状態、あるいは電話やメールなどで知らせた状態であることを意味し、「案内」は、順番が来た者を実際に案内したときに、順番待ちの行を消し込むことを意味する。
【0051】
例えば、順番待ちしていた者ないしそのグループを店内に案内すると、従業者等は、「案内」の操作を行う。「案内」操作が行われると、順番待ちリストから、対応する第1順位の者が消去され、後続の者が順番待ちリストの第1順位であるとして順番管理端末100に表示される。なお、「取消」、「変更」、「呼出」の操作が行われた場合も同様に、それぞれの更新操作に応じた処理が行われる。
【0052】
<クーポン発行処理>
図7は、クーポン発行サーバ400によって実行されるクーポン発行処理を示すフローチャートである。
クーポン発行サーバ(選択部)400は、管理サーバ300から新規登録を受け付け、クーポン発行のリクエスト(以下、クーポンリクエスト)を受信すると(ステップSa1)、管理サーバ300から送信される新規登録情報等に基づき、発行すべきクーポンを選択する(ステップSa2)。なお、クーポンの選択に関する詳細(クーポン選択処理)は後に詳述する。クーポン発行サーバ(発行部)400は、選択されたクーポンをクーポン情報として、対応する店舗の順番管理端末100宛てに送信し(ステップSa3)、処理を終了する。順番管理端末100によって受信されたクーポン情報は、プリンタ200を介してクーポン(
図6参照)として出力される。もとより、クーポンの数に特に制限はなく、1つまたは複数であっても良い。
【0053】
(1)第1のクーポン選択処理(目安待ち時間に応じたクーポン選択処理)
図8は、第1のクーポン選択処理を示すフローチャートである。
クーポンリクエストする際、管理サーバ300は、ステータス管理テーブルTA2に登録されている新規登録された待ち受けの来訪者に係る新規登録情報を取得し、これをクーポンリクエストに含めて送信する。
【0054】
クーポン発行サーバ(検出部)400は、新規登録情報に含まれる「目安待ち時間」を取得するとともに(ステップSb1)、店舗データベースDB440に含まれる店舗の位置情報(すなわち、来訪者の現在位置をあらわす来訪者位置情報)、及びクーポン対象施設DB30に含まれる施設の位置情報などを取得し、来訪者が目安待ち時間を利用して訪れることが可能なクーポン対象施設(例えば、公園や美術館:以下、適宜「施設」と略称)を検索・選択する(ステップSb2)。クーポン発行サーバ400は、選択したクーポン対象施設に対応するクーポン情報を、クーポンDB(第1記憶部)420から取得し、順番管理端末100宛てに送信する(
図7のステップSa3参照)。
【0055】
ここで、上記例では、「目安待ち時間」とともに、来訪者の現在位置や施設の位置を考慮して、おすすめ施設を決定したが、施設の混雑状況を考慮しておすすめ施設を決定する、あるいは、送客しやすい施設(例えば、近くのカフェや地方の観光地であればロードサイドの飲食店など)を優先的におすすめ施設として決定しても良い。
【0056】
(2)第2のクーポン選択処理(順番待ちの来訪者の属性に応じたクーポン選択処理)
図9は、第2のクーポン選択処理を示すフローチャートである。
クーポンリクエストする際、管理サーバ300は、ステータス管理テーブルTA2に登録されている新規登録された待ち受けの来訪者に係る新規登録情報を取得し、これをクーポンリクエストに含めて送信する。
【0057】
クーポン発行サーバ400は、新規登録情報に含まれる性別、予約人数(2名など)、予約グループの構成(大人が1名、子供が1名など)、年齢といった予約グループの「属性情報」を取得し(ステップSc1)、カップルにおすすめの施設(話題のカフェやレストランなど)、家族連れにおすすめの施設(アミューズメントパークなど)、老夫婦におすすめの施設(世界遺産など)を検索・選択する(ステップSc2)。この後は、上記と同様に説明できるため、割愛する。
【0058】
なお、上記例では、予約グループの「属性情報」をもとに、おすすめの施設(話題のカフェやレストランなど)を選択したが、「属性情報」に加えて、上記(1)で説明した「目安待ち時間」等を考慮しておすすめ施設を決定しても良い。
【0059】
(3)第3のクーポン選択処理(順番待ちの受付時間に応じたクーポン選択処理)
図10は、第3のクーポン選択処理を示すフローチャートである。
クーポンリクエストする際、管理サーバ300は、ステータス管理テーブルTA2に登録されている新規登録された待ち受けの来訪者に係る新規登録情報を取得し、これをクーポンリクエストに含めて送信する。
【0060】
クーポン発行サーバ400は、新規登録情報に含まれる予約の「受付時間」(例えば、7:00〜12:00(午前)、12:00〜16:00(午後)、16:00〜(夜)など)を取得し(ステップSd1)、その受付時間におすすめの施設を検索・選択する(ステップSd2)。例えば、受付時間が午前の時間帯であればアスレチックフィールド、夜の時間帯であればバーなどを、クーポン取得の対象施設として選択する。この後は、上記と同様に説明できるため、割愛する。
【0061】
なお、「受付時間」のみならず、受付日に関する情報を含めても良い。例えば、各施設のイベント(例えば、○×フェスティバル、△×体験イベントなど)の開催日時に関する情報(イベント情報)を、クーポン対象施設DB(第2記憶部)430に登録し、イベント情報も考慮に入れておすすめ施設を決定しても良い。また、予約の「受付時間帯」をもとに、おすすめの施設を選択するだけでなく、上記(1)や(2)で説明した「目安待ち時間」や「属性情報」等を考慮しておすすめ施設を決定しても良い。これらのパラメータをいかに考慮するかは、システム設計に応じて適宜設定変更可能である。
【0062】
次に、クーポン対象施設のステータス(混雑状況や各種イベントに関する情報など)の更新が行われる場合の処理について説明する。
【0063】
<施設のステータス更新処理>
図11は、クーポン発行サーバ400によって間欠的に実行される施設のステータス更新処理を示すフローチャートである。
クーポン発行サーバ400は、各施設からステータスの変更をあらわすステータス更新情報を受信したか否かを検知する(ステップSe1)。ステータス更新情報として、例えば、混雑状況をあらあわす混雑状況情報(集客率が何パーセントであるか等)や、施設での各種イベントの日時などをあらわすイベント情報などが挙げられる。クーポン発行サーバ400は、ステータス更新情報が受信されるまでステップSe1の処理を繰り返し実行する。
【0064】
クーポン発行サーバ400は、ステータス更新情報が受信されたことを検知すると(ステップSe1:YES)、受信したステータス更新情報に基づき、クーポン対象施設データベースDB430のステータス情報を更新し(ステップSe2)、処理を終了する。かかる構成によれば、クーポン対象施設の混雑状況やイベントに関する情報がリアルタイムに更新・反映されるため、当該時点で最適な施設をおすすめ施設として決定等することが可能となる。
【0065】
以上説明したように、本実施形態によれば、待ち受けする来訪者は、現在の待ち状況に見合った最適なクーポンを得ることが可能となる。
【0066】
B.第2実施形態
上述した第1実施形態では、1店舗で1台の順番管理端末100を利用する場合について説明したが、第2実施形態では、1店舗で複数台の順番管理端末100を利用する場合について説明する。
【0067】
1店舗で複数台の順番管理端末100を利用する場合には、各順番管理端末100の間でデータが共有される点において、1台の順番管理端末100のみを利用する場合と異なる。
図12は、3台の順番管理端末100A〜100Cを利用して順番管理を行う場合のシーケンス図である。たとえば、レストランAにおいて特定の順番管理端末100(
図12に示す順番管理端末100A)が操作されると(C1)、その操作内容(ここでは、ステータスの更新情報を想定)は管理サーバ300にアップロードされる(C2)。管理サーバ300は、受信したステータスの更新情報に基づき、ステータス管理テーブルTA2に登録されているレストランAのステータス情報を更新する(C3)。そして、管理サーバ300は、クライアント管理テーブルTA1を参照し、レストランAで利用される順番管理端末100を特定する(C4)。ここでは、レストランAに対して3台の順番管理端末100A〜Cがクライアント管理テーブルTA1に登録されていることから、管理サーバ300は、順番管理端末100A以外の端末、すなわち順番管理端末100B及び100Cに対してアップデートされた最新のステータス情報を送信し(C5)、処理を終了する。
【0068】
この結果、最新の情報が、常に同期した状態で各順番管理端末100に反映され、これにより、1店舗で複数台の順番管理端末100を利用する場合であっても、順番待ちの更新情報が一部の順番管理端末100において反映されない等の不具合を生ずることなく、最適な順番待ち管理を行うことが可能となる。
【0069】
C.その他
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、他の様々な形で実施することができる。このため、上記実施形態はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈されるものではない。例えば、上述した各処理ステップは処理内容に矛盾を生じない範囲で任意に順番を変更し、または並列に実行することができる。
【0070】
上述の実施形態では、待ち受けする来訪者の属性や待ち受け時間、目安待ち時間などを考慮し、その来訪者に適したクーポンを自動で発行する態様を例示したが、これに換えて、クーポン発行サーバ400が選択したクーポンの中から、所望するクーポンを来訪者が選択できるようにしても良い。一例を挙げて説明すると、順番管理端末100のタッチパネル116には、クーポン発行サーバ400が選択したクーポン(候補)が表示される。来訪者は、タッチパネル115aを操作することにより、表示されたクーポン(候補)の中から、所望のクーポンを選択する。かかる態様によれば、来訪者に適したクーポンを効率良く発行することができる。
【0071】
また、クーポン発行サーバ400によって発行されるクーポンの種類(属性)について、各店舗で条件を定めても良い。例えば、発行されるクーポンが複数ある場合には、クーポン対象施設として同じ業種の施設(例えば、カフェ)が重ならないようにする、あるいは、同じ業種の施設(例えば、イベント会場)を組み合わせる等の条件を設定しても良い。また、業種に限らず、クーポン対象施設の地域等についても同様に適用可能である。例えば、クーポン対象施設が1つのエリアに集中するように設定する、あるいはクーポン対象施設が様々なエリアに分散するように設定しても良い。いかなる条件にするかは、各店舗のオーナー等が設定・変更すればよい。
【0072】
上述の実施形態では、クーポン発行サーバ400と管理サーバ300とを別体構成としたが、例えば、管理サーバ300が有する機能の全て(または一部)をクーポン発行サーバ400に搭載する構成であっても良い。
【0073】
また、上述の実施形態では、プリンタ200から発行される順番券について特に言及しなかったが、QRコード(登録商標)を利用して順番待ち管理の効率化を図るようにしても良い。来訪者(予約者)は、順番待ちの入力を行った後、プリンタ200から発行される順番券を受け取る。その後、予約者は、自身のスマートフォン等を利用して順番券に印刷されたQRコードを読み取る。QRコードを読み取ることで、スマートフォン等の液晶パネルには現状の順番待ち状況(現状の待ち人数など)が表示される。そして、自身の順番が近づくと、呼出のためのリマインドメールが届く。これにより、店頭で長時間並ぶことなく入店することができ、“長時間待つ”といった行為のストレスを軽減等することが可能となる。
【0074】
なお、リマインドメールを設定する方法としては、たとえばQRコードを読み込んだときに、ページ内にメールアドレスの入力を促すメッセージを表示する方法などがある(「通知を受け取るメールアドレスを下記に入力してください。」など)。予約者は、このメッセージに従ってメールアドレスを入力することで、リマインドメールを受信することが可能となる。
【0075】
また、リマインドメールに代えて(あるいは加えて)電話呼出を行うようにしても良い。順番待ちの入力を終えた後、電話での呼出設定を希望するか、予約者に確認するメッセージを順番管理端末100に表示する(「電話でのお呼出を設定できます。ご希望の方は、下記ボタンを押した後、電話番号を入力してください。」など)。予約者は、電話での呼出設定を希望する場合には、このメッセージに従って電話番号を入力する。この結果、自身の順番が近付くと、自動音声等による呼出が行われ、店頭で長時間並ぶことなく入店することが可能となる。
【解決手段】クーポン発行サーバ400は、管理サーバ300から新規登録を受け付け、クーポン発行のリクエストを受信すると、管理サーバ300から送信される新規登録情報等に基づき、発行すべきクーポンを選択する。新規登録情報には、予約人数と席の種類、目安待ち時間などが含まれる。クーポン発行サーバ400は、選択されたクーポンをクーポン情報として、対応する店舗の順番管理端末100宛てに送信する。順番管理端末100によって受信されたクーポン情報は、プリンタ200によりクーポンとして出力される。