(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】注射器、小型の薬瓶、大型の薬瓶、および、本発明による液剤移送デバイスの第1の好ましい実施形態の図である。
【
図2】
図1の液剤移送デバイスの前面斜視図である。
【
図3】
図1の液剤移送デバイスの後面斜視図である。
【
図4A】
図1の液剤移送デバイスの右側立面図である。
【
図5A】
図1の液剤移送デバイスの前面立面図である。
【
図6】小型の薬瓶に入れ子式に固定された、
図1の液剤移送デバイスの前面立面図である。
【
図7】
図6の組立体の線C−Cに沿った縦断面図である。
【
図8】大型の薬瓶に入れ子式に固定された、
図1の液剤移送デバイスの前面立面図である。
【
図9】
図8の組立体の線D−Dに沿った縦断面図である。
【
図10】
図6の組立体から液体内容物を注射器で吸引することを示す図である。
【
図11】
図8の組立体から液体内容物を注射器で吸引することを示す図である。
【
図12】本発明による液剤移送デバイスの第2の好ましい実施形態の縦断面図である。
【
図13】流れ連通位置にある、
図12の液剤移送デバイスの縦断面図である。
【
図14】本発明による液剤移送デバイスの第3の好ましい実施形態の図である。
【
図15】本発明による液剤移送デバイスの第4の好ましい実施形態および輸液容器の図である。
【
図17】
図17Aは最初の作動前位置にある、
図15の液剤移送デバイスの線E−Eに沿った縦断面図である。
図17Bは薬瓶を穿刺するための中間位置にある、
図15の液剤移送デバイスの線E−Eに沿った縦断面図である。
図17Cは輸液容器を穿刺するための作動位置にある、
図15の液剤移送デバイスの線E−Eに沿った縦断面図である。
【
図19】
図19Aは薬瓶を解放するためにバイアル解放操作位置にある薬瓶解放道具の前面立面図である。
図19Bは
図19Aの薬瓶解放道具の線G−Gに沿った縦断面図である。
【
図20】
図20Aは事前に取り付けられた無傷の薬瓶を有する
図15の液剤移送デバイスに取り付けられた、セットアップ位置にある薬瓶解放道具の前面立面図である。
図20Bは
図20Aの組立体の線H−Hに沿った縦断面図である。
【
図21】
図21Aは事前に取り付けられた無傷の薬瓶を有する
図15の液剤移送デバイスに取り付けられた、バイアル解放操作位置にある薬瓶解放道具の前面立面図である。
図21Bは
図21Aの組立体の線I−Iに沿った縦断面図である。
【
図22】
図15の液剤移送デバイスに取り付けられた薬瓶解放道具、および、取り外された無傷の薬瓶の前面立面図である。
図22Bは
図22Aの組立体の線J−Jに沿った縦断面図である。
【
図23】
図23Aは部分的に手動で作動回転させた後の穿刺された薬瓶を有する
図15の液剤移送デバイスに取り付けられた、操作不能位置にある薬瓶解放道具の前面立面図である。
図23Bは
図23Aの組立体の線K−Kに沿った縦断面図である。
【
図24】本発明による液剤移送デバイスの第5の好ましい実施形態の前面上部から見た斜視図である。
【
図28】小型の薬瓶に入れ子式に固定された、
図24の液剤移送デバイスの右側立面図である。
【
図30】大型の薬瓶に固定された、
図24の液剤移送デバイスの前面立面図である。
【
図32】
図28の組立体から液体内容物を注射器で吸引することを示す図である。
【
図33】
図30の組立体から液体内容物を注射器で吸引することを示す図である。
【
図34】注入ポートに取り付けるための従来の液剤移送デバイスの前面斜視図である。
【
図35】注入ポートに取り付けるための従来の注入ポートコネクタとともに配置された、
図34の液剤移送デバイスの線O−Oに沿った縦断面図である。
【
図37】本発明による汎用注入ポートコネクタの斜視図である。
【
図38】
図37の汎用注入ポートコネクタの線P−Pに沿った縦断面図である。
【
図39】いわゆる小型の注入ポートを有する輸液バッグの前面斜視図である。
【
図40】
図39の小型の注入ポートに取り付けられた
図37の汎用注入ポートコネクタを有する
図34の液剤移送デバイスの縦断面図である。
【
図41】いわゆる大型の注入ポート先端を有する輸液バッグの前面斜視図である。
【
図42】
図41の大型の注入ポートに取り付けられた
図37の汎用注入ポートコネクタを有する
図34の液剤移送デバイスの縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1は、注射器10、小型の薬瓶20A、大型の薬瓶20B、ならびに、注射器10と小型の薬瓶20Aおよび大型の薬瓶20Bの薬瓶20とともに使用するための、雌バイアルアダプタとして構成される液剤移送デバイス100を示す。
【0017】
注射器10は、プランジャロッド12と雄ルアーロックコネクタ13とを有するバレル11を備える。注射器10は、他のタイプの雄コネクタ、例えば、スリップ式ルアーコネクタなどを使用して形成することができる。注射器10は、典型的には希釈剤で満たされる。あるいは、注射器10は、活性液体成分を収容することができる。
【0018】
薬瓶20は、長手方向の薬瓶軸線21を有し、薬瓶基部23を有する薬瓶本体22と、薬瓶開口部26を形成する薬瓶ヘッド24と、薬瓶本体22と薬瓶ヘッド24との間の小直径の薬瓶ネック27と、を備える。薬瓶20は、粉体または液体の薬剤29を収容するための薬瓶内部28を有する。薬瓶20は、薬瓶開口部26の中に挿入される薬瓶ストッパ31によって封止される。薬瓶ストッパ31は、最上部薬瓶面32を有する。薬瓶20は、例えばアルミニウムバンドなどによって構成される薬瓶閉鎖部33によって密封され
る。
【0019】
広く市販されている小型の薬瓶20Aは、外径D1が13mmから14mmの間の薬瓶閉鎖部33を有し、広く市販されている大型の薬瓶20Bは、外径D2がD1より大きく、典型的には20mmから21mmの間の薬瓶閉鎖部33を有する。
【0020】
図1〜11は、汎用薬瓶アダプタ200Aと、注射器の雄ルアーコネクタ13と係合するための雌ルアーコネクタ101と、を備える液剤移送デバイス100を示す。液剤移送デバイス100は、薬瓶内部28への流れアクセスを可能にするための、雌ルアーコネクタ101と流れ連通する管状の穿刺部材102を備える。
【0021】
汎用薬瓶アダプタ200Aは、長手方向の薬瓶アダプタ軸線201と、スカート202と、を有している。スカート202は、薬瓶20Bの少なくとも頂部を、したがって本質的には薬瓶20Aの頂部を、その中に入れ子式にぴったりと受け入れるための薬瓶空洞203を形成する。スカート202は、半径方向を向く2つのストラット207の第1の対と、半径方向を向く2つのストラット208の第2の対と、を有する環状の中央部分206によって構成される頂壁204を備える。環状の中央部分206には、直立した雌ルアーコネクタ101が形成される。
【0022】
スカート202は、半径方向を向くストラット207から下方に垂下する、軸線方向を向く離間した撓み部材支持部209,211の第1の対を備える。スカート202は、半径方向を向くストラット208から下方に垂下する、軸線方向を向く離間した撓み部材支持部212,213の第2の対を備える。軸線方向を向く撓み部材支持部209,211の第1の対は、軸線方向を向く撓み部材支持部212,213の第2の対に対向する。
【0023】
撓み部材支持部209は、頂壁204に隣接する基端209Aと、そこから離れた先端209Bと、を有する。撓み部材支持部211は、頂壁204に隣接する基端211Aと、そこから離れた先端211Bと、を有する。撓み部材支持部212は、頂壁204に隣接する基端212Aと、そこから離れた先端212Bと、を有する。撓み部材支持部213は、頂壁204に隣接する基端213Aと、そこから離れた先端213Bと、を有する。
【0024】
スカート202は、単一の連続的な環状支持部214を備え、環状支持部214は、先端209Bと先端211Bとの間を延在する第1の横材216と、先端212Bと先端213Bとの間を延在する第2の横材217と、先端209Bと先端212Bとの間を延在する第3の横材218と、先端211Bと先端213Bとの間を延在する第4の横材219と、を備える。
【0025】
スカート202は、第1の横材216に弾性的に撓むように取り付けられた軸線方向を向く第1の撓み部材221と、第2の横材217に弾性的に撓むように第1の撓み部材221に対向して取り付けられ、軸線方向を向く第2の撓み部材222と、第3の横材218に弾性的に撓むように第1の撓み部材221と第2の撓み部材222との間に取り付けられ、軸線方向を向く第3の撓み部材223と、第4の横材219に弾性的に撓むように第3の撓み部材223に対向して取り付けられ、軸線方向を向く第4の撓み部材224と、を備える。
【0026】
第1の撓み部材221は、第1の横材216から離れた第1の撓み部材自由端221Aと、自由端221Aの方へ向かう半径方向内向きの第1の薬瓶把持部221Bと、を有する。第2の撓み部材222は、第2の横材217から離れた第2の撓み部材自由端222Aと、自由端222Aの方へ向かう半径方向内向きの第2の薬瓶把持部222Bと、を有
する。第3の撓み部材223は、第3の横材218から離れた第3の撓み部材自由端223Aと、自由端223Aの方へ向かう半径方向内向きの第3の薬瓶把持部223Bと、を有する。第4の撓み部材224は、第4の横材219から離れた第4の撓み部材自由端224Aと、自由端224Aの方へ向かう半径方向内向きの第4の薬瓶把持部224Bをと、有する。
【0027】
第1の薬瓶把持部221Bと第2の薬瓶把持部222Bとは、それらの間に間隔Sを形成する。ここで、S<D1である。同様に、第3の薬瓶把持部223Bと第4の薬瓶把持部224Bとは、それらの間に間隔Sを形成する。その結果、液剤移送デバイス100を薬瓶20Aに入れ子式に固定するとき、これらの把持部は薬瓶20Aの薬瓶閉鎖部33の下にある。D2>D1であるので、薬瓶把持部221B,222B,223B,224Bも、薬瓶20Bの薬瓶閉鎖部33の下にある。
【0028】
撓み部材221,222,223,224は、液剤移送デバイス100を薬瓶20Aに入れ子式に固定する前には、長手方向の薬瓶アダプタ軸線201に略平行である。液剤移送デバイス100を薬瓶20Aに入れ子式に固定するとき、薬瓶閉鎖部33が薬瓶把持部221B,222B,223B,224Bの下から、頂壁204の下で、それらの上まで通り過ぎるとき、撓み部材221,222,223,224は、それらの各横材216,217,218,219において、長手方向の薬瓶アダプタ軸線201に対して外向きに弾性的に撓まされ、薬瓶閉鎖部33が薬瓶把持部221B,222B,223B,224Bの上まで来ると、撓み部材221,222,223,224は、
図6および
図7の破線で示すように、長手方向の薬瓶アダプタ軸線201に略平行になるように戻る。
【0029】
液剤移送デバイス100を薬瓶20Bに入れ子式に固定する場合、撓み部材221,222,223,224は、それらの各横材216,217,218,219において、長手方向の薬瓶アダプタ軸線201に対して、薬瓶20Aに対するよりもさらに外向きに弾性的に撓まされる。それは、薬瓶20Bが薬瓶20Aよりも薬瓶閉鎖部33の直径が大きいことによる。薬瓶20Bの場合、撓み部材221,222,223,224は、長手方向の薬瓶アダプタ軸線201に対して略平行になるように完全に戻ることはなく、むしろ、
図8および
図9の破線Bで示すように、もともとの撓まない位置に対して外向きに撓んだままになる。
【0030】
図10は、混合、復元および吸引の目的のために薬瓶20Aに取り付けられた液剤移送デバイス100に取り付けられた注射器10を示す。
【0031】
図11は、混合、復元および吸引の目的のために薬瓶20Bに取り付けられた液剤移送デバイス100に取り付けられた注射器10を示す。
【0032】
図12および
図13は、汎用薬瓶アダプタ200Bを備え、雌ルアーコネクタ112およびそれと流れ連通する穿刺カニューレ113が形成された分離した2端部液体移送部材111とともに使用することを意図された液剤移送デバイス110を示す。液剤移送デバイス110は、液剤移送デバイス100と構造は同様であるが、汎用薬瓶アダプタ200Bが、環状の中央部分206およびリテーナ構成226が形成された頂壁204を有するという点で異なる。リテーナ構成226は、環状の中央部分206の上にある作動準備のできた液体移送部材111を保持する。穿刺カニューレ113は、保管中の無菌状態を維持し、薬瓶20とともに使用するシール部材として使用するためのシース114によって覆われる。液剤移送デバイス110は、液体移送部材111を押し下げてその後の作動をする準備のできた薬瓶20に入れ子式に取り付けることができる。
【0033】
図14は、本願出願人が所有する、Zingerらに付与された米国特許第6,238
,372号で開示された液剤移送デバイス120を示す。この液剤移送デバイス120は、流体制御デバイス121と、それとネジ係合する汎用薬瓶アダプタ200Cと、を備える。
【0034】
図15〜
図17は、IVバッグとして例示的に示す輸液容器40とともに使用する液剤移送デバイス130を示す。IVバッグ40は、注入ポート41と、投与ポート42と、液体内容物43と、を備える。IVバッグのポート41,42は、プラスチック製チューブの形態である。注入ポート41は、注射器内容物をIVバッグ40の中に針注入するように意図された露出したプラグ表面47を有する自己シールプラグ46を備える注入ポート先端44で終端する。注入ポート先端44は、後端の注入ポート先端リム48を有する。投与ポート42は、典型的には、投与目的でIVスパイクを挿入するためのツイストオフキャップ49によって封止される。
【0035】
液剤移送デバイス130は、長手方向の液剤移送デバイス軸線131を有し、注入ポートアダプタ132と、2端部液体移送部材133と、汎用薬瓶アダプタ200Dと、を備える。注入ポートアダプタ132は、注入ポート41に取り付けるための汎用注入ポートコネクタ250を備えることが好ましい。液体移送部材133は、注入ポート41を穿刺するための針134を備え、薬瓶ストッパ31を穿刺するための穿刺先端136で終端する。針134はシース134Aによって保護され、穿刺先端136はシース136Aによって保護される。
【0036】
液体移送部材133には、先端のドリル状ビット137と、後端の1対の外向きピン138と、が形成される。汎用薬瓶アダプタ200Dは、環状の中央部分206に軸方向を向く管状のステム227が形成された頂壁204を有するという点で、汎用薬瓶アダプタ200Aと異なる。ステム227は、半径方向外向きの1対のピン138と対応して係合するための1対の対向する略螺旋状のトラック228を有する。トラック228は、それぞれ、頂壁204から離れたトラック始端228Aと、頂壁204に隣接するトラック終端228Bと、を有する。
【0037】
ドリル状ビット137は、先端のストッパ139Aと、後端のストッパ139Bと、を有する。注入ポートアダプタ132は、半径方向内向きの先端のフランジ142Aと、内向きの後端のフランジ142Bと、が形成された内表面141を有する。
【0038】
図17Aは、先端のストッパ139Aが液剤移送デバイス130の最初の作動前位置で先端のフランジ142Aに配置されているのを示す。穿刺先端136は、無傷の薬瓶20がその後の使用のために汎用薬瓶アダプタ200D内に入れ子式に固定され得るように、頂壁204の上方に、または、頂壁204のところに配置される。薬瓶を汎用薬瓶アダプタ200D内に入れ子式に取り付けるときは、穿刺先端136は、その最上部薬瓶面32から離間されている。液剤移送デバイス130の高さは、最初の作動前位置では、H1である。
【0039】
図17Bは、
図15の矢印Aで示されるように、始めに汎用薬瓶アダプタ200Dを長手方向軸線131の周りを時計回りに締める方向に手動で作動回転させ、これにより、汎用薬瓶アダプタ200Dが、外向きのピン138がトラック終端228Bのところで止まるまで、液体移送部材133に沿って移動することを示す。この直線的な動きによって、穿刺先端136は、前もって固定した薬瓶20の薬瓶ストッパ31を貫通して薬瓶内部28の中に穿刺し、薬瓶内部28との流れ連通を確立する。液剤移送デバイス130の高さは、その薬瓶穿刺中間位置ではH2であり、H2<H1である。
【0040】
図17Cは、汎用薬瓶アダプタ200Dを同じ時計回りに締める方向に連続して手動で
作動回転させ、これにより、後端の止め部141Bが後端のフランジ142に当たって止まるまで、液体移送部材133と汎用薬瓶アダプタ200Dとが組み合わさって動く。この直線的な動きによって、針134が汎用注入ポートコネクタ250の方へ押されて注入ポート41を穿刺し、それによって、輸液容器40と薬瓶20との間での流れ連通を確立する。液剤移送デバイス130の高さは、輸液容器を穿刺するように作動される位置のH3であり、H3<H2である。
【0041】
液剤移送デバイス130は、事前に取り付けられた無傷の薬瓶20とともに提供されることが好ましい。液剤移送デバイス130は、オプションとして、輸液容器40に事前に取り付けることができる。したがって、使用者は、輸液容器と薬瓶との間での流れ連通を確立するために、1度の手動での作動回転を実行するだけでよい。
【0042】
図18〜
図23は、無傷の薬瓶20を、最初のセットアップ状態の液剤移送デバイス130から、手動での作動回転を受けてしまう前に外すための薬瓶解放道具300を示す。薬瓶解放道具300の構造および操作は、薬瓶20Bを参照して示されるが、これは薬瓶20Aにも同じく適用される。
【0043】
薬瓶解放道具300は、長手方向の道具軸線301を有し、また、頂部が開口したハウジング302を備える。ハウジング302は、周壁303、底壁304および頂部リム306を有する。ハウジング302は、事前に取り付けられた無傷の薬瓶20とともに汎用薬瓶アダプタ200Dを摺動的に受け入れるように意図されている。周壁303は、等間隔に配置され下方に垂下する4つの撓み部材支持部209,211,212,213を摺動的に受け入れるための長手方向を向いた4つのスロット308を有する内表面307を有しており、薬瓶解放道具300内の汎用薬瓶アダプタ200Dの正しい回転位置決めを確実にする。長手方向を向いたスロット308には、それぞれ、ストッパ309が形成されており、無傷の薬瓶20が底壁304の内側の上方の高さH4になるように、汎用薬瓶アダプタ200Dが薬瓶解放道具300の中に摺動的に挿入されるのを止める(
図20B参照)。液剤移送デバイス130を手動で作動回転する場合、穿刺された薬瓶が底壁304の上方の高さH5のところにある
図23Aおよび
図23Bに示すように、汎用薬瓶アダプタ132は、汎用薬瓶アダプタ200Dが薬瓶解放道具300の中に完全に挿入されるのを防ぐ。
【0044】
ハウジング302には、長手方向を向いた長方形の4つの開口311が形成されている。開口311は、汎用薬瓶アダプタ200Dをハウジング302の中に摺動的に挿入すると、弾性的に撓むことが可能な上方に立ち上がった4つの撓み部材221,222,223,224と位置合わせされる。薬瓶解放道具300は、ハウジング302を取り囲む環状のレール312を備える。レール312は、それぞれが解放部材リム314を有する4つの枢動解放部材313を支持する。解放部材313は、汎用薬瓶アダプタ200Dをハウジング302の中へ自由に摺動的に挿入できるセットアップ位置を有する(
図20Aおよび
図20B参照)。解放部材313は、それらの解放部材リム314が、頂壁204と、撓むことが可能な撓み部材221,222,223,224と、の間の間隔に配置されるように、作動位置に操作することができる(
図21Aおよび
図21B参照)。解放部材313は、撓み部材221,222,223,224を長手方向の道具軸線301に対して外向き撓ませるように手動で操作され、それによって、薬瓶20が解放されて底壁304上に落ちる(
図22Aおよび
図22B参照)。
【0045】
図23Aおよび
図23Bは、液剤移送デバイス130が薬瓶20に穿刺するように部分的に作動させられた場合を示し、この場合、汎用薬瓶アダプタ200Dは、薬瓶解放道具300へ挿入すると、頂部リム306上で止まり、解放部材313は、頂壁204と撓み部材221,222,223,224との間の間隔に整合しておらず、むしろ、解放部材
先端314は、撓み部材221,222,223,224に直接的に面しており、したがって、穿刺された薬瓶20を解放するようには操作できない。
【0046】
図24〜33は、注射器10と、小型の薬瓶20Aおよび大型の薬瓶20Bの薬瓶と、ともに使用するための液剤移送デバイス150を示す。液剤移送デバイス150は、汎用薬瓶アダプタ200Eと、雌ルアーコネクタ101と、雌ルアーコネクタ101と流れ連通する管状の穿刺部材102と、を備えるとともに、薬瓶内部28に流れアクセスを可能にするという点で液剤移送デバイス100と同様である。汎用薬瓶アダプタ200Eは、長手方向の薬瓶アダプタ軸線201と、スカート202と、薬瓶20Bの少なくとも頂部を(したがって本質的に薬瓶20Aの頂部を)その中に入れ子式にぴったりと受け入れるための薬瓶空洞203と、長手方向の薬瓶アダプタ軸線201と交差(例えば、直交)する方向の頂壁204と、を有するという点で汎用薬瓶アダプタ200Aと同様である。
【0047】
穿刺部材102は、1対の細長い流れ開口151を有する。流れ開口151の各々は、頂壁204に隣接する基端152Aと、穿刺先端153に隣接する先端152Bと、を有する。基端152Aは、液剤移送デバイス150と薬瓶20Aとの組立体を逆さまにするときに、薬瓶20Aの液体内容物全部をそこから確実に吸引することができるように、頂壁204に隣接する。先端152Bは、液剤移送デバイス150と薬瓶20Bとの組立体において、穿刺部材102が、薬瓶20Bの薬瓶内部28と確実に流れ連通するように穿刺先端153に隣接する。
【0048】
液剤移送デバイス150は、穿刺部材102を覆う薄いシース154を備える。シース154は、薬瓶20Aおよび薬瓶20Bに液剤移送デバイス150を取り付けるときに、頂壁204の方へ押される。前者の場合、シース154が、頂壁204と、薬瓶20Aの最上部薬瓶面32と、の間で平坦になることが、
図29に示される。後者の場合、シース154が、頂壁204と、薬瓶20Bの最上部薬瓶面32と、の間で蛇腹状の外観をとることが、
図31に示される。シース154は、頂壁204と、薬瓶20Bの最上部薬瓶面32と、の間に露出する細長い流れ開口151の基端152Aをシールするためのシール部材として作用する。
【0049】
スカート202は、薬瓶20Aの薬瓶ヘッドに入れ子式に固定するための一組の小さい撓み部材230を備える。一組の小さい撓み部材230は、薬瓶20Aの薬瓶ヘッド24に入れ子式に固定するための1対の対向する小さい撓み部材231A,231Bを備える。小さい撓み部材231は、それぞれ、頂壁204から見て先端側の小さい撓み部材自由端232A,232Bと、薬瓶20Aの薬瓶ヘッド24にスナップ嵌めするための内側を向くリム233A,233Bと、を有する。
【0050】
スカート202は、薬瓶20Bの薬瓶閉鎖部33に入れ子式に固定するための一組の大きい撓み部材234を備える。一組の大きい撓み部材234は、隣接する第1の対の大きい撓み部材236A,236Bと、隣接する第1の対の大きい撓み部材236A,236Bに対向する隣接する第2の対の大きい撓み部材237A,237Bと、を備える。一組の大きい撓み部材234は、薬瓶20Bの薬瓶閉鎖部33の周囲の2つの対向する主要長さを確実に固定するために、隣接する大きい撓み部材の対236,237を備える。
【0051】
大きい撓み部材236,237には、それぞれ、長手方向を向く窓238と、薬瓶20Bの薬瓶閉鎖部33をスナップ嵌めするための内側を向くリム239と、が形成される。大きい撓み部材236A,237Aは、それらの間に間隔241Aを残すように離間される。大きい撓み部材236B,237Bは、それらの間に間隔241Bを残すように離間される。小さい撓み部材231は、間隔241に位置合わせされ、それにより、液剤移送デバイス150を薬瓶20Aに入れ子式に固定するときに、小さい撓み部材231は、長
手方向の薬瓶アダプタ軸線201に対して外向きに撓むことを、大きい撓み部材236,237によって妨げられない。
【0052】
図28および
図29は、薬瓶20Aに取り付けられた液剤移送デバイス150を示す。穿刺部材102は、基端152Aがその薬瓶内部28の中にあるように、その薬瓶ストッパ31を貫通して完全に穿刺する。
【0053】
図30および
図31は、薬瓶20Bに取り付けられた液剤移送デバイス150を示す。一組の小さい撓み部材230は、薬瓶20Bを頂壁204から遠ざけるための当接部材として作用し、その際、薬瓶20Bの最上部薬瓶面32は、小さい撓み部材の自由端232A,232Bの下にある。
【0054】
穿刺部材102の頂部部分は、頂壁204と、薬瓶の最上部薬瓶面32と、の間で露出されたままである。シース154は、頂壁204と、薬瓶20Bの最上部薬瓶面32と、の間で蛇腹状の外観をなし、細長い流れ開口151の露出した長さに対してシール部材として作用する。
【0055】
図32は、混合、復元および吸引の目的のために薬瓶20Aに取り付けられた液剤移送デバイス150に取り付けられた注射器10を示す。
【0056】
図33は、混合、復元および吸引の目的のために薬瓶20Bに取り付けられた液剤移送デバイス150に取り付けられた注射器10を示す。
【0057】
図34は、注入ポート先端44を有する特定のサイズの注入ポート41に取り付けるための注入ポートコネクタ230を備える液剤移送デバイス160を示す。注入ポート先端44は、自己シールプラグ46と、露出したプラグ表面47と、後端の注入ポート先端リム48と、を有する。この液剤移送デバイスは、VIAL−MATE Adaptor Deviceという商品名でBaxter Healthcare Corporationから市販されている。製品シートは、ウェブサイトhttp://www.baxtermedicationdeliveryproducts.com/drug−delivery/vialmate.htmlからオンラインで入手できる。
【0058】
製品仕様書では、VIAL−MATE Adaptor Deviceは、20mmの閉鎖部を有する単数回投与バイアルおよび同じくBaxter Healthcare Corporationから入手できるVIAFLEX containerに対してのみ適していることが表示されている。
【0059】
図35は、液剤移送デバイス160が、長手方向のハウジング軸線162と、アクセス開口163と、バイアルアダプタ164と、を有する端部が開口したハウジング161を備えることを示す。端部が開口したハウジング161は、注入ポート41を穿刺するための針166と、バイアルアダプタ164の中に下方に垂下して針166と流れ連通する穿刺部材167と、を備える。
【0060】
図36は、アクセス開口163に向けて、端部が開口したハウジング161内に配置された、従来の注入ポートコネクタ230を示す。注入ポートコネクタ230は、長手方向のハウジング軸線162と同軸に整合する長手方向のコネクタ軸線231を備える。注入ポートコネクタ230は、長手方向のハウジング軸線162に直交する水平面233を形成する円形の支持リング232を備える。支持リング232は、長手方向のハウジング軸線162に向かって配置されたコネクタ部材の自由端236でそれぞれが終端する多数の真直ぐなコネクタ部材234を備える。コネクタ部材の自由端236は、収束して、水平
面233の下にある略円形のコネクタ開口237を形成する。コネクタ開口237は、コネクタ開口直径D4を有し、D4<D3である。
【0061】
液剤移送デバイス160は、アクセス開口163の方向からバイアルアダプタ164の方へ特定のサイズの注入ポート41を摺動的に強制的に挿入して、コネクタ開口237を貫通し、コネクタ部材の自由端236が後端の注入ポート先端リム48の後ろでスナップ止めするように構成される。しかしながら、注入ポート41は、望ましくないことに、長手方向外向きの比較的小さい引き抜く力をアクセス開口163の方向へ加えると、端部が開口したハウジング161からたやすく引き抜くことができる。
【0062】
図37および
図38は、様々なサイズの注入ポート41を取り付けるための汎用注入ポートコネクタ250を示す。汎用注入ポートコネクタ250は、以下のように、注入ポートコネクタ230と同じ基本構造を有する。汎用注入ポートコネクタ250は、長手方向の軸線251と、水平面253を形成する閉じた支持リング252と、それぞれが弾性的に撓むように支持リング252に取り付けられ、水平面253に平行なコネクタ開口257に向かって収束するコネクタ部材の自由端256で終端する多数のコネクタ部材254と、を有する。閉じた支持リング252は、円形が好ましいが、例えば、楕円などの他の閉じた形状で形成することもできる。
【0063】
汎用注入ポートコネクタ250は、以下の点で従来の注入ポートコネクタ230と異なる。すなわち、後者の真直ぐなコネクタ部材234とは対照的に、前者は湾曲したコネクタ部材254を有し、その結果、汎用注入ポートコネクタ250は、全体的に椀状の形状をなす。コネクタ開口257は、コネクタ開口直径D5を有し、D5<D3であり、その結果、注入ポート先端44を支持リング252の方向から摺動的に強制的に挿入して、コネクタ開口257を貫通させ、コネクタ部材254を、長手方向のコネクタ軸線251に対して撓んでいない位置から外向きに撓ませ、後端の注入ポートリム48の後ろでスナップ止めし、それによって、注入ポート先端44を摺動的に強制的に挿入した方向と反対方向に摺動させて引き抜くことが妨げられる。コネクタ部材254の湾曲した形状のおかげで、汎用注入ポートコネクタ250は、様々なサイズの注入ポート41に取り付けることができる。さらに、湾曲したコネクタ部材254のおかげで、汎用注入ポートコネクタ250は、従来の注入ポートコネクタ230よりも長手方向外向きに引き抜く力に抵抗することがより可能になる。
【0064】
図39は、いわゆる小型の注入ポート41Aを有する輸液バッグ40Aを示す。注入ポート41Aは、自己シールプラグ46Aと、露出したプラグ表面47Aと、後端の注入ポート先端リム48と、を有する注入ポート先端44Aを備える。注入ポート41Aは外径D11を有する。注入ポート先端44Aは、先端外径D12および先端高さH11を有する。後端の注入ポート先端リム48Aは、外径D13を有する。D11は6.5mmであり、D12は7.5mmであり、H11は7.5mmであり、D13は10.5mmである。
【0065】
図40は、小型の注入ポート41Aに取り付けられた汎用注入ポートコネクタ250を有する液剤移送デバイス160を示す。
【0066】
図41は、小型の注入ポート41Aと同じ構造であるが寸法が下記のようにより大きい、いわゆる大型の注入ポート41Bを有する輸液バッグ40Bを示す。注入ポート41Bは外径D21を有する。注入ポート先端44Bは、先端外径D22および先端高さH21を有する。後端の注入ポート先端リム48Bは、外径D23を有する。D21は10.5mmであり、D22は10.5mmであり、H21は10mmであり、D23は13mmである。
【0067】
図42は、大型の注入ポート41Bに取り付けられた汎用注入ポートコネクタ250を有する液剤移送デバイス160を示す。注入ポート41Bが、注入ポート41Aの注入ポート直径D11よりも大きな注入ポート直径D21を有しているので、コネクタ部材254は、液剤移送デバイス160を注入ポート41Bに取り付けた時の方が、注入ポート41Aに取り付けた時よりも傾斜が急である。
【0068】
本発明を限られた数の実施例に関して説明したが、本発明の多くの変形、変更および他の用途が、添付の特許請求の範囲内で可能であることが理解されよう。