特許第5996830号(P5996830)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】5996830
(24)【登録日】2016年9月2日
(45)【発行日】2016年9月21日
(54)【発明の名称】ダイヤルユニットおよび導入装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 1/00 20060101AFI20160908BHJP
【FI】
   A61B1/00 310H
   A61B1/00 300A
【請求項の数】6
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2016-532013(P2016-532013)
(86)(22)【出願日】2015年8月31日
(86)【国際出願番号】JP2015074694
【審査請求日】2016年5月17日
(31)【優先権主張番号】特願2014-230114(P2014-230114)
(32)【優先日】2014年11月12日
(33)【優先権主張国】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000000376
【氏名又は名称】オリンパス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100189913
【弁理士】
【氏名又は名称】鵜飼 健
(72)【発明者】
【氏名】樋野 和彦
【審査官】 小田倉 直人
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2014/123135(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸を有するとともに前記軸を中心に回転可能なダイヤル部材と、
前記ダイヤル部材の回転量を検出する検出部と、
前記ダイヤル部材と係合して前記ダイヤル部材と一緒に回転可能な回転子と、
前記ダイヤル部材と前記回転子との間に介在され、前記ダイヤル部材の回転角度が第1の所定角度に至るまでは前記ダイヤル部材と前記回転子とを分離し、前記ダイヤル部材の回転角度が前記第1の所定角度を超えた際に前記ダイヤル部材の回転を前記回転子に伝達する第1回転伝達部材と、
コイル形状をなして当該コイル形状の内側に前記回転子を位置させ、前記回転子が回転した際に前記回転子に対して前記回転子の回転方向とは逆方向に回転力を付与可能な弾性部材と、
を備えるダイヤルユニット。
【請求項2】
固定的に設けられたブラケット部材と、
前記回転子と前記ブラケット部材との間に介在され、前記ダイヤル部材の回転角度が前記第1の所定角度よりも大きい第2の所定角度に至るまでは前記回転子とともに回転し、前記ダイヤル部材の回転角度が前記第2の所定角度を超えた際に前記ブラケット部材とを係合して停止し、前記第2の所定角度を超えて回転する前記ダイヤル部材に対して前記弾性部材を介して前記回転子の回転方向とは逆方向に回転力を付与する第2回転伝達部材と、
を備える請求項1に記載のダイヤルユニット。
【請求項3】
前記弾性部材は、前記回転子に付与する前記回転子の回転方向とは逆方向の回転力を増大するように、予め弾性変形された状態で当該コイル形状の内側に前記回転子を位置させる請求項2に記載のダイヤルユニット。
【請求項4】
前記ブラケット部材と前記ダイヤル部材の軸との間に介在され、回転する前記ダイヤル部材の軸に対して抵抗力を付与可能な抵抗付与部を備える請求項3に記載のダイヤルユニット。
【請求項5】
前記弾性部材は、
前記第1回転伝達部材と前記回転子との間に介在されるとともに、前記回転子が第1方向に回転する際に前記第1方向とは逆方向に回転力を付与する第1ばねと、
前記回転子と前記第2回転伝達部材との間に介在されるとともに、前記回転子が前記第1方向とは反対の第2方向に回転する際に前記第2方向とは逆方向に回転力を付与する第2ばねと、
を備える請求項4に記載のダイヤルユニット。
【請求項6】
請求項1に記載のダイヤルユニットを有する操作部と、
前記操作部から延びて孔内に導入されるとともに湾曲することが可能な導入部と、
前記検出部で検出した前記ダイヤル部材の回転量に応じて前記導入部を湾曲させるアクチュエータ部と、
を備える導入装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、孔内に挿入される導入装置及びその導入装置設けられるダイヤルユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に内視鏡のような孔内への導入装置は、例えば被検体内の病変部を観察、処置等するために被検体内に挿入される可撓性を有する挿入部と、この挿入部をUD方向及びRL方向に湾曲させるための操作を行なう操作部とを有する。操作部は、UD方向の操作を行うためのUDアングルノブと、RL方向の操作を行うためのRLアングルノブとを有する。病変部の観察、処置等を行う場合には、UDアングルノブとRLアングルノブとを操作して挿入部をUD方向及びRL方向に湾曲させることができる。
【0003】
さらに、内視鏡には、UD方向およびRL方向への湾曲部の湾曲をモータで駆動するようにしたものが存在する。例えば、国際公開第2013−129494号明細書の内視鏡では、挿入部の上下(UD)方向の湾曲を手動操作とし、左右(RL)方向の湾曲をモータの駆動によって自動で操作可能としている。操作部は、上下(UD)方向の操作のためのノブと、左右(RL)方向の操作のためのダイヤルと、を有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第2013−129494号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一般に、術者の良好な操作性を維持するために、操作部には望ましい大きさというものが存在する。一方、挿入部を湾曲操作するための各種のダイヤルを、操作部中の限られた設置スペースに配置する必要がある。このため、ダイヤル周辺構造を小型化して、術者の操作性を向上したいという要望がある。
【0006】
本発明の目的は、操作性を向上したダイヤルユニットおよび導入装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するため、ダイヤルユニットは、軸を有するとともに前記軸を中心に回転可能なダイヤル部材と、前記ダイヤル部材の回転量を検出する検出部と、前記ダイヤル部材と係合して前記ダイヤル部材と一緒に回転可能な回転子と、前記ダイヤル部材と前記回転子との間に介在され、前記ダイヤル部材の回転角度が第1の所定角度に至るまでは前記ダイヤル部材と前記回転子とを分離し、前記ダイヤル部材の回転角度が前記第1の所定角度を超えた際に前記ダイヤル部材の回転を前記回転子に伝達する第1回転伝達部材と、コイル形状をなして当該コイル形状の内側に前記回転子を位置させ、前記回転子が回転した際に前記回転子に対して前記回転子の回転方向とは逆方向に回転力を付与可能な弾性部材と、を備える。
【発明の効果】
【0008】
上記の構成によれば、操作性を向上したダイヤルユニットおよび導入装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、実施形態の内視鏡装置の全体構成を示した斜視図である。
図2図2は、図1に示す内視鏡装置の先端硬質部を端面側から示した正面図である。
図3図3は、図1に示す内視鏡装置の湾曲部の内部にある湾曲駒、第1ワイヤ、および第2ワイヤを示す断面図である。
図4図4は、図1に示す内視鏡装置の操作部の第2ダイヤルユニットを示す側面図。
図5図5は、図4に示す第2ダイヤルユニットの中心軸を通る面で切断して示した断面図である。
図6図6は、図4に示す第2ダイヤルユニットを分解して示した斜視図である。
図7図7は、図6に示す分解した第2ダイヤルユニットを異なる方向から示した斜視図である。
図8図8は、図5に示すF8−F8線に沿った断面図である。
図9図9は、図5に示すF9−F9線に沿った断面図である。
図10図10は、図5に示すF10−F10線に沿った断面図である。
図11図11は、図5に示すF11−F11線に沿った断面図である。
図12図12は、図5に示すF12−F12線に沿った断面図である。
図13図13は、第2ダイヤルユニットの回転量に対応する湾曲部のR方向またはL方向への湾曲状態を示した模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[第1の実施形態]
図1は本発明の内視鏡装置の全体構成図を示す。図1に示すように、内視鏡装置11は、内視鏡12と、光源装置13と、画像処理を含む制御を行う制御装置15と、送水ポンプ等の送水装置14と、吸引ポンプ等の吸引装置16と、キーボード17と、モニタ18と、アクチュエータ部21と、を有する。
【0011】
光源装置13は、制御装置15の制御下で、内視鏡12の後述する先端硬質部22にある照明レンズ23に光を供給する。送水装置14は、制御装置15の制御下で、貯水タンク14Aに貯められた液体を内視鏡12の先端硬質部22にあるノズル24に対して送水する。吸引装置16は、チャンネル44を介して生体内から液体や組織等を吸引し、廃棄タンク16Aに回収する。制御装置15の画像処理部(図示しない)では、内視鏡12の先端硬質部22の対物レンズ25を通して撮影された被検体の画像を画像処理してモニタ18に表示する。
【0012】
制御装置15は、内視鏡12の後述する操作部の第2ダイヤルユニット46の検出部27に接続されている。検出部27は、第2ダイヤルユニット46のダイヤル部材28の回転方向及び回転量を検出し、制御装置15に検出信号を送信する。制御装置15は、検出部27で検出した回転量に応じて操作部31にあるアクチュエータ部21を作動させ、湾曲部36をR方向及びL方向に湾曲させる。
【0013】
図1に示すように、内視鏡12は、操作部31と、操作部31と光源装置13とを連結するユニバーサルコード32と、操作部31に隣接したグリップ部33と、グリップ部33から延びて孔内(被検体)に導入される導入部34と、を有する。内視鏡12は、導入装置の一例である。内視鏡12は、ユニバーサルコード32を介して制御装置15、光源装置13、送水装置14、及び吸引装置16に接続されている。
【0014】
図1において、矢印Aは長手方向の先端方向を示しており、矢印Bは長手方向の基端方向を示している。導入部34は、細長く可撓性を有する軟性部35と、この軟性部35の先端に設けられた湾曲部36と、この湾曲部36の先端に設けられた先端硬質部22と、を備えている。
【0015】
図3に示すように、軟性部35および湾曲部36の内部には、導入部34の長手軸に沿って並んだ複数の湾曲駒37が設けられている。さらに湾曲駒37の内側には、湾曲部36をU方向及びそれとは反対のD方向に湾曲させるための一対の第1ワイヤ41と、湾曲部36をR方向及びそれとは反対のL方向に湾曲させるための一対の第2ワイヤ42と、が挿通されている。一対の第1ワイヤ41および一対の第2ワイヤ42は、導入部34の先端側において最も先端に位置する湾曲駒37に固定されている。一対の第1ワイヤ41は、操作部31側において第1ダイヤルユニット43のプーリに固定されている。同様に、一対の第2ワイヤ42は、操作部31側において第2ダイヤルユニット46のプーリに固定されている。湾曲駒37、第1ワイヤ41および第2ワイヤ42の作用によって、湾曲部36は、U方向、D方向、R方向およびL方向のいずれの方向およびこれらを組み合わせた方向に湾曲することができる。
【0016】
図2に示すように、先端硬質部22には、対物レンズ25と、処置具挿通チャンネル44と、照明レンズ23と、先端硬質部22の先端面を洗浄する水や空気を供給したり、生体内の液体や組織等を吸引したりできるノズル24と、が設けられている。
【0017】
図1に示すように、操作部31は、例えば合成樹脂材料等によって内部空間を有するように形成されたケース45と、ケース45から突出するとともにケース45に対して回転可能に設けられた第1ダイヤルユニット43と、ケース45から突出するとともにケース45に対して回転可能に設けられた第2ダイヤルユニット46と、ケース45に設けられたボタン部47と、ケース45内部に設けられたアクチュエータ部21と、を有している
ボタン部47は、ノズル24を介して内視鏡12の先端硬質部22に送気・送水を行う第1ボタン47A(送気・送水ボタン)と、ノズル24を介して内視鏡12の先端硬質部22で吸引を行う第2ボタン47B(吸引ボタン、S)と、を含んでいる。
【0018】
アクチュエータ部21は、湾曲部36をR方向及びL方向に湾曲させるための駆動力を供給する。アクチュエータ部21は、例えば、サーボモータ等のモータで構成されている。アクチュエータ部21の駆動力は、操作部31の内部に設けられたギヤおよびプーリ等を介して一対の第2ワイヤ42に伝達される。
【0019】
第1ダイヤルユニット43は、モータ等の駆動力を使用せず、手指の力で湾曲部36をU方向(UP側)またはD方向(DOWN側)に湾曲させるために設けられている。第1ダイヤルユニット43は、回転軸51と、回転軸51の一方の端部に固定されたUDノブ52と、回転軸51の他方の端部に固定された第1プーリと、を有している。第1ダイヤルユニット43の第1プーリには、一対の第1ワイヤ41が固定されている。UDノブ52は、略星形をなしており、例えば5個の爪を有している。ユーザが第1ダイヤルユニット43のUDノブ52を操作すると、第1プーリが回転して一方の第1ワイヤ41を引っ張るとともに他方の第1ワイヤ41の緊張が緩められ、湾曲部36がU方向またはD方向に湾曲する。
【0020】
第2ダイヤルユニット46は、アクチュエータ部21を介して湾曲部36をR方向(RIGHT側)またはL方向(LEFT側)に湾曲させるために設けられている。すなわち、第2ダイヤルユニット46の回転角度に応じて、湾曲部36をR方向またはL方向に湾曲させることができる。本実施形態では、実際に湾曲部36が湾曲する角度は、中立位置から第2ダイヤルユニット46(ダイヤル部材28)が回転した角度よりも小さく設定されている。
【0021】
図4から図7に示すように、第2ダイヤルユニット46は、ダイヤル本体53と軸54とを含むダイヤル部材28と、ダイヤル部材28と係合するとともにダイヤル部材28の回転角度(回転量)を検出する検出部27と、ダイヤル部材28と係合してダイヤル部材28と一緒に回転可能な第1軸部55および第2軸部56と、第1軸部55の周囲を取り囲む第1ハウジング57と、第2軸部56の周囲を取り囲む第2ハウジング58と、ケース45に対して固定的に設けられるブラケット部材61と、を備えている。
【0022】
第2ダイヤルユニット46は、さらに、ダイヤル部材28とブラケット部材61との間に介在される第1Oリング62および第2Oリング63と、ブラケット部材61とケース45との間に介在される第3Oリング64と、第1軸部55と第1ハウジング57との間に介在される第1ばね65と、第2軸部56と第2ハウジング58との間に介在される第2ばね66と、第1軸部55に固定される第1ナット67と、第2軸部56に固定される第2ナット68と、検出部27に固定される第3ナット71と、ダイヤル本体53と軸54とを固定するねじ72と、軸54内部に進退可能に内蔵される調整ピン73と、調整ピン73によって軸54の半径方向にスライド移動する複数のスライド片74と、を備えている。
【0023】
ダイヤル部材28は、軸54を中心に回転することができる。ダイヤル本体53は、内側にある金属部75と、外側にある樹脂部76と、を有している。ダイヤル部材28の軸54は、金属材料により形成され、基部54Aから先端部54Bに向かう途中に段部があるロッド状をなしている。軸54は、ねじ72によってダイヤル本体53の金属部に固定される。軸54は、基部54Aの内側に設けられ軸54の延びる方向に沿って延びた空洞部分77と、軸54の半径方向に延びて空洞部分と連通した複数(例えば、3個)の貫通孔78と、を有している。軸54の空洞部分77には、調整ピン73を収納することができる。軸54は、先端部54Bから検出部27に向かって突出する爪部81と、基部54Aから検出部27に向かって突出した凸部82と、を有している。一方、検出部27には、金属製の回転軸27Aにスリット83が設けられており、当該スリット83に対して爪部81が嵌ることができる。
【0024】
調整ピン73は、先端側の径が基端側よりも細くなる段付きピンとして構成されている。調整ピン73は、金属材料によって形成されている。調整ピン73は、その先端部にスライド片74と当接するためのテーパー面73Aを有している。調整ピン73は、ねじ72の締結量に応じて軸54の延びる方向に沿って進退することができる。図5において、軸54に対するねじ72の締結量を増加させていくと、調整ピン73は、図中で検出部27のある方向に移動する。逆にねじ72の締結量を小さくすると、第1Oリング62の張力(復帰力、弾性力)によってスライド片74が軸54の半径方向内側に移動し、このスライド片74の移動に伴って、調整ピン73が図中でダイヤル本体53に近づく方向に移動する。
【0025】
本実施形態では、スライド片74は、3個で構成されている。スライド片74のそれぞれは、貫通孔78に嵌っている。3個のスライド片74は、第1Oリング62の内側に位置している。3個のスライド片74は、互いに同じ形状を有している。スライド片74のそれぞれは、調整ピン73のテーパー面73Aと当接する斜面部74Aと、第1Oリング62と当接する平坦な当接面74Bと、を有している。スライド片74のそれぞれは、金属材料で形成される。
【0026】
スライド片74は、調整ピン73によって位置を調整することが可能である。すなわち、図5中で調整ピン73が検出部27のある方向に移動すると、スライド片74は、軸54の半径方向の外側に移動することができる。一方、図5中で調整ピン73がダイヤル本体53の方向に移動すると、第1Oリング62の張力によってスライド片74は軸54の半径方向内側に移動することができる。スライド片74の位置を調整することによって、ブラケット部材61に対する第1Oリング62の押し付け量を調整することができる。
【0027】
検出部27は、例えば、ポテンショメータで構成されているが、ダイヤル部材28の回転量を検出できるセンサであれば他の種類のセンサ(例えば、ロータリーエンコーダ等)でもよい。検出部27は、ダイヤル部材28の回転角度を読み取って、ダイヤル部材28の回転方向及び回転量を検出する。
【0028】
第1軸部55は、フランジ部分を含む円筒形をなしている。第1軸部55は、第1軸本体55Aと、第1フランジ部55Bと、第1フランジ部55Bに設けられ第2軸部56のピン56Cが通される第1孔部55Cと、第1フランジ部55Bに設けられ第1ばね65の一方の端部が固定される第2孔部55Dと、第1フランジ部55Bとは反対側の端部に設けられ第1ナット67を固定するための第1ねじ部55Eと、第1フランジ部55Bから第1軸部55の半径方向の外側に突出した第1突出片55F(図7図10参照)と、を有する。第1軸部55は、第1ばね65のコイル形状部分の内側に配置されている。
【0029】
第2軸部56は、第1軸部55と同様に、フランジ部分を含む円筒形をなしている。第2軸部56は、第2軸本体56Aと、第1フランジ部55Bと突き合わされる第2フランジ部56Bと、第2フランジ部56Bに設けられた一対のピン56Cと、第2フランジ部56Bに設けられ第2ばね66の一方の端部が固定される第3孔部56Dと、第2フランジ部56Bとは反対側の端部に設けられ第2ナット68を固定するための第2ねじ部56Eと、第2フランジ部56Bから第1軸部55の半径方向の外側に突出した第2突出片56F(図6図11参照)と、を有する。第1軸部55は、第2軸部56のピン56Cが第1孔部55Cに通されることで、第2軸部56と一体に回転することができる。第2軸部56は、第2ばね66のコイル形状部分の内側に配置されている。第1軸部55および第2軸部56は、回転子の一例である。
【0030】
第1ハウジング57は、ダイヤル部材28と第1軸部55(回転子)との間に介在される。第1ハウジング57は、第1円筒部57Aと、第1円筒部57Aから半径方向の内側に張り出した第1端辺57Bと、第1端辺57Bからダイヤル部材28に向かって突出した第1ストッパ部57Cと、第1端辺57Bに設けられた第1貫通孔57Eと、ダイヤル部材28のある方向とは反対方向に突出した第2ストッパ部57Dと、を有している。第1ストッパ部57Cは、ダイヤル部材28の軸54に設けられた凸部82に突き当たることができる。第2ストッパ部57Dは、第1軸部55の第1突出片55Fに突き当たることができる。第1貫通孔57Eには、第1ばね65の他方の端部が固定される。第1ハウジング57は、第1回転伝達部材の一例である。
【0031】
第1ばね65は、いわゆる右巻きのねじりコイルばねで構成されている。本実施形態において、第1ばね65は、予め縮む方向に120°から160°ねじられて弾性変形した状態で、第1軸部55と第1ハウジング57とに固定されている。これによって、ダイヤル部材28の回転方向とは反対方向に第1ばね65が発揮する回転力(中立状態に復帰する力)を増大させるようにしている。
【0032】
第2ハウジング58は、第2軸部56(回転子)とブラケット部材61との間に介在される。第2ハウジング58は、第2円筒部58Aと、第2円筒部58Aから半径方向の内側に張り出した第2端面58Bと、第2円筒部58Aおよび第2端面58Bから外側に向かって突出した第3ストッパ部58Cと、第2端面58Bに設けられた第2貫通孔58Eと、検出部27のある方向とは反対方向(ダイヤル部材28のある方向)に突出した第4ストッパ部58Dと、を有している。第3ストッパ部58Cは、ブラケット部材61の縁部87に突き当たることができる。第4ストッパ部58Dは、第2軸部56の第2突出片56Fに突き当たることができる。第2貫通孔58Eには、第2ばね66の他方の端部が固定される。第2ハウジング58は、第2回転伝達部材の一例である。
【0033】
第2ばね66は、いわゆる左巻きのねじりコイルばねで構成されている。第1ばね65と同様に、第2ばね66は、予め縮む方向に120°から160°ねじられて弾性変形した状態で、第2軸部56と第2ハウジング58とに固定されている。これによって、ダイヤル部材28の回転方向とは反対方向に第2ばね66が発揮する回転力(中立状態に復帰する力)が増大されている。第1ばね65および第2ばね66は、コイル形状をなした弾性部材の一例である。
【0034】
ブラケット部材61は、全体として略円筒形をなしていて、第2ダイヤルユニット46の外殻を構成している。ブラケット部材61は、内側にダイヤル部材28の軸54の先端部、検出部27の一部、第1軸部55、第2軸部56、第1ハウジング57、第2ハウジング58等を収納可能な円筒部61Aと、内側にダイヤル部材28の軸54の基部54Aを収納可能で円筒部61Aよりも直径の小さい軸受部61Bと、を含んでいる。円筒部61Aには、第1開口部84と、第1開口部84に隣接して設けられる2個の第2開口部85と、2個の第2開口部85の間に位置する壁部86と、壁部86に設けられ第2開口部85との境界をなした縁部87と、が設けられている。第2開口部85は、第1開口部84よりも小さい面積で形成される。
【0035】
第1Oリング62は、例えばシリコンゴム等で構成され、軸54の基端部の周囲で、スライド片74の外側の位置に配置されている。第1Oリング62は、ブラケット部材61とダイヤル部材28の軸54との間に介在されるとも言い換えることができる。図8に示すように、第1Oリング62は、スライド片74が半径方向外側に移動することで直径が増大し、ブラケット部材61に対してダイヤル部材28の軸54が回転する際に抵抗力を付与することができる。第1Oリング62およびスライド片74は、抵抗付与部の一例である。
【0036】
第2Oリング63は、例えばシリコンゴム等で構成され、軸54の基端部の周囲に位置している。第2Oリング63は、水密用に設けられており、ブラケット部材61とダイヤル部材28の軸54との隙間から浸水することを防止する。
【0037】
第3Oリング64は、例えばシリコンゴム等で構成され、操作部31のケース45とブラケット部材61との間の隙間を埋めるように、ブラケット部材61の外周部に設けられている。第3Oリング64は、操作部31のケース45とブラケット部材61との間の水密性を確保するために設けられている。
【0038】
続いて、本実施形態の内視鏡装置11の作用について説明する。本実施形態では、第2ダイヤルユニット46の中立位置からの回転角度が、360°よりも大きくなる場合に、第1ばね65および第2ばね66は、ダイヤル部材28を360°の回転角度まで戻すように作用する。
【0039】
ユーザが湾曲部36をR方向に湾曲させるために、ダイヤル部材28の端面側から見て(図4に示す矢印Aの方向から見て)、ダイヤル部材28を時計回り方向に回転させると、中立位置から略180°の位置(第1の所定角度)までは、ダイヤル部材28のみが回転する(第1の動作モード)。ダイヤル部材28が中立位置から略180°の位置まで至ると、ダイヤル部材28の軸54の凸部82が第1ハウジング57の第1ストッパ部57Cに当接する(図9参照)。なお、時計回り方向は、第2方向の一例である。
【0040】
ダイヤル部材28の端面側から見て、上記したダイヤル部材28を時計回り方向に略180°の回転した位置(第1の所定角度)からさらに時計回り方向に回転させると、ダイヤル部材28、第1軸部55、第2軸部56、第1ハウジング57、第2ハウジング58、第1ばね65、および第2ばね66が一体的に回転する(第2の動作モード)。このとき、ダイヤル部材28の回転は第1ハウジング57(第1回転伝達部材)を介して第1軸部55および第2軸部56(回転子)に伝達される。ダイヤル部材28が中立位置から略360°の位置(第2の所定角度)まで至ると、第2ハウジング58(第2回転伝達部材)の第3ストッパ部58Cがブラケット部材61の縁部87に当接する(図12参照)。これによって、第2ハウジング58がこれ以上時計回り方向に回転しないように第2ハウジング58の回転が規制される。このとき、図13に示すように、湾曲部36は、中立位置NからR方向に略90°傾いた位置P1まで湾曲する。
【0041】
ダイヤル部材28の端面側から見て、ダイヤル部材28を時計回り方向に略360°の回転した位置(第2の所定角度)からさらに時計回り方向に回転させると、ダイヤル部材28、第1軸部55、第2軸部56、第1ハウジング57、および第1ばね65が一体的に回転する。第2ハウジング58は回転しない。そして、第2ばね66は、一方の端部が第2軸部56に固定され他方の端部が第2ハウジング58に固定されているため、ばねが縮む方向に圧縮される(第3の動作モード)。これによって、第2ばね66は、時計回りに回転するダイヤル部材28に対して反時計回り方向に回転力を付与する。第2ばね66の反発力に抗してダイヤル部材28を中立位置から時計回り方向に略540°の位置まで回転させると、第2軸部56の第2突出片56Fが第2ハウジング58の第4ストッパ部58Dに当接し、ダイヤル部材28がこれ以上時計回り方向に回転することが禁止される(図11参照)。このとき、図13に示すように、湾曲部36は、中立位置NからR方向に略160°傾いた位置P2まで湾曲する。
【0042】
ダイヤル部材28の端面側から見て、ダイヤル部材28を中立位置から時計回り方向に略360〜540°の範囲で回転させた状態で、ユーザがダイヤル部材28から指を離すと、第2ばね66の反発力によってダイヤル部材28が中立位置から略360°回転した位置まで戻される。このダイヤル部材28の復帰作用によって、図13に示すように、湾曲部36は、中立位置NからR方向に略90°傾いた位置P1まで戻される。さらに湾曲部36を完全に中立位置Nまで戻したい場合には、ユーザは、ダイヤル部材28をダイヤル部材28の端面方向から見て反時計回りに回転させることで湾曲部36を中立位置Nまで戻すことができる。
【0043】
逆に、ユーザが湾曲部36をL方向に湾曲させるために、ダイヤル部材28側から見て、ダイヤル部材28を反時計回り方向に回転させると、中立位置から略180°の位置(第1の所定角度)までは、ダイヤル部材28のみが回転する(第4の動作モード)。ダイヤル部材28が中立位置から略180°の位置まで至ると、ダイヤル部材28の軸54の凸部82が第1ハウジング57の第1ストッパ部57Cに当接する(図9参照)。なお、反時計回り方向は、上記した第2方向とは反対の第1方向の一例である。
【0044】
ダイヤル部材28の端面側から見て、上記したダイヤル部材28を時計回り方向に略180°の回転した位置(第1の所定角度)からさらに反時計回り方向に回転させると、ダイヤル部材28、第1軸部55、第2軸部56、第1ハウジング57、第2ハウジング58、第1ばね65、および第2ばね66が一体的に回転する(第5の動作モード)。このとき、ダイヤル部材28の回転は第1ハウジング57(第1回転伝達部材)を介して第1軸部55および第2軸部56(回転子)に伝達される。そして、ダイヤル部材28が中立位置から略360°の位置まで至ると、第2ハウジング58(第2回転伝達部材)の第3ストッパ部58Cがブラケット部材61の縁部87に当接する(図12参照)。これによって、第2ハウジング58がこれ以上反時計回り方向に回転しないように第2ハウジング58の回転が規制される。このとき、図13に示すように、湾曲部36は、中立位置NからL方向に略90°傾いた位置P3まで湾曲する。
【0045】
ダイヤル部材28側から見て、ダイヤル部材28を反時計回り方向に略360°の回転した位置からさらに反時計回り方向に回転させると、ダイヤル部材28および第1ハウジング57が一体的に回転する。このとき、第1軸部55および第2軸部56は、第2ハウジング58の第4ストッパ部58Dによって回転が規制されているため回転することはない。
【0046】
そして、第1ばね65は、一方の端部が第1軸部55に固定され他方の端部が第1ハウジング57に固定されているため、ばねが縮む方向に圧縮される(第6の動作モード)。これによって、第1ばね65は、反時計回りに回転するダイヤル部材28に対して時計回り方向に回転力を付与する。第1ばね65の反発力に抗してダイヤル部材28を中立位置から反時計回り方向に略540°の位置まで回転させると、第1ハウジング57の第2ストッパ部57Dが第1軸部55の第1突出片55Fに当接する(図10参照)。このとき、図13に示すように、湾曲部36は、中立位置NからL方向に略160°傾いた位置P4まで湾曲する。
【0047】
ダイヤル部材28側から見て、ダイヤル部材28を中立位置から反時計回り方向に略360〜540°の範囲で回転させた状態で、ユーザがダイヤル部材28から指を離すと、第1ばね65の反発力によってダイヤル部材28が中立位置から略360°回転した位置まで戻される。このダイヤル部材28の復帰作用によって、図13に示すように、湾曲部36は、中立位置NからR方向に略90°傾いた位置P3まで戻される。
【0048】
なお、位置P1から位置P3までの範囲は、通常の使用態様で頻繁に使用する範囲である。すなわち、中立位置Nから両側略90°の範囲において、ユーザである医師は、孔内の視認或いは生検を行ったり、処置具挿通チャンネル44に処置具或いは検査器具を通して、処理或いは検査を行ったりすることが多い。このため、本実施形態では、位置P1から位置P3までの範囲において、第1ばね65および第2ばね66の反発力を作用させず、所定の角度で湾曲している湾曲部36がそのままの角度を保持するようにしている。
【0049】
第1実施形態によれば、ダイヤルユニットは、軸54を有するとともに軸54を中心に回転可能なダイヤル部材28と、ダイヤル部材28の回転量を検出する検出部27と、ダイヤル部材28と係合してダイヤル部材28と一緒に回転可能な回転子と、ダイヤル部材28と前記回転子との間に介在され、ダイヤル部材28の回転角度が第1の所定角度に至るまではダイヤル部材28と前記回転子とを分離し、ダイヤル部材28の回転角度が前記第1の所定角度を超えた際にダイヤル部材28の回転を前記回転子に伝達する第1回転伝達部材と、コイル形状をなして当該コイル形状の内側に前記回転子を位置させ、前記回転子が回転した際に前記回転子に対して前記回転子の回転方向とは逆方向に回転力を付与可能な弾性部材と、を備える。
【0050】
この構成によれば、弾性部材のコイル形状部分の内側に回転子を配置できるため、弾性部材と回転子とを個別に設置した場合に比して、設置スペースを小さくしてダイヤルユニットを小型化することができる。また、上記構成によれば、第1回転伝達部材によってダイヤル部材28の回転角度が第1の所定角度を超えた場合にのみ、回転子が回転されるとともに弾性部材が回転子に逆方向の回転力を付与するため、ダイヤル部材28の回転角度が第1の所定角度を超えない場合には回転子に逆方向の回転力を付与しないようにすることができる。これによって、ダイヤル部材28の回転角度中で、弾性部材による回転力を付与しない範囲を持たせることができる。これによって、ダイヤル部材28の回転角度が第1の所定角度を超えない範囲では、ダイヤル部材28をそのままの位置で保持し、第1の所定の角度を超えた場合には、ダイヤルユニットを第1の所定の角度まで戻すような用途で使用したい場合に、このダイヤルユニットを有効に活用できる。
【0051】
導入装置は、上記のダイヤルユニットを有する操作部31と、操作部31から延びて孔内に導入されるとともに湾曲することが可能な導入部34と、検出部27で検出したダイヤル部材28の回転量に応じて導入部34を湾曲させるアクチュエータ部21と、を備える。
【0052】
この構成によれば、ダイヤル部材28の回転角度が所定角度を超えた場合にのみ、湾曲部36を所定の角度範囲に復帰させることができる。これによって、ダイヤル部材28が所定の角度範囲内にあるときに、ユーザである医師は、湾曲部36の湾曲角度を保持したまま、孔内の視認、生検、処置、あるいは検査を行うことができる。このため、上記のようにアクチュエータ部21によって湾曲させる構成であっても、従来からある手動湾曲式の内視鏡と同等の操作感を得ることができ、医師の使い勝手を向上できる。また、ダイヤルユニットを小型化することができ、操作部31の小型化を図ることができる。これによって、導入装置を使用する医師の操作性を向上することができる。
【0053】
ダイヤルユニットは、固定的に設けられたブラケット部材61と、前記回転子とブラケット部材61との間に介在され、ダイヤル部材28の回転角度が前記第1の所定角度よりも大きい第2の所定角度に至るまでは前記回転子とともに回転し、ダイヤル部材28の回転角度が前記第2の所定角度を超えた際にブラケット部材61とを係合して停止し、前記第2の所定角度を超えて回転するダイヤル部材28に対して前記弾性部材を介して前記回転子の回転方向とは逆方向に回転力を付与する第2回転伝達部材と、を備える。
【0054】
この構成によれば、第2回転伝達部材によって、ダイヤル部材28が第1の所定角度を超えて第2の所定角度に至るまで弾性部材を作用させず、ダイヤル部材28が第2の所定角度を超えるまで回転した際に弾性部材に回転力を発生できる。このため、ダイヤル部材28の回転角度中で、中立位置から第2の所定角度に至るまで、弾性部材による回転力を付与しない範囲を実現ができる。これによって、第2の所定角度を超えない範囲では、ダイヤル部材28をそのままの位置で保持したい場合に、このダイヤルユニットを有効に活用できる。
【0055】
弾性部材は、前記回転子に付与する前記回転子の回転方向とは逆方向の回転力を増大するように、予め弾性変形された状態で当該コイル形状の内側に前記回転子を位置させる。この構成によれば、弾性部材による回転力を増強することができ、回転子と第1回転伝達部材との間、および回転子と第2回転伝達部材との間で働く摩擦力等によって所望の復帰力が得られなくなる事態を防止することができる。
ダイヤルユニットは、ブラケット部材61とダイヤル部材28の軸54との間に介在され、回転するダイヤル部材28の軸54に対して抵抗力を付与可能な抵抗付与部を備える。この構成によれば、抵抗付与部によってダイヤル部材28の回転速度を低下させることができ、弾性部材による回転力(復帰力)によってダイヤル部材28が元の位置に勢いよく戻ることを防止することができる。
【0056】
前記弾性部材は、前記第1回転伝達部材と前記回転子との間に介在されるとともに、前記回転子が第1方向に回転する際に前記第1方向とは逆方向に回転力を付与する第1ばね65と、前記回転子と前記第2回転伝達部材との間に介在されるとともに、前記回転子が前記第1方向とは反対の第2方向に回転する際に前記第2方向とは逆方向に回転力を付与する第2ばね66と、を備える。このため、回転子の2個の異なる回転方向に対応して、2個のばねを配置することができ、1個のばねで実現する場合に比して、ばねの耐久性を向上できるとともに、回転子を中立方向に戻すための復帰力を回転子に適切に付与することができる。
【0057】
本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で適宜変形実施することができる。また、上記各実施形態の内視鏡装置を組み合わせて一つの内視鏡装置を構成することもできる。
【0058】
上記各実施形態では導入装置の一例として内視鏡を用いる例について説明した。導入装置の他の例には、光源装置及び先端硬質部の照明レンズ等を含む照明光学系や、画像撮影装置、モニタ及び先端硬質部の対物レンズ等を含む観察光学系が存在しないものが含まれる。
【符号の説明】
【0059】
11…内視鏡装置、21…アクチュエータ部、28…ダイヤル部材、31…操作部、34…導入部、46…第2ダイヤルユニット、55…第1軸部、56…第2軸部、57…第1ハウジング、58…第2ハウジング、61…ブラケット部材、62…第1Oリング、65…第1ばね、66…第2ばね。
【要約】
操作性を向上したダイヤルユニットを提供する。
ダイヤルユニットは、軸54を有するとともに軸54を中心に回転可能なダイヤル部材28と、ダイヤル部材28の回転量を検出する検出部27と、ダイヤル部材28と係合してダイヤル部材28と一緒に回転可能な回転子と、ダイヤル部材28と前記回転子との間に介在され、ダイヤル部材28の回転角度が第1の所定角度に至るまではダイヤル部材28と前記回転子とを分離し、ダイヤル部材28の回転角度が前記第1の所定角度を超えた際にダイヤル部材28の回転を前記回転子に伝達する第1回転伝達部材と、コイル形状をなして当該コイル形状の内側に前記回転子を位置させ、前記回転子が回転した際に前記回転子に対して前記回転子の回転方向とは逆方向に回転力を付与可能な弾性部材と、を備える。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13