【0008】
本発明を実施するための形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の基本実施形態に係るシステム構成を示すブロック構成図である。
遠隔操作機器10は、ネットワークに接続された機器を遠隔操作するための装置である。
図1において、遠隔操作機器10が操作対象とする機器を、例えば、操作対象機器A30および操作対象機器B40として示している。また、機器C50は、ネットワークに接続された機器ではあるが、現時点での操作対象機器ではないものとしている。
ネットワーク制御ユニット20は、それらの操作対象機器A30、操作対象機器B40および機器C50を収容してネットワークを構成している。
遠隔操作機器10は、ネットワークに接続された任意の複数の機器のそれぞれを撮像して操作対象とする機器を特定し、特定した操作対象機器の種類の組合せで決まる複数の操作対象機器間の連携動作の操作シナリオ情報を送信する。
ネットワーク制御ユニット20は、遠隔操作機器10から前記の操作シナリオ情報を受信すると、当該受信した操作シナリオ情報が規定する機器に対して、当該受信した操作シナリオ情報が規定する動作を実行させる操作指示を出力する。
図1は、上記の様子を模式的に示しており、遠隔操作機器10が機器をそれぞれ撮像する様子、操作シナリオ情報を送信する様子を示している。また、
図1は、ネットワーク制御ユニット20が、受信した操作シナリオ情報が規定する機器(操作対象機器A30および操作対象機器B40)に対して、その操作シナリオ情報が規定する動作の実行を指示する様子を示している。
図2は、本発明の基本実施形態に係る動作を示すシーケンス図である。
遠隔操作機器10は、ネットワークに接続された任意の複数の機器をそれぞれ撮像し、操作対象機器を特定する(S201)。遠隔操作機器10は、操作対象機器の種類の組合せで決まる操作シナリオ情報を送信する(S202)。操作シナリオ情報はネットワーク制御ユニット20に送られる。ネットワーク制御ユニット20は、操作シナリオ情報が規定する機器に対して、操作シナリオ情報が規定する動作の実行を指示する操作指示を出力する(S203)。操作指示は各操作対象機器に送られる。操作指示を受信した各操作対象機器は、操作指示で指示された動作を実行する(S204)。
図3は、本発明の基本実施形態に係る遠隔操作機器の構成を示すブロック構成図である。
遠隔操作機器10は、ネットワーク制御ユニットが収容する複数の機器を遠隔操作する遠隔操作機器であって、それら機器のそれぞれを撮像して操作対象とする機器を特定する操作対象機器特定手段11を備える。また、遠隔操作機器10は、特定した操作対象機器の種類の組合せで決まる複数の操作対象機器間の連携動作の各機器の動作を規定する操作シナリオ情報を出力する操作シナリオ出力手段12を備える。そして、前記のネットワーク制御ユニットが前記の操作シナリオ情報を受信して当該操作シナリオ情報が規定する動作を操作対象機器に実行させる。
以上に説明したように、本発明の基本実施形態において、ユーザは、連携動作の操作対象としたい機器に遠隔操作機器10を向けてそれらの機器を撮像する。この操作形態は、リモコン操作の慣れ親しんだ直感的な行動スタイルである。この操作により特定された操作対象機器の種類の組合せで、複数の操作対象機器間の連携動作の操作シナリオ情報が決まる。操作シナリオ情報には制御すべき機器とその動作が規定されているので、この操作シナリオ情報に基づいてそれぞれの操作対象機器が連携した制御動作を実行することができる。
次に、
図4と
図5を参照して、本発明の実施形態1に係る遠隔操作機器とネットワーク制御ユニットの構成と動作を説明する。
図4は本発明の実施形態1に係る遠隔操作機器の構成を示すブロック構成図である。基本実施形態で説明したように、ユーザは、連携動作の操作対象としたい機器に遠隔操作機器10を向けてそれらの機器を撮像する。例えば、テレビとDVDプレーヤーをそれぞれ撮像したものとする。
この操作により得られた機器の画像は、操作対象機器特定手段11に転送される。操作対象機器特定手段11は、画像照合手段111により、入力した機器の画像を予め記憶している照合用画像112と照合して操作対象機器を特定する。特定された操作対象機器の情報は操作シナリオ出力手段12に転送される。
操作シナリオ出力手段12は、操作シナリオ検索手段121により、特定された制御機器の種類の組合せに基づいて、操作シナリオ登録情報記憶手段122に予め記憶している操作シナリオ登録情報のどの操作シナリオに該当するかを検索する。
操作シナリオについては後述するが、例えば、テレビとDVDプレーヤーをそれぞれ撮像した場合の操作シナリオとして次の制御動作を行うことが規定されているものとする。
・DVDプレーヤーの映像と音声をテレビのライン入力に接続する。
・テレビ、DVDプレーヤーのそれぞれの電源をオンにする。
・テレビの入力ソースをライン入力に切替える。
つまり、これは、DVDプレーヤーをテレビに接続し、テレビとDVDプレーヤーの電源を入れ、DVDプレーヤーで再生する映像をテレビで視聴する準備を行わせる操作シナリオの例である。
このとき、操作シナリオ登録情報記憶手段122から検索した情報には、テレビとDVDプレーヤーの組合せに対応する操作シナリオである上記内容か、又は当該内容の操作シナリオであることを特定することができる操作シナリオ識別情報が含まれている。
操作シナリオ出力手段12は、この検索によって得られた操作シナリオ情報を、通信手段123により出力する。
遠隔操作機器10から出力される操作シナリオ情報は、上述のように、各機器の具体的な動作を規定する操作シナリオそのものか、又はそのような内容の操作シナリオであることを特定できる操作シナリオ識別情報のいずれかを含む。この場合、どちらの操作シナリオ情報が出力されているのかを示す表示フラグを付しても良い。
図5は本発明の実施形態1に係るネットワーク制御ユニットの構成を示すブロック構成図である。
遠隔操作機器10が出力した操作シナリオ情報は、ネットワーク制御ユニット20の通信手段21で受信され、操作シナリオ分析手段22に転送される。
遠隔操作機器10が出力した操作シナリオ情報が操作シナリオ識別情報であった場合、操作シナリオ分析手段22は、操作シナリオ識別情報で操作シナリオ登録情報記憶手段25を検索して、操作シナリオが規定する各機器に対する具体的な動作内容に関する情報を取得する。
一方、遠隔操作機器10が出力した操作シナリオ情報が具体的な各機器の動作を規定する操作シナリオそのものであった場合には、その検索動作は必要ない。
操作シナリオ分析手段22がどちらの動作を行うかは、操作シナリオ情報が表示フラグとともに出力される場合は、その表示フラグで識別できる。また、表示フラグが付されていない場合であっても、操作シナリオ分析手段22は受信した操作シナリオ情報のデータ量を見ることによりいずれの操作シナリオ情報であるかを識別することができる。
操作シナリオ分析手段22は、操作シナリオが規定する操作対象機器と具体的な動作の内容を取得すると、それらを分析し、各操作対象機器の特定と、各操作対象機器に対する操作指示データの生成準備を行う。具体的には、各操作対象機器を特定した操作対象機器情報と、各操作対象機器に対して生成する操作指示の種類を含む操作指示データを出力する。また、操作対象機器間の接続に関する情報が含まれてもよい。
操作シナリオ分析手段22は、これらの分析結果データを操作指示データ生成手段23に転送して操作指示データの生成を指示する。
操作指示データ生成手段23は、操作シナリオ分析手段22から各操作対象機器に対する操作指示データの生成を指示されると、転送された分析結果データに基づいて、各操作対象機器対応に操作指示データを生成する。そして、操作指示データ生成手段23は生成した操作指示データを機器接続手段24に転送する。
機器接続手段24は、各機器を接続するポートを備えており、操作対象機器がどのポートに接続されているかを特定することができる。
当該ネットワーク制御ユニット内で機器間の接続設定を行うことができる制御動作は機器接続手段24にその接続制御が指示される。例えば、「DVDプレーヤーの映像と音声をテレビのライン入力に接続する」制御を機器接続手段24で実行することができる場合には、機器接続手段24にその接続制御が指示される。
また、各操作対象機器で実行させる動作は、機器接続手段24からその操作対象機器に対して操作指示データが送信される。例えば、テレビに対しては、「電源のオン」および「入力ソースをライン入力に切替え」の操作指示データを送り、DVDプレーヤーに対しては、「電源のオン」の操作指示データを送る。
本実施形態は、このように構成し、動作することにより、ユーザが連携動作の操作対象としたい機器に遠隔操作機器10を向けてリモコン操作するだけで、それぞれの操作対象機器が連携した動作を実行することができる。つまり、ユーザは、テレビとDVDプレーヤーを撮像するだけで、画像照合手段111が入力した機器の画像を予め記憶している照合用画像112と照合して操作対象機器をテレビとDVDプレーヤーであると特定する。操作シナリオ検索手段121は、操作対象機器がテレビとDVDプレーヤーであることを知ると、予め記憶している操作シナリオ登録情報記憶手段122のどの操作シナリオに該当するかを検索する。そして、検索された操作シナリオはネットワーク制御ユニット20に送られ、そこで操作シナリオ分析手段22により、操作シナリオの具体的な内容が分析される。分析の結果、各機器の動作を規定する操作指示データが操作指示データ生成手段23で生成され、操作指示データが各機器に送られる。その結果、DVDプレーヤーがテレビに接続され、テレビとDVDプレーヤーの電源が入り、DVDプレーヤーで再生する映像をテレビで視聴する準備ができる。
さらに詳細な実施形態を実施形態2にもとづいて説明する。
図6は、本発明の実施形態2に係るシステム構成を示すブロック図である。
実施形態2は、無線LAN(Local Area Network)や電灯線ネットワーク等で構築する内部ネットワークに適用する例である。
ネットワーク制御ユニット20は、そのような内部ネットワークを構築する制御装置が組み込まれ、遠隔操作機器10とは、無線により通信を行う。この場合の無線通信は、無線LAN、Bluetooth(登録商標)または小電力無線の適用が考えられる。したがって、遠隔操作機器10とネットワーク制御ユニット20との間は、少なくとも10メートルから100メートルの距離があっても通信が可能である。そのため、本実施形態は、家庭内での使用に限ることなく、会議室、小ホールまたはイベント会場等で使用することができる。
その他のシステム構成は、
図1を参照して説明した基本実施形態と同様である。ネットワーク制御ユニット20は、複数の機器を収容することが可能である。
図6においては、3つの収容機器が例示されている。ネットワーク制御ユニット20は、ユーザが遠隔操作の対象とする操作対象機器A30および操作対象機器B40と、現時点では遠隔操作の対象としていない機器C50を収容しているものとする。
図7は、本発明の実施形態2に係る遠隔操作機器10の構成を示すブロック構成図である。
遠隔操作機器10は、
図9にその外観を示すように、操作対象とする機器を撮像するためのカメラ部102、遠隔操作の入力操作を行う操作部104、操作部104の操作方法等を示す表示部103が筐体の外部に配備されている。
筐体の内部には、主制御部101、カメラ制御部105、インタフェース制御部106、メモリ部107および無線通信部108を主要構成要素として含む。
主制御部101は、メモリ部107に記憶されている主プログラムにより遠隔操作機器10の全体的な動作に関する制御を司る。主プログラム以外にも各種のアプリケーションプログラムがメモリ部107に格納され、主制御部101やカメラ制御部105、インタフェース制御部106等の他の制御部と協働して遠隔操作機器10の制御動作を実行する。なお、実施形態1で説明した画像照合手段や操作シナリオ検索手段は、主制御部101が実行する制御動作により実現される。
メモリ部107は、それらのプログラム以外にも、実施形態1で説明した照合用画像情報や操作シナリオ登録情報を記憶する領域を備えている。また、後述する操作対象機器毎の操作インタフェースプログラムもメモリ部107に格納されている。
カメラ制御部105は、カメラ部102を用いた撮像操作に関わる制御を実行する。また、インタフェース制御部106は、表示部103への表示制御や操作部104での操作入力された情報の識別等の制御を行う。
無線通信部108は、当該遠隔操作機器10とネットワーク制御ユニット20との間の無線通信を行う。
図8は、本発明の実施形態2に係るネットワーク制御ユニット20の構成の一例を示すブロック構成図である。
図8において、制御部201は、メモリ部204に記憶されているプログラムによりネットワーク制御ユニット20の全体的な動作に関する制御を司る。なお、実施形態1で説明した操作シナリオ分析手段や操作指示データ生成手段は、制御部201が実行する制御動作により実現される。
メモリ部204は、プログラム以外にも、実施形態1で説明した操作シナリオ登録情報や収容している機器に関する各種のデータを記憶する領域を備えている。
接続部205は、収容機器を接続する機器接続ポート206を備え、当該ネットワーク制御ユニット内で機器間の接続設定を行うことができる制御は接続部205で実行される。
ルーティング部202は、制御部201から出力される操作対象機器に送信する操作指示データを接続部205の目的とするポートに対してルーティングを行う。
無線通信部203は、当該ネットワーク制御ユニット20と遠隔操作機器10との間の無線通信を行う。
次に、本実施形態の動作について説明する。
図10は、本発明の実施形態2に係る遠隔操作機器10の表示部103に表示された初期メニュー画面例を示す図である。
この初期メニュー画面に示されるように、遠隔操作機器10は3つの動作モードを有している。
登録モードは、遠隔操作の対象とする機器を事前に登録しておくための動作モードである。単独操作モードは、機器を個別に遠隔操作するための動作モードである。そして、連携操作モードは、複数の機器を連携して遠隔操作するための動作モードである。ユーザがいずれかのモードを選択し、実行ボタンで確定操作することにより、それぞれのモードの動作が実行される。
図11は、遠隔操作機器10の初期メニュー動作を示すフロー図である。
遠隔操作機器10の表示部103には、電源を投入した初期状態で
図10に示す初期メニュー画面が表示され、ユーザの操作入力待ち状態となる(S1101、S1102無)。
ユーザがいずれかのモードを選択し、実行ボタンで確定操作すると(S1102、有)、どのメニューが選択されたかが識別される(S1103)。
登録モードが選択された場合には、登録モードの動作が実行される(S1104)。単独操作モードが選択された場合には、単独操作モードの動作が実行される(S1105)。そして、連携操作モードが選択された場合には、連携操作モードの動作が実行される(S1106)。
以下に、それぞれのモードでの動作を順次説明する。
図12は、遠隔操作機器10の操作対象機器登録動作を示すフロー図である。
まず、ネットワーク制御ユニット20が管理している収容機器情報について説明する。
各機器をネットワーク制御ユニット20の機器接続ポート206に接続すると、図示しない機器の制御部との通信により、ネットワーク制御ユニット20の制御部201でその機器が認識される。そして、接続した機器の種別情報および接続位置情報が特定される。また、各機器には内部ネットワークで使用するアドレスが、例えばDHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)機能により付与される。そして、ネットワーク制御ユニット20のメモリ部204には、当該ネットワーク制御ユニット20に接続されている各機器のこれらの情報が接続機器情報として記憶される。
この状態で、遠隔操作機器10が登録モードの動作を行うと、遠隔操作機器10は、ネットワーク制御ユニット20と通信を行い、ネットワーク制御ユニット20から接続機器情報を取得する(S1201)。
ネットワーク制御ユニット20から取得した接続機器情報は、
図13に示すように、遠隔操作機器10の表示部103に表示される(S1202)。
図13は、ネットワーク制御ユニット20に接続している機器種別、ポート番号、アドレスが表示されている様子を示す。
ユーザは、操作対象機器として登録したい機器を選択して確定操作を行う(S1203)。このユーザ操作は、遠隔操作機器10の操作部104からインタフェース制御部106を介して主制御部101に伝達されるので、主制御部101は、カメラ制御部105にカメラ部102の起動を指示する。
ユーザは、起動されたカメラ部102を用いて、操作対象機器の外観を撮像し、登録操作を行う(S1204)。この機器の外観撮像において、ユーザは異なる角度から複数の外観を撮像してもかまわない。このようにすることにより、後述する単独操作モードや連携操作モードの際に、操作対象とする機器を特定する動作である照合動作がより正確に行われることになる。
登録操作が完了した機器については、表示部103に登録完了の表示が付され、遠隔操作機器10のメモリ部107に照合用画像として機器種別、ポート番号、アドレス等の関連機器情報と対応付けられて記憶される。
ユーザが登録操作を連続して実行する場合(S1205、有)は、上記S1203から再度、操作を繰り返す。
ユーザが登録操作を終了した場合(S1205、無)は、登録モード動作を終了する。
次に、上述した登録モード動作が完了している状態で、ユーザが初期メニュー画面において単独操作モードを選択した場合の動作を説明する。
図14は、単独操作モードに係る動作を示すシーケンス図である。
まず、ユーザは遠隔操作機器10の表示部103の初期メニュー画面において単独操作モードを選択して確定操作を行う(S1401)。このユーザ操作は、遠隔操作機器10の操作部104からインタフェース制御部106を介して主制御部101に伝達されるので、主制御部101は、カメラ制御部105にカメラ部102の起動を指示する。
ユーザは、起動されたカメラ部102を操作対象機器に向けて撮像操作を行う(S1402)。つまり、表示部103がモニタ画面に切り替わっていれば、ユーザはそのモニタ画面に操作対象機器が映っていることを確認してシャッターを切ればよい。
ユーザが撮像した画像は、カメラ制御部105から主制御部101に送られ(S1403)、登録モードで登録した照合用画像との照合が行われる(S1404)。この照合動作により、合致した照合用画像と対応付けて記憶されている機器情報が読み出され、操作対象機器が特定される(S1405)。
操作対象機器が特定されると、主制御部101は、メモリ部107からその機器に対応するインタフェースプログラムを読み出し、インタフェース制御部106に転送する。インタフェース制御部106は、転送されたインタフェースプログラムに従った操作キー配列に操作部104のキーを意味づけ、表示部103にその説明を表示する(S1407)。
図15は、遠隔操作機器10の表示部103に表示された単独操作モード時の操作キー説明の表示例を示す図である。
図15(a)は、操作対象機器をテレビと特定した場合に表示される。四方向キーは音量調節とチャンネル切り替えに、数字キーはチャンネルの直接入力に、確定キーは電源の入/切に使用される例を示している。
図15(b)は、操作対象機器をオーディオ機器と特定した場合に表示される。四方向キーは音量調節と演奏局の変更に、数字キーは演奏局の直接指定に、確定キーは電源の入/切に使用される例を示している。そして、
図15(c)は、操作対象機器を照明機器と特定した場合に表示される。四方向キーは明るさ調節に、確定キーは電源の入/切に使用される例を示している。もちろん、これらは例示であって、これらの設定に限られることは無い。
ユーザは、遠隔操作機器10の操作部104のキーを操作して、所望の遠隔操作を行う(S1408)。
このユーザ操作は、遠隔操作機器10の操作部104からインタフェース制御部106を介して主制御部101に伝達される。主制御部101は、ユーザが操作した制御内容を識別して、その操作指示データを生成し、無線通信部108を介してネットワーク制御ユニット20に送信する(S1409)。このとき、ネットワーク制御ユニット20に送信される操作指示データには、操作対象機器を特定するアドレス情報を含む。また、後述する連携操作モードと区別するために単独操作モードであることを示す操作モードフラグを付加する。
この操作指示データはネットワーク制御ユニット20の無線通信部206で受信され、制御部201に転送される。
ネットワーク制御ユニット20の制御部201は、操作指示データに付加された操作モードフラグから単独操作モードであることを識別し、操作指示データに含まれるアドレス情報から操作対象機器を特定する(S1410)。
そして、制御部201は、操作指示データをルーティング部202、接続部205を介して操作対象となる機器に送信する(S1411)。
操作対象機器では受信した操作指示データで指定される動作を実行する(S1412)。
上記の、S1408からS1412の動作は、ユーザが遠隔操作機器10の操作部104のキーを操作する度に繰り返される。
以上に説明したように、本実施形態の単独操作モードは、ユーザが遠隔操作機器10のカメラ部102を向けて撮像した機器が遠隔操作の対象機器として特定され、その機器種別に応じた操作を行うことができる。また、カメラ部102がズーム機能を有していれば、離れた場所からでも対象機器を撮像することができるので、大会議室、小ホールまたはイベント会場等でも使用することができる。
また、操作対象とする機器が密集しているような場所で使うことを考慮して、次のように構成してもよい。
一例として、遠隔操作機器10は、ユーザがカメラ部102を操作対象機器に向けたときに、表示部103に表示されている画像のうち、カメラ部102が撮像対象として認識している画像に例えば四角枠を表示するようにしてもよい。また、他の一例として、
図14のS1405で、取得した画像による操作対象機器を特定したときに、遠隔操作機器10は、ネットワーク制御ユニット20に特定した機器を示す制御信号を送信するようにしてもよい。この場合、ネットワーク制御ユニット20は、遠隔操作機器10から受信したその制御信号に基づいて、対象機器に設置されている表示手段を点灯させるように指示する操作指示データを送信する。表示手段としては、LED(Light Emitting Diode)が例示される。
次に、登録モード動作が完了している状態で、ユーザが初期メニュー画面において連携操作モードを選択した場合の動作を説明する。
連携操作モードは、実施形態1で説明したように、操作対象とする複数の機器間で連携をとった動作を行わせることができる操作モードである。連携操作モードの動作は、操作シナリオを登録する動作と、操作シナリオが登録されている状況下で複数の機器を連携させて遠隔操作を行なう連携操作モード実行動作とがある。
図16は、本発明の実施形態2の連携操作モードの操作シナリオ登録に係る動作を示すシーケンス図である。
ユーザが遠隔操作機器10の初期メニュー画面で連携操作モードを選択して確定操作を行うと、表示部103が
図17(a)に示す連携操作モードのメニュー画面に切り替わる。この連携操作モードのメニュー画面では、操作シナリオ登録動作と連携操作モード実行動作を選択することができる。
ユーザが連携操作モードのメニュー画面で操作シナリオ登録動作を選択すると(S1601、登録)、
図17(b)に示す操作対象機器を選択する画面が表示部103に表示される。ここで、表示部103には、
図12で説明した登録操作により操作対象機器として登録されている機器の一覧が表示される。
例えば、ユーザが、「DVDプレーヤーで再生する映像、音声をテレビから出力する」という連携操作シナリオを登録するものとする。
ユーザは、登録機器一覧画面から「DVDプレーヤー」を選択して設定する(S1602)。
次に、表示部103には、
図17(c)に示すように、当該選択した機器種別に対応して設定が可能な動作内容を選択することができる動作登録画面が表示される。そこでユーザは、「映像出力」という動作を選択して設定する(S1603)。さらに設定する動作がある場合には(S1604、未)、動作登録画面に戻り、次に所望する動作を設定登録する。この場合、「音声出力」を選択して設定し、そして次に「電源入り」を選択して設定する。
「DVDプレーヤー」の設定動作が終了すると(S1604、終了)、ユーザは連携操作する機器である「テレビ」を選択するために操作対象機器の選択画面に戻る(S1605、有)。操作対象機器の選択画面で「テレビ」を選択したユーザは、動作登録画面に移り、そこで前述のように所望の動作を選択して設定する。この場合、「映像入力」、「音声入力」、「電源入り」、「入力ソースのライン入力切替」をそれぞれ選択して設定する。
ユーザが操作シナリオの登録操作を終了すると(S1605、無)、登録した操作シナリオを遠隔操作機器10のメモリ部107に記憶するとともに、同じ操作シナリオをネットワーク制御ユニット20に送信する(S1606)。
以上の動作により、操作シナリオが作成され、遠隔操作機器10とネットワーク制御ユニット20とで操作シナリオを保持する。
図20は、本発明の実施形態2の連携操作モードの操作シナリオの一例を示す図である。各操作シナリオには、シナリオ識別番号が付されて遠隔操作機器10のメモリ部107とネットワーク制御ユニット20のメモリ部204にそれぞれ記憶される。
なお、
図20に示された操作シナリオは、それぞれ次のような連携動作を行うことを規定している。シナリオ識別番号No.1は「テレビの音声をオーディオ機器から出力する」。シナリオ識別番号No.2は「DVDプレーヤーで再生する映像、音声をテレビから出力する」。シナリオ識別番号No.3は「DVDプレーヤーで再生する映像をテレビから出力し、音声をオーディオ機器から出力する」。シナリオ識別番号No.4は「DVDプレーヤーで再生する映像をテレビから出力し、音声をオーディオ機器から出力し、照明の明るさをシアターモードに設定する」。
なお、以上に説明した操作シナリオの登録方法は一例であって、これに限定されるものではない。操作対象機器を選択する順番に応じて操作内容が異なるシナリオが登録できるように構成してもよい。例えば、「テレビ」を選択して「録画」という操作を規定し、続いて、「DVD」でテレビを録画するための動作を規定する操作シナリオを登録してもよい。この場合のユーザの遠隔操作としては、「DVDプレーヤーで再生する映像、音声をテレビから出力する」操作シナリオを実行させる場合には、「DVD」を選択し、続いて「テレビ」を選択する。そして、「テレビの番組をDVDレコーダーに録画する」操作シナリオを実行させる場合には、「テレビ」を選択し、続いて「DVD」を選択する。
次に、操作シナリオが上述したように登録されている状態で、ユーザが連携操作モードのメニュー画面で連携操作モード実行動作を選択した場合の動作を説明する。この場合は、
図16の選択分岐において(S1601、実行)、連携操作モード動作実行(S1607)に動作が移る。
図18は、連携操作モードの遠隔操作に係る動作を示すシーケンス図である。
連携操作モード実行が選択されると(S1801)、このユーザ操作は、遠隔操作機器10の操作部104からインタフェース制御部106を介して主制御部101に伝達されるので、主制御部101は、カメラ制御部105にカメラ部102の起動を指示する。
ユーザは、起動されたカメラ部102を操作対象機器に向けて撮像する操作を複数の操作対象機器に対して行う(S1802)。つまり、「DVDプレーヤーで再生する映像、音声をテレビから出力する」という連携操作を行う場合、ユーザは、「DVDプレーヤー」を撮像し、引き続き「テレビ」を撮像して確定操作を行えばよい。
ユーザが撮像した画像は、カメラ制御部105から主制御部101に順次送られ(S1803)、登録モードで登録した照合用画像との照合が行われる(S1804)。この照合動作により、合致した照合用画像と対応付けて記憶されている機器情報が読み出され、操作対象機器が特定される(S1805)。この場合、「DVDプレーヤー」と「テレビ」が特定される。
また、このとき、連携操作モード実行が選択されているので、主制御部101は、特定された操作対象機器の組合せで決まる操作シナリオを、メモリ部107に記憶している登録済みの操作シナリオから検索する(S1806)。例えば、
図20に示した操作シナリオリストから、シナリオ識別番号No.2が検索される。
続いて、主制御部101は、操作シナリオに基づく動作を実行させるために、操作シナリオ情報をネットワーク制御ユニット20に送信する。実施形態1でも説明したように、遠隔操作機器10からネットワーク制御ユニット20に送信する操作シナリオ情報は、操作シナリオの内容そのものでもよいし、操作シナリオの内容を特定することができる識別情報でもよい。この場合は、送信する情報量を減らすためにシナリオ識別番号を送信するものとする。
主制御部101は、連携操作モードであることを示す操作モードフラグとシナリオ識別番号(No.2)を含む操作指示データを生成して無線通信部108を介してネットワーク制御ユニット20に送信する(S1807)。
ネットワーク制御ユニット20の無線通信部203で受信した制御データは、制御部201に転送される。制御部201は、操作指示データに含まれる連携操作モードであることを示す操作モードフラグとシナリオ識別番号(No.2)から、メモリ部204に記憶している操作シナリオを検索して該当する操作シナリオを読み出す(S1808)。
つまり、操作対象機器として「DVDプレーヤー」と「テレビ」がそれぞれのアドレスおよびポート番号とともに特定される。そして、実行すべき動作として「DVDプレーヤーの映像、音声をテレビに出力」、「DVDプレーヤーの電源入り」、「テレビの電源入り」および「テレビの入力ソース切替」が特定される。
制御部201は、特定した動作のうち、機器間接続設定のようなネットワーク制御ユニット20で実行できる動作を実行する(S1809)。例えば、「DVDプレーヤーの映像、音声をテレビに出力」の動作を、接続部205を制御して実行できる場合には、接続部205にその接続の実行を指示する。
続いて、制御部201は、各操作対象機器に送信する操作指示データを生成し、ルーティング部202および接続部205を介して、各機器が接続されているポートから送信する(S1810)。操作指示データには実行する動作を指示する命令と、ルーティングのためのアドレス情報、ポート情報を含む。そして、この操作指示データにより、目的とする機器に対して、実行する動作に関する情報が伝達される。
この場合、「DVDプレーヤー」には「電源入り」の命令を含む操作指示データが送信され、「テレビ」には、「電源入り」の命令を含む操作指示データと「入力ソース切替」の命令を含む操作指示データが送信される。
各機器では、受信した操作指示データに含まれる命令に従った動作を実行する(S1811)。
一方、操作シナリオ情報を送信した遠隔操作機器10は、ユーザが連携操作の次に行う操作入力ができるように操作部104を設定する。
主制御部101は、S1805で特定した操作対象機器に対応するインタフェースプログラムをメモリ部107から読み出し(S1812)、インタフェース制御部106に転送する。この場合は、「DVDプレーヤー」と「テレビ」のインタフェースプログラムが読み出される。
インタフェース制御部106は、転送されたインタフェースプログラムに従った操作キー配列に操作部104のキーを意味づけ、表示部103にその説明を表示する(S1813)。連携操作モードでは複数の機器に関するインタフェースプログラムが読み出され、表示部103にはいずれか一つのインタフェースしか表示しないが、ユーザ操作で切り替えられるようになっている。
図19は、遠隔操作機器10の表示部103に表示された連携操作モード時の表示例を示す図である。
図19では、「DVDプレーヤー」、「オーディオ機器」、「テレビ」および「照明機器」の4つのインタフェースプログラムが読み出されて、適宜切り替えられる様子を示している。
ユーザは、遠隔操作機器10の操作部104のキーを操作して、所望の遠隔操作を行う(S1814)。例えば、上述した連携操作によりDVDプレーヤーとテレビが接続され、両方の機器の電源が入った状態になっており、操作部104は「DVDプレーヤー」の操作インタフェースが設定されている。
このような状態で、ユーザは「再生」に該当する操作を行う。
このユーザ操作は、遠隔操作機器10の操作部104からインタフェース制御部106を介して主制御部101に伝達される。主制御部101は、ユーザが操作した制御内容を識別して、その操作指示データを生成し、無線通信部108を介してネットワーク制御ユニット20に送信する(S1815)。このとき、ネットワーク制御ユニット20に送信される操作指示データには、操作対象機器を特定するアドレス情報を含む。また、連携操作モードであることを示す操作モードフラグを付加する。
この操作指示データはネットワーク制御ユニット20の無線通信部203で受信され、制御部201に転送される。
ネットワーク制御ユニット20の制御部201は、操作指示データに付加された操作モードフラグから連携操作モードであることを識別し、操作指示データに含まれるアドレス情報から操作対象機器を特定する(S1816)。
そして、制御部201は、操作指示データをルーティング部202、接続部205を介して操作対象となる機器に送信する(S1817)。
操作対象機器では受信した操作指示データで指定される動作を実行する(S1818)。
上記の、S1814からS1818の動作は、ユーザが遠隔操作機器10の操作部104のキーを操作する度に繰り返される。
以上に説明したように、本実施形態の連携操作モードは、複数の機器間の連携操作のシナリオを設定することができる。そして、ユーザが遠隔操作機器10のカメラ部102を向けて撮像した複数の機器が遠隔操作の対象機器として特定され、その機器の組合せ応じた連携操作を行うことができる。また、カメラ部102がズーム機能を有していれば、離れた場所からでも対象機器を撮像することができるので、このような機器間の連携操作を大会議室、小ホールまたはイベント会場等でも使用することができる。
また、本実施形態においても、ユーザがカメラ部102を操作対象機器に向けたときに、表示部103に表示されている画像のうち、カメラ部102が撮像対象として認識している画像に例えば四角枠を表示するようにしてもよい。また、
図18のS1805で、取得した画像による操作対象機器を特定したときに、当該特定した機器のLEDを含む表示手段を点灯させるようにしてもよい。
次に、本発明の実施形態3を説明する。
図21は、本発明の実施形態3に係るシステム構成を示すブロック図である。
実施形態3は、実施形態2と同様に操作対象機器はローカルエリアネットワーク等の内部ネットワークに接続されているが、遠隔操作機器60が携帯電話機等の移動通信端末に組み込まれる形態となっている。
そのため、実施形態3のネットワーク制御ユニット70は、遠隔操作機器60と直接通信を行う必要はなく、少なくとも移動通信網を介して通信が行われる。
図22は、本発明の実施形態3に係るネットワーク制御ユニットの構成の一例を示すブロック図である。ネットワーク制御ユニット70は、
図8に示した実施形態2のネットワーク制御ユニット20から無線通信部203を削除した構成となっている。そして、遠隔操作機器60との間の通信は移動通信網およびインターネットを介して、ローカルエリアネットワークを構築するルーター80を介して行う。従って、ネットワーク制御ユニット70は、
図22に示すように、ルーター80と通信を行うことができる通信部703を備える。
その他の構成および動作は実施形態2で説明したものと同じで、登録モード、単独操作モード及び連携操作モードを備えている。
また、本実施形態においても、ユーザがカメラ部102を操作対象機器に向けたときに、表示部103に表示されている画像のうち、カメラ部102が撮像対象として認識している画像に例えば四角枠を表示するようにしてもよい。また、撮像した画像で特定した機器のLEDを含む表示手段を点灯させるようにしてもよい。
この実施形態3は、携帯電話の通信を操作情報の伝達に使うことができ、しかもカメラ部のズーム機能を用いれば遠方に設置された機器の特定も可能になるので、仮設の屋外イベント会場やテーマパーク等の広範に開けた場所での使用に好適である。
以上、実施形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施形態に限定されものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
この出願は、2009年11月10日に出願された日本出願特願2009−256909を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。