(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0008】
(第1の実施の形態)
次に本発明の実施の形態の放射線遮蔽コンクリート製容器について汚染土砂の管理方法と共に説明する。
図1〜
図3に示すように、放射線遮蔽コンクリート製容器10は、容器本体12と、蓋板14と、計測装置16と、通信装置18とを含んで構成されている。
【0009】
容器本体12は、汚染土砂2を収納し汚染土砂2から放出される放射線の遮蔽を可能としたコンクリート製である。
本実施の形態では、容器本体12は、矩形状の底壁1202と、底壁1202の四辺から起立する4つの側壁1204とを有し、底壁1202および4つの側壁1204は一体的に構成されている。
これら底壁1202および4つの側壁1204により汚染土砂2を収納する収納空間Sが形成される。
4つの側壁1204の上端面のうち4つの角部には、クレーン作業用の吊り金具を連結するための雌ねじ部材20が上方に露出して設けられている。
このような容器本体12は、容器本体12の形を構成する型枠にコンクリートを打設、硬化させて製作することができる。
【0010】
蓋板14は、容器本体12の上部、すなわち収納空間Sを閉塞し汚染土砂2から放出される放射線の遮蔽を可能としたコンクリート製である。
本実施の形態では、蓋板14は、容器本体12の4つの側壁1204の上端面の外側の輪郭と同形同大をなす矩形板状を呈している。
蓋板14の4つの角部には、クレーン作業用の吊り金具を連結するための雌ねじ部材22が上方に露出して設けられている。
【0011】
容器本体12および蓋板14により直方体状の容器(ポッド)24が構成される。
容器24の一辺は、例えば、50cm〜10m程度であり、容器24の厚さ(蓋板14、容器本体12の底壁1202、側壁1204の厚さ)は、例えば、5cm〜100cm程度である。
なお、容器24の形状は、直方体状に限定されるものではなく任意である。
【0012】
容器本体12および蓋板14を構成するコンクリートは、汚染土砂2から放出される放射線の遮蔽を可能とするものである。
このようなコンクリートとして以下に例示するものを用いることができる。なお、本明細書においてコンクリートとは、セメントと、砂や砂利などの骨材と、水とを練り混ぜて凝固させたものをいい、セメントと骨材としての砂と水とを練り混ぜて凝固させたいわゆるモルタルを含めてコンクリートというものとする。
1)密度が2.0〜6.0g/cm
3の範囲のコンクリート
2)骨材として鉄からなる球、すなわち鉄球及び鉄粉を使用し、密度が3.0〜5.0g/cm
3の範囲のコンクリート
3)地震等により鉄筋コンクリート構造物及びコンクリート構造物を撤去した際に発生したコンクリート片から得られた再生骨材を用いて製作したコンクリート
なお、2)のコンクリートは、骨材として鉄を用いることから密度を大きくすることができ放射線を効果的に遮蔽する上で有利となる。
鉄球および鉄粉はセメントと練り混ぜたときにコンクリートの内部にまんべんなく分散するような大きさであればよい。
また、鉄球および鉄粉は入手性に優れている点で有利であるが、骨材として放射線を効果的に遮蔽する性質を有する従来公知の様々な材料を使用することができる。
【0013】
計測装置16は、容器本体12または蓋板14に設けられ、容器本体12に収納された汚染土砂2から放出される放射線の線量を計測するものである。本実施の形態では、
図2、
図3に示すように、計測装置16は、内部センサ26と、外部センサ28と、計測部30と、表示部32とを含んで構成されている。
内部センサ26は、収納空間Sに配置され、収納空間Sに収納された汚染土砂2の放射線の線量を検出するものである。
外部センサ28は、容器本体12または蓋板14の外表面に配置され、容器24の外部おける汚染土砂2の放射線の線量、すなわち、容器本体12または蓋板14を通過した放射線の線量を検出するものである。
計測部30は、内部センサ26および外部センサ28で検出された放射線の線量のデータに基づいて必要な処理を行うことで規定された放射線の線量を生成するものである。
表示部32は、計測部30で生成された容器本体12の内部および外部の放射線の線量を数字やインジケータなどにより表示するものである。放射線の線量は、例えば、1時間あたりのシーベルト値で表示される。
【0014】
通信装置18は、容器本体12または蓋板14に設けられ、計測装置16で計測された放射線の線量のデータを通信回線34を介してコンピュータなどからなる外部装置36に送信するものである。
通信回線34としてイントラネットあるいはインターネットを用いることができる。また、通信回線34は、有線であっても無線であっても両者を組み合わせても良い。
したがって、外部装置36によって遠隔地から放射線の線量をリアルタイムに監視することができる。
また、計測装置16および通信装置18を駆動する電源は、それら計測装置16および通信装置18に組み込まれた電池を用いてもよいし、計測装置16および通信装置18と一体あるいは別体に設けられた太陽光発電パネルを用いてもよい。
【0015】
次に、放射線遮蔽コンクリート製容器10の使用方法について説明する。
予め吊り金具が容器本体12および蓋板14の雌ねじ部材20に連結されているものとする。
容器本体12の内部に汚染土砂2を投入する。
容器本体12をクレーンにより吊り下げて設置場所に設置する。
蓋板14をクレーンにより吊り下げて容器本体12の上部に載置して容器本体12の上部を閉塞する。
計測装置16および通信装置18を起動させ、容器本体12の内部および外部の放射線の線量を表示部32により目視して監視し、あるいは、通信回線34を介して外部装置36により監視する。
汚染土砂2の移動が必要になった場合は、フォークリフトなどにより容器本体12および蓋板14ごと移動させる。
【0016】
以上説明したように本実施の形態によれば、汚染土砂2を容器本体12に収納し容器本体12の上部を蓋板14によって閉塞することで、放射線を効果的に遮蔽することができる。
したがって、多大な労力を要すること無く汚染土砂2の放射線を遮蔽でき運搬を容易に行う上で有利となる。
また、汚染土砂2の放射線の線量を計測装置16および通信装置18を用いることによりリアルタイムに簡単かつ確実に監視することができる。
なお、本実施の形態では、放射線遮蔽コンクリート製容器10の内部の放射線の線量および放射線遮蔽コンクリート製容器10の外部の放射線の線量を監視する場合について説明したが、放射線遮蔽コンクリート製容器10の内部のみの放射線あるいは外部のみの放射線を監視するようにしてもよい。
【0017】
(第2の実施の形態)
次に第2の実施の形態について説明する。
第2の実施の形態は、第1の実施の形態の変形例であり、蓋板14の構成が第1の実施の形態と異なっており、その他の構成は第1の実施の形態と同様である。なお、以下の実施の形態において第1の実施の形態と同一あるいは同様の部分、部材については同一の符号を付して説明を省略し、あるいは、簡単に説明する。
図4に示すように、蓋板14には、容器本体12の内部に面した箇所に貫通した孔38が設けられると共に、孔38を閉塞する栓40が孔38に着脱可能に設けられている。
栓40は蓋板14と同一のコンクリートによって構成されている。
通常、孔38は栓40によって閉塞されることにより汚染土砂2の放射線が蓋板14および栓40によって遮蔽されている。
容器本体12の内部の放射線の線量の計測を行う場合、栓40を孔38から取り外し、孔38から計測装置16のセンサを挿入することで容器本体12の内部の放射線の線量を測定する。
また、孔38から、容器本体12の内部を目視、あるいは、撮像装置により撮像することにより、汚染土砂2の状態を確認する。
第2の実施の形態によれば、容器本体12に計測装置16および通信装置18が設けられていない場合、重い蓋板14をいちいち取り外すことなく、放射線の線量の計測および汚染土砂2の状態を確認することができる。
【0018】
(第3の実施の形態)
次に第3の実施の形態について説明する。
第3の実施の形態は、第1の実施の形態の変形例であり、容器本体12の構成が第1の実施の形態と相違している。
図5に示すように、容器本体12は、矩形状の底壁1202と、底壁1202の四辺から起立する4つの側壁1204とを有し、4つの側壁1204は、底壁1202に対して着脱可能に設けられている。
なお、底壁1202に対する側壁1204の取り付けは、底壁1202の下方から上方へボルトを挿通し、ボルトの雄ねじを、側壁1204に埋め込んだ雌ねじに螺合させて行うなど、従来公知の様々な手法が採用可能である。
第3の実施の形態によれば、容器本体12の非使用時には底壁1202と4つの側壁1204とを重ねて収納しておき、使用時に組み立てれば良いため、収納時あるいは運搬時に省スペース化を図る上で有利となる。
【0019】
(第4の実施の形態)
次に第4の実施の形態について説明する。
第4の実施の形態は、第3の実施の形態の変形例である。
図6に示すように、予め、同形同大の2つの底壁
(底壁分割体)1202と、同形同大の6つの側壁
(側壁分割体)1204と、同形同大の2つの蓋板
(蓋板分割体)14とを用意する。
2つの底壁
(底壁分割体)1202の一辺同士を
突き合わせて並べて接続することにより、長方形状の底壁1202を形成する。
長方形状の底壁1202の4辺に沿って8つの側壁
(側壁分割体)1204を起立させて接続することにより、直方体状の容器本体12が構成される。この場合も、底壁(
底壁分割体)1202に対する側壁
(側壁分割体)1204の取り付けは、底壁(
底壁分割体)1202の下方から上方へボルトを挿通し、ボルトの雄ねじを、側壁
(側壁分割体)1204に埋め込んだ雌ねじに螺合させて行うなど、従来公知の様々な手法が採用可能である。
そして、2つの蓋板
(蓋板分割体)14により直方体状の容器本体12の上部を閉塞する。
第4の実施の形態によれば、複数の底壁
(底壁分割体)1202、複数の側壁
(側壁分割体)1204、複数の蓋板
(蓋板分割体)14を組み合わせることで容積が異なる容器24を構成することができる。
したがって、用いる底壁
(底壁分割体)1202の数を増減することで、必要に応じて大きさの異なる容器24を簡単に構成する上で有利となる。
【0020】
(第5の実施の形態)
次に第5の実施の形態について説明する。
第5の実施の形態は、容器本体12および蓋板14の形状が第1〜第4の実施の形態と異なっている。
図7に示すように、容器本体12は、汚染土砂2の収納し汚染土砂2から放出される放射線の遮蔽を可能としたコンクリート製であり、容器本体12は、円板状の底壁1210と、底壁1210の周囲から立設された円筒状の側壁1212とを備え、底壁1210と側壁1212とは一体的に構成されている。
底壁1210と側壁1212とによって区画される収納空間Sは円柱状となる。
側壁1212の上端面には、クレーン作業用の吊り金具を連結するための複数の雌ねじ部材20が周方向に間隔をおいて上方に露出して設けられている。
このような容器本体12は、容器本体12の形を構成する型枠にコンクリートを打設、硬化させて製作することができる。
蓋板14は、容器本体12の上部を閉塞し汚染土砂2から放出される放射線の遮蔽を可能としたコンクリート製であり、蓋板14は、容器本体12の側壁1204の上端面の外側の輪郭と同形同大をなす円板状を呈している。
蓋板14には、クレーン作業用の吊り金具を連結するための雌ねじ部材20が周方向に間隔をおいて上方に露出して設けられている。
このような第5の実施の形態においても第1の実施の形態と同様の効果が奏される。
【0021】
なお、汚染土砂2から放射される放射線の計測を正確に行う上で、汚染土砂2と計測装置のセンサとの距離と相対的な位置関係を規定通りに設定することが重要となる。
収納空間Sに収納される汚染土砂2が直方体状を呈している場合は、汚染土砂2と計測装置のセンサとの距離と相対的な位置関係との双方を正確に調整するために手間が必要となる。
これに対して、第5の実施の形態では、汚染土砂2が円柱状の収納空間Sに収納されることから、汚染土砂2が円筒状を呈することになる。したがって、放射線の計測時には、容器本体12の半径方向における汚染土砂2に対する計測装置のセンサとの距離を調整すれば汚染土砂2と計測装置のセンサとの距離と相対的な位置関係を規定通りに設定することができ、放射線の計測作業の容易化を図る上で有利となる。
【0022】
(実施例)
次に放射線遮蔽コンクリート製容器10の実施例について説明する。
放射線汚染土砂2を用いて遮蔽性能を評価する目的で2種類の放射線遮蔽コンクリート製容器10を製作した。以下、第1の第1の容器24A、第2の第2の容器24Bという。
第1の第1の容器24Aおよび第2の第2の容器24Bの双方とも、第5の実施の形態の容器24と同様の形状を呈している。
図8(A)は第1の容器24Aの蓋板14の平面図、(B)は第1の容器24Aの断面図、(C)は第1の容器24Aの側面図である。
第1の容器24Aの容器本体12の汚染土砂2を格納する内部空間(収納空間S)は、直径300mm、高さ400mmの円柱状を呈している。
容器本体12の上端面には周方向に間隔をおいて3つの雄ねじ部材42が突設されている。
蓋板14の外周部には、3つの雄ねじ部材42が挿通されるねじ挿通孔44が形成されている。
容器本体12の上部を蓋板14で閉塞した状態で各ねじ挿通孔44を挿通した雄ねじ部材42にナット46を螺合することにより、蓋板14は容器本体12に連結される。
したがって、雄ねじ部材42、ねじ挿通孔44、ナット46により蓋板14を容器本体12の上部に締結する締結手段が構成されている。
また、蓋板14には、クレーン作業用の吊り金具を連結するための雌ねじ部材22が周方向に間隔をおいて上方に露出して設けられている。
第1の容器24Aの容器本体12および蓋板14を構成するコンクリートは、密度が4.7g/cm
3の高密度であり、容器本体12および蓋板14の厚さは100mmである。
【0023】
図9(A)は第2の容器24Bの蓋板14の平面図、(B)は第2の容器24Bの蓋板14の断面図、(C)は第2の容器24Bの容器本体12の平面図、(D)は第2の容器24Bの容器本体12の断面図、(E)は容器24の断面図である。
容器本体12および蓋板14の上端面には、クレーン作業用の吊り金具を連結するための雌ねじ部材20、22が周方向に間隔をおいて上方に露出して設けられている。
第2の容器24Bの容器本体12の汚染土砂2を格納する内部空間(収納空間S)は、直径300mm、高さ400mmの円柱状を呈し、第1の容器24Aと同一である。
容器24Bの容器本体12および蓋板14を構成するコンクリートは、地震による崩壊により発生したコンクリート片から採取した骨材(再生骨材)を使用し、コンクリートの密度を2.1g/cm
3として製作したものであり、容器本体12および蓋板14の厚さは200mmである。
【0024】
次に、汚染土砂2を第1の容器24Aおよび第2の収納容器24Bに収納して遮蔽性能の確認実験を行った。
汚染土砂2の放射線量は以下の通りである。
採取した土砂からサンプリングを行い、放射線測定機器を用いて測定した結果、セシウム134(Cs134)が31.4Bq/g、セシウム137(Cs137)が48Bq/gであった。
なお、遮蔽容器24内部に入れた土砂の重量は22.5kgであり、すなわち、セシウム134(Cs134)が31.4Bq/g×22500g=706500Bq、セシウム(Cs137)が48Bq/g×22500g=1080000Bqのガンマ線量を含む土砂である。
【0025】
まず、
図10(B)に示すように、上記の汚染土砂2を第1の容器24Aおよび第2の収納容器24Bの内部空間と同形同大の直径300mm高さ400mmの円柱状の内部空間を有する薄いプラスチック製容器24に入れ、汚染土砂2のみについて放射線の線量を計測する計測装置4のセンサ4Aからの距離Lを変化させながら放射線量を計測した。この場合の実測値は、遮蔽無しの状態に相当する。
次に、
図10(A)に示すように、上記の汚染土砂2を第1の容器24Aおよび第2の収納容器24Bに格納し、同様に距離Lを変化させて放射線量を測定し、第1の容器24Aおよび第2の収納容器24Bの遮蔽性能を評価した。
放射線量の測定は3分間の放射線量(空間線量)(Sv)の積算値を5〜10回程度測定し、その結果を平均して1時間(h)あたりの放射線量に換算した。
測定結果を
図11に示す。測定結果より、第1の容器24Aに土砂を格納することにより容器24表面(土砂からの距離Lが0.1m)において3.15/0.18=17.1、すなわち1/17.1に放射線量が減少、容器24Bでは同様に容器24表面(土砂からの距離Lが0.2m)において1.71/0.15=11.2、すなわち1/11.2に放射線量が減少していることが分かる。
【0026】
次に、ガンマ線遮蔽の理論的な計算を行った結果を示す。
理論計算にはMCNPと呼ばれるモンテカルロ法の放射線解析コードを用いた。
まず、実験と同様の条件(土砂を格納したプラスチック容器は十分に薄くガンマ線遮蔽計算上は無視できる)で解析を行った。
図12、
図13に解析結果および実測結果(
図11の実測値)を示す。
図12は、横軸に汚染土壌の表面からの計測距離、縦軸に線量を示している。
なお、図中に記載したデータの条件は以下の通りである。
1)直接(解析値):プラスチック製容器24に収納した汚染土壌の線量の解析値
2)第1の容器24A(解析値):第1の容器24Aに収納した汚染土壌の線量の解析値
3)第2の容器24B(解析値):第2の容器24Bに収納した汚染土壌の線量の解析値
4)直接(実測値):プラスチック製容器24に収納した汚染土壌の線量の実測値
5)第1の容器24A(実測値):第1の容器24Aに収納した汚染土壌の線量の実測値
6)第2の容器24B(実測値):第2の容器24Bに収納した汚染土壌の線量の実測値
なお、4)〜6)は
図11の実測値である。
【0027】
図13は、横軸に汚染土壌の表面からの計測距離、縦軸に遮蔽能力比を示している。
遮蔽能力比とは、同一計測距離における線量の比率をいう。
なお、図中に記載したデータの条件は以下の通りである。
1)直接/第1の容器24A(解析値):プラスチック製容器24に収納した汚染土壌の線量の解析値と第1の容器24Aに収納した汚染土壌の線量の解析値との比率
2)直接/第2の容器24B解析値):プラスチック製容器24に収納した汚染土壌の線量の解析値と第2の容器24Bに収納した汚染土壌の線量の解析値との比率
3)第2の容器24B/第1の容器24A(解析値):第1の容器24Aに収納した汚染土壌の線量の解析値と第2の容器24Bに収納した汚染土壌の線量の解析値との比率
4)直接/第1の容器24A(実測値):プラスチック製容器24に収納した汚染土壌の線量の実測値と第1の容器24Aに収納した汚染土壌の線量の実測値との比率
5)直接/第2の容器24B(実測値):プラスチック製容器24に収納した汚染土壌の線量の実測値と第2の容器24Bに収納した汚染土壌の線量の実測値との比率
6)第2の容器24B/第1の容器24A(実測値):第1の容器24Aに収納した汚染土壌の線量の実測値と第2の容器24Bに収納した汚染土壌の線量の実測値との比率
なお、4)〜6)は
図11の実測値である。
【0028】
図12において、解析値と実測値とを比較すると、第2の容器24B(再生コンクリート)の表面や直接(遮蔽なし)の場合の20、30cm(土砂表面からの距離)あたりは、比較的よく一致するが、線源に近づくにつれて解析値の方が低くなることが分かる。
また、
図12に示されているように、第1の容器24A(重量コンクリート)での解析値9.8(μSv/h)に対して実測値11.2(μSv/h)であり、第2の容器24B(再生コンクリート)での解析値15.0(μSv/h)に対して実測値17.1(μSv/h)であり、第1の容器24A(重量コンクリート)および第2の容器24B(再生コンクリート)における解析値と実測値とが概ね一致していることがわかる。
また、
図12、
図13には、第2の容器24B(再生コンクリート)の厚さを10、30、40、50、60cm、第1の容器24A(重量コンクリート)の厚さを20、30cmまで計算した結果も示す(側面方向及び鉛直方向でそれぞれ土砂表面からの距離)。
この結果からは第1の容器24A(重量コンクリート)は第2の容器24B(再生コンクリート)に比べて20cmで26.7倍、30cmで120倍の遮蔽能力があることが分かる。