(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5996917
(24)【登録日】2016年9月2日
(45)【発行日】2016年9月21日
(54)【発明の名称】回転電機用ステータ及びその回転電機用ステータの製造方法
(51)【国際特許分類】
H02K 11/25 20160101AFI20160908BHJP
H02K 15/04 20060101ALI20160908BHJP
【FI】
H02K11/25
H02K15/04 Z
【請求項の数】6
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2012-96314(P2012-96314)
(22)【出願日】2012年4月20日
(65)【公開番号】特開2013-225959(P2013-225959A)
(43)【公開日】2013年10月31日
【審査請求日】2014年4月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000100768
【氏名又は名称】アイシン・エィ・ダブリュ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】特許業務法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】竹内 健登
(72)【発明者】
【氏名】池本 正幸
【審査官】
田村 耕作
(56)【参考文献】
【文献】
特開2013−219961(JP,A)
【文献】
特開2008−131775(JP,A)
【文献】
特開2011−038832(JP,A)
【文献】
特開2006−074940(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 11/25
H02K 15/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステータコアのティースに巻回される複数の環状コイルと、
前記複数の環状コイルを電気的に接続する中性点接続部材と、
前記中性点接続部材において互いに対向するように曲げられた曲げ部の間に設けられる温度センサと、
前記曲げ部と前記温度センサとが接触した状態で前記曲げ部と前記温度センサとを固定する固定部材と、を備える回転電機用ステータであって、
前記中性点接続部材は、平角線形状を有しており、ステータ周方向に沿って延びる本体部と、この本体部の一方端に曲げ形成される一方側延伸部と、前記本体部の他端部においてU字状に曲げ形成される前記曲げ部と、前記曲げ部から更に曲げ形成される他方側延伸部とを含み、
前記固定部材は、前記曲げ部と前記温度センサとを押さえるための押圧部材に対応する貫通孔が形成された押圧用壁を有する、
回転電機用ステータ。
【請求項2】
請求項1に記載の回転電機用ステータにおいて、
前記温度センサは、前記曲げ部に対する位置決めを行うためのリブを有する、回転電機用ステータ。
【請求項3】
請求項1または2に記載の回転電機用ステータにおいて、
前記温度センサは、固定部材形成用の金型に対する位置決めを行うための位置決め部を有する、回転電機用ステータ。
【請求項4】
ステータコアのティースに巻回される複数の環状コイルを配置する第1工程と、
前記複数の環状コイルを電気的に接続する中性点接続部材であって、平角線形状を有しており、ステータ周方向に沿って延びる本体部と、この本体部の一方端に曲げ形成される一方側延伸部と、前記本体部の他端部においてU字状に曲げ形成される曲げ部と、前記曲げ部から更に曲げ形成される他方側延伸部とを含む前記中性点接続部材において互いに対向するように曲げられた前記曲げ部の間に温度センサを配置する第2工程と、
前記曲げ部と前記温度センサとが接触した状態で前記曲げ部と前記温度センサとを固定する第3工程と、
を備え、
前記温度センサは、前記曲げ部に対する位置決めを行うためのリブを有し、前記第2工程は、前記リブを用いて前記温度センサと前記曲げ部との位置決めを行う、回転電機用ステータの製造方法。
【請求項5】
請求項4に記載の回転電機用ステータの製造方法において、
前記第3工程は、押圧部材によって前記曲げ部と前記温度センサとが押さえられた状態で射出成形する、回転電機用ステータの製造方法。
【請求項6】
請求項4または5に記載の回転電機用ステータの製造方法において、
前記固定部材は、押圧部材によって前記曲げ部と前記温度センサとが押さえられた状態で射出成形され、
前記温度センサは、前記射出成形される際に用いられる金型との間における位置決めを行うための位置決め部を有し、
前記第2工程は、前記位置決め部を用いて前記温度センサと前記金型との位置決めを行う、回転電機用ステータの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転電機用ステータ及びその回転電機用ステータの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
回転電機では、ステータに巻回される環状コイルに電流が流れると、環状コイルに熱が発生し、環状コイルの温度が上昇する。環状コイルの温度が所定温度以上に上昇すると、例えば、ステータを構成する部品の一部が熱により損傷する可能性がある。このため、例えば、環状コイルに接続される中性線に温度センサを接触させて、環状コイルの温度を検出し、検出温度が所定の温度以上になれば、ステータに巻回される環状コイルに供給する電流を遮断し、環状コイルの温度上昇を防止するといった対応が求められる。
【0003】
本発明に関連する技術として、例えば、特許文献1には、内周側に回転子を回転自在に収容する回転電機の固定子が開示されている。この回転電機の固定子は、固定子コアと、固定子コアに設置された固定子巻線と、固定子巻線の各相の中性点を電気的に接続する中性点端子と、温度検出素子と、中性点端子に設けられ、温度検出素子を覆う金属製の伝熱部とを備えることが述べられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−131775号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述したように温度センサによって環状コイルの温度を検出する際に、温度センサと環状コイルに接続される中性線との位置関係によっては、温度センサと中性線との間に隙間が形成されることがある。このような隙間が形成されると、中性線の温度上昇を温度センサに伝えることができず、温度センサによって環状コイルの温度を正確に検出することができない。
【0006】
本発明の目的は、環状コイルの温度を正確に検出することを可能とする回転電機及びその回転電機の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る回転電機用ステータは、ステータコアのティースに巻回される複数の環状コイルと、前記複数の環状コイルを電気的に接続する中性点接続部材と、前記中性点接続部材において互いに対向するように曲げられた曲げ部の間に設けられる温度センサと、前記曲げ部と前記温度センサとが接触した状態で前記曲げ部と前記温度センサとを固定する固定部材と、を備える回転電機用ステータであって、前記中性点接続部材は、平角線形状を有しており、ステータ周方向に沿って延びる本体部と、この本体部の一方端に曲げ形成される一方側延伸部と、前記本体部の他端部においてU字状に曲げ形成される前記曲げ部と、前記曲げ部から更に曲げ形成される他方側延伸部とを含
み、前記固定部材は、前記曲げ部と前記温度センサとを押さえるための押圧部材に対応する貫通孔が形成された押圧用壁を有すること特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る回転電機用ステータにおいて、前記温度センサは、前記曲げ部に対する位置決めを行うためのリブを有することが好ましい。
【0010】
また、本発明に係る回転電機用ステータにおいて
、前記温度センサは、
固定部材形成用の金型に対する位置決めを行うための位置決め部を有することが好ましい。
【0011】
本発明に係る回転電機用ステータの製造方法は、ステータコアのティースに巻回される複数の環状コイルを配置する第1工程と、前記複数の環状コイルを電気的に接続する中性点接続部材であって、平角線形状を有しており、ステータ周方向に沿って延びる本体部と、この本体部の一方端に曲げ形成される一方側延伸部と、前記本体部の他端部においてU字状に曲げ形成される曲げ部と、前記曲げ部から更に曲げ形成される他方側延伸部とを含む前記中性点接続部材において互いに対向するように曲げられた前記曲げ部の間に温度センサを配置する第2工程と、前記曲げ部と前記温度センサとが接触した状態で前記曲げ部と前記温度センサとを固定する第3工程と、を備え
、前記温度センサは、前記曲げ部に対する位置決めを行うためのリブを有し、前記第2工程は、前記リブを用いて前記温度センサと前記曲げ部との位置決めを行うことを特徴とする。
【0012】
また、本発明に係る回転電機用ステータの製造方法において、前記第3工程は、押圧部材によって前記曲げ部と前記温度センサとが押さえられた状態で射出成形することが好ましい。
【0014】
また、本発明に係る回転電機用ステータの製造方法において、前記固定部材は、押圧部材によって前記曲げ部と前記温度センサとが押さえられた状態で射出成形され、前記温度センサは、前記射出成形される際に用いられる金型との間における位置決めを行うための位置決め部を有し、前記第2工程は、前記位置決め部を用いて前記温度センサと前記金型との位置決めを行うことが好ましい。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、環状コイルに電気的に接続される曲げ部と温度センサとが接触した状態で固定される。これにより、曲げ部の温度上昇を温度センサに伝えることができるため、環状コイルの温度を正確に検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明に係る実施の形態において、ステータを備える回転電機を示す図である。
【
図2】本発明に係る実施の形態において、ステータコアを構成する複数の分割コアのティースに各コイルが巻回されている様子を示す拡大斜視図である。
【
図3】本発明に係る実施の形態において、各コイルの結線図である。
【
図4】本発明に係る実施の形態において、温度センサ及び固定部材が取り付けられたUV相中性点接続部材の拡大斜視図である。
【
図6】
図4において矢印B方向からUV相中性点接続部材を見た様子を示す図である。
【
図7】本発明に係る実施の形態において、UV相中性点接続部材が各中性点端子に取り付けられている様子を示す図である。
【
図8】本発明に係る実施の形態において、回転電機の製造方法の製造手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に図面を用いて、実施の形態を詳細に説明する。同様の要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0018】
図1は、ステータ10を備える回転電機8を示す図である。ステータ10は、略円環形状を有するステータコア11と、各環状コイル12(U相環状コイル12U、V相環状コイル12V及びW相環状コイル12W)と、温度センサ14と、固定部材16と、各相入力端子接続部材(不図示)と、UV相中性点接続部材24と、W相中性点接続部材26とを備える。ステータ10の使用時には、ステータ10の径方向内側に、回転軸に固定されたロータ(不図示)を配置し、ステータ10とロータとを径方向に対向させることでラジアル型の回転電機8を構成する。
【0019】
図2は、ステータコア11を構成する複数の分割コア28のティース28aに各コイル30が巻回されている様子を示す拡大斜視図である。複数の分割コア28は、各ティース28aがステータ10の径方向内側を向くように、ステータ10の周方向に沿って環状に配置される。
図2に示すように、複数の分割コア28のティース28aにはコイル30が巻回されている。コイル30は、導電性及び熱伝導性に優れた金属、例えば、銅等で構成される。コイル30は、両端部を除く周囲に、ポリアミドイミド等により構成されるエナメル樹脂等からなる絶縁部材によって被覆されている。各コイル30の両端部は、各コイル30同士を接続するために用いられる各接続端子34としてコイルエンド32上に引き出されている。
【0020】
図3は、各コイル30の結線関係を示す図である。本実施の形態においては、各コイル30をU相コイル30U、V相コイル30V及びW相コイル30Wに割り当てる。ここでは、U相コイル30U、V相コイル30V及びW相コイル30Wの合計は15個であるものとして説明するが、もちろん、その他の個数であってもよい。以下では、No.1〜No.15の各コイル30がステータ10の周方向に沿って並んでいるものとして説明する。
【0021】
U相コイル30Uは、No.3、No.6、No.9、No.12、No.15に対応する位置に配置される。そして、U相コイル30UのU相接続端子34UがそれぞれU相接続部材20Uによって直列に接続されることで、ステータコア11のティース28aに巻回されるU相環状コイル12Uが形成される。このとき、U相環状コイル12Uの一端はU相入力端子36Uとして引き出され、U相環状コイル12Uの他端はU相中性点端子38Uとして引き出される。
【0022】
V相コイル30Vは、No.2、No.5、No.8、No.11、No.14に対応する位置に配置される。また、W相コイル30Wは、No.1、No.4、No.7、No.10、No.13に対応する位置に配置される。これらについてもU相コイル30Uと同様に、各V相コイル30V及び各W相コイル30WのV相接続端子34V及びW相接続端子34Wが夫々V相接続部材20V、W相接続部材20Wによって直列に接続されることで、ステータコア11のティース28aに巻回されるV相環状コイル12V、W相環状コイル12Wが形成される。
【0023】
各入力端子接続部材(不図示)は、夫々の一方端がU相入力端子36U、V相入力端子36V及びW相入力端子36Wに接続され、夫々の他方端が3相交流電力を出力するインバータ(不図示)に接続される。
【0024】
UV相中性点接続部材24及びW相中性点接続部材26は、各コイル30のコイルエンド32上に配置される。UV相中性点接続部材24及びW相中性点接続部材26は、導電性及び熱伝導性に優れた金属、例えば、銅等で構成される。UV相中性点接続部材24は、一方端がU相中性点端子38Uに接続され、他方端がV相中性点端子38Vに接続される。W相中性点接続部材26は、一方端がW相中性点端子38Wに接続され、他方端がUV相中性点接続部材24の他方端に接続される。UV相中性点接続部材24には、温度センサ14、固定部材16が取り付けられている。以下において、それらの関係について説明する。
【0025】
図4は、温度センサ14及び固定部材16が取り付けられたUV相中性点接続部材24の拡大斜視図である。
図5は、
図4におけるA−A線断面図である。
図6は、
図4において矢印B方向からUV相中性点接続部材24を見た様子を示す図である。
図7は、UV相中性点接続部材24が各中性点端子38に取り付けられている様子を示す図である。なお、
図7では、W相中性点接続部材26を省略している。
【0026】
温度センサ14は、U相環状コイル12UとV相環状コイル12Vとを電気的に接続するUV相中性点接続部材24の曲げ部24cに接触するように設けられる。温度センサ14は、UV相中性点接続部材24の温度を検出する温度検出素子14aと、温度検出素子14aの周りを覆う被覆部14bとを備える。温度検出素子14aは、例えば、ニッケル、マンガン、コバルト、鉄等の酸化物を混合して焼結することにより形成され、温度と抵抗との線形性の関係を利用することで温度を検出するサーミスタである。被覆部14bは、導電性及び熱伝導性に優れた金属、例えば、銅等で構成される。なお、温度センサ14は、UV相中性点接続部材24を介してW相中性点接続部材26にも電気的に接続されているため、W相中性点接続部材26の温度も検出することができる。
【0027】
温度センサ14は、略直方体形状を有している。温度センサ14の底面には、
図4及び
図6に示されるように、突起部14cが設けられている。突起部14cは、固定部材16を形成するための金型40に対する位置決めを行うための位置決め部である。温度センサ14の側面には、
図6に示されるように、一対のリブ14dが設けられている。一対のリブ14dは、UV相中性点接続部材24の曲げ部24cに対して位置決めを行うための位置決め部である。曲げ部24cは、リブ14dの長手方向に沿うように、一対のリブ14dの間に配置される。
【0028】
UV相中性点接続部材24は、平角線形状を有している。UV相中性点接続部材24は、本体部24aと延伸部24bと曲げ部24cと延伸部24dとを備える。本体部24aは、ステータ10の周方向に沿って、U相中性点端子38UとV相中性点端子38Vとの間に渡って伸びている。延伸部24bは、本体部24aから略垂直方向に向かって略S字状に曲げられている。曲げ部24cは、本体部24aから互いに対向するように曲げられている。延伸部24dは、曲げ部24cから略垂直方向に向かって略S字状に曲げられている。
【0029】
延伸部24b,24dは、それぞれ、第1延伸部241b,241dと第2延伸部242b,242dと第3延伸部243b,243dとを備える。第1延伸部241b,241dは、本体部24aから略垂直方向に延びている。第2延伸部242b,242dは、第1延伸部241b,241dから斜めの方向に延びている。第3延伸部243b,243dは、第2延伸部242b,242dから略垂直方向に延びている。
【0030】
曲げ部24cは、略U字状に曲げられた部分であり、第1曲げ部241cと第2曲げ部242cとを有する。第1曲げ部241cと第2曲げ部242cとの間の距離は、温度センサ14の幅とほぼ同じである。そして、第1曲げ部241cと第2曲げ部242cの間に形成される空間に温度センサ14が挿入され、温度センサ14が第1曲げ部241cと第2曲げ部242cとによって挟みこまれる。
【0031】
固定部材16は、温度センサ14及び曲げ部24cを囲むように切り欠き或いは貫通孔が設けられている略直方体形状の部材である。固定部材16は、押圧部材42によって曲げ部24cが押さえられた状態で射出成形され、曲げ部24cと温度センサ14とが接触した状態で曲げ部24cと温度センサ14とを固定する。固定部材16は、押圧部材42に対応する貫通孔16aを形成する押圧用壁16bを有する。押圧部材42は、適当な強度を有する材料、例えば、鉄等で構成され、略円柱形状を有する。
【0032】
金型40は、固定部材16を射出成形するための部材である。金型40は、その内部に、固定部材16を形成するための空間を有する。金型40の底面部には、突起部14cが嵌め込まれる嵌合孔40aが形成されている。金型40の側面部には、押圧部材42を挿入するための貫通孔(不図示)が形成されている。
【0033】
次に、上記構成のステータ10の製造方法について説明する。
図8は、ステータ10の製造方法の手順を示すフローチャートである。
【0034】
温度センサ14のリブ14dを用いて温度センサ14と曲げ部14cとの位置決めを行う(S2)。具体的には、曲げ部
24cの第2曲げ部242cを一対のリブ14dの間に配置する。このとき、第2曲げ部242cをリブ14dの長手方向に沿うように配置する。
【0035】
温度センサ14の突起部14cを射出成形する際に用いられる金型40の嵌合孔40aに嵌合させ、温度センサ14と金型40との位置決めを行う(S4)。
【0036】
金型40に設けられた貫通孔に押圧部材42を挿入し、温度センサ14と曲げ部24cとが接触するように第1曲げ部241c及び第2曲げ部242cと温度センサ14とを押さえ、その状態を保ったまま、金型40の内部に樹脂を注入し、硬化させる(S6)。この射出成形により、固定部材16が形成される。
【0037】
各接続部材20を用いて、ステータコア11のティース28aに巻回される各コイル30の各接続端子34を接続する(S8)。これにより、各環状コイル12が形成される。
【0038】
各環状コイル12の各中性点端子38と、UV相中性点接続部材24、W相中性点接続部材26とをTIG溶接等の溶接により接続する(S10)。その後、所定の工程を得て、ステータ10が生成される。
【0039】
続いて、上記構成の回転電機8の作用について、
図1〜
図8を用いて説明する。S6工程において射出成形がなされる際に、曲げ部24cと温度センサ14とが接触するように曲げ部24cと温度センサ14とが押圧部材42によって押さえられている。そして、この状態で射出成形されているため、曲げ部24cと温度センサ14とが接触された状態で固定される。したがって、曲げ部24cに接触している温度センサ14は、曲げ部24cに電気的に接続される各相環状コイル12の温度を正確に検出することができる。
【0040】
なお、上記ステータ10において、温度センサ14は各環状コイル12を電気的に接続するUV相中性点接続部材24に接触するように取り付けられるものとして説明した。しかしながら、UV相中性点接続部材24の代わりに各環状コイル12の長さを伸ばして電気的に接続している場合には、当該伸ばされた部分の各コイルに温度センサ14が接触するように取り付けられるものとしてよい。
【0041】
また、上記ステータ10のステータコア11は、複数の分割コア28を用いて構成するものとして説明したが、その他の方法で構成してもよい。例えば、電磁鋼板等の金属板の積層体等により構成することができる。
【符号の説明】
【0042】
8 回転電機、10 ステータ、11 ステータコア、12 各相環状コイル、12U U相環状コイル、12V V相環状コイル、12W W相環状コイル、14 温度センサ、14a 温度検出素子、14b 被覆部、14c 突起部、14d リブ、16 固定部材、16a 貫通孔、16b 押圧用壁、18 各相コイル、30U U相コイル、30V V相コイル、30W W相ステータコア、20 各相接続部材、20U U相接続部材、20V V相接続部材、20W W相接続部材、24 UV相中性点接続部材、24a 本体部、24b,24d 延伸部、24c 曲げ部、26 W相中性点接続部材、28 分割コア、28a ティース、30 コイル、32 コイルエンド、34 各相接続端子、34U U相接続端子、34V V相接続端子、34W W相接続端子、36 各相入力端子、36U U相入力端子、36V V相入力端子、36W W相入力端子、38 各相中性点端子、38U U相中性点端子、38V V相中性点端子、38W W相中性点端子、40 金型、40a 嵌合孔、40b 底面部、40c 貫通孔、40d 側面部、42 押圧部材、241b,241d 第1延伸部、241c 第1曲げ部、242b,242d 第2延伸部、242c 第2曲げ部、243b,243d 第3延伸部。