特許第5996918号(P5996918)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5996918
(24)【登録日】2016年9月2日
(45)【発行日】2016年9月21日
(54)【発明の名称】二液型光硬化性組成物
(51)【国際特許分類】
   C08F 4/40 20060101AFI20160908BHJP
   C08F 290/04 20060101ALN20160908BHJP
   C09D 7/12 20060101ALN20160908BHJP
   C09D 4/00 20060101ALN20160908BHJP
   C09D 4/02 20060101ALN20160908BHJP
   G02F 1/1335 20060101ALN20160908BHJP
【FI】
   C08F4/40
   !C08F290/04
   !C09D7/12
   !C09D4/00
   !C09D4/02
   !G02F1/1335
【請求項の数】7
【全頁数】27
(21)【出願番号】特願2012-100356(P2012-100356)
(22)【出願日】2012年4月25日
(65)【公開番号】特開2013-227426(P2013-227426A)
(43)【公開日】2013年11月7日
【審査請求日】2015年2月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000941
【氏名又は名称】株式会社カネカ
(74)【代理人】
【識別番号】110000914
【氏名又は名称】特許業務法人 安富国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】木下 大希
(72)【発明者】
【氏名】堀 充啓
(72)【発明者】
【氏名】石川 豪生
【審査官】 安田 周史
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭58−138763(JP,A)
【文献】 特開平04−049544(JP,A)
【文献】 特開昭58−090899(JP,A)
【文献】 特開平04−149290(JP,A)
【文献】 特開平04−046977(JP,A)
【文献】 国際公開第91/005828(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08F 4/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一分子中に重合性の炭素−炭素二重結合を少なくとも一個有する化合物(A)、光重合開始剤(B)、および過酸化物系重合開始剤(C)を含有する硬化性組成物(I)と、還元剤(D)を含有する硬化促進剤(II)、からなる二液型光硬化性組成物であって、
還元剤(D)として第4周期の遷移金属化合物(E)とアミン化合物(F)の両方を含有し、
遷移金属化合物(E)がコバルト、銅、バナジウムのナフテン酸またはオクチル酸金属石鹸およびバナジウムのアセチルアセトン錯体から選択される少なくとも1種であり、
アミン化合物(F)がトリブチルアミン、N,N−ジメチルトルイジン、N,N,N´N´−テトラメチル−1,6−へキサンジアミンおよびN−メチルジエタノールアミンから選択される少なくとも1種であることを特徴とする二液型光硬化性組成物。
【請求項2】
(A)成分の重合性の炭素−炭素二重結合が、一般式(1)
−OC(O)C(R)=CH (1)
(式中、(R)は水素原子又は炭素数1〜20の有機基を表す)
で表される基であることを特徴とする請求項1に記載の二液型光硬化性組成物。
【請求項3】
過酸化物系重合開始剤(C)がクメンハイドロキシパーオキサイドであることを特徴とする請求項1または2に記載の二液型光硬化性組成物。
【請求項4】
光重合開始剤(B)の量が、(A)成分100重量部に対して、0.001〜10重量部であり、過酸化物系重合開始剤(C)の量が(A)成分100重量部に対して、0.01〜20重量部であり、還元剤(D)が(A)成分100重量部に対して、0.01〜10重量部であることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の二液型光硬化性組成物。
【請求項5】
第4周期の遷移金属化合物(E)とアミン化合物(F)の重量比(第4周期の遷移金属化合物/アミン化合物)が1/5〜1/30であることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の二液型光硬化性組成物。
【請求項6】
二液型光硬化性組成物がFPD貼り合わせ用であることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の二液型光硬化性組成物。
【請求項7】
請求項に記載のFPD貼り合わせ用二液型光硬化性組成物を塗布、硬化させて得られるFPDを搭載した電気・電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
硬化性組成物(I)と硬化促進剤(II)からなる二液型光硬化性組成物並びに該硬化性組成物を塗布硬化させて得られるFPDを搭載した電気・電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話、タッチパネル等の画像表示部分である液晶モジュールや有機ELモジュールと最上部の透光性保護カバー(PETフィルム、強化ガラス、アクリル板等)間には、従来エアギャップを設けることで、外からの衝撃で、保護カバーが割れた場合でも、液晶モジュールに影響が出ないような構造(エアギャップ構造)になっている。また、近年、一部では液晶ディスプレイや有機ELディスプレイなどの視認性向上と耐衝撃性の実現を目的に、光重合性官能基を有するウレタンアクリレート、エポキシアクリレートをバインダーポリマーとする光、特に紫外線(UV)で硬化可能な光学弾性樹脂硬化性組成物が用いられはじめている。しかし、携帯電話、タッチパネルへの意匠性付与を目的とした最表面の保護カバーのデザインの複雑化により、硬化のためのトリガーであるUV光が透過しない領域が増加し、未反応となる部分が存在するという不具合が生じている。不具合箇所の具体例としては、液晶パネル、有機ELパネル等のFPD(フラットパネルディスプレイ)と、保護カバーまたはタッチパネルとの貼り合わせや、保護カバーとタッチパネルとの貼りあわせにおいて、保護カバー周縁に加飾目的で施される黒枠(ブラックプリント)、タッチパネルの電極、FPDに接続されたフレキシブルプリント基板(FPC)等、光を透過しない部位の下(暗部)が該当し、光硬化性液状組成物によるFPD貼り合わせにおいて、暗部に未反応の液状組成物が残留、漏出しFPDの汚染を引き起こすという問題があった。
【0003】
その対策として、例えば、UV硬化用の開始剤に加え、熱重合開始剤を添加することで、UV照射後、加熱雰囲気下で完全硬化させる方法が提案されている。但し、本改善方法は、暗部での硬化性が確保できるものの、最前の保護カバーがPETフィルムやアクリル板等のプラスチック材料の場合、加熱により変形、変色することがあり、適応範囲が限定的であることと共に、硬化のためには長時間にわたる加熱が不可欠であり、生産性の点でも改善が必要となっている。
【0004】
その他の対策として、UV硬化用の開始剤とレドックス型硬化開始剤を併用するものがある(特許文献1〜4)。レドックス型硬化開始剤には例えば有機過酸化物が用いられ、硬化反応促進剤として遷移金属化合物やアミン等の還元性重合促進剤が系中に添加されることで、常温下でも速やかに反応を開始し、暗部をレドックス硬化させる方法があるが、レドックス硬化で得られる硬化物は強い着色や白化を呈することが多く、FPDの貼り合わせのような外観に高い品質が求められる場合は暗部のみにレドックス硬化性樹脂を予め存在させる手法をとる必要がある。すなわち、暗部に予め還元剤を含有するレドックス硬化性樹脂組成物を存在させた状態で、光重合開始剤及び有機過酸化物を含有する光硬化性樹脂組成物を供給し、光照射を行なうことで、光が透過可能な部位は光重合反応によって、暗部はレドックス硬化性樹脂の還元剤と、光硬化性樹脂組成物の有機過酸化物が接触した際に発生するラジカル活性種によるレドックス重合反応にて硬化させる。レドックス硬化に用いられる還元剤は多種あげられ、例えば特許文献2に記載される様に、N,N−ジメチルアニリンなどのアミン及びメチルチオ尿素などのアミン誘導体やオキシム化合物、ナフテン酸コバルトやナフテン酸銅などの第4周期の遷移金属化合物、アスコルビン酸などの還元有機化合物、さらにメルカプタン類が挙げられ、これらの中から単独若しくは組み合わせて用いられる。これらの還元剤を用いるにあたり、レドックス硬化速度が遅い場合、液状樹脂組成物が端部から漏出しFPDの汚染を引き起こすという問題があるが、これまでのところ硬化速度の上昇に著しく寄与する還元剤及びその組み合わせは具体的に報告されていない。また硬化速度に加えてレドックス硬化性樹脂組成物をFPD貼り合わせに用いるために、FPDに不具合を生じさせない還元剤を適切に選択する必要があり、メルカプタン類などはFPDのITOガラスを腐食し動作不良を起こす可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平5−320284号公報
【特許文献2】特開2009−108274号公報
【特許文献3】特開2009−079204号公報
【特許文献4】WO2006/112420号公報
【特許文献5】特開2010−248347号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、暗部も常温下で速やかに硬化する二液型光硬化性組成物の提供を目的とする。さらに、本発明の二液型光硬化性組成物をFPD貼り合わせに用いることで、暗部も常温下で速やかに硬化し、かつ高い外観品質が得られ、FPD作動性に影響を及ぼす恐れがないFPD、及びそれを搭載した電気・電子機器の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記事情を鑑み、本発明者らが鋭意検討をした結果、一分子中に重合性の炭素−炭素二重結合を少なくとも一個有する化合物(A)、光重合開始剤(B)、過酸化物系重合開始剤(C)を含有する硬化性組成物(I)と、還元剤(D)を含有する硬化促進剤(II)からなる二液型光硬化性組成物において、還元剤として第4周期の遷移金属化合物(E)とアミン化合物(F)をともに用いることで上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、一分子中に重合性の炭素−炭素二重結合を少なくとも一個有する化合物(A)、光重合開始剤(B)、および過酸化物系重合開始剤(C)を含有する硬化性組成物(I)と、還元剤(D)を含有する硬化促進剤(II)、からなる二液型光硬化性組成物であって、還元剤(D)として第4周期の遷移金属化合物(E)とアミン化合物(F)の両方を含有することを特徴とする光硬化性組成物に関する。
【0009】
第4周期の遷移金属化合物(E)がコバルト、銅、バナジウムのナフテン酸またはオクチル酸金属石鹸、およびバナジウムのアセチルアセトン錯体から選択される少なくとも1種であることが好ましい。
【0010】
アミン化合物(F)がトリブチルアミン、N,N−ジメチルトルイジン、N,N,N´N´−テトラメチル−1,6−へキサンジアミン、N−メチルジエタノールアミンから選択される少なくとも1種であることが好ましい。
【0011】
(A)成分の重合性の炭素−炭素二重結合が、一般式(1)
−OC(O)C(Ra)=CH2 (1)
(式中、Raは水素原子又は炭素数1〜20の有機基を表わす)
で表される基であることが好ましい。
【0012】
過酸化物系重合開始剤(C)がクメンヒドロキシパーオキサイドであることが好ましい。
【0013】
光重合開始剤(B)の量が、(A)成分100重量部に対して、0.001〜10重量部であり、過酸化物系重合開始剤(C)の量が(A)成分100重量部に対して、0.01〜20重量部であり、還元剤(D)が(A)成分100重量部に対して、0.01〜10重量部であることが好ましい。
【0014】
第4周期の遷移金属化合物(E)とアミン化合物(F)の重量比(第4周期の遷移金属化合物/アミン化合物)が1/5〜1/30であることが好ましい。
【0015】
上記に記載の二液型光硬化性組成物がFPD貼り合わせ用であることが好ましい。
【0016】
上記に記載のFPD貼り合わせ用二液型光硬化性組成物を塗布、硬化させて得られるFPDを搭載した電気・電子機器に関する。
【発明の効果】
【0017】
本発明によって、光により速硬化が可能で、かつ暗部においても室温下で速やかに硬化する二液型光硬化性組成物を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】ITOガラスの抵抗値測定用サンプルの作成方法の図である。
図2】ITOガラスの抵抗値測定方法の図である。
図3】本発明の実施の一形態の硬化性組成物成分(I)と硬化促進剤成分(II)の塗布例を示す図である。
図4】本発明の実施の一形態の図3にかかわる、FPD貼り合わせの方法の例を示す図である。
図5】本発明の実施の一形態の図3、4にかかわる、FPD貼り合わせの方法の例を示す図である。
図6】本発明の実施の一形態の図3〜5にかかわる、FPD貼り合わせの方法の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に本発明の二液型光硬化性液状組成物について詳述する。
【0020】
二液型光硬化性組成物
本発明の二液型光硬化性組成物は、一分子中に重合性の炭素−炭素二重結合を少なくとも一個有する化合物(A)、光重合開始剤(B)、過酸化物系重合開始剤(C)を含有する硬化性組成物(I)と、還元剤(D)を含有する硬化促進剤(II)からなり、さらに還元剤(D)として第4周期の遷移金属化合物(E)とアミン化合物(F)の両方を用いることを特徴とする。
【0021】
<<硬化性組成物(I)>>
まず、二液型光硬化性組成物の中の硬化性組成物(I)について詳述する。
【0022】
<化合物(A)>
一分子中に重合性の炭素−炭素二重結合を少なくとも一個有する化合物(A)の重合性の炭素−炭素二重結合は、特に限定されないが、一般式(1)
−OC(O)C(Ra)=CH2 (1)
(式中、Raは水素原子又は炭素数1〜20の有機基を表わす)
で表される基が好ましく、(メタ)アクリロイル基がより好ましい。
【0023】
また、化合物(A)の1分子中に存在する炭素−炭素二重結合の数は、特に限定されないが、1個以上6個以下が好ましい。1分子中に存在する炭素−炭素二重結合が多くなると、得られる硬化物の網目構造があまりに密となるため、成形体は硬く脆くなる傾向がある。特に、6個以上になるとその傾向は顕著となる。
【0024】
また、(A)成分の重合性の炭素−炭素二重結合は、有機重合体の場合には、主鎖中、分子鎖末端いずれにあっても構わないが、分子鎖末端にあることが好ましい。
【0025】
本発明の化合物(A)は、低分子量化合物、有機重合体の何れであっても構わないが、柔軟性、耐久性、硬化性のバランスの点で、有機重合体であることが好ましい。
【0026】
有機重合体とは、有機化合物の繰り返し単位を伴う構造で、2以上の繰り返し単位からなる化合物を指す。低分子量化合物とは、有機重合体以外の構造で基本的に繰り返し単位を伴わない構造の化合物である。
【0027】
上記低分子量化合物としては、重合性の炭素−炭素二重結合を有しているものであればいずれでも構わないが、後に記載の(メタ)アクリル酸エステル系モノマー、(メタ)アクリル酸エステル系モノマーと共重合が可能な他モノマー成分として記載されているモノマー、特開2006−265488号公報段落[0123]〜[0131]に記載のもの等が挙げられる。
【0028】
上記有機重合体としては、(飽和)炭化水素系重合体、ポリオキシアルキレン系重合体、液状シリコーン系重合体、液状ウレタン系重合体、(メタ)アクリル系重合体から選ばれる少なくとも1種であることが好ましく、(メタ)アクリル系重合体がより好ましい。
【0029】
(飽和)炭化水素系重合体としては、(1)エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブチレンなどのような炭素数2〜6のオレフィン系化合物を主成分として重合させる、(2)ブタジエン、イソプレンなどのようなジエン系化合物を単独重合させたり、上記オレフィン系化合物とジエン系化合物とを共重合させたりする方法や、さらに得られた重合体を水素添加する、などの方法により得ることができるが、末端に官能基を導入しやすい、分子量を制御しやすい、末端官能基の数を多くすることができるなどの点から、イソブチレン系重合体、(水添)ポリブタジエン系重合体あるいは(水添)ポリイソプレン系重合体であるのが好ましい。
【0030】
飽和炭化水素系重合体の数平均分子量は500〜50,000程度であるのが好ましく、とくに1,000〜20,000程度の液状ないし流動性を有するものが取扱いやすいなどの点から、好ましい。
【0031】
ポリオキシアルキレン系重合体としては、特に制限はなく、公知のものが挙げられる。具体的には、重合体の主鎖骨格が、一般式(2)で示される繰り返し単位を有するものが挙げられる。
−R1−O− (2)
(式中、R1は2価のアルキレン基)。
【0032】
一般式(2)中に記載のR1としては、2価のアルキレン基ならば特に限定されず、このなかでも炭素数1〜14のアルキレン基が好ましく、2〜4の、直鎖状もしくは分岐状のアルキレン基がより好ましい。一般式(2)記載の繰り返し単位としては、特に限定されず、たとえば、−CH2O−、−CH2CH2O−、−CH2CH(CH3)O−、−CH2CH(C25)O−、−CH2C(CH32O−、−CH2CH2CH2CH2O−等が挙げられる。
【0033】
ポリオキシアルキレン系重合体の数平均分子量は特に制限はないが、GPCで測定した場合に、500〜1,000,000であり、1,000〜100,000がより好ましい。
【0034】
液状シリコーン系重合体としては、特に制限はなく、公知のものが挙げられる。
このような液状シリコーン系重合体の分子構造としては、例えば、主鎖がジオルガノシロキサン単位の繰り返しからなる直鎖状、環状、分岐鎖状、三次元網状重合体が挙げられる。液状シリコーン系重合体の分子構造は通常は直鎖状であるが、環状、分岐鎖状、三次元網状でもよい。
【0035】
液状シリコーン系重合体の数平均分子量は特に制限はないが、GPCで測定した場合に、500〜1,000,000であり、3,000〜100,000がより好ましい。
【0036】
液状ポリウレタン系重合体としては、特に制限はなく、公知のものが挙げられる。
このような液状ポリウレタン系重合体の分子構造としては、例えば、ポリイソシアネートおよび活性水素含有化合物を構成成分とし、両者が(チオ)ウレタン結合またはウレア結合によって重合体化されたものが挙げられる。
【0037】
ポリイソシアネートとしては、特に制限はなく、例えば脂肪族、脂環式、芳香脂肪族、芳香族ポリイソシアネートが挙げられる。より具体的には、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、1,2−プロピレンジイソシアネート、1,2−ブチレンジイソシアネート、2,3−ブチレンジイソジアネート、1,3−ブチレンジイソシアネート、2,4,4−又は2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,6−ジイソシアネートメチルカプロエート、1,3−シクロペンタンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、1,3−シクロヘキサンジイソシアネート、3−イソシアネートメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート、4,4′−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、メチル−2,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチル−2,6−シクロヘキサンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、イソホロンジイソシアネート、1,3−若しくは1,4−キシリレンジイソシアネート、ω,ω′−ジイソシアネート−1,4−ジエチルベンゼン、1,3−若しくは1,4−ビス(1−イソシアネート−1−メチルエチル)ベンゼン、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4−又は2,6−トリレンジイソシアネート、4,4′−トルイジンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルエーテルジイソシアネート等、ポリメチレンポリ(フェニルイソシアネート)、または、これらのポリイソシアネートを化学的に変性したもの、これらのイソシアネート化合物とポリオール等の反応物を挙げることができ、これらのポリイソシアネート類を2種以上用いてもよい。
【0038】
また、活性水素含有化合物としては、特に制限はなく、例えばポリエーテルポリオールもしくはポリエステルポリオール、ポリアミン、ポリチオール等を挙げることができる。より具体的には、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシブチレン、ポリオキシヘキシレン、ポリオキシテトラメチレン、1,5−ジメルカプト−3−チアペンタン、1,8−ジメルカプト−3,6−ジオキサオクタン、1,3−エタンジチオール、(±)−ジチオトレイトール、ジチオエリトリトール、3,4−ジメルカプトトルエンなどを挙げることができ、これら活性水素含有化合物を2種以上用いても良い。
【0039】
液状ポリウレタン系重合体の分子構造は通常は直鎖状であるが、環状、分岐鎖状、三次元網状でもよい。
【0040】
液状ポリウレタン系重合体の数平均分子量は特に制限はないが、GPCで測定した場合に、500〜1,000,000であり、3,000〜100,000がより好ましい。
【0041】
(メタ)アクリル系重合体としては、主として(メタ)アクリル酸エステル系モノマーからなる有機重合体である。ここで「主として」とは、(メタ)アクリル系重合体を構成するモノマー単位のうち、50モル%以上が(メタ)アクリル酸エステル系モノマーであることを意味し、好ましくは70モル%以上である。
【0042】
(メタ)アクリル系重合体の分子量分布、即ち、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定した重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)は、特に限定されないが、好ましくは1.8未満であり、より好ましくは1.7以下であり、さらに好ましくは1.6以下であり、よりさらに好ましくは1.5以下であり、特に好ましくは1.4以下であり、最も好ましくは1.3以下である。分子量分布が1.8以上であると粘度が増大し、取り扱いが困難になる傾向にある。なお、本発明でのGPC測定は、移動相としてクロロホルムを用い、測定はポリスチレンゲルカラムにて行い、数平均分子量等はポリスチレン換算で求めることができる。
【0043】
(メタ)アクリル系重合体の数平均分子量は特に制限はないが、GPCで測定した場合に、500〜1,000,000の範囲である、3,000〜200,000がより好ましく、5,000〜160,000がさらに好ましく、8,000〜100,000がなおさら好ましい。分子量が低くなりすぎると、(メタ)アクリル系重合体の本来の特性が発現されにくい傾向があり、一方、高くなりすぎると、取り扱いが困難になる傾向がある。
【0044】
(メタ)アクリル系重合体は、一種類、または複数種類の(メタ)アクリル酸エステル系モノマーの(共)重合体であることが好ましいが、(メタ)アクリル酸エステル系モノマーと共重合が可能な他モノマー成分を共重合してもよい。(メタ)アクリル酸エステル系モノマー成分は特に限定されず各種のものを用いることができる。具体的には、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸−n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸−n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸−tert−ブチル、(メタ)アクリル酸−n−ペンチル、(メタ)アクリル酸−n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸−n−ヘプチル、(メタ)アクリル酸−n−オクチル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸トルイル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸−2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸−3−メトキシブチル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸2−アミノエチル、γ−(メタクリロイルオキシプロピル)トリメトキシシラン、(メタ)アクリル酸のエチレンオキサイド付加物、(メタ)アクリル酸トリフルオロメチルメチル、(メタ)アクリル酸2−トリフルオロメチルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロエチルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロエチル−2−パーフルオロブチルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロエチル、(メタ)アクリル酸パーフルオロメチル、(メタ)アクリル酸ジパーフルオロメチルメチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロメチル−2−パーフルオロエチルメチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロヘキシルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロデシルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロヘキサデシルエチル等がある。
【0045】
特に好ましい(メタ)アクリル酸エステルモノマーとしては、アクリル酸アルキルエステルモノマーが挙げられ、具体的には、アクリル酸エチル、アクリル酸2−メトキシエチル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸2−メトキシブチルである。
【0046】
また、(メタ)アクリル酸エステル系モノマーと共重合が可能な他モノマー成分は特に限定されず各種のものを用いることができる。具体的には、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、クロルスチレン、スチレンスルホン酸及びその塩等の芳香族ビニル系モノマー;パーフルオロエチレン、パーフルオロプロピレン、フッ化ビニリデン等のフッ素含有ビニル系モノマー;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等のケイ素含有ビニル系モノマー;無水マレイン酸、マレイン酸、マレイン酸のモノアルキルエステル及びジアルキルエステル;フマル酸、フマル酸のモノアルキルエステル及びジアルキルエステル;マレイミド、メチルマレイミド、エチルマレイミド、プロピルマレイミド、ブチルマレイミド、ヘキシルマレイミド、オクチルマレイミド、ドデシルマレイミド、ステアリルマレイミド、フェニルマレイミド、シクロヘキシルマレイミド等のマレイミド系モノマー;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のニトリル基含有ビニル系モノマー;アクリルアミド、メタクリルアミド等のアミド基含有ビニル系モノマー;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニル、安息香酸ビニル、桂皮酸ビニル等のビニルエステル類;エチレン、プロピレン等のアルケン類;ブタジエン、イソプレン等の共役ジエン類;塩化ビニル、塩化ビニリデン、塩化アリル、アリルアルコール等が挙げられる。これらは、単独で用いても良いし、複数を共重合させても構わない。
【0047】
これらの1分子中に重合性の炭素−炭素二重結合を少なくとも一個有する(メタ)アクリル系重合体は、単独で使用してもよく、2種以上併用してもよい。
【0048】
(メタ)アクリル系重合体は、種々の重合法により得ることができ、特に限定されないが、モノマーの汎用性、制御の容易性等の点からラジカル重合法が好ましく、ラジカル重合の中でも制御ラジカル重合がより好ましい。この制御ラジカル重合法は「連鎖移動剤法」とリビング重合の一種である「リビングラジカル重合法」とに分類することができる。得られるビニル系重合体の分子量、分子量分布の制御が容易であるリビングラジカル重合がさらに好ましく、原料の入手性、重合体末端への官能基導入の容易さから原子移動ラジカル重合が特に好ましい。上記ラジカル重合、制御ラジカル重合、連鎖移動剤法、リビングラジカル重合法、原子移動ラジカル重合は公知の重合法ではあるが、これら各重合法については、たとえば、特開2005−232419号公報や、特開2006−291073号公報などの記載を参照できる。
【0049】
本発明における好ましい合成法の一つである、原子移動ラジカル重合について以下に簡単に説明する。
【0050】
原子移動ラジカル重合では、有機ハロゲン化物、特に反応性の高い炭素−ハロゲン結合を有する有機ハロゲン化物(例えば、α位にハロゲンを有するカルボニル化合物や、ベンジル位にハロゲンを有する化合物)、あるいはハロゲン化スルホニル化合物等が開始剤として用いられることが好ましい。具体的には特開2005−232419号公報段落[0040]〜[0064]記載の化合物が挙げられる。
【0051】
ヒドロシリル化反応可能なアルケニル基を1分子内に2つ以上有するビニル系重合体を得るためには、2つ以上の開始点を持つ有機ハロゲン化物、又はハロゲン化スルホニル化合物を開始剤として用いるのが好ましい。
【0052】
原子移動ラジカル重合において用いられるビニル系モノマーとしては特に制約はなく、上述したビニル系モノマーをすべて好適に用いることができる。
【0053】
重合触媒として用いられる遷移金属錯体としては特に限定されないが、好ましくは周期律表第7族、8族、9族、10族、又は11族元素を中心金属とする金属錯体でありより好ましくは0価の銅、1価の銅、2価のルテニウム、2価の鉄又は2価のニッケルを中心金属とする遷移金属錯体、特に好ましくは銅の錯体が挙げられる。銅の錯体を形成するために使用される1価の銅化合物を具体的に例示するならば、塩化第一銅、臭化第一銅、ヨウ化第一銅、シアン化第一銅、酸化第一銅、過塩素酸第一銅等である。銅化合物を用いる場合、触媒活性を高めるために2,2'−ビピリジル若しくはその誘導体、1,10−フェナントロリン若しくはその誘導体、テトラメチルエチレンジアミン、ペンタメチルジエチレントリアミン若しくはヘキサメチルトリス(2−アミノエチル)アミン等のポリアミン等が配位子として添加される。
【0054】
重合反応は、無溶媒でも可能であるが、各種の溶媒中で行うこともできる。溶媒の種類としては特に限定されず、特開2005−232419号公報段落[0067]記載の溶剤が挙げられる。これらは、単独でもよく、2種以上を併用してもよい。また、エマルジョン系もしくは超臨界流体CO2を媒体とする系においても重合を行うことができる。重合温度は、限定はされないが、0〜200℃の範囲で行うことができ、好ましくは、室温〜150℃の範囲である。
【0055】
(メタ)アクリル系重合体への重合性の炭素−炭素二重結合を導入する方法としては、公知の方法を利用することができる。例えば、特開2004−203932号公報段落[0080]〜[0091]記載の方法が挙げられるが、以下の方法が好ましい。
【0056】
(導入方法1)
一般式(3)の(メタ)アクリル系重合体の末端ハロゲン基を、一般式(4)の重合性の炭素−炭素二重結合を有する化合物で置換する方法。
−CR23X (3)
(式中、R2、R3は、(メタ)アクリル系モノマーのエチレン性不飽和基に結合した基。Xは、塩素、臭素、又は、ヨウ素を表す。)
+-OC(O)C(Ra)=CH2 (4)
(式中、Raは水素、または、炭素数1〜20の有機基を表す。M+はアルカリ金属、または4級アンモニウムイオンを表す。)
【0057】
一般式(3)で表される末端構造を有する(メタ)アクリル系重合体は、上述した有機ハロゲン化物、またはハロゲン化スルホニル化合物を開始剤、遷移金属錯体を触媒として(メタ)アクリル系モノマーを重合する方法、あるいは、ハロゲン化合物を連鎖移動剤として(メタ)アクリル系モノマーを重合する方法により製造されるが、好ましくは前者である。
【0058】
一般式(4)で表される化合物としては特に限定されないが、Raの具体例としては、例えば、−H、−CH3、−CH2CH3、−(CH2nCH3(nは2〜19の整数を表す)、−C65、−CH2OH、−CN、等が挙げられ、好ましくは−H、−CH3である。
【0059】
+はオキシアニオンの対カチオンであり、M+の種類としてはアルカリ金属イオン、具体的にはリチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、および4級アンモニウムイオンが挙げられる。4級アンモニウムイオンとしてはテトラメチルアンモニウムイオン、テトラエチルアンモニウムイオン、テトラベンジルアンモニウムイオン、トリメチルドデシルアンモニウムイオン、テトラブチルアンモニウムイオンおよびジメチルピペリジニウムイオン等が挙げられ、好ましくはナトリウムイオン、カリウムイオンである。一般式(4)のオキシアニオンの使用量は、一般式(3)のハロゲン基に対して、好ましくは1〜5当量、更に好ましくは1.0〜1.2当量である。この反応を実施する溶媒としては特に限定はされないが、求核置換反応であるため極性溶媒が好ましく、例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチルエーテル、アセトン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホリックトリアミド、アセトニトリル、等が用いられる。反応を行う温度は限定されないが、一般に0〜150℃で、重合性の末端基を保持するために好ましくは室温〜100℃で行う。
【0060】
(導入方法2)
末端に水酸基を有する(メタ)アクリル系重合体に一般式(5)で示される化合物を反応させる方法。
XC(O)C(Ra)=CH2 (5)
(式中、Raは水素、または、炭素数1〜20の有機基を表す。Xは塩素、臭素、または水酸基を表す。)
【0061】
(導入方法3)
末端に水酸基を有する(メタ)アクリル系重合体に、ジイソシアネート化合物を反応させ、残存イソシアネート基と下記一般式(6)で示される化合物とを反応させる方法。
HO−Rb−OC(O)C(Ra)=CH2 (6)
(式中、Raは水素、または、炭素数1〜20の有機基を表す。Rbは炭素数2〜20の2価の有機基を表す。)
【0062】
これらの方法の中でも、制御が容易である点から、(導入方法1)が最も好ましい。
【0063】
<光重合開始剤(B)>
本発明の硬化性組成物には、速く硬化させたり、充分な性状の硬化物を得るために光重合開始剤(B)を使用する。
【0064】
光重合開始剤(B)としては、光ラジカル開始剤、光アニオン開始剤、近赤外光重合開始剤等が挙げられ、光ラジカル開始剤、光アニオン開始剤が好ましく、光ラジカル開始剤が特に好ましい。
【0065】
光ラジカル開始剤としては、例えば、アセトフェノン、プロピオフェノン、ベンゾフェノン、キサントール、フルオレイン、ベンズアルデヒド、アンスラキノン、トリフェニルアミン、カルバゾール、3−メチルアセトフェノン、4−メチルアセトフェノン、3−ペンチルアセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、4−メトキシアセトフェノン、3−ブロモアセトフェノン、4−アリルアセトフェノン、p−ジアセチルベンゼン、3−メトキシベンゾフェノン、4−メチルベンゾフェノン、4−クロロベンゾフェノン、4,4'−ジメトキシベンゾフェノン、4−クロロ−4'−ベンジルベンゾフェノン、3−クロロキサントーン、3,9−ジクロロキサントーン、3−クロロ−8−ノニルキサントーン、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインブチルエーテル、ビス(4−ジメチルアミノフェニル)ケトン、ベンジルメトキシケタール、2−クロロチオキサントーン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、ジベンゾイル等が挙げられる。
【0066】
これらのうち、α−ヒドロキシケトン化合物(例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインブチルエーテル、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン等)、フェニルケトン誘導体(例えば、アセトフェノン、プロピオフェノン、ベンゾフェノン、3−メチルアセトフェノン、4−メチルアセトフェノン、3−ペンチルアセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、4−メトキシアセトフェノン、3−ブロモアセトフェノン、4−アリルアセトフェノン、3−メトキシベンゾフェノン、4−メチルベンゾフェノン、4−クロロベンゾフェノン、4,4'−ジメトキシベンゾフェノン、4−クロロ−4'−ベンジルベンゾフェノン、ビス(4−ジメチルアミノフェニル)ケトン等)が好ましい。
【0067】
なお、前記光重合開始剤を使用する場合、必要により、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、ベンゾキノン、パラターシャリーブチルカテコール等の重合禁止剤類を添加することもできる。
【0068】
光重合開始剤(B)の添加量は特に制限はないが、硬化性と貯蔵安定性の点から、(A)成分100重量部に対して、0.001〜10重量部が好ましく、0.01〜5重量部がより好ましい。
【0069】
<過酸化物系重合開始剤(C)>
本発明の過酸化物系開始剤(C)としては、特に限定されるわけではないが、公知の過酸化物を任意に用いることができる。これらの過酸化物系開始剤は単独で用いてもよいし、2種以上併用しても良い。例えば、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の無機化酸化物開始剤や、有機過酸化物開始剤、例えば、t−ブチルハイドロパーオキサイド、p−メンタンハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド等のハイドロパーオキサイド類;t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシデカノエート等のパーオキシエステル類;1,5−ジ−t−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン等のパーオキシケタール類;アセト酢酸エチルパーオキサイド等のケトンパーオキサイド類;過酸化ベンゾイル等のジアシルパーオキサイド類が挙げられる。これらのうち、硬化性と貯蔵安定性の点から、有機過酸化物開始剤が好ましく、ハイドロパーオキサイド類がより好ましい、中でもクメンハイドロパーオキサイドが特に好ましい。
【0070】
(C)成分の配合量としては、硬化性と貯蔵安定性の観点から、(A)成分100重量部に対して、好ましくは0.01〜20重量部、より好ましくは0.1〜10重量部である。
【0071】
<<硬化促進剤(II)>>
以下に硬化促進剤(II)について詳述する。
【0072】
<還元剤(D)>
本発明の還元剤(D)は、先に記載の過酸化物系開始剤(C)に作用し、両者の間で生じる酸化−還元反応によって同過酸化物系重合開始剤よりラジカル活性種を発生し、硬化反応を開始するレドックス重合反応の反応開始剤として使用する。本発明の還元剤(D)は、第4周期の遷移金属化合物(E)とアミン化合物(F)を併用する。
【0073】
還元剤(D)の量は、(A)成分100重量部に対して、0.01〜10重量部であることが好ましい。また、還元剤(D)中の第4周期の遷移金属化合物(E)とアミン化合物(F)の重量比(第4周期の遷移金属化合物/アミン化合物)は1/5〜1/30であることが好ましい。
【0074】
(第4周期の遷移金属化合物(E))
第4周期の遷移金属化合物(E)の金属としては、例えば、銅、亜鉛、アルミニウム、チタニウム、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル等、が上げられ、これらのうちバナジウムを含む金属化合物が好ましい。
【0075】
第4周期の遷移金属化合物(E)としては、コバルト、銅、バナジウムのナフテン酸またはオクチル酸金属石鹸、およびバナジウムのアセチルアセトン錯体から選択される少なくとも1種であることが好ましく、バナジウムのアセチルアセトン錯体が特に好ましい。
【0076】
(アミン化合物(F))
アミン化合物(F)としてはトリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、エチレンジエタノールアミン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,6−ヘキサンジアミン、N−メチルジエタノールアミン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジメチルトルイジン、が挙げられるが、トリブチルアミン、N,N−ジメチルトルイジン、N,N,N´N´−テトラメチル−1,6−へキサンジアミン、N−メチルジエタノールアミンから選択される少なくとも1種であることが好ましく、この中でも硬化速度の観点から特にトリブチルアミンが好ましい。
【0077】
<<その他の配合剤>>
本発明の二液型硬化性液状組成物においては、その成分である硬化性組成物(I)および/または硬化促進剤(II)に目的とする物性に応じて、各種の配合剤を添加しても構わない。
【0078】
<充填材>
本発明の硬化性組成物(I)および/または硬化促進剤(II)には、充填材を必要に応じて用いてもよい。充填材としては、特に限定されないが特開2005−232419号公報段落[0158]記載の充填材が挙げられる。これら充填材のうちでは、結晶性シリカ、溶融シリカ、ドロマイト、カーボンブラック、炭酸カルシウム、酸化チタン、タルク等が好ましい。
【0079】
上記充填材は、目的や必要に応じて単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。硬化性組成物(I)および/または硬化促進剤(II)に充填材を用いる場合の添加量の合計は、硬化性組成物(I)および/または硬化促進剤(II)に含まれる(A)成分合計100重量部に対して、充填材を5〜1000重量部の範囲で使用するのが好ましく、20〜500重量部の範囲で使用するのがより好ましく、40〜300重量部の範囲で使用するのが特に好ましい。配合量が5重量部未満の場合には、硬化物の破断強度、破断伸び、接着性と耐候接着性の改善効果が充分でないことがあり、1000重量部を越えると該硬化性組成物の作業性が低下することがある。
【0080】
<酸化防止剤>
本発明の硬化性組成物(I)および/または硬化促進剤(II)には、各種酸化防止剤を必要に応じて用いてもよい。これらの酸化防止剤としては、p−フェニレンジアミン系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤、ヒンダードフェノール系酸化防止剤や、二次酸化防止剤としてリン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤等が挙げられる。
【0081】
硬化性組成物(I)および/または硬化促進剤(II)に添加される場合の酸化防止剤の合計量は、特に限定されないが、硬化性組成物(I)および/または硬化促進剤(II)に含まれる(A)成分合計100重量部に対して、好ましくは0.1〜10重量部、更に好ましくは0.5〜5重量部の範囲で使用できる。
【0082】
<可塑剤>
本発明の硬化性組成物(I)および/または硬化促進剤(II)には、必要に応じて可塑剤を配合することができる。
可塑剤としては特に限定されないが、物性の調整、性状の調節等の目的により、例えば、特開2005−232419号公報段落[0173]記載の可塑剤が挙げられる。これらの中では、粘度の低減効果が顕著であり、耐熱性試験時における揮散率が低いという点から、ポリエステル系可塑剤、ビニル系重合体が好ましい。また、数平均分子量500〜15000の重合体である高分子可塑剤が、添加することにより、該硬化性組成物の粘度及び該硬化性組成物を硬化して得られる硬化物の引張り強度、伸び等の機械特性が調整できるとともに、重合体成分を分子中に含まない可塑剤である低分子可塑剤を使用した場合に比較して、初期の物性を長期にわたり維持できるため好適である。なお、限定はされないがこの高分子可塑剤は、官能基を有しても有しなくても構わない。
【0083】
上記高分子可塑剤の数平均分子量は、500〜15000と記載したが、好ましくは800〜10000であり、より好ましくは1000〜8000である。分子量が低すぎると熱にさらされたり液体に接した場合に可塑剤が経時的に流出し、初期の物性を長期にわたり維持できないことがある。また、分子量が高すぎると粘度が高くなり、作業性が低下する傾向がある。
【0084】
これらの高分子可塑剤のうちで、ビニル系重合体と相溶するものが好ましい。中でも相溶性及び耐候性、耐熱老化性の点からビニル系重合体が好ましい。ビニル系重合体の中でも(メタ)アクリル系重合体が好ましく、アクリル系重合体がさらに好ましい。このアクリル系重合体の合成法は、従来からの溶液重合で得られるものや、無溶剤型アクリルポリマー等を挙げることができる。後者のアクリル系可塑剤は溶剤や連鎖移動剤を使用せず高温連続重合法(USP4414370、特開昭59−6207号公報、特公平5−58005号公報、特開平1−313522号公報、USP5010166)にて作製されるため、本発明の目的にはより好ましい。その例としては特に限定されないが、東亞合成品UPシリーズ等が挙げられる(工業材料1999年10月号参照)。勿論、他の合成法としてリビングラジカル重合法をも挙げることができる。この方法によれば、その重合体の分子量分布が狭く、低粘度化が可能なことから好ましく、更には原子移動ラジカル重合法がより好ましいが、これに限定されるものではない。
【0085】
高分子可塑剤の分子量分布は特に限定されないが、狭いことが好ましく、1.8未満が好ましい。1.7以下がより好ましく、1.6以下がなお好ましく、1.5以下がさらに好ましく、1.4以下が特に好ましく、1.3以下が最も好ましい。
【0086】
上記高分子可塑剤を含む可塑剤は、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよいが、必ずしも必要とするものではない。また必要によっては高分子可塑剤を用い、物性に悪影響を与えない範囲で低分子可塑剤を更に併用しても良い。なおこれら可塑剤は、重合体製造時に配合することも可能である。
【0087】
硬化性組成物(I)および/または硬化促進剤(II)に可塑剤を用いる場合の合計使用量は、限定されないが、硬化性組成物(I)および/または硬化促進剤(II)に含まれる(A)成分合計100重量部に対して、好ましくは1〜100重量部、より好ましくは5〜50重量部である。1重量部未満では可塑剤としての効果が発現しにくい傾向があり、100重量部を越えると硬化物の機械強度が不足する傾向がある。
【0088】
<反応性希釈剤>
上記可塑剤以外に、本発明においては、次に述べる反応性希釈剤を用いても構わない。反応性希釈剤として、硬化養生中に揮発し得るような低沸点の化合物を用いた場合は、硬化前後で形状変化を起こしたり、揮発物により環境にも悪影響を及ぼしたりすることから、常温での沸点が100℃以上である有機化合物が特に好ましい。
【0089】
反応性希釈剤の具体例としては、1−オクテン、4−ビニルシクロヘキセン、酢酸アリル、1,1−ジアセトキシ−2−プロペン、1−ウンデセン酸メチル、8−アセトキシ−1,6−オクタジエン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0090】
硬化性組成物(I)及び/又は硬化促進剤(II)に反応性希釈剤を用いる場合の添加量の合計は、硬化性組成物(I)及び/又は硬化促進剤(II)に含まれる(A)成分合計100重量部に対し、好ましくは0.1〜100重量部、より好ましくは0.5〜70重量部、さらに好ましくは1〜50重量部である。
【0091】
<光安定剤>
本発明の硬化性組成物(I)および/または硬化促進剤(II)には、必要に応じて光安定剤を添加しても良い。光安定剤は各種のものが知られており、例えば大成社発行の「酸化防止剤ハンドブック」、シーエムシー化学発行の「高分子材料の劣化と安定化」(235〜242)等に記載された種々のものが挙げられるが、これらに限定されるわけではない。
【0092】
特に限定はされないが、光安定剤の中でも、紫外線吸収剤が好ましく、具体的には、チヌビンP、チヌビン234、チヌビン320、チヌビン326、チヌビン327、チヌビン329、チヌビン213(以上いずれも日本チバガイギー社製)等のようなベンゾトリアゾール系化合物やチヌビン1577等のようなトリアジン系、CHIMASSORB81等のようなベンゾフェノン系、チヌビン120(日本チバガイギー社製)等のようなベンゾエート系化合物等が例示できる。
【0093】
また、ヒンダードアミン系化合物も好ましく、そのような化合物は具体的には特開2006−274084号公報記載のものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。更には紫外線吸収剤とヒンダードアミン系化合物の組み合わせはより効果を発揮することがあるため、特に限定はされないが併用しても良く、併用することが好ましいことがある。
【0094】
光安定剤は前述した酸化防止剤と併用してもよく、併用することによりその効果を更に発揮し、特に耐候性が向上することがあるため特に好ましい。予め光安定剤と酸化防止剤を混合してあるチヌビンC353、チヌビンB75(以上いずれも日本チバガイギー社製)などを使用しても良い。
【0095】
硬化性組成物(I)および/または硬化促進剤(II)に使用する場合の光安定剤の添加量の合計は、硬化性組成物(I)および/または硬化促進剤(II)に含まれる(A)成分合計100重量部に対して0.1〜10重量部の範囲であることが好ましい。0.1重量部未満では耐候性を改善の効果が少なく、10重量部超では効果に大差がなく経済的に不利である。
【0096】
<接着性付与剤>
本発明の硬化性組成物(I)および/または硬化促進剤(II)にさらに基材接着性を向上させる目的で接着性付与剤を添加することができる、接着性付与剤としては、架橋性シリル基含有化合物、極性基を有するビニル系単量体が好ましく、更にはシランカップリング剤、酸性基含有ビニル系単量体が好ましい。これらを具体的に例示すると、特開2005−232419号公報段落[0184]記載の接着性付与剤が挙げられる。
【0097】
シランカップリング剤としては、分子中にエポキシ基、イソシアネート基、イソシアヌレート基、カルバメート基、アミノ基、メルカプト基、カルボキシル基、ハロゲン基、(メタ)アクリル基等の、炭素原子及び水素原子以外の原子を有する有機基と、架橋性シリル基を併せ持つシランカップリング剤を用いることができる。
【0098】
これらを具体的に例示すると、特開2005−232419号公報段落[0185]記載の炭素原子及び水素原子以外の原子を有する有機基と、架橋性シリル基を併せ持つシランカップリング剤が挙げられる。これらの中でも、硬化性及び接着性の点から、分子中にエポキシ基あるいは(メタ)アクリル基を有するアルコキシシラン類がより好ましい。
【0099】
極性基を有するビニル系単量体としては、カルボキシル基含有単量体としては(メタ)アクリル酸、アクリロキシプロピオン酸、シトラコン酸、フマル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸またはそのエステル類、無水マレイン酸およびその誘導体等が挙げられる。上記、ガルボキシル基含有単量体のエステル類としては2−(メタ)アクリロイルキシエチルコハク酸、2−(メタ)アクリロイルキシエチルヘキサヒドロフタル酸等が挙げられる。また、スルホン酸基含有単量体としては、ビニルスルホン酸、(メタ)アクリルスルホン酸、アリルスルホン酸、スチレンスルホン酸、ビニルベンゼンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン類又はその塩類を挙げることができる。更に、リン酸基含有単量体としては、2−((メタ)アクリロイルシエチルホスフェート)、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシ−3−クロロプロピルフォスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルフェニルフォスフェート等が挙げられる。中でもリン酸基含有単量体が好ましい。また、該単量体は2個以上の重合性基を有してしても構わない。
【0100】
シランカップリング剤、極性基含有ビニル系単量体以外の接着性付与剤の具体例としては、特に限定されないが、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、変性フェノール樹脂、シクロペンタジエン−フェノール樹脂、キシレン樹脂、クマロン樹脂、石油樹脂、テルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂、ロジンエステル樹脂硫黄、アルキルチタネート類、芳香族ポリイソシアネート等が挙げられる。
【0101】
上記接着性付与剤は、硬化性組成物(I)および/または硬化促進剤(II)に含まれる(A)成分合計100重量部に対して、0.01〜20重量部配合するのが好ましい。0.01重量部未満では接着性の改善効果が小さく、20重量部を越えると硬化物の物性が低下し易い傾向がある。好ましくは0.1〜10重量部であり、更に好ましくは0.5〜5重量部である。
【0102】
上記接着性付与剤は1種類のみで使用しても良いし、2種類以上混合使用しても良い。
【0103】
<溶剤>
本発明の硬化性組成物(I)および/または硬化促進剤(II)には、必要に応じて溶剤を配合することができる。配合できる溶剤としては、例えばトルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル、酢酸セロソルブ等のエステル系溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン等のケトン系溶剤等が挙げられる。これらの溶剤は重合体の製造時に用いてもよい。
【0104】
<その他の添加剤>
本発明の硬化性組成物(I)および/または硬化促進剤(II)には、硬化性組成物又はその硬化物の諸物性の調整を目的として、必要に応じて各種添加剤を添加してもよい。このような添加物の例としては、たとえば、難燃剤、老化防止剤、ラジカル禁止剤、金属不活性化剤、オゾン劣化防止剤、リン系過酸化物分解剤、滑剤、顔料、発泡剤、などがあげられる。これらの各種添加剤は単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。このような添加物の具体例は、たとえば、特公平4−69659号公報、特公平7−108928号公報、特開昭63−254149号公報、特開昭64−22904号公報の各明細書などに記載されている。
【0105】
<<硬化性組成物(I)と硬化促進剤(II)の塗布量>>
硬化性組成物(I)と硬化促進剤(II)をそれぞれ貼り合わせ基材(透光性保護カバー、画像表示モジュール等)に塗布する際の、塗布量の比は、対象となる暗部においては、硬化性組成物(I)と硬化促進剤(II)の重量比、すなわち、硬化性組成物(I)/硬化促進剤(II)が0.1〜100が好ましく、より好ましくは1〜50になるように、硬化性組成物成分(I)と硬化促進剤(II)を貼り合わせ基材に塗布するのが好ましい。
【0106】
FPD貼り合わせ用光硬化性組成物
本発明の二液型光硬化性組成物はFPD貼り合わせ用として使用することが出来る。FPDの貼り合わせの方法は、具体的には、例えば図3〜6に示すように、硬化促進剤(II)を、透光性保護カバーおよび/または画像表示モジュールの、透光性保護カバーと画像表示モジュールを貼り合わせた際に光の到達しない暗部になる部分のみに塗布し、貼り合わせ基材(透光性保護カバー、画像表示モジュール等)上への硬化性組成物(I)の塗布、貼り合わせ基材の重ね合わせ、レドックス重合反応による硬化の工程および光による硬化の工程をふむことが好ましい。
【0107】
貼り合わせ基材は、透光性保護カバーと画像表示モジュールであるが、透光性保護カバーとは、特に限定されないが、画面表示モジュールの上に配置される、例えばポリエステル樹脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート樹脂等の樹脂製、またはガラス製のカバーであり、画面表示モジュール表面の傷つきや、落下時の破損から保護する機能を果たすと共に、意匠性を持たせる機能を持つ。透光性保護カバーの形状、構造は特に限定されず、例えば、数種の樹脂からなる多層構造を有しても良いし、単一素材形成される単層構造でも良い。また、必要に応じて保護カバー表面に指紋付着防止、光反射防止、映りこみ・ぎらつき防止のためにコーティングやフィルム貼り付けがされていても良く、また、保護カバーにタッチパネル機能を付与されたもの、保護カバーとタッチパネルが貼り合わせられたものでも良い。画像表示モジュールとは、特に限定されないが、公知の物を広く用いることができ、例えば、液晶モジュール、有機ELモジュール、プラズマディスプレイモジュール等である。また、必要に応じて、画像表示モジュールに、タッチパネルが付与されたもの、画像表示モジュールにタッチパネルが貼り合わされたものでも良い。
【0108】
<<用途>>
本発明の二液型光硬化性組成物が用いられる部位としては、特に限定はないが、タッチパネルや携帯電話の液晶、有機ELもしくは有機TFT画面、コンピューターの液晶、有機ELもしくは有機TFT画面、カーナビの液晶、有機ELもしくは有機TFT画面、液晶、有機ELもしくは有機TFTテレビディスプレイ等が挙げられる。
【0109】
本発明は、上記FPD貼り合わせ用硬化性組成物を塗布、硬化させて得られるフラットパネルディスプレイを搭載した電気・電子機器を包含する。
【実施例】
【0110】
以下に、具体的な実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明は、下記実施例に限定されるものではない。
【0111】
<数平均分子量、分子量分布の測定方法>
「数平均分子量」及び「分子量分布(重量平均分子量と数平均分子量の比)」は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いた標準ポリスチレン換算法により算出した。GPCカラムとしてはポリスチレン架橋ゲルを充填したもの(shodex GPC K−804およびK−802.5;昭和電工(株)製)、GPC溶媒としてクロロホルムを用いた。
【0112】
<重合体1分子あたりの官能基数の測定方法>
重合体1分子あたりの官能基数は、1H‐NMRにより官能基濃度を分析することより算出した。
【0113】
<光重合反応による硬化性の判定方法>
硬化性組成物(I)を直径25mmのポリエチレン製容器に液高さが約5mmになるように注入後、UV照射装置(ライトハンマー6、Fusion UV system Japan社製)を用いて365nmでの積算光量が6000mJ/cm2になるようにUV光を照射した後、該硬化性組成物(I)が硬化しているかを確認した。UV光の照射用ランプには無電極ランプバルブ(Hバルブ、Fusion UV system Japan社製)を用いた。
【0114】
<レドックス重合反応による硬化性の判定方法>
硬化性組成物(I)と硬化促進剤(II)を任意の比率で直径25mmのポリエチレン容器に注入後、攪拌混合し、硬化までの時間を測定した。
【0115】
<末端に(メタ)アクリロイルオキシ基を有する(メタ)アクリル系重合体の製造>
(製造例1〜2)
各原料の使用量を表1に示す。
(1)重合工程
アクリル酸n−ブチルを脱酸素した。攪拌機付ステンレス製反応容器の内部を脱酸素し、臭化第一銅、全アクリル酸n−ブチルの一部(表1では初期仕込みモノマーとして記載)を仕込み、加熱攪拌した。アセトニトリル(表1では重合用アセトニトリルと記載)、開始剤としてジエチル−2,5−ジブロモアジペート(DBAE)またはα−ブロモ酪酸エチル(EBB)を添加、混合し、混合液の温度を約80℃に調節した段階でペンタメチルジエチレントリアミン(以下、トリアミンと略す)を添加し、重合反応を開始した。残りのアクリル酸n−ブチル(表1では追加モノマーとして記載)を逐次添加し、重合反応を進めた。重合途中、適宜トリアミンを追加し、重合速度を調整した。重合時に使用したトリアミンの総量を重合用トリアミンとして表2に示す。重合が進行すると重合熱により内温が上昇するので内温を約80℃〜約90℃に調整しながら重合を進行させた。
(2)酸素処理工程
モノマー転化率(重合反応率)が約95%以上の時点で反応容器気相部に酸素−窒素混合ガスを導入した。内温を約80℃〜約90℃に保ちながらしながら反応液を数時間加熱攪拌して反応液中の重合触媒と酸素を接触させた。アセトニトリル及び未反応のモノマーを減圧脱揮して除去し、重合体を含有する濃縮物を得た。濃縮物は著しく着色していた。
(3)第一粗精製
酢酸ブチルを重合体の希釈溶媒として使用した。重合体100kgに対して100〜150kg程度の酢酸ブチルで(2)の濃縮物を希釈し、ろ過助剤(ラジオライトR900、昭和化学工業(株)製)を添加した。反応容器気相部に酸素−窒素混合ガスを導入した後、約80℃で数時間加熱攪拌した。不溶な触媒成分をろ過除去した。ろ液は重合触媒残渣によって着色および若干の濁りを有していた。
(4)第二粗精製
ろ液を攪拌機付ステンレス製反応容器に仕込み、吸着剤(キョーワード700SEN、キョーワード500SH)を添加した。気相部に酸素−窒素混合ガスを導入して約100℃で数時間加熱攪拌した後、吸着剤等の不溶成分をろ過除去した。ろ液はほとんど無色透明な清澄液であった。ろ液を濃縮し、ほぼ無色透明の重合体を得た。
(5)(メタ)アクリロイル基導入工程
重合体100kgをN,N−ジメチルアセトアミド(DMAC)約100kgに溶解し、アクリル酸カリウム(末端Br基に対して約2モル当量)、熱安定剤(H−TEMPO:4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−n−オキシル)、吸着剤(キョーワード700SEN)、を添加し、約70℃で数時間加熱攪拌した。DMACを減圧留去し、重合体濃縮物を重合体100kgに対して約100kgのトルエンで希釈し、ろ過助剤を添加して固形分をろ別し、ろ液を濃縮し、末端にアクリロイル基を有する重合体[P1]、[P2]を得た。得られた重合体の1分子あたりに導入されたアクリロイル基数、数平均分子量、分子量分布を併せて表1に示す。
【0116】
【表1】
【0117】
(実施例1)
(A)成分として製造例1で得られた重合体[P1]50g、製造例2で得られた重合体[P2]50g、2−ヒドロキシエチルアクリレート(商品名ライトエステルHOA、共栄社化学株式会社製)10g、テトラヒドロフルフリルアクリレート(商品名ライトエステルTHF−A、共栄社化学株式会社製)10g、ジシクロペンタニルメタクリレ−ト(商品名FA−513M、日立化成工業株式会社製)10g、(B)成分として、DAROCUR1173(2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−1−プロパン−1−オン、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製)0.8gと、Lucirin TPO(2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルフォスフィンオキサイド、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製)0.1g、(C)成分として、クメンヒドロキシパーオキサイド(商品名パークミルH、日油株式会社製)0.65g、を十分攪拌混合して、硬化性組成物(I)を調製した。また、(D)成分として、バナジウムアセチルアセトナート錯体(V(acac)3、シグマ−アルドリッチ社製)1g、トリブチルアミン(TBA、和光純薬工業株式会社製)10g、その他の成分として、ジメチルアクリルアミド(DMAA、株式会社興人社製)9g、製造例1で得られた重合体[P1]40g、製造例2で得られた重合体[P2]60g、ライトエステルHOA10g、ライトエステルTHF−A5g、FA−513M5gを充分攪拌混合して硬化促進剤(II)を調製した。上記の硬化性組成物(I)のみをUV照射したところ問題なく硬化することを確認した。また硬化性組成物(I)と硬化促進剤(II)を重量比10対1で攪拌混合したところ5分で硬化した。
【0118】
得られた硬化性組成物(I)をITOガラスの中央に塗布し、硬化性組成物(II)をITOガラスに塗布し貼り合わせた(図1)。24時間室温で放置した後、図2の様にITOガラスの抵抗値をテスターで測定し、気温65℃湿度90%の環境に1週間暴露したところ抵抗値は283Ωから286Ωへとほとんど変化しなかった。結果を表2に示す。
【0119】
(実施例2)
実施例1で得られた硬化性組成物(I)を用い、(D)成分として、バナジウムアセチルアセトナート錯体(V(acac)3、シグマ−アルドリッチ社製)1g、N,N,N´N´−テトラメチルヘキサンジアミン(和光純薬工業株式会社製)10g、その他の成分として、ジメチルアクリルアミド(DMAA、株式会社興人社製)9g、製造例1で得られた重合体[P1]40g、製造例2で得られた重合体[P2]60g、ライトエステルHOA10g、ライトエステルTHF−A5g、FA−513M5gを充分攪拌混合して硬化促進剤(II)を調製した。
【0120】
上記の硬化性組成物(I)のみをUV照射したところ問題なく硬化することを確認した。また硬化性組成物(I)と硬化促進剤(II)を重量比10対1で攪拌混合したところ5分で硬化した。結果を表2に示す。
【0121】
(実施例3)
硬化性組成物(I)として、実施例1で得られた硬化性組成物(I)を用いた。また、(D)成分として、バナジウムアセチルアセトナート錯体(V(acac)3、シグマ−アルドリッチ社製)1g、N−メチルジエタノールアミン(和光純薬工業社製)10g、その他の成分として、ジメチルアクリルアミド(DMAA、興人社製)9g、製造例1で得られた重合体[P1]40g、製造例2で得られた重合体[P2]60g、ライトエステルHOA10g、ライトエステルTHF−A5g、FA−513M5gを充分攪拌混合して硬化促進剤(II)を調製した。
【0122】
上記の硬化性組成物(I)のみをUV照射したところ問題なく硬化することを確認した。また硬化性組成物(I)と硬化促進剤(II)を重量比10対1で攪拌混合したところ5分で硬化した。結果を表2に示す。
【0123】
(実施例4)
硬化性組成物(I)として、実施例1で得られた硬化性組成物(I)を用いた。また、(D)成分として、バナジウムアセチルアセトナート錯体(V(acac)3、シグマ−アルドリッチ社製)1g、N,N´−ジメチルアニリン(和光純薬工業社製)10g、その他の成分として、ジメチルアクリルアミド(DMAA、興人社製)9g、製造例1で得られた重合体[P1]40g、製造例2で得られた重合体[P2]60g、ライトエステルHOA10g、ライトエステルTHF−A5g、FA−513M5gを充分攪拌混合して硬化促進剤(II)を調製した。
【0124】
上記の硬化性組成物(I)のみをUV照射したところ問題なく硬化することを確認した。また硬化性組成物(I)と硬化促進剤(II)を重量比10対1で攪拌混合したところ15分で硬化した。結果を表2に示す。
【0125】
(実施例5)
硬化性組成物(I)として、実施例1で得られた硬化性組成物(I)を用いた
。また、(D)成分として、バナジウムアセチルアセトナート錯体(V(acac)3、シグマ−アルドリッチ社製)1g、ジメチル-p-トルイジン(和光純薬工業社製)10g、その他の成分として、ジメチルアクリルアミド(DMAA、興人社製)9g、製造例1で得られた重合体[P1]40g、製造例2で得られた重合体[P2]60g、ライトエステルHOA10g、ライトエステルTHF−A5g、FA−513M5gを充分攪拌混合して硬化促進剤(II)を調製した。
【0126】
上記の硬化性組成物(I)のみをUV照射したところ問題なく硬化することを確認した。また硬化性組成物(I)と硬化促進剤(II)を重量比10対1で攪拌混合したところ30分で硬化した。結果を表2に示す。
【0127】
(実施例6)
硬化性組成物(I)として、実施例1で得られた硬化性組成物(I)を用いた。また、(D)成分として、バナジウムアセチルアセトナート錯体(V(acac)3、シグマ−アルドリッチ社製)1g、エチレンチオ尿素(東京化成工業株式会社製)10g、その他の成分として、ジメチルアクリルアミド(DMAA、興人社製)9g、製造例1で得られた重合体[P1]40g、製造例2で得られた重合体[P2]60g、ライトエステルHOA10g、ライトエステルTHF−A5g、FA−513M5gを充分攪拌混合して硬化促進剤(II)を調製した。
【0128】
上記の硬化性組成物(I)のみをUV照射したところ問題なく硬化することを確認した。また硬化性組成物(I)と硬化促進剤(II)を重量比10対1で攪拌混合したところ5分で硬化した。結果を表2に示す。
【0129】
(比較例1)
硬化性組成物(I)として、実施例1で得られた硬化性組成物(I)を用いた。また、(D)成分として、バナジウムアセチルアセトナート錯体(V(acac)3、シグマ−アルドリッチ社製)1g、その他の成分として、ジメチルアクリルアミド(DMAA、興人社製)9g、製造例1で得られた重合体[P1]40g、製造例2で得られた重合体[P2]60g、ライトエステルHOA10g、ライトエステルTHF−A5g、FA−513M5gを充分攪拌混合して硬化促進剤(II)を調製した。
【0130】
上記の硬化性組成物(I)のみをUV照射したところ問題なく硬化することを確認した。また硬化性組成物(I)と硬化促進剤(II)を重量比10対1で攪拌混合したところ増粘するにとどまった。結果を表2に示す。
【0131】
(比較例2)
硬化性組成物(I)として、実施例1で得られた硬化性組成物(I)を用いた。また、(D)成分として、トリブチルアミン(TBA、和光純薬工業社製)10gその他の成分として、製造例1で得られた重合体[P1]40g、製造例2で得られた重合体[P2]60g、ライトエステルHOA10g、ライトエステルTHF−A5g、FA−513M5gを充分攪拌混合して硬化促進剤(II)を調整した。
【0132】
上記の硬化性組成物(I)のみをUV照射したところ問題なく硬化することを確認した。また硬化性組成物(I)と硬化促進剤(II)を重量比10対1で攪拌混合したところ硬化しなかった。結果を表2に示す。
【0133】
(比較例3)
硬化性組成物(I)として、実施例1で得られた硬化性組成物(I)を用いた。また、(D)成分として、バナジウムアセチルアセトナート錯体(V(acac)3、シグマ−アルドリッチ社製)1g、ナフテン酸銅(関東化学株式会社製)1gその他の成分として、製造例1で得られた重合体[P1]40g、製造例2で得られた重合体[P2]60g、ライトエステルHOA10g、ライトエステルTHF−A5g、FA−513M5gを充分攪拌混合して硬化促進剤(II)を調製した。
【0134】
上記の硬化性組成物(I)のみをUV照射したところ問題なく硬化することを確認した。また硬化性組成物(I)と硬化促進剤(II)を重量比10対1で攪拌混合したところ硬化しなかった。結果を表2に示す。
【0135】
(比較例4)
硬化性組成物(I)として、実施例1で得られた硬化性組成物(I)を用いた。また、(D)成分として、バナジウムアセチルアセトナート錯体(V(acac)3、シグマ−アルドリッチ社製)1g、L(+)-アスコルビン酸(和光純薬工業株式会社)1gその他の成分として、製造例1で得られた重合体[P1]40g、製造例2で得られた重合体[P2]60g、ライトエステルHOA10g、ライトエステルTHF−A5g、FA−513M5gを充分攪拌混合して硬化促進剤(II)を調製した。
【0136】
上記の硬化性組成物(I)のみをUV照射したところ問題なく硬化することを確認した。また硬化性組成物(I)と硬化促進剤(II)を重量比10対1で攪拌混合したところ硬化しなかった。結果を表2に示す。
【0137】
(比較例5)
硬化性組成物(I)として、実施例1で得られた硬化性組成物(I)を用いた。また、(D)成分として、バナジウムアセチルアセトナート錯体(V(acac)3、シグマ−アルドリッチ社製)1g、ペンタエリスリトールテトラキス (3-メルカプトプロピオネート)(SC有機化学社製)1gその他の成分として、製造例1で得られた重合体[P1]40g、製造例2で得られた重合体[P2]60g、ライトエステルHOA10g、ライトエステルTHF−A5g、FA−513M5gを充分攪拌混合して硬化促進剤(II)を調製した。
【0138】
上記の硬化性組成物(I)のみをUV照射したところ問題なく硬化することを確認した。また硬化性組成物(I)と硬化促進剤(II)を重量比10対1で攪拌混合したところ10分で硬化した。得られた硬化性組成物(I)をITOガラスの中央に塗布し、硬化性組成物(II)をITOガラスに塗布し貼り合わせた(図1)。24時間室温で放置し図2の様にITOガラスの抵抗値をテスターで測定し気温65℃湿度90%の環境に1週間暴露した後、再度抵抗値を測定したところ、抵抗値が293Ωからテスターの測定限界以上の値まで上昇した。結果を表2に示す。
【0139】
(比較例6)
硬化性組成物(I)として、実施例1で得られた硬化性組成物(I)を用いた。また、(D)成分として、バナジウムアセチルアセトナート錯体(V(acac)3、シグマ−アルドリッチ社製)1g、ドデシルメルカプタン(東京化成工業株式会社製)5gその他の成分として、製造例1で得られた重合体[P1]40g、製造例2で得られた重合体[P2]60g、ライトエステルHOA10g、ライトエステルTHF−A5g、FA−513M5gを充分攪拌混合して硬化促進剤(II)を調製した。
【0140】
上記の硬化性組成物(I)のみをUV照射したところ問題なく硬化することを確認した。また硬化性組成物(I)と硬化促進剤(II)を重量比10対1で攪拌混合したところ10分で硬化した。得られた硬化性組成物(I)をITOガラスの中央に塗布し、硬化性組成物(II)をITOガラスに塗布し貼り合わせた(図1)。24時間室温で放置し図2の様にITOガラスの抵抗値をテスターで測定し気温65℃湿度90%の環境に1週間暴露した後、再度抵抗値を測定したところ、抵抗値が295 Ωからテスターの測定限界以上の値まで上昇した。結果を表2に示す。
【0141】
(実施例7)
実施例1で得られた硬化促進剤(II)を図3に示すように50mm×70mm×0.7mmのガラス板(周縁部に光を遮断する暗部として幅5mm、厚み約30μmの黒枠塗装をしたもの;ブラックプリント付ガラス板)の黒枠塗装部分(暗部)に0.03g塗布した後、硬化性組成物(I)を黒枠塗装されていない部位に0.7g塗布し、図4に示すように3.5インチ液晶モジュール(型番:LQ035QDG01,シャープ社製)と重ね合わせた。上記のブラックプリント付きガラス板と3.5インチ液晶モジュールを特定の厚みとなるように重ね合わせた後に(図5)10分放置の上、UV照射装置(ライトハンマー6、Fusion UV system Japan社製)を用いて365nmでの積算光量が6000mJ/cm2になるようにUV光を照射した(図6)。UV光照射直後に、ブラックプリント付ガラス板と3.5インチ液晶モジュールを剥離し、光を透過する部分の(透光部)に存在する上記の硬化性組成物(I)が硬化しているかを確認した。なお、UV光の照射用ランプには無電極ランプバルブ(Hバルブ、Fusion UV system Japan社製)を用いた。
【0142】
上記貼り合わせサンプルを23℃、50%相対湿度で1時間養生した後、爪楊枝をガラスの端部から差込み、暗部の硬化性組成物(I)と硬化促進剤(II)が硬化していることを確認した。結果を表3に示す。
【0143】
(比較例7)
比較例1で得られた硬化促進剤(II)を図3に示すように50mm×70mm×0.7mmのガラス板(周縁部に光を遮断する暗部として幅5mm、厚み約30μmの黒枠塗装をしたもの;ブラックプリント付ガラス板)の黒枠塗装部分(暗部)に0.03g塗布した後、硬化性組成物(I)を黒枠塗装されていない部位に0.7g塗布し、図4に示すように3.5インチ液晶モジュール(型番:LQ035QDG01,シャープ社製)と重ね合わせた。上記のブラックプリント付きガラス板と3.5インチ液晶モジュールを特定の厚みとなるように重ね合わせた後に(図5)10分放置の上、UV照射装置(ライトハンマー6、Fusion UV system Japan社製)を用いて365nmでの積算光量が6000mJ/cm2になるようにUV光を照射した(図6)。UV光照射直後に、ブラックプリント付ガラス板と3.5インチ液晶モジュールを剥離し、光を透過する部分の(透光部)に存在する上記の硬化性組成物(I)が硬化しているかを確認した。なお、UV光の照射用ランプには無電極ランプバルブ(Hバルブ、Fusion UV system Japan社製)を用いた。
【0144】
上記貼り合わせサンプルを23℃、50%相対湿度で1時間養生した後、爪楊枝をガラスの端部から差込み、暗部の硬化性組成物(I)と硬化促進剤(II)が硬化していないことを確認した。結果を表3に示す。
【0145】
(比較例8)
比較例2で得られた硬化促進剤(II)を図3に示すように50mm×70mm×0.7mmのガラス板(周縁部に光を遮断する暗部として幅5mm、厚み約30μmの黒枠塗装をしたもの;ブラックプリント付ガラス板)の黒枠塗装部分(暗部)に0.03g塗布した後、硬化性組成物(I)を黒枠塗装されていない部位に0.7g塗布し、図4に示すように3.5インチ液晶モジュール(型番:LQ035QDG01,シャープ社製)と重ね合わせた。上記のブラックプリント付きガラス板と3.5インチ液晶モジュールを特定の厚みとなるように重ね合わせた後に(図5)10分放置の上、UV照射装置(ライトハンマー6、Fusion UV system Japan社製)を用いて365nmでの積算光量が6000mJ/cm2になるようにUV光を照射した(図6)。UV光照射直後に、ブラックプリント付ガラス板と3.5インチ液晶モジュールを剥離し、光を透過する部分の(透光部)に存在する上記の硬化性組成物(I)が硬化しているかを確認した。なお、UV光の照射用ランプには無電極ランプバルブ(Hバルブ、Fusion UV system Japan社製)を用いた。
【0146】
上記貼り合わせサンプルを23℃、50%相対湿度で1時間養生した後、爪楊枝をガラスの端部から差込み、暗部の硬化性組成物(I)と硬化促進剤(II)が硬化していないことを確認した。結果を表3に示す。
【0147】
【表2】
【0148】
【表3】
【0149】
実施例1〜6と比較例1〜2との比較から、還元剤(D)として第4周期の遷移金属化合物(E)とアミン化合物(F)を併用することで室温下でも速やかに硬化する樹脂組成物を提供することができる。実施例1〜6と比較例3〜4の比較から、還元剤の組み合わせの中でも特に第4周期の遷移金属化合物とアミンを組み合わせることが硬化速度の点で効果を発揮し、その他の還元剤の組み合わせは効果的でないことが示された。
【0150】
また実施例1と比較例5、6の比較からメルカプタン類も硬化速度の上昇に効果的であるが、それらを含む樹脂組成物はITOガラスを腐食し抵抗値を上昇させるがことが示され、一方でトリブチルアミンはITOガラスの腐食に影響を及ぼさず硬化速度のみ上昇させることが示された。さらに実施例7および比較例7、8の比較から、あらかじめ暗部に限定的に塗布したのちに、硬化性組成物(I)を硬化促進剤(II)と接触しないように塗布し、硬化性組成物(I)が拡散することで硬化促進剤(II)と接触した後に光照射するFPD貼り合わせの方法において、硬化促進剤(II)の還元剤(D)として第4周期の遷移金属化合物(E)とアミン化合物(F)の両方を用いることで、暗部速やかに硬化可能なFPD貼り合わせ用二液型光硬化性組成物を提供することができる。
【産業上の利用可能性】
【0151】
本発明によれば、光により速硬化可能で、FPD作動性に影響を及ぼす恐れがなく、かつ光の当たらない暗部についても速やかに硬化する二液型光硬化性組成物、さらには、それを塗布硬化させて得られるFPDを搭載した電気・電子機器を提供することができる。
【符号の説明】
【0152】
1.硬化性組成物(I)
2.素ガラス
3.硬化促進剤(II)
4.ITOガラス
5.抵抗値測定点
6.カバーガラス
7.暗部
8.液晶モジュール
9.レドックス硬化部
10.光硬化部
図1
図2
図3
図4
図5
図6