(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
印刷用紙に印刷処理を施す印刷装置と、該印刷装置に対して前記印刷用紙の搬送方向上流側に接続され、前記印刷装置に前記印刷用紙を送り出す前処理装置とを備えた印刷システムにおいて、
前記印刷装置が、前記前処理装置から送り出された前記印刷用紙の全体または一部が前記印刷装置に未達であることを検出した際、仮想ジャム情報を前記前処理装置に出力する仮想ジャム情報出力部を備え、
前記前処理装置が、前記仮想ジャム情報を受け付け、かつ前記前処理装置において前記印刷装置に未達の印刷用紙のジャムが検出されていない場合を仮想的なジャム発生として認識する仮想ジャム認識部を備え、
前記仮想ジャム認識部によって前記仮想的なジャム発生が認識された場合に、ジャム検出位置が前記前処理装置であることを示す表示を行うジャム検出位置表示部を備えたことを特徴とする印刷システム。
前記前処理装置が、前記仮想的なジャムの解除を検出し、前記印刷装置に対してジャム解除情報を出力するジャム解除検出部を備えたものであることを特徴とする請求項1記載の印刷システム。
印刷用紙に印刷処理を施す印刷装置と、該印刷装置に対して前記印刷用紙の搬送方向下流側に接続され、前記印刷装置から送り出された前記印刷用紙を受け入れる後処理装置とを備えた印刷システムにおいて、
前記後処理装置が、前記印刷装置から送り出された前記印刷用紙の全体または一部が前記後処理装置に未達であることを検出した際、仮想ジャム情報を前記印刷装置に出力する仮想ジャム情報出力部を備え、
前記印刷装置が、前記仮想ジャム情報を受け付け、かつ前記印刷装置において前記後処理装置に未達の印刷用紙のジャムが検出されていない場合を仮想的なジャム発生として認識する仮想ジャム認識部を備え、
前記仮想ジャム認識部によって前記仮想的なジャム発生が認識された場合に、ジャム検出位置が前記印刷装置であることを示す表示を行うジャム検出位置表示部を備えたことを特徴とする印刷システム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、印刷装置の機械的な構成によっては、
図1に示す範囲R1に滞留した印刷用紙を印刷装置側から除去することが難しく、前処理装置側からの方が印刷用紙を除去し易い場合がある。このような場合には、前処理装置側におけるジャム解除を促すような表示をユーザに対して行うことが望ましい。
【0009】
しかしながら、従来、印刷用紙のジャム検出は、前処理装置と印刷装置とで別々のマイコンによって制御されるものであるため、上述したように前処理装置側において印刷用紙が正常に送り出されたと判断された場合、すなわち、前処理装置側ではジャムは発生していないと判断された場合、前処理装置側におけるジャム解除を促すような表示をユーザに対して行うことはできなかった。
【0010】
なお、
図1に示す範囲R1に印刷用紙が滞留した場合、印刷装置側で印刷用紙の未達を検出して前処理装置のジャム位置を表示することも考えられるが、この場合においても、印刷装置側で前処理装置におけるジャム解除を認識することができず、ジャム位置の表示を解除することができないという問題がある。
【0011】
また、印刷装置の出口先(
図1に示す範囲R2)に印刷用紙が滞留した場合も同様に、後処理装置側から印刷用紙を除去することが難しく、印刷装置側からの方が印刷用紙を除去し易い場合がある。このような場合も、印刷装置側におけるジャム解除を促すような表示をユーザに対して行うことが望ましい。
【0012】
しかしながら、上述したように印刷用紙のジャム検出は、印刷装置と後処理装置とで別々のマイコンによって制御されるものであるため、印刷装置側において印刷用紙が正常に送り出されたと判断された場合、すなわち、印刷装置側ではジャムは発生していないと判断された場合、印刷装置側におけるジャム解除を促すような表示をユーザに対して行うことはできなかった。
【0013】
なお、特許文献1には、印刷装置内において印刷用紙のジャムが発生した場合に、そのジャムの位置を表示することが開示されているが、上述したような印刷装置の入り口手前や出口先に印刷用紙が滞留した場合におけるジャム位置の検出や表示については何も提案されていない。
【0014】
本発明は、上記事情に鑑み、印刷装置の入り口手前に印刷用紙が滞留した場合において、前処理装置側からのジャム解除を促すことができる印刷システムを提供することを目的とするものである。
【0015】
また、印刷装置の出口先に印刷用紙が滞留した場合において、印刷装置側からのジャム解除を促すことができる印刷システムを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明の印刷システムは、印刷用紙に印刷処理を施す印刷装置と、印刷装置に対して印刷用紙の搬送方向上流側に接続され、印刷装置に印刷用紙を送り出す前処理装置とを備えた印刷システムにおいて、印刷装置が、前処理装置から送り出された印刷用紙の全体または一部が印刷装置に未達であることを検出した際、仮想ジャム情報を前処理装置に出力する仮想ジャム情報出力部を備え、前処理装置が、仮想ジャム情報を受け付け、かつ前処理装置において印刷装置に未達の印刷用紙のジャムが検出されていない場合を仮想的なジャム発生として認識する仮想ジャム認識部を備えたものであることを特徴とする。
【0017】
また、上記本発明の印刷システムにおいては、前処理装置を、仮想的なジャムの解除を検出し、印刷装置に対してジャム解除情報を出力するジャム解除検出部を備えたものとできる。
【0018】
また、印刷装置を、印刷用紙の未達が検出された際、前処理装置における所定のジャム検出位置を表示するジャム検出位置表示部を備えたものとし、そのジャム検出位置表示部を、ジャム解除情報を受け付けた際に、前処理装置における所定のジャム検出位置の表示を解除するものとできる。
【0019】
また、仮想ジャム情報出力部を、仮想ジャム情報として予め設定された前処理装置におけるジャム検出位置情報を前処理装置に出力するものとし、仮想ジャム認識部を、ジャム検出位置情報を取得し、仮想的なジャム発生を認識した際、そのジャム検出位置情報を印刷装置に出力するものとし、ジャム検出位置表示部を、仮想ジャム認識部から出力されたジャム検出位置情報に基づいて、前処理装置におけるジャム検出位置を表示するものとできる。
【0020】
本発明の印刷システムは、印刷用紙に印刷処理を施す印刷装置と、印刷装置に対して印刷用紙の搬送方向下流側に接続され、印刷装置から送り出された印刷用紙を受け入れる後処理装置とを備えた印刷システムにおいて、後処理装置が、印刷装置から送り出された印刷用紙の全体または一部が後処理装置に未達であることを検出した際、仮想ジャム情報を印刷装置に出力する仮想ジャム情報出力部を備え、印刷装置が、仮想ジャム情報を受け付け、かつ印刷装置において後処理装置に未達の印刷用紙のジャムが検出されていない場合を仮想的なジャム発生として認識する仮想ジャム認識部を備えたものであることを特徴とする。
【0021】
また、上記本発明の印刷システムにおいては、印刷装置を、仮想的なジャムが認識された際、印刷装置における予め設定されたジャム検出位置を表示するジャム検出位置表示部を備えたものとできる。
【発明の効果】
【0022】
本発明の印刷システムによれば、前処理装置から送り出された印刷用紙の全体または一部が印刷装置に未達であることを検出した際、仮想ジャム情報を印刷装置から前処理装置に出力し、前処理装置が、仮想ジャム情報を受け付け、かつ前処理装置において印刷装置に未達の印刷用紙のジャムが検出されていない場合を仮想的なジャム発生として認識するようにしたので、この前処理装置における仮想的なジャム発生の認識に基づいて、ユーザに対して前処理装置側からのジャム解除を促すような表示などを行うことができ、ユーザはこの表示を見ることによって前処理装置側から印刷用紙を容易に除去することができる。
【0023】
また、上記本発明の印刷システムにおいて、前処理装置において上述した仮想的なジャムの解除を検出し、前処理装置から印刷装置に対してそのジャム解除情報を出力するようにした場合には、前処理装置側から印刷用紙が除去されてジャムが解除された場合に、印刷装置側においてこのジャム解除を認識することができ、これに応じてジャム検出位置の表示を解除することができる。
【0024】
本発明の印刷システムによれば、印刷装置から送り出された印刷用紙の全体または一部が後処理装置に未達であることを検出した際、仮想ジャム情報を後処理装置から印刷装置に出力し、印刷装置が、仮想ジャム情報を受け付け、かつ印刷装置において後処理装置に未達の印刷用紙のジャムが検出されていない場合を仮想的なジャム発生として認識するようにしたので、この印刷装置における仮想的なジャム発生の認識に基づいて、ユーザに対して印刷装置側からのジャム解除を促すような表示などを行うことができ、ユーザはこの表示を見ることによって印刷装置側から印刷用紙を容易に除去することができる。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、図面を参照して本発明の印刷システムの一実施形態について詳細に説明する。本実施形態の印刷システムは、印刷用紙のジャム位置の検出方法に特徴を有するものであるが、まずは、その全体の概略構成について説明する。
図1は、本実施形態の印刷システム1の全体の概略構成図である。
【0027】
本実施形態の印刷システム1は、
図1に示すように、印刷用紙に印刷処理を施す印刷装置20と、印刷装置20に対して印刷用紙の搬送方向上流側に接続され、印刷装置20に印刷用紙を送り出す大量給紙装置10と、印刷装置20に対して印刷用紙の搬送方向下流側に接続され、印刷装置20から排紙された印刷用紙に対してオフセットを付けて積載するオフセット排紙装置30とを備えている。
【0028】
印刷装置20は、印刷用紙に対してインクを吐出するインクヘッド部21を備えている。インクヘッド部21は、入力された画像データに基づいて、印刷用紙に対してインクを吐出することによって印刷処理を施すものである。本実施形態のインクヘッド部21は、ブラックK、シアンC、マゼンダM、イエローYの各色のインクを吐出する複数のライン型のインクヘッドを備えるものである。
【0029】
また、印刷装置20は、大量給紙装置10から送り出されて印刷装置20内に受け入れられた印刷用紙を搬送する循環搬送路22を備えている。循環搬送路22は、大量給紙装置10から給紙された印刷用紙をインクヘッド部21の上流側から下流側に向けて搬送するものである。
【0030】
また、循環搬送路22は、片面印刷の際には、インクヘッド部21において印刷処理の施された印刷用紙をそのまま連絡搬送路23に受け渡すものであり、両面印刷の際には、片面の印刷処理が終了した印刷用紙を反転部22aまで搬送し、反転部22aにおいて表裏反転された片面印刷済印刷用紙を再びインクヘッド部21の上流側から下流側へ搬送し、その後、インクヘッド部21において再び印刷処理の施された両面印刷済印刷用紙を連絡搬送路23に受け渡すものである。連絡搬送路23によって受け入れられた印刷済印刷用紙は、オフセット排紙装置30に送り出される。
【0031】
また、印刷装置20の循環搬送路22および連絡搬送路23の搬送経路上には、印刷用紙を検出するレジストセンサ24、搬送路用紙検出センサ25および出口用紙検出センサ26が設けられている。これらのセンサは、たとえば光学的なセンサから構成されるものであるが、その他の公知のセンサを用いるようにしてもよい。
【0032】
レジストセンサ24は、印刷装置20の印刷用紙の受け入れ口近傍に設けられており、大量給紙装置10から送り出されて印刷装置内20に受け入れられた印刷用紙を最初に検出するものである。そして、レジストセンサ24は、大量給紙装置10から送り出された印刷用紙が正常に印刷装置20に到達したか否かを検出したり、印刷用紙の受け入れ口近傍における印刷用紙のジャムを検出するために用いられるとともに、印刷用紙のインクヘッド部21への給紙タイミングを制御するためにも用いられるものである。
【0033】
搬送路用紙検出センサ25は、インクヘッド部21の上流側近傍に設けられており、インクヘッド部21近傍の循環搬送路22上における印刷用紙のジャムを検出したり、印刷用紙の搬送速度を制御するためなどに用いられるものである。
【0034】
出口用紙検出センサ26は、印刷装置20の印刷用紙の出口近傍に設けられており、印刷装置20から印刷済みの印刷用紙が正常に送り出されたか否かを検出したり、印刷装置20の印刷用紙の出口近傍における印刷用紙のジャムを検出するために用いられるものである。
【0035】
また、印刷装置20は、ジャム検出位置や所定の設定入力画面を表示するとともに、ユーザによる所定の設定入力を受け付けるタッチパネル27を備えている。そして、本実施形態におけるタッチパネル27は、
図1に示すような印刷システム1の概略構成を示す模式図を表示するものであり、その印刷システム1の模式図上に、
図1に示すようなジャム検出位置を示すマーク「A」、「B」、「C」、「N」および「R」を表示するものである。マーク「A」、「B」、「C」、「N」および「R」の表示は、後述するジャム検出位置表示制御部43によって制御されるものであるが、その具体的な表示制御方法については、後で詳述する。
【0036】
大量給紙装置10は、印刷装置20内に設けられている給紙トレイ(図示省略)よりも大量の印刷用紙を積載、供給することが可能な前処理装置である。そして、大量給紙装置10の積載台11に積載された印刷用紙がピックアップローラなどによって順次繰り出されて印刷装置20に送り出される。
【0037】
また、大量給紙装置10内には、印刷用紙を検出する用紙検出センサ12および出口用紙検出センサ13が設けられている。
【0038】
用紙検出センサ12は、積載台11の近傍に設けられており、積載台11近傍における印刷用紙のジャムを検出するために用いられるとともに、印刷用紙の印刷装置20への給紙タイミングを制御するためにも用いられるものである。
【0039】
また、出口用紙検出センサ13は、大量給紙装置10の印刷用紙の出口近傍に設けられており、大量給紙装置10から印刷用紙が正常に送り出されたか否かを検出したり、大量給紙装置10の印刷用紙の出口近傍における印刷用紙のジャムを検出するために用いられるものである。
【0040】
オフセット排紙装置30は、印刷装置20から排紙された印刷済みの印刷用紙Pを受け入れて、その受け入れた印刷用紙Pに対してオフセットを付けて積載するものである。オフセット排紙装置30は、印刷済みの印刷用紙Pを積載する排紙台31と、排紙台31上を印刷用紙の搬送方向に移動するオフセットガイド板32およびエンドフェンス板33を備えている。
【0041】
排紙台31は、印刷済みの印刷用紙Pの積載量に応じて上下方向に移動するものであり、この排紙台31の下方への移動とともに、オフセットガイド板32およびエンドフェンス板33が印刷用紙の搬送方向に移動することによって、オフセットが付加された印刷用紙が排紙台31に落下して積載されることになる。
【0042】
また、オフセット排紙装置30には、印刷済みの印刷用紙Pを検出する用紙検出センサ34が設けられている。用紙検出センサ34は、オフセット排紙装置30の印刷用紙の受け入れ口近傍に設けられており、印刷装置20から送り出されてオフセット排紙装置内30に受け入れられた印刷用紙を最初に検出するものである。用紙検出センサ34は、印刷装置20から送り出された印刷用紙が正常にオフセット排紙装置30に到達したか否かを検出したり、印刷用紙の受け入れ口近傍における印刷用紙のジャムを検出するために用いられるものである。
【0043】
以上が、本実施形態の印刷システム1の全体の概略構成の説明である。
【0044】
次に、本実施形態の印刷システム1の制御系について
図2を参照しながら説明する。なお、本実施形態の印刷システム1は、上述したように印刷用紙のジャム位置の検出方法に特徴を有するものであるため、これに関連する制御系を中心に説明する。
【0045】
印刷装置20は、
図2に示すように、印刷装置20全体を制御する制御部40を備えている。そして、この制御部40は、ジャム検出部41、ジャム解除検出部42、ジャム検出位置表示制御部43および仮想ジャム情報出力部44を備えている。
【0046】
ジャム検出部41は、印刷装置20内に設けられたレジストセンサ24、搬送路用紙検出センサ25および出口用紙検出センサ26の用紙検出信号に基づいて、印刷装置20内における印刷用紙のジャムの発生を検出し、そのジャム発生の位置情報をジャム検出位置表示制御部43に出力するものである。具体的には、ジャム検出部41は、たとえば印刷装置20のレジストセンサ24や搬送路用紙検出センサ25によって印刷用紙Pが所定の経過時間以上検出されている場合には、印刷装置20内のインクヘッド部21よりも上流側で印刷用紙Pのジャムが発生したものとして、
図1に示すマーク「B」のジャム検出位置情報をジャム検出位置表示制御部43に出力する。なお、このジャム検出位置情報には、位置を表す情報とその位置でジャムが検出されていることを示す情報とが含まれており、具体的には、ジャムが検出されていることを示す情報としてフラグ「1」が含まれる。そして、ジャム検出位置表示制御部43は、上述したジャム検出位置情報に基づいて
図1に示すマーク「B」をタッチパネル27に表示させる。
【0047】
また、ジャム検出部41は、出口用紙検出センサ26によって印刷用紙Pが所定の経過時間以上検出されている場合には、印刷装置20内のインクヘッド部21よりも下流側で印刷用紙Pのジャムが発生したものとして、
図1に示すマーク「C」のジャム検出位置情報をジャム検出位置表示制御部43に出力する。そして、このときジャム検出位置表示制御部43は、
図1に示すマーク「C」をタッチパネル27に表示させる。
【0048】
ジャム解除検出部42は、レジストセンサ24、搬送路用紙検出センサ25および出口用紙検出センサ26の用紙検出信号に基づいて、印刷装置20内における印刷用紙のジャムが解除されたことを検出するものである。具体的には、ジャム解除検出部42は、レジストセンサ24および搬送路用紙検出センサ25によって印刷用紙が検出されていないことを確認することによって、
図1に示すマーク「B」の位置のジャムが解除されたことを検出し、そのジャム解除情報をジャム検出位置表示制御部43に出力する。なお、このジャム解除情報には、位置を表す情報とその位置のジャムが解除されたことを示す情報とが含まれており、具体的には、ジャムが解除されたことを示す情報としてフラグ「0」が含まれる。そして、ジャム検出位置表示制御部43は、そのジャム解除情報に応じてタッチパネル27に表示されたマーク「B」を非表示とするものである。
【0049】
また、ジャム解除検出部42は、搬送路用紙検出センサ25および出口用紙検出センサ26によって印刷用紙が検出されていないことを確認することによって、
図1に示すマーク「C」の位置のジャムが解除されたことを検出し、そのジャム解除情報をジャム検出位置表示制御部43に出力する。そして、ジャム検出位置表示制御部43は、そのジャム解除情報に応じてタッチパネル27に表示されたマーク「C」を非表示とするものである。
【0050】
また、ジャム検出位置表示制御部43は、上述したように印刷装置20におけるジャムの発生位置をタッチパネル27に表示するものであるとともに、大量給紙装置10およびオフセット排紙装置30におけるジャムの発生位置をタッチパネル27に表示するものでもある。
【0051】
具体的には、ジャム検出位置表示制御部43は、大量給紙装置10の後述するジャム検出部15および仮想ジャム認識部16から出力されたジャム検出位置情報に基づいて、
図1に示すマーク「N」や「R」をタッチパネル27に表示させるものである。また、ジャム検出位置表示制御部43は、大量給紙装置10のジャム解除検出部17から出力されたジャム解除情報に基づいて、タッチパネル27に表示されたマーク「N」や「R」を非表示とするものである。なお、大量給紙装置10のジャム検出部15におけるジャム検出および仮想ジャム認識部16における仮想ジャムの認識については、後で詳述する。
【0052】
また、ジャム検出位置表示制御部43は、オフセット排紙装置30の後述するジャム検出部51から出力されたジャム検出位置情報に基づいて、
図1に示すマーク「A」をタッチパネル27に表示させるものである。また、ジャム検出位置表示制御部43は、オフセット排紙装置30のジャム解除検出部52から出力されたジャム解除情報に基づいて、タッチパネル27に表示されたマーク「A」を非表示とするものである。なお、オフセット排紙装置30のジャム検出部51におけるジャム検出については、後で詳述する。
【0053】
仮想ジャム情報出力部44は、レジストセンサ24や搬送路用紙検出センサ25による印刷用紙Pの検出信号に基づいて、大量給紙装置10から送り出された印刷用紙Pの全体または一部が印刷装置20に未達であることを検出し、その印刷用紙の未達を検出した際、仮想ジャム情報を大量給紙装置10の後述する仮想ジャム認識部16に出力するものである。具体的には、本実施形態の仮想ジャム情報出力部44は、ユーザによる印刷開始指示を受け付けてから所定の経過時間、レジストセンサ24によって印刷用紙Pが検出されなかった場合に、印刷用紙P全体が印刷装置20に未達であることを検出し、また、レジストセンサ24によって印刷用紙Pが検出されたが、その後、所定の経過時間、搬送路用紙検出センサ25によって印刷用紙Pが検出されなかった場合に、印刷用紙Pの一部が未達であることを検出するものである。
【0054】
そして、本実施形態における仮想ジャム情報出力部44は、上述したような印刷用紙Pの未達を検出した際、上記仮想ジャム情報として、
図1に示すマーク「R」のジャム検出位置情報を仮想ジャム認識部16に出力するものである。
【0055】
次に、大量給紙装置10の制御系について説明する。大量給紙装置10は、
図2に示すように、大量給紙装置10全体を制御する制御部14を備えている。そして、この制御部14は、ジャム検出部15、仮想ジャム認識部16およびジャム解除検出部17を備えている
ジャム検出部15は、大量給紙装置10内に設けられた用紙検出センサ12および出口用紙検出センサ13の用紙検出信号に基づいて、大量給紙装置10内における印刷用紙のジャムの発生を検出し、そのジャム発生の位置情報を印刷装置20のジャム検出位置表示制御部43に出力するものである。具体的には、ジャム検出部15は、たとえば大量給紙装置10の用紙検出センサ12によって所定の経過時間以上、印刷用紙Pが検出されている場合には、用紙検出センサ12近傍でジャムが発生したものとして、
図1に示すマーク「N」のジャム検出位置情報をジャム検出位置表示制御部43に出力する。そして、このときジャム検出位置表示制御部43は、
図1に示すマーク「N」をタッチパネル27に表示させる。
【0056】
また、ジャム検出部15は、たとえば大量給紙装置10の出口用紙検出センサ13によって所定の経過時間以上、印刷用紙Pが検出されている場合には、出口用紙検出センサ13近傍でジャムが発生したものとして、
図1に示すマーク「R」のジャム検出位置情報をジャム検出位置表示制御部43に出力する。そして、このときジャム検出位置表示制御部43は、
図1に示すマーク「R」をタッチパネル27に表示させる。
【0057】
仮想ジャム認識部16は、印刷装置20の仮想ジャム情報出力部44から出力された仮想ジャム情報を受け付け、かつジャム検出部15においてジャムが検出されていない場合を仮想的なジャム発生として認識するものである。すなわち、仮想ジャム認識部16は、大量給紙装置10の出口用紙検出センサ13と印刷装置20のレジストセンサ24との間、すなわち
図1に示す範囲R1において印刷用紙Pのジャムが発生した際、これを仮想的なジャムとして検出するものである。
【0058】
仮想ジャム認識部16は、仮想的なジャム発生を認識した場合には、仮想ジャム情報として受け付けた
図1に示す「R」のジャム検出位置情報をジャム検出位置表示制御部43に出力する。そして、このときジャム検出位置表示制御部43は、
図1に示すマーク「R」をタッチパネル27に表示させる。
【0059】
ジャム解除検出部17は、用紙検出センサ12および出口用紙検出センサ13の用紙検出信号に基づいて、大量給紙装置10内における印刷用紙のジャムが解除されたことを検出するものである。具体的には、ジャム解除検出部17は、用紙検出センサ12によって印刷用紙が検出されていないことを確認することによって、
図1に示すマーク「N」の位置のジャムが解除されたことを検出し、そのジャム解除情報をジャム検出位置表示制御部43に出力する。そして、ジャム検出位置表示制御部43は、そのジャム解除情報に応じてタッチパネル27に表示されたマーク「N」を非表示とするものである。
【0060】
また、ジャム解除検出部17は、出口用紙検出センサ13によって印刷用紙が検出されていないことを確認することによって、
図1に示すマーク「R」の位置のジャムが解除されたことを検出し、そのジャム解除情報をジャム検出位置表示制御部43に出力する。そして、ジャム検出位置表示制御部43は、そのジャム解除情報に応じてタッチパネル27に表示されたマーク「R」を非表示とするものである。
【0061】
また、ジャム解除検出部17は、大量給紙装置10の筐体に設けられたカバー扉(図示省略)が開閉されたことを検出することによって、上述した仮想的なジャムが解除されたことを検出するものである。そして、ジャム解除検出部17は、仮想的なジャムが解除された場合にはそのジャム解除情報をジャム検出位置表示制御部43に出力する。そして、ジャム検出位置表示制御部43は、そのジャム解除情報に応じてタッチパネル27に表示されたマーク「R」を非表示とするものである。
【0062】
次に、オフセット排紙装置30の制御系について説明する。オフセット排紙装置30は、
図2に示すように、オフセット排紙装置30全体を制御する制御部50を備えている。そして、この制御部50は、ジャム検出部51およびジャム解除検出部52を備えている
ジャム検出部51は、オフセット排紙装置30内に設けられた用紙検出センサ34の用紙検出信号に基づいて、オフセット排紙装置30内における印刷用紙のジャムの発生を検出し、そのジャム発生の検出位置情報を印刷装置20のジャム検出位置表示制御部43に出力するものである。具体的には、ジャム検出部51は、たとえばオフセット排紙装置30の用紙検出センサ34によって所定の経過時間以上、印刷用紙Pが検出されている場合には、用紙検出センサ34近傍でジャムが発生したものとして、
図1に示すマーク「A」の検出位置情報をジャム検出位置表示制御部43に出力する。そして、このときジャム検出位置表示制御部43は、
図1に示すマーク「A」をタッチパネル27に表示させる。
【0063】
ジャム解除検出部51は、用紙検出センサ34の用紙検出信号に基づいて、オフセット排紙装置30内における印刷用紙のジャムが解除されたことを検出するものである。具体的には、ジャム解除検出部51は、用紙検出センサ34によって印刷用紙が検出されていないことを確認することによって、
図1に示すマーク「A」の位置のジャムが解除されたことを検出し、そのジャム解除情報をジャム検出位置表示制御部43に出力する。そして、ジャム検出位置表示制御部43は、そのジャム解除情報に応じてタッチパネル27に表示されたマーク「A」を非表示とするものである。
【0064】
次に、本実施形態の印刷システム1の作用について、
図3に示すフローチャートを参照しながら説明する。なお、本実施形態の印刷システム1は、上述した仮想的なジャム発生の検出方法に特徴を有するものであるため、以下、その点を中心に説明する。
【0065】
まず、大量給紙装置10から印刷装置20への印刷用紙の搬送途中で、
図1に示す範囲R1において印刷用紙のジャムが発生した場合には、印刷装置20の仮想ジャム情報出力部44によって印刷用紙Pの全体または一部が未達であることが検出される(S10)。
【0066】
そして、仮想ジャム情報出力部44は、上述した印刷用紙Pの未達を検出すると、大量給紙装置10のジャム検出位置情報である
図1に示すマーク「R」のジャム検出位置情報を仮想ジャム情報として大量給紙装置10の仮想ジャム認識部16に出力する(S12)。
【0067】
仮想ジャム認識部16は、大量給紙装置10のジャム検出部15によってジャムが検出されておらず、かつ上述したマーク「R」のジャム検出位置情報を取得した場合には、仮想的なジャム発生として認識する(S14)。
【0068】
そして、仮想ジャム認識部16は、仮想的なジャム発生を認識すると、入力されたマーク「R」のジャム検出位置情報を印刷装置20のジャム検出位置表示制御部43に出力する(S16)。
【0069】
そして、印刷装置20のジャム検出位置表示制御部43は、入力されたジャム検出位置情報に基づいて、
図1に示すマーク「R」をタッチパネル27に表示させる(S18)。
【0070】
次いで、タッチパネル27におけるマーク「R」の表示を見たユーザが大量給紙装置10の筐体のカバー扉を開き、
図1に示す範囲R1における印刷用紙Pのジャムを解除する(S20)。そして、印刷用紙Pのジャムの解除後に、ユーザによってカバー扉を閉じられると、そのカバー扉の開閉がジャム解除検出部17によって検出され、ジャム解除検出部17はジャム解除情報を印刷装置20のジャム検出位置表示制御部43に出力する(S22)。
【0071】
印刷装置20のジャム検出位置表示制御部43は、入力されたジャム解除情報に応じて、タッチパネル27におけるマーク「R」の表示を非表示とする(S24)。
【0072】
上記実施形態の印刷システム1によれば、印刷用紙Pが印刷装置20の入り口手前(
図1に示す範囲R1)に滞留した場合、大量給紙装置10から送り出された印刷用紙Pの全体または一部が印刷装置20に未達であることを検出し、その検出に応じて仮想ジャム情報を印刷装置20から大量給紙装置10に出力し、大量給紙装置10が、仮想ジャム情報を受け付け、かつ大量給紙装置10において印刷装置20に未達の印刷用紙Pのジャムが検出されていない場合を仮想的なジャム発生として認識するようにしたので、この大量給紙装置10における仮想的なジャム発生の認識に基づいて、ユーザに対して大量給紙装置10側からのジャム解除を促すような表示などを行うことができ、ユーザはこの表示を見ることによって大量給紙装置10側から印刷用紙を容易に除去することができる。
【0073】
なお、上記説明では、仮想的なジャム発生を認識した場合に、大量給紙装置10側のマーク「R」のジャム検出位置をタッチパネル27に表示させる作用について説明したが、このとき大量給紙装置10におけるジャム検出部15や印刷装置20におけるジャム検出部41によってその他の印刷用紙Pのジャムが検出されている場合には、そのジャム検出位置もタッチパネル27に同時に表示される。
【0074】
また、上記説明では、印刷用紙Pの全体が印刷装置20に未達である場合だけでなく、印刷用紙Pの一部が印刷装置20に未達の場合も仮想的なジャム発生として認識するようにしたが、この場合には、レジストセンサ24によって印刷用紙Pが所定の経過時間以上検出されていることになるので、ジャム検出部41によってもジャム検出が行われる。したがって、仮想的なジャム発生にともなって大量給紙装置10側のマーク「R」がタッチパネル27に表示されるだけでなく、これと同時に印刷装置20側のマーク「B」もタッチパネル27に表示されることになる。なお、印刷用紙Pの後端がレジストセンサ24を通過した後に、印刷用紙Pのジャムが発生した場合には、印刷装置20のジャム検出部41のジャム検出のみが行われることになり、印刷装置20側のマーク「B」だけがタッチパネル27に表示され、大量給紙装置10側のマーク「R」は表示されないことになる。
【0075】
また、上記実施形態の説明においては、印刷装置20における仮想ジャム情報出力部44が、仮想ジャム情報としてマーク「R」のジャム検出位置情報を大量給紙装置10の仮想ジャム認識部16に出力するようにしたが、仮想ジャム情報としては、必ずしもマーク「R」のジャム検出位置情報でなくてもよく、たとえば印刷装置20に印刷用紙Pが未達であることを示す信号などでもよい。
【0076】
この場合、印刷装置20のジャム検出位置表示制御部43は、上述した実施形態のように大量給紙装置10側からマーク「R」のジャム検出位置情報を受けとってタッチパネル27にマーク「R」を表示するのではなく、仮想ジャム情報出力部44における印刷用紙Pの未達の検出に応じて、印刷装置20側に予め設定されたマーク「R」の位置情報を用いてタッチパネル27にマーク「R」を表示させる。
【0077】
そして、大量給紙装置10の仮想ジャム認識部16は、仮想ジャム情報出力部44から出力された用紙未達信号を受け付けることによって仮想的なジャム発生を認識する。
【0078】
そして、大量給紙装置10のジャム解除検出部17は、仮想的なジャム発生が認識され、その後、ユーザによってジャムが解除された場合には、予め設定されたマーク「R」の位置情報にフラグ「0」を付加してジャム解除情報を生成し、そのジャム解除情報を印刷装置20のジャム検出位置表示制御部43に出力する。ジャム検出位置表示制御部43は、入力されたジャム解除情報に応じてタッチパネル27のマーク「R」を非表示とする。
【0079】
また、上記実施形態の説明においては、
図1に示す範囲R1において印刷用紙Pのジャムが発生した場合に、これを大量給紙装置10側の仮想的なジャム発生として認識し、大量給紙装置10側のジャム検出位置をタッチパネル27に表示させることによって、ユーザに対して大量給紙装置10側からのジャム解除を促すようにしたが、
図1に示す範囲R1だけでなく、
図1に示す範囲R2において印刷用紙Pのジャムが発生した場合にも同様に、これを上流側の装置すなわち印刷装置20側の仮想的なジャム発生として認識し、印刷装置20側のジャム検出位置をタッチパネル27に表示させることによって、ユーザに対して印刷装置20側からのジャム解除を促すようにしてもよい。
【0080】
具体的には、
図4に示すように、オフセット排紙装置30に仮想ジャム情報出力部53を設けるとともに、印刷装置20に仮想ジャム認識部45を設けるようにしてもよい。
【0081】
図4に示す構成とした場合における作用について、
図5に示すフローチャートを参照しながら説明する。
【0082】
まず、仮想ジャム情報出力部53が、用紙検出センサ34による印刷用紙Pの検出信号に基づいて、印刷装置20から送り出された印刷用紙Pの全体または一部がオフセット排紙装置30に未達であることを検出する(S30)。具体的には、仮想ジャム情報出力部53は、ユーザによる印刷開始指示を受け付けてから所定の経過時間、用紙検出センサ34よって印刷用紙Pが検出されなかった場合に、印刷用紙P全体が印刷装置20に未達であることを検出し、また、用紙検出センサ34によって印刷用紙Pが検出されたが、その後、所定の経過時間、用紙検出センサ34よりも下流に設けられた用紙検出センサ(図示省略)によって印刷用紙Pが検出されなかった場合に、印刷用紙Pの一部が未達であることを検出するものである。
【0083】
そして、仮想ジャム情報出力部53は、上述したような印刷用紙Pの未達を検出した際、仮想ジャム情報として、
図1に示すマーク「C」のジャム検出位置情報を印刷装置20の仮想ジャム認識部45に出力する(S32)。
【0084】
印刷装置20の仮想ジャム認識部45は、オフセット排紙装置30の仮想ジャム情報出力部53から出力された仮想ジャム情報を受け付け、かつジャム検出部41においてジャムが検出されていない場合を仮想的なジャム発生として認識する(S34)。すなわち、仮想ジャム認識部45は、印刷装置20の出口用紙検出センサ26とオフセット排紙装置30の用紙検出センサ34との間、すなわち
図1に示す範囲R2において印刷用紙Pのジャムが発生した際、これを仮想的なジャムとして検出する。
【0085】
そして、仮想ジャム認識部45は、仮想的なジャム発生を認識した場合には、仮想ジャム情報として受け付けた
図1に示す「C」のジャム検出位置情報をジャム検出位置表示制御部43に出力する。そして、このときジャム検出位置表示制御部43は、
図1に示すマーク「C」をタッチパネル27に表示させる(S36)。
【0086】
次いで、タッチパネル27におけるマーク「C」の表示を見たユーザが印刷装置20の筐体のカバー扉(図示省略)を開き、
図1に示す範囲R2における印刷用紙Pのジャムを解除する(S38)。そして、印刷用紙Pのジャムの解除後に、ユーザによってカバー扉を閉じられると、そのカバー扉の開閉がジャム解除検出部42によって検出され、ジャム解除検出部42はジャム解除情報をジャム検出位置表示制御部43に出力する。
【0087】
印刷装置20のジャム検出位置表示制御部43は、入力されたジャム解除情報に応じて、タッチパネル27におけるマーク「C」の表示を非表示とする(S40)。
【0088】
図4に示す構成の印刷システムによれば、印刷用紙Pが印刷装置20の出口先(
図1に示す範囲R2)に滞留した場合、印刷装置20から送り出された印刷用紙の全体または一部がオフセット排紙装置30に未達であることを検出し、その検出に応じて仮想ジャム情報をオフセット排紙装置30から印刷装置20に出力し、印刷装置20が、仮想ジャム情報を受け付け、かつ印刷装置20においてオフセット排紙装置30に未達の印刷用紙のジャムが検出されていない場合を仮想的なジャム発生として認識するようにした場合には、この仮想的なジャム発生の認識に基づいて、ユーザに対して印刷装置20側からのジャム解除を促すような表示などを行うことができ、ユーザはこの表示を見ることによって印刷装置20側から印刷用紙を容易に除去することができる。
【0089】
また、上記説明では、印刷用紙Pの全体がオフセット排紙装置30に未達である場合だけでなく、印刷用紙Pの一部がオフセット排紙装置30に未達の場合も仮想的なジャム発生として認識するようにしたが、この場合には、用紙検出センサ34によって印刷用紙Pが所定の経過時間以上検出されていることになるので、オフセット排紙装置30のジャム検出部51によってもジャム検出が行われる。したがって、仮想的なジャム発生にともなって印刷装置20側のマーク「C」がタッチパネル27に表示されるだけでなく、これと同時にオフセット排紙装置30側のマーク「A」もタッチパネル27に表示されることになる。なお、印刷用紙Pの後端が用紙検出センサ34を通過した後に、印刷用紙Pのジャムが発生した場合には、オフセット排紙装置30のジャム検出部51のジャム検出のみが行われることになり、オフセット排紙装置30側のマーク「A」だけがタッチパネル27に表示され、印刷装置20側のマーク「C」は表示されないことになる。
【0090】
また、上記説明においては、オフセット排紙装置30における仮想ジャム情報出力部53が、仮想ジャム情報としてマーク「C」のジャム検出位置情報を印刷装置20の仮想ジャム認識部45に出力するようにしたが、仮想ジャム情報としては、必ずしもマーク「C」のジャム検出位置情報でなくてもよく、たとえばオフセット排紙装置30に印刷用紙Pが未達であることを示す信号などでもよい。
【0091】
この場合、印刷装置20の仮想ジャム認識部45は、オフセット排紙装置30の仮想ジャム情報出力部53から出力された用紙未達信号を受け付けることによって仮想的なジャム発生を認識する。
【0092】
そして、ジャム検出位置表示制御部43は、仮想ジャム認識部45によって仮想的なジャム発生が認識された際、印刷装置20に予め設定されたマーク「C」の位置情報を用いてタッチパネル27にマーク「C」を表示させる。
【0093】
そして、ジャム解除検出部42は、仮想的なジャム発生が認識され、その後、ユーザによってジャムが解除された場合には、予め設定されたマーク「C」の位置情報にフラグ「0」を付加してジャム解除情報を生成し、そのジャム解除情報をジャム検出位置表示制御部43に出力する。
【0094】
ジャム検出位置表示制御部43は、入力されたジャム解除情報に応じてタッチパネル27のマーク「C」を非表示とする。
【0095】
また、上記実施形態の説明においては、タッチパネル27において、マーク「A」、「B」、「C」、「N」および「R」の表示と非表示とを切り替えることによって、仮想的なジャムを含むジャム検出およびジャム解除の表示を切り替えるようにしたが、必ずしもこのような表示態様でなくてもよく、たとえばジャム検出位置とジャム解除位置とでマークの色や明るさや形状などを変更するようにしてもよい。
【0096】
また、上記実施形態の説明においては、印刷装置20の上流側に接続される前処理装置として大量給紙装置10を用いるようにしたが、前処理装置としてはこれに限らず、その他の公知な装置を用いるようにしてもよい。また、印刷装置20の下流側に接続される後処理装置としてオフセット排紙装置30を用いるようにしたが、後処理装置としてはこれに限らず、ステープル装置や製本装置や封入封緘装置など、その他の公知な装置を用いるようにしてもよい。