(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5996936
(24)【登録日】2016年9月2日
(45)【発行日】2016年9月21日
(54)【発明の名称】発泡性エアゾール製品
(51)【国際特許分類】
A61K 8/36 20060101AFI20160908BHJP
A61K 8/02 20060101ALI20160908BHJP
A61K 8/73 20060101ALI20160908BHJP
A61K 8/86 20060101ALI20160908BHJP
A61K 8/34 20060101ALI20160908BHJP
A61Q 5/06 20060101ALI20160908BHJP
【FI】
A61K8/36
A61K8/02
A61K8/73
A61K8/86
A61K8/34
A61Q5/06
【請求項の数】7
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2012-120460(P2012-120460)
(22)【出願日】2012年5月28日
(65)【公開番号】特開2013-245200(P2013-245200A)
(43)【公開日】2013年12月9日
【審査請求日】2015年4月28日
(73)【特許権者】
【識別番号】592255176
【氏名又は名称】株式会社ミルボン
(74)【代理人】
【識別番号】100111187
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 秀忠
(74)【代理人】
【識別番号】100142882
【弁理士】
【氏名又は名称】合路 裕介
(72)【発明者】
【氏名】瀧野 雄介
(72)【発明者】
【氏名】工藤 大祐
【審査官】
池田 周士郎
(56)【参考文献】
【文献】
特表2005−506325(JP,A)
【文献】
特開2001−106611(JP,A)
【文献】
特開2003−252725(JP,A)
【文献】
特開2006−016501(JP,A)
【文献】
特表平10−506647(JP,A)
【文献】
特表平01−500669(JP,A)
【文献】
国際公開第2011/140330(WO,A1)
【文献】
特表2015−514136(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00− 8/99
A61Q 1/00−90/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
原液及び噴射剤が充填された容器を有する発泡性エアゾール製品であって、
前記原液が、(a)高級脂肪酸系アニオン界面活性剤、(b)ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースのメチルエーテル、及びヒドロキシエチルセルロースのエチルエーテルから選ばれた一種又は二種以上のヒドロキシエチルセルロース系高分子、(c)ノニオン界面活性剤、及び(d)高級アルコールを含有するものであり、
前記原液のpHが7.0以上9.0以下であり、
前記噴射剤が液化石油ガスを含むものであり、
前記原液及び噴射剤を前記容器から噴出させて生じるフォームが、毛髪に塗布して用いられることを特徴とする発泡性エアゾール製品。
【請求項2】
前記(a)高級脂肪酸系アニオン界面活性剤を構成する高級脂肪酸の炭素数が、14以上20以下である請求項1に記載の発泡性エアゾール製品。
【請求項3】
前記原液において、前記(d)高級アルコールが3.0質量%以下である請求項1又は2に記載の発泡性エアゾール製品。
【請求項4】
前記原液において、前記(b)ヒドロキシエチルセルロース系高分子が0.5質量%以下である請求項1〜3のいずれか1項に記載の発泡性エアゾール製品。
【請求項5】
前記原液において、前記(b)ヒドロキシエチルセルロース系高分子が0.03質量%以上0.2質量%以下である請求項4に記載の発泡性エアゾール製品。
【請求項6】
前記原液のpHが8.0以上9.0以下である請求項1〜5のいずれか1項に記載の発泡性エアゾール製品。
【請求項7】
前記原液は、水を70質量%以上含有している請求項1〜6のいずれか1項に記載の発泡性エアゾール製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、整髪剤などとして用いられるフォーム状組成物を噴出する発泡性エアゾール製品に関するものである。
【背景技術】
【0002】
発泡性エアゾール製品は、スパウトが装着されたバルブ付き容器に、界面活性剤などを含有する原液及び液化石油ガスなどの噴射剤を充填したものが一般的である。使用時に、発泡性エアゾール製品から噴射剤と共に噴出させた原液は、泡(フォーム)となる。
【0003】
上記のようなフォームは、洗顔料や毛髪化粧料として用いられる。例えば、特許文献1には、高級脂肪酸塩、シリコーン、及びポリウレタンを配合原料とし、整髪剤、トリートメントなどの毛髪化粧料に用いられるフォーム状組成物が開示されている。そして、このフォームは、同文献の記載によれば、伸びが良く毛髪に均一な皮膜を形成して、毛髪に良好なハリ、コシ及びボリューム感を与え、ゴワつかず、しなやかさ付与の特徴を有するものとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−280527号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
フォームの木目細かさや原液の乳化安定性のために界面活性剤を多量に含有させたときには、フォームが固くなる傾向があるが、このようなフォームが固くなる場合には、ハンドリング性向上の観点から、上記の伸びの良いことが求められることが多い。フォームの伸びの良さは、界面活性剤の含有量の多少に拘らずに求められる場合があるところ、特許文献1が開示する上記の配合原料の組合せ以外により実現しても良いのは当然である。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑み、使用する際に伸ばし易いフォームを噴出する発泡性エアゾール製品の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者等が鋭意検討を行った結果、高級脂肪酸系アニオン界面活性剤を含有する原液、及び噴射剤を容器に充填して製造される発泡性エアゾール製品において、その原液に所定のヒドロキシエチルセルロース系高分子をも配合すれば、その容器から噴出されるフォームを手で伸ばすことが良好になることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本発明に係る発泡性エアゾール製品は、原液及び噴射剤が充填された容器を有するものであって、前記原液が、(a)高級脂肪酸系アニオン界面活性剤、並びに(b)ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースのメチルエーテル、及びヒドロキシエチルセルロースのエチルエーテルから選ばれた一種又は二種以上のヒドロキシエチルセルロース系高分子を含有するものであることを特徴とする。
【0009】
本発明に係る発泡性エアゾール製品の使用において、前記原液及び噴射剤を前記容器から噴出させて生じたフォームを、毛髪に塗布して用いると良い。上記の通り原液はヒドロキシエチルセルロース系高分子を含有するから、フォームの毛髪へのなじみが良好となる。
【0010】
前記(a)高級脂肪酸系アニオン界面活性剤を構成する高級脂肪酸の炭素数は、14以上20以下が良い。炭素数が14以上であると、整髪剤などの洗い流さない使用態様で用いられるフォームによる皮膚への刺激の抑制に良く、炭素数が20以下であると、フォームの感触を柔らかくするのに良い。
【0011】
前記原液は、(c)ノニオン界面活性剤を含有するものが良い。(c)ノニオン界面活性剤を(a)高級脂肪酸系アニオン界面活性剤と含有させることにより、原液の乳化及び当該乳化の安定性が良好となる。
【0012】
前記原液は、(d)高級アルコールを含有するものが良く、この原液における(d)高級アルコールは、3.0質量%以下が良い。(d)高級アルコールは、フォームを木目細かくするのに好適であり、(d)高級アルコールが3.0質量%以下であることは、フォームの手伸ばしに好適である。
【0013】
前記原液において、前記(b)ヒドロキシエチルセルロース系高分子が0.5質量%以下が良い。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る発泡性エアゾール製品によれば、この製品における容器に充填される原液が(a)高級脂肪酸系アニオン界面活性剤と共に所定の(b)ヒドロキシエチルセルロース系高分子を含有するものであるから、容器から噴出させて生じるフォームが伸ばし易いものとなる。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の実施形態に基づき、本発明を以下に説明する。
本実施形態に係る発泡性エアゾール製品は、原液と噴射剤が充填された容器を有するものである。
【0016】
(原液)
本実施形態の発泡性エアゾール製品における原液は、水相に油相を分散させたO/Wエマルションであって、(a)高級脂肪酸系アニオン界面活性剤、並びに(b)ヒドロキシエチルセルロース系高分子を必須成分とする。また、実使用上許容されるのであれば、公知の原液に配合されている原料と同じものを配合して、任意成分としても良い。なお、原液における水の量は、例えば70質量%以上である。
【0017】
(a)高級脂肪酸系アニオン界面活性剤(以下、「成分(a)」と称することがある。)
成分(a)は高級脂肪酸のアニオンであり、当該アニオンの一種又は二種以上を原液に含ませるために、高級脂肪酸塩、並びに/又は、高級脂肪酸及びこれを中和するアルカリを配合する。
【0018】
上記高級脂肪酸は、炭素数12以上の一価のカルボン酸である。その炭素数は、14以上20以下が良い。炭素数が14以上であると、皮膚に感じる刺激の抑制に良く、炭素数が20以下であると、フォームの感触を柔らかくするのに良い。
【0019】
上記高級脂肪酸としては、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸等の直鎖状飽和脂肪酸;イソステアリン酸等の分枝状飽和脂肪酸;オレイン酸、リノール酸等の直鎖状不飽和脂肪酸が挙げられる。起泡性を高めるには、直鎖状飽和脂肪酸が良い。
【0020】
原液に成分(a)を含ませるために用いる高級脂肪酸塩の形態としては、例えば、アルカリ金属塩、アミン塩である。そのアルカリ金属塩は、ナトリウム塩、カリウム塩などである。また、アミン塩は、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール塩、ジイソプロパノールアミン塩、トリエタノールアミン塩などである。
【0021】
原液に成分(a)を含ませるために用いる高級脂肪酸の中和用アルカリとしては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、アミン(2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、ジイソプロパノールアミン、トリエタノールアミンなど)が挙げられる。
【0022】
本実施形態の原液における成分(a)の量は、成分(a)を高級脂肪酸として換算したときに、0.5質量%以上5.0質量%以下が良く、1.0質量%以上4.0質量%以下が好ましく、2.0質量%以上3.0質量%以下がより好ましい。0.5質量%以上であると、フォーム形成に好ましく、5.0質量%以下であると、フォームを柔らかくするのに好適である。
【0023】
(b)ヒドロキシエチルセルロース系高分子(以下、「成分(b)」と称することがある。)
成分(b)は、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースのメチルエーテル、及びヒドロキシエチルセルロースのエチルエーテルから選ばれた一種又は二種以上である。
【0024】
本実施形態の原液における成分(b)の量は、0.01質量%以上0.5質量%以下が良く、0.03質量%以上0.2質量%以下が好ましい。0.01質量%以上であると、フォームを伸ばし易くするのに好適であり、0.5質量%以下であると、毛髪などに塗布した後に原液に基づいて生じる皮膜が柔らかくなる。
【0025】
任意成分
上記の通り、本実施形態の原液には、公知の原液に配合されている原料を配合して、成分(a)、(b)以外の成分として含ませても良い。そのような原料としては、公知の整髪剤に配合されるアニオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤、高級アルコール、多価アルコール、エステル油、油脂、炭化水素、ロウ、シリコーン、高分子化合物、香料、防腐剤、金属イオン封鎖剤などが挙げられる。
【0026】
ノニオン界面活性剤(以下、「成分(c)」と称することがある。)の一種又は二種以上を本実施形態の原液に含有させることは、原液の乳化を安定化させるのに好適である。成分(c)としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビトールテトラ脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、アルキルグルコシド、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステルが挙げられる。成分(c)の原液における量は、適宜設定されるべきものであるが、例えば0.3質量%以上5質量%以下である。
【0027】
高級アルコール(以下、「成分(d)」と称することがある。)の一種又は二種以上を本実施形態の原液に含有させることは、フォームを木目細かくするのに好適である(後記直鎖状飽和アルコールを用いるのが、特に好適である。)。成分(d)として炭素数16以上22以下の一価アルコールを原液に含有させると良く、そのような成分(d)としては、例えば、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコールなどの直鎖状飽和アルコール;オレイルアルコールなどの直鎖状不飽和アルコール;オクチルドデカノール、イソステアリルアルコールなどの分枝状飽和アルコールが挙げられる。成分(d)を原液に配合する場合、その原液における量は、フォームを伸ばし易さを良好にするには、3.0質量%以下が良く、2.0質量%以下が好ましい。
【0028】
pH
本実施形態の原液の20℃におけるpHは、成分(a)による乳化安定性と起泡性を高めるために、7.0以上が良く、7.5以上9.0以下が好ましく、8.0以上8.8以下がより好ましい。
【0029】
(噴射剤)
噴射剤は、原液をフォームとして噴出させるために容器に充填するものである。
【0030】
本実施形態の噴射剤は、公知の発泡性エアゾール製品に充填される噴射剤から選定した一種又は二種以上であると良い。その噴射剤としては、例えば、プロパン、n−ブタン、i−ブタンなどを主成分とする液化石油ガス(LPG)、ジメチルエーテル(DME)、炭酸ガスが挙げられる。容器への噴射剤の充填量は、原液と噴射剤の全量に対して1質量%以上15%以下が良く、3質量%以上12質量%以下が好ましい。1質量%以上15質量%以下にすることで、起泡性とフォームの木目細かさが良好となる。
【0031】
なお、DMEを噴射剤として用いる場合には、起泡性とフォームの弾力性を高めるため、LPGを併用するのが良い(この場合の噴射ガス全量におけるLPGの量は、30質量%以上が良く、50質量%以上がより好ましい。)。また、原液が酸性になると乳化が不安定になる傾向があるから、炭酸ガスなどの原液のpHを低下させるガスを充填する場合には、多量に含ませない方が良い。
【0032】
(用途)
公知の発泡性エアゾール製品と同様の用途に、本実施形態の発泡性エアゾール製品を使用すると良い。整髪剤原料として公知のものを原液に配合した場合には、整髪剤用途に使用すると良い。例えば特開2012−56850号公報にも開示されている様に、パーマネントウェーブ処理によってウェーブ形状が付与された乾燥毛髪に塗布して用いれば、ウェーブ形状が明確となる。このように本実施形態の発泡性エアゾール製品によるフォームを毛髪に塗布したときには、成分(a)及び(b)を原液が含むから、毛髪へのフォームのなじみが良い。
【実施例】
【0033】
以下、実施例に基づき本発明を詳述するが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるものではない。
【0034】
実施例及び比較例の発泡性エアゾール製品を製造し、これら製品から噴出させたフォームについての「手伸ばしの滑らかさ」と「髪へのなじみ」を評価した。詳細は、以下の通りである。
【0035】
(発泡性エアゾール製品)
原液(詳細は後記)と、噴射剤であるLPGとを充填した実施例及び比較例の発泡性エアゾール製品を製造した。その充填における原液:噴射剤の質量比は、93:7とした。また、充填後の25℃での製品からの噴射圧を確認したところ、0.3MPaであった。
【0036】
原液の調製は、70〜80℃で原料を配合した水相(水の配合量は、原液における55質量%程度)に、70〜80℃で原料を配合した油相を混合し、更に、水とメチルイソチアゾリノンを添加することにより行った。原液調製に用いた原料は、下記表1〜4の通り、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、ヒドロキシエチルセルロース(ダイセルファインケム社製「HECダイセルSE850」)、ヒドロキシエチルセルロースのメチルエーテルであるメチルヒドロキシエチルセルロース(INCI Name : Methyl Hydroxyethylcellulose)、カルボキシメチルセルロースナトリウム(ダイセルファインケム社製「CMCダイセル1330」)、ヒドロキシプロピルセルロース(日本曹達社製「HPC−H」)、メチルセルロース(信越化学工業社製「メトローズSM8000」)、プロピレングリコール、高級脂肪酸(ミリスチン酸及びイソステアリン酸の併用)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ミリスチルアルコール、エチルヘキサン酸アルキル、シア脂、デカメチルシクロペンタシロキサン、PEG−4である。また、原液を100質量%としたときの原料の配合濃度は、下記表1〜4の通りである。
【0037】
(フォームの「手伸ばしの滑らかさ」の評価)
実施例及び比較例の発泡性エアゾール製品のいずれかから噴出させたフォームを、両手の平の間で挟みつつ、両手の平を滑らせたときの感触を比較評価した。ここでは、下記表1に示す実施例1a〜1b及び比較例1a〜1dにおける比較では比較例1bを基準とし、下記表2に示す実施例2a〜2b及び比較例2における比較では実施例2aを基準とし、下記表3に示す実施例3a〜3b及び比較例3a〜3bにおける比較では実施例3aを基準とし、下記表4に示す実施例4a〜4eにおける比較では実施例4aを基準とした。評価基準は、次の通りとした。
○:基準よりも滑らかな感触であった。
―:基準と同等の滑らかさであった。
×:基準よりも滑らかさの感触が劣っていた。
【0038】
(フォームの「髪へのなじみ」の評価)
実施例及び比較例の発泡性エアゾール製品のいずれかから噴出させたフォームについて、毛髪に塗布したときのなじみを比較評価した。ここでは、上記「フォームの『手伸ばしの滑らかさ』の評価」と同様の比較を行った。評価基準は、次の通りとした。
○:基準よりも、フォームの消失が早く、髪へのなじみが良かった。
―:基準と同等の髪へのなじみであった。
×:基準よりも、フォームの消失が遅く、髪へのなじみが劣っていた。
【0039】
下記表1〜4に、発泡性エアゾール製品の製造で使用した原液における原料の配合比と共に、同製品によるフォームを評価した結果を示す。
【表1】
【0040】
表1においては、成分(b)を含有する実施例1a〜1bは、成分(b)を含有しない比較例1a〜1dよりも、全ての評価結果が良好であったことを確認できる。
【0041】
【表2】
【0042】
【表3】
【0043】
表3における実施例3aと実施例3bとの対比により、手伸ばしの滑らかさのためには、成分(d)である高級アルコールを配合する場合の量を少なくすれば良いことを確認できる。なお、成分(a)を含まない比較例3a〜3bについては、原液の乳化不良が確認されたので、フォームの評価を行わなかった。
【0044】
【表4】
【0045】
表4において、原液における成分(b)の量は、概ね0.01質量%以上0.5質量%以下が良いことを確認できる。