【実施例】
【0037】
≪実施例1:ユズ果実の果皮ペースト≫
ユズ果実の外果皮を含む果皮を、おろし金を用いて粉砕して果皮粉砕物を調製した。得られた果皮粉砕物には、外果皮だけでなく外果皮と略同量の内果皮が含まれており、また、長さ2.0〜5.0mm程度の繊維分やその他の組織が相当量含まれていることを目視により確認した。
次に、得られた果皮粉砕物を、目開きが850μmの網目フィルタを備える篩に入れ、薬匙を用いて果皮粉砕物をフィルタ表面に押し付けるように押圧することにより濾過し、フィルタ通過物を果皮ペーストとして得た。
尚、篩の網目フィルタの小孔(網目)は略正方形であるため、その面積は目開きの2乗として算出した。すなわち、上記の目開き850μmの小孔(網目)の場合、その面積は7.2×10
−1mm
2である。
【0038】
得られた果皮ペーストとその原料である果皮粉砕物の明度(L*)及び色度(a*、b*)を、色彩計(ミノルタカメラ(株)製、本体型式CT-210、測定ヘッド型式CT-200)を用いて測定し、さらに、その測定値から彩度(c*)及び色差(△E*ab)を算出した。尚、彩度(c*)の算出式は、c*=[(a*)
2+(b*)
2]
1/2
であり、色差(△E*ab)の算出式は△E*ab=[(△L*)
2+(△a*)
2+(△b*)
2]
1/2である。
【0039】
得られた果皮ペーストは、原料の果皮粉砕物よりも格段に明るい色調を呈し、ユズ果実特有の美しい黄色がくすみなく鮮やかに表れていた。
かかる果皮ペーストの明度(L*)は61.2、彩度(c*)は54.3であり、それぞれ果皮粉砕物の明度(L*=54.8)、彩度(c*=49.3)よりも高く、また、果皮ペーストと果皮粉砕物との色差(△E*ab)は9.2と非常に高い数値であった。
また、得られた果皮ペーストの水分を測定したところ82.4%であり、原料の果皮粉砕物の水分80.4%よりも高かった。水分の測定は、公定法である減圧加熱乾燥法の直接法により、試料を70℃の減圧下で5時間乾燥させ、乾燥前後の質量差を測定することにより行った。
【0040】
さらに、得られた果皮ペーストを試食してみたところ、舌触りが滑らかで、ユズ特有の香りが非常に強く感じられるものであった。
また、かかる果皮ペーストを−18℃の冷凍庫で3か月間保管した後に解凍したところ、その色調、香り及び舌触りにおいて、製造直後の果皮ペーストと比較してほとんど遜色なく優れたものであった。
【0041】
<試験例1:ユズ果実の果皮ペースト>
前記の実施例1で調製したユズ果実の果皮粉砕物を、実施例1とは小孔(網目)の面積が異なる4種類の網目フィルタを使用する他は実施例1と同様の方法によって、4種類の果皮ペーストのサンプルを製造した。
また、得られた4種類のサンプルについて、実施例1と同様の方法によって明度(L*)、彩度(c*)及び色差(△E*ab)を測定及び算出した。
結果を表1に示す。尚、表1中のフィルタの目開き850μm(面積7.2×10
−1mm
2)の欄に示す各数値は、実施例1の果皮ペーストのものである。
【表1】
【0042】
次に、実施例1とは異なるユズ果実の外果皮を含む果皮を、おろし金を用いて粉砕して果皮粉砕物を調製した。得られた果皮粉砕物には、外果皮だけでなく外果皮と略同量の内果皮が含まれており、また、長さ2.0〜5.0mm程度の繊維分やその他の組織が相当量含まれていることを目視により確認した。
次に、得られた果皮粉砕物を、表2に示すそれぞれ小孔(網目)の面積が異なる3種類の網目フィルタを使用して濾過する他は実施例1と同様の方法によって、3種類の果皮ペーストのサンプルを製造した。
また、得られた3種類のサンプルとその原料の果皮粉砕物について、実施例1と同様の方法によって明度(L*)、彩度(c*)及び色差(△E*ab)を測定及び算出した。結果を表2に示す。
【表2】
【0043】
表1及び表2に示す果皮ペーストは、全てそれらの原料である果皮粉砕物よりも色調が明るく、ユズ果実特有の美しい黄色を呈していた。
特に、小孔面積4.0×10
−4〜4.0mm
2のフィルタを使用して製造した果皮ペーストの色調は十分に明るく、さらに、小孔面積4.0×10
−4〜2.9mm
2のフィルタを使用して製造した果皮ペーストの色調は格段に明るいものであった。
【0044】
≪実施例2:温州ミカン果実の果皮ペースト≫
温州ミカン果実の外果皮を含む果皮を、おろし金を用いて粉砕して果皮粉砕物を調製した。得られた果皮粉砕物には、外果皮だけでなく外果皮よりやや少なめの内果皮が含まれており、また、長さ2.0〜5.0mm程度の繊維分やその他の組織が相当量含まれていることを目視により確認した。
次に、得られた果皮粉砕物を、小孔の面積が7.2×10
−1mm
2の網目フィルタを備える篩に入れ、薬匙を用いて果皮粉砕物をフィルタ表面に押し付けるように押圧することにより濾過し、フィルタ通過物を果皮ペーストとして得た。
かかる果皮ペーストとその原料である果皮粉砕物の明度(L*)、彩度(c*)及び色差(△E*ab)を、実施例1と同様の方法によって測定及び算出した。
【0045】
得られた果皮ペーストは、原料の果皮粉砕物よりも格段に明るい色調を呈し、温州ミカン果実特有の美しい黄緑色がくすみなく鮮やかに表れていた。
かかる果皮ペーストの明度(L*)は66.8、彩度(c*)は58.8であり、それぞれ果皮粉砕物の明度(L*=59.4)、彩度(c*=51.9)よりも高く、また、果皮ペーストと果皮粉砕物との色差(△E*ab)は12.3と非常に高い数値であった。
また、得られた果皮ペーストの水分を測定したところ81.9%であり、原料の果皮粉砕物の水分77.5%よりも高かった。尚、水分の測定は、実施例1と同様に、公定法である減圧加熱乾燥法の直接法により行った。
【0046】
また、得られた果皮ペーストを試食してみたところ、舌触りが滑らかで、温州ミカン特有の香りが非常に強く感じられるものであった。
さらに、かかる果皮ペーストを−18℃の冷凍庫で3か月間保管した後に解凍したところ、その色調、香り及び舌触りにおいて、製造直後の果皮ペーストと比較してほとんど遜色なく優れたものであった。
【0047】
<試験例2:温州ミカン果実の果皮ペースト>
前記の実施例2で調製した温州ミカン果実の果皮粉砕物を、実施例2とは小孔(網目)の面積が異なる5種類の網目フィルタを使用する他は実施例2と同様の方法によって、5種類の果皮ペーストのサンプルを製造した。
また、得られた5種類のサンプルについて、実施例2と同様の方法によって明度(L*)、彩度(c*)及び色差(△E*ab)を測定及び算出した。
結果を表3に示す。尚、表3中のフィルタの小孔面積7.2×10
−1mm
2の欄に示す各数値は、実施例2の果皮ペーストのものである。
【表3】
【0048】
表3に示す果皮ペーストは、全てそれらの原料である果皮粉砕物よりも格段に色調が明るく、温州ミカン果実特有の美しい黄緑色を呈していた。
【0049】
≪実施例3:ネーブルオレンジ果実の果皮ペースト≫
ネーブルオレンジ果実の外果皮を含む果皮を、おろし金を用いて粉砕して果皮粉砕物を調製した。得られた果皮粉砕物には、外果皮だけでなく外果皮よりやや少なめの内果皮が含まれており、また、長さ2.0〜5.0mm程度の繊維分やその他の組織が相当量含まれていることを目視により確認した。
次に、得られた果皮粉砕物を、小孔の面積が7.2×10
−1mm
2の網目フィルタを備える篩に入れ、薬匙を用いて果皮粉砕物をフィルタ表面に押し付けるように押圧することにより濾過し、フィルタ通過物を果皮ペーストとして得た。
かかる果皮ペーストとその原料である果皮粉砕物の明度(L*)、彩度(c*)及び色差(△E*ab)を、実施例1と同様の方法によって測定及び算出した。
【0050】
得られた果皮ペーストは、原料の果皮粉砕物よりも格段に明るい色調を呈し、ネーブルオレンジ果実特有の美しいオレンジ色がくすみなく鮮やかに表れていた。
かかる果皮ペーストの明度(L*)は58.0、彩度(c*)は65.2であり、それぞれ果皮粉砕物の明度(L*=55.3)、彩度(c*=62.1)よりも高く、また、果皮ペーストと果皮粉砕物との色差(△E*ab)は6.6と非常に高い数値であった。
【0051】
また、得られた果皮ペーストを試食してみたところ、舌触りが滑らかで、ネーブルオレンジ特有の香りが非常に強く感じられるものであった。
さらに、かかる果皮ペーストを−18℃の冷凍庫で3か月間保管した後に解凍したところ、その色調、香り及び舌触りにおいて、製造直後の果皮ペーストと比較してほとんど遜色なく優れたものであった。
【0052】
<試験例3:ネーブルオレンジ果実の果皮ペースト>
前記の実施例3で調製したネーブルオレンジ果実の果皮粉砕物を、実施例3とは小孔(網目)の面積が異なる3種類の網目フィルタを使用する他は実施例3と同様の方法によって、3種類の果皮ペーストのサンプルを製造した。
また、得られた3種類のサンプルについて、実施例3と同様の方法によって明度(L*)、彩度(c*)及び色差(△E*ab)を測定及び算出した。
結果を表4に示す。尚、表4中のフィルタの小孔面積7.2×10
−1mm
2の欄に示す各数値は、実施例3の果皮ペーストのものである。
【表4】
【0053】
表4に示す果皮ペーストは、全てそれらの原料である果皮粉砕物よりも色調が明るく、ネーブルオレンジ果実特有の美しいオレンジ色を呈していた。特に、小孔面積2.5×10
−1〜1.0mm
2のフィルタを使用して製造した果皮ペーストの色調は、格段に明るいものであった。
【0054】
≪実施例4:スダチ果実の果皮ペースト≫
スダチ果実の外果皮を含む果皮を、おろし金を用いて粉砕して果皮粉砕物を調製した。得られた果皮粉砕物には、外果皮だけでなく外果皮よりやや少なめの内果皮が含まれており、また、長さ2.0〜5.0mm程度の繊維分やその他の組織が相当量含まれていることを目視により確認した。
次に、得られた果皮粉砕物を、小孔の面積が2.5×10
−1mm
2の網目フィルタを備える篩に入れ、薬匙を用いて果皮粉砕物をフィルタ表面に押し付けるように押圧することにより濾過し、フィルタ通過物を果皮ペーストとして得た。
かかる果皮ペーストとその原料である果皮粉砕物の明度(L*)、彩度(c*)及び色差(△E*ab)を、実施例1と同様の方法によって測定及び算出した。
【0055】
得られた果皮ペーストは、原料の果皮粉砕物よりも格段に明るい色調を呈し、スダチ果実特有の美しい緑色がくすみなく表れていた。
かかる果皮ペーストの明度(L*)は43.9、彩度(c*)は34.2であり、それぞれ果皮粉砕物の明度(L*=42.5)及び彩度(c*=29.4)よりも高かった。また、果皮ペーストと果皮粉砕物との色差(△E*ab)は5.4と高数値であった。
【0056】
また、得られた果皮ペーストを試食してみたところ、舌触りが滑らかで、スダチ特有の香りが非常に強く感じられるものであった。
さらに、かかる果皮ペーストを−18℃の冷凍庫で3か月間保管した後に解凍したところ、その色調、香り及び舌触りにおいて、製造直後の果皮ペーストと比較してほとんど遜色なく優れたものであった。
【0057】
<試験例4:スダチ果実の果皮ペースト>
前記の実施例4で調製したスダチ果実の果皮粉砕物を、実施例4とは小孔(網目)の面積が異なる4種類の網目フィルタを使用する他は実施例4と同様の方法によって、4種類の果皮ペーストのサンプルを製造した。
また、得られた4種類のサンプルについて、実施例4と同様の方法によって明度(L*)、彩度(c*)及び色差(△E*ab)を測定及び算出した。
結果を表5に示す。尚、表3中のフィルタの小孔面積2.5×10
−1mm
2の欄に示す各数値は、実施例4の果皮ペーストのものである。
【表5】
【0058】
表3に示す果皮ペーストは、全てそれらの原料である果皮粉砕物よりも色調が明るく、スダチ果実特有の美しい緑色を呈していた。特に、小孔面積4.0×10
−4〜4.0mm
2のフィルタを使用して製造した果皮ペーストの色調は非常に明るいものであった。
【0059】
≪実施例5:スイーティー果実の果皮ペースト≫
スイーティー果実の外果皮を含む果皮を、おろし金を用いて粉砕して果皮粉砕物を調製した。得られた果皮粉砕物には、外果皮だけでなく外果皮よりやや少なめの内果皮が含まれており、また、長さ2.0〜5.0mm程度の繊維分やその他の組織が相当量含まれていることを目視により確認した。
次に、得られた果皮粉砕物を、小孔の面積が7.2×10
−1mm
2の網目フィルタを備える篩に入れ、薬匙を用いて果皮粉砕物をフィルタ表面に押し付けるように押圧することにより濾過し、フィルタ通過物を果皮ペーストとして得た。
かかる果皮ペーストとその原料である果皮粉砕物の明度(L*)、彩度(c*)及び色差(△E*ab)を、実施例1と同様の方法によって測定及び算出した。
【0060】
得られた果皮ペーストは、原料の果皮粉砕物よりも明るい色調を呈し、スイーティー果実特有の美しい緑色が鮮やかに表れていた。
かかる果皮ペーストの明度(L*)は55.9、彩度(c*)は39.9であり、それぞれ果皮粉砕物の明度(L*=53.3)、彩度(c*=36.8)よりも高く、また、果皮ペーストと果皮粉砕物との色差(△E*ab)は4.1と高数値であった。
【0061】
また、得られた果皮ペーストを試食してみたところ、舌触りが滑らかで、スイーティー特有の香りが非常に強く感じられるものであった。
さらに、かかる果皮ペーストを−18℃の冷凍庫で3か月間保管した後に解凍したところ、その色調、香り及び舌触りにおいて、製造直後の果皮ペーストと比較してほとんど遜色なく優れたものであった。
【0062】
≪実施例6:ユズ果実の果皮ペースト≫
ユズ果実の果汁の搾汁滓から、手作業により、外果皮以外の部分をなるべくきれいに取り除くように分離作業を行った。得られた果皮原料には、外果皮だけでなく、内果皮やじょうのう膜等の外果皮以外の部分が、外果皮と略同量含まれていることを目視により確認した。
次に、この果皮原料を、コミトロールプロセッサ(アーシェル社製)を用いて粉砕し、果皮粉砕物を調製した。得られた果皮粉砕物には、長さ2.0〜5.0mm程度の繊維分やその他の組織が相当量含まれていることを目視により確認した。
【0063】
次いで、果皮粉砕物を、バレル部の略全面をスリット幅60μmに調整されたフィルタとしてあるスクリュープレス機((株)荒井鉄工所製)を用いて濾過し、フィルタ通過物を果皮ペーストとして得た。得られた果皮ペーストの量は、原料の果皮粉砕物の約20%であった。
また、得られた果皮ペーストと原料の果皮粉砕物の水分、油分、粘度を測定したところ、次のとおりであった。尚、粘度の測定は、粘度計(ビスコテスター、リオン(株)製、型式VT-04E)を用いて行った。
果皮ペースト 水分:84.8% 油分:0.7% 粘度:60dPa・s
果皮粉砕物 水分:81.5% 油分:0.4% 粘度:80dPa・s
【0064】
さらに、果皮ペーストとその原料である果皮粉砕物の明度(L*)、彩度(c*)及び色差(△E*ab)を、実施例1と同様の方法によって測定及び算出した。
得られた果皮ペーストは、原料の果皮粉砕物よりも格段に明るい色調を呈し、ユズ果実特有の美しい黄色がくすみなく鮮やかに表れていた。
かかる果皮ペーストの明度(L*)は65.8、彩度(c*)は53.8であり、それぞれ果皮粉砕物の明度(L*=60.7)、彩度(c*=47.8)よりも高く、また、果皮ペーストと果皮粉砕物との色差(△E*ab)は8.1と非常に高い数値であった。
【0065】
また、得られた果皮ペーストを試食してみたところ、舌触りが滑らかで、ユズ特有の香りが非常に強く感じられるものであった。
さらに、かかる果皮ペーストを−18℃の冷凍庫で3か月間保管した後に解凍したところ、その色調、香り及び舌触りにおいて、製造直後の果皮ペーストと比較してほとんど遜色なく優れたものであった。
【0066】
≪実施例7:ユズ果実の果皮ペースト≫
前記の実施例6で調製したユズ果実の果皮粉砕物を用いて、フィルタのスリット幅を250μmに調整したこと以外は、実施例6と同様の方法によって果皮ペーストを製造した。
また、得られた果皮ペーストとその原料である果皮粉砕物の明度(L*)、彩度(c*)及び色差(△E*ab)を、実施例1と同様の方法によって測定及び算出した。
【0067】
得られた果皮ペーストは、原料の果皮粉砕物よりも明るい色調を呈し、ユズ果実特有の美しい黄色が鮮やかに表れていた。
かかる果皮ペーストの明度(L*)は62.6、彩度(c*)は49.3であり、それぞれ果皮粉砕物の明度(L*=60.7)、彩度(c*=47.8)よりも高く、また、果皮ペーストと果皮粉砕物との色差(△E*ab)は3.8と高数値であった。