特許第5996949号(P5996949)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5996949
(24)【登録日】2016年9月2日
(45)【発行日】2016年9月21日
(54)【発明の名称】空気調和機および空気調和機の制御方法
(51)【国際特許分類】
   F24F 11/02 20060101AFI20160908BHJP
【FI】
   F24F11/02 A
   F24F11/02 C
【請求項の数】7
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2012-149227(P2012-149227)
(22)【出願日】2012年7月3日
(65)【公開番号】特開2014-9932(P2014-9932A)
(43)【公開日】2014年1月20日
【審査請求日】2015年3月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】井上 頌太
【審査官】 河野 俊二
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2008/0147205(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0065783(US,A1)
【文献】 特開平10−232044(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2006/0255165(US,A1)
【文献】 登録実用新案第3169265(JP,U)
【文献】 特開2003−083586(JP,A)
【文献】 特開平06−034179(JP,A)
【文献】 特開2003−161490(JP,A)
【文献】 特開平03−247938(JP,A)
【文献】 特開平04−028945(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 11/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気調和機であって、
環境条件を測定して環境情報を得るための測定手段と、
前記空気調和機の設置された地域を特定するための地域特定手段と、
現在日時の属する暦情報を特定するための暦情報特定手段と、
前記環境情報、前記地域、および前記暦情報に基づいて、自動運転の運転パターンを表わす情報である自動運転情報を生成するための生成手段と、
前記自動運転情報に基づいて空調運転の制御を行なうための制御手段と
地域に応じた、期間ごとの補正値を規定する情報である空気調和スケジュールを記憶するための空気調和スケジュール記憶手段と、
前記地域および前記暦情報に基づいて前記空気調和スケジュールより該当する補正値を特定するための補正値特定手段とを備え、
前記生成手段は、予め規定されている運転パターンを前記補正値を用いて補正するための第1の補正手段を含む、空気調和機。
【請求項2】
環境条件ごとに運転パターンを規定する情報である第1の基準スケジュールを記憶するための第1基準スケジュール記憶手段と、
前記環境情報に基づいて前記第1の基準スケジュールより運転パターンを特定するための第1運転パターン特定手段とをさらに備え、
前記第1の補正手段は、前記第1の基準スケジュールより特定された運転パターンを前記補正値を用いて補正する、請求項に記載の空気調和機。
【請求項3】
期間ごとに運転パターンを規定する情報である第2の基準スケジュールを記憶するための第2基準スケジュール記憶手段と、
前記暦情報に基づいて前記第2の基準スケジュールより運転パターンを特定するための第2運転パターン特定手段とをさら備え、
前記第1の補正手段は、前記第2の基準スケジュールより特定された運転パターンを前記補正値を用いて補正する、請求項に記載の空気調和機。
【請求項4】
前記運転パターンは環境条件ごとに運転形態およびそのパラメータを規定し、
前記制御手段は、前記自動運転情報で規定される運転パターンに基づいて前記測定手段で得られた前記環境情報に応じた運転形態およびそのパラメータを特定して空調運転の制御を行なう、請求項1〜のいずれかに記載の空気調和機。
【請求項5】
前記空気調和機の設置された地域を特定するための情報の入力を受け付けるための入力手段をさらに備える、請求項1〜のいずれかに記載の空気調和機。
【請求項6】
空調運転のパラメータを変更する指示をユーザから受け付けるための入力手段と、
前記自動運転情報に基づく空調運転の実行中であって、前記暦情報に基づいて特定される所定期間内に、前記入力手段において前記指示を受け付けると、前記指示に基づいて前記自動運転情報で規定される運転パターンの規定するパラメータを補正するための第2の補正手段とをさらに備える、請求項1〜のいずれかに記載の空気調和機。
【請求項7】
空気調和機に自動運転を行なわせるための制御方法であって、
前記空気調和機の設置された位置での環境条件を測定して環境情報を得るステップと、
前記空気調和機の設置された地域を特定するステップと、
現在日時の属する暦情報を特定するステップと、
前記環境情報、前記地域、および前記暦情報に基づいて、自動運転の運転パターンを表わす情報である自動運転情報を生成するステップと、
前記自動運転情報に基づいて空調運転を実行するステップと
地域に応じた、期間ごとの補正値を規定する情報である空気調和スケジュールを読み出すステップと、
前記地域および前記暦情報に基づいて前記空気調和スケジュールより該当する補正値を特定するステップとを含み、
前記生成するステップは、予め規定されている運転パターンを前記補正値を用いて補正することを含む、空気調和機の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は空気調和機および空気調和機の制御方法に関し、特に、自動運転を行なう空気調和機および空気調和機の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、冷暖房を含む空気調和機の自動運転においては、室外気温(外気温)・室内温度を計測し、複数設定された温度ゾーンに適応させ、運転モードの選択・目標温度の設定が行なわれている。そのため、季節の中間期などにおける冷暖房の選択や設定温度の最適化などを行なう制御方法が提案されている。
【0003】
たとえば、特開平5−79677号公報(以下、特許文献1)は、暦に応じた制御として、季節の変わり目である中間期の月において、室内温度と外気温とによって運転モードを変えることを可能とするテーブルを持つ空気調和機を提案し、特開2009−92322号公報(以下、特許文献2)は、暦に応じた制御として、月に応じて季節判断を可能とし、暦に応じて運転モードおよび設定温度を制御することで季節による体感温度差を考慮した空気調和機を提案している。
【0004】
また、特開平6−185785号公報(以下、特許文献3)は、月日を検出するカレンダー手段と、時刻を検出するクロック手段とを有し、上記カレンダー手段から季節を推定し、季節と時刻とにより基準温度を算出し、外気温をもとに補正を行なう制御装置を開示している。
【0005】
また、特開平11−222019号公報(以下、特許文献4)は、地域に応じた制御として、予め気候によって区分された地理的範囲を記憶しておき、GPS(Global Positioning System)などのセンサにより特定される現在居る区域に応じて可変な目標値を用いて最適な運転を行なう自動車空調装置の制御装置を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平5−79677号公報
【特許文献2】特開2009−92322号公報
【特許文献3】特開平6−185785号公報
【特許文献4】特開平11−222019号公報
【特許文献5】特開2010−261610号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、暑さ、寒さの感覚は体感によるものであって個人差がある。また、季節や地域によっても異なる。そのため、上記特許文献のように、暦と地域とのうちの一方だけに基づいては最適な運転モードの選択や設定温度の選択は実現されない場合もある。
【0008】
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであって、季節および地域に合わせた、体感的に快適で、最適な運転モードの選択や、よりきめ細やかな設定温度の選択を可能とした自動運転を行なうことのできる空気調和機および空気調和機の制御方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明のある局面に従うと、空気調和機は、環境条件を測定して環境情報を得るための測定手段と、当該空気調和機の設置された地域を特定するための地域特定手段と、現在日時の属する暦情報を特定するための暦情報特定手段と、環境情報、地域、および暦情報に基づいて、自動運転の運転パターンを表わす情報である自動運転情報を生成するための生成手段と、自動運転情報に基づいて空調運転の制御を行なうための制御手段とを備える。
【0010】
好ましくは、空気調和機は、地域に応じた、期間ごとの補正値を規定する情報である空気調和スケジュールを記憶するための空気調和スケジュール記憶手段と、地域および暦情報に基づいて空気調和スケジュールより該当する補正値を特定するための補正値特定手段とをさらに備え、生成手段は、予め規定されている運転パターンを補正値を用いて補正するための第1の補正手段を含む。
【0011】
より好ましくは、空気調和機は、環境条件ごとに運転パターンを規定する情報である第1の基準スケジュールを記憶するための第1基準スケジュール記憶手段と、環境情報に基づいて第1の基準スケジュールより運転パターンを特定するための第1運転パターン特定手段とをさらに備え、第1の補正手段は、第1の基準スケジュールより特定された運転パターンを補正値を用いて補正する。
【0012】
より好ましくは、空気調和機は、期間ごとに運転パターンを規定する情報である第2の基準スケジュールを記憶するための第2基準スケジュール記憶手段と、暦情報に基づいて第2の基準スケジュールより運転パターンを特定するための第2運転パターン特定手段とをさら備え、第1の補正手段は、第2の基準スケジュールより特定された運転パターンを補正値を用いて補正する。
【0013】
好ましくは、運転パターンは環境条件ごとに運転形態およびそのパラメータを規定し、制御手段は、自動運転情報で規定される運転パターンに基づいて測定手段で得られた環境情報に応じた運転形態およびそのパラメータを特定して空調運転の制御を行なう。
【0014】
好ましくは、空気調和機は、当該空気調和機の設置された地域を特定するための情報の入力を受け付けるための入力手段をさらに備える。
【0015】
好ましくは、空気調和機は、空調運転のパラメータを変更する指示をユーザから受け付けるための入力手段と、自動運転情報に基づく空調運転の実行中であって、暦情報に基づいて特定される所定期間内に、入力手段において指示を受け付けると、その指示に基づいて自動運転情報で規定される運転パターンの規定するパラメータを補正するための第2の補正手段とをさらに備える。
【0016】
本発明の他の局面に従うと、空気調和機の制御方法は空気調和機に自動運転を行なわせるための制御方法であって、空気調和機の設置された位置での環境条件を測定して環境情報を得るステップと、空気調和機の設置された地域を特定するステップと、現在日時の属する暦情報を特定するステップと、環境情報、地域、および暦情報に基づいて、自動運転の運転パターンを表わす情報である自動運転情報を生成するステップと、自動運転情報に基づいて空調運転を実行するステップとを備える。
【発明の効果】
【0017】
この発明によると、空気調和機において、季節および地域に合わせた、体感的に快適で、最適な運転モードの選択や、よりきめ細やかな設定温度の選択を可能とした自動運転を行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】実施の形態にかかる空気調和機(以下、エアコン)の装置構成の具体例を示すブロック図である。
図2】エアコンの機能構成の具体例を示すブロック図である。
図3】空調スケジュールの具体例を示す図である。
図4】第1基準スケジュールの具体例(A)および第2基準スケジュールの具体例(B)を示す図である。
図5】エアコンでの自動運転動作の流れを表わすフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品および構成要素には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。
【0020】
<装置構成>
図1は、本実施の形態にかかる空気調和機(以下、エアコン)100の装置構成の具体例を示すブロック図である。
【0021】
図1を参照して、エアコン100は、コンプレッサやファンなどを含んだ室外機170と、冷房や暖房の送風を行なうためのルーバ部110と、室内の温度を測定するための室内温度センサ120と、外気の温度を測定するための外気温度センサ130と、リモコン信号やボタン操作などの指示入力を受け付けるための入力装置140と、装置全体を制御するための制御部150と、室外機170と通信を行ない室外機170の制御や室外機170の情報をやり取りするための室外機通信部160とを含む。
【0022】
制御部150には、CPU(Central Processing Unit)10と、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)などのメモリ11と、日時を特定するための計時部12とが含まれる。
【0023】
<動作概要>
本実施の形態にかかるエアコン100では、当該エアコン100が設置された位置の属する地域、運転時期の属する期間(暦)、および測定された環境条件(温度、湿度等)に基づいて自動運転を行なう。
【0024】
自動運転とは、予め環境条件の区間ごとに規定された運転形態(冷房運転、暖房運転等)およびそのパラメータ(温度、湿度、風量等)に従った空調運転を指し、規定された運転形態およびそのパラメータ、また時間経過に従ってパラメータを変化させる場合にはその変化などを運転パターンと称し、以下の説明において、自動運転での運転パターンを示した情報を自動運転情報と称する。
【0025】
また、以下の説明では、感光条件として室温およびまたは外気温である温度を用いるものとしているが、温度の他、湿度や気圧など、他の条件、またはこれらの組み合わせを用いてもよい。従って、上述の室内温度センサ120および外気温度センサ130は環境条件を測定するための手段の一例としての温度を測定する手段を表わしているが、他の環境条件を用いる場合には他の手段が設けられる。
【0026】
本実施の形態にかかるエアコン100では、自動運転の運転パターンとして、室温およびまたは外気温である温度情報に基づいて設定された運転パターン、または暦情報に基づいて設定された運転パターンを用いる。また、予め記憶している運転パターンを用いてもよい。なお、以下の説明において、温度情報ごとに運転パターンを規定する情報を第1基準スケジュール、期間ごとに運転パターンを規定する情報を第2基準スケジュールと称する。
【0027】
さらに、本実施の形態にかかるエアコン100では、温度情報に基づいて第1基準スケジュールより特定された運転パターンまたは暦情報に基づいて第2基準スケジュールより特定された運転パターンを、予め地域ごとに設定されている期間ごとの補正値を用いて補正することで自動運転情報を生成する。以下の説明において、地域に応じた、期間ごとの補正値を規定する情報を空調(空気調和)スケジュールと称する。
【0028】
そして、生成された自動運転情報に基づいて自動運転を行なう。
<機能構成>
図2は、上述の自動運転を行なうためのエアコン100の機能構成の具体例を示すブロック図である。図2の各機能は、エアコン100のCPU10がメモリ11に記憶されるプログラムを読み出して実行することで主にCPU10上に形成されるものであるが、少なくとも一部が図1のハードウェア構成によって実現されてもよい。
【0029】
図2を参照して、メモリ11には、上述の空調スケジュールを記憶するための記憶領域である空調スケジュール記憶部111と、第1基準スケジュールを記憶するための記憶領域である第1基準スケジュール記憶部112と、第2基準スケジュールを記憶するための記憶領域である第2基準スケジュール記憶部113とが設けられる。
【0030】
さらに図2を参照して、CPU10は、入力装置140からの入力信号(リモコン信号、ボタン信号等)に基づいて、郵便番号や電話番号や住所、緯度経度などの地域特定情報の入力を受け付けるための地域入力部101と、計時部12から入力される現在日時を示す情報から暦情報を特定するための暦情報特定部102と、環境条件として室内温度センサ120からの温度の入力およびまたは外気温度センサ130からの温度の入力を受け付けることで温度情報を入力するための温度入力部103と、地域と暦情報とに基づいて空調スケジュールより補正値を特定するための空調スケジュール特定部104と、温度情報に基づいて第1基準スケジュールより運転パターンを特定する、または暦情報に基づいて第2基準スケジュールより運転パターンを特定するための基準スケジュール特定部105と、自動運転情報を生成するための自動運転情報生成部106と、自動運転情報に基づいてルーバ部110の駆動を制御することで自動運転を行なうための駆動制御部107とを含む。
【0031】
自動運転情報生成部106は、さらに、特定された運転パターンまたは予め記憶している運転パターンを空調スケジュールより特定された補正値を用いて補正するための補正部1061を含む。自動運転情報生成部106は、特定された運転パターンまたは予め記憶している運転パターンを空調スケジュールより特定された補正値を用いて補正することで自動運転情報を生成する。
【0032】
図3は、空調スケジュールの具体例を示す図である。
空調スケジュールは、地域ごとに1年間の温度や湿度などのパラメータの補正値を規定するものであって、図3の例では、地域A,B,Cそれぞれについて、暦情報ごとに温度の補正値を規定している。従って、エアコン100の設置された地域および運転日時の属する期間(暦情報)が特定されると、図3の空調スケジュールより補正値が特定される。
【0033】
図4(A)は第1基準スケジュールの具体例、図4(B)は第2基準スケジュールの具体例を示す図である。
【0034】
第1基準スケジュールは温度ごとに自動運転の運転パターンを規定する情報であり、図4(A)の例では温度範囲ごとにパターンが規定されている。第2基準スケジュールは自動運転の暦情報で表わされる季節ごとに運転パターンを規定する情報であり、図4(B)の例では期間ごとにパターンが規定されている。
【0035】
なお、基準スケジュールは図4(A)および図4(B)の例に限定されず、これらの組み合わせであってもよい。すなわち、温度および期間ごとに運転パターンが規定されていてもよいし、さらに、ユーザの嗜好や居室の広さや居室の向きや日当たりなどのパラメータに応じて運転パターンが規定されていてもよい。この場合、入力装置140においてこれらパラメータの入力を受け付けることで該当する運転パターンを特定することができる。
【0036】
<動作フロー>
図5は、エアコン100での自動運転動作の流れを表わすフローチャートである。図5のフローチャートに表わされる動作は、自動運転開始の指示がなされたときに開始される動作であって、エアコン100のCPU10がメモリ11に記憶されるプログラムを読み出して実行し、図2の各機能を発揮させることによって実現される。
【0037】
図5を参照して、自動運転開始の指示がなされると、ステップS101でCPU10は地域情報を読み出す。地域情報は、このタイミングで入力装置140から入力を受け付けてもよいし、予め入力を受け付けておいてメモリ11の所定領域に記憶していてもよい。また、図示しないGPS(Global Positioning System)機能を有する場合には自動的に自身の位置を取得してその位置から地域を特定してもよいし、携帯電話機などの他の装置と通信することで地域情報を取得するようにしてもよい。
【0038】
また、ステップS103でCPU10は暦情報を特定する。ここでは、計時部12からの現在日時を表わす信号に基づいて暦情報を特定してもよいし、入力装置140から入力を受け付けたり、携帯電話機などの他の装置と通信することで暦情報を取得したりするようにしてもよい。
【0039】
また、ステップS105でCPU10は室内温度センサ120からのセンサ信号に基づいて室内温度、および/または、外気温度センサ130からのセンサ信号に基づいて外気温を取得する。
【0040】
ステップS107でCPU10は、上記ステップS101で得られた地域に設定されている空調スケジュールを読み出して、ステップS109で上記ステップS103で得られた暦情報で特定される期間の規定されている補正値を特定する。
【0041】
また、ステップS111でCPU10は基準スケジュールより運転パターンを読み出す。ここでは、一例として、第1基準スケジュールから上記ステップS105で得られた温度情報に応じた運転パターンを読み出してもよいし、他の例として、第2基準スケジュールから上記ステップS103の暦情報より特定される期間に応じた運転パターンを読み出してもよい。また、他の例として、予め記憶している運転パターンを読み出してもよい。
【0042】
そして、ステップS113でCPU10は、上記ステップS111で読み出した運転パターンを上記ステップS109で特定した補正値を用いて補正することで、自動運転情報を生成する。
【0043】
ステップS115でCPU10は、以上の処理で生成された自動運転情報に基づいて自動運転を行なうよう制御する。
【0044】
<実施の形態の効果>
以上の処理によって自動運転情報が生成されることで、エアコン100では、地域と暦とに応じた自動運転を行なうことができる。すなわち、上述の空調スケジュールを用いることで、地域による季節変化の違いを考慮して地域ごとに異なる補正幅を採用することができる。そのため、季節および地域に合わせたパラメータの補正を実現することができ、最適な運転モードの選択や、よりきめ細やかなパラメータ設定が可能となる。これにより、体感的に快適な空気調整を実現することができる。
【0045】
<変形例>
なお、上述のように生成された自動運転情報は、ユーザの嗜好に応じてさらに補正されてもよい。上記した自動運転情報を生成する際の第2基準スケジュールより特定された運転パターンの補正を第1の補正とすると、生成された自動運転情報のユーザの嗜好に応じた補正は第2の補正に該当する。
【0046】
すなわち、上述のように生成された自動運転情報に基づく自動運転時にユーザが室温を変化させたことを検出すると、CPU10は、自動運転情報に示されるパラメータを、ユーザが変化させた方向に、ユーザが変化させた量以下の所定値、補正する。この変化量は、たとえば、ユーザが変化させた量に対する割合が予め規定されており、その割合に基づいて算出されるようにしてもよい。また、より好ましくは、自動運転情報を補正する期間は、暦情報に基づいた特定の期間に限定する。このようにすることによって、よりきめ細やかなパラメータ設定の特徴を維持したまま、ユーザの嗜好を反映することができる。
【0047】
たとえば、自動運転時にユーザが室温を2℃上げた時に自動運転情報の補正を2℃上げるようにし、さらに補正する期間を無期限とすると、季節や地域に合わせた上述のパラメータ設定に比べ補正値が大きくなりやすく、自動運転情報が雑になりがちである。その結果、きめ細やかなパラメータ設定の特徴が失われる。そこで、CPU10は、ユーザが室温を2℃変更させたとしても補正量をたとえば0.5℃などユーザの指示した量よりも小さい量とし、補正する期間は暦情報で特定される期間に限るとする。このようにすることで、より穏やかにユーザ嗜好を反映させた自動運転が可能になる。
【0048】
なお、言うまでもなく、上述のユーザ操作に基づいて自動運転情報のパラメータを補正した後に、さらにユーザが室温等を変化させたときには、CPU10は、再度、ユーザ操作に基づいて自動運転情報を補正してもよい。このようにすることで、徐々に、ユーザの嗜好に応じて体感的に快適な空気調整を実現することができる。
【0049】
なお、この例では、ユーザの操作に応じて補正するパラメータを室温であるものとしているが、風量や湿度、またそれら組み合わせであってよい。
【0050】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0051】
10 CPU、11 メモリ、12 計時部、100 エアコン、101 地域入力部、102 暦情報特定部、103 温度入力部、104 空調スケジュール特定部、105 基準スケジュール特定部、106 自動運転情報生成部、107 駆動制御部、110 ルーバ部、111 空調スケジュール記憶部、112 第1基準スケジュール記憶部、113 第2基準スケジュール記憶部、120 室内温度センサ、130 外気温度センサ、140 入力装置、150 制御部、160 室外機通信部、170 室外機、1061 補正部。
図1
図2
図3
図4
図5