(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1で提案されている空気調和システムは、音響装置が作動しても盗難作業が中断されることなく完遂されてしまうと、盗難された室外機を捜索する術がないという問題を有している。
【0006】
本発明は、上記の状況に鑑み、室外機が盗難されてしまった場合に、盗難された室外機の捜索を補助できる空気調和システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために本発明に係る空気調和システムは、室内機と、室外機とを備え、前記室外機が、前記室外機の位置情報を生成する位置情報生成部と、前記室外機の位置情報を無線送信する無線送信部とを備える構成とする。
【0008】
このような構成によると、室外機の位置情報が室外機から無線送信されることになる。これにより、室外機が盗難されてしまった場合に、盗難された室外機の位置情報を確認しながら盗難された室外機を捜索することが可能になるので、盗難された室外機の捜索を補助できる。
【0009】
また、前記室外機が物理的に前記空気調和システムから分離したことを検出する分離検出部を備え、前記分離検出部によって前記室外機の前記空気調和システムからの分離が検出されてから、前記無線送信部が前記室外機の位置情報の無線送信を開始することが好ましい。
【0010】
このような構成によると、室外機が空気調和システムから分離していないのに室外機の位置情報が室外機から無線送信されることを防止して、無駄な無線送信をなくすことができる。
【0011】
また、前記室外機が、前記分離検出部によって前記室外機の前記空気調和システムからの分離が検出されてから、前記無線送信部への電力供給を開始する電力供給部を備えることが好ましい。
【0012】
このような構成によると、室外機が空気調和システムから分離していないのに無線送信部が無駄に電力を消費することを防止できる。
【0013】
また、前記分離検出部が、前記室内機と前記室外機とを接続する分離検知用ケーブルと、前記空気調和システムと外部電源とが接続されている状態で、前記空気調和システムが運転状態か運転停止状態かに関係なく、前記分離検知用ケーブルに電流を流す通電部と、前記分離検知用ケーブルに流れる電流に基づいて前記分離検知用ケーブルの断線の有無を検知する断線検知部とを備え、前記断線検知部が前記室外機に設けられることが好ましい。
【0014】
このような構成によると、室外機の空気調和システムからの分離を低コストで検出することができる。
【0015】
また、前記室外機が、空気調和システム毎に固有に付与される識別情報を予め記憶する記憶部を備え、前記無線送信部が、前記室外機の位置情報と前記識別情報とを対で無線送信することが好ましい。
【0016】
このような構成によると、空気調和システムから分離された室外機の所有者を特定すること等が容易になる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によると、室外機が盗難されてしまった場合に、盗難された室外機の捜索を補助できる空気調和システムを実現することができる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の実施形態について図面を参照して以下に説明する。
【0020】
図1Aは、本発明の第1及び第2実施形態に係る空気調和システムの外観斜視図である。本発明の第1及び第2実施形態に係る空気調和システムは、室内機1と室外機2とを備える分離型の空気調和システムであって、室内機1と室外機2との間で電力及び制御信号を伝送するためのVA線3と、室内機1と室外機2との間で冷媒を循環させるための冷媒配管4及び5と、水を排出するドレイン管6と、室内機1から延出する電源コードの端部に設けられる電源プラグ7と、リード線等の分離検知用ケーブル8とを備えている。なお、
図1Aにおいては図示を省略しているが、通常、VA線3と、冷媒配管4及び5と、ドレイン管6と、分離検知用ケーブル8とは化粧カバーによってまとめて覆われる。
【0021】
図1Bは、本発明の第3及び第4実施形態に係る空気調和システムの外観斜視図である。本発明の第3及び第4実施形態に係る空気調和システムは、室内機1と室外機2とを備える分離型の空気調和システムであって、室内機1と室外機2との間で電力及び制御信号を伝送するためのVA線3と、室内機1と室外機2との間で冷媒を循環させるための冷媒配管4及び5と、水を排出するドレイン管6と、室内機1から延出する電源コードの端部に設けられる電源プラグ7とを備えている。なお、
図1Bにおいては図示を省略しているが、通常、VA線3と、冷媒配管4及び5と、ドレイン管6とは化粧カバーによってまとめて覆われる。
【0022】
図2は、本発明の各実施形態に係る空気調和システムの冷凍サイクルを示す図である。なお、
図2において
図1A及び
図1Bと同一の部分には同一の符号を付す。
【0023】
室外機2内には、圧縮機11と、四方弁12と、室外熱交換器13と、膨張弁14と、室外ファン15とが設けられる。室内機1内には、室内熱交換器16と、室内ファン17とが設けられる。
【0024】
圧縮機11は、冷媒管18内に冷媒を流通させ冷凍サイクルを運転する。冷媒管18の一部が、室内機1と室外機2との間で冷媒を循環させるための冷媒配管4及び5に該当する。
【0025】
室外熱交換器13及び室内熱交換器16は、冷媒管18に近接する多数のフィン(不図示)を有しており、フィン間を通過する空気と熱交換を行う。
【0026】
圧縮機11には四方弁12及び冷媒管18を介して室外熱交換器13及び室内熱交換器16の各一端が接続される。室外熱交換器13及び室内熱交換器16の他端同士は膨張弁14及び冷媒管18を介して接続される。
【0027】
室外ファン15は室外熱交換器13に対向配置される。室外ファン15の駆動によって室外の空気が室外熱交換器13に供給され、室外熱交換器13と室外の空気との熱交換が促進される。室外熱交換器13と熱交換した空気は室外ファン15に面して室外機2の正面に開口する排気口(
図1A及び
図1B参照)を介して外部に排気される。
【0028】
室内熱交換器16及び室内ファン17は室内機1に設けた送風通路(不図示)内に配される。室内ファン17の駆動によって室内の空気が送風通路に流入して室内熱交換器16に供給され、送風通路を流通する空気と室内熱交換器16とが熱交換される。室内熱交換器16と熱交換した空気は室内機1の正面下方に運転状態において開口し運転停止状態において閉口する吹出口(
図1A及び
図1B参照)を介して室内に送出される。
【0029】
暖房運転時には室外ファン15及び室内ファン17が駆動され、四方弁12が図中、実線で示すように切り替えられる。これにより、圧縮機11の駆動によって矢印Aに示す方向に冷媒が流通し、圧縮機11により圧縮された高温高圧の冷媒は室内熱交換器16で放熱しながら凝縮する。
【0030】
高温の冷媒は膨張弁14で低温低圧となり、室外熱交換器13に送られる。室外熱交換器13に流入する冷媒は吸熱しながら蒸発して低温のガス冷媒となり、圧縮機11に送られる。この冷凍サイクルにより、冷凍サイクルの高温部となる室内熱交換器16と熱交換した空気が室内ファン17により室内に送出され、室内の暖房が行われる。また、冷凍サイクルの低温部となる室外熱交換器13と熱交換した空気が室外ファン15により外部に排気される。
【0031】
冷房運転時には室外ファン15及び室内ファン17が駆動され、四方弁12が図中、破線で示すように切り替えられる。これにより、圧縮機11の駆動によって矢印Aと逆方向に冷媒が流通し、室内熱交換器16が冷凍サイクルの低温部となるとともに室外熱交換器13が冷凍サイクルの高温部となる。室内熱交換器16と熱交換した空気が室内ファン17により室内に送出され、室内の冷房が行われる。室内熱交換器16と熱交換した空気の水蒸気の凝集によって発生する水はドレイン管6(
図1A及び
図1B参照)から外部に排出される。また、冷凍サイクルの高温部となる室外熱交換器13と熱交換した空気が室外ファン15により外部に排気される。
【0032】
<第1実施形態>
図3は、本発明の第1実施形態に係る空気調和システムの要部構成図である。なお、
図3において
図1Aと同一の部分には同一の符号を付す。本発明の第1実施形態に係る空気調和システムでは、室内機1が、電源部21を備え、室外機2が、電流検出部22と、抵抗23と、コンデンサやバッテリ等の蓄電部24と、スイッチ25と、GPS(Global Positioning System)受信部26と、無線送信部27とを備える。本実施形態では、GPS受信部26が請求項中の「位置情報生成部」の一例に該当し、電源部21、分離検知用ケーブル8、電流検出部22、及び抵抗23が請求項中の「分離検出部」の一例に該当し、蓄電部24およびスイッチ25が請求項中の「電力供給部」の一例に該当し、電源部21及び抵抗23が請求項中の「通電部」の一例に該当し、無線送信部27内の不揮発性メモリ28が請求項中の「記憶部」の一例に該当する。
【0033】
電源プラグ7(
図1A参照)が電源コンセントに差し込まれている状態で、電源部21は、商用交流電圧Vacを受け取り、空気調和システムが運転状態か運転停止状態かに関係なく、商用交流電圧Vacを所定値の直流電圧に変換し、その所定値の直流電圧を分離検知用ケーブル8に供給する。
【0034】
分離検知用ケーブル8は、電源部21から受け取った所定値の直流電圧を抵抗23及び蓄電部24に供給する。これにより、分離検知用ケーブル8に電流が流れる。なお、分離検知用ケーブル8に流れる電流を小さくして抵抗23での電力消費を少なくするために、抵抗23の抵抗値を大きくすることが望ましい。
【0035】
電流検出部22は、分離検知用ケーブル8に流れる電流を検出し、検出結果をスイッチ25に出力する。分離検知用ケーブル8に流れる電流の検出結果は分離検知用ケーブル8の断線の有無の検知結果に対応しているため、電流検出部22は、分離検知用ケーブル8に流れる電流がゼロであることを検出したときに分離検知用ケーブル8の断線を検知していることになる。
【0036】
分離検知用ケーブル8に流れる電流がゼロでない場合、電流検出部22の検出結果に基づいてスイッチ25はオフ状態になり、蓄電部24とGPS受信部26及び無線送信部27との電気的接続を遮断する。この場合、蓄電部24は、分離検知用ケーブル8によって室内機1から伝送されてくる電力を蓄える。
【0037】
一方、分離検知用ケーブル8に流れる電流がゼロである場合すなわち分離検知用ケーブル8が断線した場合、電流検出部22の検出結果に基づいてスイッチ25はオン状態になり、蓄電部24とGPS受信部26及び無線送信部27とが電気的に接続され、蓄電部24から出力される電力によってGPS受信部26及び無線送信部27が電源ON状態になる。これにより、室外機2の空気調和システムからの物理的な分離が検出されてから蓄電部24の電力が枯渇するまで、GPS受信部26は、所定の周期(例えば12時間おきや24時間おき等)でGPS衛星から送信される電波を受信して室外機2の位置情報を生成して無線送信部27に送信し、無線送信部27は、室外機2の位置情報と不揮発性メモリ28が予め記憶している空気調和システム毎に固有に付与される識別番号とを対で無線送信する。
【0038】
このような動作により、室外機2が盗難されて室外機2が空気調和システムから分離されてしまった場合に、盗難された室外機2の位置情報を確認しながら盗難された室外機2を捜索することが可能になるので、盗難された室外機2の捜索を補助できる。
【0039】
また、室外機2の空気調和システムからの分離が検出されてからGPS受信部26及び無線送信部27に電力が供給されるので、GPS受信部26及び無線送信部27の無駄な電力消費を防止することができるとともに、室外機2が空気調和システムから分離していないのに室外機2の位置情報が室外機2から無線送信されることを防止して、無駄な無線送信をなくすことができる。
【0040】
また、特許文献1で提案されている空気調和システムに設けられる圧力検知手段と比較して、分離検知用ケーブル8は格段に安価であるため、室外機2の空気調和システムからの分離を低コストで検出することができる。
【0041】
また、室外機2の位置情報と不揮発性メモリ28が予め記憶している空気調和システム毎に固有に付与される識別番号とが対で無線送信されるので、空気調和システムから分離された室外機2の所有者が空気調和システムの製造販売会社に対してユーザー登録を行っていた場合等では、空気調和システムから分離された室外機2の所有者を特定すること等が容易になる。
【0042】
なお、抵抗23の代わりにLED等の発光部を設けてもよい。当該発光部は、室外機2の正面、側方、上方の少なくとも一つから視認可能な位置に設けると良い。このような構成によると、電源プラグ7(
図1A参照)が電源コンセントに差し込まれている状態では、分離検知用ケーブル8が断線しない限り、発光部が発光し続ける。発光部の発光によって室外機2を盗もうとする者を威嚇することができるので、盗難作業の開始を抑止することができる。
【0043】
<第2実施形態>
図4は、本発明の第2実施形態に係る空気調和システムの要部構成図である。なお、
図4において
図3と同一の部分には同一の符号を付す。本実施形態に係る空気調和システムは、本発明の第1実施形態に係る空気調和システムの室外機2に設けられていた蓄電部24の代わりに一次電池等の直流電源29を設け、直流電源29と抵抗23とを接続しない構成である。本実施形態では、GPS受信部26が請求項中の「位置情報生成部」の一例に該当し、電源部21、分離検知用ケーブル8、電流検出部22、及び抵抗23が請求項中の「分離検出部」の一例に該当し、直流電源29およびスイッチ25が請求項中の「電力供給部」の一例に該当し、電源部21及び抵抗23が請求項中の「通電部」の一例に該当し、無線送信部27内の不揮発性メモリ28が請求項中の「記憶部」の一例に該当する。なお、本実施形態においても、第1実施形態での変形例と同様に、抵抗23の代わりに発光部を設けても良い。
【0044】
分離検知用ケーブル8に流れる電流がゼロでない場合、電流検出部22の検出結果に基づいてスイッチ25はオフ状態になり、直流電源29とGPS受信部26及び無線送信部27との電気的接続を遮断する。
【0045】
一方、分離検知用ケーブル8に流れる電流がゼロである場合すなわち分離検知用ケーブル8が断線した場合、電流検出部22の検出結果に基づいてスイッチ25はオン状態になり、直流電源29とGPS受信部26及び無線送信部27とが電気的に接続され、直流電源29から出力される電力によってGPS受信部26及び無線送信部27が電源ON状態になる。これにより、室外機2の空気調和システムからの物理的な分離が検出されてから直流電源29の電力が枯渇するまで、GPS受信部26は、所定の周期(例えば12時間おきや24時間おき等)でGPS衛星から送信される電波を受信して室外機2の位置情報を生成して無線送信部27に送信し、無線送信部27は、室外機2の位置情報と不揮発性メモリ28が予め記憶している空気調和システム毎に固有に付与される識別番号とを対で無線送信する。
【0046】
このような動作により、室外機2が盗難されて室外機2が空気調和システムから分離されてしまった場合に、盗難された室外機2の位置情報を確認しながら盗難された室外機2を捜索することが可能になるので、盗難された室外機2の捜索を補助できる。
【0047】
また、室外機2の空気調和システムからの分離が検出されてからGPS受信部26及び無線送信部27に電力が供給されるので、GPS受信部26及び無線送信部27の無駄な電力消費を防止することができるとともに、室外機2が空気調和システムから分離していないのに室外機2の位置情報が室外機2から無線送信されることを防止して、無駄な無線送信をなくすことができる。
【0048】
また、特許文献1で提案されている空気調和システムに設けられる圧力検知手段と比較して、分離検知用ケーブル8は格段に安価であるため、室外機2の空気調和システムからの分離を低コストで検出することができる。
【0049】
また、室外機2の位置情報と不揮発性メモリ28が予め記憶している空気調和システム毎に固有に付与される識別番号とが対で無線送信されるので、空気調和システムから分離された室外機2の所有者が空気調和システムの製造販売会社に対してユーザー登録を行っていた場合等では、空気調和システムから分離された室外機2の所有者を特定すること等が容易になる。
【0050】
<第3実施形態>
図5は、本発明の第3実施形態に係る空気調和システムの要部構成図である。なお、
図5において
図4と同一の部分には同一の符号を付す。本実施形態に係る空気調和システムは、スイッチ25と、GPS受信部26と、無線送信部27と、直流電源29とを室外機2に設ける構成である。本実施形態では、GPS受信部26が請求項中の「位置情報生成部」及び「分離検出部」の一例に該当し、直流電源29およびスイッチ25が請求項中の「電力供給部」の一例に該当し、無線送信部27内の不揮発性メモリ28が請求項中の「記憶部」の一例に該当する。
【0051】
GPS受信部26は、所定の周期(例えば12時間おきや24時間おき等)でGPS衛星から送信される電波を受信して室外機2の位置情報を生成する。また、GPS受信部26は、前回生成した室外機2の位置情報を一時的に記憶している。GPS受信部26で生成した室外機2の位置情報は、最大十数メートル程度の誤差を含むため、前回生成した室外機2の位置情報と今回生成した室外機2の位置情報とが各々の誤差を加味しても明らかに異なっている場合に、室外機2が空気調和システムから物理的に分離していると判断し、その判断以後ずっとスイッチ25がオン状態になるようにスイッチ25を制御する。つまり、室外機2が空気調和システムから物理的に分離しているとGPS受信部26によって判断されると、直流電源29から出力される電力によって無線送信部27が電源ON状態になり、その電源ON状態が継続する。
【0052】
これにより、室外機2の空気調和システムからの物理的な分離が検出されてから直流電源29の電力が枯渇するまで、無線送信部27は、GPS受信部26から出力される室外機2の位置情報と不揮発性メモリ28が予め記憶している空気調和システム毎に固有に付与される識別番号とを対で無線送信する。
【0053】
このような動作により、室外機2が盗難されて室外機2が空気調和システムから分離されてしまった場合に、盗難された室外機2の位置情報を確認しながら盗難された室外機2を捜索することが可能になるので、盗難された室外機2の捜索を補助できる。
【0054】
また、室外機2の空気調和システムからの分離が検出されてから無線送信部27に電力が供給されるので、無線送信部27の無駄な電力消費を防止することができるとともに、室外機2が空気調和システムから分離していないのに室外機2の位置情報が室外機2から無線送信されることを防止して、無駄な無線送信をなくすことができる。
【0055】
また、「位置情報生成部」と「分離検出部」を共用することができるので、室外機2の空気調和システムからの分離を低コストで検出することができる。
【0056】
また、室外機2の位置情報と不揮発性メモリ28が予め記憶している空気調和システム毎に固有に付与される識別番号とが対で無線送信されるので、空気調和システムから分離された室外機2の所有者が空気調和システムの製造販売会社に対してユーザー登録を行っていた場合等では、空気調和システムから分離された室外機2の所有者を特定すること等が容易になる。
【0057】
<第4実施形態>
図6は、本発明の第4実施形態に係る空気調和システムの要部構成図である。なお、
図6において
図5と同一の部分には同一の符号を付す。本実施形態に係る空気調和システムは、直流電源29と、Wi-Fi(登録商標)通信部30とを室外機2に設ける構成である。本実施形態では、Wi-Fi通信部30が請求項中の「位置情報生成部」及び「分離検出部」の一例に該当し、Wi-Fi通信部30内の不揮発性メモリ28が請求項中の「記憶部」の一例に該当する。
【0058】
Wi-Fi通信部30は、所定の周期(例えば12時間おきや24時間おき等)で周辺のWi-Fiアクセスポイントから発信される電波情報を用いて室外機2の位置情報を取得する。また、Wi-Fi通信部30は、前回取得した室外機2の位置情報を一時的に記憶している。Wi-Fi通信部30で生成した室外機2の位置情報は、第3実施形態におけるGPS受信部26で生成した室外機2の位置情報よりも一般的に誤差が大きく、さらにWi-Fiアクセスポイントの検出状況が時間帯によっても左右される不安定さがある。このため、前回取得した室外機2の位置情報と今回取得した室外機2の位置情報とが明らかに異なっている場合に、室外機2が空気調和システムから物理的に分離していると判断し、その判断以後、室外機2の位置情報と不揮発性メモリ28が予め記憶している空気調和システム毎に固有に付与される識別番号とを対で無線送信する。なお、前回取得した室外機2の位置情報と今回取得した室外機2の位置情報とが明らかに異なっている場合としては、例えば、上記所定の周期を12時間おきにし、連続する2つの時間帯各々(例えば同日の午前9時と午後9時等)において、前回生成した室外機2の位置情報と今回生成した室外機2の位置情報とが各々の誤差を加味しても明らかに異なっている場合とすることが考えられる。
【0059】
このような動作により、室外機2が盗難されて室外機2が空気調和システムから分離されてしまった場合に、盗難された室外機2の位置情報を確認しながら盗難された室外機2を捜索することが可能になるので、盗難された室外機2の捜索を補助できる。
【0060】
また、室外機2の空気調和システムからの分離が検出されてから室外機2の位置情報がWi-Fi通信部30によって無線送信されるので、室外機2が空気調和システムから分離していないのに室外機2の位置情報が室外機2から無線送信されることを防止して、無駄な無線送信をなくすことができる。
【0061】
また、「位置情報生成部」と「分離検出部」を共用することができるので、室外機2の空気調和システムからの分離を低コストで検出することができる。
【0062】
また、室外機2の位置情報と不揮発性メモリ28が予め記憶している空気調和システム毎に固有に付与される識別番号とが対で無線送信されるので、空気調和システムから分離された室外機2の所有者が空気調和システムの製造販売会社に対してユーザー登録を行っていた場合等では、空気調和システムから分離された室外機2の所有者を特定すること等が容易になる。
【0063】
<空気調和システムから分離された室外機の位置情報の受信形態>
空気調和システムから分離された室外機2から無線送信される室外機2の位置情報の受信形態は特に限定されないが、例えば、専用の受信機を各地(例えば、大手家電量販店やコンビニエンスストアなど)に設置してもよく、また、例えば、既存の携帯電話キャリアの回線やインターネットを利用して、所定のメールアドレス(例えば、警察のメールアドレスやセキュリティサービス会社のメールアドレスなど)に所定の周期(例えば12時間おきや24時間おき等)でメール送信するようにしてもよい。なお、既存の携帯電話キャリアの回線を利用する場合は、例えば、利用料金を先払いして予め決まった回数のデータ送信ができるようにしておくようにするとよい。
【0064】
<その他>
以上、本発明の実施形態につき説明したが、本発明の範囲はこれに限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えて実施することができる。例えば、分離検知用ケーブルに供給する電圧を直流電圧ではなく、交流電圧にすることも可能である。また、本発明の各実施形態は矛盾のない限り適宜組み合わせて実施することができる。