(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0022】
次に、本発明の紫外線硬化性透明樹脂組成物について説明する。本発明の紫外線硬化性透明樹脂組成物は、(A)ポリカーボネートとの接触角が12°以下である(メタ)アクリル系樹脂と、(B)光重合開始剤と、を含有する紫外線硬化性透明樹脂組成物であって、前記(A)(メタ)アクリル系樹脂が、50質量%以上含有する。
【0023】
(A)ポリカーボネートとの接触角が12°以下である(メタ)アクリル系樹脂
(A)成分の(メタ)アクリル系樹脂は、表面が未処理のポリカーボネート樹脂に対して、紫外線硬化性透明樹脂組成物のぬれ性を向上させて、平滑な硬化塗膜を形成させるために配合する。
【0024】
(A)成分の(メタ)アクリル系樹脂は、(A)ポリカーボネートとの接触角が12°以下でれば、特に限定されず、例えば、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、エトキシエトキシエチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、フェノール(メタ)アクリレート、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート等の(メタ)アクリル系モノマーを重合させた樹脂、または上記(メタ)アクリル系モノマーが主成分であるモノマーを重合させた樹脂が挙げられる。なお、上記各樹脂は、いずれも、ポリカーボネートとの接触角が7°〜12°の範囲である。
【0025】
上記(A)成分の(メタ)アクリル系樹脂は、単独で使用してもよく、(A)成分の(メタ)アクリル系樹脂全体としてポリカーボネートとの接触角が12°以下でればよいので上記(A)成分の(メタ)アクリル系樹脂を2種以上混合して使用してもよい。
【0026】
このうち、(A)ポリカーボネートとの接触角が10°以下であり、平滑性により優れた硬化塗膜を形成できる点から、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、エトキシエトキシエチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、フェノール(メタ)アクリレート、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル系モノマーを重合した樹脂が好ましい。
【0027】
(A)成分の(メタ)アクリル系樹脂は、上市されているものとして、例えば、共栄社化学社製の「ライトエステル1,4BG」(ポリカーボネートとの接触角10°、モノマー種:1,4-ブタンジオールジメタクリレート)、「ライトエステルHOP」(ポリカーボネートとの接触角10°、モノマー種:2-ヒドロキシプロピルメタクリレート)、大阪有機化学社製の「ビスコート#155」(ポリカーボネートとの接触角7°、モノマー種:シクロへキシルアクリレート)、Miwon社製の「Miramer M140」(ポリカーボネートとの接触角9°、モノマー種:フェノールアクリレート)、Miwon社製の「Miramer M170」(ポリカーボネートとの接触角8°、モノマー種:エトキシエトキシエチルアクリレート)、共栄社化学社製の「ライトアクリレートNP-A」(ポリカーボネートとの接触角11°、モノマー種:ネオペンチルグリコールジアクリレート)等が挙げられる。
【0028】
(A)成分の(メタ)アクリル系樹脂の配合割合は、硬化塗膜に平滑性を付与する点から、紫外線硬化性透明樹脂組成物中に50質量%以上であり、より平滑性を向上させる点から70質量%以上が好ましく、75質量%以上が特に好ましい。
【0029】
(B)光重合開始剤
光重合開始剤は、一般的に使用されるものであれば特に限定されず、例えば、オキシムエステル系光重合開始剤、α−ヒドロキシケトン系光重合開始剤、アシルホスフィン系光重合開始剤の他、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾイン‐n‐ブチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、アセトフェノン、ジメチルアミノアセトフェノン、2,2‐ジメトキシ‐2‐フェニルアセトフェノン、2,2‐ジエトキシ‐2‐フェニルアセトフェノン、ベンゾフェノン、p‐フェニルベンゾフェノン、4,4′‐ジエチルアミノベンゾフェノン、ジクロルベンゾフェノン、2‐メチルアントラキノン、2‐エチルアントラキノン、2‐ターシャリーブチルアントラキノン、2‐アミノアントラキノン、2‐メチルチオキサントン、2‐エチルチオキサントン、2‐クロルチオキサントン、2,4‐ジメチルチオキサントン、2,4ジエチルチオキサントン、ベンジルジメチルケタール、アセトフェノンジメチルケタール、P‐ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル等が挙げられる。これらは単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
【0030】
このうち、α‐ヒドロキシケトン系光重合開始剤を使用することにより、耐変色性に優れ、透過率の高い硬化物を形成することができる。α‐ヒドロキシケトン系光重合開始剤には、例えば、1‐ヒドロキシ‐シクロヘキシル‐フェニル‐ケトン、2‐ヒドロキシ‐2‐メチル‐1‐フェニル‐プロパン‐1‐オン、1‐[4‐(2‐ヒドロキシエトキシ)‐フェニル]‐2‐ヒドロキシ‐2‐メチル‐1‐プロパン‐1‐オン、2‐ヒドロキシ‐1‐{4‐[4‐(2‐ヒドロキシ‐2‐メチル‐プロピオニル)‐ベンジル]‐フェニル}‐2‐メチル‐プロパン‐1‐オン等を挙げることができる。
【0031】
また、アシルホスフィン系光重合開始剤を使用することにより、紫外線に対する感度が増して光硬化性を向上させることができる。アシルホスフィン系光重合開始剤は、アシルホスフィン構造を備えた光重合開始剤であれば特に限定されず、例えば、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−ホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメチルベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルホスフィンオキサイド、(2,4,6‐トリメチルベンゾイル)エトキシフェニルホスフィンオキサイド等のアシルホスフィンオキサイド化合物を挙げることができる。
【0032】
波長300〜400nmの紫外光が本発明の紫外線硬化性透明樹脂組成物に照射されると、上記光重合開始剤が紫外線硬化性透明樹脂組成物の光硬化を促進する。光重合開始剤の配合割合は、(A)成分の(メタ)アクリル系樹脂が50質量%以上含有する限りにおいて適宜選択可能であり、例えば、紫外線硬化性透明樹脂組成物中に1〜50質量%が好ましく、2〜30質量%がより好ましく、5〜25質量%が特に好ましい。
【0033】
本発明の紫外線硬化性透明樹脂組成物は、上記(A)、(B)成分の他、必要に応じて、(C)ポリカーボネートとの接触角が12°超である(メタ)アクリル化エポキシ樹脂、(D)ポリカーボネートとの接触角が12°超である(メタ)アクリル化ウレタン樹脂、(E)難燃剤を配合してもよい。
【0034】
(C)ポリカーボネートとの接触角が12°超である(メタ)アクリル化エポキシ樹脂
(C)成分である(メタ)アクリル化エポキシ樹脂は、1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂に対して、(メタ)アクリル酸をエステル化反応させて得られるエポキシ(メタ)アクリレートである。(メタ)アクリル化エポキシ樹脂は、紫外線照射によりラジカル重合し得る(メタ)アクリル基を有している。よって、本発明の紫外線硬化性透明樹脂組成物に(メタ)アクリル化エポキシ樹脂を配合すると、紫外線照射により(メタ)アクリル化エポキシ樹脂同士が架橋反応して硬化物の架橋密度が上がるので、光硬化性がより向上し、また、硬化物に機械的強度を付与することができる。
【0035】
(メタ)アクリル化エポキシ樹脂の構造は、特に限定されないが、1分子中に少なくとも2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂に対して、そのエポキシ樹脂のエポキシ基に対して50〜100%当量の(メタ)アクリル酸をエステル化反応させて得られる(メタ)アクリル化エポキシ樹脂が好ましく、光硬化性の点から、80〜100%当量の(メタ)アクリル酸をエステル化反応させて得られる(メタ)アクリル化エポキシ樹脂が特に好ましい。
【0036】
(メタ)アクリル化エポキシ樹脂の合成原料であるエポキシ樹脂の種類は特に限定されず、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(ビスフェノールA型液状エポキシ樹脂、ビスフェノールA型変性柔軟性エポキシ樹脂、核水添ビスフェノールA型液状エポキシ樹脂など)、ノボラック型エポキシ樹脂(フェノールノボラック型エポキシ樹脂、o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、p−tert−ブチルフェノールノボラック型など)、ビスフェノールFやビスフェノールSにエピクロルヒドリンを反応させて得られたビスフェノールF型やビスフェノールS型エポキシ樹脂、さらにシクロヘキセンオキシド基、トリシクロデカンオキシド基、シクロペンテンオキシド基などを有する脂環式エポキシ樹脂、トリス(2,3−エポキシプロピル)イソシアヌレート、トリグリシジルトリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート等のトリアジン環を有するトリグリシジルイソシアヌレート、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、アダマンタン型エポキシ樹脂等を挙げることができる。これらの化合物は単独で使用してもよく、2種以上混合して使用してもよい。
【0037】
(メタ)アクリル化エポキシ樹脂は、通常、ポリカーボネートとの接触角が12°超であり、ポリカーボネートに対するぬれ性が(A)成分の(メタ)アクリル系樹脂より低い。上記例示した(メタ)アクリル化エポキシ樹脂は、いずれも、ポリカーボネートとの接触角が12°超である。
【0038】
(メタ)アクリル化エポキシ樹脂の配合割合は、(A)成分の(メタ)アクリル系樹脂が50質量%以上含有する限りにおいて適宜選択可能であり、例えば、その下限値は、光硬化性と硬化物に機械的強度を付与する点から、紫外線硬化性透明樹脂組成物中に1質量%が好ましく、応力緩和の点から5質量%が特に好ましい。一方、その上限値は、硬化塗膜の良好な平滑性を確実に維持する点から、紫外線硬化性透明樹脂組成物中に20質量%が好ましく、機械的強度と優れた平滑性とのバランスの点から10質量%が特に好ましい。
【0039】
(D)ポリカーボネートとの接触角が12°超である(メタ)アクリル化ウレタン樹脂
(D)成分である(メタ)アクリル化ウレタン樹脂は、ウレタン樹脂に(メタ)アクリル酸をエステル化反応させて得られるウレタン(メタ)アクリレートである。(メタ)アクリル化ウレタン樹脂が紫外線硬化性透明樹脂組成物に含まれると、柔軟性に優れた硬化塗膜を形成できる。
【0040】
ウレタン樹脂は、1分子中に2つ以上のイソシアネート基を有する化合物と1分子中に2つ以上のヒドロキシル基を有するポリオール化合物とを反応させて得られるものである。
【0041】
1分子中に2つ以上のイソシアネート基を有する化合物には、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネアート(HDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、メチレンジイソシアネート(MDI)、メチレンビスシクロヘキシルイソシアネート、トリメチルヘキサメチルジイソシアネート、ヘキサメチルアミンジイソシアネート、メチレンビスシクロヘキシルイソシアネート、トルエンジイソシアネート、1,2−ジフェニルエタンジイソシアネート、1,3−ジフェニルプロパンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメチルジイソシアネートなどのジイソシアネートが挙げられる。これらの化合物は単独で使用してもよく、2種以上混合して使用してもよい。
【0042】
1分子中に2つ以上のヒドロキシル基を有するポリオール化合物には、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,4−ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,2−ブチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、3,3−ジメチロールヘプタン、2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール、1,12−ドデカンジオール、1,18−オクタデカンジオールなどのC
2−C
22アルカンジオールや、2−ブテン−1,4−ジオール、2,6−ジメチル−1−オクテン−3,8−ジオールなどのアルケンジオール等の脂肪族ジオール;1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等の脂環族ジオール;グリセリン、2−メチル−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール、2,4−ジヒドロキシ−3−ヒドロキシメチルペンタン、1,2,6−ヘキサントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、2−メチル−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール、2,4−ジヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)ペンタン、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−3−ブタノール等の脂肪族トリオール;テトラメチロールメタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、キシリトール等の水酸基を4つ以上有するポリオールなどが挙げられる。これらの化合物は単独で使用してもよく、2種以上混合して使用してもよい。
【0043】
(メタ)アクリル化ウレタン樹脂は、通常、ポリカーボネートとの接触角が12°超であり、ポリカーボネートに対するぬれ性が(A)成分の(メタ)アクリル系樹脂より低い。上記例示した(メタ)アクリル化ウレタン樹脂は、いずれも、ポリカーボネートとの接触角が12°超である。
【0044】
(メタ)アクリル化ウレタン樹脂の配合割合は、(A)成分の(メタ)アクリル系樹脂が50質量%以上含有する限りにおいて適宜選択可能であり、例えば、その下限値は、硬化塗膜に柔軟性を付与する点から、紫外線硬化性透明樹脂組成物中に1質量%が好ましく、絶縁性の点から5質量%が特に好ましい。一方、その上限値は、硬化塗膜の良好な平滑性を確実に維持する点から、紫外線硬化性透明樹脂組成物中に20質量%が好ましく、優れた平滑性と柔軟性とのバランスの点から10質量%が特に好ましい。
【0045】
(E)難燃剤
本発明の紫外線硬化性透明樹脂組成物に難燃剤を配合することで、硬化塗膜に難燃性を付与することができる。難燃剤は特に限定されず、公知のものを使用でき、例えば、リン元素含有化合物を挙げることができる。リン元素含有化合物の具体例としては、トリス(クロロエチル)ホスフェート、トリス(2,3−ジクロロプロピル)ホスフェート、トリス(2−クロロプロピル)ホスフェート、トリス(2,3−ブロモプロピル)ホスフェート、トリス(ブロモクロロプロピル)ホスフェート、2,3−ジブロモプロピル−2,3−クロロプロピルホスフェート、トリス(トリブロモフェニル)ホスフェート、トリス(ジブロモフェニル)ホスフェート、トリス(トリブロモネオペンチル)ホスフェートなどの含ハロゲン系リン酸エステル;トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリオクチルホスフェート、トリブトキシエチルホスフェート、トリアリルホスフィンなどのノンハロゲン系脂肪族リン酸エステル;トリフェニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、ジクレジルフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、キシレニルジフェニルホスフェート、トリス(イソプロピルフェニル)ホスフェート、イソプロピルフェニルジフェニルホスフェート、ジイソプロピルフェニルフェニルホスフェート、トリス(トリメチルフェニル)ホスフェート、トリス(t−ブチルフェニル)ホスフェート、ヒドロキシフェニルジフェニルホスフェート、オクチルジフェニルホスフェート、3−グリシジルオキシプロピレンジフェニルホスフィンオキシド、3−グリシジルオキシジフェニルホスフィンオキシド、ジフェニルビニルホスフィンオキシド、2−(9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−オキサイド−10−ホスファフェナントレン−10−イル)メチルコハク酸ビス−(2−ヒドロキシエチル)−エステル重合物などのノンハロゲン系芳香族リン酸エステル;トリスジエチルホスフィン酸アルミニウム、ジエチルホスフィン酸アルミニウム、トリスメチルエチルホスフィン酸アルミニウム、トリスジフェニルホスフィン酸アルミニウム、ビスジエチルホスフィン酸亜鉛、ビスメチルエチルホスフィン酸亜鉛、ビスジフェニルホスフィン酸亜鉛、ビスジエチルホスフィン酸チタニル、テトラキスジエチルホスフィン酸チタン、ビスメチルエチルホスフィン酸チタニル、テトラキスメチルエチルホスフィン酸チタン、ビスジフェニルホスフィン酸チタニル、テトラキスジフェニルホスフィン酸チタンなどのホスフィン酸の金属塩等が挙げられる。これらは単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
【0046】
難燃剤の配合割合は、(A)成分の(メタ)アクリル系樹脂が50質量%以上含有する限りにおいて適宜選択可能であり、例えば、その上限値は、硬化塗膜の柔軟性の低下を確実に防止する点から、紫外線硬化性透明樹脂組成物中に20質量%が好ましく、硬化塗膜の機械的強度の低下を抑える点から15質量%が特に好ましい。
【0047】
本発明の紫外線硬化性透明樹脂組成物には、上記した各成分の他に、さらに、必要に応じて、種々の添加成分、例えば、各種添加剤、溶剤などを含有させることができる。
【0048】
各種添加剤には、ビニル系重合物、アクリルポリマー等の消泡剤などが挙げられる。
【0049】
溶剤は、紫外線硬化性透明樹脂組成物の粘度や乾燥性を調節するために使用するものである。溶剤としては、例えば、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、メタノール、イソプロパノール、シクロヘキサノール、などのアルコール類、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素類、石油エーテル、石油ナフサ等の石油系溶剤類、セロソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソルブ類、カルビトール、ブチルカルビトール等のカルビトール類、酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、カルビトールアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ブチルカルビトールアセテート等の酢酸エステル類等を挙げることができる。
【0050】
溶剤の配合割合は、(A)成分の(メタ)アクリル系樹脂が50質量%以上含有する限りにおいて適宜選択可能であり、例えば、紫外線硬化性透明樹脂組成物中に1〜10質量%が好ましい。
【0051】
上記した本発明の紫外線硬化性透明樹脂組成物の製造方法は、特定の方法に限定されず、例えば、上記成分(A)〜(B)および必要に応じてその他の成分を所定割合で配合後、室温にて、三本ロール、ボールミル、サンドミル等の混練手段、または、ディゾルバー、スーパーミキサー、プラネタリーミキサー等の攪拌手段により混練または混合して製造することができる。また、前記混練または混合の前に、必要に応じて、予備混練または予備混合してもよい。
【0052】
次に、上記した本発明の紫外線硬化性透明樹脂組成物の使用方法について説明する。ここでは、ポリカーボネートフィルムにITO層を形成したITOフィルム上に、本発明の紫外線硬化性透明樹脂組成物を塗工して、透明な絶縁膜を形成する方法を例にとって説明する。
【0053】
ITOフィルム上に、上記のように製造した紫外線硬化性透明樹脂組成物をスクリーン印刷法、スプレーコート法、バーコータ法、スピンコータ、インクジェット印刷等の方法を用いて所望の厚さに塗布する。
【0054】
その後、塗布した紫外線硬化性透明樹脂組成物上から紫外線を照射させることにより、ITOフィルム上に目的とする透明な絶縁膜を形成させることができる。
【0055】
なお、上記ITOフィルムに代えて、フレキシブル配線板やガラスエポキシ基板等で製造したプリント配線板に、本発明の紫外線硬化性透明樹脂組成物を塗工して、フレキシブル配線板やプリント配線板にソルダーレジスト膜を形成してもよい。
【実施例】
【0056】
次に、本発明の実施例を説明するが、本発明はその趣旨を超えない限り、これらの例に限定されるものではない。
【0057】
実施例1〜23、比較例1〜4
下記表1に示す各成分を下記表1に示す配合割合にて配合し、ビーズミルを用いて室温にて混合分散させて、実施例1〜23、比較例1〜4にて使用する紫外線硬化性透明樹脂組成物を調製した。そして、調製した紫外線硬化性透明樹脂組成物を以下のように塗工して試験片を作成した。なお、表1中の配合割合の数値は質量を示す。
【0058】
【表1】
【0059】
なお、表1中の各成分についての詳細は以下の通りである。
(A)ポリカーボネートとの接触角が12°以下である(メタ)アクリル系樹脂
・ビスコート#155:大阪有機化学(株)製、シクロへキシルアクリレ−ト。
・Miramer M140:Miwon製、フェノールアクリレート。
・ライトエステル1,4BG:共栄社化学(株)製、1,4-ブタンジオールジメタクリレート。
・ライトアクリレートNP-A:共栄社化学(株)製、ネオペンチルグリコールジアクリレート。
(B)光重合開始剤
・イルガキュア184:BASF製、1‐ヒドロキシ‐シクロヘキシル‐フェニル‐ケトン。
・イルガキュア1173:BASF製、2‐ヒドロキシ‐2‐メチル‐1‐フェニル‐プロパン‐1‐オン。
・イルガキュア754:BASF製、2-[2-オキソ-2-フェニルアセトキシエトキシ]エチルエステルと、オキシフェニル酢酸と、2-(2-ヒドロキシエトキシ)エチルエステルとの混合物
・LUCIRIN TPO:BASF製、2,4,6-トリメチルベンゾイル-ジフェニル-フォスフィンオキサイド。
・SPEEDCURE 819:BASF製、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルフォスフィンオキサイド。
【0060】
(C)ポリカーボネートとの接触角が12°超である(メタ)アクリル化エポキシ樹脂
・EBECRYL 3708:ダイセル・サイテック(株)製、エポキシアクリルレートと2−ヒドロキシエチルアクリレートとの混合物、ポリカーボネートとの接触角55°。
・Miramer PE110:MIWON製、フェニルエポキシアクリレート、ポリカーボネートとの接触角32°。
・Miramer PE250:MIWON製、ビスフェノールA型エポキシジメタクリレート、ポリカーボネートとの接触角48°。
(D)ポリカーボネートとの接触角が12°超である(メタ)アクリル化ウレタン樹脂
・EBECRYL 8405:ダイセル・サイテック(株)製、ウレタンアクリレート、ポリカーボネートとの接触角78°。
・アロニックスM‐1200:東亞合成(株)製、ウレタンアクリレート、ポリカーボネートとの接触角60°。
・AH‐600:共栄社化学(株)製、フェニルグリシジルエーテルアクリレートヘキサメチレンジイソシアネートウレタンプレポリマー、ポリカーボネートとの接触角65°。
(E)難燃剤
・ジフェニルビニルホスフィンオキシド:片山化学工業(株)製。
・ME‐P8:三光(株)製、2−(9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−オキサイド−10−ホスファフェナントレン−10−イル)メチルコハク酸ビス−(2−ヒドロキシエチル)−エステル重合物。
・トリアリルホスフィン:東洋サイエンス(株)製。
【0061】
添加剤
・ディスパロンUVX‐189:楠本化学(株)製、ビニル系重合物。
・ポリフロー No.90:共栄社化学(株)製、アクリルポリマー。
溶剤
・ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート:神港有機化学工業(株)製。
【0062】
ポリカーボネートとの接触角が12°超である(メタ)アクリル系樹脂
・ライトエステル1,9ND:共栄社化学(株)製、1,9-ノナンジオールジメタクリレート。
・アロニックスM-350:東亞合成(株)製、トリメチロールプロパンEO変性トリアクリレート。
【0063】
試験片作製工程
表面処理されていないポリカーボネートフィルム「パンライト2151」(帝人化成(株)製、フィルム厚さ125μm)の表面にスクリーン印刷法にて、上記のように調製した紫外線硬化性透明樹脂組成物を塗布した。その後、露光装置(アイグラフィック社製、UB093−5AM)にて紫外線(300〜400nm)を1000mJ/cm
2まで露光し、ポリカーボネートフィルム上に硬化塗膜を形成した。硬化塗膜の厚みは、8〜10μmであった。
【0064】
評価
(1)ポリカーボネートとの(メタ)アクリル系樹脂の接触角
ポリカーボネートフィルムとの接触角を、固体表面エナジー解析装置CA-150W(協和界面科学社製)を用い、JIS R 3257に従って測定した。
(2)透過率
基板をポリカーボネートフィルムから石英ガラス(50mm×50mm×厚さ1mm)に変更して、上記試験片作製工程に従って塗工し、得られた硬化塗膜に対してJIS−K−7105、JIS−K−7136に準じて、日立ハイテク社製U−3310分光光度計を用いて全光線透過率を測定した。
(3)ヘーズ(曇価)(%)
基板をポリカーボネートフィルムから石英ガラス(50mm×50mm×厚さ1mm)に変更して、上記試験片作製工程に従って塗工し、得られた硬化塗膜に対してJIS−K−7105、JIS−K−7136に準じて、日立ハイテク社製U−3310分光光度計を用いてヘーズを測定した。
【0065】
(4)ポリカーボネートフィルム上における表面平滑性
上記試験片作製工程にて作製した試験片について、硬化塗膜表面の外観を目視にて観察し、以下のように、4段階で評価した。
◎:塗膜全面にわたり、均一で極めて平滑な表面。○:塗膜全面にわたり、均一で平滑な表面。△:全体的には平滑だが、一部に若干のゆず肌あり。×:全体的にゆず肌有り。
(5)絶縁性(Ω)
ポリカーボネートフィルムに代えて、櫛形テストパターン(線幅100μm、線間100μm)に、上記試験片作製工程と同様の方法で塗工して硬化塗膜を形成し、試験片とした。この試験片を、温度85℃、湿度85%の雰囲気中にて直流50V印加して1000時間放置後、該試験片を槽外に取り出して絶縁抵抗値を測定した。
【0066】
評価結果を表2に示す。
【0067】
【表2】
【0068】
上記表2の各実施例の結果に示すように、ポリカーボネートとの接触角が12°以下である(メタ)アクリル系樹脂を紫外線硬化性透明樹脂組成物中に50質量%以上使用すると、絶縁性を損なうことなく、ポリカーボネートフィルム上における表面平滑性(以下、「平滑性」ということがある。)が良好であり、かつ、透過率97%以上、ヘーズ0.5以下と、良好な透明性を有する硬化塗膜が得られた。また、実施例1〜22から、ポリカーボネートとの接触角が10°以下である(メタ)アクリル系樹脂を使用すると、平滑性がより向上した。特に、実施例1、4〜8から、ポリカーボネートとの接触角が7°である(メタ)アクリル系樹脂のみを使用し、(C)成分の(メタ)アクリル化エポキシ樹脂、(D)成分の(メタ)アクリル化ウレタン樹脂、(E)成分の難燃剤をいずれも配合しないと、きわめて優れた平滑性が得られた。また、実施例12〜22から、ポリカーボネートとの接触角が7°である(メタ)アクリル系樹脂を紫外線硬化性透明樹脂組成物中に50質量%以上使用すると、(C)ポリカーボネートとの接触角が12°超である(メタ)アクリル化エポキシ樹脂、(D)ポリカーボネートとの接触角が12°超である(メタ)アクリル化ウレタン樹脂または(E)難燃剤を配合しても、透明性と絶縁性を損なうことなく、優れた平滑性が得られた。
【0069】
一方、比較例1〜4から、(メタ)アクリル系樹脂として、ポリカーボネートとの接触角が13°以上のものを使用すると、(C)成分の(メタ)アクリル化エポキシ樹脂、(D)成分の(メタ)アクリル化ウレタン樹脂または(E)成分の難燃剤を配合しなくても、硬化塗膜表面がゆず肌となり、平滑性が得られなかった。比較例3、4から、ポリカーボネートとの接触角が12°以下である(メタ)アクリル系樹脂を使用しても、ポリカーボネートとの接触角が12°超である別の(メタ)アクリル系樹脂と混合した結果、(メタ)アクリル系樹脂混合物としての接触角が13°以上になると、平滑性が得られなかった。