(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5997002
(24)【登録日】2016年9月2日
(45)【発行日】2016年9月21日
(54)【発明の名称】発熱部品実装回路基板及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
H05K 3/28 20060101AFI20160908BHJP
H01L 23/12 20060101ALI20160908BHJP
【FI】
H05K3/28 G
H01L23/12 K
【請求項の数】5
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2012-232919(P2012-232919)
(22)【出願日】2012年10月22日
(65)【公開番号】特開2014-86496(P2014-86496A)
(43)【公開日】2014年5月12日
【審査請求日】2015年8月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】000144393
【氏名又は名称】株式会社三社電機製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100090310
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 正俊
(72)【発明者】
【氏名】森本 猛
(72)【発明者】
【氏名】嶋田 大喜
【審査官】
小林 大介
(56)【参考文献】
【文献】
特開平11−233921(JP,A)
【文献】
特開平05−335764(JP,A)
【文献】
実開平02−026273(JP,U)
【文献】
特開2003−182606(JP,A)
【文献】
特開2003−250278(JP,A)
【文献】
特開2005−348529(JP,A)
【文献】
特開2002−111262(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 3/28
H01L 23/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方の表面と、前記一方の表面と間隔をおいて対向する他方の表面と、前記一方の表面と前記他方の表面との同一側の縁を繋ぐ側縁とを、有する回路基板と、
前記側縁の側方に前記回路基板と離れて位置する本体部を有し、この本体部は放熱面を有し、前記本体部の前記側縁を向く面から前記側縁側に向かって突出した複数のリードが、前記側縁を越えて前記回路基板の前記一方の表面上にまで伸延し、前記回路基板の所定位置にそれぞれ電気的に接続されている発熱部品と、
前記放熱面が取り付けられ、前記放熱面の取り付け位置から前記回路基板の前記一方の表面と対向する位置まで、前記回路基板の前記一方の表面と間隔をおいて存在する放熱体と、
前記回路基板の一方の表面側における前記各リードの露出部分上に、当該露出部分を被って設けられ、難燃性で液体含浸性を有する繊維体に、絶縁性を有する液体を含浸させたものである第1の帯状体とを、
有する発熱部品実装回路基板。
【請求項2】
請求項1記載の発熱部品実装回路基板において、前記各リードの先端は、前記一方の表面側から前記他方の表面側に前記回路基板を貫通して、前記回路基板の前記他方の表面側に突出し、これら突出部分を被って前記回路基板の前記他方の表面に第2の帯状体が設けられ、前記第2の帯状体は、難燃性で液体含浸性を有する繊維体に、絶縁性を有する液体を含浸させたものである発熱部品実装回路基板。
【請求項3】
請求項2記載の発熱部品実装回路基板において、複数の前記発熱部品が前記側縁に沿って設けられ、前記第1の帯状体は、前記複数の発熱部品の各リードの前記回路基板の一方の表面側の露出部分を被い、前記第2の帯状体は、前記複数の発熱部品の各リードの前記突出部分を被う発熱部品実装回路基板。
【請求項4】
本体部の一面から複数のリードが突出している発熱部品を、一方の表面と前記一方の表面と間隔をおいて対向する他方の表面と前記一方の表面と前記他方の表面との同一側の縁を繋ぐ側縁とを有する回路基板の前記側縁の側方に、前記本体部が位置すると共に、前記複数のリードが前記側縁を超えて前記回路基板上の前記一方の表面上の所定位置に位置するように、配置する第1の過程と
前記所定位置に前記複数のリードをそれぞれ接続する第2の過程と、
難燃性で液体含浸性を有する繊維体に、絶縁性を有する液体を含浸させた第1の帯状体を、前記各リードの露出部分上に、当該露出部分を被うように設ける第3の過程と、
前記本体部の配置位置から前記回路基板の前記一方の表面と対向する位置まで前記回路基板の前記一方の表面と間隔をおいて配置した放熱体に、前記本体部が前記リード面の突出面とは異なる面に有する放熱面を取り付ける第4の過程とを、
有する発熱部品実装回路基板の製造方法。
【請求項5】
請求項4記載の発熱部品実装回路基板の製造方法が、
前記第1の過程において、前記各リードの先端を、前記回路基板を前記一方の表面から前記他方の表面まで貫通させて、前記他方の表面側に突出させ、
難燃性で液体含浸性を有する繊維体に、絶縁性を有する液体を含浸させた第2の帯状体を、前記リードの前記回路基板の前記他方の表面側への突出部分を被うように設ける第5の過程を有する発熱部品実装回路基板の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、端子を有する発熱部品を、回路基板に実装した発熱部品実装回路基板に関し、特に、発熱部品が回路基板から離れて配置され、発熱部品の端子が回路基板の所定位置に電気的に接続されたものに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、端子を基板に電気的に接続したものとしては、例えば特許文献1に開示されているようなものがある。この技術では、プリント基板に形成したスルーホールにコネクタの端子が挿入されている。端子はメッキが施されているので、端子をスルーホールに挿入した際に、メッキがはがれて、スルーホールの周縁に削りくずが生じることがあり、この削りくずが他の箇所に飛散すると電気的な問題を生じることがあるので、それを解消するためにスルーホールが形成されている領域を囲むように液状のコーティング材が施されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−332753号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の技術はコネクタの端子をプリント基板のスルーホールに挿入する例であるが、例えば電気溶接機等では、同様に
図5に示すように発熱部品、例えばパワー半導体素子100をプリント基板102上ではなく、プリント基板102の近傍に配置し、パワー半導体素子100の端子104をプリント基板の所定のパターンに半田付けした後、パワー半導体素子100を放熱体106に固定することがある。半導体素子の端子に粉塵等が付着して、端子が短絡することを防止する必要がある。或いは、溶接機等では電力半導体素子100に大きな電圧が印加されているので、放熱体106とパワー半導体素子100の端子104との間でアーク放電が発生し、半導体素子やプリント基板102上の回路を破壊することがある。これらを防止するために、端子104の露出した部分や端子のプリント基板上の半田付け部分に、基板用コーティング材やシリコンゴムを塗布して、乾燥させてから、半導体素子100を放熱体106に取り付けるか、或いは半導体素子100を放熱体106に取り付けた後、端子104の露出した部分や端子のプリント基板102上の半田付け部分に基板用コーティング材やシリコンゴムを塗布することが考えられる。
【0005】
放熱体106に半導体素子100を取り付ける前にシリコンゴムを端子に塗布する場合、半導体素子を端子に取り付けたとき放熱体に最も近づくことになる端子104の面108にシリコンゴムを塗布するときに、その厚さが厚すぎると、半導体素子100を放熱体106に取り付ける際、半導体素子100を放熱体106に密着させることができず、放熱性が損なわれる。このシリコンゴムの厚さを各半導体素子ごとに揃えることは、シリコンゴムが液状であるので、非常に困難である。そこで、まず半導体素子100を放熱体106に取り付けた後、プリント基板102側にある端子104の面110から刷毛や筆で端子104にシリコンゴムを塗布し、液状のシリコンゴムを端子104の面108側にも回り込ませて、乾燥させることが考えられる。しかし、端子104の面108側にまでシリコンゴムを回り込ませることは難しく、充分な対策ではなかった。刷毛や筆で塗布するため、細かい作業が必要性で作業性が悪い。さらに、放熱体106は、一般に電気溶接機等の筐体に一体的に取り付けられていたり、筐体の一部そのものであったりするので、放熱体106に半導体素子100を取り付けた後、シリコンゴムを塗布し、そのシリコンゴムが乾燥するまでそのまま待機しなければならない。この乾燥には通常2乃至3時間必要であるので、待機時間が長く、しかも、その待機中に筐体を補間するためのスペースが必要であり、大量生産向きではなかった。コーティング材を使用する場合にも、上記と同様な問題がある。
【0006】
本発明は、発熱部品の放熱性を損なうこと無く、作業性が良好な発熱部品実装回路基板を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様の発別部品実装回路基板は、回路基板を有している。回路基板は、一方の表面と、前記一方の表面と間隔をおいて対向する他方の表面と、前記一方の表面と前記他方の表面との同一側の縁を繋ぐ側縁とを、有するもので、種々の形状とすることができるが、例えば矩形とすることができる。前記側縁の側方に前記回路基板と離れて発熱部品の本体部が位置する。この本体部は放熱面を有し、前記本体部の前記側縁を向く面から前記側縁側に向かって突出した複数のリードが、前記側縁を越えて前記回路基板の前記一方の表面上にまで伸延し、前記回路基板の所定位置にそれぞれ電気的に接続されている。発熱部品は、回路基板の前記側縁の近傍に本体部を位置させ、本体部から突出したリードが直ちに前記側縁を越えて回路基板上に伸延するように構成することもできるし、回路基板の前記側縁から幾分離れた位置に本体部を位置させ、本体部から突出したリードが、本体部と回路基板の前記側縁との間にあるスペースを通過して、回路基板の側縁を越えて回路基板上に伸延することもできる。前記放熱面が取り付けられ、前記放熱面の取り付け位置から前記回路基板の前記一方の表面と対向する位置まで、前記回路基板の前記一方の表面と間隔をおいて放熱体が存在する。前記回路基板の一方の表面側における前記各リードの露出部分上に、当該露出部分を被って第1の帯状体が設けられ、第1の帯状体は、難燃性で液体含浸性を有する繊維体に、絶縁性を有する液体を含浸させたものである。繊維体としては、その厚さが一定で柔軟性のあるものが望ましく、例えば布や紙を使用することができる。
【0008】
このように構成された発熱部品実装回路基板では、発熱部品のリードの本体部から先端までの露出部分が第1の帯状体によって被われているので、リードに絶縁処理を行うことができる。しかも、第1の帯状体をリードの露出部分に貼り付ける作業だけが必要で、作業性が高い。第1の帯状体は、繊維体に絶縁性の液体を含浸させるものであるので、リードに絶縁材を塗布する場合に比較して、絶縁材の塗布量の調整などが不要にでき、作業性をさらに向上させることができる。また、第1の帯状体によってリードの露出部分が被われているので、リードに粉塵などが付着することを防止しやすく、悪環境下で、この発熱部品実装回路基板を使用しても、この基板の性能を維持することができる。
【0009】
さらに、前記各リードを、それらの先端が前記回路基板を
一方の表面側から前記他方の表面側に貫通して、前記回路基板の他方の表面側に突出したものとすることができる。この場合、各リードの突出部分を被うように前記回路基板の他方の表面に第2の帯状体を設ける。前記第2の帯状体は、第1の帯状体と同一の構成である。
【0010】
このように構成すると、リードの突出部分に対して絶縁処理を行うことができる上に、回路基板の他方の表面側に突出している先端を第2の帯状体で被うことができるので、突出している先端に作業員等が接触することがなく、作業者の安全性も確保できる。
【0011】
さらに、発熱部品を複数とすることもできる。この場合、複数の前記発熱部品が前記側縁に沿って設けられ、前記第1の帯状体は、前記複数の発熱部品の各リードの前記回路基板の一方の表面側の露出部分を被い、前記第2の帯状体は、前記複数の発熱部品の各リードの前記突出部分を被う。このように構成すると、多数の発熱部品に対して、高効率に絶縁処理を行うことができる。
【0012】
本発明の他の態様の発熱部品実装基板の製造方法は、
本体部の一面から複数のリードが突出している発熱部品を、一方の表面と前記一方の表面と間隔をおいて対向する他方の表面と前記一方の表面と前記他方の表面との同一側の縁を繋ぐ側縁とを有する回路基板の前記側縁の側方に、前記
本体部が位置すると共に、前記複数のリードが前記側縁を超えて前記回路基板上の前記一方の表面上の所定位置に位置するように、配置する第1の過程と、前記所定位置に前記複数のリードをそれぞれ接続する第2の過程と、難燃性で液体含浸性を有する繊維体に、絶縁性を有する液体を含浸させた第1の帯状体を、前記各リードの露出部分上に、当該露出部分を被うように設ける第3の過程と、前記本体部の配置位置から前記回路基板の前記一方の表面と対向する位置まで前記回路基板の前記一方の表面と間隔をおいて配置した放熱体に、前記本体部が前記リード面の突出面とは異なる面に有する放熱面を取り付ける第4の過程とを、有するものである。前記第1の過程において、前記各リードの先端を、前記回路基板を前記一方の表面から前記他方の表面まで貫通させて、前記他方の表面側に突出させることができる。この場合、難燃性で液体含浸性を有する繊維体に、絶縁性を有する液体を含浸させた第2の帯状体を、前記リードの前記回路基板の前記他方の表面側への突出部分を被うように設ける第5の過程を設けることができる。
【発明の効果】
【0013】
以上のように、本発明によれば、発熱部品の放熱性能を維持したまま、作業性を向上させた発熱部品実装基板を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の1実施形態の発熱部品実装基板の平面図、底面図及び側面図である。
【
図2】
図1の発熱部品実装基板において第1乃至第3の帯状体を貼り付ける前の状態の底面図、平面図及び側面図である。
【
図3】
図1の発熱部品実装基板において第3の帯状体を貼り付けた状態の底面図、平面図及び側面図である。
【
図4】
図3の発熱部品実装基板において第1の帯状体を貼り付けた状態の底面図、及び側面図と、更に第2の帯状体を貼り付けた状態の平面図及び側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の一実施形態の発熱部品実装回路基板は、例えば電気溶接機のような電気機器において、発熱部品、例えば電力半導体素子が放熱体、例えばヒートシンクに取り付けられ、この電力半導体素子のリードが、回路基板に取り付けられたものである。
【0016】
具体的には、
図2に示すように、電力半導体素子として、例えばIGBT2が複数、例えば6つ使用されている。各IGBT2は、扁平な直方体状の本体部4を有し、これら本体部4が一列に配置されている。これら本体部の2つの主表面のうちの一面に形成されている放熱面が、
図1に示すように放熱体6に例えばネジ止めされている。放熱体6は、電気溶接機の筐体の一部または筐体に取り付けられたものである。
【0017】
各本体部4から幾分離れて、回路基板、例えば剛性のある長方形状のプリント基板8が配置されている。プリント基板8は、両長辺が各本体部4の配列方向と平行となるように、各本体部4から幾分離れて配置されている。
図1(c)に示すように、プリント基板8は、放熱体6におけるIGBT2が取り付けられている面及び本体部4から離れて位置している。各本体部4におけるプリント基板8の一側縁、例えば本体部4に近い位置にある長辺9と対向する側面から、それぞれ複数、例えば3本の端子、例えばリード10がプリント基板8の長辺9側に突出しており、それらの先端は、プリント基板8の長辺9を越えてプリント基板8の一方の表面、例えば裏面12上にまで伸延し、所定の位置でプリント基板8側に折り曲げられ、プリント基板8の裏面12から他方の表面14に貫通している。その貫通位置の表面14側に形成されているパターンに電気的に接続、例えば半田付けされている。
図2(c)に符号16で示すのは、半田付け箇所である。プリント基板8上には、各IGBT2を駆動するための駆動回路が構成され、図示していないが、表面14に駆動回路用の電子部品が配置され、これら部品間は表面14に形成されたパターンによって電気的に接続されている。
【0018】
この発熱部品実装回路基板を、上述したように電気溶接機に使用した場合、鉄粉などの粉塵に晒されることがあり、リード10に粉塵が付着すると、リード10同士が短絡することがある。また、溶接機では、非常に大きな電圧がIGBT2に印加されるので、放熱体6とリード10との間でアーク放電が発生し、IGBT2やプリント基板8に構成されている駆動回路が破壊されることがある。そのため、各リード10に対して絶縁処理を施している。
【0019】
絶縁処理として、
図1(b)及び
図1(c)に示すように、各IGBT2の本体部4からプリント基板8の裏面12上まで伸びている各リード10の部分、即ち各リード10の露出部分を被うように、第1の帯状体18が、各リード10の露出部分及びプリント基板8の裏面12上に貼り付けられている。第1の帯状体18は、各IGBT2におけるリード10が突出している本体部4の側面から、各リード10が表面14側に突出している位置を越えた位置までの幅寸法を有し、プリント基板8の側縁9の長さ寸法に一致する長さ寸法を有する長方形状で、難燃性の繊維体、例えば難燃性で柔軟性のある布に、絶縁性を有する液体、例えばポリオレフィン系樹脂液を含浸させたものである。この樹脂液を含浸させた第1の帯状体18は、その一方の長辺が各IGBT2の本体部4の各リード10が突出している側面に接触し、他方の長辺がプリント基板8の各リード10の突出位置を越えた位置に位置し、両短辺がプリント基板8の両短辺に一致するように配置された結果、各リード10とプリント基板8の裏面12に接触させてある。その後、10乃至30分程度そのままの状態を維持することで乾燥し、リード10とプリント基板8の裏面12上に接着される。乾燥に要する時間は、シリコンゴムやコーティング材と比較して非常に短い。
【0020】
また、絶縁処理として、
図1(a)及び
図1(c)に示すように、プリント基板8の表面14側に突出している各リード10の先端を被うように、第2の帯状体20が、プリント基板8の裏面12上に貼り付けられている。第2の帯状体20も、第1の帯状体と同様に難燃性の布にポリオレフィン系樹脂液を含浸させたもので、プリント基板8の表面14における側縁9から各リード10の先端の突出位置を越えた位置までの幅寸法と、側縁9の長さ寸法に一致する長さ寸法を有する長方形状のもので、一方の長辺がプリント基板8の側縁9に一致し、他方の長辺が各リード10の突出位置を越えた位置で、プリント基板8の側縁9と平行に位置し、両短辺がプリント基板8の両短辺に一致するようにプリント基板8の裏面12上に接触させてある。その後、10乃至30分程度そのままの状態を維持することで乾燥し、リード10の先端とプリント基板8の表面14上に接着される。
【0021】
この状態では、各IGBT2がプリント基板8の側縁9から離れて位置しているので、プリント基板8の表面14側において、各リード10の一部が露出している。そこで、この実施形態では、プリント基板8の表面14側において、プリント基板8の側縁9と本体部4のリード10が突出している側面との間に、アラミド絶縁紙からなる第3の帯状体22が貼り付けられている。この貼り付けは、
図1(c)に示すように本体部4のリード10の突出面から、プリント基板8の側縁9を越えてリード10の折り曲げ位置まで行われ、この折り曲げ位置で折り返されて、側縁9にまで行われている。
【0022】
この発熱部品実装回路基板は、次のようにして製造される。
図2(a)乃至(c)に示すように、プリント基板8に各IGBT2のリード10をそれぞれ半田付けする。次に、
図3(a)乃至(c)に示すように、第3の帯状体22を各リード10のプリント基板8の表面14側で露出している部分に貼り付ける。
【0023】
次に、
図4(a)、(b)に示すように、第1の帯状体18を、プリント基板8の裏面12と、裏面12側の各リード10の部分に貼り付ける。第1の帯状体18は、その長辺の長さ寸法をプリント基板8の長辺の長さ寸法よりも長くしてあるので、貼り付けが容易である。
【0024】
次に、
図4(c)、(d)に示すように、第2の帯状体20を、プリント基板8の表面14側に貼り付ける。第2の帯状体20は、実際には第1の帯状体18と同じ幅寸法を有するもので、
図4(d)に示すように、第2の帯状体20を2つ折りにして、その折り目がプリント基板8の側縁9に一致するように貼り付けられている。
【0025】
その後、第1及び第2の帯状体18、20のうち、プリント基板8の両短辺からはみ出している部分を切断する。その後、10分乃至30分程度放置することによって、第1及び第2の帯状体18、20のポリオレフィン系樹脂液が乾燥し、第1及び第2の帯状体18、20が接着される。その後、
図1に示すように、放熱体6に本体部4がネジ止めされる。この場合、第1の帯状体18は、柔軟性のある布製であるので、本体部4を放熱体6にネジ止めした際に、第1の帯状体18が容易に変形し、本体部4の放熱面が放熱体6から浮き上がることはなく、本体部4の放熱性は良好である。
【0026】
このように、IGBT2のリード10が半田付けされたプリント基板8を放熱体6に取り付ける前に、第1乃至第3の帯状体18、20、22をプリント基板8に貼り付けるだけで絶縁処理を行える。従って、放熱体6にプリント基板8を取り付ける前に、プリント基板8単独で絶縁処理を行えるので、絶縁処理作業に必要な作業スペースは小さく、大量に作業を行うことができる。また、第1及び第2の帯状体18、20に含浸させた絶縁性を有する液体例えばポリオレフィン系樹脂液は、シリコンゴムやプリント基板用のコーティング材を塗布する場合に比較して、乾燥及び固化に要する時間が短いので、作業時間を短縮させることができる。また、第1及び第2の帯状体18、20は、布に絶縁性を有する液体を含浸させたものであるので、シリコンゴムやコーティング材を塗布する場合に必要な塗布量の調整等が不要にでき、作業性が向上する。また、第1及び第2の帯状体18、20は、リード10の絶縁が必要な部分を完全に被っているので、リード10に粉塵などが触れにくく、悪環境下で、この発熱部品実装回路基板を備えた電気溶接機等を使用しても、その性能を保持することができる。筆や刷毛で絶縁材をリード10に塗布することも考えられるが、絶縁に必要な厚みとするには、数回にわけて絶縁材を塗布する必要があり、作業に要する時間が長時間となる上に充分な厚さにまで絶縁材を塗布することができにくい。この発熱部品実装回路基板では、帯状体を貼り付けるという作業のみであるので、短時間で作業が終了するし、帯状体が充分な絶縁性を有しているので、確実に絶縁することができる。第1及び第2の帯状体18、20は、リード10だけでなく、その半田付け箇所も被っているので、半田付けされたリード10の先端部が露出せず、誤って先端に作業者等が触れて、怪我をすることがなく、作業者等の安全性を確保することができる。また、リード10の先端を被っている第1及び第2の帯状体18、20に絶縁性の液体を含浸させているので、リード10の先端が何か物に触れても、絶縁材がはがれることはない。
【0027】
上記の実施形態では、本体部4のリード10が突出している側面と、プリント基板8の側縁9との間に空間があるので、リード10の一部が露出しており、その露出部分を第3の帯状体22によって被っている。しかし、本体部4のリードが突出している側面が、プリント基板8の側縁9に接近して配置されて、両者の間に空間が殆ど存在しないような場合には、第3の帯状体22を省略することができる。また、上記の実施形態では、リード10の先端は、プリント基板8の裏面12側から表面14側に貫通したものを示したが、貫通せずにプリント基板8の裏面12の所定パターンに半田付けすることもできる。上記の実施形態では、発熱部品としてIGBT2を使用したが、他の半導体素子、例えばバイポーラトランジスタ、MOSトランジスタを使用することもできるし、コンデンサやリアクトルを使用することもできる。また、プリント基板8には矩形のものを使用したが、状況に応じて他の形状、例えば5角形等の多角形状のものを使用することもできる。
【符号の説明】
【0028】
2 IGBT(発熱部品)
4 本体部
6 放熱体
8 プリント基板
10 リード(端子)
18 第1の帯状体
20 第2の帯状体