特許第5997141号(P5997141)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5997141
(24)【登録日】2016年9月2日
(45)【発行日】2016年9月28日
(54)【発明の名称】情報表示用の積層構造体
(51)【国際特許分類】
   B32B 7/02 20060101AFI20160915BHJP
   B32B 37/12 20060101ALI20160915BHJP
   B05D 1/02 20060101ALI20160915BHJP
   B05D 1/26 20060101ALI20160915BHJP
   C03C 27/12 20060101ALI20160915BHJP
   B60J 1/00 20060101ALI20160915BHJP
【FI】
   B32B7/02 103
   B32B37/12
   B05D1/02 Z
   B05D1/26 Z
   C03C27/12 K
   B60J1/00 H
【請求項の数】18
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-517484(P2013-517484)
(86)(22)【出願日】2011年7月6日
(65)【公表番号】特表2013-536101(P2013-536101A)
(43)【公表日】2013年9月19日
(86)【国際出願番号】FR2011051612
(87)【国際公開番号】WO2012004535
(87)【国際公開日】20120112
【審査請求日】2014年5月13日
(31)【優先権主張番号】10/02860
(32)【優先日】2010年7月7日
(33)【優先権主張国】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】500374146
【氏名又は名称】サン−ゴバン グラス フランス
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100077517
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 敬
(74)【代理人】
【識別番号】100087413
【弁理士】
【氏名又は名称】古賀 哲次
(74)【代理人】
【識別番号】100128495
【弁理士】
【氏名又は名称】出野 知
(74)【代理人】
【識別番号】100123593
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 宣夫
(74)【代理人】
【識別番号】100170874
【弁理士】
【氏名又は名称】塩川 和哉
(72)【発明者】
【氏名】アレクサンドラ デコニンク
(72)【発明者】
【氏名】ジャン サブライロル
【審査官】 岸 進
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2008/143209(WO,A1)
【文献】 特開平11−249606(JP,A)
【文献】 特開2007−112006(JP,A)
【文献】 特開平03−141138(JP,A)
【文献】 実開平04−045036(JP,U)
【文献】 特開2002−366065(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B32B 1/00− 43/00
B05D 1/00− 7/26
C09D 1/00− 10/00
C09D101/00−201/10
B60J 1/00− 1/20
C03C 27/00− 29/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の工程を含む、ヘッドアップディスプレイ装置用の積層構造体の製造方法:
−基材上に蛍光体溶液を堆積させる工程;そして
−それにより生成した蛍光体の第一層に、接着性ポリマー材料溶液を堆積させて、接着性ポリマー材料の第二層を生成する工程、
ここで、各溶液の堆積は、スプレー法、スクリーン印刷法、又はインクジェット印刷法によって行う。
【請求項2】
前記積層構造体が透明である、請求項1に記載の方法
【請求項3】
前記基材が無機材料又はポリマー材料から選択される、請求項1又は2に記載の方法
【請求項4】
前記無機材料が、ガラス状材料である、請求項3に記載の方法
【請求項5】
前記ポリマー材料が、ポリカーボネート、アクリルポリマー、ポリオレフィン、ポリアミド、アイオノマー樹脂から単独で又はこれらの複数の混合物として選択される、請求項3に記載の方法
【請求項6】
前記ポリマー材料が、接着性である、請求項3に記載の方法
【請求項7】
前記蛍光体が、クマリン、スチルベン、ベタイン、希土類元素の複合物、ローダミンの誘導体、フルオロールの誘導体、テレフタレートの誘導体、ナフタール、ナフタルイミド、オキサゾール、ペリレン、フェニル、ピレン、スチリル又はキサンテンから、単独で又はこれらの複数の混合物として選択される、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法
【請求項8】
前記蛍光体の第一層が、前記第二層の材料と接着する接着性ポリマー材料を含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法
【請求項9】
前記第二層の前記接着性ポリマー材料が、ポリビニルブチラール、ポリウレタン、エチレン/ビニルアセテートコポリマーから単独で又は複数の混合物として選択される、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法
【請求項10】
前記第一層の蛍光体の面密度が、0.1g/m上である、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法
【請求項11】
前記第一層の蛍光体の面密度が、5g/m下である、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法
【請求項12】
前記第二層の接着性ポリマー材料の面密度が、1g/m上である、請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法
【請求項13】
前記第二層の接着性ポリマー材料の面密度が、20g/m下である、請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法
【請求項14】
前記積層構造体が、前記接着性ポリマー材料の第二層に直接結合しているガラス状材料製のシート、又は接着性ポリマー材料の第三層によってそれに連結しているガラス状材料製のシートを含む、請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法
【請求項15】
前記積層構造体が、前記基材に直接結合しているガラス状材料製のシート、又は接着性ポリマー材料の第四層によってそれに連結しているガラス状材料製のシートを含む、請求項1〜14のいずれか一項に記載の方法
【請求項16】
前記蛍光体溶液及び前記接着性ポリマー材料溶液が、溶媒として、アルコール、セロソルブ、ケトン、アミド、エーテル又は芳香族炭化水素を、単独で又はこれらの複数の混合物として有する、請求項1〜15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記蛍光体溶液が、前記接着性ポリマー材料溶液の接着性ポリマー材料と接着する接着性ポリマー材料を有する、請求項1〜16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
輸送車両のフロントシールド、建築用グレージング、又はストリートファニチャーのグレージングの種類である、情報表示用の積層グレージングの製造方法であって、請求項1〜16のいずれか一項に記載の方法によって前記積層構造体を得ること、及び前記積層構造体を前記積層グレージングに用いることを含む、方法
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディスプレイデバイスに関する。特に、本発明は、蛍光体を用いて作動する透明ディスプレイデバイスに関する。これは特に、輸送車両のフロントシールド、建築用グレージング、又はストリートファニチャーのグレージングの種類である、情報表示用の積層グレージングである。そして、既に知られているものは、例えばヘッドアップディスプレイ(HUD:head−up display)装置を備えた自動車用フロントシールドである。
【背景技術】
【0002】
ポリビニルブチラール;溶媒、例えばシクロヘキサノン;及び蛍光体からなるペーストをスクリーン印刷法で堆積させることによって、この目的のために層を形成することができる。この堆積技術は、特許文献1に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】仏国特許出願公開第FR−A−2929017号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明者らは、積層グレージングの構築の前に、取扱い操作中又は保管操作中に、蛍光層がダメージを受けることなく、積層グレージング中間層接着剤(ポリビニルブチラール又はその等価物)に、又はガラス上に、蛍光体を印刷する手段を検討した。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この目的に関して、本発明の1つの主題は、基材、蛍光体の第一層、及び接着性ポリマー材料の第二層を少なくとも続いて含む積層構造体である。本発明者らは、この構造体が、蛍光層の望ましい保護及び耐久性を保証するということを見出し、そしてこれらの2つの層を堆積するための技術及び前駆体を開発した。情報を表示するための積層グレージングの製造が可能となり、かつ比較的容易となった。
【0006】
本発明の意味内において、接着性ポリマー材料とは、積層グレージング内で、ポリマー又はガラス状材料製の剛体透明シートを2つ以上結合する中間層の材料を意味している。その例は、以下に記載される。
【0007】
本発明者らは、情報表示装置を有する積層グレージング内で、基材への第一層の完全な適合及び接着の条件、第一層への第二層の完全な適合及び接着の条件、並びに積層構造体全体の完全な適合及び接着の条件を得ることができた。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の積層構造体の好ましい特徴としては、以下のとおりである:
−透明であること;
−基材が、無機材料及びポリマー材料から選択されること、ここで特に、無機材料は、ガラス状材料(ガラス、ガラス‐セラミック等)であり、ポリマー材料は、ポリカーボネート、ポリメチル(メタ)アクリレート等のアクリルポリマー、ポリオレフィン、ポリアミド、アイオノマー樹脂等から単独で又はこれらの複数の混合物として選択され、又は第二層の材料と接着し、かつ適合するポリマー材料であること;
−蛍光体が、クマリン、スチルベン、ベタイン、希土類元素の複合物、ローダミンの誘導体、フルオロール(fluorol)の誘導体、テレフタレートの誘導体、ナフタール(naphthal)、ナフタルイミド(naphthalimide)、オキサゾール、ペリレン、フェニル、ピレン、スチリル又はキサンテンから、単独で又はこれらの複数の混合物として選択されること;
−蛍光体の第一層が、第二層の材料と適合する接着性ポリマー材料を含むこと;
−第二層の接着性ポリマー材料が、ポリビニルブチラール、ポリウレタン、エチレン/ビニルアセテートコポリマーから、単独で又は複数の混合物として選択されること、特にテクスチャー化されているか、粗いか否か、遮音性を与えるか否か、及び可塑化が比較的強くされているか弱くされているかに関わらず、全ての品質のポリビニルブチラールを用いることができること;
−第一層の蛍光体の面密度が、少なくとも0.1g/m以上、好ましくは1g/m以上、5g/m以下、好ましくは3.5g/m以下であること;
−第二層の接着性ポリマー材料の面密度は、少なくとも1g/m以上、好ましくは7g/m以上、20g/m以下、好ましくは14g/m以下であること;
−接着性ポリマー材料の第二層に直接的に結合しているガラス状材料製のシートを有すること、又は接着性ポリマー材料の第三層によってそれに連結しているガラス状材料製のシートを有すること;
−基材に直接的に結合しているガラス状材料製のシートを有すること、又は接着性ポリマー材料の第四層によってそれに連結しているガラス状材料製のシートを有すること。
【0009】
本発明の他の1つの主題は、以下の工程を含む、上記の積層構造体の製造方法からなる:
−基材に蛍光体溶液を堆積する工程;そして
−それにより生成した蛍光体の第一層に接着性ポリマー材料溶液を堆積する工程。
【0010】
このプロセスの好ましい特徴としては、以下のとおりである:
−蛍光体溶液及び接着性ポリマー材料溶液が、溶媒として、アルコール、例えばメタノール、エタノール、n−プロパノール及びイソープロパノール、n−ブタノール及びsec−ブタノール、又はベンジルアルコール;セロソルブ、例えばメチルセロソルブ、エチルセロソルブ、又はブチルセロソルブ;ケトン、例えばアセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、又はイソホロン;アミド、例えばジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、又はN−メチル−2−ピロリドン;エーテル、例えばジオキサン又はテトラヒドロフラン;又は芳香族炭化水素、例えばトルエン又はピリジンを、単独で又はこれらの複数の混合物として有すること;
−蛍光体溶液が、接着性ポリマー材料溶液の材料と適合する接着性ポリマー材料を含有すること;
−各溶液の堆積を、スプレー法、スクリーン印刷法、インクジェット印刷法等によって行うこと。
【0011】
本発明の他の1つの主題は、輸送車両のフロントシールド、建築用グレージング、又はストリートファニチャーのグレージングの種類である、上記の積層構造体を含む情報表示用の積層グレージングからなる。
【0012】
次に、本発明を以下の実施例によって例証する。ここで記載した割合は、重量パーセントである。
【実施例】
【0013】
例1
蛍光体溶液の配合:
Solutia社から商業品番RF41の下で販売されているPVB及びジエチル2,5−ジヒドロキシテレフタレートを、THF(テトラヒドロフラン)に、次の割合で溶解する:蛍光体/PVB/溶媒=2/2/96。
【0014】
PVB溶液の配合:
PVB RF41をTHFに次の割合で溶解する:PVB/溶媒=2/98。
【0015】
これらの混合物を、蛍光体及びPVBが完全に溶解するまで撹拌する。
蛍光体の溶液及びPVBの溶液を、300×300mmのPVB RF41基材にスプレー法によって続いて堆積させる。ノズルを、基材上に8回通過させ(4回の往復パス)、この操作を4回繰り返し、基材を各回で、1/4だけ回転させる。
【0016】
次のスプレー法のパラメータを用いる:
−スプレー圧力:3.5bar
−流速:70ml/分
−スイープ速度:300mm/秒。
【0017】
3g/mの面密度を有する蛍光体の第一層、及び7g/mの面密度を有するポリビニルブチラールの第二層を得る。PVB溶液は、蛍光体の第一層が乾燥するまでスプレーしない。
【0018】
さらに、2つの連続堆積前後で基材の粗さを特徴付けた。
平均粗さRaは、DIN 4768/1;DIN 4762/1E及びISO/DIN 4287標準法に従う、測定範囲内のフィルター化した粗さ断面の平均線からの偏差の算術平均である。
平均深さ粗さRZは、DIN 4768/1標準に従う、フィルター化した粗さ断面の5つの連続測定部からとった深さの粗さの算術平均である。
【0019】
複数のサンプルにわたって、Ra(μm)及びRZ(μm)のそれぞれの値が、2つの連続堆積前でそれぞれ9〜11μm及び41〜48μm、また2つの連続堆積後でそれぞれ7〜8μm及び34〜36μmである。
【0020】
例2
2種の溶媒を用いる次の配合物で、例1を再度行った。
【0021】
蛍光体溶液の配合:
PVB RF41及びジエチル2,5−ジヒドロキシテレフタレートを、THF(溶媒1)及びエタノール(溶媒2)に、次の割合で溶解する:蛍光体/PVB/溶媒1/溶媒2=2/2/48/48。
【0022】
PVB溶液の配合:
PVB RF41を、THF(溶媒1)及びエタノール(溶媒2)に、次の割合で溶解する:PVB/溶媒=2/49/49。
【0023】
2つの連続堆積前後の基材の粗さ測定では、例1と同じ範囲の値が得られた。
【0024】
例3
Solutia社からAG21の商業品番の下で販売されているPVBを用いる次の配合物で、例1を再度行った。
【0025】
蛍光体溶液の配合:
PVB AG21及びジエチル2,5−ジヒドロキシテレフタレートを、THF(テトラヒドロフラン)に、次の割合で溶解する:蛍光体/PVB/溶媒=2/2/96。
【0026】
PVB溶液の配合:
PVB AG21をTHFに次の割合で溶解する:PVB/溶媒=2/98。
【0027】
例4
蛍光体溶液にPVBを用いずに、例1を再度行った。
【0028】
蛍光体溶液の配合:
ジエチル2,5−ジヒドロキシテレフタレートをTHF(テトラヒドロフラン)に次の割合で溶解する:蛍光体/溶媒=2/98。
【0029】
PVB溶液の配合:
PVB RF41をTHFに次の割合で溶解する:PVB/溶媒=2/98。
【0030】
例5
他の蛍光体の溶液を用いて、例1を再度行った。この溶液にもPVBは含まれていない。
【0031】
蛍光体溶液の配合:
ユーロピウム錯体(Eu(NTA)・2HO;NTA=1−(2−ナフトイル)−3,3,3−トリフルオロアセトナート)をTHF(テトラヒドロフラン)に次の割合で溶解する:蛍光体/溶媒=2/98。
【0032】
PVB溶液の配合:
PVB RF41をTHFに次の割合で溶解する:PVB/溶媒=2/98。
【0033】
これらの各例で、完全に蛍光性の機能を有する層が得られる。これらは、そのPVBコーティングによって保護されており、それにより何らかの悪影響を受けることなく、それらをあらゆる通常の取扱い操作に付すことができる。
【0034】
さらに、本発明の積層構造体を調製するために、実質的な粗さ(30μm<RZ<50μm又は7μm<Ra<12μm)を有するPVBを始めに用いる場合には、上記の第一層及び第二層は、基材の初期粗さを、最大でも30%又は20%、特定の場合には10%〜0%までで低下させた。すなわち、基材の初期粗さは、事実上維持される。これはこの粗さが、例えば積層の構成時の脱気を促進することを意図するものである場合に、利点を構成することがある。
本発明の実施態様としては、以下の態様を含む:
《態様1》
基材、蛍光体の第一層及び接着性ポリマー材料の第二層を少なくとも続いて含む、積層構造体。
《態様2》
透明である、態様1に記載の積層構造体。
《態様3》
前記基材が無機材料又はポリマー材料から選択される、態様1又は2に記載の積層構造体。
《態様4》
前記無機材料が、ガラス状材料である、態様3に記載の積層構造体。
《態様5》
前記ポリマー材料が、ポリカーボネート、ポリメチル(メタ)アクリレート等のアクリルポリマー、ポリオレフィン、ポリアミド、アイオノマー樹脂等から単独で又はこれらの複数の混合物として選択される、態様3に記載の積層構造体。
《態様6》
前記ポリマー材料が、接着性であり、かつ前記第二層の材料と適合する、態様3に記載の積層構造体。
《態様7》
前記蛍光体が、クマリン、スチルベン、ベタイン、希土類元素の複合物、ローダミンの誘導体、フルオロールの誘導体、テレフタレートの誘導体、ナフタール、ナフタルイミド、オキサゾール、ペリレン、フェニル、ピレン、スチリル又はキサンテンから、単独で又はこれらの複数の混合物として選択される、態様1〜6のいずれか一項に記載の積層構造体。
《態様8》
前記蛍光体の第一層が、前記第二層の材料と適合する接着性ポリマー材料を含む、態様1〜7のいずれか一項に記載の積層構造体。
《態様9》
前記第二層の前記接着性ポリマー材料が、ポリビニルブチラール、ポリウレタン、エチレン/ビニルアセテートコポリマーから単独で又は複数の混合物として選択される、態様1〜8のいずれか一項に記載の積層構造体。
《態様10》
前記第一層の蛍光体の面密度が、0.1g/m以上、好ましくは1g/m以上である、態様1〜9のいずれか一項に記載の積層構造体。
《態様11》
前記第一層の蛍光体の面密度が、5g/m以下、好ましくは3.5g/m以下である、態様1〜10のいずれか一項に記載の積層構造体。
《態様12》
前記第二層の接着性ポリマー材料の面密度が、1g/m以上、好ましくは7g/m以上である、態様1〜11のいずれか一項に記載の積層構造体。
《態様13》
前記第二層の接着性ポリマー材料の面密度が、20g/m以下、好ましくは14g/m以下である、態様1〜12のいずれか一項に記載の積層構造体。
《態様14》
前記接着性ポリマー材料の第二層に直接結合しているガラス状材料製のシート、又は接着性ポリマー材料の第三層によってそれに連結しているガラス状材料製のシートを含む、態様1〜13のいずれか一項に記載の積層構造体。
《態様15》
前記基材に直接結合しているガラス状材料製のシート、又は接着性ポリマー材料の第四層によってそれに連結しているガラス状材料製のシートを含む、態様1〜14のいずれか一項に記載の積層構造体。
《態様16》
以下の工程を含む、態様1〜15のいずれか一項に記載の積層構造体の製造方法:
−前記基材上に蛍光体溶液を堆積させる工程;そして
−それにより生成した前記蛍光体の第一層に、接着性ポリマー材料溶液を堆積させる工程。
《態様17》
前記蛍光体溶液及び前記接着性ポリマー材料溶液が、溶媒として、アルコール、セロソルブ、ケトン、アミド、エーテル又は芳香族炭化水素を、単独で又はこれらの複数の混合物として有する、態様16に記載の方法。
《態様18》
前記蛍光体溶液が、前記接着性ポリマー材料溶液の接着性ポリマー材料と適合する接着性ポリマー材料を有する、態様16又は17に記載の方法。
《態様19》
各溶液の堆積を、スプレー法、スクリーン印刷法、インクジェット印刷法等によって行う、態様16〜18のいずれか一項に記載の方法。
《態様20》
輸送車両のフロントシールド、建築用グレージング、又はストリートファニチャーのグレージングの種類である、態様1〜15のいずれか一項に記載の積層構造体を含む情報表示用の積層グレージング。