特許第5997146号(P5997146)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5997146
(24)【登録日】2016年9月2日
(45)【発行日】2016年9月28日
(54)【発明の名称】タッチパネル
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/041 20060101AFI20160915BHJP
   G06F 3/044 20060101ALI20160915BHJP
【FI】
   G06F3/041 420
   G06F3/041 400
   G06F3/041 512
   G06F3/044 120
【請求項の数】2
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-521720(P2013-521720)
(86)(22)【出願日】2011年7月29日
(65)【公表番号】特表2013-532868(P2013-532868A)
(43)【公表日】2013年8月19日
(86)【国際出願番号】KR2011005635
(87)【国際公開番号】WO2012015284
(87)【国際公開日】20120202
【審査請求日】2013年1月28日
【審判番号】不服2015-2904(P2015-2904/J1)
【審判請求日】2015年2月16日
(31)【優先権主張番号】10-2010-0074419
(32)【優先日】2010年7月30日
(33)【優先権主張国】KR
(31)【優先権主張番号】10-2010-0074422
(32)【優先日】2010年7月30日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】513276101
【氏名又は名称】エルジー イノテック カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100165191
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 章
(74)【代理人】
【識別番号】100151459
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 健一
(72)【発明者】
【氏名】ソ チョン ウォン
(72)【発明者】
【氏名】キム ビョン ス
(72)【発明者】
【氏名】リ クン シク
(72)【発明者】
【氏名】リ スン ファ
【合議体】
【審判長】 和田 志郎
【審判官】 山田 正文
【審判官】 高瀬 勤
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2009/157645(WO,A1)
【文献】 特開2009−259203(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3144241(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F3/041
G06F3/044
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1面及び前記第1面と反対の第2面を含む基板と、
前記基板の前記第1面に形成される周辺ダミー層と
前記基板の前記第1面と前記周辺ダミー層に形成された中間層と
前記中間層に形成される透明電極と、
前記透明電極と連結される配線
含み、
前記透明電極は、第1電極及び第2電極を含み、
前記第1電極及び第2電極は、同一層に形成され、
前記基板の周辺領域において前記透明電極の一部と配線とは積層するように配置されることを特徴とする、タッチパネル。
【請求項2】
前記透明電極は、インジウムスズ酸化物(indium tin oxide)、インジウム亜鉛酸化物(indium zinc oxide)、銅酸化物、銀ナノワイヤー、及びカーボンナノチューブ(CNT)からなる群から選択された物質をいずれか1つ含むことを特徴とする、請求項1に記載のタッチパネル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチパネルに関するものである。
【背景技術】
【0002】
最近、多様な電子製品でディスプレイ装置に表示された画像に指またはスタイラス(stylus)などの入力装置を接触する方式により入力するタッチパネルが適用されている。
【0003】
タッチパネルは、抵抗膜方式のタッチパネルと静電容量方式のタッチパネルとに大別される。抵抗膜方式のタッチパネルは入力装置の圧力によって電極が短絡されて位置が検出される。静電容量方式のタッチパネルは、指が接触した時、電極間の静電容量の変化を感知して位置が検出される。
【0004】
このようなタッチパネルが多様なディスプレイ装置に適用される場合、ロゴ及び飛散防止フィルムが形成された基板と透明電極が形成されたフィルムを別途に製作してこれらを光学的に透明な接着剤(optically clear adhesive:OCA)を用いて接着する。
【0005】
しかしながら、加工性の低い光学的に透明な接着剤を使用するので、接着不良が発生することがあり、フィルムと基板などが多層で積層されて透過率が低下する。また、透明電極が形成されたフィルムを大体輸入に依存して値段が高いので製造コストが上昇する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、透過率を向上し、不良及び製造コストが低減できるタッチパネルを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に従うタッチパネルは、互いに反対になる第1面及び第2面を含む基板、基板の第1面に形成される中間層、及び中間層に形成される透明電極を含む。
【0008】
また、本発明に従うタッチパネルは、互いに反対になる第1面及び第2面を含む基板、基板の第1面に形成される透明電極、及び透明電極に形成される反射防止膜を含む。
【発明の効果】
【0009】
本発明に従うタッチパネルによれば、周辺ダミー層と透明電極とを同一な基板の上に形成するので、加工性の低い光学的に透明な接着剤を使用しなくてもよい。これによって、不良を低減して信頼性を向上させることができる。また、タッチパネルの積層構造を単純化して透過率を向上させることができ、厚さ及び製造コストを減らすことができる。
【0010】
一方、本発明に従うタッチパネルによれば、基板と透明電極との間にインデックスマッチングを行うことができる中間層を介して、透過率、反射率、及び色差(b*、yellowish)特性を向上させながらも透明電極を中間層の上に直接形成することができる。したがって、透過率を向上させながらも製造コストを低減することができる。さらに、インデックスマッチングによって透明伝導性物質で形成された透明電極を見えないように(invisible)することができる。これによって、タッチパネルが適用されたディスプレイの視認性を向上させることができる。
【0011】
一方、他の実施形態に従うタッチパネルでは、基板に透明電極を蒸着後、透明電極に反射防止膜を蒸着して反射防止効率を高めて、透過率を向上させながらも製造コストを低減することができる。また、これによるタッチパネルが適用されたディスプレイ装置の視認性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の第1実施形態に従うタッチパネルの概略的な平面図である。
図2図1のII-II線に沿って切断した断面図である。
図3図1のA部分を拡大して示す平面図である。
図4】本発明の第2実施形態に従うタッチパネルの断面図である。
図5】本発明の第3実施形態に従うタッチパネルの断面図である。
図6】本発明の第4実施形態に従うタッチパネルの断面図である。
図7】本発明の第5実施形態に従うタッチパネルの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明を説明するに当たって、各層(膜)、領域、パターン、または構造物が、基板、各層(膜)、領域、パッド、またはパターンの「上(on)」に、または「下(under)」に形成されるという記載は、直接(directly)または他の層を介して形成されることを全て含む。また、各層の上または下に対する基準は、図面を基準として説明する。
【0014】
図面において、各層(膜)、領域、パターン、または構造物の厚さやサイズは説明の明確性及び便宜のために変形できるので、実際のサイズを完全に反映するものではない。
【0015】
以下、添付した図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明すれば、次の通りである。
【0016】
図1乃至図3を参照して第1実施形態に従うタッチパネルを詳細に説明する。図1は本発明の第1実施形態に従うタッチパネルの概略的な平面図であり、図2図1のII-II線に沿って切断した断面図である。図3図1のA部分を拡大して示す平面図である。
【0017】
図1及び図2を参照すると、第1実施形態に従うタッチパネル100には、入力装置の位置を感知する有効領域AAと、この有効領域AAの周辺に位置するダミー領域DAが定義される。
【0018】
ここで、有効領域AAには入力装置が感知できるように透明電極40が形成される。そして、ダミー領域DAには透明電極40に連結される配線50及びこの配線50を外部回路(図示せず:以下同様)に連結する印刷回路基板60などが位置する。このようなダミー領域DAには周辺ダミー層20が形成され、この周辺ダミー層20にはロゴ(logo)20aなどが形成される。このようなタッチパネル100をより詳しく説明すれば、次の通りである。
【0019】
図2を参照すると、基板10に、周辺ダミー層20、中間層30、及び透明電極40が形成される。そして、この透明電極40に配線50が連結され、この配線50に印刷回路基板60が連結される。そして、透明電極40、配線50、及び印刷回路基板60を覆いながら飛散防止フィルム70が形成される。
【0020】
基板10は、この上に形成される周辺ダミー層20、中間層30、透明電極40、配線50などを支持することができる多様な物質で形成される。このような基板10は、一例として、ガラス基板またはプラスチック基板から形成することができる。
【0021】
基板10の第1面(以下、「下面」)12の周辺領域DAに周辺ダミー層20が形成される。周辺ダミー層20は配線50及び印刷回路基板60などが外部から見えないように所定の色を有する物質を塗布して形成される。周辺ダミー層20は、所望の外観に適合した色を有することができるが、一例として、黒色顔料などを含んで黒色を表すことができる。そして、この周辺ダミー層20には多様な方法により所望のロゴ(図1の参照符号20a)などを形成することができる。このような周辺ダミー層20は、蒸着、印刷、湿式コーティングなどによって形成される。
【0022】
この基板10の下面12に周辺ダミー層20を覆いながら中間層30が形成される。このような中間層30は下面12の全面に形成される。
【0023】
この中間層30は、酸化物または弗化物を含むことができる。酸化物または弗化物の屈折率は1.35乃至2.7でありうる。
【0024】
中間層30は、マグネシウム弗化物(フッ化マグネシウム)、珪素酸化物(酸化ケイ素)、アルミニウム酸化物(酸化アルミニウム)、セリウム弗化物(フッ化セリウム)、インジウム酸化物(酸化インジウム)、ハフニウム酸化物(酸化ハフニウム)、ジルコニウム酸化物(酸化ジルコニウム)、鉛酸化物(酸化鉛)、チタニウム酸化物(酸化チタニウム)、タンタリウム酸化物(酸化タンタル)、ニオビウム酸化物(酸化ニオビウム)、アルミニウム弗化物(フッ化アルミニウム)、または硫化亜鉛などを含むことができる。中間層30は、特定の屈折率を有するようにしてインデックスマッチング(index matching)するようにする。
【0025】
中間層30は、特定の屈折率を有することができるように単一または多層で形成される。一例として、中間層30が高屈折率の第1層22と低屈折率の第2層24を基板10の上に順次に形成して有効領域AAでタッチパネル100の透過率を向上することができる。
【0026】
一例として、第1層22は屈折率の高いタンタリウム酸化物、チタニウム酸化物、ニオビウム酸化物、ジルコニウム酸化物、鉛酸化物、または硫化亜鉛を含むことができ、第2層24は屈折率の低い珪素酸化物またはアルミニウム弗化物を含むことができる。一例として、チタニウム酸化物の屈折率が2.2、ニオビウム酸化物の屈折率が2.4、珪素酸化物の屈折率が1.4でありうる。この場合、タッチパネル100の透過率を90%以上、好ましくは92%以上、最大99%まで向上できる。図面では1つの第1層22と1つの第2層24とが積層されたものを図示したが、実施形態はこれに限定されるものではなく、複数の第1層22と第2層24とが交互に積層することもできる。
【0027】
中間層30の反射率は透明電極40の反射率と対応できる。即ち、透明電極40の反射率は透明電極40をなす物質によって変えることができ、透明電極40の反射率と対応するように中間層30の反射率を実現することができる。即ち、中間層30の交互積層した形態を異にして、中間層30の反射率が透明電極40の反射率と対応するようにすることができる。
【0028】
このような中間層30は蒸着などによって形成される。この際、中間層30は反応性スパッタリング(reactive sputtering)により形成される。即ち、金属蒸着源と蒸着ターゲットのためのスパッタ装置の内に不活性気体(Ar、Ne)と共に酸素(O2)及び/または窒素(N2)を追加して、金属蒸着源が酸化されながら蒸着ターゲットに蒸着されるようにすることができる。
【0029】
このような中間層30に透明電極40が形成される。透明電極40は指などの入力装置が接触されたか否かが感知できる多様な形状に形成される。
【0030】
一例として、図3に示すように、透明電極40は第1電極42及び第2電極44を含むことができる。第1及び第2電極42、44は、指などの入力装置が接触されたか否かを感知するセンサー部42a、44aと、このようなセンサー部42a、44aを連結する連結部42b、44bとを含む。第1電極42の連結部42bは、センサー部42aを第1方向(図面の左右方向)に連結し、第2電極44の連結部44bはセンサー部44aを第2方向(図面の上下方向)に連結する。
【0031】
第1電極42の連結部42bと第2電極44の連結部44bとが互いに交差する部分には、これらの間に絶縁層46が位置して第1電極42と第2電極44の電気的短絡を防止することができる。このような絶縁層46は、連結部42b、44bが絶縁できる透明絶縁性物質で形成される。一例として、絶縁層46はシリコン酸化物のような金属酸化物、またはアクリルなどの樹脂などからなることができる。
【0032】
実施形態では、一例として、第1及び第2電極42、44のセンサー部42a、44aが同一の層から形成されてセンサー部42a、44aを単一層に形成することができる。これによって、透明伝導性物質層の使用を最小化することができ、タッチパネル100の厚さを薄くすることができる。
【0033】
このようなタッチパネル100に指などの入力装置が接触されれば、入力装置が接触された部分で静電容量の差が発生し、この差が発生した部分を接触位置として検出することができる。実施形態では、透明電極40が静電容量方式のタッチパネルに適用される構造を有するものを例示したが、これに限定されるものではない。したがって、透明電極40を抵抗方式のタッチパネルに適用される構造に形成することもできる。
【0034】
このような透明電極40は、光の透過を妨害せずに電気を流すことができるような透明伝導性物質を含むことができる。このために、透明電極40は、インジウムスズ酸化物(indium tin oxide)、インジウム亜鉛酸化物(indium zinc oxide)、銅酸化物(copper oxide)、銀ナノワイヤー、炭素ナノチューブ(carbon nano tube:CNT)などの多様な物質を含むことができる。
【0035】
銀ナノワイヤーは、溶剤、触媒剤、金属混合物、及び添加剤と共に合成して形成できる。透明電極40は銀ナノワイヤーを含むことによって、透過率及び電気的特性がより向上できる。
【0036】
このような透明電極40は蒸着などによって形成できるが、一例として、反応性スパッタリングにより形成できる。この際、透明電極40がインジウムスズ酸化物で形成される場合、スズの含有量が10%以下であることがある。これによって、透過率を向上させ、以後にアニーリング(annealing)工程によりインジウムスズ化合物を結晶化して電気伝導度を向上させることができる。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではなく、多様な方法により透明電極40が形成できることは勿論である。
【0037】
また、図2を参照すると、基板10のダミー領域DAで透明電極40に連結される配線50及びこの配線50に連結される印刷回路基板60が形成される。このような配線50は、ダミー領域DAに位置するので、電気伝導性に優れる金属からなることができる。印刷回路基板60には多様な形態の印刷回路基板が適用できるが、一例として、フレキシブルプリント回路基板(flexible printed circuit board:FPCB)などが適用できる。
【0038】
この中間層30、透明電極40、配線50、及び印刷回路基板60を覆いながら飛散防止フィルム70が形成される。飛散防止フィルム70は、タッチパネル100が衝撃により破損される時、破片の飛散を防止するためのものであって、多様な物質及び構造で形成される。実施形態では、飛散防止フィルム70が基板10の下面12側に位置したものを例示した。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではなく、飛散防止フィルム70は多様な位置に形成できる。
【0039】
実施形態に従うタッチパネル100では、周辺ダミー層20と透明電極40とを同一な基板10の上に形成するので、周辺ダミー層が形成された基板と透明電極フィルムを別に製造して接着する必要がない。したがって、加工性の低い光学的に透明な接着剤を使用しなくてもよいので、これによる不良を低減して信頼性を向上させることができる。また、タッチパネル100の積層構造を単純化して透過率を向上させることができ、これと共にタッチパネル100の厚さを薄くしながら製造コストを低減することができる。
【0040】
基板10と透明電極40との間にインデックスマッチングできる中間層30を介して、透明電極40を中間層30の上に形成することができる。このようなインデックスマッチングによって、透過率、反射率、色差(b*、yellowish)特性を最適化することができる。
【0041】
即ち、従来は透過率などを考慮してポリエチレンテレフタレート(polyethylene terephthalate:PET)フィルムにインジウムスズ酸化物が形成された高価な素材を透明電極40の形成のために使用した。しかしながら、本実施形態ではインデックスマッチングを行う中間層30による透過率が少なくとも90%以上であるので、タッチパネル100の透過率、反射率、色差特性を向上させながらも透明電極40を中間層30の上に直接形成することができる。したがって、高価な素材を使用しないので製造コストを低減しながらも透過率を向上させることができる。
【0042】
さらに、インデックスマッチングによって透明伝導性物質で形成された透明電極40を見えないように(invisible)することができる。特に、中間層30の反射率が透明電極40の反射率と対応するように具現することができ、これによって透明電極40のパターンが見えないようにすることができる。したがって、タッチパネル100が適用されたディスプレイ装置の視認性を向上させることができる。
【0043】
以下、図4を参照して第2実施形態に従うタッチパネルをより詳しく説明する。明確で、かつ簡略な説明のために、第1実施形態と同一または極めて類似の部分に対しては詳細な説明を省略し、互いに異なる部分のみを詳細に説明する。
【0044】
図4は、本発明の第2実施形態に従うタッチパネルの断面図である。
【0045】
図4を参照すると、第2実施形態に従うタッチパネル200では、基板10の上面14に周辺ダミー層20が位置し、これを覆いながら保護層80が形成される。
【0046】
この周辺ダミー層20はダミー領域DAに形成され、特定のロゴなどが形成される。保護層80は、高屈折率を有するチタニウム酸化物、ニオビウム酸化物、タンタリウム酸化物、ジルコニウム酸化物、鉛酸化物などを含むことができる。このような高屈折率の保護層80によって透過率をより向上させることができる。また、このような保護層80をハードコーティング(hard coating)層で形成してスクラッチが防止できる。
【0047】
以下、図5を参照して第3実施形態に従うタッチパネルをより詳しく説明する。
【0048】
図5は、本発明の第3実施形態に従うタッチパネルの断面図である。
【0049】
図5を参照すると、第3実施形態に従うタッチパネル300では、透明電極40に反射防止膜35が形成される。具体的には、このような反射防止膜35は透明電極40の背面に形成される。
【0050】
反射防止膜35は、反射による眩しさや画面が見えない現象を防ぐために、可視光領域の光の反射率を低下させる役割をする。即ち、反射防止膜35は反射の悪影響を効果的に減少させて優れた解像度を提供することができ、視認性を向上させることができる。また、タッチパネル300の透過率を90%以上、好ましくは92%以上、最大99%まで向上させる役割をすることができる。
【0051】
このような反射防止膜35は、屈折率が1.35乃至2.7の酸化物または弗化物を含むことができる。このような屈折率は、反射防止に適合した範囲に決まったものであり、このような反射防止膜35は互いに異なる屈折率を有する物質を一層以上積層して形成される。
【0052】
具体的には、反射防止膜35は、マグネシウム弗化物、珪素酸化物、アルミニウム酸化物、セリウム弗化物、インジウム酸化物、ハフニウム酸化物、ジルコニウム酸化物、鉛酸化物、チタニウム酸化物、タンタリウム酸化物、ニオビウム酸化物、アルミニウム弗化物、または硫化亜鉛などを含むことができる。
【0053】
本実施形態では、反射防止膜35を一層以上に形成することができる。具体的に、反射防止膜35は、基板10の下面12に形成される第1屈折率の第1層32と、第1層32に形成され、第1屈折率より小さな第2屈折率の第2層34を含むことができる。即ち、反射防止膜35が相対的に高い屈折率の第1層32と相対的に低い屈折率の第2層34を基板10の上に順次に形成して反射を防止する役割と共に有効領域AAでタッチパネル300の透過率を向上させることができる。
【0054】
この際、第1層32が高屈折率材料で形成され、第2層34が中屈折率材料または低屈折率材料で形成される。または、第1層32が中屈折率材料で形成され、第2層34が低屈折率材料で形成される。
【0055】
一例に、低屈折率材料に、MgF2、SiO2などが使用できる。MgF2は屈折率が1.38でありえ、SiO2は屈折率が1.46でありえる。
【0056】
中屈折率材料に、Al23、CeF3、SiO、In23、HfO2などが使用できる。Al23の屈折率が1.62、CeF3の屈折率が1.63、SiO、In23、及びHfO2の屈折率が2.00でありうる。
【0057】
高屈折率材料に、ZrO2、Pb511、TiO2、Ta25、Nb25、TiO2などが使用できる。ZrO2の屈折率が2.10、Pb511とTiO2とを共に使用した場合の屈折率が2.10、Ta25の屈折率が2.15、Nb25の屈折率が2.2〜2.4、TiO2の屈折率が2.2〜27でありうる。
【0058】
図面では、1つの第1層32と1つの第2層34とが積層されたものを図示したが、実施形態はこれに限定されるものではなく、複数の第1層32と第2層34とが交互に積層されることもできる。
【0059】
上述の実施形態では、相対的に高い屈折率の第1層32を形成した後、相対的に低い屈折率の第2層34を基板10の上に形成したが、実施形態はこれに限定されるものではなく、相対的に低い屈折率の第2層34を先に形成した後、相対的に高い屈折率の第1層32を形成することができる。
【0060】
反射防止膜35の屈折率は空気の屈折率と一致しうる。具体的には、反射防止膜35の屈折率は1.0にできる。これによって、低い反射率を具現することができ、タッチパネル300の全体透過率を向上させることができる。
【0061】
この際、反射防止膜35は、スパッタリング(sputtering)やロールツーロール(roll to roll)工程により形成される。スパッタリングはイオン化した原子を電界により加速させてソース材料(source material)に衝突させ、この衝突によりソース材料の原子が蒸着される方法である。ロールツーロール工程は紙やフィルムのような素材をロールに巻いてそのまま加工する工程をいう。
【0062】
本実施形態では、インデックスマッチングを行う反射防止膜35により透過率が最小90%以上であるので、タッチパネル100の透過率を向上させながらも透明電極40を基板10の上に直接形成することができる。したがって、高価の素材を使用しないので製造コストを低減し、かつ透過率を向上させることができる。
【0063】
以下、図6を参照して第4実施形態に従うタッチパネルをより詳しく説明する。
【0064】
図6は、本発明の第4実施形態に従うタッチパネルの断面図である。
【0065】
図6を参照すると、第4実施形態に従うタッチパネル400では、基板10の第2面(上面)14に周辺ダミー層20が位置し、これを覆いながら保護層80が形成される。
【0066】
以下、図7を参照して第5実施形態に従うタッチパネルをより詳しく説明する。
【0067】
図7は、本発明の第5実施形態に従うタッチパネルの断面図である。
【0068】
図7を参照すると、第5実施形態に従うタッチパネル500は、中間層30及び反射防止膜35を全て含む。具体的に、基板10の下面に中間層30が位置し、中間層30の下面に透明電極40が位置し、透明電極40の背面に反射防止膜35が位置する。したがって、第5実施形態に従うタッチパネル500は、中間層30及び反射防止膜35を全て含むことによって、透過率及び反射率が最適化したタッチパネルを提供することができる。
【0069】
以上、実施形態に説明された特徴、構造、効果などは、本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれ、必ず1つの実施形態のみに限定されるものではない。また、各実施形態で例示された特徴、構造、効果などは、実施形態が属する分野の通常の知識を有する者により他の実施形態に対しても組合または変形されて実施可能である。したがって、このような組合と変形に関連した内容は本発明の範囲に含まれることと解釈されるべきである。
【0070】
以上、本発明を好ましい実施形態をもとに説明したが、これは単なる例示であり、本発明を限定するのでない。本発明の本質的な特性を逸脱しない範囲内で、多様な変形及び応用が可能であることが同業者にとって明らかである。例えば、実施形態に具体的に表れた各構成要素は変形して実施することができ、このような変形及び応用にかかわる差異点も、特許請求の範囲で規定する本発明の範囲に含まれるものと解釈されるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7