(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記工程2)のラクトンが、ブチロラクトン、εカプロラクトン、γグルコノラクトン、δグルコノラクトン、及びラクトビオノラクトン(lactobionolactone)から選択される、請求項4に記載の方法。
前記酸無水物が、無水酢酸、無水クロロ酢酸、無水プロピオン酸、無水クロトン酸、無水メタクリル酸、無水ブチル酸、無水イソブチル酸、ピロ炭酸ジエチル、又は無水4−ペンテン酸を含む、請求項4に記載の方法。
アルケニル官能エポキシ含有化合物及びポリオルガノ水素シロキサンを含む成分のヒドロシリル化により、前記エポキシ官能ポリオルガノシロキサンを調製する工程を更に含む、請求項8に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0004】
糖シロキサンコポリマー(コポリマー)は、改善された水性安定性を有する。コポリマーは、糖構成成分と、シロキサン構成成分と、を含む。シロキサン構成成分は、コポリマー分子の主鎖を形成する。糖構成成分は、末端基、ペンダント基、又は末端基とペンダント基の両方で、シロキサン主鎖に結合されてもよい。あるいは、糖構成成分は、ペンダント基でシロキサン主鎖に結合されてもよい。理論に束縛されるものではないが、コポリマーがペンダント糖構成成分を含有するとき、コポリマーは、従来の既知の糖シロキサンと比較して、水の存在下で改善された安定性を有すると考えられる。そして、コポリマーがペンダント糖構成成分を含有し、末端糖構成成分を含まないとき、コポリマーは、従来の既知の糖シロキサンと比較して、又は末端糖構成成分を有し、ペンダント糖構成成分を有さない段落[0003]によるコポリマーと比較して、水の存在下で更に改善された安定性を示してもよい。
【0005】
コポリマーは、例えば、25℃及び760mmHg(101.3kPa)の温度及び圧力の周囲条件下で、固体又は流体であり得る。コポリマーが周囲条件で固体であるか、又は液体若しくはガム等の流体であるかは、コポリマーの重合の程度(DP)を含む、様々な要因に依存する。コポリマーは、2〜15000、あるいは50〜5,000、あるいは100〜1,000、あるいは50〜1,000、あるいは100〜400の範囲のDPを有してもよい。
【0006】
コポリマーは、式:
R
2aR
1(3−a)SiO−[(SiR
2R
1O)
m−(SiR
12O)
n]
y−SiR
1(3−a)R
2aを有する。この式において、各R
1は、同一又は異なっていてもよい。各R
1は、水素、1〜12個の炭素原子のアルキル基、有機基、又は式R
3−Qの基を含む。基Qは、エポキシ、シクロアルキルエポキシ、一級若しくは二級アミノ、エチレンジアミン、カルボキシ、ハロゲン、ビニル、アリル、無水物、又はメルカプト官能基を含む。
【0007】
下付き文字m及びnが、0〜10,000の整数であり、同一又は異なっていてもよい。各下付き文字aが、独立して、0、1、2、又は3である。あるいは、各下付き文字aが、0であってもよい。下付き文字aが0であるとき、下付き文字m及びnのうちの少なくとも1つは、0より大きく、かつ糖構成成分の全ては、コポリマー上のペンダント基(末端基ではない)にある。下付き文字yは、コポリマーが100万未満の分子量を有するような整数である。下付き文字y並びに下付き文字m及びnのうちの少なくとも1つは、糖構成成分がコポリマー上のペンダント基にあるように、0より大きくてもよい。
【0008】
各R
2は、式Z−(G
1)
b−(G
2)
cを有し、かつコポリマー分子1つ当り少なくとも1つのR
2の平均が存在する。基G
1は、5〜12個の炭素原子を含む糖構成成分である。下付き文字b又は下付き文字cは、0であってもよい。しかしながら、数量(b+c)は、1〜10の範囲の値を有する。基G
2は、有機基又は有機ケイ素基で更に置換された5〜12個の炭素原子を含む糖構成成分である。置換されたとは、炭素原子に結合された水素原子が、有機基又は有機ケイ素基等の別の置換基で置換されたことを意味する。各Zは、連結基である。
【0009】
各Zは、独立して、−R
3−N(R
8)−C(O)−R
4−、−R
3−CH(OH)−CH
2−N(R
8)−R
4−、又は−R
3−CH(N(R
4)(R
8))CH
2OHからなる群から選択される。各R
3及び各R
4は、式(R
5)
r(R
6)
s(R
7)
tの基を含む二価のスペーサ基である。下付き文字r、s、及びtのうちの少なくとも1つは、1である。各R
5及び各R
7は、独立して、1〜12個の炭素原子のアルキレン基、又は式(R
9O)
pの基のいずれかである。下付き文字pは、1〜50の範囲の値の整数である。各R
9は、二価の有機基である。各R
9Oは、同一又は異なっていてもよい。各R
6は、−N(R
8)−であり、式中、R
8は、R
3、式Z−Xの基、不飽和炭化水素基、若しくはエポキシ官能基を有する−N(H)−の反応生成物、シクロアルキルエポキシ官能基、グリシジルエーテル官能基、無水酢酸官能基、又はラクトンから選択される。R
8が不飽和炭化水素基であるとき、R
8は、アルケニル基であってもよい。アルケニル基は、2〜12個の炭素原子を有してもよく、ビニル、アリル、デセニル、及びドデセニルにより例示される。各Xは、独立して、二価のカルボン酸、リン酸、硫酸塩、スルホン酸塩、又は四級アンモニウムラジカルである。R
3及びR
4のうちの少なくとも1つは、連結基に存在しなければならない。各R
3及び各R
4は、同一又は異なっていてもよい。
【0010】
上述のコポリマーは、意外にも、従来の既知の糖シロキサンと比較して、水性環境で改善された安定性を有することが分かった。この利益により、パーソナルケア組成物において上述のコポリマーが特に有用となる。上述のコポリマーはまた、パーソナルケア組成物において、改善された安定性及び改善された性能の両方を有してもよい。
【0011】
用語の定義及び使用
「パーソナルケア」の分野は、身体のその一部分に利益を提供することが意図される、身体のいずれかの一部分のあらゆる局所的治療を含むことが意図される。その利益は直接的又は間接的であってもよく、感覚的、機械的、美容的、保護的、予防的、又は治療的であってもよい。ヒトの身体は、本開示のパーソナルケア組成物及びそれから製剤化される製品に特に望ましい標的基質であることが想定されるが、類似する組織、特に皮膚及び毛髪等のケラチン性組織を有する他の哺乳類が、適切な標的基質であってもよく、したがって、獣医学的用途は、本発明の範囲内であることは、当業者に容易に明らかであろう。
【0012】
提供されるパーソナルケア組成物は、身体の一部分に利益を提供するように適合される。本明細書に使用される「適合される」とは、身体の一部分に対する利益の安全かつ有効な適用を可能にする様式で製剤化されることを意味する。本明細書に使用される「安全かつ有効」とは、そのような利益を求める消費者を損傷することなく、又は彼らに大きな不快感をもたらすことなく、そのような利益を求める消費者により、知覚可能なレベルの利益を提供する量を意味する。大きな不快感は、普通の消費者が耐えられないような、提供された利益を上回るものである。
【0013】
パーソナルケア製剤技術分野の当業者は、特定のパーソナルケア組成物の意図される用途に従い、適切な、必須成分、任意の添加剤、及び賦形剤を選択するための周知の基準を理解しているだろう。コポリマーに加えてパーソナルケア組成物に製剤化されてもよい添加剤の例としては、付加的なケイ素、エアロゾル、抗酸化剤、洗浄剤、着色剤、付加的なコンディショニング剤、付着剤(deposition agents)、電解質、軟化薬及び油類、剥離剤、発泡促進剤、芳香剤、湿潤剤、吸蔵剤、殺シラミ薬、pH調整剤、色素、防腐剤、殺生物剤、他の溶剤、安定剤、日焼け防止剤、懸濁化剤、タンニング剤、他の界面活性剤、増粘剤、ビタミン類、植物、蝋類、レオロジー改質剤、フケ防止剤、抗ニキビ剤、齲蝕予防促進剤、及び創傷治癒促進剤が挙げられるが、これらに限定されない。
【0014】
単一製品において複数の利益を提供するように製剤化されたパーソナルケア製品において、いくつかの利益が犠牲となることは、珍しいことではない。例えば、毛髪に関して、コンディショニング利益の増加は、毛髪の「量感」又は毛髪のボリュームの減少を伴うことが多い。コポリマーの添加は、いくつかの有効性を犠牲にすることなくそのような利益を組み合わせる製品の製剤化を可能にしてもよく、実際に一部の製剤において、利益の組み合わせに関して相乗効果を提供する。本明細書に記載されるコポリマーを含むパーソナルケア組成物から製剤化されたパーソナルケア製品は、典型的に、相互に拮抗する、例えばコンディショニング及びカール維持の利益の両方を強化する効果に由来する利益において強化を提供してもよい。これらはまた、毛髪、皮膚、及び着色化粧品において、増粘利益を提供してもよい。
【0015】
加えて、本明細書に記載されるコポリマーのパーソナルケア組成物への添加は、特定の他の添加剤の必要性を排除する、又は低下させてもよい。例えば、本明細書に記載されるコポリマーの増加した水素結合特性のため、それは、シクロメチコン等の環状ケイ素において有効な増粘剤であり、したがって、厳密性、残基形成、及び/又はコンディショニング欠損等の望ましくない製品特性を偶発的に付与する場合がある、他の増粘添加剤の必要性を低下させてもよい。
【0016】
本明細書に記載されるコポリマーは、周囲条件で、ガム、蝋状固体、又は固体であってもよい。しかしながら、液体形態で存在するコポリマーのサブセットが存在し、液体分散性形態も、温度等の条件を操作することによって生成されてもよいことに留意するべきである。しかしながら、分散液、例えば、溶液又はエマルションの即時形成を可能にする粘度範囲を達成するいくつかのコポリマーにおいて、コポリマーは、適切な溶媒又は溶媒配合物に溶解されることによって、最初に可溶化されなければならない。
【0017】
可溶化されたコポリマーは、次いで、パーソナルケア組成物の中へ即時送達するための、溶液又はエマルションを形成するために使用される。コポリマーのイオン特性、及びその溶媒の意図される用途の適切性に基づき、特定の溶媒配合物が選択される。具体的な一実施形態では、溶媒配合物は、パラフィン及びアルコールの混合物を含む。非常に具体的な実施形態では、アルコールは、イソプロピルアルコール、2−ブチル−オクタノール、又はそれらの組み合わせを含む。あるいは、アルコールは、2−ブチル−オクタノールを含んでもよい。
【0018】
本明細書に使用される「分散」という用語は、第1相がバルクの第2相全体に分配される最終的に微細された粒子を含み、第1相が「内部」又は分散相を構成し、一方、第2相が「外部」又は連続相を構成する、2相系を意味する。
【0019】
本明細書に使用される「溶液」という用語は、機械的分散液、コロイド状分散液、及び真溶液を含むように広範に意図され、後者に限定されるように解釈されるべきではない。溶液は、第1相が溶質を構成し、第2相が溶媒を構成する、均一に分散された混合物を含む分散液である。
【0020】
本明細書に使用される「エマルション」という用語は、乳化剤の補助により、第2の連続相に懸濁される第1の分散された内相を構成する液体を伴う、2つの不混和性液体の混合物を含む分散液を意味する。
【0021】
全ての量、比率、及びパーセンテージは、特に記載のない限り、重量である。本明細書に使用される、冠詞「a」、「an」、及び「the」はそれぞれ、本明細書の内容により特に示されない限り、1つ以上を指す。
【0022】
組成物
上述のコポリマーは、組成物に製剤化されてもよい。組成物は、(A)段落[0003]に上述されるコポリマー、及び(B)付加的な成分を含む。付加的な成分は、選択される特定のコポリマー、及び組成物の所望の最終的な使用に依存する。
【0023】
組成物は、パーソナルケア組成物であってもよい。パーソナルケア組成物は、(i)段落[0003]から[0010]に上述されるコポリマー、及び任意に、(ii)身体の一部分に対するパーソナルケア組成物の局所適用を可能にするのに適した担体媒質、を含んでもよい。パーソナルケア組成物は、適用される身体の一部分に利益を提供するように適合される。加えて、パーソナルケア組成物は、任意に、組成物が適用されるコポリマー(複数可)間で、及び/又は基質と架橋するように、作用する(iii)架橋剤を含んでもよい。パーソナルケア組成物は、任意に、(iv)界面活性剤を含んでもよい。
【0024】
コポリマーを架橋するのに適した架橋剤は、当該技術分野において既知である。具体的な実施形態では、架橋は、実質的に、糖構成成分のヒドロキシ−官能基間で起こる。より具体的な実施形態では、架橋剤は、以下の非限定的なリストから選択されてもよい:ホウ酸、ホウ酸エステル(例えば、トリ−n−プロピルホウ酸、トリイソプロパノールアミンホウ酸)、アルキルボロン酸若しくはエステル(例えば、フェニルボロン酸)、チタン酸塩(例えば、チタンイソプロポキシド、ジイソプロポキシチタンビス(アセチルアセトネート))、ジルコン酸塩、グリオキサール、グルタルアルデヒド、エピクロロヒドリン、尿素−ホルムアルデヒド、炭酸ジルコニウムアンモニウム、多価イオンの塩、二官能性エポキシ若しくはグリシジル化合物(例えば、1,4ブタンジオールグリシジルエーテル)、ジ−(N−ヒドロキシメチル)尿素、ジ−イソシアネート(例えば、トルエンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート)、2−クロロN,Nジ−エチルアセトアミド、トリメタリン酸ナトリウム、オキシ塩化リン、アクロレイン、N−メチル尿素、ジカルボン酸、ビス−酸塩化物、ジアルキルジクロロシラン(例えば、ジメチルクロロシラン)、アルキルトリクロロシラン(例えば、メチルトリクロロシラン)、反応性シロキサン樹脂、及びそれらの組み合わせ。非常に具体的な実施形態では、架橋剤は、反応性シロキサン樹脂、又はボロン酸、又はエステルを含む。
【0025】
あるいは、コポリマーが分散液としてパーソナルケア組成物に送達されてもよい。コポリマーを希釈又は分散することにより、加工を容易にし、適切に利用可能な溶媒は、ポリジメチルシロキサン、炭化水素、及びアルコールを含む。特に適切な溶媒は、環状シロキサン、炭化水素−アルコール混合物、直鎖状長鎖アルコール及び分枝状長鎖アルコール、並びに水である。
【0026】
コポリマーと炭化水素、ケイ素、及びアルコールとの相溶性、並びにコポリマーと水との相溶性により、それらは、身体の一部分に利益を提供する、水性及び非水性系パーソナルケア製品の中に組み込まれてもよい。身体の一部分が毛髪を含む実施形態では、利益は、ヘアスタイリングの容易性及び保持の増加、固定効果、並びに光沢の強化を含んでもよい。
【0027】
組成物を作製するための方法
コポリマーは、実質的に純粋な形態で組成物の中に、又は溶液若しくはエマルションの形態で分散液として製剤化されてもよい。使用される形態により、コポリマーは、水中油型系、油中水型系、ケイ素中油型系、及び水中ケイ素系に製剤化されてもよい。いくつかの水性系製剤の場合において、糖−シロキサンは、固体として製剤に直接添加されてもよい。一実施形態では、分散液は、溶液の形態である。溶媒は、組成物の所望の最終的な使用により、実質的に水性、又は実質的に非水性であってもよい。具体的な実施形態では、実質的に非水性溶媒は、揮発性又は不揮発性溶媒を含み、非常に具体的な実施形態では、実質的に非水性溶媒は、揮発性炭化水素、又はケイ素、又はそれらの組み合わせを含む。より具体的な実施形態では、実質的に非水性溶媒は、ケイ素を含む。
【0028】
本明細書に使用される「揮発性」という用語は、溶媒が周囲条件で大きな蒸気圧を示すことを意味する。適切な揮発性ケイ素の例としては、フェニルペンタメチルジシロキサン、フェニルエチルペンタメチルジシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン、メトキシプロピルヘプタメチルシクロテトラシロキサン、クロロプロピルペンタメチルジシロキサン、ヒドロキシプロピルペンタメチルジシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン等のシロキサン、及びそれらの組み合わせが挙げられる。特に適切なシロキサンは、シクロメチコンである。非常に具体的な実施形態では、揮発性ケイ素は、環状シロキサンを含む。
【0029】
コポリマー成分は、典型的に、分散液としてパーソナルケア組成物に添加される。このため、全体としての分散液構成成分又はパーソナルケア組成物のいずれかに対するその濃度を説明してもよい。パーソナルケア組成物が分散液を含む一実施形態では、分散液は、0.1重量%〜50重量%のコポリマー、及び組成物の0.01重量%〜25重量%のコポリマーを含む。より具体的な実施形態では、分散液は、2重量%〜40重量%のコポリマー、及び組成物の0.2重量%〜10重量%のコポリマーを含む。更により具体的な実施形態では、溶液は、20重量%のコポリマー、及び組成物の0.5〜2重量%のコポリマーを含む。
【0030】
パーソナルケア組成物の一実施形態では、分散液は、エマルションの形態である。エマルションは、分散を維持するための界面活性剤、及び連続相として水を更に含む。内相は、分散された可溶化コポリマーを含む。非イオン性、両性(双極性イオンを含む)、アニオン性、又はカチオン性界面活性剤は、全て適切であり得る。扱いが容易であり、水系製剤に容易に分散するため、水中油型エマルションが典型的に使用される。
【0031】
本発明の更なる実施形態は、コポリマーエマルションを対象とする。エマルションは、コポリマーを含む内相、及び水を含む連続相を含む、水中油型エマルションである。コポリマーエマルションは、その両親媒性性質のため、内相の分散を維持する界面活性剤を含む。
【0032】
本発明の更なる実施形態は、水中油型エマルションの連続相を対象とする。連続相のpHは、酸又は塩基で調節することができる。これらの場合において、エマルションの中性化後に、高温安定性の強化が示された。酢酸又はクエン酸等の天然酸を使用することが好ましい。他の酸は、アラキドン酸、アスコルビン酸、安息香酸、カプリロイルサリチル酸、ヤシ酸、コーン酸、綿実酸、デヒドロ酢酸、ジリノール酸、エリソルビン酸、ギ酸、フマル酸、グルコン酸、グルタミン酸、グリコール酸、グリチルレチン酸、グリチルリジン酸、ヒアルロン酸、水素添加ヤシ酸、ヒドロキシステアリン酸、イソステアリン酸、乳酸、ラノリン酸、ラウリン酸、リノール酸、マレイン酸、リンゴ酸、ミリスチン酸、オレイン酸、オリーブ酸、パルミチン酸、パントテン酸、pca、ピーナッツ酸、ペンテト酸、リン酸、ピクラミン酸、ポリグルタミン酸、プロピオン酸、コメヌカ酸、リシノール酸、サリチル酸、ソルビン酸、大豆酸、ステアリン酸、ヒマワリ種子酸、トール油酸、酒石酸、トリリノール酸、ウンデシレン酸、ウロカニン酸、αヒドロキシル酸、2−ヒドロキシオクタン酸、2−ヒドロキシデカン酸、αリポ酸を含むが、ほぼどのプロトン供与体も、pHを低下させるのに適している。
【0033】
実施例の追加
実施例14−ポリマー乳化、高速ミキサー
最大100gのカップ中で、15秒間、3500rpmの速度のHauschild Engineering Speed Mixer(モデル# DAC 150 FZ)を介して、上記の例のコポリマー(47.5グラム)を、Sasol Co.のIsofol 12(2−ブチルオクタノール)(2.5グラム)と混合し、Dow Chemical Company of Midland,MI,USAのTergitol 15−s−3(11〜15個の炭素原子を有する二級エトキシル化(約3)アルコールである)(1.0グラム)と更に混合した。同様に、Dow Chemical CompanyのTergitol 15−s−40(11〜15個の炭素原子を有する二級エトキシル化(約40)アルコール、水中で70%の濃度)(5.5グラム)、及び脱イオン水(4.5グラム)を添加した直後に、高速ミキサーによって提供される高レベルの混合せん断を受けた。典型的には、それぞれ、25秒間、3500rpmで混合を4サイクル、その後、混合物を水中油型構成のエマルションに完全に転換するために、ミキサーカップをこすることが必要であった。それに続く脱イオン水の増加添加(合計39.0グラム)も、高速ミキサーを使用して完了させた。Clariantのフェノキセトール−低フェノール(フェノキシエタノール)(0.9グラム)、及びRohm and HaasのNeolone 950(メチルイソチアゾリノン、水中で9.5%)(0.079グラム)からなる、防腐剤の水相への後添加が行われた。いくつかの乳化糖シロキサンコポリマーは、酸性又は塩基性溶液をもたらす。これらの場合において、エマルションの中性化後に、高温安定性の強化が示された。クエン酸又は酢酸等の天然酸を使用することが好ましいが、ほぼどのプロトン供与体も、pHを低下させるのに適している。測定されたpH値を上げるために、ヒドロキシルイオン供与物質、又は様々な他の塩基が組み込まれ得る。使用された中和剤は、エマルションの最終用途に適しているべきである。全ての混合は、大気圧及び室温で完了させ、ある程度の熱が反転工程中に生成され、およそ40℃であると観察された。得られた生成物は、Malvern粒径測定器(モデル# MS−S)によって測定されるように、300.0ナノメートルの容量平均粒子径を有する単一モード粒径分布を有する水中油型エマルションであった。生成物は、2グラムのエマルションを2時間、105℃に曝すことにより、55重量%の非揮発性含量(NVC)を有した。
【0034】
実施例15−ポリマー乳化、チェンジカンミキサー
上記の実施例で調製された糖シロキサンコポリマー(2042.5グラム)のいくつかの変形のうちの1つは、通常トリシャフト設計と呼ばれる2つの分散羽根と、固定型スクレーパ羽根で装備されたRossチェンジカンミキサー(モデル# VMC−1)を介して、スクレーパ羽根で3分間、40rpmの速度でSasol Co.のIsofol 12(2−ブチルオクタノール)(107.5グラム)と混合され、Dow Chemical CompanyのTergitol 1 5−s−3(C11〜C15二級エトキシル化(約3)アルコール)(42.8グラム)と更に混合された。Dow Chemical CompanyのTergitol 15−s−40(C11〜C15二級エトキシル化(約40)アルコール、水中で70%の濃度)(236.8グラム)及び脱イオン水(100.9グラム)を添加した直後に、Rossミキサーにより提供される高レベルの混合せん断を受けた。典型的に、それぞれ、3分間、分散羽根で4000rpm、そしてスクレーパ羽根で40rpmで混合を2サイクル、その後、混合物を水中油型構成のエマルションに完全に転換するために、へらで羽根とポットの両方をこすることが必要であった。それに続く脱イオン水の増加添加(合計1727グラム)も、Rossミキサーを使用して完了させた。Clariantのフェノキセトール−低フェノール(フェノキシエタノール)(38.7グラム)、及びRohm and HaasのNeolone 950(メチルイソチアゾリノン、水中で9.5%)(3.4グラム)からなる、防腐剤の水相への後添加が行われた。いくつかの乳化糖シロキサンコポリマーは、酸性又は塩基性溶液をもたらす。これらの場合において、エマルションの中性化後に、高温安定性の強化が示された。クエン酸又は酢酸等の天然酸を使用することが好ましいが、いかなるプロトン供与体も、pHを低下させるのに適している。測定されたpH値を上げるために、ヒドロキシルイオン供与物質、又は様々な他の塩基が組み込まれ得る。使用された中和剤は、エマルションの最終用途に適しているべきである。全ての混合は、発泡を最小にするために、20in Hg(67.7kPa)のレベルの真空下で完了させた。自然熱は、反転工程中に生成され、温度を40℃より下に維持するために、ミキサーポットジャケット上での冷却が利用された。得られた生成物は、Malvern粒径測定器(モデル# MS−S)によって測定されるように、300.0ナノメートルの容量平均粒子径を有する単一モード粒径分布を有し、かつ2グラムのエマルションを2時間、105℃に曝すことにより、およそ55重量%の非揮発性含量(NVC)を有する、水中油型エマルションであった。
【0035】
他の実施形態は、エマルションを調製するための方法を提供する。コポリマーエマルションは、1)事前形成されたコポリマーを乳化すること、又は2)例えば、乳化重合若しくは懸濁重合を介して、各個々のエマルション粒子において、モノマーを高分子量コポリマーに重合すること、のいずれかによって調製され得る。一実施形態では、分散を確立し、水相を固定するために、最初に界面活性剤−水配合物が可溶化コポリマーに添加される。任意の水の追加部分は、エマルション及び/又はその意図される用途の所望の性質プロファイルに応じて添加される。
【0036】
所望のエマルションが容易に形成される範囲があることを当業者は理解する。コポリマーエマルションは、他のエマルションに類似する制約を共有する。つまり、それらは、熱力学的に不安定であり、分散を維持するために界面活性剤を必要とし、かつ乳化を開始するためにエネルギーの投入を必要とする。混合を介した単純な攪拌が十分であってもよく、あるいは高せん断装置の利用を含むより高いせん断手段が必要とされてもよい。他の場合において、ポリマーの乳化又は反転方法が必要とされ得る。
【0037】
エマルションを形成するのに必要な攪拌の程度は、混合装置の利用を必要としてもよい。混合装置は、典型的に、必要なエネルギー投入を提供する。せん断範囲を広げるこれらの混合装置の例としては、1)インペラ、例えば、プロペラ、傾斜翼インペラ、等厚翼インペラ、Rushtonインペラ、又はCowles翼を備える容器、2)混練型ミキサー、例えば、Baker−Perkins、3)せん断を生成するために開口部を通して陽圧置換を使用する高せん断装置、例えば、ホモジナイザー、ソノレータ、又はマイクロフルダイザー、4)ロータ及びステータ構成を使用する高せん断装置、例えば、コロイドミル、homomic line mills、IKA、又はBematek、5)一軸又は二軸スクリューを備えた連続混合機、6)内部インペラ又はロータ/ステータ装置を備えたチェンジカンミキサー、例えば、Turelloミキサー、及び7)遠心ミキサー、例えば、Hauschild高速ミキサーが挙げられるが、これらに限定されない。混合装置の組み合わせは、利益も提供することができ、例えば、インペラを備えた容器が高せん断装置に連結され得る。
【0038】
混合装置の選択は、乳化される内相の種類に基づく。例えば、粘度が低い内相は、開口部を通した陽圧置換を使用する高せん断装置を使用して乳化され得る。しかしながら、粘度が高い内相の場合、ロータ/ステータ装置、二軸スクリュー混合機、又はチェンジカンミキサーが、良好な選択肢であることが多い。加えて、親水性基を含有する内相は、乳化が容易であることが多く、したがって、インペラを備えた単純な容器が十分であり得る。
【0039】
コポリマーの粘度は、シロキサン部分の分子量、糖単位の数、シロキサン当りの糖単位のモルパーセント、並びに温度及び圧力等の外部条件を含む様々な因子に依存する。当業者は、変動する内相の粘度が、コポリマーの溶媒又は溶媒混合物との配合において比率を変動することにより達成され得ることを認識するであろう。
【0040】
エマルションの調製における成分添加の最も望ましい順番は、経験的に決定される。例えば、粘度の高い相の乳化における添加の望ましい順番は、(a)溶媒又は溶媒配合物にコポリマーを所望の粘度に可溶化する、(b)界面活性剤に混合する、(c)粘度の高い相のエマルションが形成されるまで、せん断しながら増分で水を添加する、(d)せん断しながら、所望の濃度に水で希釈する、ことであり得る。高せん断を伴う「プレミックス」における添加の望ましい順番は、(a)インペラで構成される混合容器に全ての水を添加する、(b)界面活性剤を水と混合する、(c)コポリマー相を水にゆっくり添加し、粗エマルションを作製する、(d)所望の粒径が達成されるまで、高せん断装置を通して粗エマルションを移送する、ことであり得る。
【0041】
非イオン性界面活性剤は、エマルションの作製に適しており、アルキルエトキシレート、アルコールエトキシレート、アルキルフェノールエトキシレート、及びそれらの混合物を含む。カチオン性、両性、及び/又はアニオン性界面活性剤も適しており、典型的に、非イオン性界面活性剤に加えて添加される。具体的な実施形態では、エマルションは、非イオン性界面活性剤を含み、別の具体的な実施形態では、エマルションは、カチオン性界面活性剤及び非イオン性界面活性剤を含む。
【0042】
コポリマーがエマルションの形態で組成物に送達されるパーソナルケア組成物の一実施形態では、エマルションは、エマルションの5重量%〜95重量%のコポリマーを含み、組成物は、組成物の0.01重量%〜25重量%の糖−シロキサンを含む。より具体的な実施形態では、エマルションは、エマルションの10重量%〜60重量%のコポリマー、及び組成物の0.2重量%〜10重量%のコポリマーを含む。更により具体的な実施形態では、溶液は、20〜50重量%のコポリマー、及び組成物の0.5〜2重量%のコポリマーを含む。
【0043】
コポリマーを含むパーソナルケア組成物は、パーソナルケア製品に製剤化され得る。パーソナルケア製品は、適用される身体の一部分に対して機能的、美容的、治療的、又はそれらのいくつかの組み合わせであってもよい。従来のそのような製品の例としては、制汗剤及び消臭剤、スキンクリーム、スキンケアローション、保湿剤、ニキビ及びシワ除去等のフェイシャルトリートメント剤、身体用及び顔用洗浄剤、浴用オイル、香水、コロン、サッシェ、サンスクリーン、プレシェーブ及びアフターシェーブローション、シェービングソープ、及びシェービング用泡剤、ヘアシャンプー、ヘアコンディショナ、染毛剤、ヘア弛緩剤、ヘアスプレー、ムース、ゲル、パーマ剤、脱毛剤、及びキューティクルコート、メークアップ、着色化粧品、ファンデーション、コンシーラー、ブラッシェ、口紅、アイライナー、マスカラ、オイル除去剤、着色化粧品除去剤、シワ充填剤、皮膚欠点ハイダー(skin imperfection hiders)、皮膚表面スムーザ(skin surface smoothers)、アイラッシュカーラー、マニキュア液、ヘアメークアップ製品、アイシャドウ、ボディメークアップ、並びに予防的及び/又は治療的であってもよい、抗ニキビ、歯科衛生、抗生、治癒促進、栄養素等を含む、パウダー、薬用クリーム、ペースト又はスプレーが挙げられるが、これらに限定されない。一般に、パーソナルケア製品は、液体、リンス、ローション、クリーム、ペースト、ゲル、発泡体、ムース、軟膏、スプレー、エアロゾル、石鹸、スティック、軟固形、固体ゲル、及びゲルを含むがこれらに限定されない、いずれかの従来の形態での適用を可能にする担体と共に製剤化され得る。何が適切な担体を構成するかは、当業者に容易に明らかである。
【0044】
本発明のパーソナルケア組成物を含む一部のパーソナルケア製品の実施形態では、コポリマーを含むことにより、製剤における他の増粘剤の必要性が低下する。これらの実施形態では、製品の所望の粘度又濃度は、典型的な従来の増粘剤より少ない量で維持される。これは、増粘剤が別の有益な薬剤、例えばコンディショニング剤等の望ましい効果を拮抗する製品において、特に望ましい。1つ以上の増粘剤が、それらが適用される身体の一部分に提供するいかなる所望の利益のためより加工処理又は製剤特徴のために含まれる製品においても望ましい。これらの場合において、コポリマーは、拮抗性能特徴を保有する1つ以上の増粘剤の減少を可能にしてもよい。
【0045】
本発明のパーソナルケア組成物を含む一部のパーソナルケア製品の実施形態では、コポリマーを含むことにより、油中における水、より具体的にはケイ素乳化剤中における水の必要性が低下する。コポリマー自体が乳化特性を提供してもよい。これらの実施形態では、所望の製品の乳化が、典型的な従来のケイ素乳化剤中の水よりも少ない量で維持される。
【0046】
パーソナルケア組成物を含むパーソナルケア製品の具体的な実施形態では、利益は、コンディショニング利益を含み、身体の一部分は毛髪を含む。コンディショニング利益の具体的な例としては、抗静電気、潤滑性、光沢、粘度、感触、扱い易さ、又はスタイリングの利益が挙げられるが、これらに限定されない。扱い易さの利益の例としては、乾燥時及び/又は湿っている時の櫛通りの容易さが挙げられるが、これらに限定されない。スタイリングの利益の例としては、カールを保持する、又は毛髪を弛緩する利益が挙げられるが、これらに限定されない。コンディショナーは、洗い流し、又は洗い流し不要コンディショナーであってもよい。具体的な実施形態では、コンディショニングの利益は、カールを保持する利益を含む。
【0047】
適切なコンディショニング剤の例としては、カチオン性ポリマー、カチオン性界面活性剤、タンパク質、天然油、コポリマー以外のケイ素、炭化水素、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、又はそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。本発明のパーソナルケア組成物に有用であり得る更なるケイ素の例としては、アルキルメチルシロキサン、環状シロキサン、ガム、直鎖状シロキサン、MQシロキサン樹脂、MTQシロキサン樹脂、及びポリエーテルシロキサンコポリマーが挙げられるが、これらに限定されない。
【0048】
本発明の更なる実施形態は、身体の一部分に利益を提供するための方法を対象とする。そのような方法の1つは、安全かつ有効量の本発明のパーソナルケア組成物を含むパーソナルケア製品を身体の一部分に投与することを含む。具体的な一実施形態では、安全かつ有効量の新規パーソナルケア組成物を投与する工程を含む、毛髪を治療する方法を提供する。非常に具体的な実施形態は、安全かつ有効量の新規パーソナルケア組成物を投与する工程を含む、毛髪のスタイリング及び保持の方法を提供する。本明細書に使用される「安全かつ有効」とは、そのような利益を求める消費者を損傷することなく、又は彼らに大きな不快感をもたらすことなく、そのような利益を求める消費者により知覚可能なレベルの利益を提供する量を意味する。大きな不快感は、普通の消費者が耐えられないような、提供された利益を上回るものである。
【0049】
上述のコポリマーを含むパーソナルケア組成物を用いたパーソナルケア製品の製剤化は、増粘利益を提供する。具体的な実施形態では、制汗、毛髪、皮膚、及び着色美容製品が提供される。制汗製品は、上述のコポリマーを含むパーソナルケア組成物を用いて製剤化され、利益は、製剤が従来の増粘剤の典型的な量より実質的に少ない量を含むとき、制汗塩の懸濁を維持するのに十分な増粘利益を含む。具体的な実施形態では、制汗製品は、固体、軟固体、又はゲルの形態で提供される。より具体的な実施形態では、固体形態は、軟固体又はゲルを含む。
【0050】
本発明の別の具体的な実施形態は、油中における水、より具体的には、ケイ素製剤中の水における乳化利益を対象とする。必要とされるケイ素製剤補助における水の量は、コポリマーが製剤に使用されるとき、通常より少なくてもよい。より具体的な実施形態では、制汗製品は、コポリマーを含む組成物を用いて製剤化される。更により具体的な実施形態では、固体形態は、ゲルを含む。
【0051】
別の具体的な実施形態は、利益がコンディショニング利益の強化を含み、かつ身体の一部分が皮膚を含む、新規パーソナルケア組成物を含むパーソナルケア製品を提供する。(1)安全かつ有効量の、新規パーソナルケア組成物を含むパーソナルケア製品を投与する工程、及び(2)安全かつ有効量を皮膚に塗る工程を含む、皮膚を治療する方法を対象とする実施形態が提供される。
【0052】
別の具体的な実施形態は、利益が美容利益を含む、新規パーソナルケア組成物を含む着色美容製品を対象とする。より具体的な実施形態は、液体ファンデーションを対象とする。
【0053】
糖シロキサンコポリマーを作製するための方法
段落[0003]〜[0010]に記載されるコポリマーは、
1)一級アミン及び二級アミンを含有するアミン官能ポリオルガノシロキサンを、糖ラクトンと反応させて、一級アミンを消費させる工程と、
2)工程1)の生成物をキャッピング剤と反応させて、二級アミンを遮断する工程と、を含む方法によって作製され得る。二級アミン官能基は、アミノエチルアミノプロピル、及びアミノエチルアミノイソブチルから選択され得る。糖ラクトンは、アルドノラクトン又は糖に由来する別のラクトンであってもよい。アルドノラクトンは、アルドン酸に由来するラクトンである。キャッピング剤は、ラクトン、ハロゲン化不飽和化合物、エポキシ官能化合物、又は酸無水物であってもよい。
【0054】
工程1)は、(A)アミノ官能ポリオルガノシロキサンと(B)アルドノラクトンと、を反応させることによって実施され得る。成分(A)は、以下の式:
【化1】
を有してもよく、式中、
各R
10が、独立して、二級アミノ基であり、各R
11が、独立して、一価の炭化水素基又はR
10であり、下付き文字wが、0〜10,000の範囲の値を有し、下付き文字vが、0〜10,000の範囲の値を有するが、但し、全てのR
11の発生が一価の炭化水素基であるとき、下付き文字wが、0より大きいことを条件とする。二級アミノ基は、例えば、アミノエチルアミノイソブチル又はアミノエチルアミノプロピルであってもよい。
【0055】
成分(A)は、トリメチルシロキシ終結ポリ(ジメチルシロキサン/メチル(アミノエチルアミノイソブチル)シロキサン)、トリメチルシロキシ終結ポリ(ジメチルシロキサン/メチル(アミノエチルアミノプロピル)シロキサン)、及びこれらの組み合わせにより例示される。成分(B)は、アルドノラクトン又は糖に由来する別のラクトンである。成分(B)に適したアルドノラクトンは、グルコノラクトン(GL)、エリスロノラクトン、ガラクトノラクトン、グルコノラクトン、マンノノラクトン、及びリボラクトンにより例示される。糖に由来する他のラクトンは、グルコロノラクトン、グルコヘプタノラクトン、グルコオクタノラクトン、イソクエン酸ラクトン、及びサッカロラクトン、及びラクトビオノラクトン(LBL)を含む。あるいは、成分(B)は、GL又はLBLであり得る。成分(B)に適したラクトンは、商業的に入手可能である。
【0056】
工程2)は、工程1)の生成物を(C)キャッピング剤と反応させて、二級アミンを遮断することにより実施され得る。キャッピング剤は、ラクトン、二級アミン官能基上の水素と反応することができるハロゲン化不飽和化合物、エポキシ官能化合物、又は酸無水物であり得る。
【0057】
キャッピング剤は、ラクトンであってもよい。ラクトンは、式:
【化2】
を有してもよい。
【0058】
各R
12が、独立して、水素原子、ヒドロキシル基、アルコキシ基、又は糖基である。アルコキシ基は、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、及びブトキシにより例示される。あるいは、各R
12が、ヒドロキシル基又は糖基である。下付き文字uが、5〜12の範囲の値を有する。工程2)で使用されるラクトンは、上述の糖ラクトンにより例示される。あるいは、ラクトンは、ブチロラクトン、εカプロラクトン、γグルコノラクトン、δグルコノラクトン、及びLBLであってもよい。あるいは、ラクトンは、γグルコノラクトン又はδグルコノラクトンであってもよい。
【0059】
あるいは、キャッピング剤は、二級アミン上の水素原子と反応することができるハロゲン化不飽和化合物であってもよい。ハロゲン化不飽和化合物は、塩化アルケニル等のハロゲン化不飽和炭化水素であってもよい。適切な塩化アルケニルは、2〜12個の炭素原子を有してもよく、塩化ビニル、塩化アリル、塩化デシル、又は塩化ドデシルを含んでもよい。
【0060】
あるいは、キャッピング剤は、エポキシ官能化合物であってもよい。エポキシ官能化合物は、アリルエポキシ官能化合物、シクロアルキルエポキシ官能化合物、グリシジルエーテル官能化合物、及びグリシドールから選択され得る。
【0061】
あるいは、キャッピング剤は、酸無水物であってもよい。酸無水物は、以下の式:
【化3】
(式中、各R
13は、独立して、一価の炭化水素基である)を有してもよい。あるいは、各R
13が、1〜12個の炭素原子のアルキル基等の、アルキル基であってもよい。適切なアルキル基は、メチル、エチル、プロピル、及びブチルによって表される。あるいは、酸無水物は、無水酢酸、無水クロロ酢酸、無水プロピオン酸、無水クロトン酸、無水メタクリル酸、無水ブチル酸、無水イソブチル酸、ピロ炭酸ジエチル、又は無水4−ペンテン酸を含んでもよい。あるいは、酸無水物は、無水酢酸であり得る。
【0062】
あるいは、段落[0003]によるコポリマーは、エポキシ官能ポリオルガノシロキサンを、n−メチルグルカミン等のn−アルキルグルカミンと反応させる工程を含む方法によって調製され得る。エポキシ官能ポリオルガノシロキサンは、アルケニル官能エポキシ含有化合物及びポリオルガノ水素シロキサンを含む成分のヒドロシリル化等による、当該技術分野において既知の方法によって調製され得る。アルケニル官能エポキシ含有化合物は、アリルグリシジルエーテル、ドデセニルグリシジルエーテル、テトラデセニルグリシジルエーテル、又はオクタデセニルグリシジルエーテルであり得る。成分は、任意に、ウンデセン等のアルケンを更に含む。あるいは、当業者は、最初に、n−アルキル−グルカミンをアルケニル官能エポキシ含有化合物と反応させて、その後、ヒドロシリル化反応を実施して、その生成物をポリオルガノ水素シロキサンに結合させることができる。
【0063】
上述の方法は、ニート(neat)又は溶媒の存在下で実施され得る。溶媒は、上述の担体媒質であるか、又は段落[0017]〜[0026]に記載される等の溶媒であってもよい。あるいは、アミン官能ポリオルガノシロキサン又はエポキシ官能ポリオルガノシロキサンは、本方法に使用される他の成分と共にエタノール中に溶解され得る。溶媒の全て又はその一部分は、本方法が完了した後、例えば、剥離又は蒸留によって除去され得る。あるいは、コポリマーは、例えば、溶媒が、コポリマーが製剤化される組成物において適切な担体媒質である場合、本方法が完了した後、溶媒中に残存してもよい。
【0064】
上述の方法は、加熱によって実施され得る。正確な温度は、選択された具体的な成分を含む様々な要因に依存するが、温度は、50℃〜100℃の範囲であってもよく、各工程の反応時間は、数時間であってもよく、あるいは、最大10時間、あるいは1〜10時間であってもよい。上述の方法における第1及び第2の工程は、順次実施されてもよい。あるいは工程1及び構成2は、組み合わされてもよく、同時に実施されてもよい。
【0065】
上述の方法において、モル過剰は、ポリオルガノシロキサン上の官能基と反応する試薬上の官能基に使用されてもよい。例えば、アリルグリシジルエーテルのSiH中間体ポリオルガノシロキサンとのヒドロシリル化において、1.1:1比率は、アリルグリシジルエーテルのモル対SiHのモルに使用される。試薬対シロキサン結合官能基の比率は、1.8:1くらい大きくてもよい。あるいは、モル比は、1:1〜1.8:1、あるいは、1.1:1〜1.5:1の範囲であってもよい。
【0066】
あるいは、糖ラクトン対アミンのモル比は、1:1であってもよく、アミン官能ポリオ
ルガノシロキサンのアミン値から計算される。しかしながら、糖ラクトン中の糖官能基対アミン官能ポリオルガノシロキサン中のアミンのモル比は、0.5:1〜2.0:1の範囲であり得る。
【実施例】
【0067】
以下の実施例は、当業者に本発明を示すために含まれる。しかしながら、本開示を考慮すれば、開示される具体的な実施形態において、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく多くの修正がなされ、それでも同様の又は類似する結果を得ることができることを当業者は理解すべきである。全ての量、比率、及びパーセンテージは、特に記載のない限り重量である。
【0068】
実施例では、以下の成分を使用した。GLは、グルコノラクトンを指す。AGEは、アリルグリシジルエーテルを指す。DGEは、ドデシルグリシジルエーテルを指す。ACLは、塩化アリルを指す。DCLは、塩化デシル又は1−クロロデカンを指す。AAは、無水酢酸を指す。GLYは、グリシドールを指す。IPAは、イソプロパノールを指す。Pt IVは、Karstedtの触媒としても知られる、Ptがジビニルテトラメチルジシロキサンと錯体を形成する白金触媒を指す。
【0069】
実施例−1a:(AGEと反応させたアミノエチルアミノイソブチルの二級アミン)
DOW CORNING(登録商標)Q2−8175流体(Dow Corning Corp.,Midland,MI)、即ちペンダントアミノエチルアミノイソブチル基(およそ2.3モルパーセント)を含む150〜400cst(0.00015〜0.0004m
2/s)のポリジメチルシロキサンを、以下の条件下で、グルコノラクトンと反応させた。最初に、アミン値が0.25±0.05meq/gに達し、ポリマー/エタノール反応混合物を作製するまで、74℃で0.51meq/gのアミン値を有するDOW CORNING(登録商標)Q2−8175流体を、エタノール溶媒中で11.36gのグルコノラクトンと反応させることにより、250gの反応混合物を調製した。第2工程で、2.05gのAGEを250gのポリマー/エタノール反応混合物(約50%の濃度)に添加した。ポリマー中の二級アミン対AGEのモル比は、1.0:0.5であった。反応は、75℃で8〜12時間続いた。反応の完了を確認するために、プロトン核磁気共鳴(H−NMR)を使用した。その後、真空下でエタノール溶媒を剥離した。得られたコポリマーをNMRにより特徴付け、ARESレオメーター上で動的粘度を確認した。
【0070】
実施例−1b:(AGEと反応させたアミノエチルアミノイソブチルの二級アミン)
350のDPを有し、2つのペンダントアミノエチルアミノイソブチル官能基を含有する、トリメチルシロキシ終結アミン官能ポリジメチルシロキサン(300g)を、74℃で6時間、エタノール溶媒中でグルコノラクトン(4.14g)と反応させた。反応後のポリマー中のアミン含量は、0.155から0.076meq/gに減少した。H−NMRは、アミド連結を通したグルコノラクトンによるポリオルガノシロキサンの一級アミンの消費を確認した。第2工程で、1.35gのAGEを250gの反応混合物(60.3%の濃度)に添加し、74℃で9時間反応させた。エタノール溶媒を剥離した。得られたコポリマーをNMRにより特徴付け、これは、二級アミンのエポキシ環との反応を確認した。
【0071】
実施例−1c:(AGEと反応させたアミノエチルアミノイソブチルの二級アミン)
375のDPを有し、4つのペンダントアミノエチルアミノイソブチル官能基を含有する、トリメチルシロキシ終結二級アミン官能ポリジメチルシロキサン(200g)を、1リットルのフラスコ中で、74℃で、エタノール溶媒中に、原位置の4.9gのGL及び3.14gのAGEと反応させた。グルコノラクトン反応は4時間で完了したが、半分のAGEしか二級アミンと反応しなかった。追加のAGE(3.2g)を反応混合物に添加し、6時間反応させた。プロトンNMRは、二級アミンの完全な反応を示した。エタノール溶媒を真空下で生成物から剥離した。得られたコポリマーをNMRにより特徴付け、室温レオロジーを試験した。
【0072】
実施例−1d:(AGEと反応させたアミノエチルアミノイソブチルの二級アミン)
第1工程で、13.67gのグルコノラクトンを0.61meq/gのアミン値を有する250gのアミノシロキサンと反応させることにより、分子1つ当り400のDP、及び8つのペンダントアミノエチルアミノイソブチル官能基を有するトリメチルシロキシ終結アミン官能ポリジメチルシロキサンを合成した。反応は、アミン値が0.30±0.04に達するまで、74℃で3〜5時間、エタノール溶媒中で実施された。第2工程で、8.94gのAGEを反応混合物に添加し、74℃で5〜8時間反応させた。エタノール溶媒を剥離した。得られたコポリマーをNMRにより特徴付け、ARESレオメーター上で周波数掃引動的粘度を確認した。
【0073】
実施例−1e:(比較)
DOW CORNING(登録商標)Q2−8175流体(Dow Corning Corp.,Midland,MI)、即ちペンダントアミノエチルアミノイソブチル基(およそ2.3モルパーセント)を含む150〜400cst(0.00015〜0.0004m
2/s)のポリジメチルシロキサンを、以下の条件下で、グルコノラクトンと反応させた。最初に、アミン値が0.25±0.05に達し、ポリマー/エタノール反応混合物を作製するまで、74℃で、0.51meq/gのアミン値を有するDOW CORNING(登録商標)Q2−8175流体を、エタノール溶媒中で11.36gのグルコノラクトンと反応させることにより、250gの反応混合物を調製した。その後、真空下でエタノール溶媒を剥離した。得られたコポリマーをNMRにより特徴付け、ARESレオメーター上で動的粘度を確認した。
【0074】
実施例−2a:(DGEと反応させたアミノエチルアミノイソブチルの二級アミン)
第1工程は、実施例1aと同じであった。しかしながら、AGEを使用する代わりに、第2工程で、5.28gのドデシルグリシジルエーテル(DGE)を、246gの反応混合物(約50%の濃度)に添加した。二級アミン対DGEのモル比は、1.0:0.5であった。反応は、75℃で8時間続いた。反応の完了を確認するために、H−NMRを使用した。その後、真空下でエタノール溶媒を剥離した。得られたコポリマーをNMRにより特徴付け、ARESレオメーターにより動的粘度を確認した。
【0075】
実施例−2b:(DGEと反応させたアミノエチルアミノイソブチルの二級アミン)
2つのペンダントアミノエチルアミノイソブチル官能基を含有する、350のDPを有するトリメチルシロキシ終結ポリジメチルシロキサン(300g)を、74℃で6時間、200gのエタノール溶媒中で、グルコノラクトン(4.14g)と反応させた。反応後のポリマー中のアミン含量は、0.155から0.074meq/gに減少した。H−NMRは、アミド連結を通したグルコノラクトンによる一級アミンの消費を確認した。第2工程で、3.31gのDGEを246gの反応混合物(60.3%の濃度)に添加し、74℃で8時間反応させた。二級アミンは、エポキシ環を開くことによってDGEと反応した。エタノール溶媒を剥離した。得られたコポリマーをNMRにより特徴付けした。
【0076】
実施例−3a:(ACLと反応させたアミノエチルアミノイソブチルの二級アミン)
最初に、300gのDOW CORNING(登録商標)Q2−8175流体を14.0gのグルコノラクトンと反応させた。反応は、アミン値が0.51meq/gから0.25±0.05に減少し、反応混合物を形成するまで、74℃で、60%濃度のエタノール溶媒中で実施された。第2工程で、3.80gの塩化アリル(ACL)を313gの反応混合物(約60%の濃度)に添加した。二級アミン対ACLのモル比は、1.0:1.0であった。反応は、55℃で2時間、74℃で9時間続いた。反応の完了を確認するために、H−NMRを使用した。その後、真空下でエタノール溶媒を剥離した。得られたコポリマーをNMRにより特徴付け、ARESレオメーター上で動的粘度を確認した。
【0077】
実施例−3b:(ACLと反応させたアミノエチルアミノイソブチルの二級アミン)
375のDPを有し、かつ4つのペンダントアミノエチルアミノイソブチル官能基を含有する、300gのトリメチルシロキシ終結二級アミン官能ポリジメチルシロキサンを、1リットルのフラスコ中で、74℃で、200gのエタノール溶媒中で、7.35gのグルコノラクトンと反応させた。H−NMRから明らかであるように、反応は3時間で完了した。第2に、270gの反応混合物を別のフラスコに入れ、55℃で2時間、74℃で13時間、3.14gの塩化アリルと反応させた。H NMRは、二級アミンの完全な反応を示した。エタノール溶媒を真空下で生成物から剥離した。得られたコポリマーをNMRにより特徴付け、室温レオロジーを試験した。
【0078】
実施例−4a:(AAと反応させたアミノエチルアミノイソブチルの二級アミン)
DOW CORNING(登録商標)Q2−8175流体(Dow Corning Corp.,Midland,MI)、即ちペンダントアミノエチルアミノイソブチル基(およそ2.3モルパーセント)を含む、0.51meq/gのアミン値を有する150〜400cst(0.00015〜0.0004m
2/s)のポリジメチルシロキサンを、以下の条件下で、グルコノラクトンと反応させた。最初に、250gのDOW CORNING(登録商標)Q2−8175流体を11.36gのグルコノラクトンと反応させることにより、反応混合物を調製した。反応は、ポリマー中のアミン値が0.25±0.05に達するまで、74℃で、エタノール溶媒中で実施された。第2工程で、3.5gの無水酢酸を238gの反応混合物(約50%の濃度)に添加した。二級アミン対AAのモル比は、1.0:1.0であった。反応は、75℃で5.5時間続いた。反応の完了を確認するために、H−NMRを使用した。その後、真空下でエタノール溶媒を剥離した。得られたコポリマーをNMRにより特徴付け、ARESレオメーター上で動的粘度を確認した。
【0079】
実施例−4b:(AAと反応させたアミノエチルアミノイソブチルの二級アミン)
350のDPを有し、かつ2つのペンダントアミノエチルアミノイソブチル官能基を含有する、トリメチルシロキシ終結二級アミン官能ポリジメチルシロキサン(300g)を、74℃で6時間、200gのエタノール溶媒中でグルコノラクトン(4.14g)と反応させ、反応混合物を形成した。反応後のポリオルガノシロキサン中のアミン含量は、0.155から0.074meq/gに減少した。H−NMRは、アミド連結を通したグルコノラクトンによる一級アミンの消費を確認した。第2工程で、1.12gの無水酢酸(AA)を242gの反応混合物(60.3%の濃度)に添加し、74℃で9時間反応させた。ポリオルガノシロキサンの二級アミンは、AAと反応し、副産物として酢酸を形成した。エタノール溶媒及び酢酸を1mm/Hgの真空で剥離した。得られたコポリマーをNMRにより特徴付けした。
【0080】
実施例−5a:(DCLと反応させたアミノエチルアミノプロピルの二級アミン)
350のDPを有し、かつ2つの末端アミノエチルアミノプロピル官能基を含有する、トリメチルシロキシ終結二級アミン官能ポリジメチルシロキサン(400g)を、74℃で7時間、100gのエタノール溶媒中でグルコノラクトン(4.96g)と反応させた。反応後のポリオルガノシロキサン中のアミン含量は、0.138から0.078meq/gに減少した。H−NMRは、アミド連結を通したグルコノラクトンによるポリオルガノシロキサンの一級アミンの消費を確認した。第2工程で、1.80gの1−クロロデカン(DCL)を170.5gの反応混合物(61.8%の濃度)に添加し、74℃で9時間反応させた。ポリオルガノシロキサンの二級アミンを塩化デシルと反応させることは難しく、反応は、完了しなかった(20%が反応)。エタノール溶媒を真空下で剥離した。得られたポリマーをNMRにより特徴付けした。
【0081】
実施例−6a:(N−メチルグルカミンと反応するエポキシシロキサン)
100のDPを有し、かつ2つの末端水素結合ケイ素原子を含有する、ポリジメチル水素シロキサン(200g)を、0.10gのPt IV/IPA触媒溶液(5ppmのPt)の存在下で、4.95gのアリルグリシジルエーテル(AGE)と反応させた。FTIRスペクトルでSiHピークが観察されなかったことにより示されるように、エポキシ官能ポリオルガノシロキサンを形成するためのヒドロシリル化反応は、100〜120℃で、3時間で完了した。その後、75℃で、100gのエタノール溶媒中で、エポキシ官能ポリオルガノシロキサン(100g)を4.2gのN−メチルグルカミンと反応させた。約11時間で、反応が完了した。エタノール溶媒を真空下で剥離した。得られたコポリマーをNMRにより特徴付けした。
【0082】
実施例−6b:(N−メチルグルカミンと反応するエポキシシロキサン)
2つの末端水素結合ケイ素原子を含有するポリジメチル水素シロキサン(200g)を、0.10gのPt IV/IPA触媒溶液(5ppmのPt)の存在下で、108gのトルエン中の1.60gのアリルグリシジルエーテル(AGE)と反応させた。FTIRスペクトルでSiHピークが観察されなかったことにより示されるように、エポキシ官能ポリオルガノシロキサンを形成するためのヒドロシリル化反応は、85〜95℃で、5.5時間で完了した。その後、74℃で、201.5gのエタノール/IPA(1:1重量)の溶媒混合物中で、エポキシ官能ポリオルガノシロキサン(201.5g)を2.7gのN−メチルグルカミンと反応させた。約11時間で、反応が完了した。エタノールとIPAの溶媒は、真空下で剥離された。得られたコポリマーをNMRにより特徴付けした。
【0083】
実施例−6c:(N−メチルグルカミンと反応するエポキシシロキサン)
1.87のペンダントSiH基を含有するトリメチルシロキシ終結ポリジメチル水素シロキサン(200g)を、0.12gのPt IV/IPA触媒溶液(5ppmのPt)の存在下で、1.94gのアリルグリシジルエーテル(AGE)と反応させた。FTIRスペクトルでSiHピークが観察されなかったことにより示されるように、エポキシ官能ポリオルガノシロキサンを形成するためのヒドロシリル化反応は、90〜100℃で、3.5時間で完了した。その後、160gのエタノール/IPA(1:1重量)溶媒中で、74℃で、エポキシ官能ポリオルガノシロキサン(160g)を2.68gのN−メチルグルカミンと反応させた。8時間で、反応が完了した。エタノールとIPAの溶媒は、真空下で剥離された。得られたコポリマーをNMRにより特徴付けした。
【0084】
実施例−6d:(N−メチルグルカミンと反応するエポキシシロキサン)
4つのペンダントSiH基を含有するトリメチルシロキシ終結ポリジメチル水素シロキサン(160g)を、0.12gのPt IV/IPA触媒溶液(5ppmのPt)の存在下で、100gのトルエン中の1.94gのAGEと反応させた。FTIRスペクトルでSiHピークが観察されなかったことにより示されるように、ヒドロシリル化反応は、85〜100℃で、4.5時間で完了した。その後、74℃で、220gのエタノール/IPA(1:1重量)溶媒中で得られたエポキシ官能ポリオルガノシロキサン(140g)を2.9gのN−メチルグルカミンと反応させた。約9時間で、反応が完了した。エタノールとIPAの溶媒は、真空下で剥離された。得られたコポリマーをNMRにより特徴付けした。
【0085】
実施例−7:(アミノプロピル官能シロキサン系糖シロキサンコポリマー)
アミノプロピル官能ポリオルガノシロキサンは、分子中に一級アミンのみを有し、したがって、グルコノラクトンとの反応は、保護のための未反応アミンが残存しない。これらのコポリマーは、乳化され、50℃で熱老化されたとき、加水分解的に安定していた。以下の実施例は、アミノプロピル官能シロキサンの合成を例証する。
【0086】
実施例−7a:(アミノプロピル官能シロキサン系糖シロキサンコポリマー)
350のDPを有し、かつ2つのペンダントアミノプロピル官能基を含有する、トリメチルシロキシ終結アミン官能ポリジメチルシロキサン(300g)を、74℃で8.5時間、203gのエタノール溶媒中で、4.06gのグルコノラクトンと反応させた。反応後のポリオルガノシロキサン中のアミン含量は、0.003meq/gであった。H−NMRは、アミド連結を通したグルコノラクトンによるアミン官能ポリオルガノシロキサンの全ての一級アミンの消費を確認した。その後、真空下でエタノール溶媒を剥離した。得られたコポリマーをNMRにより特徴付けした。
【0087】
実施例−7b:(アミノプロピル官能シロキサン系糖シロキサンコポリマー)
350のDPを有し、かつ4つのペンダントアミノプロピル官能基を含有する、トリメチルシロキシ終結アミン官能ポリジメチルシロキサン(250g)を、74℃で10時間、250gのエタノール溶媒中で、6.72gのグルコノラクトンと反応させた。反応後のポリオルガノシロキサン中のアミン含量は、0.151から0.014meq/gに減少した。H−NMRは、アミド連結を通したグルコノラクトンによるポリオルガノシロキサンの全ての一級アミンの消費を確認した。その後、真空下でエタノール溶媒を剥離した。コポリマーをNMRにより特徴付けした。
【0088】
実施例8
987.87gの直鎖状シラノール官能ポリジメチルシロキサン流体と15.56g(76.1ミリモル)のメチルアミノエチルアミノプロピルジメチルエトキシランを混合することにより、アミノエチルアミノプロピル官能基を有するポリジオルガノシロキサンを調製した。この混合物に4.0g(27.7ミリモル)のオクタン酸を添加した。この混合物を攪拌しながら95℃±5℃で4時間加熱した。その後、120℃±5℃/25mmHg(3.3kPa)に加熱し、これらの条件を3時間維持することにより、混合物を揮発物から剥離した。1H、13C、及び29Si NMRによる特徴付けは、所望の反応が生じたことを示した。
【0089】
テレケリックアミノエチルアミノプロピル官能ポリジメチルシロキサンとグルコノラクトン(0.07megアミン/gポリマー)の反応から作製された、303.74gのポリジオルガノシロキサン及び200gのエタノールの混合物に、1.8g(0.024モル)のグリシドールを添加した。この混合物を攪拌しながら75℃±5℃で4時間加熱した。この時点で、H−NMRは、反応が完了したことを示した。50℃±5℃及び<35mmHg(4.7kPa)に加熱することにより、大半のエタノールは、回転蒸発器上で除去された。粗生成物を高真空ラインに一晩設置し、残りのエタノールを除去した。1H、13C、及び29Si NMR並びにアミン滴定による特徴付けは、所望の反応が生じて、コポリマーが形成されたことを示した。
【0090】
実施例9
DOW CORNING(登録商標)Q2−8175流体(Dow Corning Corp.,Midland,MI)、即ちペンダントアミノエチルアミノイソブチル基(およそ2.3モルパーセント)を含む150〜400cst.(0.00015〜0.0004m
2/s)のトリメチルシロキシ終結ポリジメチルシロキサンをグルコノラクトンと反応させることにより、実施例1aと同じようにポリマーを調製した。
【0091】
79.24gのエタノール中の120.76gのポリマー(0.250megアミン/gポリマー)の混合物に、2.24g(30.0ミリモル)のグリシドールを添加した。この混合物を攪拌しながら75℃±5℃で4時間加熱した。この時点で、1H−NMRは、反応が完了したことを示した。50℃±5℃及び<35mmHg(4.7kPa)に加熱することにより、大半のエタノールは、回転蒸発器上で除去された。粗生成物を高真空ラインに一晩設置し、残りのエタノールを除去した。1H、13C、及び29Si NMR並びにアミン滴定による特徴付けは、所望の反応が生じて、コポリマーが形成されたことを示した。
【0092】
実施例10
981.7gの直鎖状シラノール官能ポリジメチルシロキサン流体の混合物に、11.1g(68.8ミリモル)のヘキサメチルジシラザン及び0.05gのトリフルオロ酢酸を添加した。混合物を60℃±5℃で1.5時間、加熱し、維持した。次に、8.37g(38.1ミリモル)のアミノエチルアミノイソブチルメチルジメトキシシランを2.0gのオクタン酸と共に添加した。この混合物を攪拌しながら95℃±5℃で4時間加熱した。その後、120℃±5℃/25mmHg(3.3kPa)に加熱し、これらの条件を3時間維持することにより、混合物を揮発物から剥離した。1H、13C、及び29Si NMRによる特徴付けは、所望の反応が生じて、2ペンダントアミノエチルアミノイソブチル基を有するポリオルガノシロキサンを形成したことを示した。
【0093】
2ペンダントアミノエチルアミノイソブチル基を有する100.01gのポリオルガノシロキサン(上で調製した)(0.145megアミン/gポリマー)及び200.10gのエタノールの混合物に、1.29g(7.0ミリモル)のグルコノラクトンを添加した。混合物を攪拌しながら75℃±5℃で4時間加熱した。アミン滴定は、アミンの半分が反応したことを示した。次に、0.54g(7.3ミリモル)のグリシドールを添加し、混合物を攪拌しながら75℃±5℃で4時間加熱した。この時点で、1H−NMRは、反応が完了したことを示した。50℃±5℃及び<35mmHg(4.7kPa)に加熱することにより、大半のエタノールは、回転蒸発器上で除去された。粗生成物を高真空ラインに一晩設置し、残りのエタノールを除去した。1H、13C、及び29Si NMR並びにアミン滴定による特徴付けは、所望の反応が生じて、コポリマーが形成されたことを示した。
【0094】
実施例11
987.87gの直鎖状シラノール官能ポリジメチルシロキサン流体と15.56g(76.1ミリモル)のメチルアミノエチルアミノプロピルジメチルエトキシランを混合することにより、アミノエチルアミノプロピル官能基を有するポリジオルガノシロキサンを調製した。この混合物に4.0g(27.7ミリモル)のオクタン酸を添加した。この混合物を攪拌しながら95℃±5℃で4時間加熱した。その後、120℃±5℃/25mmHg(3.3kPa)に加熱し、これらの条件を3時間維持することにより、混合物を揮発物から剥離した。1H、13C、及び29Si NMRによる特徴付けは、所望の反応が生じて、テレケリックアミノエチルアミノプロピル官能ポリオルガノシロキサンを形成したことを示した。
【0095】
上で調製した150gのテレケリックアミノエチルアミノプロピル官能ポリオルガノシロキサン(0.14meqアミン/gポリマー)及び150gのエタノールの混合物に、2.23g(30.1ミリモル)のグリシドールを添加した。この混合物を攪拌しながら75℃±5℃で4時間加熱した。この時点で、1H−NMRは、反応が完了したことを示した。50℃±5℃及び<35mmHg(4.7kPa)に加熱することにより、大半のエタノールは、回転蒸発器上で除去された。粗生成物を高真空ラインに一晩設置し、残りのエタノールを除去した。1H、13C、及び29Si NMR並びにアミン滴定による特徴付けは、所望の反応が生じて、コポリマーが形成されたことを示した。
【0096】
実施例−12:(アミノプロピル官能シロキサン系糖シロキサンコポリマー)
第1工程で末端アミノエチルアミノプロピル基を有するポリオルガノシロキサンをグルコノラクトンと反応させることにより、末端糖構成成分を含む、350のDPを有する糖シロキサンを調製した。反応を促進するために、エタノール溶媒を使用した。グルコノラクトンと反応させることにより、全ての一級アミンがアミンに変換されたら、第2工程で、キャッピング剤(例えば、AGE、DGE、又はAA)を残りの二級アミンと反応させた。
【0097】
実施例−12a(比較):
0.140meqアミン/gを含有する、2つの末端アミノエチルアミノプロピル基及び350のDPを有するポリオルガノシロキサン(300g)を、グルコノラクトン(3.74g)と反応させた。ポリオルガノシロキサン中のアミン含量は、0.067meq/gに減少した。エタノールを真空下で反応混合物から剥離し、粘稠な生成物を得た。H−NMRにより、一級アミンのグルコノラクトンとの完全な反応を確認した。50℃で3週間、生成物を熱老化させ、H−NMR及びARESレオメーターを使用した粘度測定により特徴付けした。結果を表1に示す。
【0098】
実施例−12b
0.040meqアミン/gを含有する実施例12aからの反応混合物(229g)を、74℃で8時間、アリルグリシジルエーテルと反応させた。H−NMRは、二級アミンのAGEのエポキシ基との完全反応を示した。その後、真空下でエタノール溶媒を剥離し、粘稠なコポリマーを得た。コポリマーを50℃で3週間、熱老化させ、特徴付けした。コポリマーの粘度をARESレオメーターで確認した。結果を表1に示す。
【0099】
実施例−12c
0.040meqアミン/gを含有する実施例12aからの反応混合物(262g)を、74℃で8時間、ドデシルグリシジルエーテルと反応させた。H−NMRは、二級アミンのDGEのエポキシ基との完全反応を示した。その後、真空下でエタノール溶媒を剥離し、粘稠なコポリマーを得た。コポリマーを50℃で3週間、熱老化させ、特徴付けした。コポリマーの粘度をARESレオメーターで確認した。結果を以下の表1に示す。
【0100】
実施例−12d
反応混合物を実施例12aと同じように調製した。0.045meqアミン/gを含有する反応混合物及びこの反応混合物(240g)を、74℃で8時間、無水酢酸と反応させた。H−NMRは、二級アミンの無水物官能基との完全反応を示した。その後、真空下でエタノール溶媒を剥離し、粘稠なコポリマーを得た。コポリマーを50℃で3週間、熱老化させ、特徴付けした。コポリマーの粘度をレオメーター上で確認した。
【0101】
実施例13
150gのポリオルガノシロキサン(350のDP及び末端SiH基を有する)及び150gの2−プロパノール(IPA)の混合物に、0.3gの酢酸ナトリウム及び2.13g(11.5ミリモル)のアリルキシリトールを添加した。IPA(7ppm Pt)中の0.454gのクロロ白金酸(CPA)の1重量パーセント溶液を添加したとき、混合物を攪拌しながら60℃±5℃に加熱した。その後、混合物を攪拌しながら75℃±5℃で7時間加熱した。FTIRによる反応の分析は、>95%のSiHが消費されたことを示した。60℃±5℃及び<35mmHg(4.7kPa)に加熱することにより、大半のIPAは、回転蒸発器上で除去された。粗生成物を高真空ラインに一晩設置し、残りのIPAを除去した。1H、13C、及び29Si NMRによる特徴付けは、所望の反応が生じて、コポリマーが形成されたことを示した。
【0102】
実施例14−ポリマー乳化、高速ミキサー
最大100のカップ中で、15秒間、3500rpmの速度のHauschild Engineering Speed Mixer(モデル# DAC 150 FZ)を介して、上記の例のコポリマー(47.5グラム)を、Sasol Co.のIsofol 12(2−ブチルオクタノール)(2.5グラム)と混合し、Dow Chemical Company of Midland,MI,USAのTergitol 15−s−3(11〜15個の炭素原子を有する二級エトキシル化(約3)アルコールである)(1.0グラム)と更に混合した。同様に、Dow Chemical CompanyのTergitol 15−s−40(11〜15個の炭素原子を有する二級エトキシル化(約40)アルコール、水中で70%活性)(5.5グラム)、及び脱イオン水(4.5グラム)を添加した直後に、高速ミキサーによって提供される高レベルの混合せん断を受けた。典型的には、それぞれ、25秒間、3500rpmで混合を4サイクル、その後、混合物を水中油型構成のエマルションに完全に転換するために、ミキサーカップをこすることが必要であった。それに続く脱イオン水の増加添加(合計39.0グラム)も、高速ミキサーを使用して完了させた。Clariantのフェノキセトール−低フェノール(フェノキシエタノール)(0.9グラム)、及びRohm and HaasのNeolone 950(メチルイソチアゾリノン、水中で9.5%)(0.079グラム)からなる、防腐剤の水相への後添加が行われた。全ての混合は、大気圧及び室温で完了させ、ある程度の熱が、反転工程中、およそ40℃に生成された。得られた生成物は、Malvern粒径測定器(モデル# MS−S)によって測定されるように、300.0ナノメートルの容量平均粒子径を有する単一モード粒径分布を有する水中油型エマルションであった。コポリマーが試験され、その結果を表1に示す。生成物は、2グラムのエマルションを2時間、105℃に曝したとき、55%の非揮発性含量(NVC)を有した。
【0103】
実施例15−ポリマー乳化、チェンジカンミキサー
上記の実施例で調製された糖シロキサンコポリマー(2042.5グラム)のいくつかの変形のうちの1つは、通常トリシャフト設計と呼ばれる2つの分散羽根及び固定型スクレーパ羽根で装備されたRossチェンジカンミキサー(モデル# VMC−1)を介して、スクレーパ羽根で3分間、40rpmの速度でSasol Co.のIsofol 12(2−ブチルオクタノール)(107.5グラム)と混合され、Dow Chemical CompanyのTergitol 15−s−3(C11〜C15二級エトキシル化(約3)アルコール)(42.8グラム)と更に混合された。Dow Chemical CompanyのTergitol 15−s−40(C11〜C15二級エトキシル化(約40)アルコール、水中で70%活性)(236.8グラム)及び脱イオン水(100.9グラム)を添加した直後に、Rossミキサーにより提供される高レベルの混合せん断を受けた。典型的に、それぞれ、3分間、分散羽根で4000rpm、そしてスクレーパ羽根で40rpmで混合を2サイクル、その後、混合物を水中油型構成のエマルションに完全に転換するために、へらで羽根とポットの両方をこすることが必要であった。それに続く脱イオン水の増加添加(合計1727グラム)も、Rossミキサーを使用して完了させた。Clariantのフェノキセトール−低フェノール(フェノキシエタノール)(38.7グラム)、及びRohm and HaasのNeolone 950(メチルイソチアゾリノン、水中で9.5%)(3.4グラム)からなる、防腐剤の水相への後添加が行われた。全ての混合は、発泡を最小にするために、20in Hg(67.7kPa)のレベルの真空下で完了させた。自然熱は、反転工程中に生成され、温度を40℃より下に維持するために、ミキサーポットジャケット上での冷却が利用された。得られた生成物は、Malvern粒径測定器(モデル# MS−S)によって測定されるように、300.0ナノメートルの容量平均粒子径を有する単一モード粒径分布を有し、かつ2グラムのエマルションを2時間、105℃に曝したとき、およそ55%の非揮発性含量(NVC)を有する水中油型エマルションであった。
【0104】
実施例16−内相抽出
10グラムのエマルションを遠心管に添加した後、30〜40グラムのアセトンを添加することにより、実施例14で調製した水中油型エマルションの内相を抽出した。アセトンを分散するために、混合物を手で、又は他の方法により混合した。3600のG力(8000rpmで5cm、accuspinモデル# 400)で、管を遠心機の中に設置した。通常上部にある非ポリマー層を管からデカントした。更なる分析のために、アセトン/水/界面活性剤/Isofol/防腐剤混合物を別の容器に回収した。視覚的に透明のポリマー層の出現が明らかであったエマルションからの、微量の水、界面活性剤、Isofol、及び防腐剤以外の全てを取り除くために、2〜3サイクルのアセトン、混合、及び遠心分離が必要であった。この透明のポリマー層を適切なアルミニウム乾燥パンの中に注ぎ、一晩乾燥のために化学煙霧フードの中に設置した。抽出手順は、エマルションを生成した数日内に、並びにエマルションが室温又は50℃(典型的に、50℃で7日間)のいずれかでしばらく保管された後に、完了した。
【0105】
実施例17−内相のレオロジー的測定
主にコポリマーを含有する乾燥させたエマルション抽出物は、1mmのギャップがある40mmの平行板を利用するRheometric Scientificレオメーター(モデル# ARES)を使用して、動的粘度について検査された。0.05Hz〜80Hzの範囲の10%の歪みで動的周波数掃引を実施した。熱及び室温老化抽出と比較した元のスキャンをプロットすることにより、分析を実施した。試験した試料についての結果を以下の表1に示す。
【0106】
実施例18:NMRの特徴付け
試験した各コポリマーにおいて、0.2gの試料を小さなバイアルに量り入れ、0.175gのCD3OD(Aldrich)及び0.03%のトルエンを含有する2.5〜2.7gのCDCl3を、試料を含有するバイアルに添加し、相溶するまで混合した。Varian Mercury 300MHZ分光計を使用して、プロトンNMRスペクトルを生成した。特徴的な試料ピーク及びトルエン内標準の両方のピークの一体化により、官能基の濃度を得た。内標準を使用してアルドンアミドの濃度を決定するために、カルボニルに隣接する炭素上のアルドンアミドプロトンを使用した。アルドンアミドの濃度は、50℃で4週間老化させた後、濃度の変化を決定するために、初期濃度と比較された。その結果を表1に示す。
【0107】
実施例19:湿っている時の櫛通り試験
上述の特定のコポリマーの試料をヘアコンディショニング組成物に製剤化した。湿っている時の櫛通り試験は、コポリマーのコンディションニング利益を評価するために使用された。引張試験機を使用する際に、櫛通りの容易さを示すために、濡れた毛髪束を通して櫛を移動しているときの摩擦力が測定された。櫛通りの力の減少は、毛髪のコンディショニングと相関した。使用された引張試験機は、インストロンモデル4644であり、各毛髪束は、同等の定義された重量、幅、長さ、及び種類のものであり、櫛は、定義された間隔及び材料であった。制御温度で、毛髪束を組成物で洗浄し、すすいだ。一定の温度及び湿度の気候制御室で櫛通りの力測定を実行した。毛髪試料における湿っている時の櫛通り試験の結果を以下の表1に示す。
【0108】
【表1】